JP4606029B2 - アイオノマー樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、外観、意匠性、帯電防止性、加工性、耐傷付き性、耐磨耗性、耐熱性等に優れた成形品を製造することが可能なアイオノマー樹脂組成物及びその用途に関する。とくには、床材、手摺、壁紙等の建築材料や自動車内外装部品、玩具、文具、雑貨などの用途に好適なアイオノマーを主要成分とする樹脂組成物及びその用途に関する。
不飽和カルボン酸含量が2〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基が金属イオンで中和されてなるアイオノマー樹脂は、そのイオン架橋に起因する特徴から、他のエチレン系コポリマーと比較して耐磨耗性や透明性に優れる性能を示す。その性能を生かし、建材や自動車内外装部品の表面傷付き性を改良する用途に使用することはすでに知られている(例えば特許文献1参照)。該文献によれば、表面光沢、耐スクラッチ性に優れた自動車外装材料が得られることが記載されている。また建材用途の床材においても、机や椅子の移動、歩行時の摩擦などによる材料の磨耗、傷付きを防ぐために、アイオノマー樹脂を表層とした非PVC系床材への利用が知られている(特許文献2)。これら建材や自動車内装材の用途においては、帯電に基づく感電や塵埃の付着を防止するために、アイオノマーの有する優れた特性、とくに耐磨耗性や耐傷付き性を損なわないで帯電防止機能を付与することが求められている。
このため、アイオノマーに対して種々の既存帯電防止剤の配合を試みたが、多くは良好な帯電防止効果が得られなかったり、また帯電防止の効果は認められるものの、外観を損ねる結果となったりして、優れた特性を犠牲にせずに帯電防止処方を確立することは容易でなかった。
特開昭60ー127149号公報 特開平8−254004号公報
このため本発明者らは、アイオノマーやアイオノマーの組成物において、その優れた表面特性、外観、意匠性などを実質的に損なうことなく、優れた帯電防止効果が得られるような配合処方について検討を行なった。その結果、後記する特定の高分子型帯電防止剤を所定量配合することにより、上記目的を達成することができることを知った。
すなわち本発明は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)又はその組成物から選ばれる樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエーテルエステルアミド(d)又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分(B)を8〜30重量部の割合で配合してなるアイオノマー樹脂組成物に関する。
本発明によれば、アイオノマーの優れた表面特性、外観、意匠性、引裂強度、破断点抗張力などを実質的に損なうことなく、帯電防止性に優れた成形品を得ることができる。例えば本発明のアイオノマー樹脂組成物及び該樹脂組成物からなるフイルムは、耐磨耗性、耐傷付き性が優れ、また帯電防止性に優れているので塵埃などの付着を効果的に防止することができる。また建材の表層シートに求められる汚れのつき難さにも優れているなどの利点を備えている。このような特徴から本発明のアイオノマー樹脂組成物は、一般床材、自動車用床材等の床材、木材や合板等の突き板、鋼鈑、壁紙などの建材や家具類、看板の表層シート、化粧シート、防汚シートまたは保護シート、手摺などの成形品、自動車内外装品、カバン、手帳、辞書などのレザー調表皮、カーテン、間仕切りシート、産業用シート、デスクマット、テーブルクロス、マウスパッド、マーキングフィルム、玩具、文具用品向けの成形品もしくはそれらの表皮層、あるいはカーペット表皮(材)、真空圧空成形シートの表皮(材)として好適である。
本発明のアイオノマー樹脂組成物において、樹脂成分(A)におけるアイオノマー(a)のベース樹脂として使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸のみの2元共重合体であってもよく、また任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸含有量は、5〜30重量%、とくに8〜25重量%の範囲にあることが好ましく、また上記多元共重合体の場合においては、他の単量体は、例えば40重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で共重合されていてもよい。
上記共重合体を構成する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などを例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。また上記多元共重合体における他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などを例示することができる。
アイオノマー(a)におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などを好適例として挙げることができる。とくに好適なアイオノマーは、2価金属のアイオノマー、とくに亜鉛又はマグネシウムのアイオノマーである。アイオノマーとしてはまた、中和度が90%以下、とくに40〜85%程度のものが好ましい。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)としてはまた、加工性、機械的強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜500g/10分、とくに0.1〜300g/10分程度のものを使用するのが好ましい。ベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。またアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などとを反応させることによって得ることができる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物においては、樹脂成分(A)としてアイオノマー(a)を単独で使用することができるが、アイオノマー(a)とその他樹脂との組成物、好ましくはオレフィンの単独重合体、オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと極性モノマーの共重合体から選ばれるオレフィン系重合体を、例えばアイオノマーと等重量以下、好ましくは40重量%以下、一層好ましくは30重量%以下となる割合で混合した組成物として使用することができる。
このようなオレフィン系重合体の例としては、エチレンの単独重合体やエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であって、一般に中・高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、直鎖超低密度ポリエチレンなどとして知られているポリエチレン;プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのランダム共重合体やブロック共重合体などとして知られているポリプロピレン;ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン、オレフィンと極性モノマー、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などのアイオノマー(a)以外の共重合体;などを挙げることができる。
上記オレフィン系重合体が、エチレン・極性モノマー共重合体である場合には、その配合量にもよるが、耐磨耗性や耐傷付き性などを考慮すると、極性モノマー含量が30重量%以下、とくに20重量%以下のものを使用するのが好ましい。またオレフィン系重合体が、ポリエチレンやエチレン・極性モノマー共重合体である場合には、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましく、またポリプロピレンである場合には、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
本発明のアイオノマー樹脂組成物においては、樹脂成分(A)としてアイオノマー(a)を単独で使用する場合に加えて、アイオノマー(a)、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体(b)及びポリオレフィン(c)からなる組成物を使用する場合も、耐傷付き性、耐磨耗性が良好であり、表面硬度、耐熱性、意匠性などにおいては、より優れている。とくに(a)、(b)及び(c)の合計量を100重量部とするときに、アイオノマー(a)が50〜96.7重量部、好ましくは73〜95.5重量部、一層好ましくは81〜94重量部、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体(b)が0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部、一層好ましくは1〜4重量部、ポリオレフィン(c)が3〜40重量部、好ましくは4〜20重量部、一層好ましくは5〜15重量部となる割合の組成物を使用することが好ましい。
上記樹脂成分(A)として好適なアイオノマー組成物においては、アイオノマー(a)として、とくにイオン源として、亜鉛、マグネシウム、カルシウムのような2価金属イオンを含有するものを使用すると、上記のような特性を容易に発現することができるので好ましい。また、成形性、機械的特性、他成分との混和性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
上記樹脂成分(A)として好適なアイオノマー組成物を構成するオレフィン・グリシジルモノマー共重合体(b)は、オレフィンとグリシジルモノマーとの2元共重合体のみならず、さらに他の単量体を含有する多元共重合体であってもよい。かかる共重合体におけるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどを挙げることができるが、とくにエチレンの共重合体が好ましい。またグリシジルモノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジルエステル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル等のグリシジル不飽和エーテルを挙げることができる。さらに上記多元共重合体における他の単量体としては、例えばビニルエステルや不飽和カルボン酸エステルが好ましく、これら他の単量体の具体例としては、アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における他の単量体としてすでに例示したものを挙げることができる。
上記オレフィン・グリシジルモノマー共重合体においては、オレフィンが50〜99重量%、とくに52〜98重量%、グリシジルモノマーが0.5〜20重量%、とくに1〜18重量%、上記他の単量体が0〜49.5重量%、好ましくは0〜40重量%の範囲で共重合されているものが好ましい。このような共重合体は、ランダム共重合体であってもグラフト共重合体であってもよいが、一般にはアイオノマーとの反応の均一性からランダム共重合体を使用するのが好ましい。このようなランダム共重合体は、例えば、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
上記共重合体としてエチレン共重合体を使用する場合には、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜1000g/10分、とくに0.1〜200g/10分のものを使用するのが好ましい。
上記樹脂成分(A)として好適なアイオノマー組成物を構成するポリオレフィン(c)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。これらの中ではポリエチレン、中でも直鎖低密度ポリエチレンを用いるか、あるいはポリプロピレン、中でもプロピレン・α−オレフィン共重合体を使用することが好ましい。すなわち直鎖低密度ポリエチレンやプロピレン・α−オレフィン共重合体を使用することにより、他成分との分散性が優れ、意匠性、耐熱性、耐磨耗性、耐傷付き性、防汚性、機械的強度等に優れた樹脂組成物を容易に得ることができる。とくに直鎖低密度ポリエチレンには、他の樹脂成分との相溶性に優れており、折り曲げに対して白化し難い組成物を得ることができる。
上記直鎖低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3以上、好ましくは3〜12のα−オレフィンの共重合体であって、密度が900〜940kg/m、好ましくは900〜930kg/mのものである。これらはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有するジルコニウムの化合物からなる触媒成分と有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分の組み合わせ触媒のようなシングルサイト触媒、あるいは高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分の組み合わせ触媒のようなマルチサイト触媒の存在下に、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを共重合することによって製造することができる。直鎖低密度ポリエチレンとしては、他成分との混和性や加工性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用することが好ましい。
ポリオレフィン(c)として好適な上記プロピレン・α−オレフィン共重合体は、プロピレンを主体とするプロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合体であって、密度は870〜930kg/m、とくに880〜920kg/mのものが好ましく、また230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜80g/10分のものが好ましい。プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、炭素数2〜12、とくに炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの1種又は2種以上を例示することができる。
上記プロピレン共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。とくに好適なランダム共重合体は、プロピレン含量が85〜99.9重量%、好ましくは90〜99.5重量%であるプロピレンとエチレンのランダム共重合体又はプロピレンとエチレンと他のα−オレフィンとからなるランダム共重合体である。これらは立体特異性触媒の存在下で共重合された結晶性の重合体である。またブロック共重合体は、プロピレンと他のα−オレフィンを順次に重合又は共重合して得られるもので、一般には(1)プロピレンの重合ののち(2)プロピレンとやや多量のα−オレフィンの共重合及び/又は(3)α−オレフィンの重合からなる重合段階を一つ以上組み合わせることによって行われる。上記(1)のプロピレンの重合においては少量のα−オレフィンを共重合させる場合があり、また(3)のα−オレフィンの重合においてプロピレンを少量共重合させる場合がある。いずれにしても上記ブロック重合体は、立体特異性触媒の存在下で上記多段階の重合によって得ることができる。好適なプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、(1)のプロピレン重合体ブロックを60〜95重量%程度含有するプロピレンとエチレンのブロック共重合体である。
上記樹脂成分(A)として好適なアイオノマー組成物は、アイオノマー(a)、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体(b)及びポリオレフィン(c)を溶融混合することによって得ることができる。溶融混合に際しては、スクリュー押出機、ロールミキサー、バンバリミキサー等の通常の混合装置を使用することができる。また溶融混合は上記3成分を同時に配合して行うことができるが、最も好ましいのは(b)と(c)を予め溶融混合したものと(a)を溶融混合する方法である。この方法によれば、(b)が(c)に希釈されることにより(a)との反応が局部的に起こらず均一となるためで、優れた諸性質を有する組成物を品質安定性よく製造できるという利点がある。先に(a)と(b)を溶融混合した後、(c)を混合するというような方法を取ると、局部的な反応によりゲルが発生する恐れがあるので避けたほうがよい。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、アイオノマー(a)又はその組成物からなる樹脂成分(A)100重量部に対して、ポリエーテルエステルアミド(d)又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分(B)を8〜30重量部、好ましくは10〜25重量部配合するものである。
本発明で使用されるポリエーテルエステルアミド(d)は、ポリアミドブロックとポリオキシアルキレングリコールブロックとから構成され、これらブロックがエステル結合により結合されているブロック共重合体である。
ポリアミドブロックとしては、例えば蓚酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メチレンビス(4−アミノシクロヘキサン)、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンのようなジアミンとの重縮合、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムのようなラクタムの開環重合、6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合などにより得られるものである。このようなポリアミドセグメントとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/610、ナイロン66/12、ナイロン6/66/610などであり、とくにナイロン11、ナイロン12などが好ましい。またポリアミドブロックとしては、例えば分子量が400〜5000程度のものが使用される。
またポリエーテルブロックとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールあるいはこれらの混合物などを例示することができる。これらは、例えば分子量が400〜6000程度、とくに600〜5000程度のものがよい。
本発明で使用するポリエーテルエステルアミド(d)としては、ポリオキシアルキレングリコールブロックの含有量が5〜80重量%、とくに15〜70重量%含まれるものが好ましい。さらに230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1000g/10分、とくに1〜100g/10分のものを用いるのが好ましい。また示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(最大吸熱量を示す温度)が130〜175℃程度のものを使用するのが好ましい。このようなポリエーテルエステルアミドは、分子量600〜5000程度のナイロンオリゴマーとポリオキシアルキレングリコールと必要に応じカルボン酸を反応させることによって得ることができる。
アイオノマー又はその組成物から選ばれる樹脂成分(A)にポリエーテルエステルアミド(e)を配合する場合、ポリエーテルエステルアミド(d)の組成物を使用することができる。該組成物の代表例として、ポリエーテルエステルアミド(d)に無機又は有機のプロトン酸塩を配合したものを例示することができる。配合可能な無機又は有機のプロトン酸塩として具体的には、LiClO、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaBF、KBF、NaCFSO、KClO、KPF、KCFSO、KCSO、Ca(ClO、Ca(PF、Mg(Cl、Mg(CFSO、Zn(ClO、Zn(PF、Ca(CFSOなどを挙げることができる。このようなプロトン酸塩は、例えばポリエーテルエステルアミド(d)に対し0.1〜5重量部程度配合することができる。該組成物としてはまた、ポリエーテルエステルアミド(d)に、それと親和性を有する繊維、例えばポリアミド繊維を配合したものを例示することができる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物においては、アイオノマー(a)又はその組成物から選ばれる上記した樹脂成分(A)100重量部に対し、上記したポリエーテルエステルアミド(d)又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分(B)を8〜30重量部、好ましくは10〜25重量部配合するものである。成分(B)の配合量が上記範囲より少ないと、帯電防止効果が充分ではなく、一方その配合量が多くなり過ぎると得られる組成物の表面特性や外観が損なわれるので好ましくない。アイオノマー樹脂組成物の外観や帯電防止性の観点から、成分(B)として、DSCで測定される融点が130〜160℃のもの(B−1)と、DSCで測定される融点が145〜175℃であって、(B−1)の融点より5℃以上高いもの(B−2)の混合物を使用することが好ましい。(B−1)と(B−2)の好適な混合割合[(B−1)/(B−2)]は、1/2〜5/1の範囲である。
本発明のアイオノマー樹脂組成物には、、各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の一例として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、他の帯電防止剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。このような添加剤はアイオノマー樹脂組成物調製時あるいは調製後に配合することができるし、上記樹脂成分(A)及び/又はポリエーテルエステルアミド成分(B)に予め配合しておくことができる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、前記した樹脂成分(A)とポリエーテルエステルアミド成分(B)を、常法によって溶融混合することによって得ることができる。また樹脂成分(A)とポリエーテルエステルアミド成分(B)をドライブレンドし、それを溶融成形することによってアイオノマー樹脂組成物の成形品を直接得ることもできる。勿論、望むならば、樹脂成分(A)として、上記した(a)、(b)、(c)からなるアイオノマー組成物を使用する場合においては、該組成物を構成する成分(a)、(b)、(c)及び成分(B)を、同時に配合しても良いし、また任意の順序で逐次的に混合することもできる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形、中空成形などの各種成形方法により、各種形状の成形体とすることができる。例えばインフレーションフイルム成形機やキャストフイルム・シート成形機を用いて成形されるシートやフイルムなどの成形体は、耐磨耗性、耐傷付き性、帯電防止性が優れている。とくに樹脂成分(A)として(a)、(b)、(c)からなるアイオノマー組成物を使用した場合には、上記特性に加え、シルキー状のシートやフイルムが得られ、延伸時又は折り曲げ時に樹脂白化がないというアイオノマーの特徴を維持しつつ、耐熱性、意匠性(艶消し外観)にも優れているという特徴を有している。このようなシートやフイルムなどの成形体は単層でもよく、また各種基材との接着性を向上させるために、共押出成形機により接着性樹脂と共押出積層体を形成することもできる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物と積層できる接着性樹脂は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン酸アルキルエステル3元共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸アルキルエステル・一酸化炭素共重合体、あるいはこれらの不飽和カルボン酸グラフト物から選ばれる、単体もしくは任意の複数からなるブレンド物を代表例として挙げることができる。
また本発明のアイオノマー樹脂組成物における他の押出成形例としては、押出コーティング成形機を用いて他の基材表面に熱接着させることにより積層体を形成する方法を例示することができる。このような基材として、紙、各種金属箔、鋼板などの各種金属板、ポリオレフィンフイルム・シート、織布、不織布などを挙げることができる。押出コーティング成形の場合、後述の実施例に示すように、本発明のアイオノマー樹脂組成物を構成する各樹脂成分のMFRや配合割合を巧くコントロールすることにより、押出成形性と耐磨耗性、耐傷付き性、艶消し外観などの表面特性のバランスを取ることができる。
本発明のアイオノマー樹脂組成物を押出コーティング成形機により他の基材の表面に積層する場合、単層でもよく、また各種基材との接着性を向上させるために、共押出コーティング成形機により接着性樹脂層を介して形成することができる。このような接着性樹脂としては、前述の各種エチレン共重合体、あるいはこれらの不飽和カルボン酸グラフト物から選ばれる、単体もしくは任意の複数からなるブレンド物を代表例として挙げることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例、比較例に用いた原料の組成と物性及び得られたシート、フイルムの物性の測定方法は以下の通りである。
1.原材料
(1)アイオノマー(a1)
ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量11重量%)
金属カチオン源:亜鉛、中和度:63モル%、MFR:5.0g/10分
(2)アイオノマー(a2)
ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量15重量%)
金属カチオン源:亜鉛、中和度:59モル%、MFR:0.9g/10分
(3)エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体(b)
グリシジルメタクリレート含量12重量%、MFR:3.0g/10分
(4)プロピレン・エチレンランダム共重合体(c)
商品名:F219DA、三井住友ポリオレフィン(株)製、密度900kg/m、MFR9.0g/10分(230℃)
(5)ポリエーテルエステルアミド成分(B)
(5−1)ポリエーテルエステルアミド(B−1)
商品名:イルガスタットP16、融点(DSC)158℃、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
(5−2)ポリエーテルエステルアミド組成物(B−2)
商品名:イルガスタットP18、融点(DSC)173℃(他に、153℃と166℃に吸熱ピークあり)、過塩素酸ナトリウム一水化物5%以下含有、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
2.物性測定方法
フイルム物性については、後述する方法で製造した100μm厚みのインフレーションフイルムを使用して測定を行い、シート物性については、後述の方法で製造した3mm厚のプレスシートを使用して測定した。
(1)メルトフローレート(MFR)
190℃、2160g荷重
(2)外観
インフレーションフイルム中の外観を目視判定した。
(3)帯電防止性
(3−1)表面抵抗率
23℃、50%相対湿度雰囲気に24時間放置した積層体試験片を、三菱化学(株)製
Hiresta-UPを用いて、JIS K6911に基づき、印加電圧500Vにて表面抵抗率Pを測定し、以下の通りに評価した。
◎:P≦1.0×1010Ω
○:1.0×1010Ω<P≦1.0×1012Ω
△:1.0×1012Ω<P≦1.0×1014Ω
×:1.0×1014Ω<P
(3−2)減衰時間
23℃、50%相対湿度雰囲気に24時間放置した積層体試験片を、米国ETS社製
Static Decay Meter Model 4060を用い、印加電圧−5000Vから−50Vへ減衰する時間t(1%)及び−5000Vからー500Vへ減衰する時間t(10%)を測定し、以下の通り評価した。
◎:t≦0.1秒
○:0.1秒<t≦10秒
△:10秒<t≦60秒
×:60秒<t
(4)光学性
グロス:JIS Z8741に準拠
(5)耐熱性(ヒートシール性)
JIS Z1707に準拠して、15mm幅のフイルムを剥離した際のシール界面の状況を観察した。尚、測定に使用したサンプルは、160℃に加熱した10mm幅のシールバーで1秒間加圧したものであり、ヒートシールをしてから24時間経過したものを使用した。
(6)引張特性
JIS K6781に準拠して、下記の条件下で破断点強度及び破断点伸びを測定した。
試験速度:500mm/分、チャック間距離:90mm、標線距離:40mm
(7)表面硬度(ショアD)
JIS K7215に準拠
(8)曲げ剛性
JIS K7106に準拠
(9)テーバー摩耗
JIS A1453、3mmシート、摩耗輪S−42,荷重530g、回転数500回転(100回転毎にはたく)
(10)学振磨耗
綿帆布10号を用い、荷重450g、接触面積224m2、往復速度60回/分、往復回数100回の条件で、シート表面に傷つき処理を行った後、表面の削られた面積の割合を顕微鏡(35倍、観察幅2mm)写真を用いて測定し、残存率を求めた。
[実施例1〜2、比較例1〜2]
エチレン・グリシジジルメタクリレート(b)共重合体2重量部とプロピレン・エチレンランダム共重合体(c)15重量部を予め溶融混合して得られたブレンド物とアイオノマー(a1)83重量部を溶融混練してアイオノマー組成物(A)を調製した。これにイルガスタットP16とイルガスタットP18の3/1の混合物を表1に示す割合で配合して溶融混練して各種アイオノマー樹脂組成物を得た。尚、実施例2においてはイルガスタット混合物と一緒に紫外線吸収剤(商品名:シーソーブ102、白石カルシウム(株)製)0.5重量部及び光安定剤(商品名:サノールLS770、三共(株)製)0.2重量部を配合した。得られたアイオノマー樹脂組成物を、インフレーションフイルム成形機(30mmφ)を用いて加工設定温度230℃、スクリュー回転数50rpmの条件で成形し、100μm厚みのフイルムを得た。
アイオノマー樹脂組成物の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)及び成形状況について表1に纏めた。また得られたフイルムの評価結果を表2に纏めた。
また上記アイオノマー樹脂組成物から180℃×5分加熱、180℃×5分加圧、20℃×5分冷却の条件で3mm厚のプレスシートを作成し、その評価を行なった。その結果を表3に示す。
Figure 0004606029
Figure 0004606029
Figure 0004606029
[実施例3]
3層インフレーションフイルム成形機を用い、実施例1のアイオノマー樹脂組成物を表皮層に、前記したアイオノマー(a1)を中間層に、同じアイオノマー(a1)を接着層とするそれぞれの層厚みが70μmの3層フイルムを作成した。この3層フイルムについて、同様に帯電防止特性、光学特性及び引張強度測定を行なった。結果を表4に示す。
[実施例4]
実施例3において、接着層としてアイオノマー(a1)の代わりに、エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量9重量%、MFR3g/10分)80重量部及び無水マレイン酸グラフトエチレン・アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エチル含量25重量%のエチレン・アクリル酸エチル共重合体に対して1重量%の無水マレイン酸をグラフトしたMFR7g/10分のグラフト重合体)20重量部の組成物(組成物B)を使用した以外は、実施例3と同様に3層フイルムを作成し、その物性を同様に測定した。結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例3において、表皮層として実施例1のアイオノマー樹脂組成物を使用する代わりに、実施例1のアイオノマー組成物(A)を使用した以外は、実施例3と同様に3層フイルムを作成し、その物性を同様に測定した。結果を表4に示す
Figure 0004606029
[実施例5、比較例4]
アイオノマー(a2)にイルガスタットP16とイルガスタットP18の3/1の混合物を表5に示す割合で配合して溶融混練してアイオノマー樹脂組成物を得た(実施例5)。得られたアイオノマー樹脂組成物を、インフレーションフイルム成形機(30mmφ)を用いて加工設定温度230℃、スクリュー回転数50rpmの条件で成形し、100μm厚みのフイルムを得た。比較のため、アイオノマー(a2)からも同様にフイルム成形を行なった(比較例4)。
上記アイオノマー樹脂組成物及びアイオノマー(a2)の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)及び成形状況について表5に纏めた。また得られたフイルムの評価結果を表6に纏めた。
また、上記アイオノマー樹脂組成物又はアイオノマー(a2)から180℃×5分加熱、180℃×5分加圧、20℃×5分冷却の条件で3mm厚のプレスシートを作成し、その評価を行なった。その結果を表7に示す。
Figure 0004606029
Figure 0004606029
Figure 0004606029
[実施例6〜8]
アイオノマー(a2)にイルガスタットP16とイルガスタットP18の1/1の混合物を表8に示す割合で配合して溶融混練し、各種アイオノマー樹脂組成物を得た。得られたアイオノマ樹脂組成物を、インフレーションフィルム成形機(30mmφ)を用いて加工設定温度230℃、スクリュー回転数50rpmの条件で成形し、100μm厚みのフイルムを得た。
上記アイオノマー樹脂組成物の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)、成形状況及びフイルムの評価結果を表8に纏めた。
Figure 0004606029
[実施例9]
インフレーションフィルム成形機を用いて、実施例8で得られたアイオノマー樹脂組成物とアイオノマー(a2)を使用した2層フィルムを作成(厚み330μm、構成比1/1)し、アイオノマー(a2)層表面にコロナ処理及びプライマー塗工を施した上で、市販のPVC(ポリ塩化ビニル)製床タイル(PVCクリア層(0.5mm)/PVCプリント層(0.1mm)/PVCバック層(2.5mm))と2層フィルムのアイオノマー(a2)層がPVC製床タイルのPVCクリア層に接着するように重ね、熱プレスを用いて120℃で30秒間圧着することにより、積層成形品を作成した。得られた積層成形品の表面は、帯電防止性、意匠性、防汚性、耐傷付き性(学振式摩耗試験)が改良され、2層フィルムとPVC製床タイルの接着強度も10N/25mm(90度剥離)と良好であった。
[実施例10]
実施例9で作成した2層フィルム(厚み330μm、構成比1/1)を、アイオノマー(a2)層表面にコロナ処理及びプライマー塗工を施した上で、市販のポリオレフィン印刷フィルム(厚み100μm)の印刷側と2層フィルムのアイオノマー(a2)層が接着するように重ね、120℃で30秒間圧着することにより、積層品を作成した。得られた積層品の表面は、帯電防止性、意匠性、防汚性、耐傷付き性(学振式摩耗試験)が改良され、積層品の層間接着強度も良好であった(材料破壊により剥離不能)。
[実施例11]
実施例3で作成した3層フィルムと、炭酸カルシウム60重量部とエチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%、MFR15g/10分)40重量部とからなる組成物の3mm厚プレスシートとを、3層フィルムの接着層に市販の接着剤を介して重ね、熱プレスを用いて120℃で30秒間圧着することにより、積層成形品を作成した。得られた積層成形品は、帯電防止性、意匠性、防汚性、耐傷付き性(学振式摩耗試験)に優れ、折り曲げ白化もなく、床材として好適である。
[実施例12]
実施例3で作成した3層フィルムと印刷された化粧合板とを、3層フィルムの接着層に市販の接着剤をコートして重ね、熱プレスを用いて120℃で30秒間圧着することにより、積層成形品を作成した。得られた積層成形品は、表面にニス塗工しなくとも、帯電防止性、防汚性、耐傷付き性(学振式摩耗試験)に優れており、意匠性も改良されている。

Claims (8)

  1. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)又はその組成物から選ばれる樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエーテルエステルアミド(d)又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分(B)を8〜30重量部の割合で配合してなるアイオノマー樹脂組成物。
  2. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)が、2価の金属イオンで中和されたアイオノマーである請求項1記載のアイオノマー樹脂組成物。
  3. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)が、2価の金属イオンで40%以上中和されたアイオノマーである請求項2記載のアイオノマー樹脂組成物。
  4. 樹脂成分(A)におけるアイオノマーの組成物が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(a)、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体(b)及びポリオレフィン(c)からなる組成物である請求項1記載のアイオノマー樹脂組成物。
  5. ポリエーテルエステルアミド成分(B)が、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が130〜160℃のもの(B−1)と、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が145〜175℃であって、(B−1)の融点より5℃以上高い融点を有するもの(B−2)の混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアイオノマー樹脂組成物。
  6. (B−1)と(B−2)の混合比[(B−1)/(B−2)]が、1/2〜5/1の範囲にあることを特徴とする請求項記載のアイオノマー樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアイオノマー樹脂組成物の層を含む単層又は多層のフイルム。
  8. 単層又は多層の基材に、請求項7記載の単層又は多層のフイルムを表皮材として積層してなる多層材料。
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