JP3821748B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー成形体 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形体に関し、詳しくは、軟化剤濃度および/あるいは軟化剤粘度の異なるオレフィン熱可塑性エラストマーからなる成形品の耐熱試験を行った後に、成形品表面にオイルのブリードによるベタツキ感やテカテカ感を生じないオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形体に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】
自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建築材料等に用いられるゴム弾性を必要とする部品又は部位には、従来から種々の材料が用いられている。近年の環境問題を考慮して、リサイクル性、軽量化や汎用の樹脂と同様の作業性を行えるオレフィン系熱可塑性エラストマーが幅広く用いられるようになった。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーの基本的な組成は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等の架橋成分とポリプロピレンやブチルゴムなどの非架橋成分からなっている。
【0003】
近年、オレフィン系熱可塑性エラストマー品質の高性能化の要求により、熱可塑性エラストマー同士を積層することが行われている。このような場合、例えば、軟化剤を多量に含有するゴム弾性に優れる熱可塑性エラストマーを基材として、軟化剤の少なく、比較的高硬度で耐傷付き性に優れる熱可塑性エラストマーを表面層に積層することにより高性能な製品が得られる。また、押出成形品に対して射出成形等により熱可塑性エラストマーを熱融着させることも行われている。
しかし、このように積層や接着させる組成物間の軟化剤の濃度が異なる場合、軟化剤の移行が発生し、耐熱試験時に軟化剤の濃度が低い表面側に軟化剤がブリードし、べたつく問題が発生する。そのため、積層あるいは接着の場合、その積層あるいは接着させる材料双方の濃度を合わせる必要性があり、そのため目標の硬度や流動性を達成することが難しい問題があった。また、流動性や品質上の問題から双方の軟化剤の粘度が異なる場合、双方の濃度を合わせても成形品表面にブリードが発生する問題があった。さらにこのような場合、軟化剤の粘度を合わせようとすると、成形品の表面状態が悪化したり、また、自動車部品において窓ガラスを曇らせるようなフォギング特性が悪化させるなどの問題が生じる。そのため軟化剤の濃度や粘度を合わせて耐熱試験でのブリードを防止するのは困難であった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、成形後、高温状態で経時変化を経ても軟化剤のブリードを生じることがないオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体は、結晶性ポリオレフィンとゴムを含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と、結晶性ポリオレフィンとゴムを含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)とが接合された成形体であって、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)の少なくとも一方は軟化剤を含有し、(A)、(B)の軟化剤濃度および/または軟化剤粘度が異なり、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)における結晶性ポリオレフィンの一部または全部が、融点160℃以上、13C−NMRで測定される立体規則性メソペンタッド分率[mmmm]が96.0%以上の高立体規則性プロピレン重合体(C)であり、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフィン、ゴム及び軟化剤の合計100重量%に対して、高立体規則性プロピレン重合体(C)の含有量が、10重量%以上であることを特徴とする。オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)は、両者の軟化剤濃度および/または軟化剤粘度が異なっていても、(A)、(B)両者を積層して得られた試験片を用いて80℃×12時間の耐熱試験を行なった場合に、軟化剤のブリードによるべたつきが生じない。
【0006】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形体について具体的に説明する。
熱可塑性エラストマーとは、ゴムと類似の物理的性質、たとえば柔軟性や反発弾性を有し、通常のゴムと対照的に熱可塑性プラスチックとして加工できるものであり、このような説明は、たとえば高分子大辞典(丸善株式会社、1994年刊)においてなされている。
【0007】
本発明の成形体でのオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)は、結晶性ポリオレフィンとゴムとを含有している。
本発明に用いられる結晶性ポリオレフィンは、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重合体または共重合体である。具体的に炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いられる。
【0008】
本発明で用いるゴムとは、DSCにより求められる結晶化度が10%を超えない(共)重合体を意味する。
本発明で用いられるゴムとしては、たとえばエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)が挙げられる。
【0009】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるオレフィン系ゴムである。
【0010】
炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
【0011】
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いられる。また、非共役ポリエンとしては、具体的には、
1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエンが好ましい。
【0012】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)は、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%であり、非共役ポリエン含量がヨウ素価で通常0.1〜30、好ましくは0.1〜25である。ただし、エチレン含量とα- オレフィン含量の合計は100モル%とする。なお、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)の組成は、13C−NMRによる測定で求められる。
【0013】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体(D−1)は、その製造の際に軟化剤好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。鉱物油系軟化剤としては、従来公知の鉱物油系軟化剤たとえばパラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。
また、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、通常10〜250、好ましくは30〜150である。
上記のようなエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)は、従来公知の方法により製造することができる。
【0014】
また、本発明のエチレンとα- オレフィンと必要に応じて非共役ポリエンとの共重合体ゴム(D)としては、エチレンと炭素原子数3〜20、好ましくは3〜12、さらに好ましくは3〜8のα- オレフィンとを共重合したエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)を用いることもできる。
このようなエチレン・α- オレフィン共重合体(D−2)としては、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・1-ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(EOR)などを挙げることができる。
【0015】
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分であることが望ましい。
【0016】
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)を構成するα- オレフィンは、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)を構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴム(D−2)は、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
【0017】
ゴム成分は単独で用いても、2種以上のゴム成分を用いてもよい。
1種以上のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)を用いてもよく、1種以上のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)を用いてもよい。
また、(D−1)と(D−2)とを併用してもよい。その場合、(D−1)と(D−2)との比率については、特に制限はないが、たとえばエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D−1)およびエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(D−2)の合計量100重量部に対して、50重量部以下、通常は10〜50重量部の量で用いられる。
【0018】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)中のゴムは、結晶性ポリオレフィン、ゴムおよび軟化剤の合計100重量%に対して、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の割合で用いられる。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)中のゴムは、結晶性ポリオレフィン、ゴムおよび軟化剤との合計100重量%に対して、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の割合で用いられる。
ゴムを上記範囲内の割合で用いると、成形性や成形品の表面外観に優れ、熱可塑性エラストマーとして適度な柔らかさ(硬さ)、ゴム弾性を有する成形体を形成することができる熱可塑性エラストマーが得られる。
【0019】
(C)高立体規則性プロピレン重合体
本発明で用いられる(C)高立体規則性プロピレン単独重合体は、13C−NMRで測定される立体規則性の指標であるメソペンタッド分率[mmmm]が96%以上のプロピレン重合体であり、好ましくは96.5%以上、さらに好ましくは97%以上であることが望ましい。メソペンタッド分率[mmmm]が上記範囲を下回るプロピレン重合体を使用すると、該熱可塑性エラストマーを成形し、耐熱試験を行うと、成形品表面にベタツキ感やテカテカ感が観察される。なお、メソペンタッド分率[mmmm]は、A.zambelliらのMacromolecules,8,687(1975)に示された帰属により定められた値であり、13C−NMRにより、下記条件で測定し、メソペンタッド分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)とした。
種類 EX−270(日本電子(株)社製)
分解能 270MHz
測定温度 120℃
溶媒 トリクロロベンゼン
【0020】
本発明で用いられる(C)高立体規則性プロピレン重合体は、プロピレン単独重合体の割合が全体の80重量%を超えていれば良く、例えばプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体などを用いても良い。ブロック共重合体において、炭素原子数2または4〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。
【0021】
(C)高立体規則性プロピレン重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が通常0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜80g/10分、さらに好ましくは0.3〜60g/10分であることが望ましい。
(C)高立体規則性プロピレン重合体のDSCにて測定される融点(Tm)は、160℃以上、好ましくは 162℃〜170℃、より好ましくは164℃〜 168℃である。
【0022】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)において、(C)高立体規則性プロピレン重合体は、結晶性ポリオレフィン100重量%の内、好ましくは30重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜100重量%含まれている。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)において、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計100重量%に対して、(C)高立体規則性プロピレン重合体の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上の割合である。ここで上限については特に限定しないが、通常50重量%以下である。
(C)高立体規則性プロピレン重合体を上記範囲内の割合で用いると、熱可塑性エラストマーとして、異なる軟化剤濃度および/または軟化剤粘度を有する熱可塑性エラストマーと積層あるいは接着した場合でも、軟化剤のブリードの抑制効果が高い。
なお、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、前記(C)高立体規則性プロピレン重合体を含まなくてもよいし、含んでいてもよい。
【0023】
軟化剤
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)は、少なくとも一方あるいは両方が軟化剤を含有している。
軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成軟化剤等が使用される。鉱物油系軟化剤としては、具体的にはパラフィン系、ナフテン系等の石油系潤滑油、流動パラフィン、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シリンダー油等が使用される。合成軟化剤としては、具体的には、合成炭化水素油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、エステル油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフルオロエチレン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェニル油等が使用される。
【0024】
本発明で用いられる軟化剤は、軟化剤を含むオレフィン系熱可塑性エラストマーの合計量(結晶性ポリオレフィン+ゴム+軟化剤)100重量%に対して、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%の割合で用いられる。軟化剤を上記範囲内の割合で用いると、熱可塑性エラストマーとして、適度な柔らかさ(硬さ)と流動性を有する成形性に優れた熱可塑性エラストマーが得られる。
本発明でおいて、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)の軟化剤濃度とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の軟化剤濃度との差は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下であり、この範囲であれば、(A)と(B)の軟化剤濃度が異なる場合でも、耐熱試験においてベタツキが発生しない。
さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)の軟化剤粘度とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の軟化剤粘度との差は40℃での動粘度が、好ましくは350mm2/S以下、より好ましくは325mm2/S以下、さらに好ましくは300mm2/S以下である。この範囲の粘度差であれば(A)と(B)の軟化剤粘度が異なっていても、耐熱試験においてベタツキが発生しない。また、軟化剤の粘度と濃度のどちらか一方、或いは両方とも異なる場合でも適用できる。
【0025】
核剤
本発明における高立体規則性プロピレン重合体は、結晶性の向上のため核剤を添加されているものでもよく、核剤として、ソルビトール系核剤、芳香族有機リン酸エステル金属塩、ジアミン/モノカルボン酸重縮合物またはジアミン/モノカルボン酸/多塩基酸重縮合物、アルミ系核剤等の市場で一般的に入手できるものがそのまま使用でき、芳香族有機リン酸エステル金属塩としては、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−リチウム塩、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−リチウム塩、2,2’−メチレン−ビス(4,1−プロピル−6−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4−ジ−メチル−6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩ビス(2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩等であり、中でも2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート−ナトリウム塩、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩が好ましく用いられる。また、ビス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩のような芳香族有機リン酸エステル塩基性多価金属塩の場合、アルカリ金属カルボン酸ナトリウムやアルカリ金属βージケトナート、アルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からの一種を最大40重量%まで含有しても良く、その場合、ミリスチン酸リチウムを含有するのが好ましい。
【0026】
また、ソルビトール系核剤としては、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちでは、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せが好ましい。
【0027】
ジアミン/モノカルボン酸重縮合物またはジアミン/モノカルボン酸/多塩基酸重縮合物としては、市場で一般的に入手できるものであればそのまま使用でき、特開平3−153793号公報に記載されているような成形加工性を改良する高軟化点の加工助剤(ワックス)の製造法により作ることができる。モノカルボン酸としては炭素数16以上の飽和脂肪族モノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはステアリン酸であり、従来加工助剤(ワックス)製造に使われているものを使用できる。多塩基酸としては二塩基酸以上のカルボン酸が好ましく、さらに好ましくはセバシン酸である。ジアミン/モノカルボン酸重縮合物またはジアミン/モノカルボン酸/多塩基酸重縮合物の融点は使用するモノカルボン酸の種類によって調整することができるが、一定のモノカルボン酸に対して、多塩基酸の使用量を変えることによって調整することもできる。特に好ましくは、ジアミンとしてエチレンジアミン、モノカルボン酸としてステアリン酸、多塩基酸としてセバシン酸を使用したものである。
【0028】
またタルクなどの無機化合物を核剤として用いることもできる。
【0029】
上記の核剤は、核剤を含有するオレィン系熱可塑性エラストマーにおいて、結晶性ポリオレフィン、ゴムおよび軟化剤の合計量100重量部に対して、好ましくは 0.01〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.8重量部、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部の割合で用いられる。核剤を上記範囲内の割合で用いると、成形した熱可塑性エラストマーの柔らかさ等の物性を損なうことなく、耐熱試験後のベタ感やテカテカ感を生じない熱可塑性エラストマー成形体が得られる。
【0030】
本発明に係る核剤の添加は、高立体規則性プロピレン重合体の結晶化度をさらに向上することが出来るので、さらに軟化剤の耐ブリード性の点で好ましい。
【0031】
その他の成分
本発明に係る熱可塑性エラストマー(A)、(B)においては、さらに必要に応じて、スリップ剤、充填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記スリップ剤としては、たとえば脂肪酸アミド、シリコーンオイル、グリセリン、ワックスなどが挙げられるが、好ましいのは、低分子量の脂肪酸アミドとシリコーンオイルであり、その添加量は5重量%以下であることが好ましい。この範囲であると耐熱試験時にブリードによるベタツキがないので好ましい。
【0032】
充填剤としては、従来公知の充填剤、具体的には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
【0033】
オレフィン系熱可塑性エラストマーの製法
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマーは、上記の原料のブレンド物を、架橋剤の存在下あるいは非存在下に、動的に熱処理することよって調製することができる。 前記した「その他の成分」は動的に熱処理する前に添加されていても良いし、動的に熱処理した後に添加されていても良い。
【0034】
ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう(以下、同じ)。 本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として通常10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
【0035】
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用い得るが、非開放型の装置が好ましい。
【0036】
本発明で用いられる架橋剤としては、たとえば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
【0037】
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0038】
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0039】
この有機過酸化物は、ブレンド物の合計量100重量部に対して、0.01〜0.8重量部、好ましくは約0.03〜0.7重量部の割合で用いられる。有機過酸化物を上記割合で用いると、共重合体ゴムが架橋している熱可塑性エラストマーが得られ、耐熱性、引張特性、弾性回復性、反撥弾性等のゴム的性質および強度が十分な成形体が得られる。また、この組成物は成形性に優れている。
【0040】
本発明においては、前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たる共重合体ゴム、結晶性ポリオレフィン(高立体規則性プロピレン重合体等)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
【0041】
本発明においては、このような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合量は、組成物の全体量100重量%に対して、通常、0.01〜0.8重量%、特に0.03〜0.7重量%の範囲が好ましく、この範囲内で架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーを配合することにより、流動性に優れ、かつ、組成物を加工成形する際の熱履歴により物性の変化をもたらさない組成物が得られる。
【0042】
上記のようにして得られる、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、通常射出成形用途であれば0.01〜1000g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜70g/10分であり、押出成形用途であれば、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、10kg荷重)は、通常0.01〜1000g/10分、好ましくは0.05〜500g/10分、さらに好ましくは0.1〜200g/10分である。メルトフローレートが上記範囲内にある熱可塑性エラストマーは、成形性に優れている。
【0043】
オレフィン系熱可塑性エラストマー成形体
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と(B)とを接合することにより得られる。
(A)と(B)の接合方法としては例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)層とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)層とを押出機内で積層する方法、(A)あるいは(B)の一方を予め成形し、この成形体に対して他方のオレフィン系熱可塑性エラストマーを射出成形あるいは押出成形により熱融着する方法が挙げられる。
例えば、ウェザーストリップ材は、オレフィン熱可塑性エラストマー(A)または(B)を予め成形して得られた直線的部分に対して、接合コーナー部材として他方のオレフィン熱可塑性エラストマー(B)または(A)を接合することにより成形することができる。
【0044】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と(B)を積層する場合の厚みは、特に限定しないが、(A)と(B)の合計で、好ましくは0.1mm〜100mm、より好ましくは0.3mm〜80mm、さらに好ましくは0.5〜50mmである。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と(B)の厚み比は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)1に対してオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)0.1〜10、好ましくは0.3〜8、さらに好ましくは0.5〜5である。
【0045】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形体は、耐熱試験において良好な耐オイルブリード性を有する成形体であり、たとえば、グラスランチャネル、ウェザーストリップスポンジ、ボディパネル、ステアリングホイール、サイドシールド等の自動車部品;靴底、サンダル等の履物;電線被覆ゴム、コネクター、キャッププラグ等の電気部品;上水板、騒音防止壁等の土木資材;ゴルフクラブグリップ、野球バットグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のレジャー用品;ガスケット、防水布、ガーデンホース、ベルト等の雑品などに広く利用することができる。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形体を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)としては、両者を積層して得られた試験片を用いて80℃×12時間の耐熱試験を行った場合に、(A)と(B)が異なる軟化剤濃度および/または軟化剤粘度であっても、オイルブリードによるテカテカ感やベタベタ感の生じない熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
このようなオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と(B)を積層/熱融着等により接合した成形体は、高温状態に長時間晒されても、耐オイルブリード性が良好である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例および比較例で用いたプロピレン単独重合体の融点(Tm)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー(TPE)のメルトフローレート(MFR)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマーからなる成形体の硬度、引張強度、伸び、圧縮永久歪み(CS)、耐熱試験後のベタベタ感およびテカテカ感については、下記の方法従って行なった。尚、耐熱試験後の軟化剤のブリードについては、今回は積層品にて調査したが、これは、成形体に射出成形により熱融着させて成形体を製造した場合の耐熱試験と同様の相関を示すものである。
【0047】
(1)融点(Tm)
ペレットを230℃にて10分アニーリングした後、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、30℃まで10℃/分の速度で降温した後1分間保持し、10℃/分の速度での昇温し、吸収熱量が最大の温度を融点(Tm)とした。
【0048】
(2)メルトフローレート(MFR)
オレフィン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレートは、ASTM D 1238−65Tに準拠して230℃、2.16kg荷重で測定した。
【0049】
(3)硬度
硬度は、JIS K6301に準拠して、ショアーA硬度を測定した。
(測定条件)プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
【0050】
(4)引張強度および伸び
JIS K6301に準拠して、引張試験を下記の条件で行ない、破断時の引張強度と伸びを測定した。
(試験条件)プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度200mm/分の条件で行なった。
【0051】
(5)圧縮永久歪み
圧縮永久歪み(CS)は、JIS K6301に準拠して、下記の条件で測定した。
(測定条件)縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、70℃の温度条件にてスペーサーにより25%厚み方向に圧縮し、22時間経時して解放後の厚さを測定して圧縮永久歪みを計算した。
【0052】
(6)耐熱試験後のベタベタ感およびテカテカ感
オレフィン系熱可塑性エラストマーを50Tプレス成形機にて溶融温度190℃にて予熱6分、加熱4分行った後、20℃にて5分間冷却して縦20cm×横20cm×厚み2mmの平板を成形する。このようにして得られた2mmの平板2枚を重ねて4mmの平板を同様にして190℃、予熱3分、加熱3分にて溶融接着させ、5分間冷却して厚さ4mmの積層体を製造する。出来た積層体をオーブンにて80℃で12時間経時させ、オーブンから出した後、成形品が冷えきらない内に、官能試験によりベタベタ感およびテカテカ感を調査した。成形品表面を指で押さえてベタベタ感が無い場合を○、有る場合を×、また表面にプロセスオイルがブリードしてテカテカ感が有る場合を×、テカテカ感の無い場合を○とする目視評価を行った。
【0053】
[実施例1]
ゴム成分として、油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)] 74、油展量:ゴム100重量部に対して、パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW一380(40℃での動粘度382mm2/s))を40重量部;以下、EPT一1と略す。]70重量部と高立体規則性プロピレン重合体として、プロピレン単独重合体[MFR:13g/10分、[mmmm]=98.0、融点Tm:165℃;以下PP−1と略す。]28重量部と
シリコーンオイルマスターバッチBY27−001(東芝シリコーン(株)社製)2重量部と
50wt%カーボンブラックマスターバッチ2.5重量部と
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名IRGANOX1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名TINUVIN326] 0.1重量部と、
スリップ剤としてオレイン酸アミド[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部と、
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキサ25B]0.64重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン0.48重量部とをへンシェルミキサーで充分混合した後、押出機[品番 TEM一50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:40kg/h]にて、パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW一380]20重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、熱可塑性エラストマー(A)のペレットを得た(以下TPO−1と略す)。
【0054】
ゴム成分として、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度[ML1+4(121℃)] 60、油展量無し、EPT一2と略す。]70重量部と
結晶性ポリオレフィンとして、プロピレン単独重合体[MFR:0.5g/10分、[mmmm]=95.0、融点Tm:162℃;以下PP−2と略す。]30重量部と
50wt%カーボンブラックマスターバッチ2.5重量部と
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名IRGANOX1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名TINUVIN326] 0.1重量部と、
スリップ剤としてオレイン酸アミド[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部と、
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキサ25B]0.32重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン0.24重量部とをへンシェルミキサーで充分混合した後、押出機[品番 TEM一50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:40kg/h)にて、パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PS一90(40℃での動粘度92mm2/s)]61.3重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)のペレットを得た(以下TPO−2と略す)。
得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)とエラストマー(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0055】
[実施例2]
実施例1において、高立体規則性プロピレン重合体として、プロピレン単独重合体[MFR:55g/10分、[mmmm]=98.5、融点Tm:166℃;以下PP−3と略す。]28重量部とした以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマーのペレット(以下、TPO−3と略す。)を得た。得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)としてTPO−3を用い、エラストマー(B)としてTPO−2を用いて、(A)と(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0056】
[実施例3]
実施例1において、TPO−1を配合する際、核剤として芳香族有機リン酸金属塩[旭電化工業(株)製、商品名 アデカスタブNA−11]、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマーのペレット(以下、TPO−4と略す。)を得た。得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)としてTPO−4を用い、エラストマー(B)としてTPO−2を用いて、(A)と(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0057】
[実施例4]
実施例1において、TPO−1を配合する際、EPT−1の代わりにエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78.5モル%、ヨウ素価:7、ムーニー粘度[ML1+4(121℃)] 60、油展無し;以下、EPT−3と略す。)を使用した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマーのペレット(以下、TPO−5と略す。)を得た。得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)としてTPO−5を用い、エラストマー(B)としてTPO−2を用いて、(A)と(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0058】
[実施例5]
実施例1において、高立体規則性ポリプロピレン重合体としてPP−1を22.3重量部、PP−2を5.6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマーのペレット(TPO−6)を得た。得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)としてTPO−6を用い、エラストマー(B)としてTPO−2を用いて、(A)と(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0059】
[比較例1]
ゴム成分として、EPT−1を70重量部と
結晶性ポリオレフィン成分としてPP−2を28重量部と
シリコーンオイルマスターバッチBY27−001(東芝シリコーン(株)社製)2重量部と
50wt%カーボンブラックマスターバッチ2.5重量部と
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名IRGANOX1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名TINUVIN326] 0.1重量部と、
スリップ剤としてオレイン酸アミド[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部と、
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキサ25B]0.64重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン0.48重量部とをへンシェルミキサーで充分混合した後、押出機[品番 TEM一50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:40kg/h)にて、パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW一380]29重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、熱可塑性エラストマー(A)のペレットを得た(以下TPO−7と略す)。
得られた熱可塑性エラストマー物性と、エラストマー(A)としてTPO−7を用い、エラストマー(B)としてTPO−2を用いて、(A)と(B)を積層した時の耐熱試験でのオイルのブリードを調査した。その結果を表1に示す。
【0060】
[比較例2]
比較例1において、エラストマー(B)としてTPO−7を用いた以外は比較例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0061】
[比較例3]
実施例1において、TPO−1の配合の際、高立体規則性プロピレン重合体の代わりにPP−2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003821748
【0063】
▲1▼表1のエラストマー(A)において、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、ポリプロピレン、高立体規則性ポリプロピレン、パラフィン系プロセスオイルの合計を100重量%とした。
▲2▼表1のエラストマー(B)において、パラフィン系プロセスオイルの濃度は、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、ポリプロピレン、パラフィン系プロセスオイルの合計を100重量%としたときの濃度である。
▲3▼表1のエラストマー(A)において、シリコーンオイル、カーボンマスターバッチの添加量、架橋剤の添加量はエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、ポリプロピレン、高立体規則性ポリプロピレン、パラフィン系プロセスオイルを100重量部とした場合の各々の重量部で示されている。
【0064】
【発明の効果】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体は、異なる軟化剤濃度あるいは/および軟化剤粘度のオレフィン系熱可塑性エラストマー同士を積層あるいは射出成形等での接着成形後、高温状態で経時変化を経ても成形品の表面にプロセスオイルのブリードを生じることがないオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体を提供することができる。

Claims (7)

  1. 結晶性ポリオレフィンとゴムを含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と、結晶性ポリオレフィンとゴムを含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)とが接合された成形体であって、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)、(B)の少なくとも一方は軟化剤を含有し、(A)、(B)の軟化剤濃度および/または軟化剤粘度が異なり、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)における結晶性ポリオレフィンの一部または全部が、融点160℃以上、13C−NMRで測定される立体規則性メソペンタッド分率[mmmm]が96.0%以上の高立体規則性プロピレン重合体(C)であり、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフィン、ゴム及び軟化剤の合計100重量%に対して、高立体規則性プロピレン重合体(C)の含有量が、10重量%以上であることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
  2. オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、両者を積層して得られた試験片を用いて80℃×12時間の耐熱試験を行った場合に、軟化剤のブリードによるべたつきが生じないものであることを特徴とする請求項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
  3. 接合が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)層とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)層とを押出機内で積層することにより行われることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
  4. 接合が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)あるいは(B)の一方を予め成形し、この成形体に対して他方のオレフィン系熱可塑性エラストマーを射出成形あるいは押出成形により熱融着することにより行われることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の成形体。
  5. 前記成形体が自動車内外装材用であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
  6. 前記自動車内外装材が、ウェザーストリップ材であることを特徴とする請求項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
  7. オレフィン熱可塑性エラストマー(A)または(B)を予め成形して得られた直線的部分に対して、接合コーナー部材として他方のオレフィン熱可塑性エラストマー(B)または(A)が接合されてなるウェザーストリップ材である請求項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー成形体。
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