JP6497118B2 - 導電性樹脂組成物及びこれを用いた電子写真用部材 - Google Patents

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Description

本発明は導電性樹脂組成物及びこれを用いた電子写真用部材に関する。
画像形成装置用のベルト部材には、機械的強度に優れ、耐熱性に優れ、適度の導電性を示し、成形性に優れ低コストであり、可撓性がありローラ等の接触部材に対する接触適合性、変形順応性がある反面、強度に優れ、表面汚染物質に対する忌避性(Repellancy)があること等が求められるが、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられている。
具体的には、アリル部位含有のアクリル系樹脂、PETやシクロヘキシルジメチレンテレフタレート等のポリアリキレンポリアリル樹脂、ポリアリレート等の芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホンやポリエーテルサルホン、ポリフエニレンサルファイド等の硫黄含有樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフエニルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂やポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ケトン樹脂、変性ポリフエニレン樹脂、熱可塑性フエノール樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂やこれらの変性樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのブレンドが用いられている。また同様に、帯電トナーに直接接触する電子写真装置用部材としては、他に、例えばクリーニングブレードを挙げることができるが、クリーニングブレードの場合も物理的強度、耐熱性及び感光体表面に従合する程度の靭性(しなやかさ)が要請される点で、ベルト部材と同様である。
導電性樹脂組成物は、画像形成装置用の例えば熱可塑性樹脂ベルト製造において低コストで成型しやすく生産性が高いというメリットを有している。
しかし、該導電性樹脂組成物により作製される熱可塑性樹脂ベルトやクリーニングブレードを用いた画像形成技術において、該ベルトやクリーニングブレード用材料としての前記導電性樹脂組成物中の低分子量コンタミに起因する不良画像形成が問題となることが既に知られている。
また、溶融混練によって、導電材(カーボンブラック)を分散させる際、分散性が悪く、電気抵抗の調整やばらつきを抑制するのが困難という問題があった。そこで、特許文献1の特開平11−344025号公報には、積層型のシームレスベルトの場合に特に生じ易い領域間の電気抵抗値のバラツキを、ベルト成形用ダイ金型の温度調節により抑制することが開示されている。
樹脂材料の場合には、材料の分解が進み、オリゴマー等の低分子分解生成物となって表面に出てきやすくなり、感光体を汚染したり、耐久時にクリーニング不良を起こすという問題もあった。
すなわち、各導電性樹脂組成物材料の分散性をあげるために混練を強くすると原料の分解が進み、低分子の分解生成物がベルト表面に出てきやすくなり、これが原因で、クリーニング不良を起こしたりして寿命を短くさせていた。そこで、特許文献2の特開2014−002410号公報には、イオン伝導性材料を配合した半導電性エンドレスベルトにおいて、イオン伝導性材料に由来する低分子の熱分解生成物を吸着させるため、特定の吸油量を示す多孔質シリカを同時に配合することが記載されている。
また叙上のように、電気抵抗の調整やバラツキを抑制するために帯電防止材のような界面活性剤や高分子からなる導電材を用いると温湿度の影響により抵抗がばらついたり、高温高湿環境でブリードにより感光体を汚染させたりする問題があった。
いずれにしても、画質低下の原因となる紙粉や余分なトナーの付着を避け得る部材、例えば中間転写ベルトが好ましく、そのため、例えば特許文献3の特開2003−76152号公報、特許文献4の特開2003−149957号公報、特許文献5の特開2004−94177号公報、特許文献6の特開2007−153510号公報には、中間転写ベルト中にあうとカーボンブラックと共に導電性材料としての或る種のポリエーテルエステルアミド樹脂(三洋化成工業社製のペレスタットNC6321)を添加することが記載されている。
しかしながら、これら公報記載の技術においては、ベルト表面にブリードアウトしてくる各種成分のうち、高画質画像形成のために障害となる成分と、ならない成分との区別を意識したものではなく、したがって当然、障害となる成分のリードアウト量を抑制することを示唆するものではない。
ポリエーテルエステルアミド(ペレスタットNC6321)は、ベルトの電気抵抗を低下させるには、ポリエーテルエステルオレフィンに比べて添加量を多くしなければならず、そのため必然的に、ベルト表面へのブリードアウトが増すだけでなく、分子量2000未満の低分子成分のブリードアウトはさほど変らなくても、分子量2000以上のオリゴマー成分が出てきてクリフを引き起こすこと、また、これを抑制すべく高分散させるためには過度のせん断力が必要となること、が体験されるに至った。
特許文献7の特開2004‐211026号公報には、ブリードを抑制する目的で、陰イオンの構造と添加量が開示されている。
本発明とは確かにブリードによる感光体汚染の点では似ている点がある。しかし、溶融混練時のオリゴマーによるクリーニング不良という問題は解消できていない。
本発明は、熱可塑性樹脂ベルトやクリーニングブレード等の電子写真方式の画像形成装置用部材における上記課題を解決し、ブリード性物質を発生させないことを目的とする。
上記課題は、本発明の(1)「少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーとポリエーテル共重合体を含む導電性樹脂組成物であって、該導電性樹脂組成物のGPC測定において、THF溶媒可溶分のうち、分子量2000以上のオリゴマー成分の割合が10%以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物」により解決される。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、抵抗の調整やばらつきを抑え、感光体汚染による画像不具合を解消し、クリーニング性能を高めることができるという非常に優れた効果が発揮される。導電性樹脂組成物およびそれを用いた電子写真用部材において、添加剤や成型加工時におけるオリゴマー化による低分子量成分の量によって問題が発生するが、本発明においては、その量が抑制されているためである。
本発明の導電性樹脂組成物中の分子量2000未満の低分子量ブリード成分はクリーニングブレードの摺擦により容易に除去可能である一方、分子量2000以上のオリゴマー成分は除去困難である様子について説明する図である。 実施例1の導電性樹脂組成物中のGPCによる各分子量成分の分布状態を示すグラフである。 比較例1の導電性樹脂組成物中のGPCによる各分子量成分の分布状態を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はつぎの(2)〜(9)記載の「導電性樹脂組成物」〜「電子写真部材」をも包含するものであるので、これらについても併せて詳細に説明する。
(2)「前記測定による分子量のMw/Mnは1.40以下であることを特徴とする前記(1)に記載の導電性樹脂組成物」。
(3)「前記ポリエーテル共重合体が1〜10wt%含有されており、導電性樹脂組成物の水接触角が80°以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の導電性樹脂組成物」。
(4)「前記GPC測定から得られるMwは800以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の導電性樹脂組成物」。
(5)「前記ポリエーテル共重合体のメインピークから算出される融点は前記熱可塑性樹脂の融点に対して+5℃以上20℃以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の導電性樹脂組成物」。
(6)「前記ポリエーテル共重合体はポリエーテルエステルアミドであって、該ポリエーテルエステルアミドのアミドはPA12であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の導電性樹脂組成物」。
(7)「前記ポリエーテル共重合体は、つぎのポリエーテル部位(a)、カルボニル基及びアミノ基残基を有する鎖状2価基部位(b)、及び、鎖状ジカルボン酸残基部位(c)を含有するものであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
Figure 0006497118

(上式中、Rは、置換又は無置換の2価の有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基を表し、nは20以上の自然数を表し、p、q及びrは、該共重合体のMwを10000〜50000の範囲とする1以上の自然数を表し、p:q:rはモル比で100:10〜100:1〜80である。)
(8)「前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を用いた画像形成装置用部材」。
(9)「前記電子写真用部材が、ベルト状であることを特徴とする前記(8)に記載の画像形成装置用部材」。
本発明は、導電性樹脂組成物およびそれを用いた電子写真用部材の導電性とブリードに際して、以下の特徴を有する。
要するに、導電性を発現し、抵抗率の安定性を確保しつつ、低分子量成分の量を規定していることが特徴になっている。
上記記載の本発明の特徴について、図1を用いて詳細に解説する。
図1は、分子量2000以上のオリゴマー成分による不具合の概念について説明する図である。
ポリエーテル共重合体を含む導電性樹脂組成物を成型する際に、低分子量成分が表層に配向しやすいため、表層に低分子量成分がリッチに存在する。
ここで低分子量成分(ブリード成分)とは、THF溶媒可溶分のうち分子量が2000未満の成分のことをいい、THF溶媒可溶分とは、導電性樹脂組成物を15mm×50mmの短冊に切り出し、THF溶媒5mlに3日間、23℃で浸漬させて溶出されたものをいう。
THF溶媒可溶分のうち、分子量が2000未満の低分子量成分(ブリード成分)はクリーニングの際のダム層を形成しクリーニング性向上に寄与するが、分子量が2000以上のオリゴマー成分はクリーニング不良の原因になるということがわかった。
そこで、本発明は、上記知見に基づき、THF溶媒に溶出される成分のうち、分子量が2000以上のオリゴマー成分に着目し、その含有割合を10%以下、好ましくは7%以下、に規定することによって、クリーニング性に優れた導電性樹脂組成物、電子写真用部材、ベルト部材を提供するものである。
本発明において、THF溶媒に溶出される成分のうち、分子量が2000以上のオリゴマー成分の割合を10%以下、好ましくは7%以下、とするためには、例えば、導電性樹脂組成物の表層を研磨したり、熱分解させない温度で導電性樹脂組成物を成型したり、導電性樹脂組成物を成型する際に、せん断力をかけすぎないようにすればよい。
本明細書における「導電性」の定義に関して、本発明における樹脂組成物は、表面電気抵抗が1×10〜1×1013Ω、体積電気抵抗が1×10〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。例えば中間転写ベルト用の場合、表面電気抵抗が1×108〜1×1013Ω、体積電気抵抗が1×105〜1×1012Ω・cmであることが好ましい。
本発明における導電性樹脂組成物の基材樹脂としては、アリル部位含有のアクリル系樹脂、PETやシクロヘキシルジメチレンテレフタレート等のポリアリキレンポリアリル樹脂、ポリアリレート等の芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホンやポリエーテルサルホン、ポリフエニレンサルファイド等の硫黄含有樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフエニルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂やポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ケトン樹脂、変性ポリフエニレン樹脂、熱可塑性フエノール樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂やこれらの変性樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのブレンド等を挙げることができ、例えば、ポリイミド樹脂層上に本発明の導電性樹脂組成物からPET形成された半導電性の量PET樹脂層を積層したベルト状部材とすることができる。これはクリーニングブレードの場合も同様である。
本発明における導電性フィラーとしては、例えばアセチレンブラック,ファーネスブラックチャンネルブラックなどのカーボンブラック、TiO、ZnO、ZnS、SnO、InO,ITO、InSb、SbO、MoS等の金属カルコゲナイト、Al粉、黄銅粉、Sn粉等の金属粉等を挙げることができる。これらのうち、アセチレンブラックのようなカーボンブラックを特に好ましく用いることができる。樹脂やゴム材料との加熱溶融混錬の際、或る種のカーボンブラックが切断された高分子鎖を再度結合させるための触媒作用があることはタイヤ製造において既に知られている。
本発明における導電性フィラーは、併用されるポリエーテル共重合体の量や性質、基材樹脂や成形品(画像形成装置用部材)の所望される導電性の程度や物理的強度等、にもよるが、一般的に、全樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であり、5〜20質量部の範囲であることが好ましい。
本発明におけるポリエーテル共重合体は、高分子型ノ二オン性帯電防止剤に属し、電荷輸送性ある数少ない有機材料としてのポリアルキレンオキシドの開環重合体の形のポリエーテル鎖セグメント部位(導電性部位)と、樹脂との相溶性を担保できる等の機能を有する他のセグメント部位とを有する非イオン系の帯電防止剤である。従来から提案されているポリエチ レングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリエチレンオキシドエピクロルヒドリ ン共重合体など、を挙げることができる。最近では、導電性増大のため側鎖にもエーテル部位を導入したもの、ポリアミドセグメント等ハードセグメントによる影響を緩和するため長鎖アルキレン基を導入したもの等々各種のものが提案され、かつ上市されている。
本発明においては、これらのうち、ポリアミドセグメント部位成分がポリエーテル鎖セグメント部位成分と縮合しポリアミド化(ブロック共重合化)した形のポリエーテルエステルポリアミド、ポリ長鎖脂肪族酸部位成分がポリエーテル鎖セグメント部位成分と縮合しポリエステル化(ブロック共重合化)した形のポリエーテルエステルオレフィンを好ましく用いることができ、特にポリエーテルエステルポリアミドであって、アミド部位がPA12(ナイロン12)のものを好ましく用いることができる。また、下記一般式(1)の構造のものを特に好ましく用いることができる。
Figure 0006497118

(上式中、Rは、置換又は無置換の2価の有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状有機基、Rは置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基を表し、nは20以上の自然数を表し、p、q及びrは、該共重合体のMwを10000〜50000の範囲とする1以上の自然数を表し、p:q:rはモル比で100:10〜100:1〜80である。)
としては、置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基が好ましく、置換又は無置換の2価のC2〜C3の鎖状炭化水素基がより好ましく、エチニル基―CHCH−、プロピニル基―CHCH(CH)CH−、グリセニルイルオキシ基―CHCH(OR)CHO−(ここでR4はH,又は1価の有機基)、又は同―CHCH(O−)CHOR(ここでRはH,又は1価の有機基、例えば、―(CHCHO)n−A、で示される形の側鎖ポリエトキシ鎖含有基であることができる)変性が特に好ましい。またn1が2以上の自然数の場合にはR1はこれらの複数からなるものであることができ、かつ好ましい。
またn1が2以上の自然数の場合にはR1はこれらの複数からなるものであることができ、かつ好ましい。R2としては、R2は置換又は無置換の2価の鎖状炭化水素基が好ましく、C4〜C22の直鎖状2価炭化水素基、C4〜C22の分枝した2価炭化水素基、C14〜C32のビスフエノールAエチレンオキシド付加物のなどのビスフエノール系化合物のエチレンオキシド付加物2価の残基が特に好ましい。またn2が2以上の自然数の場合にはR2はこれらの複数からなるものであることができ、かつ好ましい。
R3としては、アジピン酸残基等のC4〜C12直鎖状又は分枝した2価の脂肪族炭化水素基、テレフタル酸残基等の置換又は無置換の2価の芳香族ジカルボン残基が好ましいものとして挙げられる。
これらは、公知の合成法に準じて適宜合成してもよく、また、市販品を用いてもよい。市販品としては、三洋化成工業製のペレクトロンシリーズ、三洋化成工業製のペレスタットシリーズ、アルケマ社製のpebaxシリーズ、宇部興産社造のUBESTAシリーズ、TOKA社製のTPAEシリーズ等が挙げられるが、これらに限られる訳ではない。
該ポリエーテル共重合体は、併用される導電性フィラーの種類や量、基材樹脂や成形品(画像形成装置用部材)の所望される導電性の程度や物理的強度等にもよるが、一般的に、全樹脂100質量部に対して、1〜20質量部の範囲である。3〜10質量部であることが好ましい。
本発明における、THF可溶分の分子量のMw/Mnは1.40以下であることが好ましい。
また、本発明におけるポリエーテル共重合体は、導電性樹脂組成物中に1〜10wt%含有されており、該導電性樹脂組成物の水接触角が80°以上であることが好ましい。
さらに、本発明における分子量2000未満の前記低分子量部分のものは、GPC測定から得られるMwが800以下であることが好ましい。
本発明におけるポリエーテル共重合体のメインピークから算出される融点は前記熱可塑性樹脂の融点に対して+5℃以上20℃以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、これら実施例は、本発明についての理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するためのものではない。各例中、「部」及び「%」は、別段の断りない限り、「質量部」及び「質量%」を表わす。
[実施例1]
(導電性樹脂組成物の作製、およびベルトの作製)
PVDF(kynar720アルケマ社)85.5部、ポリエーテルエステルオレフィン7部(ペレクトロンPVH三洋化成工業)、カーボンブラック7.5部(デンカブラック電気化学工業社製)を計量し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った。その後、二軸溶融混練機にて溶融混錬しペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットを今度は一軸混連機で回転数33ppmで押出し、シームレスベルト製作用のφ306スパイラル円筒ダイに流し込み、リップ間隔は0.5mmで引き取り速度1.3m/min、ダイス温度205℃で膜厚100μmのシームレスベルトを得た。得られた光沢度は60度光沢で40だった。
(THF可溶分溶出)
このベルトを15mm×50mmの短冊に切り出し、THF(テトラヒドロフラン)溶媒5mlに23℃で浸漬させた。
(GPC測定)
分子量は、通常のGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:0.35mL/分
なお試料は、上記THF可溶分溶出条件で溶出させたものを用いた。
以上の条件で測定した分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して質量平均分子量Mwを算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100〜7.5×1000000の範囲のものを10点使用した。
結果を表1、図2に示す。
(クリーニング評価)
得られたシームレスベルトの表面抵抗率は500v印加で11.3乗、体積抵抗は100vで11乗であった。
このベルトを中間転写ベルトとして、複写機のMPC2503(リコー社製)に設置し、1ページ/ジョブで0.5%dutyの4色画像を1000枚印字した。使用した紙はHigh White(大塚商会)を使用した。
100枚毎に二次転写電流をOffにして50%dutyのチェックパターンを印字したときのクリーニングブレード通過後のベルト上をテープ転写してその濃度を計測して明らかにすり抜けているものを×とし、多少すり抜けは見られるものの、すり抜け画像が出ないものを○、すり抜けが見られないものを◎とした。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で得たシームレスベルトをバフで研磨して60度光沢を60になるまで研磨した。
研磨による膜減りは0.5μm(30点平均値)であった。
作成したベルトを、上記GPC測定し、かつ、上記クリーニング評価を行った。
結果を表1、図3に示す。
[比較例2]
実施例1で得たシームレスベルトをバフで研磨して60度光沢を58になるまで研磨した。研磨による膜減りは0.45μm(30点平均値)であった。
作成したベルトを上記GPC測定し、かつ、上記クリーニング評価を行った。
結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で得たシームレスベルトをバフで研磨して60度光沢を60になるまで研磨した。
研磨の時間を長くして膜減りを1.0μm(30点平均値)とした。
作成したベルトを、上記GPC測定し、かつ、上記クリーニング評価を行った。
結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリエーテル共重合体が1-10wt%含有している導電性樹脂で水接触角を80°以上とするためには、さまざまな方法が考えられるが、例えば、導電性樹脂の中にシリコーンオイルを含有させる方法や樹脂改質剤を用いる方法がある。また、図1で説明したようにポリエーテル共重合体の偏在している層を研磨して除去する方法もある。
ここでは、シリコーンオイル(SH200CV-110CS東レダウコーニング社製)を実施例1のコンパウンドに対して0.1%添加した。このシリコーンオイル(SH200CV-110CS東レダウコーニング社製)はオリゴマー低減品で、ブリード等の影響は少なく、接触角は耐久しても効力が持続する。
結果を表1に示す。
[実施例4]
PVDF(kynar720アルケマ社)85.5部、ポリエーテルエステルオレフィン7部(ペレクトロンPVH三洋化成工業)、カーボンブラック7.5部(デンカブラック電気化学工業社製)を計量し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った。その後、二軸溶融混練機にて溶融混錬しペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットを今度は一軸混連機回転数15ppmで押出し、シームレスベルト製作用のφ306スパイラル円筒ダイに流し込み、ダイスの温度を185℃でリップ間隔は0.5mmで引き取り速度0.77m/minで、膜厚100μmのシームレスベルトを得た。得られた光沢度は研磨して67だった。
得られたサンプルを上記と同様にGPC測定したところMw/Mn=1.48、Mwは778であった。
[比較例3]
ポリエーテル共重合体として、実施例4のポリエーテルエステルオレフィン(ペレクトロンPVH)をに代えてポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS)を使用し、あとは同様にして試作し、評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0006497118
[実施例5]
ポリエーテル共重合体のメインピークから算出される融点を熱可塑性樹脂の融点に対して+5℃以上20℃以下あるものを使用すると分解が抑えることができ、低分子量成分の中でも高分子よりのものの生成を抑えることができる。また、融点が近いと流動性も良くなりポリエーテル共重合体はより偏在しやすくなってしまう。
実施例5は導電剤にIrgastatP18FCA(BASF社製)を用いた以外は同様の手順で実施例5のシームレスベルトを試作し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例6]
導電剤にペレクトロンAS(三洋化成工業社製)を用いた以外、実施例5と同様の手順で実施例6のシームレスベルトを試作し、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例7]
導電剤にペレクトロンPVH(三洋化成工業社製)を用いた以外、実施例5と同様の手順で実施例7のシームレスベルトを試作し、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例8]
、導電剤にpebaxMH1657(アルケマ社製)を用いた以外は実施例5と同様の手順で実施例8のシームレスベルトを試作し、評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0006497118
[実施例9]
PVDF(kynar720アルケマ社)82.5部、ポリエーテルエステルオレフィン10部(ペレクトロンPVH三洋化成工業)、カーボンブラック7.5部(デンカブラック電気化学工業社製)を計量し、シリコーンオイル(SH200CV-110CS東レダウコーニング社製)を0.3%添加してヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った。その後、二軸溶融混練機にて溶融混錬しペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットを今度は一軸混連機で押出し、シームレスベルト製作用のφ306スパイラル円筒ダイに流し込み、リップ間隔は0.5mmで引き取り速度、温度等適宜調整しながら膜厚100μmのシームレスベルトを得た。得られた光沢度は60度光沢で20だった。
[実施例10]
PVDF(kynar720アルケマ社)91.5部、ポリエーテルエステルオレフィン1部(ペレクトロンPVH三洋化成工業)、カーボンブラック7.5部(デンカブラック電気化学工業社製)を計量し、シリコーンオイル(SH200CV-110CS東レダウコーニング社製)を0.1%添加してヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った。その後、二軸溶融混練機にて溶融混錬しペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットを今度は一軸混連機で押出し、シームレスベルト製作用のφ306スパイラル円筒ダイに流し込み、リップ間隔は0.5mmで引き取り速度、温度等適宜調整しながら膜厚100μmのシームレスベルトを得た。得られた光沢度は60度光沢で55だった。
Figure 0006497118
[実施例11]
実施例1において、ダイスの温度を170℃、引き取り速度、0.45m/min、一軸混練機の回転数を8ppmと変更し、あとは同様にして実施例11のシームレスベルトを試作し、評価した。
[実施例12](ポリエーテル共重合体の合成)
ラウリルラクタム60部、下記の分岐鎖構造の部位を有するGlycerol propoxylate-block-ethoxylate average Mn 〜5,300(373885アルドリッチ)35部、テレフタル酸5.82部、酸化防止剤(イルガノックス1098:チバスペシャルティケミカルズ(株)製以下同様)0.5部を、ヘリカルリボン攪拌翼を供えた反応容器に仕込み、N2パージして250℃で60分間加熱攪拌した後、0.07kPa以下まで減圧した。
テトラブチルチタネート0.1部を加えて、圧力は0.07kPa以下、温度は260℃の条件で、攪拌トルクが11.5kg・mになった時点で反応を終了した。 反応時間は2時間であった。
得られたポリエーテルエステルアミドは融点175℃であった。
Figure 0006497118
(シームレスベルトの作成)
得られたポリエーテルエステルアミドを実施例1のポリエーテル共重合体の代わりとして用いシームレスベルトを作成して評価した。クリーニング評価は研磨を0.5μmして○だった。エチレンオキサイド部をグリセロールにすることで枝状に分岐し、表面に偏在する濃度を分散させることができるためと考えられる。
また、エチレンオキサイドよりもプロピレングリコールもしくはそのブロック体を用いることで偏在を分散できかつ、表面自由エネルギーも下げ(水接触角を上げる)、付着力を下げることができる。ちなみに、上記シートで接触角は81.5°であった。
特開平11−344025号公報 特開2014−002410号公報 特開2003−76152号公報 特開2003−149957号公報 特開2004−94177号公報 特開2007−153510号公報 特開2004‐211026号公報

Claims (3)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーとポリエーテル共重合体を含む導電性樹脂組成物であって、該導電性樹脂組成物のGPC測定において、THF溶媒可溶分のうち、分子量2000以上の割合が10%以下であり、
    前記GPC測定による分子量のMw/Mnは1.40以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 前記請求項1に記載の導電性樹脂組成物を用いた電子写真用部材
  3. 前記電子写真用部材が、ベルト状であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用部材。
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