JPH08120127A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH08120127A
JPH08120127A JP25571594A JP25571594A JPH08120127A JP H08120127 A JPH08120127 A JP H08120127A JP 25571594 A JP25571594 A JP 25571594A JP 25571594 A JP25571594 A JP 25571594A JP H08120127 A JPH08120127 A JP H08120127A
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JP
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ethylene
weight
composition
copolymer
rubber
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JP25571594A
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Masatoshi Kumagai
誠敏 熊谷
Yukio Yokote
幸夫 横手
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シンジオタクチックポリプロピレン(A)1
0〜90重量%、エチレン−オクテン共重合体(B)9
0〜10重量%を含み、部分的に架橋されていることを
特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 【効果】 この組成物は、柔軟性、ゴム弾性に優れ、か
つ十分な機械的強度を有するだけでなく、成形品の感触
が良好で表面光沢が低く外観に優れるので軟質成形材料
として種々の用途に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟性、ゴム弾性、機械
的強度、成形性、外観、感触に優れた成形品を得るため
に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリプロピレンは従
来、バナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウ
ムからなる触媒を用いた低温重合により得られることが
知られていたが、この方法で得られるポリマーはそのシ
ンジオタクティシティが低く、本来のシンジオタクチッ
クな性質を表しているとは言い難かった。これに対し
て、J.A.Ewenらにより非対称な配位子を有する
遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒によってシ
ンジオタクチックペンタッド分率が0.7を越えるよう
なタクティシティの高いポリプロピレンを得られること
が初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,
1988,110,6255−6256)。上記J.
A.Ewenらの方法により得られたポリマーはシンジ
オタクティシティが高く、アイソタクチックポリプロピ
レンよりもエラスティックな性質を有していたが、これ
を軟質の成形材料として例えば軟質塩化ビニルや加硫ゴ
ム等が使用されている分野に利用しようとする場合、そ
の柔軟性やゴム弾性、機械的強度は十分なものではなか
った。一般に、ポリプロピレンにエチレン−プロピレン
共重合体ゴム等を配合することによりその柔軟性や耐衝
撃性を改良する試みがなされているが、この方法により
得られる樹脂組成物は柔軟性や耐衝撃性に優れるもの
の、ゴム弾性や機械的強度は十分でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題点を解決し、柔軟性、ゴム弾性、機械的強度、成形
性、外観、感触に優れるような成形品を得るために用い
られる熱可塑性エラストマー組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、シンジオタクチックポリ
プロピレン、エチレン−オクテン共重合体とを、有機過
酸化物あるいはこれと架橋助剤の存在下に溶融混練しな
がら動的に架橋することにより柔軟性、ゴム弾性、機械
的強度および表面外観に優れた熱可塑性エラストマー組
成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、シンジオタクチックポリプロ
ピレン(A)10〜90重量%、エチレン−オクテン共
重合体(B)90〜10重量%を含み、部分的に架橋さ
れていることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物
に関する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明において用いられるシンジオタクチ
ックポリプロピレンは実質的にシンジオタクチック構造
を有している限り、ホモポリマーであっても、例えばエ
チレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−
ブテン、1−デセン、ビニルシクロヘキサン、1−ヘキ
サデセン、シクロペンテン、ノルボルネン等のオレフィ
ン類や、ヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン2−ノルボルネン
などのジエン類を少量含有する共重合体であっても差し
支えない。この共重合体は、後記のシンジオタクティシ
ティの良好なポリ−α−オレフィンを与える公知の触媒
の存在下にプロピレンとコモノマーを共重合することに
よって得ることができる。当該ポリプロピレン中のコモ
ノマーの量は、0〜20重量%が好ましく、0〜15重
量%が特に好ましい。
【0006】本発明で使用されるシンジオタクチックポ
リプロピレンのシンジオタクチックペンタッド分率はホ
モポリマーの場合は、0.5以上、好ましくは0.7以
上、特に好ましくは0.75以上であり、0.5未満の
ものは耐熱性が劣る。また、共重合体の場合は、ポリプ
ロピレン連鎖の部分のペンタッド率が0.3以上が好ま
しく、0.5以上がより好ましく、0.7以上が更に好
ましい。
【0007】本発明においてシンジオタクチックポリプ
ロピレンを製造する触媒としては、例えば特開平2−4
1303号公報、特開平2−41305号公報、特開平
2−274703号公報、特開平2−274704号公
報、特開平3−179005号、特開平3−17900
6号公報、特開平4−69394号公報に記載されてい
るような互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属
化合物および助触媒からなるような触媒を挙げることが
できるが、異なる構造の触媒であってもシンジオタクチ
ックペンタッド分率が0.5以上のポリプロピレンを製
造できるものであれば利用でき、その重合方法としては
スラリー重合法、塊状重合法、気相重合法のいずれも利
用できる。
【0008】本発明において、柔軟性、ゴム弾性等を向
上させるために、シンジオタクチックポリプロピレンに
エチレン−オクテン共重合体を混合する。その混合割合
は、シンジオタクチックポリプロピレンが10〜90重
量%がよく、40〜80重量%が好ましく、50〜70
重量%がより好ましい。また、エチレン−オクテン共重
合体は、90〜10重量%であり、60〜20重量%が
好ましく、50〜30重量%がより好ましい。シンジオ
タクチックポリプロピレンが90重量%を越えるとゴム
弾性が不足する場合があり、10重量部未満だと、流動
性が悪く、成形性に劣る場合がある。
【0009】本発明においてエチレン−オクテン共重合
体(B)のオクテン含有量は、成形品としての十分な機
械的強度や柔軟性を得るため、3〜40重量%が好まし
く、5〜30重量%がより好ましい。オクテンの種類は
特に限定されることはなく、1−オクテン、2−オクテ
ン、3−オクテン、4−オクテン等の鎖状オクテンやそ
の他分岐状オクテンのいずれをも用いることができる。
その中でも、1−オクテンが好ましい。また、ゲルパー
ミッションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す
る。)で測定した分子量分布指数、すなわち、重量平均
分子量(以下、Mwと略する。)と、数平均分子量(以
下、Mnと略する。)の比であるMw/Mnは、成形品
としての十分な機械的強度や柔軟性を得るため、4.0
以下が好ましい。 エチレン−オクテン共重合体は、メ
ルトフロ−インデックス(190℃、2.16kg荷
重、以下MFIとする。)が0.05〜70g/10m
inのものが良く、0.5〜30g/10minのもの
が好ましい。また、その密度が、0.81〜0.96g
/cm3のものが良く、0.85〜0.93g/cm3
ものが好ましい。
【0010】エチレン−オクテン共重合体のMFIが
0.05g/10min未満であると、流動性が低くて
配合に困難が生じる場合があり、またMFIが70g/
10minを越えると製品として得られる成形品として
の十分な機械的強度が得られないことがある。また、エ
チレン−オクテン共重合体の密度が0.81g/cm3
未満であると製品として得られる成形品としての十分な
機械的強度が得られにくい場合が多く、0.96g/c
3を越えると製品として得られる成形品としての十分
な柔軟性が得られないことや、成形加工性が低下する場
合がある。
【0011】本発明において、上記の特徴を有するエチ
レン−オクテン共重合体を製造する触媒としては、US
5,278,272号公報に記載されているような、メ
タロセン化合物を主成分とする触媒を用いることで容易
に製造される。本発明においては、本発明の樹脂を架橋
するのがよく、そのために有機酸化物を用いることがで
きる。その架橋は、エチレン−オクテン共重合体ゴム
(B)が架橋さるが、シンジオタクチックポリプロピレ
ン(A)も架橋されていても良い。
【0012】本発明において使用される有機過酸化物と
しては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、
ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙
げられる。これらの中で臭気性、スコーチ安定性の点で
特に2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサンが好ましい。
【0013】その添加量は特に限定されないが、シンジ
オタクチックポリプロピレン100重量部に対して0.
05〜3.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部
がより好ましい。添加量が0.05重量部未満では、
(B)のエチレン−オクテン共重合体の架橋が十分に行
われないので、得られる組成物は歪み回復、反撥弾性等
のゴム的性質や機械的強度に劣る場合がある。3.0重
量部を越えると、(A)のシンジオタクチックポリプロ
ピレンの分子量が著しく低下して組成物の機械的強度が
低下し、(B)のエチレン−オクテン共重合体が過度に
架橋されて組成物の流動性が低下し、また特に押出シー
トに成形した場合その表面が荒れて外観に劣る場合がで
てくる。
【0014】本発明において有機過酸化物による架橋を
行う際に架橋助剤を用いてもよい。用いられる架橋助剤
としては、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、
p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノン
ジオキシム、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプ
ロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミド等の過
酸化物架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ア
リルメタクリレート等の多官能性ビニルモノマーが例示
できる。その添加量は、有機過酸化物と等量ないし2倍
量が好ましい。2倍量を越えて添加すると架橋反応が過
度に進行して組成物の流動性が低下するため成形性に劣
るだけでなく、組成物中に残留する未反応のモノマーが
多くなる場合がある。
【0015】上記過酸化物あるいはこれと架橋助剤を用
いて架橋処理した組成物は、通常の溶融混練のみで得ら
れた組成物に比べて引張や引裂の強度が大きいばかりで
なく、表面硬度が低く永久伸びが小さいゴム的な性質を
示し、エラストマーとしての物性バランスに優れる。
尚、本組成物が架橋されているか否かは、本発明の組成
物を沸騰キシレン中で4時間以上煮沸した後400メッ
シュの金網で濾過した残渣が、本組成物100重量部に
対して10重量部以上であるか否かで判断される。
【0016】本発明でシンジオタクチックポリプロピレ
ンを用いた組成物をシート等に成形した場合、成形品は
アイソタクチックポリプロピレンを用いたものに比べ
て、しなやかさやしっとり感があり、感触に優れる。さ
らに、シンジオタクチックポリプロピレンはアイソタク
チックポリプロピレンに比べて剛性が低いため、アイソ
タクチックポリプロピレンに比べて組成物中のポリプロ
ピレンの割合を多くできるのでゴムを配合したときの耐
薬品性の低下が少なく、その成形品の表面は傷が付き難
い。
【0017】本発明では、組成物の柔軟性やゴム弾性を
向上させ、成形時の流動性を改良する目的でプロセスオ
イル等の各種軟化剤を配合することができる。その方法
としては予めエチレン−オクテン共重合体ゴムに配合す
る方法、シンジオタクチックポリプロピレンとエチレン
−オクテン共重合体ゴムを混合する際、あるいは溶融混
練する際に配合する方法のいずれでもよい。その配合量
は、エチレン−オクテン共重合体(B)100重量部に
対して5〜200重量部、好ましくは20〜150重量
部である。配合量が5重量部未満では軟化および可塑化
効果が十分でない場合があり、200重量部を超えると
組成物の機械的強度が著しく低下するばかりでなく、成
形品としたときに軟化剤が表面に浮きだすためべたつい
て感触が悪くなり、またブリードアウト、フォギングの
原因となる場合があるので好ましくない。
【0018】本発明の組成物は、柔軟性、機械的強度、
成形性、耐熱性、耐薬品性、成形品の外観、感触を著し
く低下させない範囲で、シンジオタクチックポリプロピ
レン、エチレン−オクテン共重合体以外の樹脂およびゴ
ムを含んでもよい。例えば、アイソタクチックホモポリ
プロピレン、アイソタクチックエチレン−プロピレンブ
ロック共重合体、結晶性アイソタクチックエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体ゴム、ブテン単独重合体、ブテン−エチレン共重合
体、ブテン−プロピレン共重合体、ブテン−ヘキセン共
重合体、エチレン−ブテンゴム、プロピレン−ブテンゴ
ム、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体の水素添
加物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共
重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンジブロック
共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレ
ントリブロック共重合体の水素添加物、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げ
られる。エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
ゴムに用いられるジエンモノマーとしては1,4−ヘキ
サジエン、1,4−オクタジエン等の炭素数5〜20の
非共役ジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、ジシクロペンタジエン等の環状ジエン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボ
ルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等のア
ルケニルノルボルネン等が挙げられる。これらの中でエ
チリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンを用
いたものが好ましい。その配合量は、特に限定されない
が、本発明の組成物100重量部に対して1〜50重量
部が好ましい。
【0019】また、組成物の流動性およびゴム弾性を損
なわない範囲で充填剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、アルミナ、硫酸
バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、グラフ
ァイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭素繊維等を、本
発明の組成物100重量部に対して1〜50重量部添加
してもよい。さらに必要に応じてブロッキング防止剤、
滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、耐放射線
剤、染料、顔料等の各種添加剤を添加してもよい。その
配合量は、特に限定されないが、本発明の組成物100
重量部に対して、通常0.001〜1重量部が好まし
い。
【0020】本発明の組成物は、バンバリーミキサー、
加圧ニーダー、2軸押出機等を使用して溶融混練するこ
とにより製造できる。例えば2軸押出機を用いる場合、
材料を一括してヘンシェルミキサー等で混合したのち押
出機にて溶融混練する方法、あるいは有機過酸化物およ
び必要に応じて架橋助剤以外の材料を溶融混練、造粒
し、ついで有機過酸化物および必要に応じて架橋助剤を
加えて再度溶融混練、造粒する方法のいずれの方法も利
用できる。溶融混練する温度は、180〜250℃が好
ましい。このペレットは通常の射出成形法、押出成形法
等により成形できる。特に、本発明の組成物はゴムを大
量に含むような軟質材料に比べてゴムの含有量が少ない
ため真空・圧空成形性に優れる。
【0021】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、実施例における測定方法は下記の通りで
あり、物性は表1〜3に示す。 (1)引張破断強度、ヤング率:JIS K6301 (2)永久伸び:三井東圧化学法 JIS1号ダンベル
を100%伸長して10分間保持し、荷重除去10分後
の残留歪みを測定した。 (3)硬度:JIS K6301 (4)引裂強度:JIS K6301(B型ダンベル)
【0022】実施例1〜4 シンジオタクチックポリプロピレンとして135℃のテ
トラリン溶液中で測定した極限粘度(以下〔η〕と略記
する)が1.39dl/g、MFIが3.2g/10m
in、示差走査熱量分析で測定した結晶化温度のピーク
温度が74.6℃であるシンジオタクチックホモポリプ
ロピレン(SPP−1)。このポリプロピレンに、表1
の組成に従ってエチレン−オクテン共重合体(ダウ
(株)製、EG8100:MFI1.0g/10mi
n、オクテン含有量24重量%、Mw/Mn2.7)、
架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、架橋助剤としてジビニルベン
ゼン、および公知の安定剤を配合して二軸押出機にて2
10℃で溶融混練し、ついで、220℃で押出シ−ト成
形して厚さ0.8mmのシートを得た。実験結果を表1
に示す。
【0023】比較例1〜3 実施例1において、有機過酸化物および架橋助剤を用い
なかった他は同様にして押出シートを得た。実験結果を
表2に示す。
【0024】比較例4、5 表2に示す組成において、実施例1と同様にして押出シ
ートを得た。比較例4の場合は、エチレン−オクテン共
重合体を多量に含み、架橋成分が増加しているため、非
常に流動性が悪く、造粒及び押出が出来なかった。実験
結果を表2、表3に示す。
【0025】実施例5〜7 実施例1で使用したSPP−1とEG8100の合計量
100重量%に対して表3に示す組成にしたがって、そ
れぞれポリブテン樹脂(シェルジャパン(株)製、83
40)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
ゴム(日本合成ゴム(株)製、EP−133P)、エチ
レン−プロピレン共重合体ゴム(日本合成ゴム(株)
製、EP−941P)を配合し、実施例1と同様にして
押出シ−トを得た。実験結果を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明の組成物は、有機過酸化物および
架橋助剤を用いずにシンジオタクチックポリプロピレン
とエチレン−オクテン共重合体等を溶融混練して得られ
る組成物よりも柔軟性、機械的強度に優れ、特に永久伸
び等のゴム的な性質に優れる。また、アイソタクチック
ポリプロピレンを用いた場合に比べて配合するゴムが少
量でも十分な柔軟性を有するので、耐薬品性、耐傷つき
性に優れる。この組成物のシートは、表面光沢が低く外
観や感触に優れ深絞り成形が可能であるので、例えば自
動車内装の表皮材料として利用できる。さらに、使用後
に焼却しても有害ガスを発生しないので、燃焼時の環境
汚染が問題とされている塩化ビニル樹脂の代替として工
業的に極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シンジオタクチックポリプロピレン(A)
    10〜90重量%、エチレン−オクテン共重合体(B)
    90〜10重量%を含み、部分的に架橋されていること
    を特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】シンジオタクチックポリプロピレン(A)
    10〜90重量%、エチレン−オクテン共重合体(B)
    90〜10重量%、および有機過酸化物よりを溶融混合
    してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー用組成
    物。
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