JP2023033118A - 熱可塑性エラストマー組成物及び自動車用ウェザーストリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】広い温度領域で流動性に優れており、かつ、成形品の外観が良好となる熱可塑性エラストマー組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン、炭素数3~20のα-オレフィン及び非共役ポリエンの共重合体であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、ポリオレフィン樹脂(B)と、鉱物油系軟化剤(C)とを、有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で溶融混練して得られる組成物であって、140℃、10,000s-1におけるせん断粘度が5~20Pa・sである。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物及び自動車用ウェザーストリップに関する。
エチレン系共重合体とポリオレフィン樹脂からなる組成物を、有機過酸化物の存在下で動的に熱処理することにより得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーを材料として用いた成形加工は、その製造に際して加硫工程が不要であり、通常の熱可塑性樹脂の成形方法、例えば射出成形、異形押出成形、カレンダー加工、ブロー成形等が採用でき、かつ複雑な形状への適用ができるという利点がある。
その一方で、このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーは、溶融状態まで加熱し、特定の形状をもつ金型へ流動させながら成形する必要があるため、設定温度や該熱可塑性エラストマー材料の流動特性が不十分な場合、好ましい形状に成形ができない、あるいは成形品表面にフローマークやデラミネーションといった品質上ないし意匠上の欠陥が発生する場合があった。
このような問題を解決するために、熱可塑性エラストマーに可塑剤を添加する処方が検討されているが、成形品から可塑剤成分がブリードしてしまい、復元性や材料強度などの低下を引き起こす懸念があった。
特開2014-193969号公報
本発明に係る幾つかの態様は、広い温度領域で流動性に優れており、かつ、成形品の外観が良好となる熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のいずれかの態様として実現することができる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の一態様は、
エチレン、炭素数3~20のα-オレフィン及び非共役ポリエンの共重合体であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)と鉱物油系軟化剤(C)とを、有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で溶融混練して得られる組成物であって、140℃、10,000s-1におけるせん断粘度が5~20Pa・sである熱可塑性エラストマー組成物である。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて示差走査熱量測定したときに、観測される発熱ピーク温度が70~85℃であることができる。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
前記ポリオレフィン樹脂(B)を、ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの発熱量の合計を100%としたとき、前記観測されたピークを高温側から積算し95%に達したときの温度が75~95℃であることができる。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
前記鉱物油系軟化剤(C)と前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)との質量比(C)/(A)が0.8~1.9の範囲であることができる。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの吸熱量が1~25J・g-1であることができる。
前記熱可塑性エラストマー組成物の一態様において、
ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの吸熱量が10.5J・g-1以下である非晶性ポリオレフィン樹脂(F)を更に含有することができる。
本発明に係る自動車用ウェザーストリップの一態様は、前記いずれかの態様の熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも一部に使用したものである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物によれば、広い温度領域で流動性に優れているため、好ましい形状に成形しやすく、良好な外観の成形品が得られる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本明細書において、「X~Y」を用いて記載された数値範囲は、数値Xを下限値として含み、かつ、数値Yを上限値として含むものとして解釈される。
なお、本明細書中においては、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)を「成分(A)」と、ポリオレフィン樹脂(B)を「成分(B)」と、鉱物油系軟化剤(C)を「成分(C)」と、有機過酸化物(D)を「成分(D)」と、架橋助剤(E)を「成分(E)」と、非晶性ポリオレフィン樹脂(F)を「成分(F)」と、示差走査熱量測定を「DSC測定」と、それぞれ略して用いることがある。
1.熱可塑性エラストマー組成物
本発明の一実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン、炭素数3~20のα-オレフィン及び非共役ポリエンの共重合体であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、ポリオレフィン樹脂(B)と、鉱物油系軟化剤(C)とを、有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で溶融混練して得られる組成物である。なお、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)を分散相、成分(B)を連続相とした海島構造を形成している。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物において、鉱物油系軟化剤(C)の配合割合は、鉱物油系軟化剤(C)とエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)との質量比(C)/(A)が、0.8~1.9の範囲となる割合であることが好ましく、0.9~1.8の範囲となる割合であることがより好ましく、1.0~1.7の範囲となる割合であることが特に好ましい。鉱物油系軟化剤(C)の配合割合が前記範囲にあると、熱可塑性エラストマー組成物に適度な流動性が付与されるとともに、オイルブリードの発生を抑制できる。
このようにして得られた熱可塑性エラストマー組成物は、140℃、10,000s-1におけるせん断粘度が、5~20Pa・sであり、好ましくは5.5~19.5Pa・sであり、より好ましくは6~19Pa・sであり、さらに好ましくは6.5~18.5Pa・sであり、特に好ましくは7~18Pa・sである。
また、ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて測定したDSC測定において、発熱ピークが観測される温度が、好ましくは70~85℃であり、より好ましくは70~84℃であり、特に好ましくは70~83℃である。
さらに、ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させて測定したDSC測定で観測されるピークの吸熱量が、好ましくは1~25J・g-1であり、より好ましくは2~24J・g-1であり、特に好ましくは3~23J・g-1である。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度、DSC測定における発熱ピーク温度及び吸熱量が前記範囲にあることで、一般的な成形温度に対して比較的低温領域でも流動性を示し、成形外観上著しい欠陥を発生することなく成形加工することができる。
以下、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)
本実施形態において使用されるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)としては、例えば、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体ゴム、エチレン・1-ブテン・非共役ジエン三元共重合体ゴムなどの、エチレンと炭素数3~10のα-オレフィンを主成分とするランダム共重合体が挙げられる。
上記炭素数3~10のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン等を挙げることができ、これらは1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、特にプロピレン、1-ブテンが好ましい。
上記非共役ジエンとしては、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、3,6-ジメチル-1,7-オクタジエン、4,5-ジメチル-1,7-オクタジエン、5-メチル-1,8-ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、2,5-ノルボルナジエン等を挙げることができ、これらは1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、特に1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンが好ましい。
成分(A)の具体例としては、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン三元共重
合体、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン三元共重合体、及びエチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン三元共重合体等が挙げられる。
これらの三元共重合体におけるエチレン含量は、エチレン単位と、α-オレフィン単位と、非共役ポリエン単位との合計を100質量%とした場合に、好ましくは50~90質量%であり、より好ましくは55~85質量%である。また、α-オレフィン含量は、エチレン単位と、α-オレフィン単位と、非共役ポリエン単位との合計を100質量%とした場合に、好ましくは5~40質量%であり、より好ましくは10~35質量%である。上記三元共重合体のエチレン含量が前記範囲にあると、架橋効率が向上する傾向があるため、圧縮永久歪み特性を低く抑えることができる場合がある。
また、非共役ポリエン含量は、エチレン単位と、α-オレフィン単位と、非共役ジエン単位との合計を100質量%とした場合に、好ましくは3~10質量%であり、より好ましくは3~8質量%である。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)のデカリン溶媒中135℃で測定した場合の極限粘度[η]は、好ましくは1~10dl/gであり、より好ましくは2~10dl/gであり、特に好ましくは3~9dl/gである。
また、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)の分散比(Mw/Mn)は、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは4.5以下であり、特に好ましくは4.0以下である。ここで、Mwは重量平均分子量を、Mnは数平均分子量をそれぞれ表し、Mw及びMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたポリスチレン換算値である。
成分(A)は、製造過程において、後述する鉱物油系軟化剤(C)が添加された油展ゴムとして配合されてもよい。成分(A)を油展ゴムとして配合することで、成形加工性が向上する傾向にある。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物中の成分(A)の含有割合は、成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計量を100質量%とした場合、好ましくは17~50質量%であり、より好ましくは20~47質量%であり、特に好ましくは22~44質量%である。
1.2.ポリオレフィン樹脂(B)
本実施形態において使用されるポリオレフィン樹脂(B)としては、ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させてDSC測定したときに観測されるピークの発熱量の合計を100%としたとき、前記観測されたピークを高温側から積算し95%に達したときの温度が75~95℃であることが好ましい。低い温度まで発熱ピークが観測されることで、低温でも固まらず流動性を有する熱可塑性エラストマー組成物が得られやすくなる。このような熱可塑性エラストマー組成物は、(1)従来のものより成形加工のプロセスウインドウが広くなる、(2)成形外観不良などの不具合が発生し難い、(3)比較的低温でも加工ができる、といった特性を備えることができるため、生産性の向上が期待できる。
ポリオレフィン樹脂(B)としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ペンテン共重合体、プロピレン・3-メチル-1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ヘキセン共重合体、プロピレン・3-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン・3-エチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン・1-オクテン共重
合体、プロピレン・1-デセン共重合体及びプロピレン・1-ウンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体が好ましく用いられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物中のポリオレフィン樹脂(B)の含有割合は、成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計量を100質量%とした場合、好ましくは8~50質量%であり、より好ましくは10~40質量%であり、特に好ましくは12~35質量%である。
1.3.鉱物油系軟化剤(C)
本実施形態で使用される鉱物油系軟化剤(C)は、重量平均分子量で300~2000、特には500~1500の分子量を有するものが好ましい。鉱物油系炭化水素からなるゴム用軟化剤は、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の三者の混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の30~45%のものがナフテン系オイル、芳香族環の炭素数が全炭素数中の30%以上のものが芳香族系オイルと、それぞれ分類されているが、本発明においては、パラフィン系のものが好ましく、特に水添パラフィン系のものが好ましい。また、鉱物油系炭化水素は、40℃の動粘度が2×10-5~8×10-4/s(20~800cSt)、特には5×10-5~6×10-4/s(50~600cSt)であるもの、流動点が-40~0℃、特には-30~0℃であるものが好ましい。
本実施形態で使用される成分(A)が油展ゴムである場合、油展ゴムに含まれる伸展油も鉱物油系軟化剤であることが好ましい。
1.4.有機過酸化物(D)
本実施形態において使用される有機過酸化物(D)としては、1,3-ジ(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキセン-3、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2-ジ(tert-ブチルパーオキシ)-p-イソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ-tert-ブチルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、p-メンタンパーオキシド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド、p-クロロベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ(tert-ブチルパーオキシ)パーベンゾエート、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレレート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。これらの有機過酸化物のうち、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキシド類が好ましい。
有機過酸化物(D)の配合割合は、均一かつ緩和な部分架橋を行う観点から、成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01~2.0質量部であり、より好ましくは0.02~1.5質量部である。
1.5.架橋助剤(E)
本実施形態において使用される架橋助剤(E)としては、多官能性化合物であることが好ましい。本発明において「多官能性化合物」とは、一分子中に非共役の炭素-炭素二重結合を二つ以上もつ低分子化合物であって、同二重結合をもたない他の架橋剤と併用することにより架橋反応を効率的に進行させ、均一な架橋構造と優れたゴム弾性を発現することができる化合物のことをいう。
多官能性化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-トルイレンビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等が挙げられる。これらの多官能性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
溶融混練中で発生するフリーラジカルに対する反応性の高い多官能性化合物を併用することで、架橋反応が速やかに進行し、架橋密度の高いゴムドメインを形成できるととともに、フリーラジカルの架橋反応以外の副反応(例えば、フリーラジカル種同士の不均化反応、架橋反応に関与しない水素引き抜き反応、共重合体ゴムやポリオレフィン樹脂の主鎖切断を伴うβ脱離反応)を抑制することができる。
架橋助剤(E)の配合割合は、相構造の均一性及び成形加工性を維持する観点から、成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計100質量部に対して、好ましくは3質量部以下であり、より好ましくは0.1~1.5質量部であり、特に好ましくは0.2~1.2質量部である。
1.6.非晶性ポリオレフィン樹脂(F)
本実施形態において任意に使用される非晶性ポリオレフィン樹脂(F)は、ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させてDSC測定したときに観測されるピークの吸熱量が10.5J・g-1以下であることが好ましい。このような非晶性ポリオレフィン樹脂を含むことで、組成物が低硬度となるとともに低温での流動性を維持しつつ、良好な外観の成形品が得られる。
非晶性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、アタクチックポリプロピレン、アタクチックポリ-1-ブテン等の単独重合体や、プロピレン(50モル%以上含有)と他のα-オレフィン(エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン等)との共重合体、1-ブテン(50モル%以上含有)と他のα-オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン等)との共重合体等を挙げることができる。これらのうち、アタクチックポリプロピレン(プロピレン含量50モル%以上)、プロピレン(50モル%以上含有)とエチレンとの共重合体、プロピレンと1-ブテンとの共重合体が特に好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.7.その他の添加剤
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば鉱物油系以外の軟化剤、滑剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤などの安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、シリコーンオイル、シリコーンポリマー、粘着付与剤、発泡助剤、酸化チタン
、カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの充填剤またはこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木粉などの充填剤、低分子量ポリマーなどを配合して用いることができる。
<鉱物油系以外の軟化剤>
通常用いられるゴム用軟化剤であれば特に制限されないが、例えば、植物油(やし油等)、脂肪酸と高級アルコールとのエステル類(フタル酸ジエステル類等)、リン酸トリエステル類、ポリブテン系、ポリブタジエン系等の低分子量の炭化水素等が挙げられる。
1.8.物性測定
1.8.1.発熱ピーク温度
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物の発熱ピーク温度は、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは72℃以上であり、さらに好ましくは73℃以上であり、さらにより好ましくは74℃以上であり、特に好ましくは75℃以上である。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物の発熱ピーク温度は、好ましくは85℃以下であり、より好ましくは84℃以下であり、さらに好ましくは83℃以下であり、さらにより好ましくは82℃以下であり、特に好ましくは81℃以下である。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物の発熱ピーク温度が前記範囲にあることで、一般的な成形温度に対して比較的低温領域でも流動性を示し、成形外観上著しい欠陥を発生することなく成形加工できる。
熱可塑性エラストマー組成物の発熱ピーク温度は、ISO11357-3:2018に準拠し、示差走査熱量計(NETZSCH社製DSC、製品名「204F1Phoenix」)を用いて、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて示差走査熱量測定したときの、発熱量が最大となる温度を発熱ピーク温度とした。
1.8.2.せん断粘度
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度は、5Pa・s以上であり、好ましくは6Pa・s以上であり、より好ましくは7Pa・s以上である。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度は、20Pa・s以下であり、好ましくは18Pa・s以下であり、より好ましくは17Pa・s以下である。本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度が前記範囲にあることで、一般的な成形温度に対して比較的低温領域でも流動性を示し、成形外観上著しい欠陥を発生することなく成形加工できる。
熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度は、キャピラリーレオメーター(Rosand社製、製品名「RH10」)を用いて、140℃におけるせん断速度を10s-1から100,000s-1まで連続的に変化させて得られたせん断速度に対する粘度のプロットから10,000s-1での粘度を算出した。
1.9.成形体及び用途
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、例えばガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等の各種成形方法を用いて成形体とすることができる。これらの中でも、射出成形法が好適である。例えば射出成形を行う場合、成形温度は一般に130~280
℃であり、好ましくは150~250℃である。また、射出圧力は通常5~100MPaであり、好ましくは10~80MPaである。一方、金型温度は通常0~80℃であり、好ましくは20~60℃である。なお、これらの成形を行った後に、得られた成形体に積層成形や熱成形等の二次工程をさらに行うこともできる。
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、自動車用部材や建材用部材、特に自動車用ウェザーストリップ部材として好適である。また、本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、自動車部品(エアバッグ収納カバー、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ステアリングホイール、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、ボディパネル、サイドシールド、ドア表皮、ホース、ワイヤーハーネスカバー、シートアジャスターカバー、各種パッキン類等)、土木・建材部品(地盤改良用シート、上水板、騒音振動防止壁等の土木資材や建材、土木・建築用各種ガスケットおよびシート、止水材、目地材、窓枠、窓枠パッキン等)、衛生用品(生理用品、使い捨ておむつ、歯ブラシ用グリップ等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類等)、工業用部品(医療用容器、ガスケット、パッキン等)、食品用部品(容器、パッキン等)、医療用機器部品、電線、雑貨、玩具等の幅広い分野で用いることができる。
2.熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
本実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)と鉱物油系軟化剤(C)とを、有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で溶融混練して得られるものである。本発明における「溶融混練」とは、剪断力を加えること及び加熱することの両方を行うことを指す。有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で、成分(A)と成分(B)の溶融混練を行うことにより、成分(B)の連続相(海相)中に成分(A)が分散相(島相)として分散している海島構造を有する熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
溶融混練を行うことのできる装置としては、例えば、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、一軸押出機、同方向回転型連続式二軸押出機、異方向回転型連続式二軸混練機等の装置を挙げることができる。また、この混練装置で行う処理は、バッチ式又は連続式の何れであってもよい。
溶融混練の温度条件は、成分(A)及び成分(B)の溶融と架橋反応とのバランスの観点から、150~250℃の範囲で行うことが好ましい。溶融混練の処理時間は、特に限定されないが、生産性等を考慮すると、通常0.1~30分である。
3.実施例
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「%」又は「部」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.使用した材料
(1)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
下表1に示すエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムに対して、鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイルPW380」、出光興産社製)を下表1の
割合で含有する油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムOSR-1、OSR-2を使用した。
Figure 2023033118000001
上表1中の極限粘度は、デカリン溶媒中、135℃の温度で測定された、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの極限粘度の値である。上表1中のMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたポリスチレン換算値から求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂
・(B)-1:ポリプロピレン/エチレンランダム共重合体。日本ポリプロ社製、商品名「ウィンテック WMX03」。ISO11357-3:2018に準拠した降温DSC
測定における発熱量を100%とし、それを高温側から積算し95%に達するときの温度は84℃である。
・(B)-2:ポリプロピレン/エチレン/1-ブテンランダム共重合体。日本ポリプロ社製、商品名「ノバテック FX4E」。ISO11357-3:2018に準拠した降温DSC測定における発熱量を100%とし、それを高温側から積算し95%に達するときの温度は94℃である。
・(B)-3:ポリプロピレン/エチレンランダム共重合体。日本ポリプロ社製、商品名「ノバテック FL02A」。ISO11357-3:2018に準拠した降温DSC測定における発熱量を100%とし、それを高温側から積算し95%に達するときの温度は95℃である。
・(B)-4:ポリプロピレン重合体。日本ポリプロ社製、商品名「ノバテック MA3」。ISO11357-3:2018に準拠した降温DSC測定における発熱量を100%とし、それを高温側から積算し95%に達するときの温度は108℃である。
(3)鉱物油系軟化剤
・(C):出光興産社製、商品名「ダイアナプロセスオイルPW380」
(4)有機過酸化物(架橋剤)
・(D):2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、日油社製、商品名「パーヘキサ25B-40」
(5)架橋助剤
・(E)-1:ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、大内新興化学工業社製、商品名「BMI-5100」
・(E)-2:ジビニルベンゼン、三共化成社製、商品名「ジビニルベンゼン(純度55wt%)」
(6)非晶性ポリオレフィン樹脂
・(F):プロピレン/1-ブテン非晶質共重合体、Evonik社製、商品名「VESTPLAST508」。後述する方法により観測されるピークの吸熱量は1.9J・g-1である。
(7)老化防止剤
・ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジtert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、BASFジャパン社製、商品名「Irganox 1010」
3.2.実施例1
3.2.1.熱可塑性エラストマー組成物の製造
油展エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムOSR-1を67質量部、ポリオレフィン樹脂(B)-1を23質量部、追加分の鉱物油系軟化剤(C)を10質量部、架橋助剤(E)-1を0.8質量部、老化防止剤を0.1質量部、150℃に加熱した10リッター双腕型加圧ニーダー(日本スピンドル社製)に投入し、40rpmで20分間混練りした。その後、溶融状態の組成物を180℃、40rpmに設定したフィーダールーダー(日本スピンドル社製)にてペレット化した。得られたペレット物に有機過酸化物(D)1.2質量部を配合し、ヘンシェルミキサーにて30秒間混合し、二軸押出機(神戸製鋼所製、型式「HYPERKTX 30」、同方向完全噛み合い型スクリュー、スクリューフライト部の長さLとスクリュー直径Dとの比であるL/Dが74)を用いて、230℃、500rpmで2分間滞留する条件にて溶融混練処理を施しながら押し出して、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
3.2.2.評価方法
得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物のせん断粘度測定とDSC測定、及び、成分(B)と成分(F)のDSC測定を下記の方法により実施し、それそれの項目について評価した。
(1)せん断粘度測定
キャピラリーレオメーター(Rosand社製、製品名「RH10」)を用いて、140℃におけるせん断速度を10s-1から100,000s-1まで連続的に変化させて得られたせん断速度に対する粘度のプロットから10,000s-1での粘度を算出した。この際、プロットされるせん断速度とせん断粘度は、ラビノビッチ補正及びバーグレー補正を実施したものを用いた。
(2)DSC測定
ISO11357-3:2018に準拠し、示差走査熱量計(NETZSCH社製DSC、製品名「204F1Phoenix」)を用いて行った。
・熱可塑性エラストマー組成物の降温DSC測定における発熱ピーク温度:200℃で加熱溶融した組成物を、10℃/分の速度で-80℃まで冷却した際に確認される発熱ピークが頂点となる温度とした。
・熱可塑性エラストマー組成物の昇温測定における吸熱量:上記熱可塑性エラストマー組成物の降温測定後、-80℃まで冷却した組成物をさらに10℃/分の速さで200℃まで加熱した際に確認される吸熱ピーク面積を吸熱量とした。
・成分(B)の降温DSC測定における発熱量を100%とし、それを高温側から積算し95%に達するときの温度:200℃で加熱溶融した成分(B)を、10℃/分の速度で-80℃まで冷却した際に確認される発熱ピーク面積を100%の発熱量とした。この発熱量を高温側から積算し95%に達するときの温度を採取した。
・成分(F)の昇温DSCにおける吸熱量:上記熱可塑性エラストマー組成物の昇温測定における吸熱量と同様の方法にて確認された吸熱ピーク面積を吸熱量とした。
次いで、得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を型締力110トンの射出成形機(日本製鋼社製、商品名「J-110AD」)を用いて120mm×120mm×2mm(縦×横×厚さ)の平板を射出成形して試験片を得た。得られた試験片について、硬度、圧縮永久歪み、引張強さ、最大伸び、及び成形外観を評価した。
(3)硬度(デュロA)
JIS K6253-3:2012(Duro-A)に準拠して測定した。
(4)圧縮永久歪み
弾性回復性の指標として、JIS K6262:2013に準拠して70℃で22時間、25%圧縮したときの圧縮永久歪みを測定した。圧縮永久歪みの値が小さいほど、弾性回復性がよいと判断できる。
(5)引張試験
JIS K6251:2017に準拠して、引張強さ(T)、最大伸び(E)を測定した。
(6)成形外観
上記で得られた試験片のヒケ、やけ、及び金型転写性について下記の2段階で評価した。
(評価基準)
A:ヒケ、やけ、スキン層の脱離がなく、成形外観が優れる。
B:ヒケ、やけ、スキン層の脱離のいずれかの現象が発生しており、成形外観が劣る。
3.3.実施例2~4、比較例1~5
下表2に示す割合で実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマー組成物及び試験片を作製し、実施例1と同様に評価した。
3.4.評価結果
下表2に、各実施例及び各比較例の熱可塑性エラストマー組成物の組成、及び評価結果を示す。
Figure 2023033118000002
上表2の評価結果より、実施例1~4の熱可塑性エラストマー組成物は、比較例1~5
の熱可塑性エラストマー組成物よりも、せん断粘度が低く流動性に優れており、かつ、成形品の外観が良好となることがわかった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (7)

  1. エチレン、炭素数3~20のα-オレフィン及び非共役ポリエンの共重合体であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)と鉱物油系軟化剤(C)とを、有機過酸化物(D)及び架橋助剤(E)の存在下で溶融混練して得られる組成物であって、
    140℃、10,000s-1におけるせん断粘度が5~20Pa・sである、熱可塑性エラストマー組成物。
  2. ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて示差走査熱量測定したときに、発熱ピークが70~85℃に観測される、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂(B)を、ISO11357-3:2018に準拠して、200℃から-80℃まで-10℃/分で降温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの発熱量の合計を100%としたとき、前記観測されたピークを高温側から積算し95%に達したときの温度が75~95℃である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記鉱物油系軟化剤(C)と前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)との質量比(C)/(A)が0.8~1.9の範囲である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの吸熱量が1~25J・g-1である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. ISO11357-3:2018に準拠して、-80℃から200℃まで10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定したときに観測されるピークの吸熱量が10.5J・g-1以下である非晶性ポリオレフィン樹脂(F)をさらに含有する、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を少なくとも一部に使用した、自動車用ウェザーストリップ。
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