JP2905287B2 - 熱可塑性エラストマー状組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー状組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱可塑性エラストマー状組成物に関する。
特に、各種樹脂および金属に対して熱接着性に優れると
ともに、ゴム弾性、柔軟性、耐熱性、耐油性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物に関する。
近年エラストマーでありながら熱可塑性樹脂と同様の
加工方法即ち、射出成型、中空成型、回転成型、押出成
型等の方法を用いることが出来、且適切なるゴム様の柔
軟性を持った種々の熱可塑性エラストマー組成物が上市
され、従来の架橋ゴムと比較して加工能率の良さおよび
再生の容易さから種々の用途に用いられている。
熱可塑性エラストマーとは、重合物系内に、その使用
温度においてゴム状の性質を示すソフトセグメントと、
結晶やガラスその他の疑似架橋点とみなされるハードセ
グメントを適切に配置され、使用温度においては架橋ゴ
ムと同様の挙動をし、加工温度においては一般の熱可塑
性樹脂と同様の挙動を示すように分子設計されたエラス
トマーである。各種の熱可塑性エラストマーの中でもポ
リオレフィン系の熱可塑性エラストマーは他の系のそれ
に比し抜群の耐候性、および適度の耐熱性のため自動車
分野、電線分野に主として用いられている。
〔従来の技術〕
熱可塑性エラストマーは、柔軟な二次加工可能な省エ
ネルギー、省資源型のゴム代替のエラストマーとして公
知である。特にポリプロピレン樹脂とエチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合ゴム等を主成分とし、ゴム成
分が部分的にまたは完全に架橋されているオレフィン系
熱可塑性エラストマーはすでに公知であり(特公昭55-1
8448、特公昭61-18581、特公昭53-34210等)広く用いら
れている。
しかしこれらの組成物は非ポリオレフィン系樹脂およ
び金属との接着には適していない。
一方、これを解決する手段として無水マレイン酸等で
ゴムをクラフト変性する方法(特開昭59-27935)、上記
組成物を有機過酸化物を用い無水マレイン酸等を共存さ
せて動的に熱処理する方法(特開昭63-270754)あるい
は不飽和酸無水物等で変性されたポリオレフィン樹脂と
部分架橋されたゴムとの組成物(特開昭59-1561)等が
提案されている。
しかしながらこれらの組成物は実質的に部分架橋であ
るためにゴム弾性、耐油性の点で不十分であるという欠
点を有していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
すなわち、ポリオレフィン系樹脂等を成分とする熱可
塑性エラストマーにおいてゴム弾性、成形性、耐油性等
の諸物性において優れた特性を有し、しかも、樹脂や金
属との接着に優れた熱可塑性エラストマーを供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 (a) エチレン−αオレフィン共重合体系ゴム、イソ
プレン−イソブチレン共重合体系ゴム成分から選ばれる
ゴム成分、 (b) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合あるいは
共重合して得られるポリオレフィン系樹脂またはそれら
の混合物、 (c) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合または共
重合して得られるポリオレフィン系樹脂をα、β不飽和
カルボン酸および/またはその誘導体により変性された
変性ポリオレフィン樹脂または該変性ポリオレフィン樹
脂より誘導される樹脂(変性ポリオレフィン系樹脂) からなる配合物において、成分(a)、成分(b)およ
び成分(c)合算成分の100重量部あたり、成分(a)
が20〜80重量部及び成分(b)1〜99.5重量%と成分
(c)99〜0.5重量%との合算成分が80〜20重量部であ
る配合物を架橋剤の存在下で成分(b)および成分
(c)の樹脂を軟化させるに十分な温度以上で動的に熱
処理し、該組成物中の成分(a)がp−キシレンによる
6時間の沸点抽出残が95重量%以上に架橋されているこ
とを特徴とする熱可塑性エラストマー状組成物及び (a) エチレン−αオレフィン共重合体系ゴム、イソ
プレン−イソブチレン共重合体系ゴム成分から選ばれる
ゴム成分、 (b) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合あるいは
共重合して得られるポリオレフィン系樹脂またはそれら
の混合物からなる混合物を架橋剤の存在下で成分(b)
の樹脂を軟化させるに充分な温度以上で、該組成物の成
分(a)がp−キシレンによる6時間の沸点抽出残が95
重量%以上に架橋されるように動的に熱処理し、ついで (c) 変性ポリオレフィン系樹脂(上記成分(c)と
同じ)を、成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合
算成分の100重量部あたり、成分(a)が20〜80重量部
及び成分(b)1〜99.5重量%と成分(c)99〜0.5重
量%との合算成分が、80〜20重量部になるように混合し
てなる熱可塑性エラストマー組成物に関するものであ
る。
以下、本発明を詳述する。
本発明において成分(a)のエチレン−αオレフィン
共重合体系ゴム、イソプレン−イソブチレン共重合体系
ゴムから選ばれるゴム成分、(以下ゴム成分と略す)は
ゴム弾性、柔軟性を担う成分であり、またこの成分は動
的に熱処理される過程で架橋されることにより耐熱性も
発現される。
該ゴム成分のエチレン−αオレフィン共重合体系ゴム
としては、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体ゴム(以下EPDMと略す)、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPM)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EB
M)を例示する事ができる。
また、イソプレン−イソブチレン共重合体系ゴム(以
下、IIRと略す)としては公知の手法で得られる実質的
に非晶性のイソプレン−イソブチレン系共重合体ゴムを
挙げることができる。IIRとしては0.5〜10重量%好まし
くは1〜4重量%のイソプレンを含有するイソプレン−
イソブチレン共重合体ゴム、および0.1〜10重量%好ま
しくは0.5〜3.0重量%が塩素、臭素などによって部分的
に置換あるいは付加されたゴムを包含する。
EPDM、EPM、EBMとしては公知の方法で得られる実質的
に非晶性のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
またはエチレン−αオレフィン共重合体ゴムである。こ
れらはX線回折測定によって求めた結晶化度が20%以下
である部分的に結晶性を有するゴムを用いることも可能
である。
EPDMのジエンモノマーとして、炭素原子数5〜20の非
共役ジエン、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−および1,
5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン
および1,4−オクタジエンなど、環状ジエンとしては、
例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シク
ロオクタジエンおよびジシクロペンタジエン、またアル
ケニルノルボルネンとしては、例えば5−エチリデン−
および5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリ
ル−および2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなど
を用いたものが例示される。これらの中で5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン又はジシクロペンタジエンを用い
たものが好ましい。
該ゴム成分の配合量は、成分(b)のC2〜C8αモノ
オレフィンを単独重合または共重合して得られるポリオ
レフィン系樹脂と成分(c)の変性ポリオレフィン樹脂
の合算成分(以下樹脂成分という)とゴム成分の合算成
分100重量部あたり20〜80重量部である。
ゴム成分の具体的な必要量は熱可塑性エラストマーに
必要とされる物性により異なるが、一般にゴム量を多く
すると柔軟になりゴム弾性に優れたものが得られるよう
になる。しかしながら、ゴムの量が多い場合には熱可塑
性エラストマーの流動性は低下する傾向にある。80重量
部よりゴム成分が多くなると流動性が著しく低下し、20
重量部より少ないとエラストマーとしての柔軟性に乏し
くなる。特にゴム成分の配合量が50重量部以上では、熱
可塑性エラストマーとしての流動性を改善する目的で軟
化剤を配合することが好ましい。
成分(b)のC2〜C8αモノオレフィンを単独重合お
よびまたは共重合して得られるポリオレフィン系樹脂と
しては、1種またはそれ以上のモノオレフィンの高圧
法、中圧法または低圧法いずれかによる重合から得られ
る結晶性の高分子量の固体生成物を包含する。満足すべ
きオレフィンの例は、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−プ
ロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン等の単独重合体あ
るいはそれらの共重合体又はそれらの混合物である。
好ましくは、アイソタクチックホモポリプロピレン、
シンジオタクチックホモポリプロピエンまたはエチレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンとプ
ロピレンのランダムあるいはブロック共重合体などのポ
リプロピレン系樹脂であって、ポリマー中にポリプロピ
レンの結晶を含むものである。
該ポリオレフィン系樹脂成分は熱可塑性エラストマー
の耐熱性、機械的強度及び流動性の向上に寄与するもの
である。この目的のために、DSCで測定した融点(融解
の最大ピーク温度)が155℃以上に少くとも1つ存在す
るものが好ましい。230℃のメルトフローインデックス
(MFI)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分
のものである。
本発明における成分(c)の変性ポリオレフィン系樹
脂は、熱可塑性エラストマーと接合する各種樹脂および
金属に対しての接着性を向上させる成分でありかつ耐熱
性、機械的強度及び流動性の向上に寄写する成分として
作用する。
該変性ポリオレフィン樹脂は、C2〜C8αモノオレフ
ィンを原料として単独重合または共重合して得られるポ
リオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸および/または
その誘導体によって変性したポリオレフィン系樹脂およ
び/または該変性ポリオレフィン樹脂から誘導される樹
脂である。
また、変性されるべきポリオレフィン系樹脂としては
成分(b)として例示したポリオレフィン系樹脂であ
る。
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸などのα、β不飽和カル
ボン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン5,6−ジカルボン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸等のα、β不飽和カルボン酸無水物、テトラヒドロ
無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン5,6
−ジカルボン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ポリプロピ
レングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコー
ル、メタクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレ
ングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコールポ
リテトラメチレングリコール、メタクリル酸メトキシポ
リエチレングリコール、メタクリル酸グリセロール、フ
マル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フ
マル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロ
ピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン
酸エチル、マレイン酸イソプロピル、マレイン酸−s−
ブチル、マレイン酸−t−ブチル、マレイン酸ラウリ
ル、マレイン酸ステアリル、マレイン酸シクロヘキシ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等の不飽和カルボ
ン酸エステル、マレイン酸モノアニリド、マレイン酸モ
ノベンジルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N′−ジ(ヒドロキシメチル)(メタ)
アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルマレイミド等の
不飽和カルボン酸アミドを例示することができる。
また、これら変性ポリオレフィン系樹脂から誘導され
る変性ポリオレフィン系樹脂としては、上述の酸無水物
等により変性された変性ポリオレフィン系樹脂をアニリ
ン、ベンジルアミンなどのアミンでアミド化またはイミ
ド化した変性樹脂、上述の酸無水物等により変性された
変性ポリオレフィン系樹脂をメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等のア
ルコールでエステル化した変性樹脂等を例示することが
できる。
変性ポリオレフィン系樹脂は樹脂成分のうち0.5重量
%以上配合することが必要である。好ましくは、1重量
%以上であり、さらに好ましくは、5重量%以上であ
る。
変性ポリオレフィン系樹脂の不飽和カルボン酸及び/
またはその誘導体によって変性される重量%は、変性前
のポリオレフィン系樹脂に対して0.01重量%以上含有す
ることが必要であり、更に好ましくは0.05重量%以上で
ある。
軟化剤は本発明の熱可塑性エラストマーの流動性、柔
軟性を改善するために添加されるものである。パラフィ
ン系、ナフテン系、芳香族系、ポリブテン系等がある
が、本発明の目的には、パラフィン系、ナフテン系、ポ
リブテン系が好ましい。軟化剤は必須ではないが、樹脂
成分とゴム成分の合算重量100重量部に対してゴム成分
が50重量部以上の場合は、流動性を改善する目的でオイ
ルを配合する必要がある。しかしながら、必要以上にオ
イルを配合することは好ましくなく、ゴム成分の100重
量部に対してオイルが200重量部を越えるとエラストマ
ーとしての強度を保持することが困難になる。
本発明中の架橋剤としては公知の架橋剤を用いること
ができる。例えば、硫黄、フェノール樹脂、ハロゲン化
フェノール樹脂、キノンジオキシム、ビスマレイミドま
たは特開昭61-120841に開示されているようなハロゲン
化メラミンを用いることができる。
好ましくはフェノール樹脂、ハロゲン化フェノール樹
脂であり、これらの使用にあたっては特開昭58-46138号
に開示されている技術を参考にすることが出来る。
またこれらの架橋剤とともに必要に応じて架橋助剤を
用いることも可能である。架橋助剤としては、例えば硫
黄、P−キノンジオキシム、P,P′−ジベンゾイルキノ
ンジオキシム、エチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリ
ルテレフタレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、1,2−ポリブタジエン、N,N′−m−フェニレン
ビスマレイミド、無水マレイン酸、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、グリシジルメタクリレートなどを
挙げることができる。
本発明においてポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレ
フィン系樹脂、ゴム成分、さらに必要に応じて軟化剤か
らなる配合物は、架橋剤を用いて動的に熱処理されるこ
とが必須である。
ここで動的に熱処理するとは以下の事を示す。すなわ
ち、樹脂成分を軟化させるに充分な温度で、またはより
一般には樹脂が結晶性の場合はその融点以上の温度で混
合する。樹脂成分及びゴム成分、必要に応じて軟化剤か
らなる配合物の混合中、もしくは混合後に架橋剤および
必要に応じて架橋反応触媒を加え、ついでこのフレンド
を動的に熱処理温度で架橋が完了するまで、通常の素練
り装置、例えばバンバリーミキサー、ブラベンダーミキ
サー、ニーダー、連続ミキサーあるいは混合押出機を使
用することで本発明の組成物を得る。たとえば、同方向
2軸スクリュータイプの押出機を用いることも可能であ
る。
この架橋過程に於ては混合を中断することなく行なう
のが重要であり、ここで言う混合とは該ブレンド物が剪
断を受けている状態にあることである。また、本発明に
於ても、特開昭59-58043に開示されているごとく剪断速
度を2000cm-1以上の剪断速度で混合することが可能であ
る。
動的に熱処理する過程においてゴム成分は実質的に完
全に架橋される。完全に架橋されるとは、以下の式で定
義される抽出残(%)が95%以上、好ましくは97%以上
であることを言う。
すなわち、 ここで組成物中のゴムの重量は、ゴム成分の内アセト
ンで抽出可能な非架橋成分を除いて補正し、架橋された
ゴムの重量は後述の方法で求めた抽出物の乾燥後の重量
からゴム以外の不溶性成分、例えば充填剤、ゴムとポリ
オレフィン系樹脂又はゴムと変性ポリオレフィン系樹脂
とのグラフト生成物、架橋反応に用いられた架橋剤等の
重量を考慮し実質的にゴム成分のみからなる沸騰p−キ
シレン不溶成分の値に補正して用いる。ここで抽出物の
乾燥後の重量は以下のように求める。
すなわち、組成物を圧縮成形による、厚さ0.4mm試験
片を製造する。この試験片を約1.5gを精秤し、これを30
0メッシュの金網に入れ、約250mlのp−キシレンを用い
て6時間ソックスレー沸点抽出を行なう。抽出後のサン
プルを一昼夜真空乾燥器中で乾燥し、抽出残の重量を秤
量する。
本発明の熱可塑性エラストマーは必要に応じてタル
ク、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、マイカ、ケイ酸カルシウム等の充填剤を配合
することができる。更に、必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤、金属劣化防止剤等の安定剤、滑剤、帯電防
止剤、電気特性改良剤、難燃化剤、加工性改良剤、顔料
等の添加剤を配合することができる。
[実施例] 以下、実施例をあげ、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、実施例における測定方法及び使用した原材料
は下記の通りである。
(MFI) JIS K7210(荷重2.16kg 230℃) (HLMFI) JIS K7210(荷重21.6kg 230℃) (引張り破断強度、伸び) JIS K6301 (永久伸び) JIS K6301に準ずる。但し、標線間10mm、10分間100%
伸長し、10分間回復後の残留歪% (ショアーA硬度) ASTM D−676−49 (変性樹脂中の官能基含量) 赤外線吸収スペクトル法による。
(組成物の製造) 東洋精機製ラボプラストミル、バンバリーミキサー75
ccを用いて、架橋剤以外の成分を混合ししたのち、架橋
剤、触媒等を加え180℃、130rpmにて9分間溶融混練を
続けた後にサンプルをとり出し、230℃でホットプレス
することにより、各試験片を作成した。
(剥離強度) A.試験片の作成 上述の方法で得られた組成物を0.5mm厚に成形し、ア
ルミニウム箔(昭和アルミニウム(株)製、厚さ50ミク
ロン)と230℃、5min、200kg/cm2で熱融着した。
B.剥離試験 上記の試験片を巾15mmに切り出したものをサンプルと
した。
試験方法:180度剥離 引っ張り速度:300mm/min 剥離強度:試験片の荷重値で示した。
(原材料) 《PP》(ポリプロピレン樹脂) MFI 0.5g/10min;融点160℃ 《変性PP−1》 無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(無
水マレイン酸0.1重量%、MFI 20) 《変性PP−2》 アクリル酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(アクリ
ル酸6重量%、MFI 12) 《変性PP−3》 無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(無
水マレイン酸0.72重量%、MFI 300)をベンジルアルコ
ールで更に変性したもの。
《変性PP−4》 変性PP−1をベンジルアミンで更に変性したもの。
《変性PP−5》 メタクリル酸ヒドロキシエチル変性ポリプロピレン樹
脂(メタクリル酸ヒドロキシエチル0.4wt%、MFI 20) 《EPDM》 ムーニー粘度65、ヨウ素価24、第三成分としてエチリ
デンノルボルネン 《IIR》(ブチルゴム) 日本合成ゴム社製JSR Buty1365 《軟化剤》 PW380(出光興産製パラフィン系オイル) 《架橋剤−1》 アルキルフェノール樹脂(昭和高分子社製ショウノー
ルCRM0803) 《架橋剤−2》 カヤヘキサAD{カヤクアクゾ(株)製},2,5−ジメチ
ル−2,5・ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン 《無機フィラー》 ホモカルD(白石カルシウム社製炭酸カルシウム) (実施例1) PP〈11重量部〉、変性PP−1〈11重量部〉、EPDM〈35
重量部〉、軟化剤〈43重量部〉からなる配合物をもと
に、上記手法により熱可塑性エラストマー状組成物を得
た。なお、このときゴム成分100に対して架橋剤−1を1
0phr、亜鉛華を2phr、塩化第一錫(触媒)を1.7phr配合
した。
(実施例2) PP〈14重量部〉、EPDM〈36重量部〉、軟化剤〈50重量
部〉、無機フィラー〈14重量部〉よりなる配合物を上記
手法により動的に熱処理した後、変性PP−1〈5重量
部〉を配合し熱可塑性エラストマーを得た。
(実施例3) 変性ポリオレフィン系樹脂を変性PP−2とした以外は
実施例1と同様である。
(実施例4) 変性ポリオレフィン系樹脂を変性PP−3とした以外は
実施例1と同様である。
(実施例5) 変性ポリオレフィン系樹脂を変性PP−4とした以外は
実施例1と同様である。
(実施例6) PP〈5重量部〉と変性PP−1〈17重量部〉と組成を変
更した以外は実施例1と同様である。
(実施例7) EPDM〈35重量部〉の代わりにIIR〈35重量部〉を用い
た以外は実施例1と同様である。
(実施例8) 変性ポリオレフィン系樹脂を変性PP−5とした以外は
実施例1と同様である。
(実施例9) EPDM〈43重量部〉、PP〈7重量部〉、変性PP−1〈6
重量部〉、軟化剤〈43重量部〉とし、フィラー15重量部
を新たに加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性状
エラストマー組成物を得た。
(比較例1) PP〈11重量部〉、変性PP−1〈11重量部〉の代わりに
PP〈22重量部〉を用いた以外は実施例1と同様である。
(比較例2) PP〈11重量部〉、変性PP−1〈11重量部〉、EPDM〈35
重量部〉、軟化剤〈43重量部〉からなる配合物をもとに
上記手法により熱可塑性エラストマーを得た。なお、こ
のときゴム成分100に対して架橋剤−2を0.5phr、トリ
アリルイソシアヌレート0.5phrを配合した。
〔発明の効果〕 本発明の組成物は、エチレン−αオレフィン系または
イソプレン−イソブチレン共重合体系のゴム成分、ポリ
オレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂および架
橋剤を用い、また必要に応じて軟化剤を用いて動的に熱
処理して得られる実質的にゴム成分が完全架橋された熱
可塑性エラストマーであり、これによって従来より高流
動性で高強度をもち、かつ柔軟性、ゴム性に優れた、か
つ各種樹脂および金属に対して熱接着性に優れる熱可塑
性エラストマーをあたえるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) エチレン−αオレフィン共重合体
    系ゴム、イソプレン−イソブチレン共重合体系ゴム成分
    から選ばれるゴム成分、 (b) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合あるいは
    共重合して得られるポリオレフィン系樹脂またはそれら
    の混合物、 (c) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合または共
    重合して得られるポリオレフィン系樹脂をα、β不飽和
    カルボン酸および/またはその誘導体により変性された
    変性ポリオレフィン樹脂または該変性ポリオレフィン樹
    脂より誘導される樹脂(変性ポリオレフィン系樹脂) からなる配合物において、成分(a)、成分(b)およ
    び成分(c)合算成分の100重量部あたり、成分(a)
    が20〜80重量部及び成分(b)1〜99.5重量%と成分
    (c)99〜0.5重量%との合算成分が80〜20重量部であ
    る配合物を架橋剤の存在下で成分(b)および成分
    (c)の樹脂を軟化させるに十分な温度以上で動的に熱
    処理し、該組成物中の成分(a)がp−キシレンによる
    6時間の沸点抽出残が95重量%以上に架橋されているこ
    とを特徴とする熱可塑性エラストマー状組成物。
  2. 【請求項2】(a) エチレン−αオレフィン共重合体
    系ゴム、イソプレン−イソブチレン共重合体系ゴム成分
    から選ばれるゴム成分、 (b) C2〜C8αモノオレフィンを単独重合あるいは
    共重合して得られるポリオレフィン系樹脂またはそれら
    の混合物からなる混合物を架橋剤の存在下で成分(b)
    の樹脂を軟化させるに充分な温度以上で、該組成物の成
    分(a)がp−キシレンによる6時間の沸点抽出残が95
    重量%以上に架橋されるように動的に熱処理し、ついで (c) 変性ポリオレフィン系樹脂(請求項1と同じ)
    を、成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合算成分
    の100重量部あたり、成分(a)が20〜80重量部及び成
    分(b)1〜99.5重量%と成分(c)99〜0.5重量%と
    の合算成分が80〜20重量部になるように混合してなる熱
    可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】(d) 軟化剤を(a)エチレン−αオレ
    フィン共重合体系ゴム、イソプレン−イソブチレン共重
    合体系ゴム成分から選ばれるゴム成分の100重量部に対
    して多くとも200重量部以下配合されている特許請求の
    範囲第1項及び第2項の熱可塑性エラストマー状組成
    物。
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