JP2007070387A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の熱可塑性エラストマーよりも優れたゴム弾性と押出成形性が得られる、熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]とから構成され、さらに軟化剤(C)を 0.1〜200重量部添加してもよく、押出し機にて動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物であり、更には硬度Hs及び70℃圧縮永久歪CSが下記式(1)を満足することを特徴とする上記の熱可塑性エラストマー組成物。
CS≦HS/2 式(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体に関する。
従来、一般的に、自動車部品あるいは電気・電子部品、建築部品として、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体(EPDM)のゴム配合物からなる押出し加硫成形品が、低硬度かつゴム弾性が要求される部品において用いられてきた。
他方、いろいろな用途でのシール用材料として、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体(EPDM)を使用した加硫ゴムに代わって、生産性、環境対応性および軽量化の見地から、加硫工程が不要な熱可塑性エラストマー(組成物)が使用され始めている。
熱可塑性エラストマーの組成に関する技術としては、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体と結晶性ポリオレフィンを動的架橋するものが公知の技術である。しかしながら、一般に従来の熱可塑性エラストマーでは、加硫ゴムに比較して圧縮永久歪みを指標とするゴム弾性に劣る点で十分とは言えず、そのゴム弾性を改善しようとして架橋剤等を増量すると成形品の外観が悪化したり、押出成形時に目やにがダイスに付着して成形品外観を悪化させる問題があり、成形性が十分ではなかった。
そのような現状において架橋するゴムを最適化することによりゴム弾性を向上する検討がなされてきた。例えばエチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体について、「特開2004−277630」(特許文献1)では、5−エチリデン−2−ノルボルネンを非共役ジエンとして使用し、特定の分子量分布のものを使用することが提案されている。
また、「特開2001−11247」(特許文献2)では、メタロセン触媒を使用し、特定のエチレン/プロピレン比、ヨウ素価、極限粘度で長鎖分岐の多いエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを使用した熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。
特開2004−277630号公報 特開2001−11247号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、従来の熱可塑性エラストマーよりも優れたゴム弾性と押出成形性が得られる、熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を提供することを目的としている。
本発明の熱可塑性エラストマーは、70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]が架橋された熱可塑性エラストマー組成物であり、また、軟化剤を0.1〜200重量部含んでも良い熱可塑性エラストマー組成物であり、その成形体であることを特徴とするものである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の外観や押出成形性に優れているので、容易に目的とする成形品に成形することができる。成形品としては、自動車部品、工業機械部品、電気電子部品、土木建築部品、医療部品などの用途に供され、柔軟性、機械的強度、形状回復性、反撥弾性、高温機械物性などが要求されるものがあげられる。
熱可塑性エラストマーとは、ゴムと類似の物理的性質、たとえば柔軟性や反発弾性を有し、通常のゴムと対照的に熱可塑性プラスチックとして加工できるものであり、このような説明は、たとえば高分子大辞典(丸善株式会社、1994年刊)においてなされている。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物について説明する。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物としては、架橋されたエチレン、炭素数3〜20のα-オレフィン及び非共役ポリエン共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂を成分とするものである。
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン(A)としては、70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂である。好ましくは、ポリブテン−1樹脂であり、ポリブテン−1樹脂として(1)、(2)および(3)のような(共)重合体が好ましく用いられる。
即ち、(1)ブテン−1単独重合体、(2)ブテンー1と10モル%以下の他のオレフィンとのランダム共重合体、(3)ブテン−1と30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体であり、上記のα−オレフィンとしては具体的に、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。その中でも、ブテン−1の単独重合体あるいはブテン−1とエチレンまたはプロピレンとのランダム共重合体が好ましい。ポリブテン−1樹脂は、1種類でも構わないし、2種類以上用いても構わない。ポリブテン−1樹脂のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。また、ポリブテン−1と汎用の非架橋性のその他の樹脂あるいはゴムであっても良い。その際の比率としてはポリブテン−1 100重量部に対して0.1〜10重量部である。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いられる。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、
1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエン
などが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、(1)(a)エチレンから導かれる単位と、(b)炭素数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは60/40〜80/20、さらに好ましくは65/35〜75/25[(a)/(b)]のモル比で含有している。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の非共役ポリエン成分量の一指標であるヨウ素価は、1〜50、好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜30である。また、非共役ジエン量の全成分量では、(B)成分中の2〜20重量%である。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、135℃デカリン中で測定される極限粘度が1.0〜10.0dl/g、好ましくは1.5〜8.0dl/gである。
また、必要に応じてエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムをブレンドしても構わない。
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンは、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンと同じである。共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%である。
上記のようなゴム成分の配合量は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部、好ましくは15〜55重量部、更に好ましくは20〜50重量部に対して、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部、好ましくは85〜45重量部、さらに好ましく80〜50重量部[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]である。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)を架橋する架橋剤としては、例えば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ゴム成分(B)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
軟化剤(C)
本発明で用いられる軟化剤(C)は、 流動性や硬度の調整剤としてとして用いられる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ、(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ナフテン酸;
パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系
軟化剤;
マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
軟化剤(C)の含有量としては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B) 100重量部に対して、0.1〜200重量部であり、好ましくは、20〜180重量部、さらに好ましくは50〜150重量部である。軟化剤(C)の添加方法としては、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、その製造の際に軟化剤(C)を配合し、いわゆる油展ゴムとして添加しても良い。その際の軟化剤(C)の含有量としては、(B)成分と軟化剤の合計量100重量部に対し、1〜49重量部、好ましくは5〜45重量部である。また、動的処理を行った後で軟化剤(C)を添加しても良い。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、スリップ剤、充填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記スリップ剤としては、たとえば脂肪酸アミド、シリコーンオイル、グリセリン、ワックス、パラフィン系オイルなどが挙げられる。
充填剤としては、従来公知の充填剤、具体的には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]とから構成され、該エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)が架橋された熱可塑性エラストマー組成物、更に軟化剤(C)0.1〜200重量部から構成される熱可塑性エラストマー組成物であって、 架橋方法については特には制限はないが、上記架橋剤の存在下に、動的に熱処理する方法が例示される。
ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう(以下、同じ。)。
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用い得るが、非開放型の装置が好ましい。
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、ゴム成分(B)が架橋した状態の熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
上記のようにして得られる、本発明に係る熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、10kg荷重)は、通常0.01〜1000g/10分、好ましくは0.02〜500g/10分、さらに好ましくは0.1〜300g/10分である。メルトフローレートが上記範囲内にある熱可塑性エラストマーは、成形性に優れている。
上述の熱可塑性エラストマーは、硬度Hsと70℃圧縮永久歪CSが下記式(1)を満足し、押出し成形の際、押出し肌の良好な熱可塑性エラストマー組成物である。
CS≦Hs/2 式(1)
一般的な熱可塑性エラストマーでは、硬度を低くすることにより、圧縮永久歪測定時の圧縮する際の応力が小さくなり、より低いCSを得ることが出来ることを考慮したものである。そこで上記式を満たすために一般的な熱可塑性エラストマーでは、ゴムの架橋度を上げることにより上記式は満たされるようになるが、押出し成形の際、押出し肌の良好なものが得られない。本発明のように、非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂がCS≦70であれば、押出し肌が良好で、上記式(1)を満たすものが得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー(TPE)組成物のメルトフローレート(MFR)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の硬度、引張強度、伸び、圧縮永久歪み(CS)、押出成形性の測定ないし評価は、次の方法に従って行なった。
(1)メルトフローレート(MFR)
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して230℃、5kg荷重あるいは10kg荷重で測定した。
(2)硬度
硬度は、JIS K6253に準拠して、ショアーA硬度を測定した。
測定は、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
(3)引張強度および伸び
JIS K6251に準拠して、引張試験を下記の条件で行ない、100%、200%、300%伸張時の引張り強度(M100、M200、M300)、破断時の引張強度と伸びを測定した。
試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度500mm/分の条件で行なった。
(4)圧縮永久歪みCS
結晶性ポリオレフィン樹脂については、プレス成形機により厚み2mmシートを作製し、6枚重ねてJIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
(5)押出し成形時の押出し肌と目やに
田辺プラスチック機械(株)社製50mmφ押出機にてベルト状ダイスを設置し、C1/C2/C3/C4/C5/H/D=160/170/180/190/190/190/190の温度条件にて成形品の押出し肌を観察すると同時に、ダイスに付着する目やにの単位押出量当たりの量を測定し(10分間)、熱可塑性エラストマー組成物を1t押出しした場合の目やに量を計算し、目やに量とした。
(6)押出し成形品肌
上記押出機にて押出成形した後、成形品に肌荒れが見られる場合×、成形品に肌荒れが無い場合を○とした。
[実施例1]
エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム(エチレン含量77.2モル%、5-エチリデン-2- ノルボルネン 4.5重量%、[η]=2.60dl/g、ヨウ素価9.5g/100g、分岐指数6)(油展量):ゴム100重量部に対してパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−380)を40.0重量部)70重量部、三井化学(株)社製ポリブテン−1(商品名BL2000) 30重量部、カーボンブラックマスターバッチ(カーボンブラック40重量%、低密度ポリエチレン60重量%)2.5重量部、
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 イルガノックス1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 チヌビン326]0.1重量部とHALS系耐候安定剤[三共(株)製、商品名 Sanol LS−770]0.05重量部、
滑剤として脂肪酸アミド系滑剤[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキシン25B]0.4重量部と、
架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)[新日鉄化学(株)製、商品名 DVB−570]0.3重量部と
をヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:40kg/h]にてパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW−100]21重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
このペレット状の熱可塑性エラストマー組成物より得られた成形体とその押出成形性について前記方法に従って評価した。
その結果を第1表に示す。
[実施例2]
実施例1において、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムを75重量部、ポリブテン−1 25重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を第1表に示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリブテン−1の代わりにホモポリプロピレン(プライムポリマー(株)製E111G)(以下、ポリプロピレン−1と略す)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例2において、ポリブテン−1の代わりにポリプロピレン−1を用いた以外は、実施例2と同様に行った。
その結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、ポリブテン−1の代わりにランダムポリプロピレン(プライムポリマー(株)製B241)(以下、ポリプロピレン−2と略す)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を表1に示す。
Figure 2007070387

Claims (5)

  1. 70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]とから構成され、押出し機にて動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物。
  2. (A)及び(B)の合計100重量部に対し更に軟化剤(C)を0.1〜200重量部含み、押出し機にて動的架橋した請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)がポリブテン−1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 硬度Hs及び70℃圧縮永久歪CSが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    CS≦HS/2 式(1)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる熱可塑性エラストマー成形体。
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