JP5165183B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関し、詳しくは軟化剤のブリードが少なく、柔軟性、機械的強度、ゴム弾性に優れ、異型押出加工性が良好で目ヤニの発生のないオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂及びエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを含む混合物を有機過酸化物の存在下に動的架橋して得られる熱可塑性エラストマー組成物は、ゴム的な軟質材料としての特性を示しつつ加硫工程が不要で、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有しているので、工程の合理化やリサイクル性等の観点から注目され、自動車部品、家電用品、医療用機器部品、電線、雑貨等の分野で広く使用されている。しかしながら、従来の熱可塑性エラストマー組成物を押出し成形に用いた場合、押出し機のダイスの出口周辺に樹脂等が付着する、いわゆる目ヤニが発生し、成型品の外観を著しく低下させるという問題があった。
特開2001−123027号公報には、上記の問題を解決する方法として、特定のポリプロピレン系樹脂を配合する技術が開示されている。しかしながら、この方法は、柔軟性が不充分であり、複雑な形状の異型押出成形性が劣るという問題があった。
特開2001−123027号公報
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、詳しくは軟化剤のブリードが少なく、柔軟性、機械的強度、ゴム弾性に優れ、異型押出加工性が良好で目ヤニの発生の少ないオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、下記の成分(I)100重量部に対し、成分(II)を5〜200重量部混合して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に存する。
成分(I):オレフィン系共重合体ゴム(A)100重量部及び鉱物油系ゴム用軟化剤(B)12〜200重量部の混合物(AB)30〜95重量%とポリプロピレン系樹脂(C)5〜70重量%とを含有する(但し、(AB)+(C)=100重量%とする)混合物を、ラジカル発生剤(D)の存在下で動的架橋して得られる架橋組成物。
成分(II):下記の成分(E)の重合後に成分(F)を重合することにより製造されたものであり、成分(E)30〜60重量%及び成分(F)40〜70重量%(但し、(E)と(F)との合計量を100重量%とする。)を含有し、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別において、0℃での溶出分が全溶出量に対して35〜60重量%であり、かつ、80〜100℃での溶出分が全溶出量に対して1〜5重量%であるオレフィン系熱可塑性エラストマーであって、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であり、架橋構造を有さないオレフィン系熱可塑性エラストマー。
成分(E):アイソタクチックインデックスが90%以上のプロピレン単独重合体成分
成分(F):プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分
また、本発明の他の要旨は、複数の原料供給口を有する押出混練機の上流側において、混合物(AB)とポリプロピレン系樹脂(C)との混合物をラジカル発生剤(D)の存在下で動的架橋して架橋組成物を得た後、混合物(AB)及びポリプロピレン系樹脂(C)の原料供給口より下流側の原料供給口から成分(II)を押出混練機に供給して混練処理を行う上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に存する。

本発明によれば、柔軟性、ゴム弾性、引張破壊強さに優れ、軟化剤のブリードが少なく、異型押出加工性が良好で目ヤニの発生の少ないオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法を提供することができるため、本発明の工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(1)オレフィン系共重合体ゴム(成分(A))
本発明において用いられる成分(A)のオレフィン系共重合体ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブテン−非共役ジエンゴム、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴムなどのオレフィンを主成分とする無定型ランダム共重合体の弾性体が例示できる。これらの中で、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが好ましく、特にエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムが好ましい。このエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムの非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が用いられ、特にエチリデンノルボルネンを用いると、得られる共重合体ゴムは適度な架橋構造を与えることができるため好ましい。
上記のようなエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムのうち特に好ましい例としては、エチレン含有量が50重量%〜90重量%、より好ましくは60重量%〜80重量%であり、非共役ジエン含有量が1重量%〜30重量%、より好ましくは3重量%〜20重量%であるオレフィン系共重合体ゴムが挙げられる。エチレン含有量が90重量%を超える場合は、得られる組成物の柔軟性が失われ、50重量%未満の場合は機械的性能が低下する傾向となる。非共役ジエン含有量が1重量%未満では得られる組成物の架橋度が上がらないためか機械的特性が不十分となり、一方30重量%を超えて多い場合は射出成形性が低下する傾向となる。
本発明においては、後述する混合物(AB)の調整に際し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリプロピレン換算の重量平均分子量が、通常10万以上、好ましくは15万以上である成分(A)を使用することにより好適な成形体を得ることができる。成分(A)の重量平均分子量が10万未満の場合は、得られる組成物の機械的強度の改善が不十分となる傾向にある。成分(A)の重量平均分子量の上限は通常100万である。
(2)鉱物油系ゴム用軟化剤(成分(B))
鉱物油系ゴム用軟化剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを軟化させ、柔軟性と弾性を増加させるとともに、得られる組成物の加工性、流動性を向上させる目的のために使用される。
一般に、鉱物油系ゴム用軟化剤としては、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物が用いられる。通常、全炭素量に対し、芳香族炭化水素の炭素の割合が35重量%以上のものは芳香族系オイル、ナフテン系炭化水素の炭素の割合が30重量%〜45重量%のものはナフテン系オイル、パラフィン系炭化水素の炭素の割合が50重量%以上のものはパラフィン系オイルと呼ばれる。本発明においては、パラフィン系オイルが特に好適に使用される。
パラフィン系オイルとしては、40℃での動粘度が通常20cst(センチストークス)〜800cst、好ましくは50cst〜600cstであり、流動度が通常0℃〜−40℃、好ましくは0℃〜−30℃、引火点(COC)が通常200℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃のものが好適に使用される。
(3)ポリプロピレン系樹脂(成分(C))
本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂等が例示できる。
これらのポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K7210、230℃、21.2N荷重)は、通常0.05g/10分〜200g/10分、好ましくは0.1g/10分〜100g/10分である。メルトフローレートが0.05g/10分未満のものを用いた場合は、得られる組成物の成形性が悪化して外観に不良が生じやすく、200g/10分を超えるものを用いた場合は、得られる組成物の機械的特性、特に引張破壊強度が低下する傾向となる。
(4)ラジカル発生剤(成分(D))
本発明において用いられるラジカル発生剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物やジクミルパーオキシド等の有機過酸化物が例示できるが、中でも有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、芳香族系もしくは脂肪族系のいずれも使用でき、単一の過酸化物でも2種以上の過酸化物の混合物でもよい。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類等が用いられる。この中では、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが特に好ましい。
ラジカル発生剤の添加量は、動的に熱処理される混合物(AB)と成分(C)との合計量100重量%に対して0.05重量%〜3.0重量%、好ましくは0.07重量%〜2.0重量%の範囲とするのが好ましい。0.05重量%未満では架橋反応の効果が小さく、3.0重量%を越えると架橋反応の制御が困難になりやすい。
(5)架橋助剤
本発明においては、必要に応じて架橋助剤を用いることもできる。主な架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン等の過酸化物用助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
架橋助剤の添加量は、動的に熱処理される混合物(AB)と成分(C)との合計量に対して、0.01重量%〜4.0重量%の範囲で用いればよい。好ましい使用量は0.05重量%〜2.0重量%である。0.01重量%未満では架橋助剤の効果があまり現れず、4重量%を超えて配合しても、その添加量に見合う効果の増加は得られず、経済的に有利でない。
(6)オレフィン系熱可塑性エラストマー(成分(II))
本発明において用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(成分(II))は、JIS K7203に準拠して温度23℃で測定した曲げ弾性率が500MPa以下であり、成分(E):アイソタクチックインデックスが90%以上のプロピレン単独重合体成分及び成分(F):プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分を含有するものであることが好ましい。
成分(II)を構成する一方の成分(E)は、アイソタクチックインデックスが90%以上のプロピレン単独重合体であり、特にアイソタクチックインデックスが95%以上であるものが好ましい。また、架橋構造を有さないものであることが好ましい。前記成分(E)のアイソタクチックインデックスが90%未満では、組成物の熱可塑性エラストマーとして柔軟性と引張り特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣る傾向がある。
また、成分(II)を構成する他方の成分(F)は、プロピレンとエチレンを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体であり、特にプロピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。
尚、ここで、炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が挙げられる。
また、この成分(F)には、更に、1,4−ヘキサジエン、5−メチル1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等の非共役ジエンが、0.5重量%〜10重量%の量で共重合されていてもよい。
そして、本発明の成分(II)は、ο−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0℃〜140℃の間の温度上昇溶離分別において、0℃での溶出分が全溶出量に対して35重量%〜60重量%、好ましくは40重量%〜55重量%であり、かつ、80℃〜100℃での溶出分が全溶出量に対して1重量%〜5重量%、好ましくは2重量%〜4重量%であることが好ましい。
成分(II)の、0℃での溶出分が35重量%未満であり、かつ、80℃〜100℃での溶出分が5重量%超過である場合は、組成物の熱可塑性エラストマーとしての柔軟性と引張り特性のバランスが劣ることとなり、一方、0℃での溶出分が60重量%超過であり、かつ、80℃〜100℃での溶出分が1重量%未満では成形加工性が劣る傾向となる。
また、本発明で得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性の面から、成分(II)は、ο−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0℃〜140℃の間の温度上昇溶離分別において、120℃〜130℃での溶出分が全溶出量に対して3重量%〜6重量%、好ましくは4重量%〜5重量%であるのが好ましい。尚、ここで、温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation;TREF)とは、一般に公知の分析法である。原理的には、高温でポリマーを溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在させておいた不活性坦体の表面に薄いポリマー層を形成させる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶化しにくい低結晶性若しくは非晶性成分の順にポリマー層が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、前記と逆に、低結晶性若しくは非晶性成分から溶出し、最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組成分布を分析するものである。本発明においては、この温度上昇溶離分別における溶媒としてο−ジクロロベンゼンを使用する。
成分(II)は、前記成分(E)が30重量%〜60重量%、好ましくは35重量%〜55重量%前記成分(F)が40重量%〜70重量%好ましくは45重量%〜65重量%からなることが好ましい。ここで、成分(E)と成分(F)の合計量は、100重量%とする。前記成分(E)が30重量%未満で前記成分(F)が70重量%超過の場合は、本発明で得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性と引張り特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣る傾向があり、一方、前記成分(E)が60重量%超過で前記成分(F)が40重量%未満の場合は、柔軟性を有する組成物が得られ難くなると共に、柔軟性と低温衝撃性のバランスが劣る傾向がある。
また、本発明で得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性と成形加工性、引張り特性のバランスの面から、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量が10万〜30万、好ましくは12万〜28万であり、本発明で得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物全体の、室温のキシレンに可溶性の成分(室温キシレン可溶分)が20万〜80万、好ましくは22万〜75万であることが好ましい。当該組成物全体の室温キシレン可溶分としては、成分(E)および成分(F)の室温キシレン可溶分が含まれるが、成分(E)の室温キシレン可溶分が組成物全体に対し1重量%以下であるため、実質的には成分(F)の室温キシレン可溶分に相当する。
成分(E)のGPCによる重量平均分子量は、テトラリン135℃で測定した固有粘度(極限粘度)に対応し、成分(E)は、1.0dl/g〜3.0dl/gの固有粘度に相当する。また、最終的に得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物全体の室温キシレン可溶分は、テトラリン135℃で測定した固有粘度(極限粘度)に対応し、当該組成物全体は2.0dl/g〜9.0dl/gの固有粘度に相当する。
また、成分(E)のGPCによる重量平均分子は、温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートに対応し、成分(E)は、5g/10分〜40g/10分のメルトフローレートに相当する。最終的に得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物全体の室温キシレン可溶分は、温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートに対応し、当該組成物全体は0.01g/10分〜1g/10分のメルトフローレートに相当する。
さらに、低温衝撃性の面から、成分(F)の室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレフィン含有量は40重量%以上であることが好ましい。
本発明の成分(II)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、前記成分(E)の重合後に前記成分(F)が重合されることにより製造された組成物からなることが好ましい。この逐次重合に用いられる触媒としては従来公知のものを用いることができ、例えば、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものを用いることができる。ここで、有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R1 mAlX3-m(式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
また、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、やはりこの種の重合において公知のものを用いることができる。チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR24-nn(式中、R2は炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の数である。)で表わされる化合物が挙げられ、特に四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が好ましい。マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、特にマグネシウムジハライド等が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、特に、塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化合物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物等が挙げられ、中でも、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、更には、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が好ましく、特に、一般式 R34 3-pSi(OR5p(式中、R3は炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、R4は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、R5は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が好ましい。
本発明の成分(II)のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法は、まず、第一段階で、プロピレンを供給して、前記触媒の存在下に温度50℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃、プロピレン分圧0.5MPa〜4.5MPa、好ましくは1.0MPa〜3.5MPaの条件で、プロピレン単独重合体の重合を実施して成分(E)を製造し、引き続いて、第二段階で、プロピレンとエチレン又は、プロピレンとエチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃、プロピレン及びエチレン分圧各0.3MPa〜4.5MPa、好ましくは0.5MPa〜3.5MPaの条件で、プロピレン−エチレン共重合体、又は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体の重合を実施して成分(F)を製造することによりなされる。
尚、その際の重合方式は、回分式、連続式、半回分式のいずれかによってもよく、第一段階の重合は気相又は液相中、特には気相中で実施するのが好ましく、また、第二段階の重合は気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は各々0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜5時間とするのがよい。
また、前記方法により製造される成分(II)の粉体粒子のベタツキ等をなくして流動性を付与するために、第一段階での成分(E)の重合後、第二段階での成分(F)の重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100倍モル〜1000倍モルで、且つ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2倍モル〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
前記方法により製造される成分(II)は、JIS K7203に準拠して温度23℃で測定した曲げ弾性率が500MPa以下であることが必要であり、好ましくは475Mpa以下、特に好ましくは450Mpa以下である。曲げ弾性率が500MPaを超えるものを用いると、最終組成物の柔軟性が失われ、異型押出成形性も劣る傾向にある。また、当該曲げ弾性率の下限は通常50MPaである。
また、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートが0.1g/10分〜5g/10分であり、JIS K7112に準拠して水中置換法にて測定した密度が0.87g/cm3〜0.88g/cm3程度であり、JIS K7113に準拠して温度23℃で測定した引張り破断点強度が6MPa以上、引張り破断点伸度が700%以上であり、かつ、JIS K7110に準拠したアイゾッド衝撃試験において温度−40℃でも破断を示さないものであることが好ましい。
(6)その他の成分
本発明で最終的に得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて他の任意の配合成分を配合することができる。
任意の配合成分としては、例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物、上記必須成分以外の熱可塑性樹脂、上記必須成分以外のエラストマー、フィラー等を挙げることができ、これらの中から任意のものを単独でまたは併用して用いることができる。
必須成分以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等を挙げることができる。
また、任意のエラストマーとしては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー、ポリブタジエン等を挙げることができる。更に、充填材としては、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。
次に、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、混合物(AB)の調整工程、混合物(AB)と成分(C)とを動的架橋して架橋生成物(成分(I))を得る工程、成分(I)及び成分(II)、必要に応じて更に成分(B)を混合する工程を含有する。
先ず、本発明においては、成分(A)とその100重量部当たり12〜200重量部、好ましくは20〜150重量部の成分(B)とを予備混合(油展)して混合物(AB)を調整する。
成分(B)の使用量が12重量部未満の場合は、得られる組成物の流動性が低下し、特に、押出加工性が損なわれ、押出し成形品の外観が悪くなる傾向がある。一方、成分(B)の使用量が200重量部を超える場合は、得られる組成物の可塑性が著しく増加して加工性が悪化すると共に、成型品の物性等が低下する傾向がある。
すなわち、本発明においては、上記範囲の成分(B)の使用により、柔軟性の確保と流動性の向上による加工性の改良および機械的特性の改良を同時に満足させることの可能なオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。また、上記範囲の成分(B)の使用により、動的熱処理時の発熱が抑制され、その結果、押出成形した際にブツの発生が少なく表面の平滑な成型品を得ることができる。
上記の油展には公知の方法を使用することができる。例えば、ロールやバンバリミキサーの様な装置を使用し、成分(A)と成分(B)を機械的に混練して油展する方法、成分(A)溶液に所定量の成分(B)を添加した後にスチームストリッピング等の方法により脱溶媒する方法などがある。特に、後者の油展方法が好ましく、成分(A)としては、重合で得られるオレフィン系共重合体ゴム溶液を使用する方が操作が容易である。
次いで、本発明においては、混合物(AB)30重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%と成分(C)5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜60重量%とを混合した後(但し、混合物(AB)と(C)の合計量を100重量%とする。)、成分(D)の存在下にて動的架橋する。動的架橋は、通常、動的に熱処理することにより行われる。次いで、更に成分(II)を5重量部〜200重量部(好ましくは10重量部〜150重量部)混合し、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得る。動的架橋時の材料の状態は使用する材料の種類や動的熱処理温度によって異なり、通常は半溶融状態または溶融状態となるが、特に制限されない。
成分(C)の含有量が5重量%未満の場合は、得られる組成物の流動性が低下し、成型品の外観不良を招き、70重量%を超える場合は、得られる組成物の柔軟性が失われる。成分(II)の含有量が5重量部未満の場合は、目ヤニの改良効果が損なわれることがあり、一方、200重量部を超えて配合すると柔軟性が失われる傾向にある。
また、本発明においては、成分(B)の鉱物油系ゴム用軟化剤は、予めオレフィン系共重合体ゴムを油展して用いる以外に、本組成物の性能を損なわない範囲で、例えば混合物(AB)と成分(C)の合計量100重量部に対して0.01重量部以上150重量部以下、好ましくは100重量部以下の範囲で追加して配合して用いることもできる。この量を超えて配合した場合には、軟化剤のブリードが問題となることがある。
この動的な熱処理は、通常、溶融混練によって行うのが好ましく、そのための混合混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。中でも二軸押出機を用いるのが好ましい。
この二軸押出機を用いた製造方法の好ましい態様としては、複数の原料供給口を有する二軸押出機のより上流側の原料供給口(ホッパー)から混合物(AB)、成分(C)、及び成分(D)を含む混合物をシリンダー内に供給しながら溶融混練し、更に追加の成分(B)を該ホッパーと別個のより下流側に位置する供給口からシリンダー内に供給して、熱処理し、オレフィン系熱可塑性エラストマーを製造し、これと成分(II)を短軸押出機等を用いて溶融混練して、オレフィン系熱可塑性エラストマーを製造する方法である。または成分(II)を単にブレンドして用いても良い。
更に好ましい様態は、複数の原料供給口を有する二軸押出機のより上流側の原料供給口(ホッパー)から混合物(AB)、成分(C)、及び成分(D)を含む混合物をシリンダー内に供給しながら溶融混練し、更に追加の成分(B)及び成分(II)を該ホッパーと別個のより下流側に位置する供給口からシリンダー内に供給して、熱処理し、オレフィン系熱可塑性エラストマーを製造する方法である。
熱処理の温度は、通常100℃〜300℃、好ましくは110℃〜280℃であり、時間は通常0.1分〜30分、好ましくは0.15分〜25分の範囲である。鉱物油系ゴム用軟化剤等の副原料は本組成物の性能を損なわない範囲で、本発明の組成物を製造中のいかなる段階において配合しても構わない。
本発明で得られる熱可塑性エラストマー組成物は、通常熱可塑性エラストマーに用いられる成形方法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等によって、又はその後の積層成形、熱成形等の二次加工によって、単独で又は他の材料との積層体として成形体とされる。そして、自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、各種パッキン類等)、土木・建材部品(止水材、目地材、窓枠等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類)、医療用機器部品、電線、及び雑貨等の広汎な分野での資材として用いられる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例・比較例で使用した原材料及び評価方法は以下の通りである。
<原材料>
成分(A):オレフィン系共重合体ゴム
油展エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン三元共重合体ゴム(エチレン含有量66重量%、エチリデンノルボルネン含量4.5重量%)、ポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量348,000であり、共重合体ゴム100重量部あたり40重量部のパラフィン系ゴム用軟化剤(後記)を含有する。
成分(B):鉱物油系ゴム用軟化剤
パラフィン系オイル(重量平均分子量746、40℃の動粘度382cst、流動点−15℃、引火点300℃、出光興産製「PW380」)
成分(C):ポリプロピレン系樹脂
プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン含有量3.1重量%、230℃、21.2N荷重のメルトフローレート0.7g/10分)
成分(D):ラジカル発生剤
2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン (以下、POXと記載する。)
架橋助剤:ジビニルベンゼン (以下、DVBと記載する。)
成分(II):オレフィン系熱可塑性エラストマー
II−1:プロピレン単独重合体からなる結晶性プロピレン系重合体ブロック45重量%と、プロピレン含有量が60重量%のプロピレン−エチレン共重合体からなる非晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体ブロック55重量%とからなるプロピレン−エチレンブロック共重合体(230℃、21.2N荷重のメルトフローレート0.8g/10分、曲げ弾性率310MPa)
II−2(比較例用):プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン含有量3.1重量%、230℃、21.2N荷重のメルトフローレート0.7g/10分、曲げ弾性率800MPa)
<評価方法>
以下に本発明における評価方法を記載するが、(1)〜(3)の測定には、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)にて、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形して得られたシート(横120mm、縦80mm、肉厚2mm)を使用した。
(1)硬度:JIS K6253準拠(JIS−A)
(2)引張破壊強さ:JIS K6251準拠(JIS−3号ダンベル、引張速度500mm/分)
(3)圧縮永久歪み:JIS K6262準拠(70℃、22時間、25%圧縮)
(4)目ヤニ発生量の測定:三菱重工社製の直径40mm単軸押出機(L/D=22、圧縮比2.8のフルフライトスクリュー)、25mmラ1mmの平ベルト形状のダイスを使用し、成形温度がホッパー下:160℃、シリンダ:170〜190℃、ダイス:180℃、スクリュー回転数が25rpmの条件で1時間押出成形を行った。その後、押出機を停止させダイスに付着している目ヤニを採取してその重量を測定した。
(5)表面ブリード評価:上記で作成した平ベルト状の押出成形品を7日間放置し、成形品表面のブリードを目視で評価した。評価基準は以下に示す通りである。
○:ブリードなし。
△:見た目には分かり難いが若干ベタツキ又は白化が認められる。
×:ベタツキ又は白化が認められる。
(6)異形押出成形性の評価
三菱重工製の直径40mmの単軸押出機(L/D=22、圧縮比2.8のフルフライトスクリュー)を使用し、スクリュー回転数50rpm、温度180℃にて、図1に示す形状の口金から押し出された成形品の形状を評価した。成形品の口金形状の反映性及び表面状態を目視で判定し、偏肉や、エッジ切れ等の問題がないものを良好とした。
(実施例1)
混合物(AB)79重量%と成分(C)21重量%を用いてエラストマー組成物を製造する際に、混合物(AB)と成分(C)と混合し、ヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドした。混合物(AB)と成分(C)の合計量100重量部に対してテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名「イルガノックス1010」チバガイギー社製)0.1重量部を添加し、成分(D)としてPOX 0.3重量部、架橋助剤としてDVB 0.4重量部を添加し、更にヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして混合物を得た。この混合物を、2個の原料供給口、及び1個のオイル供給口を有する同方向2軸押出機(神戸製鋼社製「KTX44」、L/D=41、シリンダブロック数=11)の第1供給口へ30kg/時間の速度で投入し、110〜200℃で溶融混練することにより動的に熱処理し、同時に押出機シリンダーの途中に設けられた第2の供給口から、成分(II−1)を12.6kg/時間の速度(42重量部相当)で供給し、更に成分(B)を12.6kg/時間の速度(42重量部相当)で押出機シリンダーの途中に設けられたオイル用の供給口に供給して混練を行い、ペレット化してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
成分(II−1)の量を82重量部相当に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
成分(II−1)の量を14重量部相当に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
押出機シリンダーの途中に設けられたオイル用の供給口からの成分(B)の供給を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
成分(II−1)を成分(II−2)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
成分(II−2)の量を14重量部相当に変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
成分(II−1)を混合しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行ってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005165183
実施例及び比較例で異形押出成形性の評価に用いた口金の断面を示す図である。

Claims (8)

  1. 下記の成分(I)100重量部に対し、成分(II)を5〜200重量部混合して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(I):オレフィン系共重合体ゴム(A)100重量部及び鉱物油系ゴム用軟化剤(B)12〜200重量部の混合物(AB)30〜95重量%とポリプロピレン系樹脂(C)5〜70重量%とを含有する(但し、(AB)と(C)の合計量を100重量%とする。)混合物を、ラジカル発生剤(D)の存在下で動的架橋して得られる架橋組成物。
    成分(II):下記の成分(E)の重合後に成分(F)を重合することにより製造されたものであり、成分(E)30〜60重量%及び成分(F)40〜70重量%(但し、(E)と(F)との合計量を100重量%とする。)を含有し、o−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別において、0℃での溶出分が全溶出量に対して35〜60重量%であり、かつ、80〜100℃での溶出分が全溶出量に対して1〜5重量%であるオレフィン系熱可塑性エラストマーであって、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であり、架橋構造を有さないオレフィン系熱可塑性エラストマー。
    成分(E):アイソタクチックインデックスが90%以上のプロピレン単独重合体成分
    成分(F):プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分
  2. オレフィン系共重合体ゴム(A)が、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムである請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. オレフィン系共重合体ゴム(A)が、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体ゴムである請求項1又は2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. オレフィン系共重合体ゴム(A)が、エチレン含有量が50〜90重量%、非共役ジエン含有量が1〜30重量%であるエチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体ゴムである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. ポリプロピレン系樹脂(C)が、ポリプロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. ラジカル発生剤(D)が、有機過酸化物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 成分(I)100重量部と鉱物油系ゴム用軟化剤(B)0.1重量部以上150重量部以下との混合物100重量部に対し、成分(II)を5〜200重量部混合して得られる請求項1乃至のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 複数の原料供給口を有する押出混練機の上流側において、混合物(AB)とポリプロピレン系樹脂(C)との混合物をラジカル発生剤(D)の存在下で動的架橋して架橋組成物を得た後、混合物(AB)及びポリプロピレン系樹脂(C)の原料供給口より下流側の原料供給口から成分(II)を押出混練機に供給して混練処理を行う請求項1乃至のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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