JP4922820B2 - 複合部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、近年工程数を削減することができ、かつ、リサイクル可能な熱可塑性エラストマーが使用されるようになった。
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることも好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のメルトフローレートは、温度230℃、荷重100NのJIS K7210に準ずる条件において、10g
/10分以上であることが好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のショアA硬度は、JIS K6253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることが好ましい。
前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部ではないことも好ましい。
り、環状構造であることも好ましい。
前記複合部材は、第1成形部が、曲線状であることも好ましい。
前記複合部材は、第2成形部が、積層体であることも好ましい。
前記複合部材は、第1成形部が、発泡体であることも好ましい。
<複合部材>
本発明の複合部材は、所望のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を成型することにより得られた第1成型部と、この第1成形部の表面及び/又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形により得られ、かつ、所望のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を成型することにより得られた第2成型部とからなる。
ton射出成形機にて、射出温度230℃、金型温度50℃の条件で、上記組成物(A)を、その射出段階にて第二成形部の切断面に溶融接着するように成形し、このようにして得た複合部材について、接着面が中心になる様にダンベル3号で打ち抜き、引張速度200mm/minで引っ張ることにより行なう。通常1.0MPa以上、好ましくは1.1MPa以上、さらには好ましくは1.3MPa以上の範囲にある。接着強度は高ければ高いほど良く上限は無いが、この範囲を下回ると接合部が剥離しやすくなる点から望ましくない。
図6〜9に示すように、前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、環状構造であることも好ましい。この環状構造を有する複合部材は、自動車ドア用の高シール特性の点から好適である。
さらに、第2成形部は、第2成形部のみからなる、あるいは「単数または複数の、第2成形部と第1成形部からなる」積層体であることも好ましい。この積層体は、摺動性向上の点から好適である。このような積層体としては、例えば、1)第2成形部/第2成形部よりも硬い熱可塑性エラストマー層、2)第2成形部/樹脂単独層、4)第2成形部/フィルム層、5)第2成形部/第1成形部/第2成形部よりも硬い熱可塑性エラストマー層などがあげられる。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)は、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)と、軟化剤(a−3)を含むオレフィン系の組成物であることが好ましい。
通常10g/10分以上、好ましくは15〜5000g/10分、さらに好ましくは20〜5000g/10分である。メルトフローレートが上記範囲内にある熱可塑性エラストマーは、成形性に優れている。
5の範囲、さらに好ましくは20〜90の範囲にある。この範囲にあれば柔軟性に優れた複合部材として使用できる。
本発明で用いられる結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、非架橋性の結晶性熱可塑性樹脂である。結晶性熱可塑性樹脂(a−1)としては、次の(1)または(2)のブテン−1重合体を含む樹脂が好ましく用いられる。
結晶性熱可塑性樹脂(a−1)のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)と、汎用の非架橋性のその他の樹脂あるいはゴムであっても良い。その際の比率としては、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)100重量部に対して0.1〜10重量部である。
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)は、エチレン、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
、40/60〜95/5、好ましくは60/40〜80/20、さらに好ましくは65/35〜75/25[(a)/(b)]のモル比で含有している。
他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンは、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)を構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
好ましくは5〜45重量部に対して、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(a−2)を95〜5重量部、好ましくは95〜50重量部、更に好ましくは95〜55重量部である[ただし、樹脂(a−1)及び共重合ゴム(a−2)の合計は100重量部である]。
ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明で用いられる軟化剤(a−3)または(b−3)は、流動性や硬度の調製剤としてとして用いられる。
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ、(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ナフテン酸;
パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;
マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。
軟化剤(a−3)の含有量としては、α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)100重量部に対して、0〜300重量部であり、好ましくは、10〜280重量部、さらに好ましくは50〜260重量部である。
〔オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)〕
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)と、軟化剤(b−3)を含むオレフィン系の組成物であることが好ましい。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のメルトフローレート(MFR;JIS K 7210,230℃、100N荷重)は、メルトフローレート(MFR;JIS K
7210,230℃、100N荷重)は、特に制限されないが、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.3〜1000g/10分、さらに好ましくは0.5〜900g/10分である。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のクリープ伸びは、JIS K7115に準ずる条件において、通常10%以下、好ましくは9.5%以下、さらに好ましくは9.0%以下にある。この値より上限では、ゴム弾性が低くなり、密閉性不足の理由から好ましくない。
本発明で用いられる結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、非架橋性の結晶性熱可塑性樹脂である。結晶性熱可塑性樹脂(b−1)としては、次の(1)または(2)のブテン−1重合体を含む樹脂が好ましく用いられる。
結晶性熱可塑性樹脂(b−1)のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)と、汎用の非架橋性のその他の樹脂あるいはゴムであっても良い。その際の比率としては、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)100重量部に対して0.1〜10重量部である。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
、40/60〜95/5、好ましくは60/40〜80/20、さらに好ましくは65/35〜75/25[(a)/(b)]のモル比で含有している。
他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンは、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)を構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
る[ただし、樹脂(b−1)及び共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である]。
ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤(E)の存在下あるいは非存在下に動的に熱処理することよって調製することができる。
ル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、上記以外のスリップ剤(たとえばパラフィン系プロセスオイル)、充填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
などが挙げられる。
充填剤としては、従来公知の充填剤、具体的には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、ゴム成分(a−2)または(b−2)が架橋した状態のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)または(B)が得られる。
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる直線部とコーナー部を接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)について、図2に基づいてより具体的に説明する。
図2に示す自動車用グラスランチャンネルの部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の裁断押出成形物(B)(直線部材)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の射出成形物(A)からなるコーナー部分(コーナー部材)とで構成されている。この裁断押出組成物(B)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をチ
ャンネル状に押出成形した後、所定の長さに裁断したものである。また、ここでいう「コーナー部分」とは、熱可塑性エラストマー製の裁断押出成形物同士を接続する際に形成される部分であり、直線部とは押出機により成形される押出成形物をいう。
まず、射出成形用金型キャビティを予め所定の温度に加熱しておく。次に、この金型キャビティに、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなり、押出成型機により得られた第2成型部材を挿入する。
次いで、図示していないが、第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置し、加熱室内(スクリュー内)で融点以上の温度で溶融されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を、金型キャビティのキャビティとコアの間にできる空間部に注入し、裁断押出成形物の端面に、融点以上の温度で溶融させたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を溶着させた後、この組成物を冷却し、図2に示すようなコーナー部分を有する自動車用グラスランチャンネルを得る。
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を自動車用グラスランチャンネル材として用いることにより、従来達成できなかった接着強度および接着後の剥離形態すなわち母材破壊を実現でき、かつ、ゴム弾性、特にクリープ特性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる自動車用グラスランチャンネルが得られる点に、本発明は特徴がある。[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
(1)メルトフローレート(MFR)
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して230℃、100N 荷重で測定した。
(2)硬度
硬度は、JIS K6253に準拠して、ショアA硬度を測定した。測定は、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(3)引張強度および伸び
JIS K6251に準拠して、引張試験を下記の条件で行い、破断時の引張強度と伸びを測定した。試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度500mm/分の条件で行った。
(4)圧縮永久歪みCS
縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定し、歪み量を計算した。
(5)引張クリープ試験
JIS K7115に準拠して、引張クリープ試験を下記の条件で行い、クリープ伸びとした。試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き、1MPaの荷重で、70℃、100時間の条件で行い、伸び率を測定した。
[実施例1]
(オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 A−1の調製)
ゴム成分として油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78モル%、プロピレン含量:22モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))74、油展量:ゴム100重量部に対してパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−90)を30重量部;以下、EPTと略す。]70重量部と、
ポリブテン−1樹脂[ブテン−1単独重合体、MFR=1.8g/10分 230℃、
2.16kgf;以下、PB1と略す。] 30重量部と、
カーボンブラック 0.5重量部と、
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤[旭電化工業(株)製、商品名 アデカスタブAO−60]0.05重量部と、
架橋剤として、有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーブチルP]0.6重量
部と、
架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレート0.2重量部とを
ヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C12 220℃、ダイス温度:220℃、スクリュー回転数:300rpm、押出量:20kg/h]にて、パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW−90] 20重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行い、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−1)のペレットを得た。
ゴム成分として、前記EPT 70重量部と、
ポリブテン−1樹脂として、PB1 30重量部と、
カーボンブラック 0.5重量部と、
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤[旭電化工業(株)製、商品名 アデカスタブAO−60]0.1重量部と、
架橋剤として、有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーブチルP]0.4重量部と、
架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレート 0.1重量部とを
ヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C12 220℃、ダイス温度:220℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:30kg/h]にて造粒を行い、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B−1)のペレットを得た。
(複合部材の作製)
第二成形部として、上記で得た組成物(B−1)を用いて、プレス試験機により作製したプレスシートから切り出した平板状シート(縦2.5cm×横14.7cm×厚さ2mm)を射出成形金型に両面テープにて付着させた。
上記のようにして得た複合部材について、接着面が中心になる様にダンベル3号で打ち抜き、引張速度200mm/minで引っ張ることにより、複合部材の接着強度を評価した。その結果を第1表に示した。
[実施例2]
実施例1において組成物(A−1)および組成物(B−1)のポリブテン−1樹脂をブテン−1・プロピレンランダム共重合体[MFR=2.0g/10分(230℃、2.1
6kgf)、ブテン−1含量80重量%;以下 PB2と略す)とした以外は実施例1と同様に行い、得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、それぞれ組成物(A−2)および組成物(B−2)とした。
[実施例3]
実施例1において組成物(B−1)を組成物(B−2)とした以外は実施例1と同様に行った。
[実施例4]
実施例1において組成物(A−1)を組成物(A−2)とした以外は実施例1と同様に行った。
[実施例5]
EPTを85重量部、PB1を15部、シリンダーから注入するパラフィン系プロセス
オイルの注入量を40重量部、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤を0.10重量部、架橋剤として、有機過酸化物を0.8重量部、架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレートを0.3重量部とした以外は、組成物(A−1)と同様に調製し、これを組成物(A−3)とした。EPTを85重量部、PB1を15部、シリンダーから注
入するパラフィン系プロセスオイルの注入量を10重量部、架橋剤として、有機過酸化物
を0.8重量部、架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレートを0.3重量部とした以外は、組成物(B−1)と同様に調製し、これを組成物(B−3)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[比較例1]
実施例1の組成物(A−1)のPB1を、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製 J−700GP、ポリプロピレン単独重合体、MFR=8.0g/10分 230℃、2.16kgf;以下、PP1と略す)とした以外は実施例1と同様に調製して、これを組成物(A−4)とした。
[比較例2]
実施例1の組成物(B−1)のPB1を、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製 E−200GP、ポリプロピレン単独重合体、MFR=2.0g/10分 230℃、2.16kgf;以下、PP2と略す)とした以外は実施例1と同様に調製して、これを組成物(B−4)とした。
[比較例3]
実施例5の(A−3)のPB1を、PP1と変更した以外は実施例5と同様に調製して、これを組成物(A−5)とした。
[比較例4]
実施例5の(B−3)のPB1を、PP2と変更した以外は実施例5と同様に調製して、これを組成物(B−5)とした。
Claims (18)
- 結晶性熱可塑性樹脂(a−1)を5〜95重量部、
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)を5〜95重量部、及び
軟化剤(a−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を成形することにより得られた第1成形部であって、
該第1成形部の表面及び/又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形により得られ、かつ、
結晶性熱可塑性樹脂(b−1)を5〜95重量部、
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)を5〜95重量部、及び
軟化剤(b−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を成形することにより得られた第2成形部とを、
備えることを特徴とする複合部材。
ただし、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及び、エチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含み、
該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及び、エチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含む。
また、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)及び該エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の合計は100重量部であり、かつ、該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)及び該
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1に記載の複合部材。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)又は(B)のクリープ伸びが、10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のメルトフローレートは、温度230℃、荷重100NのJIS K7210に準ずる条件において、10g/10分以上
であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合部材。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のショアA硬度は、JIS K6
253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合部材。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のショアA硬度は、JIS K6
253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合部材。 - 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部ではないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、環状構造であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記第1成形部が、曲線状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記第2成形部が、発泡体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記第2成形部が、積層体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記第1成形部が、発泡体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合部材。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、
該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、
備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、
該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、
備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、
該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、
備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。 - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、
該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、
備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
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