JP6107143B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
具体的には、感光体に対する一様帯電後に画像情報に対応した静電潜像が形成されると現像装置から供給される帯電トナーにより静電潜像が可視像化される。
可視像は、転写紙などの転写媒体に転写され、その後、熱と圧力あるいは溶剤気体によって転写媒体に融解・浸透作用を介して定着されることで出力画像とされる。
このため、これらの要求に応えるべく画像形成処理に用いられる部材の品質も高度に維持される必要がある。
クリーニング工程に用いられる構成には、ゴムブレードなどの安価で機構的に簡単な部材を用いる構成が一般的である。
小粒径のトナーを用いた画像形成装置では、残トナーがクリーニングブレードをすり抜けていく割合が多くなる。特に、クリーニングブレードの寸法精度、組み付け精度が十分でないことや、クリーニングブレードが部分的に震動した場合にトナーのすり抜けは激しくなってしまい高画質の画像形成を妨げてしまうことがあった。
摩擦を低減するための一般的なものとして、例えば、フルカラー画像形成を行うために複数の感光体を用いた場合には、各感光体表面に潤滑剤を供給して表面に保護層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
このため、各感光体を対象として同じ量で潤滑剤を供給すると、使用されていない感光体への無駄な潤滑剤の供給が行われることとなり、ランニングコストの面で不利となる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一実施例を示す図である。
同図に示されている画像形成装置1は、中間転写体として用いられる転写ベルト17の展張面に沿って異なる色の画像形成が可能な複数の作像部が並べられたタンデム型のカラー画像形成装置である。
画像形成部には、複数の作像部に用いられるプロセスカートリッジ10Y,10C,10M,10BKが転写ベルト17の展張面に沿って並べられている。なお、符号10の添え字であるYはイエローを、Cはシアンを、Mはマゼンタを、そしてBKはブラックを意味している。また、符号28は、各作像部の現像装置に向け補給するトナーを収容した補給タンクを示している。
転写ベルト17を挟んで各プロセスカートリッジと対向する位置には、1次転写部材としての1次転写ローラ14が配置されており、各プロセスカートリッジで形成されたトナー像を転写ベルト17に静電転写できるようになっている。
転写ベルト17は複数のローラに掛け回されており、その一つのローラには、記録紙への2次転写を行うための2次転写部材としての2次転写ローラ18が対向して配置されている。
転写ベルト17に担持されているトナー像は、2次転写位置において記録紙Pに対して所望の色のカラー画像が転写される。
2次転写位置を通過した記録紙Pは、熱ローラ定着方式を用いる定着装置20によって定着工程を経た後、排出ローラ29を介して排紙トレイ5に向け排出される。なお、複写物出力動作に関しては後で説明する。
フルカラー画像形成時には、各作像部に有する像担持体である感光体に相当するドラム状の感光体(以下、感光体ドラムという)11に転写ベルト17の展張面が対向当接する。
一方、黒色(BK)画像のみの場合には、この色以外の作像部と転写ベルト17との対向当接が解除される。
このための方法としては、例えば、転写ベルトの展張方向両端に位置するローラの一つを、黒色以外の画像を形成可能な作像部に対して転写ベルト17を接離する位置に変位させる方法がある。転写ベルト17が黒色(BK)以外の色の作像部から離間する場合には、転写ベルト17の内側に位置している1次転写用の転写ローラ14も同じ方向に移動する。
(1)各作像部のうちで、使用頻度の高い作像部にのみ潤滑剤供給機構16が設けられている。
(2)潤滑剤供給機構16を備えた作像部は、中間転写体として用いられる転写ベルト17の展張面が移動する方向の上流側若しくは最下流に位置決めされて配置されている。
(3)潤滑剤供給機構16を備えた作像部は、転写ベルト17が黒色(BK)以外の作像部に対して接離可能に設けられている場合に転写ベルト17の展張面が移動する方向の最下流側に位置決めされている。
(4)使用頻度の高い作像部に設けられている潤滑剤供給機構16から供給される潤滑剤は、感光体ドラム11に当接している転写ベルト14を介して、転写ベルト14が移動する方向の上流側にて次段の位置にある作像部の感光体ドラム11に供給される。
(5)各作像部に有する感光体ドラム11への帯電処理に用いられる帯電方式として、潤滑剤供給機構を備えた作像部では直流(DC)と交流(AC)成分を重畳させた非接触帯電方式が、そしてこれ以外の作像部では直流(DC)のみの接触帯電方式が用いられる。
図2および図3は、作像部に用いられるプロセスカートリッジの構成を示す模式図であり、図2は、使用頻度の高い色である黒色(BK)の画像を形成可能なプロセスカートリッジを、そして図3は、黒(BK)以外の作像部のプロセスカートリッジを示している。
図2において、各作像部に用いられるプロセスカートリッジの内部には、画像を担持可能な感光体ドラム11が備えられている。
これら各種装置としては、帯電装置12、潜像形成に用いられる書き込み装置6、現像装置13、1次転写ローラ14、クリーニング装置15および潤滑剤供給機構16が相当している。
感光体ドラム11の周囲に配置されている各装置のうちで、帯電装置12および潤滑剤供給機構16を除く他の装置に関しては、周知の電子写真複写工程に用いられる装置と同じ構成とされている。つまり、書き込み装置6に関しては、図示しないが、色分解色毎に感光体への書き込み光を照射可能なレーザ光源、偏光手段であるポリゴンミラー、感光体への光路を構成する複数のミラー、レンズが用いられている。
このため現像装置13には、感光体ドラム11に現像剤を供給する現像剤担持体である現像スリーブ13a、現像剤撹拌搬送部材13b1,13b2および現像スリーブ13aに担持される現像剤量を規定する層厚規制ブレード13cが装備されている。
クリーニング装置15には、感光体ドラム11から未転写トナーを除去するクリーニングブレード15a、除去されたトナーを回収する回収部材15bが備えられている。クリーニング装置15により感光体ドラム11から除去される物質としては、未転写トナーや紙粉さらには、帯電時に生じる放電生成物が該当している。
固形潤滑剤16aは、脂肪酸金属塩の一つであるステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解した後、成形により固形状とされ、加圧部材として用いられる圧縮スプリング16cによって塗布部材16bに向け付勢されている。
固形潤滑剤16aは、感光体ドラム11との間に位置する塗布部材16bにより掻き取られることにより感光体ドラム11に供給される。
塗布部材16bには、発泡弾性層の外周面にブラシ毛が植毛された回転ブラシが用いられている。
塗布部材16bにより感光体ドラム11に供給される潤滑剤は、均しブレード16dによって均一な厚さに均される。
固形潤滑剤16aは、図4に示す構成により塗布部材16bに向けて付勢されている。
つまり、図4において、固形潤滑剤16aはケーシング16e内で摺動可能な支持ブレード16fに取り付けられている。
支持ブレード16fは、固形潤滑剤16aの支持面と反対側の面が押圧面とされている。
つまり、押圧面には、ケーシング16eにより揺動可能に支持されている一対の押圧プレート16gの揺動端が接触している。押圧プレート同士は、対向面間に配置されている引っ張りバネ16hの習性により支持ブレード16fを押圧する向きに揺動可能である。
この構成において、固形潤滑剤16aの消費量に応じた厚さの変化に追随して押圧プレート16gが揺動するので、固形潤滑剤16aの厚さ変化に拘わらず、一定した力により固形潤滑剤16aは塗布部材16bに向け付勢される。
潤滑剤供給機構16を備えている作像部では、図2に示すように、帯電部材として用いられる帯電ローラ12aが感光体ドラム11に対して非接触とされた非接触帯電方式が用いられ、直流(DC)と交流(AC)を重畳した帯電バイアスが印加される。なお、図2において符号δは、感光体ドラム11に対する対向間隙を示している。
これに対して潤滑剤供給機構を備えていない作像部では、図3に示すように、帯電ローラ12a’が感光体ドラム11に当接する接触帯電方式が用いられ、直流(DC)の帯電バイアスが印加される。
潤滑剤供給機構16において感光体ドラム11に供給される潤滑剤は、感光体ドラム11に接触する転写ベルト17に一部が転移する。
転写ベルト17の移動に伴い、転写ベルト17の展張面が移動する方向の最上流側に位置して黒色(BK)の作像部に対する次段の作像部であるイエロー(Y)をはじめとする作像部には、転写ベルト17を介して潤滑剤が供給されることになる。上述した次段の作像部は、最も早く潤滑剤の供給を受ける作像部に相当している。
特に、転写ベルト17に常時接触する関係を持つ作像部に潤滑剤供給機構を備えることにより、転写ベルト17への潤滑剤の供給機会が継続されることになるので、画像形成時以外でも他の作像部への潤滑剤供給が可能となる。このため、使用頻度の低い作像部での感光体での摩擦係数が増加するのを防止すると共に潤滑剤の安定供給が可能となる。
他の特徴としては、感光体ドラム11への帯電に用いられる帯電ローラ12aへの潤滑剤の付着に着目し、付着状態を均一化して帯電ムラが生じるのを防止する点にある。
図5により、この原因について説明すると次の通りである。
図5には、図1に示した構成と違って、転写ベルト17における上方の展張面上部に感光体ドラム11を対向させた構成が示されている。なお、図5では図2,3において説明した部材については同符号により示してある。また、符号BCLは、転写ベルト17のクリーニング装置を示している。
この構成のための帯電ローラ12aの形状としては、長手方向両端部が中央部に対して拡径された鼓状とすることができる。
(B)(A)に挙げた対向間隙の関係を設定するために、図2に示すように、転写ベルト17の下方に位置する展張面の下部に感光体ドラム11が、そして感光体ドラム11の下周面側で帯電装置12の帯電ローラ12aが対向している。図7は、感光体ドラム11と帯電ローラ12aとの配置構成を示す図であり、同図において、帯電ローラ12aは、自重により長手方向中央部での撓み量が最大となる。
つまり、接触帯電方式では、帯電ローラ12aが感光体ドラム11に対して当接することが前提となっている。このため、上述したような理由により帯電ローラ12aの長手方向中央部での潤滑剤付着量が他の位置よりも増加傾向となる。そこで、上述した構成を用いることで長手方向中央での付着量低減化が可能となり、帯電ムラを抑制することができる。
(C)感光体ドラム11と帯電ローラ12aとが接触することで得られる帯電幅を形成する接触幅を長手方向中央よりも長手方向端部側が広くされている。
この場合の帯電幅を形成する接触幅は、図8(A)において黒色で表示するように、長手方向中央での接触面積が端部よりも小さくされている状態を意味する。なお、図8(B)は、上述した帯電幅が長手方向中央および端部でそれぞれ同一の状態を示している。
本実施例での別な特徴には次の特徴がある。
(D)転写ベルト17を介して潤滑剤の供給を受ける側の作像部において、転写ベルト17が移動する方向の最上流側に位置する作像部を対象として、帯電ローラ12aと感光体ドラム11とは線速差を生じない関係で連動する。
この特徴においては、両者間に速度差が生じていることによる潤滑剤の掻き取り作用の増加を防止して帯電ローラ12aへの潤滑剤の付着を抑制することができる。
この構成においては、転写ベルト17を介して潤滑剤が感光体ドラム11に供給される作像部のうちで、最も多くの潤滑剤が供給される位置である転写ベルトの移動方向最上流側の作像部での帯電ローラの抵抗増加をバイアス電位の上昇により打ち消すことができる。これにより、帯電ローラ12aで潤滑剤の付着量が多い場合でも感光体ドラム11に対する帯電量の低下が防止されることになる。
このための構成には、第1に固形潤滑剤、第2に帯電ローラの清掃、第3に感光体から未転写トナーを除去するクリーニング部材、第4に感光体表面の状態がある。
第1の固形潤滑剤に関しては、長手方向中央部の硬度を長手方向端部も硬度よりも高くする。
これにより、圧縮バネ16cの付勢により塗布部材16bに押圧された潤滑剤16aは、塗布部材16bによる掻き取り量が長手方向中央において端部側よりも抑えられことになる。
このため、感光体ドラム11に供給される潤滑剤も長手方向での供給量が端部側よりも少なくされるので、塗布部材16bの撓み変形による長手方向でのニップが増加した場合でも、長手方向中央での潤滑剤の付着量を少なくできる。
この結果、転写ベルト17から潤滑剤の供給を受ける作像部では、感光体に付着した潤滑剤が長手方向で均等化された状態であるので、帯電ローラに潤滑剤が付着した場合でも帯電ローラの長手方向での付着状態が均等化されて帯電ムラの発生が抑えられる。
図9に示す構成は、図4に示したように、転写ベルト17の上方に感光体ドラム11を配置し、帯電ローラ12aが感光体の上周面に対向して配置されている構成を対象としている。なお、図2,3に示した構成を対象とすることも可能である。
転写ベルト17の移動方向最上流側、つまり、潤滑剤供給機構16を備えた作像部から転写ベルト17に供給された潤滑剤が最初に感光体ドラム11に供給される作像部(符号10Yで示す)には、クリーニング部材12bが帯電ローラ12aに接触させてある。
つまり、帯電ローラ12aの長手方向で中央部が端部側よりも対向間隔が小さくなることで帯電幅に相当する接触幅を小さくされている。これにより、帯電ローラ12aの長手方向中央部での掻き取り量が端部側での掻き取り量よりも多くなる。
しかも帯電ローラ12aに接触する際には、バネによる付勢が自身の弾性変形に夜収縮変形に繋がることから、帯電ローラ12aの長手方向に沿った接触性が向上することによっても長手方向全域での掻き取り量を確保できることになる。
この結果、帯電ローラ12aでは長手方向での潤滑剤の付着が避けられるので、長手方向での帯電ムラの発生が解消されることになる。
図2,3に示したように、2次転写後の感光体ドラム11から未転写トナーを除去するクリーニング装置15には、感光体ドラム11に接触する先端を有したクリーニングブレード15aが用いられている。
クリーニングブレード15aは、図11に示すように、感光体ドラム11の移動方向に相対する向きに先端が感光体ドラム11の表面に接触するカウンタ接触が用いられている。
各作像部に設けられているクリーニングブレード15bのうち、転写ベルト17を介して潤滑剤が感光体ドラム11に供給される作像部で最も早く潤滑剤の供給を受ける位置にある作像部のクリーニングブレード15bは、他の作像部のそれよりも硬度が高い。
つまり、転写ベルト17の移動方向最上流に位置する作像部10Yに備えられているクリーニングブレード15bは、他の作像部10C,10Mに対して感光体ドラム11との接触面15a1の硬度が高くされている。
潤滑剤のすり抜けを防止するための構成としては、上述した構成とは別に感光体ドラム11の長手方向に平行するクリーニングブレード15bの幅方向中央での接触圧力を長手方向端部側よりも強めることによっても可能である。
均しブレード16dは、感光体ドラム11の移動方向に倣う向きに先端が接触するトレーリング接触が用いられることにより、潤滑剤を堰き止めることなく均すようになっている。
この場合には、前述したように、帯電ローラの長手方向中央部での潤滑剤の付着量が端部側よりも多くなる現象が見受けられる。
これにより、感光体ドラム11上で均しブレード16dの長手方向中央では、潤滑剤のすり抜けが抑制される。これにより、感光体ドラム11に対向する帯電ローラ12aに付着する潤滑剤が長手方向中央で抑制されて長手方向全域に亘って均一な付着量とされる。
この結果、帯電ローラ12aの長手方向で潤滑剤の付着量の違いによる表面抵抗の変化を抑制して帯電ムラの発生を防止できる。
第4の構成は、感光体表面での組成を潤滑剤が付着しにくい組成とする点に特徴がある。
つまり、潤滑剤供給機構16を備えた作像部10BKに有する感光体ドラム11には、図12に示すように、微粒子からなるフィラー材11aが表面層に散在させてある。フィラー材11aの分布は、転写ベルト17との間に形成されて転写ニップ幅を確保するためにその領域では分布密度が低く、それ以外の長手方向両側域では分布密度が中央部よりも高められている。
(一)使用する現像剤を利用する。
(二)帯電ローラの表面形態を変更する。
(三)潤滑剤の塗布部材によるバイアス制御を行う。
(四)低湿低温環境下においては、この環境下以外の場合に対して塗布部材の線速を低速に切り換える。
まず、(一)に関する構成としては、最も早く転写ベルト17から潤滑剤の供給が行われる作像部10Yでの現像装置に現像剤にトナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる。
これにより、現像剤に含まれているキャリアによって感光体に付着している潤滑剤の一部が掻き取られるので、過剰な潤滑剤が帯電ローラに付着するのを避けることができる。
なお、二成分系現像剤を用いる構成は、潤滑剤供給機構16を備えた作像部10BKの現像装置を対象とすることもできる。これにより、転写ベルト17への過剰な潤滑剤の付着を抑えて、転写ベルトから最も早く潤滑剤の供給を受ける作像部10Yでの帯電ローラ12aへの潤滑剤の付着を抑制する。
この構成においては、表面での凹部が浅くなることで潤滑剤の除去が容易となる。
これにより、感光体ドラム11に付着している潤滑剤をトナーと共に記録紙Pに転写させることができる。この結果、感光体ドラム11に付着している過剰な潤滑剤がなくなることで帯電ローラ12aへの潤滑剤の付着量が低減されて帯電ローラ表面での帯電バイアス効果の悪化を抑えることができる。
(四)に関する構成は、潤滑剤の消費量に影響する項目である。つまり、潤滑剤の材料によって、低温低湿環境下において削り取られやすくなる特性がある場合には塗布部材16bの回転数を下げて線速をこの環境下以外での速度以下とすることにする。これにより、掻き取り量が低減されて消費量を一定化することができる。このような環境変化による潤滑剤の消費量を抑えるための対策としては、潤滑剤の長手方向中央部を凹状として塗布部材16bによる掻き取り量を低減することでも可能となる。
原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。
そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査する。原稿にて反射した光は、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。
原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。
さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(図示されず)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。
そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12a又は12’aとの対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である)。
感光体ドラム11上には、帯電ローラによる帯電バイアスによって帯電電位が形成される。
書込部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である)。
各色の画像情報に応じた書込処理、いわゆる露光工程が行われると、感光体ドラム11にはそれぞれ静電潜像が形成される。
現像剤中のトナーにより可視像処理されたトナー像は、感光体ドラム11に対向すると1次転写ローラ14による転写バイアスを受けて転写ベルト17に転写される(1次転写工程である)。
転写ベルト17への1次転写後の感光体ドラム11は、クリーニング部(以下クリーニング装置ともいうことがある)15において未転写トナーが除去された後(クリーニング工程である)、帯電装置12において帯電工程を実行されて次の画像形成に備えられる。
2次転写位置にて転写ベルト17から重畳画像を一括転写された記録紙Pは、前述したように、定着装置20において熱と圧力によりトナー像を記録紙Pに融解・浸透させて定着される。
以上はフルカラー画像を形成する場合の動作であるが、黒色(BK)の作像時には、転写ベルト17が他の色の作像部から離間することで単一色のみを対象とした画像形成処理が実行される。黒色(BK)は、フルカラー画像形成時の階調性向上のためにも用いられることから、単一色の画像形成時のみでなく常時転写ベルト17に対向し、感光体ドラム11を転写ベルト17に接触させている。
また、トナー容器28内には、新品のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである)が収容されている。
トナー容器28(トナーボトル)の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
図示は省略するが、現像部13内のトナーの消費は、感光体ドラム11に対向する反射型フォトセンサと、現像部13の第2搬送スクリュ23b2の下方に設置された磁気センサと、によって間接的又は直接的に検知される。
感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
感光体ドラム11の感光層は、積層構造とすることもできるし、単層構造とすることもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることができる。
具体的には、電荷発生物質として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等を用いることができる。
これらの電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布して、乾燥することにより形成される。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当である(さらに、好ましくは0.1〜2μm程度である)。
また、必要により単独又は2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対して、20〜300重量部(好ましくは、40〜150重量部である)が適当である。
また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から25μm以下にすることが好ましい。
下限値に関しては、作像プロセス(特に、帯電電位等である)によって異なるが、5μm以上が好ましい。
単層構造の感光層は、上述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解又は分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布、乾燥することによって形成できる。
電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。
また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては上述の電荷輸送層の形成時に用いる結着樹脂の他に、上述の電荷発生層の形成時に用いる結着樹脂を混合して用いてもよい。
さらには、高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。
結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましい(さらに好ましくは50〜150重量部である)。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
感光体ドラム11の下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂の上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、これらの下引き層は、上述した感光層と同様に、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
下引き層の膜厚は、0〜5μm程度が適当である。
感光体ドラム11の保護層は、感光体ドラム11表面における機械的磨耗を軽減するためのものである。
架橋構造は、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用して、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を生じさせることで形成される3次元の網目構造である。
この網目構造を有するバインダー樹脂は、高い耐摩耗性を発揮することになる。
電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上述の反応性モノマーとして、全部又は一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することもできる。
このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成されて、保護層としての機能も充分に発揮される。
これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに、塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減等の機能付与のために、1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することもできる。
保護層は、熱又は光を用いて正孔輸送性化合物の重合又は架橋をおこなって形成される。
熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合とがあるが、より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。
この場合の重合開始剤とは、主には波長400nm以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成して、重合を開始させるものである。
なお、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーからなる保護層を形成して、上層(表面側)には架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物であるが、これに限定されるものではなく、例えば、これらを混合して使用してもよい。本発明では、ステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れるという利点があることを理由に用いられている。
具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。例えば窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑する。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
10BK 潤滑剤供給機構を備えた作像部をなすプロセスカートリッジ
10Y 転写ベルトを介して最も早く潤滑剤の供給を受ける作像部をなすプロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
12a 帯電ローラ
15 クリーニング装置
15a クリーニングブレード
16 潤滑剤供給機構
16a 固形潤滑剤
16b 塗布部材
16d 均しブレード
Claims (14)
- 展張面を有する移動自在な中間転写体の前記展張面に沿って並べられている複数の作像部にそれぞれ像担持体を備え、該像担持体に対する帯電、潜像形成、現像および転写の各工程を実行した後、該像担持体のクリーニング工程を実行する機構を備えた画像形成装置において、
前記各作像部の前記像担持体のうちの一つを対象として潤滑剤供給機構が設けられ、他の作像部の前記像担持体には前記潤滑剤供給機構が設けられておらず、前記潤滑剤供給機構から供給される潤滑剤が前記中間転写体を介して前記他の作像部の前記像担持体に向けて搬送され、
前記潤滑剤供給機構を備えた前記作像部の前記像担持体に対する帯電方式には直流(DC)と交流(AC)とを重畳させた非接触帯電方式が用いられ、前記他の作像部の前記像担持体に対する帯電方式には直流(DC)のみの接触帯電方式が用いられることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤供給機構は使用頻度の最も高い色の画像形成に用いられる前記作像部を対象として備えられ、前記使用頻度の最も高い色の画像形成に用いられる前記作像部は前記展張面の移動方向に沿って配置された前記各作像部のうちの前記移動方向最下流位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
前記中間転写体が使用頻度の最も高い色の画像形成に用いられる前記作像部以外の前記作像部に対して接離可能であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記接触帯電方式に用いられる帯電装置は、前記像担持体の長手方向における帯電幅がその中央に比して端部側が大きくなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記非接触帯電方式に用いられる帯電装置は、前記像担持体の長手方向における前記像担持体との対向間隙がその端部側に比して中央が広くなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記接触帯電方式に用いられる帯電装置は、前記像担持体の下方において前記像担持体に対向して配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記非接触帯電方式に用いられる帯電装置は、前記長手方向における形状が鼓状であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4ないし7の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記帯電装置は帯電ローラであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8記載の画像形成装置において、
前記帯電ローラは前記像担持体と線速差なしに連動することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし9の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記展張面の移動方向に沿って配置された前記他の作像部のうちの前記移動方向最上流位置に配置された作像部において印加される帯電バイアスの中心電位の絶対値は、該作像部を除く前記他の作像部において印加される帯電バイアスの中心電位の絶対値よりも大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし10の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤供給機構にて使用される潤滑剤は固形状であり、該潤滑剤はその長手方向中央部における硬度が長手方向端部における硬度よりも高く設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし11の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤供給機構は前記像担持体にトレーリング接触すると共に前記像担持体上での潤滑剤の層厚を規制する均しブレードを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12記載の画像形成装置において、
前記均しブレードは前記像担持体の長手方向中央部における前記像担持体への当接圧力が前記長手方向端部における前記像担持体への当接圧力に比して大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし13の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤供給機構は前記像担持体に前記潤滑剤を供給する回転自在な塗布部材を有し、低温低湿環境下では前記塗布部材の回転速度が他の環境条件下に比して低速に切り替えられることを特徴とする画像形成装置。
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