JP2016224442A - 中間転写体、および、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1実施形態に係る中間転写体は、ポリフッ化ビニリデンとフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とからなるポリフッ化ビニリデン系樹脂、添加剤、及び、導電剤により構成されていることが高いトナー転写性が得られるので好ましい。
本実施形態で用いることができるポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、ホモポリマー(ポリフッ化ビニリデン)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(VDFとHFPとの共重合体)などが挙げられ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は乳化重合法または懸濁重合法により製造される。ホモポリマーとしては、例えば、Kynar710、711、720、721、740、741、760、761、761A、HSV900、466、461、301F、370、9000HD、6000HD、1000HD(いずれも、アルケマ社製)、Solef Visc.8、10、12、15、20(いずれも、ソルベイ社製)などが挙げられる。また、共重合体としては、例えば、Kynar Flex2850−00、2851−00、2800−00、2801−00、2800−20、2821−00、2750−01、2751−00、2500−20、2501−20、3120−50(いずれも、アルケマ社製)、Solef flex Visc.8、10、SuperFlex Visc8(ソルベイ社製)などが挙げられる。
本実施形態で用いることができる添加剤としては、数平均分子量が1000以上のポリアルキレンオキサイド構造を含むポリマーを用いることが好ましい。ポリアルキレンオキサイド構造を含むポリマーとしては、数平均分子量が1000以上であればポリアルキレンオキサイド構造に関しては特に制限はなく、例えば、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキサイド構造などが挙げられる。このような添加剤としては、例えば、ポリエーテルエステルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のエーテルエステル型化合物などが挙げられる。
本実施形態で用いることができる導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、及びグラフェンから選択される少なくとも1種が好ましい。
本実施形態で用いることができるカーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック等の導電性カーボンブラック;SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi-Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイトなどが挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、ケッチェンブラックが特に好ましい。ケッチェンブラックは単位重量当りの粒子数が多いので、少ない含有量で所望の抵抗値が得られ、機械特性の低下を最小限にできる。本発明におけるカーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、例えば、デンカブラック(電気化学工業社製)、ケッチェンブラックEC300J(ライオン社製)などが挙げられる。ただし、これらカーボンブラックは、添加量が増えると光沢度が低下するので、光沢度を勘案しながら添加量を決定する。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、滑剤、電気抵抗調整剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤、増量剤、各種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤などが挙げられる。
本実施形態の中間転写体は、例えば上記のポリフッ化ビニリデン系樹脂と、添加剤と、導電剤と、さらに必要に応じてその他の成分とを溶融混練した溶融混練物とを、例えば、溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法などによって成形することができる。溶融混練方法には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー等の混練機を用いて行うことができる。
本実施形態の中間転写体における凹部は、例えば転写面を研磨することで形成することができる。研磨方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バフ研磨、ブラスト研磨、ベルト研磨、ハンドポリッシャーによる研磨、研磨フィルムによる研磨などが挙げられる。凹部は、図1、図2で、符号30を付してモデル的に表されるように中間転写体(中間転写ベルト10)の回転方向の長さ(以下、「回転方向長さ」と云う。)が、中間転写ベルト10の回転方向に直交する幅方向の長さ(以下、「幅方向長さ」と云う。)より長くなるように複数設ける。このようにすることで、中間転写ベルト10に接触してクリーニングするクリーニング部材による凹部30への引っかかり等の転写面への影響を最小限とすることができる。このような凹部30により、クリーニング部材による中間転写ベルト10への応力が緩和されるので、リフレッシュが容易で画像品質の低下を引き起こすおそれを軽減させることができる
画像形成装置は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、前記記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、を有してなり、さらに必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の第2実施形態に係る中間転写体について図3及び図4を参照しながら説明する。本実施形態の中間転写体は、第1実施形態の中間転写体における凹部が凸部として構成されている。なお、図3及び図4において、前述した第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付すとともに、上記第1実施形態と同一の構成及び動作に関しては説明を省略する。
PEEK樹脂は下記構造式(1)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂である。
本実施形態で用いることができる導電剤としては、特に制限はなく、例えば、導電性カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末、及び、表面を導電処理した酸化金属ウィスカーなどが挙げられる。これらの中でも、比較的安価で環境依存性を受けにくいこと、体積抵抗率の制御性や機械的性質などの観点から、導電性カーボンブラックが特に好ましい。
導電性カーボンブラックは、比較的安価で環境依存性を受けにくいため導電性付与剤として好適である。カーボンブラックはその製造方法により、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等があり、導電性ベルトには、ファーネスブラックやアセチレンブラック等が使用されることが多い。本実施形態の導電性カーボンブラックとしては、たとえば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、及び、チャンネルブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラック、及び、オイルファーネスブラックが好ましい。これらの導電性カーボンブラックは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の中間転写体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂と、導電剤と更に必要に応じてその他の成分とを溶融混練した溶融混練物を、例えば、溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法などによって成形することができる。溶融混練は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー等の混練機を用いて行う
ことができる。
本実施形態の中間転写体における凸部は、例えば転写面を研磨することで形成することができる。研磨方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バフ研磨、ハンドポリッシャーによる研磨などが挙げられる。凸部は、図3、図4で、符号40を付してモデル的に表されるように中間転写体(中間転写ベルト10A)の回転方向の長さ(以下、「回転方向長さ」と云う。)が、中間転写ベルト10Aの回転方向に直交する幅方向の長さ(以下、「幅方向長さ」と云う。)より長くなるように複数設ける。このようにすることで、中間転写ベルト10Aに接触してクリーニングするクリーニング部材による凸部40への引っかかり等の転写面への影響を最小限とすることができる。このような凸部40により、クリーニング部材による中間転写ベルト10Aへの応力が緩和されるので、リフレッシュが容易で画像品質の低下を引き起こすおそれを軽減させることができる。
<中間転写ベルトの作製>
ポリフッ化ビニリデン(Kynar721、アルケマ社製)100質量部と、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(Kynar FLEX2751、アルケマ社製)5質量部とを混合し、この混合物100質量部に対して、導電剤(デンカブラック、電気化学工業社製アセチレンブラック)1質量部、及び、添加剤〔ポリエーテルエステルアミド、ペレクトロンAS、三洋化成工業社製、ポリエチレンオキサイド構造の数平均分子量は約4000(1H−NMRによる測定結果からの算出値)〕10質量部をホッパーに送り、二軸混練機(KZW06、テクノベル社製)を用いて180℃〜230℃の間で温度調整を適宜行い、また、回転数を50rpm(回転/分)〜200rpmで適宜調整を行い、溶融混練押出を行った。押し出された樹脂は冷却水に通した後、ペレタイザー(TSM−125、タナカ社製、毎時100kg)によりペレット状の樹脂組成物を得た。
まず、トラバース動作なしでの研磨方法について説明する。2本の張架軸に中間転写ベルトを張架してテンションを付与しながら、中間転写ベルトを回転数8rpmで回転駆動させた。そして、回転させたバイヤス両面ネルバフ(光陽社製)を中間転写ベルトの転写面に、30Nの接触圧で接触させて表面研磨を行った。表面研磨は、中間転写ベルトの一方の端部から研磨を開始し、中間転写ベルトが2回転する毎に30mmずつ、バフを他方の端部方向に移動させるという動作を繰り返し行い、転写面全面を研磨した。その後、研磨周数の少ない両端部をさらに2周分研磨を行った。
FIB−SEMクロスビーム装置NVision40(カールツァイス社製)を用いて、加速電圧0.8KV、WD3mm、倍率10000倍で2次電子像を撮影した。撮影領域内で凹部はその形状に起因し、灰色ないし黒色で表されるので、市販の画像処理ソフトウエアを用いて凹部を黒く、かつ、転写面を白く二値化して凹部存在比率を算出した。
FIB−SEMクロスビーム装置を用いて、加速電圧0.8KV、WD3mm、倍率10000倍で表面観察し、観察領域中の凹部のうち、最も回転方向長さが長いものについてその長さと幅方向長さとを測定し、回転方向長さに対する幅方向長さの比(以下、「長さ比」と云う。)を算出した。
評価対処の中間転写ベルトを市販のプリンタ(IPSIO C730、株式会社リコー製)に装着し、実験室環境:23℃で50%RH、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、10000枚(A4サイズ横)を出力し、以下のようにして、各特性を評価した。
評価画像として、チェッカーパターン(30mm×30mmの正方形を横方向30mmおきに5〜6個、千鳥配列したもの)を、A4サイズ横で、20枚出力し、中間転写ベルト表面と印刷紙とを目視観察し、クリーニング不良によるトナー残留の有無により、クリーニング性を評価した。
クリーニング部材はウレタンゴム製で、ブレード形状(板形状)となっており、中間転写ベルトの回転方向下流側の基部が画像形成装置に固定され、同上流側の先端部がカウンタ方向から中間転写ベルトの転写面に接している。このクリーニング部材の摩耗量は、10000枚通紙後に、クリーニング部材の当接部の摩耗量をマイクロスコープVHX1000(キーエンス社製)で測定した。
クリーニング部材の歪みは、初期及び10000枚通紙後の歪みをマイクロスコープVHX1000で観察し、評価を行った。クリーニングブレードに歪みが生じなかった場合を十分として“○”と、クリーニングブレードに歪みが生じたが、クリーニング不良が発生しなかった場合を十分として“△”と、そして、クリーニングブレードに歪みがあり、かつ、クリーニング不良も発生した場合を不十分として“×”と、それぞれ評価した。
クリーニング部材の欠けは、初期及び10000枚通紙後の欠けの有無をマイクロスコープVHX1000で観察し、評価を行った。クリーニングブレードに欠けが生じなかった場合を十分として“○”と、クリーニングブレードに欠けが生じたが、クリーニング不良が発生しなかった場合を十分として“△”と、そして、クリーニングブレードに欠けがあり、かつ、クリーニング不良も発生した場合を不十分として“×”と、それぞれ評価した。
各中間転写ベルトの光沢度は、光沢度計(PG−IIM、日本電色工業社製)を用いて、入射角度20°で12点測定し、それらの平均値を求めた。
各評価項目のいずれかについて、不合格または「×」があるものは「×」と評価した。それ以外は〇と評価した。以上の評価結果を表2に示す。
研磨方法を変更することにより凹部の存在比率、寸法を変更した実施例2〜4及び比較例1〜3の中間転写ベルトを作製した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧30N、トラバース動作有り、ドレス動作を中間転写ベルトが2回転する毎に1回行い、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1400rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧35N、トラバース動作なし、ドレス動作を中間転写ベルトが2回転する毎に1回行い、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1000rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧30N、トラバース動作有り、ドレス動作を中間転写ベルトが2回転する毎に1回行い、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1400rpm、中間転写ベルト回転数4rpm、バフ接触圧35N、トラバース動作有り、ドレス動作を中間転写ベルトが2回転する毎に1回行い、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1500rpm、中間転写ベルト回転数4rpm、バフ接触圧35N、トラバース動作有り、ドレス動作を中間転写ベルトが2回転する毎に1回行い、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧30N、トラバース動作なし、ドレス動作なし、研磨剤ダンジーD491(光陽社製)使用という条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1500rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧30N、トラバース動作なし、ドレス動作なし、研磨剤ダンジーD491使用という条件で転写面に凹部を形成した。
研磨条件以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数800rpm、中間転写ベルト回転数8rpm、バフ接触圧20N、トラバース動作なし、ドレス動作なし、研磨剤なしという条件で転写面に凹部を形成した。
<中間転写ベルトの作製>
ポリエーテルエーテルケトン(380PF、ビクトレックス社製)100質量部と、ポリエーテルエーテルケトン100質量部に対して導電性カーボン(VULCAN−XC72R、キャボット社製)19質量部と、をホッパーに送り、二軸混練機(PCM−30、池貝社製)を用いて300℃〜400℃の間で温度調整を適宜行い、また、回転数を50rpm〜200rpmで適宜調整を行い、溶融混練押出を行った。押し出された樹脂から、ペレタイザー(TSM−125、タナカ社製、毎時100kg)によりペレット状の樹脂組成物を得た。
まず、3本の張架軸に中間転写ベルトを張架しテンションをかけ、中間転写ベルトに対向しているバイヤス両面ネルバフ(光陽社)を回転数1200rpmで回転させた。そして、中間転写ベルトを帳架するための帳架軸が備わった台座をエアー圧で押し、バイヤス両面ネルバフを中間転写ベルトの転写面に、0.211MPaの接触圧で接触させて表面研磨を行った。表面研磨は、ベルトの端部の外側から研磨を開始し、中間転写ベルトが回転数8rpmで2周する毎に30mm回転軸方向に移動させるという動作を繰り返し行い、全面を研磨した。その後、研磨周数の少ない端部をさらに2周分研磨を行った。ここまでの動作を研磨回数1回としてカウントする。
デジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)を用いて、倍率200倍で画像を撮影した。撮影領域内で凸部はその形状に起因し、灰色ないし黒色で表されるので、市販の画像処理ソフトウエアを用いて凸部を黒く、かつ、転写面を白く二値化して凸部存在比率を算出した。
デジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)を用いて表面観察し、観察領域中の凸部のうち、最も回転方向長さが長いものについてその長さと幅方向長さとを測定し、回転方向長さに対する幅方向長さの比(以下、「長さ比」と云う。)を算出した。
評価対処の中間転写ベルトを市販のプリンタ(MP C3503、株式会社リコー製)に装着し、実験室環境:23℃で50%RH、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、10000枚(A4サイズ横)を出力し、以下のようにして、各特性を評価した。
評価画像として、チェッカーパターン(30mm×30mmの正方形を横方向30mmおきに5〜6個、千鳥配列したもの)を、A4サイズ横で、20枚出力し、中間転写ベルト表面と印刷紙とを目視観察し、クリーニング不良によるトナー残留の有無により、クリーニング性を評価した。
クリーニング部材はウレタンゴム製で、ブレード形状(板形状)となっており、中間転写ベルトの回転方向下流側の基部が画像形成装置に固定され、同上流側の先端部がカウンタ方向から中間転写ベルトの転写面に接している。このクリーニング部材の摩耗量は、10000枚通紙後に、クリーニング部材の当接部の摩耗量をデジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)で測定した。
クリーニング部材の歪みは、初期及び10000枚通紙後の歪みをデジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)で観察し、評価を行った。クリーニングブレードに歪みが生じなかった場合を十分として“○”と、クリーニングブレードに歪みが生じたが、クリーニング不良が発生しなかった場合を十分として“△”と、そして、クリーニングブレードに歪みがあり、かつ、クリーニング不良も発生した場合を不十分として“×”と、それぞれ評価した。
クリーニング部材の欠けは、初期及び10000枚通紙後の欠けの有無をデジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)で観察し、評価を行った。クリーニングブレードに欠けが生じなかった場合を十分として“○”と、クリーニングブレードに欠けが生じたが、クリーニング不良が発生しなかった場合を十分として“△”と、そして、クリーニングブレードに欠けがあり、かつ、クリーニング不良も発生した場合を不十分として“×”と、それぞれ評価した。
各中間転写ベルトの光沢度は、光沢度計(PG−IIM、日本電色工業社製)を用いて、入射角度20°で12点測定し、それらの平均値を求めた。
反射出力電圧は、光量を電圧値に変換可能なフォトセンサにより中間転写体1周分の反射出力電圧を測定し、1周内での偏差を算出した。
各評価項目のいずれかについて、不合格または「×」があるものは「×」と評価した。それ以外は〇と評価した。以上の評価結果を表4に示す。
表4に示すように、研磨方法を変更することにより凸部の存在比率、寸法を変更した実施例7〜13及び比較例4〜7の中間転写ベルトを作製した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、バフ接触圧0.211MPa、研磨回数2回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、バフ接触圧0.211MPa、研磨回数3回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、バフ接触圧0.211MPa、研磨回数4回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1500rpm、バフ接触圧0.211MPa、研磨回数1回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数2100rpm、バフ接触圧0.211MPa、研磨回数1回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1200rpm、バフ接触圧0.219MPa、研磨回数1回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨を行わずに実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数800rpm、バフ接触圧0.200MPa、研磨回数1回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数1500rpm、バフ接触圧0.200MPa、研磨回数1回という条件で転写面に凸部を形成した。
研磨条件以外は実施例7と同様にして中間転写ベルトを作製した。研磨条件はバフ回転数2400rpm、バフ接触圧0.200MPa、研磨回数3回という条件で転写面に凸部を形成した。
2 プロセスカートリッジ
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
6 転写装置
7 クリーニング装置
10、10A 中間転写ベルト
30 凹部
40 凸部
Claims (11)
- 回転駆動される無端ベルト状の中間転写体であって、
前記中間転写体の転写面に凹部が複数設けられ、
前記凹部の前記中間転写体における幅方向の長さよりも前記凹部の前記中間転写体における回転方向の長さが長く、
前記凹部が占める面積が、前記転写面の面積の3%以上30%以下であることを特徴とする中間転写体。 - 前記凹部の前記回転方向の長さが、前記幅方向の長さの4倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 前記凹部の前記幅方向の長さが、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中間転写体。
- 前記転写面の入射角20°での光沢度が、40以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の中間転写体。
- ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の中間転写体。
- 回転駆動される無端ベルト状の中間転写体であって、
前記中間転写体の転写面に凸部が複数設けられ、
前記凸部の前記中間転写体における幅方向の長さよりも前記凸部の前記中間転写体における回転方向の長さが長く、
前記凸部が占める面積が、前記転写面の面積の3%以上30%以下であることを特徴とする中間転写体。 - 前記凸部の前記回転方向の長さが、前記幅方向長さの4倍以下であることを特徴とする請求項6に記載の中間転写体。
- 前記凸部の前記幅方向の長さが、15μm以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の中間転写体。
- 前記転写面の入射角20°での光沢度が、40以上であることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の中間転写体。
- ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂と、導電剤と、を含有することを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の中間転写体。
- 像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、を備え、
前記中間転写体が請求項1ないし10のいずれか1項に記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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