JP5546078B2 - 半導電性エンドレスベルト - Google Patents

半導電性エンドレスベルト Download PDF

Info

Publication number
JP5546078B2
JP5546078B2 JP2013171251A JP2013171251A JP5546078B2 JP 5546078 B2 JP5546078 B2 JP 5546078B2 JP 2013171251 A JP2013171251 A JP 2013171251A JP 2013171251 A JP2013171251 A JP 2013171251A JP 5546078 B2 JP5546078 B2 JP 5546078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endless belt
semiconductive endless
conductive material
porous silica
ion conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013171251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014002410A (ja
Inventor
卓士 横田
直樹 中村
丈人 川北
啓次 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Kogyo KK
Original Assignee
Okura Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Kogyo KK filed Critical Okura Kogyo KK
Priority to JP2013171251A priority Critical patent/JP5546078B2/ja
Publication of JP2014002410A publication Critical patent/JP2014002410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5546078B2 publication Critical patent/JP5546078B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる半導電性エンドレスベルトに関するものであり、特に、イオン伝導性材料を添加することにより半導電性を付与した半導電性エンドレスベルトに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、高速化、高画質化、カラー化が進んでおり、これらの画像形成装置には転写搬送ベルトや中間転写ベルトとして半導電性エンドレスベルトが多用されている。転写搬送ベルトは記録媒体を搬送すると同時に感光体上のトナー像を記録媒体へ直接転写するため、画像形成時には感光体と転写搬送ベルトとの間に記録媒体が介在し、両者は直接接触することはない。しかしながら、非画像形成時には、記録媒体が介在しないため、感光体と転写搬送ベルトとを直接接触させた状態で停止させる画像形成装置もある。一方、中間転写ベルトは感光体と直接接触して感光体上のトナー像を受け取るため、感光体と直接接触する頻度が高い。
これらの画像形成装置に用いられるエンドレスベルトには、体積抵抗率が1×10〜1×1013Ω・cmの半導電性領域の電気抵抗とその均一性が求められている。エンドレスベルトへ半導電性領域の電気抵抗を付与するには、熱可塑性樹脂へカーボンブラックや導電性フィラーのような電子伝導性材料、もしくはイオン伝導性材料を配合する方法が知られており、そのコンパウンドを成形することにより半導電性エンドレスベルトが得られる。
イオン伝導性材料を用いた半導電性エンドレスベルトは、エンドレスベルト面内の電気抵抗のバラツキやロット間のバラツキが小さい、電気抵抗の制御が容易であるという特徴がある。しかしながら、イオン伝導性材料を配合した半導電性エンドレスベルトを装着した画像形成装置は、半導電性エンドレスベルトと感光体とを接触させた状態で高温高湿条件下へ長期間放置した後に印刷を行うと、感光体と接触していた部分に転写不良に起因する白抜けが発生するという問題があった。この現象は、感光体表面に形成されたトナーの顕像が中間転写ベルト、あるいは転写搬送ベルト上の記録媒体へ転写しないことによるものであり、感光体表面が汚染されていることによるものであることが判明している。
感光体汚染による光応答特性の低下を防止する方法として、特許文献1に、イオン導電剤を含むと共に表層に研磨材を分散させた構造を有する中間転写媒体を搭載した画像形成装置が提案されている。この提案は、中間転写媒体の表層に分散させた研磨材がイオン導電剤により汚染された感光体表面を研磨し、感光体表面の汚染物質を除去するというものである。しかしながら、この方法では、感光体表面は常時研磨され続け、感光体の耐久性が低下するという問題があった。
また、特許文献2には、遠心成型で得た内周面部より外周面部の硬質粒子濃度を高くした中間転写ベルトを用いた画像形成装置は、高温高湿条件下でプリントを行っても感光体上に形成されたトナー像を記録媒体へ高転写率で転写でき、べた画像の白抜け、文字画像の中抜け及び文字部のトナー散りを発生させずに記録媒体上へトナー画像を形成することができることが記載されている。これは、硬質粒子を中間転写ベルトの表面近傍に高濃度に存在させ表面硬度をアップさせることにより、中間転写ベルト表面はトナーによる変形がなくなり、小粒径トナーで形成されたトナー像でも、記録媒体へ高転写率で転写できるものと推察している。従って、この中間転写ベルトは感光体汚染を防止する効果を目的としたものではない。
一方、特許文献3には、繊維材料より形成された基布と、ポリ塩化ビニル系樹脂層と、可塑剤移行防止層と、光触媒防汚層とを有し、前記可塑剤移行防止層が特定の合成シリカを含有する可撓性重合体樹脂層と、合成シリカを含有しない追加可撓性重合体樹脂層とからなる防汚性シートが提案されている。この防汚性シートは、特定の合成シリカが、ポリ塩化ビニル系樹脂層から移行してきた可塑剤を可塑剤移行防止層内に保持し、可塑剤が防汚シート表面へ移行するのを防止することによる防汚性、及び耐光性の低下を抑制するという効果を有している。しかしながら、当該発明は、中・大型テント、テント倉庫、トラック用の幌、看板用バックリットなどの産業用資材用途として有用な防汚性シートに関するものであり、電子写真用の半導電性エンドレスベルトとは利用分野、技術分野共に全く異なっている。
特開2004−258444号公報 特開2007−57924号公報 特開2004−58673号公報
従来、イオン伝導性材料を含有する半導電性エンドレスベルトを搭載した画像形成装置は感光体表面の汚染によると考えられる画像不良が発生するという問題があった。その原因を究明するために、感光体表面を分析した結果、半導電性エンドレスベルトへ添加されているイオン伝導性材料の成分が感光体表面へ付着していることが明らかとなった。さらに詳細に検討を進めた結果、半導電性エンドレスベルトの製造過程において高温で成形加工する工程、即ち、コンパウンド化工程、押出し成形工程、周長規制工程において、イオン伝導性材料が熱分解反応により微量の低分子量成分を生成し、それが半導電性エンドレスベルト表面へブリードアウトし、感光体表面を汚染しているものと推定した。
本発明者等はこの推定に基づき、半導電性エンドレスベルトの製造工程で低分子量成分が生成した場合でも感光体を汚染させない半導電性エンドレスベルトについて鋭意検討を重ね本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するものであって、イオン伝導性材料を含む半導電性エンドレスベルトにおいて、特に高温高湿中へ長時間放置された場合にも、半導電性エンドレスベルト加工時に生成した低分子量成分が半導電性エンドレスベルトからブリードアウトするのを抑制し感光体を汚染させない半導電性エンドレスベルトを提供することを課題とする。
本発明によれば、
(1)熱可塑性樹脂にイオン伝導性材料が配合された半導電性エンドレスベルトにおいて、半導電性エンドレスベルトが融点190℃以下のフッ素系樹脂である熱可塑性樹脂、イオン伝導性材料、およびJIS K5101−13に準じて測定された吸油量が50〜350ml/100gである多孔質シリカよりなることを特徴とする半導電性エンドレスベルト;
(2)イオン伝導性材料が高分子型帯電防止剤であることを特徴とする(1)記載の半導電性エンドレスベルト;
を要旨とするものである。
本発明の半導電性エンドレスベルトは、イオン伝導性材料を配合されているにも拘わらず、半導電性エンドレスベルトに配合されている特定の多孔質シリカが、半導電性エンドレスベルト中に配合されているイオン伝導性材料に由来する微量の熱分解生成物を吸着し、熱分解生成物である低分子量成分が半導電性エンドレスベルト表面へブリードアウトするのを抑制する。その結果、本発明の半導電性エンドレスベルトは画像形成装置内で接触する感光体の表面を汚染させないという効果を有している。また、本発明の半導電性エンドレスベルトは、イオン伝導性材料を用いているため、イオン伝導性材料を用いた半導電性エンドレスベルトの特徴である電気抵抗の面内バラツキやロット間バラツキが小さい、電気抵抗の制御が容易であり、所望の電気抵抗を有する半導電性エンドレスベルトを安定して製造できるというという特徴をも有している。さらに、本発明の半導電性エンドレスベルトを搭載した画像形成装置で印刷を行うと、白抜けのない均一で高品質の画像が得られるという効果をも有している。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン共重合体、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体などのフッ素系樹脂、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミドなどが挙げられる。
これらのうち、熱可塑性樹脂としては、難燃性を有し、イオン伝導性材料の熱分解反応を抑えるためにも比較的低温で加工できる、融点が190℃以下のフッ素系樹脂が好ましい。融点が190℃以下のフッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。
本発明に用いられるイオン伝導性材料としては高分子型帯電防止剤が好ましく、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、ポリエピクロルヒドリン、エチレンオキサイドとエピクロルヒドリンとの共重合体などのポリエチレンオキサイド鎖を有する重合体、側鎖に4級アンモニウム塩を有する重合体、側鎖にスルホン酸塩を有する重合体等が挙げられる。これらの中でも、得られた半導電性エンドレスベルトの電気抵抗の環境依存性(温度と湿度の変動による電気抵抗の変化)が小さいので、イオン伝導性材料としてポリエチレンオキサイド、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体が好ましい。
イオン伝導性材料として用いられる高分子型帯電防止剤は、重量平均分子量が10万以上のものが好ましい。また、低分子量成分はブリードアウト現象を起こす恐れがあるため、分子量3000以下の低分子量成分を含有していないイオン伝導性材料が好ましい。さらに好ましくは分子量8000以下の低分子量成分を含有していないイオン伝導性材料が好ましい。なお、重量平均分子量は、蒸留水を溶離液としポリエチレンオキサイドを標準試料とし、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定した値である。
これらの添加量は、半導電性エンドレスベルトに要求される電気抵抗にもよるが、イオン伝導性材料の添加量が多いと成形加工時の熱分解により生成する低分子量成分が多くなるため、熱可塑性樹脂100重量部に対し10重量部以下が好ましい。また、エンドレスベルトへ半導電性を付与させるためには熱可塑性樹脂100重量部に対しイオン伝導性材料を0.3重量部以上配合するのが好ましい。
上記のように、イオン伝導性材料として用いる高分子型帯電防止剤は分子量3000以下の低分子量成分を含有していないことが好ましい。しかしながら、そのようなイオン伝導性材料を用いても、熱可塑性樹脂へイオン伝導性材料を添加・混合するコンパウンド工程、および得られたコンパウンドをチューブ状に押出す成形工程、得られたチューブを所定長さに切断後周長を均一にする加熱工程にて、イオン伝導性材料が高温下に晒された場合、イオン伝導性材料が熱分解反応を起こし分子量3000以下の低分子量成分を生成する恐れがあるため、これらの加工温度は240℃以下とするのが好ましい。
本発明の半導電性エンドレスベルトには、上記イオン伝導性材料に加えて、電気抵抗を下げる目的で、イオン電解質を併用することもできる。イオン電解質としては、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、テトラブチルアンモニウムの硫酸水素塩、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロほう酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロほう酸塩、塩化リチウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ほう酸塩などを用いることができる。
本発明に用いることのできる多孔質シリカは、ケイ酸ソーダと硫酸とを混合しケイ酸ゾルを生成させ、それを徐々に重合、ゲル化させてコロイド状シリカとし、それを粉砕することにより得ることができる。多孔質シリカとしては、その中でも、JIS K5101−13に規定される吸油量が50〜350ml/100g、さらには80〜350ml/100gのものを好適に用いることができる。吸油量が50ml/100g未満のシリカは、イオン伝導性材料に起因する低分子量成分のブリードアウトを抑制する効果が不充分で好ましくない。
また、多孔質シリカの平均粒子径は、0.5〜15μmが好ましい。多孔質シリカの平均粒子径が0.5μm未満の場合は、多孔質シリカと熱可塑性樹脂とを加熱混練する際、多孔質シリカの二次凝集物ができやすいので好ましくなく、平均粒子径が15μmを超える場合は、半導電性エンドレスベルトとした場合、多孔質シリカの平均粒子径が大きいために得られたエンドレスベルトの表面粗さが大きくなるため好ましくない。
さらに、多孔質シリカの比表面積は、100〜1000m/gが好ましい。多孔質シリカの比表面積が100m/g未満の場合は、比表面積が小さいために吸油量が小さいので好ましくなく、比表面積が1000m/gを超える多孔質シリカは平均細孔径が小さすぎ、イオン伝導性材料の熱分解反応により生成した低分子量成分を吸着する能力が小さくなるため好ましくない。
上記多孔質シリカの添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜2.0重量部が好ましい。さらには、0.1〜1.0重量部が好ましい。多孔質シリカの添加量が0.05重量部未満の場合は、多孔質シリカの添加量が少ないためその効果が小さいので好ましくなく、2.0重量部を超える場合は得られた半導電性エンドレスベルトの表面粗さが大きくなるので好ましくない。
更に、本発明の半導電性エンドレスベルトには、上記以外に、さまざまな目的で熱安定剤、補強剤、滑剤、相容化剤、着色剤、改質剤などの各種添加剤を配合してもよい。
以下に、本発明の半導電性エンドレスベルトの製造方法を説明する。
本発明の半導電性エンドレスベルト用コンパウンドは、熱可塑性樹脂、イオン伝導性材料、多孔質シリカ、さらに必要に応じてイオン電解質などの各種添加剤を通常のニーダー、ロール、バンバリーミキサー、二軸混練機等で混練・ペレット化することによって製造することができる。
このようにして得られたコンパウンドは、環状ダイを備えた押出し機に供給し、所定周長のチューブ状に製膜することにより、半導電性エンドレスベルト用原反を得ることができる。もしくは、多層の環状ダイを装着した少なくとも1台の押出し機へ上記コンパウンドを供給して共押出しし、多層の半導電性エンドレスベルト用原反を得ることができる。
得られた半導電性エンドレスベルト用原反は、所定長さにカット後、周長精度を上げるために原反周長より少し大きい円筒状金型へ被せ加熱することにより、周長が均一な目的とする半導電性エンドレスベルトを得ることができる。
なお、多層の半導電性エンドレスベルトの場合は、イオン伝導性材料を含有する層へ当該層の熱可塑性樹脂100重量部に対し、多孔質シリカを0.05重量部〜2.0重量部添加するのが好ましい。もしくは、イオン伝導性材料を含有する層より表層側の他の層へ先に記載した量の多孔質シリカを添加することもできる。
なお、このようにして得られた半導電性エンドレスベルトへ離型性、滑り性、耐磨耗性などの特性を付与するために、エンドレスベルト表面へこれらの特性を付与する塗工剤を塗工することもできる。
上記のように、本発明の半導電性エンドレスベルトを得るためには、熱可塑性樹脂とイオン伝導性材料、多孔質シリカなどとを混練するコンパウンド化工程、得られたコンパウンドからチューブ状の半導電性エンドレスベルト用原反を得る押出し工程、エンドレスベルト原反を金型へ被せ周長精度を上げる加熱工程があり、半導電性エンドレスベルト用原料はそれぞれの工程で加熱されるが、イオン伝導性材料の熱分解による低分子量成分の生成を抑えるためには、各工程の温度は240℃以下とするのが好ましい。
次に、実施例によって、本発明を具体的に説明する。得られた半導電性エンドレスベルトの評価方法は次に示す通りである。なお、実施例、および比較例で用いた多孔質シリカの特性を表1に示す。
<多孔質シリカの特性>
多孔質シリカの平均粒子径、比表面積、及び吸油量は下記のようにして求めた。
[平均粒子径(レーザー法)]
多孔質シリカの平均粒子径は、多孔質シリカの粒子にレーザー光を照射し、そこから得られる散乱パターンから多孔質シリカの平均粒子径を求めた。
[比表面積]
多孔質シリカの比表面積は、簡易BET法により測定した。
すなわち、まず脱ガスした多孔質シリカの重量を測定し、その多孔質シリカへ窒素ガスを吹き込み試料表面に窒素ガスを吸着させる。そして窒素ガスの圧力変化に対する吸着量の変化をプロットすることにより、多孔質シリカ表面にだけ吸着した窒素ガス分子吸着量をBET吸着等温式より求めた。
[吸油量]
多孔質シリカの吸油量は、JIS K5101−13に準拠し、多孔質シリカ100gが吸収する精製あまに油の体積(ml)で示した。
<体積抵抗率、表面抵抗率>
体積抵抗率は、三菱化学(株)製ハイレスタURSプローブを用い、印加電圧250V、23℃、50%RH条件下で測定した。
表面抵抗率は、三菱化学(株)製ハイレスタURSプローブを用い、印加電圧500V、23℃、50%RH条件下で測定した。
体積抵抗率、および表面抵抗率は任意の10点を測定した平均値で、そのバラツキは最大値を最小値で除した値で表した。
<引張り強度、および引張り破断伸び>
オートグラフAGS−100(島津製作所製)を用いて、JIS K7127に準拠して2号試験片を作製し、引張り速度30mm/minで引張った時の最大加重と引張り破断伸びを測定した。
<表面粗さ>
接触式表面粗さ計サーフコム575A(東京精密社製)を用いて、JIS B0601−1982に準拠して、中心線平均粗さRaを測定した。
<ブリードアウトの評価>
短冊状の試料上へ直径12mmの金属ローラを置き、50℃、相対湿度90%中へ30日間放置後、常態へ取り出し、金属ローラを置いていた試料表面の状態を観察することにより、ブリードアウトの有無を判定した。すなわち、金属ローラを置いていた試料表面を目視で観察し、試料表面に異物が観察されない場合を○、異物が観察された場合を×とした。
ポリフッ化ビニリデン100重量部、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体(プロピレンオキサイド含量10%、蒸留水を溶離液としポリエチレンオキサイドを標準試料とした時の重量平均分子量:85万)3重量部、過塩素酸リチウム0.2重量部、フェノール系熱安定剤0.2重量部、多孔質シリカA0.2重量部を設定温度180℃の二軸混練機へ供給し、半導電性エンドレスベルト用コンパウンドを得た。次いで、環状ダイスを装着した押出し機(設定温度210℃)へこのコンパウンドを供給し、直径180mmのチューブを得た。このチューブを長さ320mmに切断し、外径183mmの円筒金型へ被せ、150℃で60分間加熱することにより、半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
多孔質シリカとして、多孔質シリカBを用いた以外は実施例1と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の配合量を4重量部とした以外は実施例1と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
多孔質シリカとして、多孔質シリカAを0.3重量部用いた以外は実施例1と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
[比較例1]
多孔質シリカを用いなかった以外は実施例1と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
[比較例2]
多孔質シリカとして、多孔質シリカCを用いた以外は実施例1と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
[比較例3]
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を4重量部とした以外は比較例2と同様にして半導電性エンドレスベルトを得た。得られた半導電性エンドレスベルトの特性を表2に示す。
以上の結果より、吸油量が50ml/100g以上の多孔質シリカを添加した実施例1、2、3および4の半導電性エンドレスベルトは、高温高湿下に長時間放置しても半導電性エンドレスベルト表面へのブレードアウト物は認められず、感光体を汚染する恐れがないことを確認した。また、多孔質シリカを添加したことによる体積抵抗率、表面抵抗率、引張り強度、引張り破断伸び、表面粗さへの影響は見られなかった。それに対し、多孔質シリカを添加しなかった比較例1や吸油量が50ml/100g未満の多孔質シリカを添加した比較例2、および3の半導電性エンドレスベルトは、高温高湿下へ長時間放置するとブリードアウトが見られた。
本発明で得られた半導電性エンドレスベルトは、イオン伝導性材料を用いているにも拘わらず、高温高湿下へ長時間放置してもブリードアウトが認められないため感光体表面を汚染する恐れがなく、電子写真方式の画像形成装置の転写搬送ベルト、あるいは中間転写ベルトとして好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂にイオン伝導性材料が配合された半導電性エンドレスベルトにおいて、半導電性エンドレスベルトが融点190℃以下のフッ素系樹脂である熱可塑性樹脂、イオン伝導性材料、およびJIS K5101−13に準じて測定された吸油量が50〜350ml/100gである多孔質シリカよりなることを特徴とする半導電性エンドレスベルト。
  2. イオン伝導性材料が高分子型帯電防止剤であることを特徴とする請求項1記載の半導電性エンドレスベルト。
JP2013171251A 2013-08-21 2013-08-21 半導電性エンドレスベルト Active JP5546078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013171251A JP5546078B2 (ja) 2013-08-21 2013-08-21 半導電性エンドレスベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013171251A JP5546078B2 (ja) 2013-08-21 2013-08-21 半導電性エンドレスベルト

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009199825A Division JP5378115B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 半導電性エンドレスベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014002410A JP2014002410A (ja) 2014-01-09
JP5546078B2 true JP5546078B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=50035564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013171251A Active JP5546078B2 (ja) 2013-08-21 2013-08-21 半導電性エンドレスベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5546078B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016126105A (ja) 2014-12-26 2016-07-11 株式会社リコー シームレスベルト用組成物
JP6497118B2 (ja) * 2015-02-24 2019-04-10 株式会社リコー 導電性樹脂組成物及びこれを用いた電子写真用部材
JP6488802B2 (ja) * 2015-03-20 2019-03-27 株式会社リコー 画像形成装置
JP2023081307A (ja) * 2021-11-30 2023-06-09 住友化学株式会社 組成物及び膜

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001109233A (ja) * 1999-10-05 2001-04-20 Ricoh Co Ltd 帯電部材
JP2003098807A (ja) * 2001-09-26 2003-04-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2004037786A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Canon Inc 帯電部材、これを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP2005062695A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Suzuka Fuji Xerox Co Ltd 電子写真装置の弾性部材用エラストマー組成物
JP4764052B2 (ja) * 2005-04-06 2011-08-31 キヤノン株式会社 エンドレスベルト及び電子写真装置
JP4763391B2 (ja) * 2005-09-08 2011-08-31 株式会社クレハ 半導電性フィルム、半導電性シームレスベルト及びこれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014002410A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5546078B2 (ja) 半導電性エンドレスベルト
US9753391B1 (en) Charging member, process cartridge, and image forming apparatus for reducing production of micro-chromatic line and white spot
CN1137935C (zh) 半导电性聚偏氟乙烯系树脂组合物
JP4148470B2 (ja) 導電性ローラ、該導電性ローラを備えた画像形成装置、導電性ベルト、該導電性ベルトを備えた画像形成装置
JP2008164757A (ja) 導電性ゴムローラ及び転写ローラ
WO2016158813A1 (ja) 電子写真機器用導電性部材
JP3989000B2 (ja) 画像形成装置用の導電性部材及びその製造方法
JP2005350621A (ja) 半導電性ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物、半導電性樹脂成形物、及び該成形物の製造方法
JP4261594B2 (ja) 画像形成装置用の導電性部材、その製造方法、及び、それを備えた画像形成装置
JP5378115B2 (ja) 半導電性エンドレスベルト
JP4751815B2 (ja) 電子写真方式の画像形成装置における帯電ロール、転写ロール、現像ロール、帯電ベルト、または除電ベルト
JP2008216462A (ja) 導電性ゴムローラ及び転写ローラ
JP5214171B2 (ja) 半導電性ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物、半導電性樹脂成形物及び電荷制御部材
JP4763391B2 (ja) 半導電性フィルム、半導電性シームレスベルト及びこれらの製造方法
JP2008256908A (ja) 帯電部材用導電性ゴムローラ
JP2017116685A (ja) 電子写真機器用導電性部材
JP2006105374A (ja) 導電性ロール
JP6064349B2 (ja) 帯電部材、帯電装置、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JPH1034763A (ja) 導電性フッ素系重合体ベルト
JP2006069046A (ja) 半導電性フィルム、その製造方法及び電荷制御部材
JP2010085851A (ja) 半導電性ローラー及びその製造方法
JP5052146B2 (ja) ポリアリーレンチオエーテル系半導電性フィルム、該フィルムより形成された電荷制御部材、無端ベルトおよび該無端ベルトを用いた画像形成装置用転写ベルト
JP2004078127A (ja) 導電性ゴムローラ
JP2007077248A (ja) 半導電性樹脂組成物
JP5060760B2 (ja) 導電性ゴムローラー及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5546078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250