JP4922820B2 - 複合部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合部材およびその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、自動車のガラスランチャンネルなどに好適な、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなるコーナー部材とオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる直線部材とを接合した複合部材およびその製造方法に関する。
自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建築材料等に用いられるゴム弾性を必要とする部品または部位には、従来から種々の材料が用いられている。たとえば、このような自動車部品の一例として、ガラスランチャンネルが挙げられる。ガラスランチャンネルとは、窓ガラスと窓枠との間に設けられた案内部材であり、窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも、窓ガラスと窓枠との緊密的な(液密的な)密閉操作が必要である。
従来のガラスランチャンネルは、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムを基材として使用し、窓ガラスと摺動させるためのナイロンフィルム等をその表面に接着剤により貼合わせ、曲線を有するコーナー部については、予め成形された基材に対して射出成形で加硫接着を行い、その後バリ取りなどの工程を経る方法が行なわれていた。
このような加硫ゴムによるガラスランチャンネルは、工程数が多く煩雑であり、また加硫ゴムではリサイクルが出来ないという問題があった。
そこで、近年工程数を削減することができ、かつ、リサイクル可能な熱可塑性エラストマーが使用されるようになった。
このような状況の中、加硫ゴムに比べ従来の熱可塑性エラストマーはゴム弾性、特に、クリープ特性に改良の余地があり、ドアサッシュからの脱落、長期使用後の雨などによる水漏れなどが生じる可能性があった。
また、熱可塑性エラストマー性ガラスランチャンネルの製造方法としては、熱可塑性エラストマーからなるガラスランチャンネル(押出成形品)の直線部材を裁断して、双方から金型にセットし、形成されるキャビティに、コーナー部材として同種の熱可塑性エラストマー、たとえばオレフィン系熱可塑性エラストマーを射出成形する方法が採られている。
しかしながら、上記のような従来の技術においては、ガラスランチャンネル(押出成形品)とコーナー部との溶着強度が弱い場合があり、特にガラスランチャンネルのリップ部とコーナー部との溶着が不十分な場合があり、ガラスランチャンネルを折り曲げた場合に、このガラスランチャンネルのリップ部からコーナー部が剥離することも考えられた。
このような状況において、本願出願人は、融点と融解熱量を限定することで、熱融着強度を向上させ、ガラスランチャンネルのリップ部からコーナー部が剥離するのを防止しうる熱可塑性エラストマー組成物を提案している(特許文献1参照)。しかしながら、この方法で得られたコーナー部の成形体は、基材とコーナー材の溶着に関して、低温での接着性に対して必ずしも充分ではない場合があった。
したがって、クリープ特性に優れた自動車のガラスランチャンネルとして直線部材とコーナー部材とを接合した複合部材の出現が望まれている。
特開2003−3023号公報
本発明は、ゴム弾性、特にクリープ特性に優れた熱可塑性エラストマー組成物からなる複合部材、特に自動車のガラスランチャンネルに好適な複合部材を提供することを課題とする。
本発明に係る複合部材は、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)を5〜95重量部、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)を5〜95重量部、及び軟化剤(a−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を成形することにより得られた第1成形部であって、該第1成形部の表面及び/又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形により得られ、かつ、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)を5〜95重量部、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)を5〜95重量部、及び軟化剤(b−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を成形することにより得られた第2成形部とを備えることを特徴としている。
ただし、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及びエチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含み、該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及びエチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含む。
また、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)及び該エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の合計は100重量部であり、かつ、該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)及び該
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることが好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることも好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)又は(B)のクリープ伸びが、10%以下であることが好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のメルトフローレートは、温度230℃、荷重100NのJIS K7210に準ずる条件において、10g
/10分以上であることが好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のショアA硬度は、JIS K6253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることも好ましい。
前記複合部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のショアA硬度は、JIS K6253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることが好ましい。
前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部であることが好ましい。
前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部ではないことも好ましい。
前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からな
り、環状構造であることも好ましい。
前記複合部材は、第1成形部が、曲線状であることも好ましい。
前記複合部材は、第2成形部が、発泡体であることも好ましい。
前記複合部材は、第2成形部が、積層体であることも好ましい。
前記複合部材は、第1成形部が、発泡体であることも好ましい。
本発明に係る複合部材の製造方法は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、備えることを特徴とする。
前記複合部材の製造方法は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、備えていてもよい。
前記複合部材の製造方法は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、備えていてもよい。
前記複合材料の製造方法は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、備えていてもよい。
本発明によれば、射出成形などによる成形性に優れ、ゴム弾性、特にクリープ特性に優れた熱可塑性エラストマー組成物からなる複合部材を提供することができる。この複合部材は、特に自動車のガラスランチャンネル用に好適である。
以下、本発明について具体的に説明する。
<複合部材>
本発明の複合部材は、所望のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を成型することにより得られた第1成型部と、この第1成形部の表面及び/又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形により得られ、かつ、所望のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を成型することにより得られた第2成型部とからなる。
本発明の複合部材を調製するために、本発明で用いられる組成物(B)からなる第二成形物に、組成物(A)を溶融接着させることにより、第一成形部を得て、複合部材を作製する。
接着強度の評価は、組成物(B)を用いて、プレス試験機により作製したプレスシートから切り出した平板状シートを射出成形金型に両面テープにて付着させ、ついで、100
ton射出成形機にて、射出温度230℃、金型温度50℃の条件で、上記組成物(A)を、その射出段階にて第二成形部の切断面に溶融接着するように成形し、このようにして得た複合部材について、接着面が中心になる様にダンベル3号で打ち抜き、引張速度200mm/minで引っ張ることにより行なう。通常1.0MPa以上、好ましくは1.1MPa以上、さらには好ましくは1.3MPa以上の範囲にある。接着強度は高ければ高いほど良く上限は無いが、この範囲を下回ると接合部が剥離しやすくなる点から望ましくない。
本発明の複合部材は、図1〜9に示すように、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなる。
図6〜9に示すように、前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、環状構造であることも好ましい。この環状構造を有する複合部材は、自動車ドア用の高シール特性の点から好適である。
さらに、前記第1成形部または前記第2成形部は、例えば図2や図9に示すように、曲線状にすることも出来る。この複合部材は、折り曲がり個所のある部位のシール性を高めるなどの点から好ましい。
また、前記第1成形部または前記第2成形部は、押出発泡成形機により発泡体とすることも出来る。この発泡体は、自動車ドア用の高シール特性の点から好適である。
さらに、第2成形部は、第2成形部のみからなる、あるいは「単数または複数の、第2成形部と第1成形部からなる」積層体であることも好ましい。この積層体は、摺動性向上の点から好適である。このような積層体としては、例えば、1)第2成形部/第2成形部よりも硬い熱可塑性エラストマー層、2)第2成形部/樹脂単独層、4)第2成形部/フィルム層、5)第2成形部/第1成形部/第2成形部よりも硬い熱可塑性エラストマー層などがあげられる。
〔オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)〕
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)は、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)と、軟化剤(a−3)を含むオレフィン系の組成物であることが好ましい。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であってもよい。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう(以下、同じ)。なお、「動的な熱処理について」は、後の項で詳述する。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のメルトフローレート(MFR;JIS K 7210,230℃、100N荷重)は、コーナー部材として用いる場合は、
通常10g/10分以上、好ましくは15〜5000g/10分、さらに好ましくは20〜5000g/10分である。メルトフローレートが上記範囲内にある熱可塑性エラストマーは、成形性に優れている。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のクリープ伸びは、JIS K7115に準ずる条件において、通常10%以下、好ましくは9.5%以下、さらに好ましくは9.0%以下である。この値より上では、ゴム弾性が低くなり、密閉性不足の理由から好ましくない。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のショアA硬度は、JIS K6253に準ずる条件において、通常5〜99の範囲、好ましくは15〜9
5の範囲、さらに好ましくは20〜90の範囲にある。この範囲にあれば柔軟性に優れた複合部材として使用できる。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)は、車両の内外装材として用いられる熱可塑性エラストマー成形物(好ましくはポリオレフィン系熱可塑性エラストマー成形物)に溶着するコーナー部、たとえば自動車用ガラスランチャンネルのコーナー部分(コーナー部材)に好適に用いられる。具体的には、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形物を裁断し、得られた裁断押出物同士を異なる方向から接続するコーナー部分の成形において、上述した本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物(A)を融点以上の温度で射出成形して、熱可塑性エラストマーの押出成形品と接触させて溶着させることにより、ガラスランチャンネルを得ることができる。
本発明に用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体(例えば、ペレット)の製造方法としては、押出機を使用して成形体を製造する。製造温度は、通常180〜280℃、好ましくは190〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃であり、最終製品の形状、大きさはその使用目的に応じて決定される。また、必要に応じて、積層の可能なダイスを使用することにより、基材層の表面に滑り性に優れた表皮層を薄く積層してもよい。このときの表皮層の厚みは、0.1μm〜1mm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは50〜100μmであるのが望ましい。
結晶性熱可塑性樹脂(a−1)
本発明で用いられる結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、非架橋性の結晶性熱可塑性樹脂である。結晶性熱可塑性樹脂(a−1)としては、次の(1)または(2)のブテン−1重合体を含む樹脂が好ましく用いられる。
即ち、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、(1)ブテン−1を50〜100モル%とエチレンを0〜50モル%とを含有するブテン−1重合体、または(2)ブテン−1を50〜100モル%とブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%とを含有するブテン−1重合体、である。
上記のα−オレフィンとしては具体的に、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。結晶性熱可塑性樹脂(a−1)としては、ブテン−1の単独重合体、あるいはブテン−1を50〜99モル%、好ましくは60〜99モル%、さらに好ましくは70〜99モル%、とエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンあるいは1−オクテンを50〜1モル%、好ましくは40〜1モル%、さらに好ましくは30〜1モル%、とのランダム共重合体、あるいはブロック共重合体であることが好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂(a−1)としては、1種類でも構わないし、2種類以上用いても構わない。
結晶性熱可塑性樹脂(a−1)のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)と、汎用の非架橋性のその他の樹脂あるいはゴムであっても良い。その際の比率としては、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)100重量部に対して0.1〜10重量部である。
なお、本発明において、重合体や樹脂などの組成は、NMR(核磁気共鳴分光法)、IR(赤外分光法)などによる測定で決定される(以下、同じ測定)。
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)は、エチレン、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)は、(a)エチレンから導かれる単位と、(b)炭素数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位とを
、40/60〜95/5、好ましくは60/40〜80/20、さらに好ましくは65/35〜75/25[(a)/(b)]のモル比で含有している。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の非共役ポリエン成分量の一指標であるヨウ素価は、1〜50、好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜30である。また、非共役ジエン量の全成分量では、(a−2)成分中の2〜20重量%である。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)は、135℃デカリン中で測定される極限粘度が、1.0〜10.0dl/g、好ましくは1.5〜8.0dl/gである。
また、必要に応じて他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムをブレンドしても構わない。
他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンは、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)を構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
上記のようなゴム成分の配合量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)中に、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)を5〜95重量部、好ましくは5〜50重量部、更に
好ましくは5〜45重量部に対して、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(a−2)を95〜5重量部、好ましくは95〜50重量部、更に好ましくは95〜55重量部である[ただし、樹脂(a−1)及び共重合ゴム(a−2)の合計は100重量部である]。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(a−2)を架橋する架橋剤としては、例えば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-
ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。
特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たる結晶性熱可塑性樹脂(a−1)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(a−2)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
軟化剤(a−3)または(b−3)
本発明で用いられる軟化剤(a−3)または(b−3)は、流動性や硬度の調製剤としてとして用いられる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ、(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ナフテン酸;
パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;
マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。
中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
軟化剤(a−3)の含有量としては、α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)100重量部に対して、0〜300重量部であり、好ましくは、10〜280重量部、さらに好ましくは50〜260重量部である。
軟化剤(b−3)の含有量としては、α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)100重量部に対して、0〜300重量部であり、好ましくは、10〜280重量部、さらに好ましくは50〜260重量部である。
軟化剤(a−3)の添加方法としては、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)は、その製造の際に軟化剤(a−3)を配合し、いわゆる油展ゴムとして添加しても良い。その際の軟化剤(a−3)の含有量としては、(a−2)成分と軟化剤の合計量100重量部に対し、1〜150重量部、好ましくは5〜130重量部である。
軟化剤(b−3)の添加方法としては、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)は、その製造の際に軟化剤(b−3)を配合し、いわゆる油展ゴムとして添加しても良い。その際の軟化剤(b−3)の含有量としては、(b−2)成分と軟化剤の合計量100重量部に対し、1〜150重量部、好ましくは5〜130重量部である。
また、動的処理を行った後で軟化剤(a−3)または(b−3)を添加しても良い。
〔オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)〕
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)と、軟化剤(b−3)を含むオレフィン系の組成物であることが好ましい。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であってもよい。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のメルトフローレート(MFR;JIS K 7210,230℃、100N荷重)は、メルトフローレート(MFR;JIS K
7210,230℃、100N荷重)は、特に制限されないが、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.3〜1000g/10分、さらに好ましくは0.5〜900g/10分である。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)は、押出し成形の際、押出し肌の良好なオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)である。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のクリープ伸びは、JIS K7115に準ずる条件において、通常10%以下、好ましくは9.5%以下、さらに好ましくは9.0%以下にある。この値より上限では、ゴム弾性が低くなり、密閉性不足の理由から好ましくない。
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のショアA硬度は、JIS K6253に準ずる条件において、通常5〜99の範囲、好ましくは15〜90の範囲、さらに好ましくは20〜85の範囲にある。この範囲にあれば柔軟性に優れた複合部材として使用できる。
また、本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)は、コーナー材に対して優れた接着性を示すので、自動車用の内外装材の部材、特に自動車用ガラスランチャンネルの直線部材用としても好適に用いられる。
本発明に用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体(例えば、ペレット)の製造方法としては、押出機を使用して成形体を製造する。製造温度は、通常180〜280℃、好ましくは190〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃であり、最終製品の形状、大きさはその使用目的に応じて決定される。また、必要に応じて、積層の可能なダイスを使用することにより、基材層の表面に滑り性に優れた表皮層を薄く積層してもよい。このときの表皮層の厚みは、0.1μm〜1mm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは50〜100μmであるのが望ましい。
結晶性熱可塑性樹脂(b−1)
本発明で用いられる結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、非架橋性の結晶性熱可塑性樹脂である。結晶性熱可塑性樹脂(b−1)としては、次の(1)または(2)のブテン−1重合体を含む樹脂が好ましく用いられる。
即ち、該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、(1)ブテン−1を50〜100モル%とエチレンを0〜50モル%とを含有するブテン−1重合体、または(2)ブテン−1を50〜100モル%とブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%とを含有するブテン−1重合体、である。
上記のα−オレフィンとしては具体的に、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)としては、ブテン−1の単独重合体、あるいはブテン−1を50〜99モル%、好ましくは60〜99モル%、さらに好ましくは70〜99モル%、とエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンあるいは1−オクテンを50〜1モル%、好ましくは40〜1モル%、さらに好ましくは30〜1モル%、とのランダム共重合体、あるいは、ブロック共重合体が好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂(b−1)としては、1種類でも構わないし、2種類以上用いても構わない。
結晶性熱可塑性樹脂(b−1)のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)と、汎用の非架橋性のその他の樹脂あるいはゴムであっても良い。その際の比率としては、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)100重量部に対して0.1〜10重量部である。
エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)は、(a)エチレンから導かれる単位と、(b)炭素数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位とを
、40/60〜95/5、好ましくは60/40〜80/20、さらに好ましくは65/35〜75/25[(a)/(b)]のモル比で含有している。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の非共役ポリエン成分量の一指標であるヨウ素価は、1〜50、好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜30である。また、非共役ジエン量の全成分量では、(b−2)成分中の2〜20重量%である。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)は、135℃デカリン中で測定される極限粘度が1.0〜10.0dl/g、好ましくは1.5〜8.0dl/gである。
また、必要に応じて他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムをブレンドしても構わない。
他のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンは、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)を構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
上記のようなゴム成分の配合量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)中に、結晶性熱可塑性樹脂(b−1)を5〜95重量部、好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは5〜45重量部に対して、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(b−2)を95〜5重量部、好ましくは95〜50重量部、更に好ましくは95〜55重量部であ
る[ただし、樹脂(b−1)及び共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である]。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(b−2)を架橋する架橋剤としては、例えば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-
ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。
特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たる結晶性熱可塑性樹脂(b−1)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(b−2)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
架橋剤(E)
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤(E)の存在下あるいは非存在下に動的に熱処理することよって調製することができる。
本発明で用いられる架橋剤(E)としては、たとえば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
この有機ペルオキシドの配合量は、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の合計量、または結晶性熱可塑性樹脂(b−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計量の100重量%に対して、約0.05〜3重量%、好ましくは約0.1〜1重量%、さらに好ましくは約0.1〜0.5重量%の範囲内にあるように選ばれる。この配合量を上記範囲内にすることにより、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)または(b−2)が架橋している、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、引張特性、弾性回復および反撥弾性等のゴム的性質および強度が十分なものとなり成形性も優れたものとなる。
本発明においては、前記有機ペルオキシドによる架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たるゴム成分(a−2)または(b−2)、および樹脂(a−1)または(b−1)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、ペルオキシドの分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
本発明においては、このような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合量は、結晶性熱可塑性樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の合計量、または結晶性熱可塑性樹脂(b−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計量100重量%に対して、通常、0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%の範囲が好ましく、この範囲で配合することにより、流動性に優れ、かつ、組成物を加工成形する際の熱履歴により物性の変化をもたらさない組成物が得られる。
その他の成分
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、上記以外のスリップ剤(たとえばパラフィン系プロセスオイル)、充填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記以外のスリップ剤としては、たとえばグリセリン、ワックス、パラフィン系オイル
などが挙げられる。
充填剤としては、従来公知の充填剤、具体的には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
動的な熱処理について
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用い得るが、非開放型の装置が好ましい。
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、ゴム成分(a−2)または(b−2)が架橋した状態の、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)または(B)が得られる。
また、本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)または(B)のうち、ゴム成分(a−2)または(b−2)が架橋しているオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、組成物を構成する各成分を混合した後、上述の架橋剤(E)の存在下に、動的に熱処理することにより製造することができる。
ここにおける動的な熱処理も、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
混練装置については、前記した通りであり、非開放型の装置が好ましい。
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、ゴム成分(a−2)または(b−2)が架橋した状態のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)または(B)が得られる。
自動車用グラスランチャンネル(複合部材)
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる直線部とコーナー部を接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)について、図2に基づいてより具体的に説明する。
図2は、自動車用グラスランチャンネルおよびその成形方法を説明する模式斜視図である。
図2に示す自動車用グラスランチャンネルの部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の裁断押出成形物(B)(直線部材)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の射出成形物(A)からなるコーナー部分(コーナー部材)とで構成されている。この裁断押出組成物(B)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をチ
ャンネル状に押出成形した後、所定の長さに裁断したものである。また、ここでいう「コーナー部分」とは、熱可塑性エラストマー製の裁断押出成形物同士を接続する際に形成される部分であり、直線部とは押出機により成形される押出成形物をいう。
このような自動車用グラスランチャンネル(複合部材)は、次のようにして製造することができる。
まず、射出成形用金型キャビティを予め所定の温度に加熱しておく。次に、この金型キャビティに、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなり、押出成型機により得られた第2成型部材を挿入する。
ここで、押出成型機の代わりに、押出発泡成形機により第2成型部材を得ることもできる。
次いで、図示していないが、第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置し、加熱室内(スクリュー内)で融点以上の温度で溶融されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を、金型キャビティのキャビティとコアの間にできる空間部に注入し、裁断押出成形物の端面に、融点以上の温度で溶融させたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を溶着させた後、この組成物を冷却し、図2に示すようなコーナー部分を有する自動車用グラスランチャンネルを得る。
また、図示していないが、上記第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置し、加熱室内(スクリュー内)で融点以上の温度で溶融されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を、金型キャビティのキャビティとコアの間にできる空間部に注入し、裁断押出成形物の端面に、融点以上の温度で溶融させたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を溶着させた後、この組成物を発泡し、冷却した後、図2に示すようなコーナー部分を有する自動車用グラスランチャンネルを得ることもできる。
なお、ここでは自動車用グラスランチャンネルを例にとって説明したが、本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマー成形体に融着成形体を形成する場合はもちろん、ドアトリム等の表皮部を融着表皮層で形成する場合にも適用することが可能である。
従来から熱可塑性エラストマー中のプロピレン系重合体としてゴム弾性に優れる点からプロピレン単独重合体が用いられているが、本発明のようなブテン-1重合体を含んだオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を自動車用グラスランチャンネル材として用いることにより、従来達成できなかった接着強度および接着後の剥離形態すなわち母材破壊を実現でき、かつ、ゴム弾性、特にクリープ特性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる自動車用グラスランチャンネルが得られる点に、本発明は特徴がある。[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー(TPE)組成物のメルトフローレート(MFR)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の硬度、引張強度、伸び、圧縮永久歪み(CS)、成形体の剥離強さは、次の方法に従って行なった。
(1)メルトフローレート(MFR)
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して230℃、100N 荷重で測定した。
(2)硬度
硬度は、JIS K6253に準拠して、ショアA硬度を測定した。測定は、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。(3)引張強度および伸び
JIS K6251に準拠して、引張試験を下記の条件で行い、破断時の引張強度と伸びを測定した。試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度500mm/分の条件で行った。
(4)圧縮永久歪みCS
縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定し、歪み量を計算した。
(5)引張クリープ試験
JIS K7115に準拠して、引張クリープ試験を下記の条件で行い、クリープ伸びとした。試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き、1MPaの荷重で、70℃、100時間の条件で行い、伸び率を測定した。
[実施例1]
(オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 A−1の調製)
ゴム成分として油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78モル%、プロピレン含量:22モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))74、油展量:ゴム100重量部に対してパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−90)を30重量部;以下、EPTと略す。]70重量部と、
ポリブテン−1樹脂[ブテン−1単独重合体、MFR=1.8g/10分 230℃、
2.16kgf;以下、PB1と略す。] 30重量部と、
カーボンブラック 0.5重量部と、
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤[旭電化工業(株)製、商品名 アデカスタブAO−60]0.05重量部と、
架橋剤として、有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーブチルP]0.6重量
部と、
架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレート0.2重量部とを
ヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C12 220℃、ダイス温度:220℃、スクリュー回転数:300rpm、押出量:20kg/h]にて、パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW−90] 20重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行い、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−1)のペレットを得た。
(オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 B−1の調製)
ゴム成分として、前記EPT 70重量部と、
ポリブテン−1樹脂として、PB1 30重量部と、
カーボンブラック 0.5重量部と、
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤[旭電化工業(株)製、商品名 アデカスタブAO−60]0.1重量部と、
架橋剤として、有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーブチルP]0.4重量部と、
架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレート 0.1重量部とを
ヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C12 220℃、ダイス温度:220℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:30kg/h]にて造粒を行い、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B−1)のペレットを得た。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−1)および組成物(B−1)を、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。その結果を第1表に示す。
(複合部材の作製)
第二成形部として、上記で得た組成物(B−1)を用いて、プレス試験機により作製したプレスシートから切り出した平板状シート(縦2.5cm×横14.7cm×厚さ2mm)を射出成形金型に両面テープにて付着させた。
ついで、100ton射出成形機にて、射出温度230℃、金型温度50℃の条件で、上記組成物(A−1)を、その射出段階にて第二成形部の切断面に溶融接着するように成形することにより、第一成形部を得て、複合部材を作製した。
(複合部材の評価)
上記のようにして得た複合部材について、接着面が中心になる様にダンベル3号で打ち抜き、引張速度200mm/minで引っ張ることにより、複合部材の接着強度を評価した。その結果を第1表に示した。
[実施例2]
実施例1において組成物(A−1)および組成物(B−1)のポリブテン−1樹脂をブテン−1・プロピレンランダム共重合体[MFR=2.0g/10分(230℃、2.1
6kgf)、ブテン−1含量80重量%;以下 PB2と略す)とした以外は実施例1と同様に行い、得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、それぞれ組成物(A−2)および組成物(B−2)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−2)のペレットおよび組成物(B−2)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−2)のペレットおよび組成物(B−2)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[実施例3]
実施例1において組成物(B−1)を組成物(B−2)とした以外は実施例1と同様に行った。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−1)のペレットおよび組成物(B−2)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。組成物(A−1)のペレットおよび組成物(B−2)のペレットの物性測定結果と共に、接着強度の評価結果を第1表に示す。
[実施例4]
実施例1において組成物(A−1)を組成物(A−2)とした以外は実施例1と同様に行った。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−2)および組成物(B−1)から、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。組成物(A−2)のペレットおよび組成物(B−1)のペレットの物性測定結果と共に、接着強度の評価結果を第1表に示す。
[実施例5]
EPTを85重量部、PB1を15部、シリンダーから注入するパラフィン系プロセス
オイルの注入量を40重量部、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤を0.10重量部、架橋剤として、有機過酸化物を0.8重量部、架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレートを0.3重量部とした以外は、組成物(A−1)と同様に調製し、これを組成物(A−3)とした。EPTを85重量部、PB1を15部、シリンダーから注
入するパラフィン系プロセスオイルの注入量を10重量部、架橋剤として、有機過酸化物
を0.8重量部、架橋助剤として、エチレングリコールジメタクリレートを0.3重量部とした以外は、組成物(B−1)と同様に調製し、これを組成物(B−3)とした。
実施例1において組成物(A−1)を組成物(A−3)、組成物(B−1)を組成物(B−3)とした以外は、実施例1と同様に行った。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[比較例1]
実施例1の組成物(A−1)のPB1を、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製 J−700GP、ポリプロピレン単独重合体、MFR=8.0g/10分 230℃、2.16kgf;以下、PP1と略す)とした以外は実施例1と同様に調製して、これを組成物(A−4)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−4)のペレットおよび組成物(B−1)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−4)のペレットおよび組成物(B−1)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[比較例2]
実施例1の組成物(B−1)のPB1を、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製 E−200GP、ポリプロピレン単独重合体、MFR=2.0g/10分 230℃、2.16kgf;以下、PP2と略す)とした以外は実施例1と同様に調製して、これを組成物(B−4)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−1)のペレットおよび組成物(B−4)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−1)のペレットおよび組成物(B−4)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[比較例3]
実施例5の(A−3)のPB1を、PP1と変更した以外は実施例5と同様に調製して、これを組成物(A−5)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−5)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−5)のペレットおよび組成物(B−3)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
[比較例4]
実施例5の(B−3)のPB1を、PP2と変更した以外は実施例5と同様に調製して、これを組成物(B−5)とした。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−5)のペレットを、上記方法に従って上記物性の測定を行なった。また、組成物(A−3)のペレットおよび組成物(B−5)のペレットから、上記のようにして複合部材を製造し、その複合部材の接着強度を評価した。これらの結果を第1表に示す。
Figure 0004922820
図1は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなる端部材と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを接合した複合部材についての模式斜視図である。 図2は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなるコーナー部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図3は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなるコーナー部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図4は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなるコーナー部とオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを接合し、さらにオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなる直線部とオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図5は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなる直線部の両側に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部を接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図6は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)とを接合し、環状にした自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図7は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)とを接合し、環状にした自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図8は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなるコーナー部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなる直線部とを、環状に接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。 図9は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)からなるコーナー部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)からなる直線部とを、環状に接合した自動車用グラスランチャンネル(複合部材)についての模式斜視図である。

Claims (18)

  1. 結晶性熱可塑性樹脂(a−1)を5〜95重量部、
    エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)を5〜95重量部、及び
    軟化剤(a−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を成形することにより得られた第1成形部であって、
    該第1成形部の表面及び/又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形により得られ、かつ、
    結晶性熱可塑性樹脂(b−1)を5〜95重量部、
    エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)を5〜95重量部、及び
    軟化剤(b−3)を0〜200重量部含む、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を成形することにより得られた第2成形部とを、
    備えることを特徴とする複合部材。
    ただし、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及び、エチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含み、
    該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)は、ブテン−1を50〜100モル%及び、エチレン又はブテン−1以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを0〜50モル%含有するブテン−1重合体を含む。
    また、該結晶性熱可塑性樹脂(a−1)及び該エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a−2)の合計は100重量部であり、かつ、該結晶性熱可塑性樹脂(b−1)及び該
    エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(b−2)の合計は100重量部である。
  2. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1に記載の複合部材。
  3. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)の一部が、動的に架橋されて得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の複合部材。
  4. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)又は(B)のクリープ伸びが、10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合部材。
  5. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のメルトフローレートは、温度230℃、荷重100NのJIS K7210に準ずる条件において、10g/10分以上
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合部材。
  6. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)のショアA硬度は、JIS K6
    253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合部材。
  7. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)のショアA硬度は、JIS K6
    253に準ずる条件において、5〜99の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合部材。
  8. 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
  9. 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、端部が第1成形部ではないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
  10. 前記複合部材は、単数または複数の前記第1成形部で接合された前記第2成形部からなり、環状構造であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合部材。
  11. 前記第1成形部が、曲線状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合部材。
  12. 前記第2成形部が、発泡体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合部材。
  13. 前記第2成形部が、積層体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合部材。
  14. 前記第1成形部が、発泡体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合部材。
  15. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、
    該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、
    備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  16. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出成形機により第2成形部材とする工程と、
    該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、
    備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  17. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、
    該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入する工程とを、
    備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  18. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(B)を押出発泡成形機により第2成形部材とする工程と、
    該第2成形部材の表面及び/又は断面の少なくとも一部が金型キャビティに露出するように設置する工程と、
    前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を射出成形機により上記金型キャビティに導入し、発泡する工程とを、
    備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
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