JP2655899B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2655899B2 JP63327482A JP32748288A JP2655899B2 JP 2655899 B2 JP2655899 B2 JP 2655899B2 JP 63327482 A JP63327482 A JP 63327482A JP 32748288 A JP32748288 A JP 32748288A JP 2655899 B2 JP2655899 B2 JP 2655899B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に係わり、特
に、高強度で流動性に優れ、かつ柔軟性、ゴム性に優れ
た熱可塑性エラストマー組成物に関する。近年熱可塑性
樹脂と同様の加工方法即ち、射出成型、中空成型、回転
成型、押出成型等の方法を用いることが出来、且、適切
なるゴム様の柔軟性を持った種々の熱可塑性エラストマ
ー組成物が上市され、従来の架橋ゴムと比較して加工能
率の良さおよび再生の容易さから種々の用途に用いられ
ている。熱可塑性エラストマーとは、重合物系内に、そ
の使用温度においてゴム状の性質を示すソフトセブメン
トと結晶、ガラスその他の疑似架橋点とみなされるハー
ドセグメントを適切に配置し、使用温度においては架橋
ゴムと同様の挙動をし、加工温度においては一般の熱可
塑性樹脂と同様の挙動を示すように分子設計されたエラ
ストマーである。各種の熱可塑性エラストマーの中でも
ポリオレフィン系のものは抜群の耐候性、および適度の
耐熱性のため自動車分野、電線分野に主として用いられ
ている。
〔従来の技術〕
部分架橋されたモノオレフィン共重合体ゴムとポリオ
レフィン樹脂とのプレンドからなるオレフィン系熱可塑
性エラストマー状組成物は、特公昭53−34210号公報等
により公知である。この組成物は、柔軟性、流動性は優
れているが、強度、ゴム性が加硫ゴムに劣る欠点を有す
る。この欠点を改良したものとして、完全架橋されたエ
チレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(FPD
M)とポリオレフィン樹脂とのプレンドからなるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物も特公昭55−18448
号公報等により公知である。この組成物は、加硫ゴムに
匹敵しうる性能を有しているものの、流動性に劣る欠点
を有し、改良の余地があった。
以上の欠点を有する最大の原因は、使用しているゴム
成分が本質的に非晶性でランダムな共重合体であり、更
に不飽和基を含むEPDMであるためと考えられる。この様
な共重合体ゴムは柔軟ではあるが強度は著しく小さく、
強度を上げるために架橋する必要がある。しかし、有機
過酸化物による架橋では、耐熱性、圧縮永久歪み等は、
大幅に改善されるが、引張り強度はそれほど改善されな
い。このため、ゴム成分量を増していくにつれて、強度
を維持する為に、完全架橋が必要になるが、反面流動性
も著しく低下する。流動性の低下を改良する手段として
鉱物油系軟化剤を添加することを行なっても、大量に用
いる必要があり、これは、強度の低下、ブリード等の好
ましくない影響を与える。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、ポリオレフィン系樹脂とブレンドするゴム
に結晶性を有する飽和のエチレン−プロピレン共重合体
ゴムとエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムのブレンド物を使用し、さらにその飽和のエチレン−
プロピレン共重合体ゴムに特定の構造のものを使用する
ことにより、従来技術では達成できなかった高流動性を
維持し、なお加硫ゴムに匹敵しうる強度、柔軟性、ゴム
性に優れる物性バランスのとれた熱可塑性エラストマー
組成物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、ポリエチレ
ンン結晶を内部に含む飽和のエチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPM)と、エチレン−プロピレン非共役ジエ
ン共重合体ゴム(EPDM)の混合物、ポリオレフィン系樹
脂、軟化剤を配合し、硬化剤を用いて動的に熱処理を行
ない、飽和のEPMとジエンを含んだEPDMの混合物である
ゴム成分を部分架橋することにより、本発明の目的を達
成することを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の骨子は、 (1) (a)エチレン−プロピレン共重合体ゴム5〜
100重量%、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体ゴム95〜0重量%からなるゴム成分45〜90重量部、 (b)ポリオレフィン系樹脂10〜55重量部、 (c)軟化剤を零ないし(a)成分と等量重量部、から
なり、該(a)成分のゲル含量が80〜97%であり、その
(a)成分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムが下記
の特性をもち、(a)、(b)、(c)各成分の存在下
に架橋剤を添加し、動的に熱処理することにより得られ
ることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
(イ)エチレン含有量が60〜78モル%、 (ロ)X線による結晶化度が4〜20%、 (ハ)融点が100℃以上、 (ニ)HLMFI/MFIが35以上、 (ホ)Mw/Mnが4以上、 (ヘ)引張り破断強度が100kg/cm2以上。
(2)(b)成分のポリオレフィン系樹脂がポリプロピ
レン系樹脂である請求項(1)記載の熱可塑性エラスト
マー組成物。
(3)(b)成分のポリプロピレン系樹脂が、ホモポリ
プロピレン10〜100重量%と、α−オレフィン含量が5
〜15モル%のプロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体90〜0重量%の混合物である請求項(2)記載の熱
可塑性エラストマー組成物、にある。
本発明の(a)成分の一部として用いられるエチレン
−プロピレン共重合体ゴム(以下EPMと略す)として
は、公知の非晶性あるいは少量のエチレン性の結晶を有
するものが使用できる。
EPMのなかで、下記の特徴を有するものが好ましく用
いられる。すなわち、未架橋の状態で引張り破断強度
(グリーン強度)が100kg/cm2以上、好ましくは150kg/c
m2以上、特に好ましくは200kg/cm2以上であり、エチレ
ン含有量が60〜78モル%、GPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフ)で測定されたMw/Mnが4以上(但し、M
w,Mnは夫々重量平均分子量、数平均分子量を表わす)、
好ましくは5以上、230℃のHLMFI/MFIが35以上(但し、
HLMFI,MFIはJIS K7210の夫々21.6kg、2.16kg荷重の値を
表わす)、X線で測定した結晶化度が4〜20%、好まし
くは4〜10%でかつ示差走査熱量計(DSC)で測定して1
00℃以上にポリエチレン性結晶の融解ピークを持つもの
が好適である。
上記EPMの結晶成分は架橋された後も物理的架橋点と
して作用し、結晶成分が結晶として存在できる(結晶の
融解温度以下)限り、共有結合によって結びつけられた
架橋点と同じようにふるまい、見かけ上、架橋密度を大
きくする効果をもち強度、耐油性を向上させる。一方、
成形加工温度(ポリプロピレンの融解温度以上)である
約160〜170℃以上、一般的には180〜230℃の温度では、
EPM中のポリエチレン結晶が融解することにより、物理
的架橋点が消滅し、トータルの架橋密度を低下させるた
めに、流動性が維持できる。以上より明らかなように、
結晶化度が4%以下では物理的架橋点の不足で強度が低
下し20%以上では硬くなりすぎてエラストマー組成物と
しての柔軟性が不足する。
さらに上記EPM中のエチレン含有量は60〜78モル%が
好ましく、60%未満ではグリーン強度が不足し、78%モ
ル%を超えると硬くなりすぎて柔軟性が不足する。ショ
アーAで示すと50〜95にほぼ対応し、ショアーA60〜80
が好ましい。
EPMのグリーン強度はポリエチレン結晶化度だけでは
なく、分子量にも強く依存する。柔軟なものほど、すな
わち、ポリエチレン性結晶化度の小さいものほどグリー
ン強度を100kg/cm2以上にするためには、高分子量にす
る必要がある。
本発明において必要とするEPMの分子量範囲はデカリ
ン135℃における極限粘度〔η〕が2.5〜15dl/gであり、
好ましくは5〜10dl/gである。〔η〕が2.5以下ではグ
リーン強度が不足し、架橋効率も低下し、好ましくな
く、15以上ではグリーン強度、架橋効率は充分である
が、分散性、流動性が悪くなる。
また良好な流動性を得るためには、GPCで測定した多
分散値Mw/Mnが4以上、好ましくは5以上及び230℃で測
定したHLMFI/MFIが35以上であることが必須である。従
来のEPMに比較して分子量分布を広くすることにより、
架橋された後もなお流動性に優れた熱可塑性エラストマ
ー組成物を得ることができる。
以上の特徴を有するEPMは、熱可塑性エラストマーの
原料として優れた性能を有しているが、組成物中のゴム
成分が上記のEPM単独では、強度に優れるものの、柔軟
性が不足する場合がある。この場合には柔軟性をもった
エチレン−プロピレン非共役ジエン共重合体ゴム(以下
EPDMと略す)をゴム成分としてブレンドすることによ
り、より柔軟な熱可塑性エラストマー組成物を得ること
ができる。EPDMとしては公知の方法で得られるエチレン
−プロピレン−ジエン共重合体ゴムであって、ジエンモ
ノマーとして、炭素原子数5〜20の非共役ジエン、例え
ば1,4−ペンタジエン、1,4−および1,5−ヘキサジエ
ン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オ
クタジエン、環状ジエン、例えばシクロペンタジエン、
シクロヘキサジエン、シクロオクタジエンおよびジシク
ロペンタジエン、アルケニルノルボルネン、例えば5−
エチリデン−および5−ブチリデン−2−ノルボルネ
ン、2−メタリル−および2−イソプロペニル−5−ノ
ルボルネンを用いたものが挙げられる。これらの中でエ
チルデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンを用い
たものが好ましい。
またエチレンとプロピレンの比率はエチレン含量が60
〜78%、ジエン化合物は全体の1〜15重量%、好ましく
は1〜10重量%であり、デカリン135℃で測定した
〔η〕が0.5〜10dl/g、好ましくは1〜6dl/gである。
EPMとEPDMの比率は、EPM/EPDMが100/0〜5/95であり、
好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは80/20〜50/5
0である。EPMの比率が多い場合は強度が大きく、且流動
性も良好であるが若干硬度が高くなる。一方、EPDMの比
率が高い場合にはゴム性が良好で柔軟である。
本発明の(b)成分を構成するポリオレフィン系樹脂
とは、1種またはそれ以上のモノオレフィンの高圧法、
中圧法または低圧法いずれかによる重合から得られる結
晶性の高分子量の固体生成物を包含する。満足すべきオ
レフィンの例は、エチレン、プロピレン、1−ブデン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−プロペ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、5−メチル−1−ヘキセンおよびそれらの混合物
である。好ましくは、ポリプロピレン系樹脂であり、ポ
リプロピレン系樹脂とは、アイソタクチックホモポリプ
ロピレン又はエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等の
α−オレフィンとプロピレンのランダムあるいはブロッ
ク共重合体であって結晶成分がポリプロピレンであるも
のである。
この成分は熱可塑性エラストマーの耐熱性、機械的強
度及び流動性の向上に寄与するものであり、この目的の
ために、DSCで測定した融点(融解の最大ピーク温度)
が155℃以上に少くとも1つ存在するものが好ましい。2
30℃のメルトフローインデックス(MFI)は0.01〜100g/
10分、好ましくは0.1〜20g/10分のものである。
(a)成分と(b)成分の混合比率は(a)成分45〜
90重量部、(b)成分55〜10重量部((a)+(b)=
100重量部)であり、(a)成分が45重量部未満では得
られる熱可塑性エラストマーが硬くなりすぎてもはやエ
ラストマーとは言えず、一方、90重量部を超えると強度
は維持できるものの流動性が低下し過ぎ、成形性が悪化
する。(a)成分が70重量部以上では流動性を改善する
ために、軟化剤を添加することが好ましい。
またポリプロピレン系樹脂にホモポリプロピレンとラ
ンダムポリプロピレンの混合物を用いることにより、
(a)成分と(b)成分の相溶性を増し本発明の熱可塑
性エラストマーの破断強度、破断伸びを更に大きくする
ことができる。ここで用いられるランダムポリプロピレ
ンは、ポリプロピレン結晶を有するプロピレンとα−オ
レフィンとのランダム共重合体であり、α−オレフィン
としてはエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等が好ま
しく、特にエチレンが好ましい。α−オレフィンの含有
量は1〜15%、融点は120〜140℃、MFIは0.01〜100g/10
分のものである。添加量は、(b)成分の高結晶性ポリ
プロピレン系樹脂のうちの90重量%以下である。(b)
成分のうちの90重量%を超えると熱可塑性エラストマー
の耐熱性が損なわれるので好ましくない。
(c)成分である軟化剤は本発明の熱可塑性エラスト
マーの流動性、柔軟性を改善するために添加されるもの
で、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系、ポリブテン
系等があるが、本発明の目的には、パラフィン系、ナフ
テン系、ポリブテン系が好ましい。
添加量は零ないし(a)成分と等量以下であり、それ
を超えると軟化剤のブリードによる表面のベタツキ、強
度の低下が起るので好ましくない。また、添加しなくて
も、共重合ゴムが75重量部以下までは、強度、流動性は
十分保てる。
本発明で目的とする熱可塑性エラストマー組成物は
(a)、(b)、(c)各成分の存在下に架橋剤を添加
し、動的に熱処理することにより得られる。例えば、特
公昭53−34210号公報にみられるようにEPRを部分架橋し
ておき、ポリオレフィン樹脂とブレンドする方法、特公
昭53−21021号公報のように、ゴム成分とプラスチック
成分を混合しつつ架橋する方法、特開昭52−37953号公
報のようにゴム成分とプラスチック成分を混練機中で予
め十分にブレンドしたのちに部分硬化する程度の架橋剤
を添加し更に混練を続ける方法等の技術が提案されてい
る。以上のどの方法を用いても良好な性能の熱可塑性エ
ラストマーを得ることができるがゴム成分とプラスチッ
ク成分との相溶性の観点からみると架橋剤を除く各成分
を予め十分に溶解混練した後、架橋剤を加えて更に溶解
混練を続けるのが好ましい。この際に使用する架橋剤と
して種々のものがあるが、良好な圧縮永久歪みが得られ
る、汚染性がない、耐熱性がよいなどの点で有機過酸化
物による架橋が望ましい。ここで用いられる有機過酸化
物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−tert
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(te
rt−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(tert
−ベチルペルオキシ−イソプロピル)−ベンゼン、tert
−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(tert−ブチルペルオキシ)−ヘキシン、3,1,1−ジ
−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert
−ベチルペルオキシイソプロピルカーボネート等を挙げ
ることができる。有機過酸化物の配合量は(a)、
(b)、(c)各成分の総量100重量部に対し、0.05〜
3重量部、好ましくは0.5ないし2.5重量部である。配合
量が0.05重量部未満であると(a)成分の架橋度が小さ
過ぎる結果、本発明の熱可塑性エラストマーの耐熱性、
圧縮永久歪み、反発弾性等のゴム的性質が十分ではな
く、一方、3重量部を超えると(b)成分の過度の分子
切断により熱可塑性エラストマーの引張破断強度、破断
伸びが低下する。
その他適当な架橋剤としては、ギ酸アジト及び芳香族
ポリアジドのようなアジドタイプの架橋剤、さらにN,N,
N′,N′−テトラブチル、N,N,N′,N′−テトラメチルお
よびN,N,N′,N′−テトララウリルチウラムジスルフィ
ドのようなチウラムジスルフィド、そしてまた、P−キ
ノンジオキシム及びイオウそれ自体が含まれる。イオウ
又は、イオウ供与体を用いる場合は、促進剤および活性
剤、例えば金属塩又は酸化物を用いるのが適当である。
有機過酸化物を動的に熱処理する際に、架橋助剤を用
いることができる。ここで用いられる架橋助剤として例
えば、硫黄、P−キノンジオキシム、P,P′−ジベンゾ
イルキノンジオキシム、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
トリメチルロールプロパントリメタクリレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジア
リルフタレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,2−ポリブタジエン、N,N′−m−フェニレンビ
スマレイミド、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレ
ートを挙げることができる。配合量としては有機過酸化
物と等量ないし2倍量が好ましい。
本発明によれば、動的な熱処理条件下で架橋するゴム
成分は、部分的にとどまり、充分な、すなわち実質的な
完全架橋とは異なる。組成物中のゴム成分を架橋させる
ことによる効果は、実質的な引張り強度の改善である
が、本発明に用いる共重合ゴムは、もともとが高強度で
あるため、流動性を極端に低下させるほど架橋密度を大
にする必要はない。その架橋度が充分である場合、すな
わち、実質的に完全架橋である場合は、流動性の低下を
ひき起こし、成形品にキレツ等が生じ、伸びが低下する
という欠点を有し、架橋程度がある程度以下では、引張
り強度、特に高温時における引張り強度の改善効果が必
ずしも充分でない。本発明の目的に適合したゴム成分
は、ゲル含量80〜97%、好ましくは90〜97%、より好ま
しくは93〜97%の範囲に入るものである。
本発明の熱可塑性エラストマーにおいては、性能を損
なわない範囲で、タルク、カーボンブラック、シリカ、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ケイ酸カルシ
ウム等の無機充鎮剤を配合することができる。更に、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、滑
剤、帯電防止剤、難燃化剤等の添加剤を配合することが
できる。
溶融混練装置としては、開放型のミキシングロールや
非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連
続ミキサー等従来より公知のものが使用できる。これら
のうちでは非開放型の装置を用いるのが好ましく、窒素
等の不活性ガス雰囲気下で混練することが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例をあげ、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、実施例における測定方法は下記の通りであ
る。
(1)MFI:JIS K7210(荷重2.16kg 230℃) (2)HLMFI:JIS K7210(荷重2.16kg 230℃) (3)引張り破断強度、伸び、永久伸び:JIS K6301 (4)ショアーA硬度:ASTM D−676−49 (5)共重合ゴム中のエチレン含量:赤外線吸収スペク
トル法による。
(6)〔η〕:デカリン135℃の極限粘度 (7)融点測定:PERKIN−ELMER社製 DSC7500を用い、SC
ANスピード20℃/minで測定 −20℃〜200℃ サンプル
は200℃で融解状態にあるものを急冷したプレスシート
で、1日以上放置したものを用いた。
(8)結晶化度:理学電機製X線回折装置を用い、常法
に従って測定を行った。
(9)ゲル分率:試料を23℃のシクロヘキサン中に48時
間浸し、不溶性成分量を決定することにより求める。こ
のとき、初期重量から、ゴム以外のシクロヘキサン可溶
性成分、例えば、軟化剤、可塑剤およびシクロヘキサン
に可溶の樹脂成分の重量を差し引いた浸漬前および浸漬
後の重量を使用する。
(EPMの製造) 無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネシウム
を乾燥した窒素気流中で約500℃において15時間乾燥す
ることによって得られるもの)2.1kgおよび0.9kgのAA型
三塩化チタン(東洋ストファ社製)を振動ボールミルで
8時間共粉砕を行ない、均一状の共粉砕物〔チタン原子
含有量7.2重量%、塩素原子含有量73.7重量%、マグネ
シウム原子含有量17.7重量%、以下「固体成分(F)」
と云う〕を製造した。
このようにして固体成分(F)のうち、600gを100
のグラスライニング容器に入れ、40のn−ヘキサンを
加え、均一状の懸濁液になるように撹拌した。この懸濁
液に100gのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンを加え、室温で1時間十分撹拌を行なった。その後、
静置し、上澄み液を抜き、20のトルエンを加えた。つ
いで、2kgのテトラドロフランを加え、室温において2
時間十分に撹拌した。処理系を室温に冷却し、生成物を
n−ヘキサンを用いて十分に洗浄し(洗浄液中にチタン
原子がほぼ認められなくなるまで)固体触媒成分(A)
が得られた。
290の管状ループ式連続反応器に液体プロピレンを
充たし、プロピレンを60kg/H、エチレンを液層中エチレ
ン濃度を10モル%に保ち、水素を液層中水素濃度が0.1
モル%に保ち、トリエチルアルミニウム(ヘキサン溶
液)を360ミリモル/H、テトラヒドロフランを180ミリモ
ル/H、固体触媒成分(A)を3.2g/Hこの反応器に供給
し、反応温度30℃にて重合を行った。重合体は間欠的に
スラリー状態でフラッシュホッパーに排出し、下部より
重合体を取り出し温N2気流を通じ、40℃にて乾燥し重合
体粉末を得た。これらは互着のないサラサラの粉末状で
あり、収量は16kg/Hであった。従って固体触媒当りの平
均重合活性は49.3kg/g−Tiであった。
この粉末100重量部に0.05重量部の2,6ジ−t−ブチル
パラクレゾールと0.2重量部のジミリスチリルチオジプ
ロピオネート、0.05重量部のテトラキス〔メチレン−3
−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタンおよび0.2重量部のステ
アリン酸カルシウムを加えて、3インチロールを用いて
180℃で5分間素練りした。得られたシート状サンプル
を圧縮成形し、引張り試験及びショアー硬度を測定し
た。このもののエチレンコンテントは67モル%、HLMFI
は0.3g/10分、HLMFI/MFIは40、Mw/Mnは5.4、X線の結晶
化度は7.0%、DSCの融点は110℃、デカリン中135℃の極
限粘度は5.4dl/gであった。本試料をEPM−1とする。
同様の触媒と反応器を用い、反応条件を変えて種々の
EPM−2〜5を製造した。これらのEPMの性質は第1表に
示す通りである。
一方、EPDMとしては市販の、ムーニー粘度65、ヨウ素
価24であり、第3成分としてエチリデンノルボルネンを
使用したものを用いた。このEPDM−1のその他の性質は
同じく第1表に示す。
(組成物の製造) 東洋精機製ラボプラストミル、バンバリーミキサー75
ccを用いて、架橋剤を除く各成分を185℃で5分間、ロ
ーター回転数60rpmで予め均一に分散した後に、架橋剤
および架橋助剤を加えて、更に、10分間溶融混練を続け
た後にサンプルをとり出し、230℃でホットプレスする
ことにより、各試験片を作成した。
(その他の原材料) ポリプロピレン系樹脂としては、MFI0.5g/10分で融点
160℃のPPおよびMFI0.08g/10分、エチレン含量8.8モル
%、融点130℃のランダムポリプロピレン(RPP)を用い
た。
架橋剤としては、カヤヘキサAD(化薬ヌーリー製、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−ヘ
キサン)を用い、架橋助剤としては、TAIC(トリアリル
イソシアヌレート)を用いた。
軟化剤としてはサンパー150(サンオイル社製、パラ
フィンオイル)を用いた。
(実施例1〜6、比較例1〜8) 前記の原料を用いて、種々の組成物を前記の方法で作
製した。実施例1〜3に示すようにゴム成分にEPDMをブ
レンドすることにより柔軟性が向上し、永久伸びが改善
される。ゴム成分がEPMのみの場合、強度と流動性に優
れるが、柔軟性とゴム性(永久伸び)にやや劣る(実施
例4)。
一方、ゴム成分がEPDMのみの場合は、流動性が極端に
低下し、強度と流動性のバランスが悪くなる(比較例
2)。
軟化剤を添加しない場合、強度は向上するが流れが低
下し、同一の系で軟化剤をゴム成分量を超える量(80
部)添加した比較例4では、流動性、柔軟性は向上する
ものの、強度が極端に低下し、表面がベタつく。
また、ゴム成分中のゲル含量が75%と低い比較例1の
場合、実施例2に比べ、強度の低下が著しく、ゲル含量
が99%すなわち、充分に架橋されている場合、(比較例
3)は、流動性に劣り、伸びも著しく低下していること
がわかる。
エチレン含量が高いEPMを使用した比較例8では、組
成物が硬くなり、PPとの相溶性が悪く、破断強度、伸び
も出ない。またMw/Mnが小さいEPMを用いた場合は、流動
性が悪い(比較例6)。さらに〔η〕の小さいゴムで
は、強度が低下する(比較例8)。
一方、PPにホモPPと、ランダムPPを併用した場合(実
施例6)伸びが著しく向上し、強度も高くなる。
〔発明の効果〕 本発明の組成物は、ゴム成分に高融点のポリエチレン
結晶を内部に含み、かつ、分子量分布の広い、クリーン
強度の大きいエチレン−プロピレン共重合体ゴムと、柔
軟性に優れるエチレン−プロピレン非共役ジエン共重合
体のブレンド物を用いていることで、適当な架橋剤を用
い部分架橋することによって、従来より高流動性で、高
強度をもち、かつ柔軟性、ゴム性に優れた熱可塑性エラ
ストマーを得ることができる。
本発明の組成物は、柔軟性、ゴム性、強度のバランス
に優れており、流動性がよいため、自動車部品、例え
ば、バンパー、コーナーバンパー、サイドモール、スポ
イラー等、弱電部品、例えば、ホース類、各種パッキ
ン、絶縁シート等、電線ケーブル分野、例えば、フレキ
シブルコード、ブースターケーブル等土木・建材分野、
例えば防水シート、止水材等の材料に適しており、これ
ら部品は、ブロー成形、押出成形、射出成形等の通常の
成形法で容易に成形することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−141224(JP,A) 特開 昭57−209941(JP,A) 特開 昭57−135847(JP,A) 特開 昭54−100443(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン−プロピレン共重合体ゴム
    5〜100重量%、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
    共重合体ゴム95〜0重量%からなるゴム成分45〜90重量
    部、 (b)ポリオレフィン系樹脂10〜55重量部、 (c)軟化剤を零ないし(a)成分と等量重量部、 からなり(但し、(a)成分と(b)成分の合計量を10
    0重量部とする。)該(a)成分のゲル含量が80〜97%
    であり、 該(a)成分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムが下
    記(イ)〜(ヘ)の特性をもち、 (a)、(b)、(c)各成分の存在下に架橋剤を添加
    し、動的に熱処理することにより得られることを特徴と
    する熱可塑性エラストマー組成物。 (イ)エチレン含有量が60〜78モル%、 (ロ)X線による結晶化度が4〜20%、 (ハ)融点が100℃以上、 (ニ)HLMFI/MFIが35以上、 (ホ)Mw/Mnが4以上、 (ヘ)引張り破断強度が100kg/cm2以上。
  2. 【請求項2】(b)成分のポリオレフィン系樹脂がポロ
    プロピレン系樹脂である請求項(1)記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  3. 【請求項3】(b)成分のポロプロピレン系樹脂が、ホ
    モポリプロピレン10〜100重量%と、α−オレフィン含
    量が5〜15モル%のプロピレン−α−オレフィンランダ
    ム共重合体90〜0重量%の混合物である請求項(2)記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
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