JP2016128541A - 半導電性樹脂組成物、電子写真用部材及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含み、前記熱可塑性樹脂は海島構造を有し、前記海島構造の海部の熱可塑性樹脂は、2種以上の樹脂からなり、少なくとも1つはコポリマーであり、前記コポリマーの含有量は、前記海部の熱可塑性樹脂に対し、20〜60重量%であるとともに、前記導電性フィラーは、2種以上の導電性フィラーからなり、平均一次粒子径の最も小さい導電性フィラーの平均一次粒子径をA、平均一次粒子径の最も大きい導電性フィラーの平均一次粒子径をB、としたとき、1.5≦B/A≦10であることを特徴とする半導電性樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
しかしながら、今までの外周面から外気を吹き付けるような装置を新たに設けることは製造設備が増え、製造工程を複雑化し、結果的にコストが嵩んでしまうという問題があった。このため、追加設備が必要となり低コスト化という問題は解消できていない。
本発明の半導電性樹脂組成物は、中間転写ベルトなどの電子写真用部材に好適に用いられる。またその際、シームレスベルトであることが好ましい。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の半導電性樹脂組成物は、少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含んでいる。また、熱可塑性樹脂は海島構造を有しており、前記海島構造の海部の熱可塑性樹脂は、2種以上の樹脂からなり、少なくとも1つはコポリマー(共重合体と称することもある)であり、前記コポリマーの含有量は、前記海部の熱可塑性樹脂に対し、20〜60重量%である。20重量%よりも小さい場合、抵抗率偏差が悪化する。60重量%よりも大きい場合、機械強度弾性率が悪化し、ベルト作製時に内側からローラに張力をかけた場合、クリープや伸びが発生しそれが原因で画像ノイズ、色ずれを起こしてしまう。
図1に抵抗特性を説明するための模式図を示す。図1は、種々のサンプルについて、成型加工温度に対する抵抗特性の変化を示す図である。なお、図1において、横軸は半導電性樹脂組成物を成型するために用いられる金型の温度であり、縦軸は半導電性樹脂組成物の表面抵抗率の常用対数値である(以下、単に「抵抗」と称することがある)。
また、図1中、「抵抗狙い値」としてここでの例では、例えば「11」であり、「成型温度域」は、半導電性樹脂組成物を成型する際の金型の温度である。なお、図1中、「加工温度」に幅が設けられているのは、成型加工温度のばらつきを示すものである。
抵抗偏差が大きい場合における抵抗特性の例を図1中Aに示す。図1Aは、熱可塑性樹脂と導電性フィラーのみの場合の例であり、熱可塑性樹脂は海島構造を有していない。
熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含む樹脂を溶融混練により金型に流し込み、押出す成型方法において、成型加工温度が高くなるほど表面抵抗率は低くなり、成型加工温度が低くなるほど表面抵抗率は高くなる。これは、温度が高く樹脂が高流動化し、熱履歴として大きくなると導電性フィラーが凝集しやすくなるためと考えられる。また、表面抵抗率と成型加工温度の関係は直線関係でなく、ある閾値をもったような偏曲点をもつカーブを描く。
図1Bは、海島構造の海となる熱可塑性樹脂と、島となる非イオン系帯電防止剤である熱可塑性樹脂と、導電性フィラーからなる場合の例であり、海島構造を有する場合の例である。成型加工温度の低い温度領域で表面抵抗率が抵抗狙い値よりも高くなるものの、偏差大の例(図1A)の曲線よりは低く、また傾きが小さい領域が存在する。これは、導電性フィラーが島部の材料に取り込まれたためと思われる。
さらに成型加工温度を上げていくと抵抗が急に下がる偏曲点を示し、抵抗が小さくなっていく。この部分の傾きも偏差大の例(図1A)よりは小さくなるが、満足のいくものではない。抵抗偏差は図1中、「b」のような幅となり、「a」よりは小さくなっているが、満足のいくものではない。
図1Cは、偏差中(図1B)の曲線の材料処方は同様であるが、混練条件を変えることで、海部にも導電性フィラーがある比率で存在し、かつ、島部にも導電性フィラーが取り込まれている状態にした場合の例である。この場合、全体の抵抗、偏差中(図1B)の曲線より少し低くなり、傾きも小さくなることがわかった。また、島部の材料も、より低抵抗化したものを使用すると、低温側の高抵抗の傾きが小さい領域が所望の抵抗に近づき、成型加工温度ばらつきに対して、表面抵抗率のばらつきは小さくすることができる。抵抗偏差は図1中、「c」のような幅となり、抵抗偏差を低減することができている。
図2に熱可塑性樹脂、導電性フィラーのふるまいを説明するための模式図を示す。図2において、符号5は導電性フィラーを示し、符号6a、6b、6cはそれぞれ、基材樹脂、島部の樹脂、海部の樹脂を示す。
しかしながら、成型加工温度によって表面抵抗率の変化は若干小さくなるものの、偏差に関しては満足できるものではなかった。
2種類の熱可塑性樹脂は海島構造を有しており、そのため、海部は半導電性樹脂組成物の基材をなす樹脂で構成されることとなる。一方、島部は導電性が高い樹脂で構成されることが好ましい。本発明において、海島構造における海部と島部の含有比率は必要に応じて適宜変更が可能であるが、例えば島部の樹脂が、樹脂全体に対して3〜10質量%であることが好ましい。
海部の樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性ポリアミド(PA)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、熱可塑性ポリアセタール(POM)樹脂、熱可塑性ポリアリレート(PAR)樹脂、熱可塑性ポリカーボネート(PC)樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂及びポリエステル系樹脂等が挙げられる。
なお、重量平均分子量の求め方は特に制限されるものではなく、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定により求めることができる。
コポリマーの含有量は、海部の熱可塑性樹脂に対し、20〜60重量部である。上記範囲を満たさない場合、満足できる抵抗率偏差が得られない。
下記一般式(1)、一般式(2)中、n、mは任意の自然数である。
導電性フィラーとしては、金属酸化物やカーボンブラック、従来公知の導電性フィラーが使用できる。
例えば、金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物にあらかじめ表面処理を施したもの等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト等カーボンブラックの具体例は、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エクストラコンダクティブファーネスブラックなどのファーネスブラック;コンダクティブチャンネルブラック;アセチレンブラック;等が挙げられる。
本発明の半導電性樹脂組成物を製造する方法としては、適宜変更が可能であるが、熱可塑樹脂材料と導電性フィラーを溶融混練により、樹脂中に導電性フィラーを分散させて、押出し成型で成型加工することが好ましい。以下、溶融混練方法、成型方法について説明する。
本発明で使用する溶融混練装置としては、従来公知の装置が使用できる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機等が挙げられる。また、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機等が挙げられる。このような装置を用いることで構成材料を良く混練することができるが、これらに限定されるものではない。
すなわち、海島構造の海部を構成する熱可塑性樹脂と導電性フィラーとを溶融混練を行いペレットAを作製する工程と、海島構造の島部を構成する熱可塑性樹脂と導電性フィラーとを溶融混練を行いペレットBを作製する工程と、ペレットA及びBを溶融混練し押出成形する工程と、により製造するものであってもよい。
前記のようにして溶融混練された後、成型加工装置で所望の形状に加工する。本発明で使用する成型加工装置は従来公知の成型装置が使用できる。例えば、中間転写ベルトのような円筒状の部材の場合は、押出し成型装置で成型できる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある。)と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを少なくとも有し、さらに必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明の画像形成装置は、本発明の電子写真用部材を備える。前記電子写真用部材が中間転写ベルトであり、前記転写手段が前記中間転写ベルトを備えることが好ましい。
プロセスカートリッジ1内の帯電ローラ3で感光体は帯電され露光により書き込みが行われ、静電潜像が形成された後、現像ローラ4にてカートリッジ内のトナーを帯電、搬送させ現像部により静電潜像が現像される。次に、その現像されたトナー像は中間転写ベルト2aにバイアスを印加し電界により1次転写されKYMCの順に色重ねされていき、2次転写部部材2bに同様に電界にてトナー像が2次転写される。その後、定着を通過し転写材に熱溶融されたトナーが定着される。2次転写部材2bに転写されずに残ったトナーはクリーニング部材によって回収される。
本発明において、画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程とを少なくとも含み、さらに必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の電子写真用部材を用いる。前記電子写真用部材が中間転写ベルトであり、前記転写工程が前記中間転写ベルトを用いた工程であることが好ましい。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材として前記磁気ブラシを用いる場合、該磁気ブラシとしては、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、中間転写ベルトなどが好適に挙げられ、本発明の電子写真用部材を前記中間転写ベルトとして用いることが好ましい。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記その他の手段としては、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
図5に示す画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
以下に示す材料をヘンシェルミキサー(SPM、カワタ社製)に投入し、混合した。
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)66重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)17重量部
・ポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS、三洋化成工業社製)7重量部
・導電性フィラー1(デンカブラック、平均一次粒子径35nm、電気化学工業社製)6重量部
・導電性フィラー2(トーカブラック#4300、平均一次粒子径55nm、東海カーボン社製)4重量部
次に、上記で得られたペレットを溶融混練押出成型用円筒状金型により周長960mm、厚さ120μmのシームレスベルトを得た。下記測定により得られた表面抵抗率の常用対数値の平均値は11.23(Ω/□)であった。
実施例1において、表1に記載の配合比、種類を変えた以外は、実施例1と同様にしてシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて、実施例1と同様の測定、評価を行った。
以下に示す材料1をヘンシェルミキサー(SPM、カワタ社製)に投入し、混合した。得られたブレンド品を2軸混練機(TEM、東芝機械社製)にて溶融混練し、ペレタイザにより[ペレットA]を得た。
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)35重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・ポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS、三洋化成工業社製)7重量部
・導電性フィラー(デンカブラック、平均一次粒子径35nm、電気化学工業社製)6重量部
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)28重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・導電性フィラー(トーカブラック#4300、平均一次粒子径55nm、東海カーボン社製)4重量部
以下に示す材料1をヘンシェルミキサー(SPM、カワタ社製)に投入し、混合した。得られたブレンド品を2軸混練機(TEM、東芝機械社製)にて溶融混練し、ペレタイザにより[ペレットA]を得た。
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)25重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・ポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS、三洋化成工業社製)7重量部
・導電性フィラー(デンカブラック、平均一次粒子径35nm、電気化学工業社製)6重量部
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)38重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・導電性フィラー(トーカブラック#4300、平均一次粒子径55nm、東海カーボン社製)4重量部
以下に示す材料1をヘンシェルミキサー(SPM、カワタ社製)に投入し、混合した。得られたブレンド品を2軸混練機(TEM、東芝機械社製)にて溶融混練し、ペレタイザにより[ペレットA]を得た。
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)15重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・ポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS、三洋化成工業社製)7重量部
・導電性フィラー(デンカブラック、平均一次粒子径35nm、電気化学工業社製)6重量部
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)48重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2750、アルケマ社製)10重量部
・導電性フィラー(トーカブラック#4300、平均一次粒子径55nm、東海カーボン社製)4重量部
実施例1において、ポリフッ化ビニリデンのコポリマーをKynar2750(HFP15%)をKynar2820(HFP10%)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシームレスベルトを作製した。なお、「HFP」はコポリマーにおけるヘキサフルオロプロピレンの存在比率を示す。
以下に示す材料1をヘンシェルミキサー(SPM、カワタ社製)に投入し、混合した。得られたブレンド品を2軸混練機(TEM、東芝機械社製)にて溶融混練し、ペレタイザにより[ペレットA]を得た。
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)30重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2820、アルケマ社製)7重量部
・ポリエーテルエステルアミド(ペレクトロンAS、三洋化成工業社製)7重量部
・導電性フィラー(デンカブラック、平均一次粒子径35nm、電気化学工業社製)6重量部
・ポリフッ化ビニリデン(Kynar720、アルケマ社製)36重量部
・ポリフッ化ビニリデンコポリマー(KynarFlex2820、アルケマ社製)10重量部
・導電性フィラー(トーカブラック#4300、平均一次粒子径55nm、東海カーボン社製)4重量部
実施例1において、ポリフッ化ビニリデンのコポリマーKynar2750(HFP15%)をKynar2850(HFP5%)に変えた以外は、実施例1と同様にシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて実施例5と同様に測定、評価を行った。なお、結果は以下の表2に示すが、実施例1に比べてより抵抗偏差が改善されていることがわかる。
実施例10において、ポリフッ化ビニリデンのホモポリマーをKynar720からkynar710に変えた以外は、実施例10と同様にしてシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて実施例5と同様に測定、評価を行った。なお、結果は以下の表2に示すが、実施例1に比べてより抵抗偏差が改善されていることがわかる。
実施例10において、ポリフッ化ビニリデンのホモポリマーをKynar720からkynar760に変えた以外は、実施例10と同様にしてシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて実施例5と同様に測定、評価を行った。なお、結果は以下の表2に示すが、実施例1に比べてより抵抗偏差が改善されていることがわかる。
また、上記実施例及び比較例において、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の樹脂の重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。溶媒はN−メチル−ピロリドン(NMP)を使用した。その結果は以下のようになった。
Kynar710:Mw=71000
Kynar720:Mw=150000
Kynar740:Mw=250000
Kynar760:Mw=441000
Kynar761A:Mw=570000
実施例10において、下記に示すブリードの評価を行った。ぺレクトロンASは、飽和吸湿量(23℃50%RH、吸湿時間48h)について、カールフィッシャー水分計(気化温度160℃)により求めた場合の水分質量%が3%以上であった。飽和吸湿量が3%以上であると、成型時に加水分解を起こし、ポリアルキレンユニットの部分が低分子量化して、保管試験にてブリードアウトしてしまうことが判明した。この場合、熱風乾燥(95℃/6h)を十分に行い、成型雰囲気も低湿度、窒素置換、低温成型など施さなければならず生産性のよいものではなかった。
実施例10において、ペレクトロンASをぺレクトロンHS(三洋化成工業社製)に変えた以外は同様にしてシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて参考例1と同様に測定、評価を行った。なお、ペレクトロンHS(三洋化成工業社製)は、飽和吸湿量が約2%であった。
実施例13において、ペレクトロンHSをペレクトロンPVH(三洋化成工業社製)に変えた以外は同様にしてシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトについて実施例13と同様に測定、評価を行った。なお、ペレクトロンPVH(三洋化成工業社製)は、飽和吸湿量が2%であった。
結果を表3に示すが、実施例14では抵抗偏差が0.3となり、かなり小さく抑えることができた。これは、ペレクトロンPVHがポリエーテエルエステルオレフィンであるため、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)と完全には相溶しないが、比較的相溶しやすいため、抵抗偏差が小さくなったと考えられる。
212 スクリュー
214 コンパウンド
216 マンドレルダイ
220 サイジングダイ
222 押出し機
Claims (9)
- 少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含み、
前記熱可塑性樹脂は海島構造を有し、
前記海島構造の海部の熱可塑性樹脂は、2種以上の樹脂からなり、少なくとも1つはコポリマーであり、
前記コポリマーの含有量は、前記海部の熱可塑性樹脂に対し、20〜60重量%であるとともに、
前記導電性フィラーは、2種以上の導電性フィラーからなり、
平均一次粒子径の最も小さい導電性フィラーの平均一次粒子径をA、
平均一次粒子径の最も大きい導電性フィラーの平均一次粒子径をB、
としたとき、1.5≦B/A≦10であることを特徴とする半導電性樹脂組成物。 - 前記導電性フィラーは、前記熱可塑性樹脂の海部と島部に存在しており、断面の面積比において、前記導電性フィラーのうち25〜60%が前記海島構造の島部の熱可塑性樹脂に存在することを特徴とする請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
- 前記海部の熱可塑性樹脂のうち1つは、ポリフッ化ビニリデンであり、
前記コポリマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンを構造単位に有し、前記コポリマーにはヘキサフルオロプロピレンが5〜10モル%含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。 - 前記コポリマーの融点Tmは140℃以上160℃以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導電性樹脂組成物。
- 前記ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が100000以上500000以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の半導電性樹脂組成物。
- 前記島部の熱可塑性樹脂が、ポリアルキレンユニットを有するブロック共重合体であり、かつ、飽和吸湿量が3%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物。
- 前記ポリアルキレンユニットは、少なくともポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項6に記載の半導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物からなるシームレスベルトであることを特徴とする電子写真用部材。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを用いて、該静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置であって、
請求項8に記載の電子写真用部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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