JP2002241554A - 半導電性混和物 - Google Patents
半導電性混和物Info
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- JP2002241554A JP2002241554A JP2001036119A JP2001036119A JP2002241554A JP 2002241554 A JP2002241554 A JP 2002241554A JP 2001036119 A JP2001036119 A JP 2001036119A JP 2001036119 A JP2001036119 A JP 2001036119A JP 2002241554 A JP2002241554 A JP 2002241554A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】PTC素子の半導電性混和物からなるフィルム
と電極との接着性が高く、両者間の接触抵抗が低く、し
かも常温時の抵抗が低く、常温時と高温時の抵抗変化率
が104以上となるようにする。 【解決手段】分子末端が無水マレイン酸で変性された高
密度ポリエチレン100重量部に対して、粒径20〜3
0nm、比表面積100〜1000m2/gのカーボン
ブラックAと粒径50〜100nm、比表面積10〜5
0m2/gのカーボンブラックBとを合計で60〜12
0重量部配合してなる半導電性混和物を用い、この半導
電性混和物からなるフィルムの両面に電極を設ける。
と電極との接着性が高く、両者間の接触抵抗が低く、し
かも常温時の抵抗が低く、常温時と高温時の抵抗変化率
が104以上となるようにする。 【解決手段】分子末端が無水マレイン酸で変性された高
密度ポリエチレン100重量部に対して、粒径20〜3
0nm、比表面積100〜1000m2/gのカーボン
ブラックAと粒径50〜100nm、比表面積10〜5
0m2/gのカーボンブラックBとを合計で60〜12
0重量部配合してなる半導電性混和物を用い、この半導
電性混和物からなるフィルムの両面に電極を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導電性混和物
とこれを用いたPTC素子に関し、常温での電気抵抗と
高温での電気抵抗の比が大きく、しかも電極と半導電性
混和物からなるフィルムとの接着性を高めたものであ
る。
とこれを用いたPTC素子に関し、常温での電気抵抗と
高温での電気抵抗の比が大きく、しかも電極と半導電性
混和物からなるフィルムとの接着性を高めたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PTC(正温度係数)素子は、高密度ポ
リエチレンなどの結晶性ポリマーに、カーボンブラック
などの導電性粒子を配合、分散してなる半導電性混和物
のフィルムの表裏面に2枚の銅箔などの金属箔などから
なる電極を張り合わせてなるもので、常温での電極間の
抵抗率が数オームcmであり、100から120℃の高
温時の抵抗率が104オームcm程度に急激に上昇する
性質を有し、電気回路保護素子などとして広く使用され
ている。
リエチレンなどの結晶性ポリマーに、カーボンブラック
などの導電性粒子を配合、分散してなる半導電性混和物
のフィルムの表裏面に2枚の銅箔などの金属箔などから
なる電極を張り合わせてなるもので、常温での電極間の
抵抗率が数オームcmであり、100から120℃の高
温時の抵抗率が104オームcm程度に急激に上昇する
性質を有し、電気回路保護素子などとして広く使用され
ている。
【0003】ところで、従来のPTC素子にあっては、
半導電性混和物からなるフィルムと電極との接着性が良
くなく、両者間でのオーム接触がなされていないため、
フィルムと電極との接触抵抗が高い欠点があった。この
ため、フィルムと電極との接着性を改善する手段とし
て、電極をなす金属箔の接着表面を機械的あるいは化学
的に粗面化するものが提案されているが、この方法では
粗面化のための工程が増え、コストが嵩む欠点がある。
半導電性混和物からなるフィルムと電極との接着性が良
くなく、両者間でのオーム接触がなされていないため、
フィルムと電極との接触抵抗が高い欠点があった。この
ため、フィルムと電極との接着性を改善する手段とし
て、電極をなす金属箔の接着表面を機械的あるいは化学
的に粗面化するものが提案されているが、この方法では
粗面化のための工程が増え、コストが嵩む欠点がある。
【0004】また、電気回路保護素子としては、高温時
の抵抗率が常温時の抵抗率に比べて極めて高いことが安
全性の点から好ましいことになるが、現用のPTC素子
では、常温時と高温時との抵抗変化率がせいぜい104
未満であり、抵抗変化率が十分といえるレベルに達して
いない問題もあった。また、抵抗変化率を大きくすると
常温時の抵抗が高くなってしまう問題もあった。
の抵抗率が常温時の抵抗率に比べて極めて高いことが安
全性の点から好ましいことになるが、現用のPTC素子
では、常温時と高温時との抵抗変化率がせいぜい104
未満であり、抵抗変化率が十分といえるレベルに達して
いない問題もあった。また、抵抗変化率を大きくすると
常温時の抵抗が高くなってしまう問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、半導電性混和物からなるフィルムと電極との
接着性が高く、両者間の接触抵抗が低く、しかも常温時
の抵抗が低く、常温時と高温時の抵抗変化率が104以
上となるようにすることにある。
る課題は、半導電性混和物からなるフィルムと電極との
接着性が高く、両者間の接触抵抗が低く、しかも常温時
の抵抗が低く、常温時と高温時の抵抗変化率が104以
上となるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、分子末端
が無水マレイン酸で変性された高密度ポリエチレン10
0重量部に対して、粒径20〜30nm、比表面積10
0〜1000m2/gのカーボンブラックAと粒径50
〜100nm、比表面積10〜50m2/gのカーボン
ブラックBとを合計で60〜120重量部配合してなる
半導電性混和物を用い、この半導電性混和物からなるフ
ィルムの両面に電極を設けてPTC素子とすることで解
決できる。
が無水マレイン酸で変性された高密度ポリエチレン10
0重量部に対して、粒径20〜30nm、比表面積10
0〜1000m2/gのカーボンブラックAと粒径50
〜100nm、比表面積10〜50m2/gのカーボン
ブラックBとを合計で60〜120重量部配合してなる
半導電性混和物を用い、この半導電性混和物からなるフ
ィルムの両面に電極を設けてPTC素子とすることで解
決できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の半導電性混和物におけるベースポリマーとなる
高密度ポリエチレンは、その分子末端を無水マレイン酸
変性したもので、密度0.945〜0.965g/cm
3、融点120〜125℃のものである。また、無水マ
レイン酸の結合量は、0.1〜10モル%とされる。
本発明の半導電性混和物におけるベースポリマーとなる
高密度ポリエチレンは、その分子末端を無水マレイン酸
変性したもので、密度0.945〜0.965g/cm
3、融点120〜125℃のものである。また、無水マ
レイン酸の結合量は、0.1〜10モル%とされる。
【0008】この無水マレイン酸変性高密度ポリエチレ
ンは、高密度ポリエチレンに無水マレイン酸、ベンゾイ
ルパーオキサイドなどの有機過酸化物からなるラジカル
重合開始剤を添加して、押出機などにより加熱、混練
し、溶融状態でグラフト重合する方法などで製造でき
る。また、市販品を使用することもできる。この無水マ
レイン酸変性高密度ポリエチレンは、分子末端に存在す
るマレイン酸残基によって、金属などに対する接着性が
極めて高いものとなっている。
ンは、高密度ポリエチレンに無水マレイン酸、ベンゾイ
ルパーオキサイドなどの有機過酸化物からなるラジカル
重合開始剤を添加して、押出機などにより加熱、混練
し、溶融状態でグラフト重合する方法などで製造でき
る。また、市販品を使用することもできる。この無水マ
レイン酸変性高密度ポリエチレンは、分子末端に存在す
るマレイン酸残基によって、金属などに対する接着性が
極めて高いものとなっている。
【0009】本発明の半導電性混和物では、導電性粒子
として、2種のカーボンブラックAとカーボンブラック
Bとを混合して使用する。カーボンブラックAは、粒径
20〜30nm、比表面積100〜1000m2/gの
比較的微粒のものである。カーボンブラックBは、粒径
50〜100nm、比表面積10〜50m2/gの比較
的粗粒のものである。
として、2種のカーボンブラックAとカーボンブラック
Bとを混合して使用する。カーボンブラックAは、粒径
20〜30nm、比表面積100〜1000m2/gの
比較的微粒のものである。カーボンブラックBは、粒径
50〜100nm、比表面積10〜50m2/gの比較
的粗粒のものである。
【0010】また、カーボンブラックAは、ファーネス
ブラックの1種であり、DBP(ヂブチルフタレート)
吸油量が1〜1.5ml/gのものでもある。カーボン
ブラックBは、サーマルブラックの1種であり、DBP
吸油量は、0.3〜0.7ml/gのものでもある。比
表面積は、公知のBET法によって測定されたものであ
る。
ブラックの1種であり、DBP(ヂブチルフタレート)
吸油量が1〜1.5ml/gのものでもある。カーボン
ブラックBは、サーマルブラックの1種であり、DBP
吸油量は、0.3〜0.7ml/gのものでもある。比
表面積は、公知のBET法によって測定されたものであ
る。
【0011】カーボンブラックAの粒径が20nm未満
では、抵抗変化率が小さくなり、30nmを越えると常
温抵抗が大きくなる。また、カーボンブラックAの比表
面積が100m2/g未満では常温抵抗が大きくなり、
1000m2/gを越えると抵抗変化率が小さくなる。
また、カーボンブラックBの粒径が50nm未満では、
抵抗変化率が小さくなり、100nmを越えると常温抵
抗が大きくなる。また、カーボンブラックBの比表面積
が10m2/g未満では常温抵抗が大きくなり、50m2
/gを越えると抵抗変化率が小さくなる。
では、抵抗変化率が小さくなり、30nmを越えると常
温抵抗が大きくなる。また、カーボンブラックAの比表
面積が100m2/g未満では常温抵抗が大きくなり、
1000m2/gを越えると抵抗変化率が小さくなる。
また、カーボンブラックBの粒径が50nm未満では、
抵抗変化率が小さくなり、100nmを越えると常温抵
抗が大きくなる。また、カーボンブラックBの比表面積
が10m2/g未満では常温抵抗が大きくなり、50m2
/gを越えると抵抗変化率が小さくなる。
【0012】カーボンブラックAとカーボンブラックB
との混合比は、重量比で、カーボンブラックA1に対し
てカーボンブラックB0.09〜11、好ましくは0.
6〜1.2とされる。カーボンブラックBの割合が0.
09未満では常温と高温との抵抗変化率が104以下と
なり、11を越えると常温での抵抗が高くなる。最も好
ましい混合比は、カーボンブラックA1に対してカーボ
ンブラックBが1である。
との混合比は、重量比で、カーボンブラックA1に対し
てカーボンブラックB0.09〜11、好ましくは0.
6〜1.2とされる。カーボンブラックBの割合が0.
09未満では常温と高温との抵抗変化率が104以下と
なり、11を越えると常温での抵抗が高くなる。最も好
ましい混合比は、カーボンブラックA1に対してカーボ
ンブラックBが1である。
【0013】カーボンブラックAとカーボンブラックB
との混合物のベースポリマーに対する配合量は、無水マ
レイン酸変性高密度ポリエチレン100重量部に対し
て、60〜120重量部、好ましくは80〜100重量
部とされ、60重量部未満では常温での抵抗が高くな
り、120重量部を越えると、抵抗変化率が小さくな
る。
との混合物のベースポリマーに対する配合量は、無水マ
レイン酸変性高密度ポリエチレン100重量部に対し
て、60〜120重量部、好ましくは80〜100重量
部とされ、60重量部未満では常温での抵抗が高くな
り、120重量部を越えると、抵抗変化率が小さくな
る。
【0014】本発明の半導電性混和物には、必要に応じ
て、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物からな
る架橋剤をベースポリマー100重量部に対して、2〜
5重量部配合しておき、後述するPTC素子の製造の際
に加熱してこの混和物を架橋させて、得られるPTC素
子の耐熱性を高めることもできる。
て、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物からな
る架橋剤をベースポリマー100重量部に対して、2〜
5重量部配合しておき、後述するPTC素子の製造の際
に加熱してこの混和物を架橋させて、得られるPTC素
子の耐熱性を高めることもできる。
【0015】本発明のPTC素子は、上述の半導電性混
和物を押出機などにより加熱、混練して、厚み100〜
1000μmのフィルム状に成形し、このフィルムの両
面に銅、ニッケルなどの金属箔を加熱加圧して、張り合
わせたり、あるいは銀ペーストなどの導電性塗料を塗
布、乾燥したりする手段によって、そのフィルム両面に
厚さ10〜100μmの電極を設けたものである。この
PTC素子は、円形、角形などに打ち抜かれて、電気回
路保護素子などとされる。
和物を押出機などにより加熱、混練して、厚み100〜
1000μmのフィルム状に成形し、このフィルムの両
面に銅、ニッケルなどの金属箔を加熱加圧して、張り合
わせたり、あるいは銀ペーストなどの導電性塗料を塗
布、乾燥したりする手段によって、そのフィルム両面に
厚さ10〜100μmの電極を設けたものである。この
PTC素子は、円形、角形などに打ち抜かれて、電気回
路保護素子などとされる。
【0016】このようなPTC素子にあっては、PTC
特性を示す半導電性混和物のベースポリマーが、分子末
端が無水マレイン酸変性された高密度ポリエチレンであ
るので、電極に対する接着性が優れ、オーム接触が可能
となって、接触抵抗が低いものとなる。このため、従来
のように電極表面を粗面化するなどの必要はなく、安価
に製造することができる。
特性を示す半導電性混和物のベースポリマーが、分子末
端が無水マレイン酸変性された高密度ポリエチレンであ
るので、電極に対する接着性が優れ、オーム接触が可能
となって、接触抵抗が低いものとなる。このため、従来
のように電極表面を粗面化するなどの必要はなく、安価
に製造することができる。
【0017】また、半導電性混和物に配合される導電性
微粒子として、比較的微粒のカーボンブラックAと比較
的粗粒のカーボンブラックBとの混合物を用いたため、
常温での電気抵抗が低く導電性が高く、しかも高温時
(トリップ時)の電気抵抗が極めて高く、その変化率が
104〜106となり、保護スイッチなどとして信頼性が
高いものとなる。
微粒子として、比較的微粒のカーボンブラックAと比較
的粗粒のカーボンブラックBとの混合物を用いたため、
常温での電気抵抗が低く導電性が高く、しかも高温時
(トリップ時)の電気抵抗が極めて高く、その変化率が
104〜106となり、保護スイッチなどとして信頼性が
高いものとなる。
【0018】さらに、半導電性混和物に架橋剤を添加し
ておき、PTC素子の製造時に加熱して半導電性混和物
を架橋したものでは、PTC素子がベースポリマーの融
点を超える温度に加熱されても、高い電気抵抗を維持す
るとともにフィルムが溶融して変形することがなく、耐
熱性の高いPTC素子を得ることができる。
ておき、PTC素子の製造時に加熱して半導電性混和物
を架橋したものでは、PTC素子がベースポリマーの融
点を超える温度に加熱されても、高い電気抵抗を維持す
るとともにフィルムが溶融して変形することがなく、耐
熱性の高いPTC素子を得ることができる。
【0019】以下、具体例を説明する。 (実験例1)表1ないし表3に示した配合組成の半導電
性混和物を用意し、これを押出機にて加熱、混練して、
厚さ300μmのフィルムとした。このフィルムの両面
に厚さ100μmの電解銅箔を加熱加圧して接合し、P
TC素子とした。このPTC素子の20℃での抵抗率と
120℃での抵抗率とを測定し、抵抗率の変化率を求め
た。
性混和物を用意し、これを押出機にて加熱、混練して、
厚さ300μmのフィルムとした。このフィルムの両面
に厚さ100μmの電解銅箔を加熱加圧して接合し、P
TC素子とした。このPTC素子の20℃での抵抗率と
120℃での抵抗率とを測定し、抵抗率の変化率を求め
た。
【0020】これらの表において、「AM−HDPE」
とは、密度0.95g/cm3、融点127℃、無水マ
レイン酸結合量1.5モル%の分子末端を無水マレイン
酸で変性した高密度ポリエチレンを言う。また、「CB
−A」とは、粒径25nm、比表面積120m2/gの
カーボンブラックを言う。「CB−B」とは、粒径55
nm、比表面積30m2/gのカーボンブラックを言
う。
とは、密度0.95g/cm3、融点127℃、無水マ
レイン酸結合量1.5モル%の分子末端を無水マレイン
酸で変性した高密度ポリエチレンを言う。また、「CB
−A」とは、粒径25nm、比表面積120m2/gの
カーボンブラックを言う。「CB−B」とは、粒径55
nm、比表面積30m2/gのカーボンブラックを言
う。
【0021】結果を表1ないし表3に示す。
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】これらの結果から、比較的粗粒のカーボン
ブラックBのみを添加したものでは、常温での比抵抗が
大きく、比較的微粒のカーボンブラックAのみを用いた
ものでは抵抗の変化率が小さくなることがわかる。ま
た、2種のカーボンブラックを合計で80〜120重量
部配合したものではPTC特性が良好で、カーボンブラ
ックAとカーボンブラックBを等量用いたものが、特性
が優れていることがわかる。
ブラックBのみを添加したものでは、常温での比抵抗が
大きく、比較的微粒のカーボンブラックAのみを用いた
ものでは抵抗の変化率が小さくなることがわかる。ま
た、2種のカーボンブラックを合計で80〜120重量
部配合したものではPTC特性が良好で、カーボンブラ
ックAとカーボンブラックBを等量用いたものが、特性
が優れていることがわかる。
【0025】(実験例2)次に、密度0.95g/cm
3、融点127℃、無水マレイン酸結合量1.5モル%
の無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン100重量部
に対して、カーボンブラックA50重量部とカーボンブ
ラックB50重量部を配合して半導電性混和物とした。
3、融点127℃、無水マレイン酸結合量1.5モル%
の無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン100重量部
に対して、カーボンブラックA50重量部とカーボンブ
ラックB50重量部を配合して半導電性混和物とした。
【0026】この時、カーボンブラックAとして、粒
径10nm、比表面積2000m2/gのもの、粒径
50nm、比表面積50m2/gのものの2種を使用
し、カーボンブラックBとして、粒径30nm、比表
面積100m2/gのもの、粒径200nm、比表面
積5m2/gのものの2種を使用し、これらを表4に示
すように組み合わせた。
径10nm、比表面積2000m2/gのもの、粒径
50nm、比表面積50m2/gのものの2種を使用
し、カーボンブラックBとして、粒径30nm、比表
面積100m2/gのもの、粒径200nm、比表面
積5m2/gのものの2種を使用し、これらを表4に示
すように組み合わせた。
【0027】この半導電性混和物から、先の例と同様に
してPTC素子を作成し、同様にして常温での抵抗率と
抵抗変化率を測定した。結果を表4に示す。
してPTC素子を作成し、同様にして常温での抵抗率と
抵抗変化率を測定した。結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4の結果から、カーボンブラックAある
いはBとして、先に述べた特定の粒径および比表面積を
有しないものを混合して配合しても、得られるPCT素
子の特性は良いものとは言えないことがわかる。
いはBとして、先に述べた特定の粒径および比表面積を
有しないものを混合して配合しても、得られるPCT素
子の特性は良いものとは言えないことがわかる。
【0030】また、実験例1および2のPTC素子につ
いて、その銅箔とフィルムとの接着性を測定したとこ
ろ、すべてT型剥離強度で5kg/25mm幅以上を示
し、極めて高い接着性を示した。一方、ベースポリマー
として、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレ
ンを用いたものでは、そのT型剥離強度が0.5〜1k
g/25mm幅で、手で簡単に引き剥がせる程度の接着
性しか得られず、接触抵抗が大きいものであった。
いて、その銅箔とフィルムとの接着性を測定したとこ
ろ、すべてT型剥離強度で5kg/25mm幅以上を示
し、極めて高い接着性を示した。一方、ベースポリマー
として、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレ
ンを用いたものでは、そのT型剥離強度が0.5〜1k
g/25mm幅で、手で簡単に引き剥がせる程度の接着
性しか得られず、接触抵抗が大きいものであった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導電性
混和物を用いたPTC素子にあっては、無水マレイン酸
変性高密度ポリエチレンをベースポリマーとする半導電
性混和物を用いているため、この半導電性混和物からな
るフィルムと電極との接着性が優れ、オーム接触が可能
となって、接触抵抗の低いものとなる。このため、従来
のように表面を粗面化した電極を使用したりするなどの
必要がない。
混和物を用いたPTC素子にあっては、無水マレイン酸
変性高密度ポリエチレンをベースポリマーとする半導電
性混和物を用いているため、この半導電性混和物からな
るフィルムと電極との接着性が優れ、オーム接触が可能
となって、接触抵抗の低いものとなる。このため、従来
のように表面を粗面化した電極を使用したりするなどの
必要がない。
【0032】また、2種の比較的微粒のカーボンブラッ
クAと比較的粗粒のカーボンブラックBとを混合して使
用しているので、常温での電気抵抗が低く、かつ常温時
と高温時の電気抵抗の変化率が大きく、104以上とす
ることができる。このため、電気回路保護素子などとし
たときの信頼性が高いものとなる。
クAと比較的粗粒のカーボンブラックBとを混合して使
用しているので、常温での電気抵抗が低く、かつ常温時
と高温時の電気抵抗の変化率が大きく、104以上とす
ることができる。このため、電気回路保護素子などとし
たときの信頼性が高いものとなる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月20日(2001.2.2
0)
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
Claims (3)
- 【請求項1】分子末端が無水マレイン酸で変性された高
密度ポリエチレン100重量部に対して、粒径20〜3
0nm、比表面積100〜1000m2/gのカーボン
ブラックAと粒径50〜100nm、比表面積10〜5
0m2/gのカーボンブラックBとを合計で60〜12
0重量部配合してなる半導電性混和物。 - 【請求項2】カーボンブラックAとカーボンブラックB
との混合割合が、重量比で、カーボンブラックA1に対
してカーボンブラックBが0.01〜11である請求項
1記載の半導電性混和物。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の半導電性
混和物からなるフィルムの表面に電極を設けてなるPT
C素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001036119A JP2002241554A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 半導電性混和物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001036119A JP2002241554A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 半導電性混和物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002241554A true JP2002241554A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18899441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001036119A Withdrawn JP2002241554A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 半導電性混和物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002241554A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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