JPH05217711A - Ptc組成物 - Google Patents

Ptc組成物

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JPH05217711A
JPH05217711A JP5675992A JP5675992A JPH05217711A JP H05217711 A JPH05217711 A JP H05217711A JP 5675992 A JP5675992 A JP 5675992A JP 5675992 A JP5675992 A JP 5675992A JP H05217711 A JPH05217711 A JP H05217711A
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JP
Japan
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heating element
thermoplastic resin
ptc
conductive particles
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP5675992A
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English (en)
Inventor
Satohiro Amano
聡博 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱ムラを改善し、素子の耐久性を向上せし
めた面状発熱体素子の発熱要素を構成するPTC組成物
を提供する。 【構成】 カーボンブラックによって代表される導電性
粒子、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの無機窒化物
粒子または粒径が0.1μmより小さい酸化マグネシウムお
よび熱可塑性樹脂からなるPTC組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PTC組成物に関す
る。更に詳しくは、発熱ムラを改善し、素子の耐久性を
向上せしめた面状発熱体素子の発熱要素を構成するPT
C組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラック、グラファイト、金属
粉末、金属メッキ粉末などの導電性粒子約10〜40容積%
および残部が熱可塑性樹脂よりなり、抵抗値に正の温度
係数を有するPTC組成物を発熱要素とし、そこに電極
を付設した面状発熱体素子が従来から知られている。
【0003】このPTC組成物は、温度によって抵抗値
が大きく変化するために、自己温度制御機能を有すると
いう特徴があるが、逆に温度ムラを生ずると、過熱のた
め熱劣化や焼損に至る危険性をも有している。例えば、
電極を付設した面状発熱体素子において、電極間隔が広
い場合には、熱伝導率の高い電極を通じての廃熱が大き
いため、電極付近の発熱体部分は温度が低く、電極-電
極間の中間部分など電極から離れた部分の発熱体は温度
が高くなる。
【0004】ところで、PTC材料の特性として、高温
部の抵抗は低温部のそれよりも高くなるという傾向がみ
られる。この場合、電流は一様に流れるため、これらの
抵抗値の異なる部分を流れる電流値(I)は一定であり、
発熱量(W)は、 W=IV=I2R (ただし、Vは電圧) であるので、抵抗値(R)に比例する。この結果、高温部
分では益々発熱量が多くなり、最終的には劣化や焼損に
至ることになる。
【0005】このような現象は、多かれ少なかれPTC
材料にとっては避けられないことであるので、その主な
原因は熱可塑性樹脂成分の熱伝導率が電極形成成分のそ
れに対して低すぎることにある。熱可塑性樹脂として
は、オレフィン系重合体、ポリエステル、ポリアミドな
どが一般に用いられ、好ましくは無水マレイン酸グラフ
ト化ポリエチレン、エチレン-アクリル酸共重合体など
の極性基を有する接着性オレフィン系重合体が好んで用
いられるが、例えばポリエチレンの熱伝導度は0.22W・
-1・K-1(300K)程度と銅のそれの398W・m-1・K-1
(300K)に対して著しく低くなっている。
【0006】PTC材料を形成する組成物中には、当然
導電性粒子が含有されているが、それが含有されても高
々数W・m-1・K-1程度にしか上昇しないので、この問
題を解決するためには、従来温度勾配を減少させるので
はなく、その差を小さくする手段がとられている。つま
り、電極間隔を狭くして、絶対的な温度差を減少させる
方法である。しかしながら、この方法では、次のような
欠点がみられる。 (1)電極面積が大きくなり、逆に発熱面積は小さくな
る。 (2)面状発熱体素子が重くなり、また柔軟性に欠けるよ
うになる。 (3)面状発熱体素子毎に、種々の抵抗値を有する配合の
PTC組成物を用意しなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発熱
ムラを改善し、素子の耐久性を向上せしめた面状発熱体
素子の発熱要素を構成するPTC組成物を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
導電性粒子、無機窒化物粒子または粒径が0.1μmより小
さい酸化マグネシウム粒子および熱可塑性樹脂よりなる
PTC組成物によって達成される。
【0009】窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの無機
窒化物および酸化マグネシウムは、30W・m-1・K-1(3
00K)以上という熱伝達係数および105Ω・cm以上という
抵抗値を有する、絶縁性で伝熱性の良好な無機充填剤で
ある。本発明においては、これらの無機充填剤が粒子と
して用いられるが、無機窒化物粒子についてはその粒径
範囲は約0.01〜10μm程度と格別限定されず、一方酸化
マグネシウム粒子については、成形性などの点から、そ
の粒径が0.1μmより小さいものが用いられる。これらの
無機充填剤粒子は、組成物中約3〜40容積%、好ましくは
約10〜30容積%であってかつ導電性粒子との合計量が約2
0〜70容積%、好ましくは約30〜60容積%占めるような割
合で用いられる。
【0010】これらの特定の無機充填剤は、前記したよ
うな導電性粒子および熱可塑性樹脂と共に、用いられた
樹脂の軟化点よりも約10〜40℃高い温度で混練される。
この際、湿式による混合法も行われる。混練後は、用い
られた樹脂の軟化点よりも50℃以上高い温度でプレス成
形される。例えば、低密度ポリエチレンでは、約180〜2
10℃で約5〜15分間プレス成形される。
【0011】プレス成形時に、PTC組成物は金属箔上
に約0.05〜2mm程度の厚さで貼り合わされ、金属箔上に
必要なパターンをマスキングした後エッチングし、くし
形などの電極を形成させて、PTC面状発熱体素子とす
る。得られた素子の両面に、シリコン系あるいはアクリ
ル系などの接着剤を用いてプラスチックフィルムと貼り
合わせてサンドウィッチ構造とし、これに端子を取り付
けて面状発熱体とする。これ以外の方法によっても、面
状発熱体素子および面状発熱体を作製することができ
る。
【0012】
【発明の効果】導電性粒子および熱可塑性樹脂よりなる
PTC組成物中に、絶縁性で伝熱性の良好な無機充填剤
粒子を添加することにより、それから得られる面状発熱
体素子の発熱ムラを改善することができ、その結果とし
て次のような利点が得られるようになる。 (1)面状発熱体素子の局部的発熱を抑えることができる
ので、素子の劣化速度を低下させ、その耐久性を向上さ
せることができる。 (2)電極間間隔を広くとっても焼損するに至らないの
で、1枚の面状発熱体素子の発熱面積が大きくなる。 (3)1種類の混合組成(特定された体積抵抗値)と成形条
件との組み合わせだけで、様々な使用条件の面状発熱体
素子を電極の設計変更だけで作製することができ、少量
多品種生産コストを低下させる。
【0013】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0014】実施例1 接着性中密度ポリエチレン 60容積%(564g) (三井石油化学製品アドマーNE060) 窒化ホウ素 20容積%(468g) (三井東圧化学製品MBN-050;平均粒径70mμ、熱伝達係数50、抵抗値>108) カーボンブラック 20容積%(360g) (中部カーボン製品HTC#20;平均粒径120mμ) 以上の各成分を、150℃のオープンロール中に上記の順
序で投入し、投入終了後の巻き付きを確認した後、15分
間混練し、混練物を200℃、20kg/cm2、10分間の条件下
でプレス成形した。得られた成形物(厚さ300μm)の体積
抵抗率は、3.0×103Ω・cmであった。
【0015】この成形物に、5mm×30mm×50μmの銅箔2
枚を30mmの間隔をおいて平行に接着し、これらを電極と
して室温下(25℃)で交流電場を印加した。電圧を50Vか
ら1V/分の昇圧速度で昇圧すると、205V印加時に電極-電
極間の中間部分が焼損した。電極間の間隔を5mmにする
と、300Vでも問題がなく、その発熱分布は全体を通して
100±3℃であった。
【0016】実施例2 エチレン-アクリル酸共重合体 55容積%(511g) (エクソン化学製品エスコールTR5001) 酸化マグネシウム 20容積%(730g) (宇部興産製品1000A;平均粒径95mμ、熱伝達係数60、抵抗値>108) カーボンブラック 25容積%(450g) (キャボット社製品BP160;平均粒径70mμ) 以上の各成分を用い、実施例1と同様にして混練(ただ
し、120℃、10分間)および成形(ただし、180℃、15kg/c
m2、9分間)を行い、体積抵抗率3.0×103Ω・cm、厚さ30
0μmの成形物を得た。
【0017】この成形物について、実施例1と同様の耐
久性試験を行ったところ、電極間間隔30mmでは190Vで焼
損し、5mmでは300Vでも問題はなく、その発熱分布は全
体を通して82±3℃であった。
【0018】比較例 実施例1において、接着性中密度ポリエチレンを80容積
%(752g)、カーボンブラックを20容積%(360g)用い、実施
例1と同様にして混練(ただし、150℃、13分間)および
成形(ただし、200℃、10kg/cm2、9分間)を行い、体積抵
抗率3.0×103Ω・cm、厚さ300μmの成形物を得た。
【0019】この成形物について、実施例1と同様の耐
久性試験を行ったところ、電極間間隔30mmでは73Vで焼
損し、5mmでは170Vで焼損し、2mmでは300Vでも安定であ
った。また、その発熱分布は、100±2℃であった。
【0020】以上の結果から、各実施例では電極間間隔
5mmの場合300Vでも焼損しないのに対し、比較例では170
Vで焼損し、その性能に明らかな差が認められる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】 このような現象は、多かれ少なかれPT
C材料にとっては避けられないことであるので、その主
な原因は熱可塑性樹脂成分の熱伝導率が電極形成成分の
それに対して低すぎることにある。熱可塑性樹脂として
は、オレフイン系重合体、ポリエステル、ポリアミドな
どが一般に用いられ、好ましくは無水マレイン酸グラフ
ト化ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体など
の極性基を有する接着性オレフイン系重合体が用いられ
が、例えばポリエチレンの熱伝導度は0.22W・m
−1・K−1(300K)程度と銅のそれの398W・
−1・K−1(300K)に対して著しく低くなって
いる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粒子、無機窒化物粒子および熱可
    塑性樹脂よりなるPTC組成物。
  2. 【請求項2】 導電性粒子、粒径が0.1μmより小さい酸
    化マグネシウム粒子および熱可塑性樹脂よりなるPTC
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のPTC組成物を
    発熱要素として用いた面状発熱体素子。
JP5675992A 1992-02-07 1992-02-07 Ptc組成物 Pending JPH05217711A (ja)

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