JP2009069772A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低ランニングコストを維持し、高寿命が可能で、しかも高寿命像担持体で顕著に発生する初期(特に通紙枚数が1-1000枚)からの画像流れを防ぐとともに、環境に配慮し、しかも簡易なで小スペース化も可能な構成を提供する。
【解決手段】 転写後の像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニングエッジを有するクリーニングブレードを備えている画像形成装置において、前記クリーニングブレードの当接エッジ付近に一次粒子の平均粒径が30〜300nmであり、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し且つペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体であり、更に該無機微粉体は、600nm以上の粒径を有する粒子及び凝集体の含有率が1個数%以下である無機微粉体を塗布する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等において像担持体表面を清掃するためのクリーニング装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置におけるクリーニング装置において、像担持体を清掃するクリーニング部材としてクリーニングブレードを有するものが知られている。
例えば電子写真方式の画像形成装置においては、帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセスの各画像形成プロセスを経て感光ドラム(像担持体)上にトナー像を形成し、このトナー像を転写プロセスによって感光ドラム上から記録材(例えば紙)上及び中間転写体(ベルト等)に転写される。この転写プロセスにおいて、感光ドラム上のトナー像を構成するトナーは、そのすべてが転写されるわけではなく、少量のトナーが感光ドラム表面に残る(中間転写体から紙においても同様)。このようにして感光ドラム表面に残ったトナー(以下「残留トナー」という。)は、上述のクリーニングブレードによって除去される。
近年、電子写真方式の画像形成装置も小スペース化及び低コスト化が益々盛んになってきている中、ランニングコストを重視する傾向がある。そのため、像担持体(感光体)についても、高寿命像担持体が一般的となり、その表層材料が従来の4分の1以下の削れ量しかないものも多くなってきている。つまり、削れ量が4分の1以下になるということは、従来、30〜70K枚しか寿命(削れ量)がもたなかったものが、120K〜300K近くまで延ばせるということになる。
ただ、このような削れ量が少ない高耐久ドラムにおいては、帯電の際、発生したNOx[窒素酸化物]やO3[オゾン]が帯電生成物602となり、該帯電生成物602が像担持体上、残存しやすく、そのため高湿度環境下においては、ドラム上の帯電生成物が雰囲気中の水分604を吸着し、ドラムの低抵抗化が起こり、画像がかすれたような画像抜けが発生してしまう。このことを、通常、画像流れと呼んでいる。
これらの対策としては、高湿環境下で水分を乾燥させるためのドラムヒーターを使用し、ドラムヒーターの制御で対策することが一般的である(例えば特許文献1参照)。
また、他の対策としては、トナー中に研磨作用を有する粒子(以下、研摩粒子あるいは無機微粒体と称す)を添加し、前記の如き感光体表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善させることが知られている。しかしながら従来用いられていた研磨粒子は粒径が大きく、粒度分布もブロードなため感光体表面を均一に研磨するには、トナーに多量に添加する必要があるが、多量に添加すると現像特性(特に飛散や反転かぶり、研磨粒子の蓄積)への問題が発生しやすかった。この点を改良したものとして、粒径を細かく疎粒を少なくしたチタン酸ストロンチウムを提案し、少量添加で優れた研磨効果がある無機微粉体を提案しているものもある(例えば特許文献2参照)。
さらに研摩剤として、ドラム周りに補助ブラシを介して塗布することも一般的である(例えば特許文献3参照)。
特許第35577452号公報 特開平10-10770号公報 特開2004-53892号公報
しかしながら、ドラムヒーターについては、近年の環境対応として、不用意なエネルギーの使用は好まれていない。また、トナー中に研摩粒子を混入するのは、通紙枚数が多い機械(高速機)などは良いが、中・低速機など1日の通紙枚数が少ない機械においては、トナーがクリーニングブレードに介在するまでは時間がかかり、特に、初期の数枚(1000枚)までは非常に厳しいものとなる。更には、補助ブラシについても同様で、初期の数枚までは効果が発揮され難いし、どうしても装置大きくなったり(大スペース化)、複雑になったりしてしまう。これは、研摩粒子がクリーニングブレードニップ部に滞留して、感光ドラムと摺擦して、効果を発揮するため、いかにクリーニングブレードに研摩粒子を滞留させる事ができるかが初期の画像流れに効果があるかが分かった。特に本発明で限定される研摩粒子においては、クリーニングブレードの特性、つまり摺擦(あるいは保持)能力を示す反発弾性と研摩粒子の量に深い関係があることがわかった。
そこで、本発明においいては、低ランニングコストを維持し、高寿命が可能で、しかも高寿命像担持体で顕著に発生する初期(特に通紙枚数が1-1000枚)からの画像流れを防ぐとともに、環境に配慮し、しかも簡易なで小スペース化も可能な構成を提供できることを目的とする。
本発明は下記の構成を特徴と画像形成装置である。
(1)25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錘ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ弾性変形率Weが40%以上65%以下である像担持体を有し、該像担持の表面に圧接して転写後の像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニングエッジを有するクリーニングブレードを備えている画像形成装置において、前記クリーニングブレードの当接エッジ付近に一次粒子の平均粒径が30nm〜300nmであり、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し且つペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体であり、更に該無機微粉体は、600nm以上の粒径を有する粒子及び凝集体の含有率が1個数%以下である無機微粉体を塗布したことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記クリーニングブレードのエッジ部分に塗布する無機微粒子体の塗布量は1mg/cm2以上1g/cm2以下であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記クリーニングブレードのエッジエアー面側、カット面側ともに10μm以上5mm以内に前記無機微粉体を塗布したことを特徴とする(1)、又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記クリーニングブレードの反発弾性が5%以上50%以下であることを特徴とする(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記クリーニングブレードのエッジ部分に塗布する無機粒子体の塗布量と前記クリーニングブレードの反発弾性の関係が
y≧0.4642e0.1535x
5≦x≦50、1≦y≦1000
(x:反発弾性、y:無機微粒子体の塗布量)
であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記像担持体の削れ量が0.01μm/10K枚以上、0.5μm/10K枚以下であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記クリーニングブレードと、前記像担持体の静的当接ニップが10〜50μmであることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記画像形成装置のプロセススピードが100-250mm/sであることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錘ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ弾性変形率Weが40%以上65%以下である像担持体を有し、該像担持の表面に圧接して転写後の像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニングエッジを有するクリーニングブレードを備えている画像形成装置において、前記クリーニングブレードの当接エッジ付近に一次粒子の平均粒径が30nm〜300nmであり、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し且つペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体であり、更に該無機微粉体は、600nm以上の粒径を有する粒子及び凝集体の含有率が1個数%以下である無機微粉体を塗布することで、従来から問題になっている、高寿命像担持体で顕著に発生する初期、画像流れを防止すると共に、低ランニングコストを維持し、高寿命を可能にし、及び省エネルギーも維持し、更には簡易で小スペースな構成を可能にする。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。また、本発明における像担持体である感光体について以下に説明する(以下、像担持体を感光体、もしくは感光ドラムと称す。)。
(1)画像形成装置
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例を示す。同図に示す画像形成装置は、レーザビームプリンタであり、同図はその概略構成を示す縦断面である。なお、以下では、本発明に係るクリーニング装置11(後述)がクリーニング対象とするクリーニング対象物が、像担持体(感光ドラム)12である場合を例に説明する。
このレーザビームプリンタはイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色毎にトナー像を形成する4基のプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kを備えると共に、各プロセスユニットからトナー像が一次転写される中間転写ベルト13を備え、かかる中間転写ベルト13に多重転写されたトナー像を記録シートPに二次転写してフルカラー画像を形成するように構成されている。
上記中間転写ベルト13は無端状に形成されると共に一対のベルト搬送ローラ13a, 13bにかけ回されており、矢線方向に回動しながら各色プロセスユニット10Y、10M、10C、10Bkで形成されたトナー像の一次転写を受けるように構成されている。また、中間転写ベルト13を挟んで一方のベルト搬送ローラ13aと対向する位置には二次転写ローラ15が配設されており、記録シートPは互いに圧接する転写ローラ15と中間転写ベルト13aとの間に挿通されて、かかる中間転写ベルト13aからトナー像の二次転写を受けるようになっている。
この中間転写ベルト13の下側には前述した4基のプロセスユニット10Y、10M、10C、10BKが並列的に配設されており、各色の画情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト13に一次転写するようになっている。これら4基のプロセスユニットは中間転写ベルト13の回動方向に沿ってイエロー10Y、マゼンタ10M、シアン10C及びブラック10Kの順に配置されており、最も頻繁に使用されるであろうブラックのプロセスユニット10Kが最も二次転写位置の近傍に配置されている。また、これらプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kの下方には、各プロセスユニットに設置されている感光体ドラム12を画情報に応じて露光するラスタ走査ユニット120が配設されている。このラスタ走査ユニット120は全てのプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kに共用されており、各色の画情報に応じて変調されたレーザ光Lを発する4基の半導体レーザ(ここでは図示せず)と、高速回転してこれら4本のレーザ光Lを感光体ドラム12の軸方向に沿って走査する1基のポリゴンミラー121とを備えている。そして、ポリゴンミラー121によって走査された各レーザ光Lはミラー(ここでは図示せず)によって反射されながら所定の経路を進んだ後、ラスタ走査ユニット120の上部に設けられた走査窓122を通して各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム12を露光するようになっている。
また、各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム12と、この感光体ドラム12を一様な背景部電位にまで帯電させる帯電ローラ16と、上記レーザ光Lの露光によって感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置17Y、17M、17C、17Kと、トナー像を記録シートPに転写した後の感光体ドラム12の表面から残留トナーや紙粉を除去するクリーニング装置11を備えており、感光体ドラム12上に各色の画像情報に応じたトナー像を形成し得るように構成されている。
(2)クリーニング装置
ここで、図2にクリーニング装置11の詳細について説明する。この場合のクリーニング装置の枠体21、クリーニングブレード(クリーニング部材)22、廃トナー搬送スクリュー23、飛散防止シート24で構成されている。また、感光ドラム12は矢印26の報告に回転し、このうち、クリーニングブレード22は、板状の弾性体によって形成さえて枠体21の下の部分に固定ドラムの下の方に位置に上向きに構成されている。飛散防止部材はブレードに対して上流側に形成されブレードでかきとったトナーが飛散(矢印27)しないようにドラム12と接触されている。
このクリーニングブレード22材質としては、一般的なものとして、例えばポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム等のエラストマー等適度の弾性と硬度を有する材料であればいずれでもよい。特に、摩擦により感光体ドラムを傷付けず、耐摩耗性の大きなポリウレタンが好ましい。更に、永久歪が小さいことを考えて、2液性熱硬化型ポリウレタン材料を用いることもある。硬化剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ハイドロキノンジエチロールエーテル、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の一般的なウレタン硬化剤を用いることができる。
本発明で使用可能なブレードについては、反発弾性が研摩粒子と像担持体との摺擦に影響を及ぼすため、反発弾性は、5%以上50%以下が良い。5%より小さいとクリーニング性能自体が弱くなり、トナーのすり抜けが発生する。また、50%より高くなると先端の微振動で研摩粒子を保持できなくなる。尚、この明細書中において、クリーニングブレードの先端部における反発弾性は、日本工業規格(JIS−K−6301)に規定される反発弾性試験によって測定した値を示す。また、本発明に係わる反発弾性については、上記材料や硬化剤の配合で調整可能する。
また、研摩粒子の塗布量と反発弾性の関係は後で詳細を述べる。
ここで、クリーニングブレードとドラムとの接触部(以後、ニップと呼ぶ)28としては、静的な位置で判断して10〜50μmが良い。10μmより小さいと研摩粒子601が滞留し難く効果がない。また50μmより大きいと先端が腹当たり気味になりクリーニング性能に難をきたす。ニップを定義する際のクリーニング条件としては、例えば、固定式(バネ加重などのない)クリーニングブレードの場合、主に、クリーニングブレードの設定角801と侵入量802で決まる。ニップの測定方法としては、図8の断面図で示すように透明なガラス81に対して必要設定条件(設定角801、侵入量802)を治具805に固定して、光学顕微鏡803(orルーペ)などでクリーニングブレードが接触している部分804を透明なガラス81の裏から読み取る。これを感光ドラム上のニップ28とみなす。
(3)クリーニングブレードエッジ部に塗工する研磨粒子
本発明に係わる、クリーニングブレード先端部に塗布する研磨粒子601としては、粒子形状が概略立方体及び/又は直方体であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いることで、静電荷潜像担持体表面に付着した帯電生成物602の除去を効率的に行えることができる。該研摩粒子601の粒子形状が概略立方体及び/又は直方体であることで、研磨粒子と静電荷潜像担持体表面との接触面積を大きくすることができ、又、研磨粒子の立方体及び/又は直方体のエッジ(いわゆる直角のエッジ)が形成されていることでクリーニングブレードに保持されやすくなる。
本発明において用いる無機微粉体は、ペロブスカイト型の結晶構造を有している。ペロブスカイト型結晶の無機微粉体の中でも特に好ましいものは、例えば、チタン酸ストロンチウム微粉体、チタン酸バリウム微粉体、チタン酸カルシウム微粉体であり、この中でもチタン酸ストロンチウム微粉体が更に好ましい。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、一次粒子の平均粒径が30〜300nmであり、好ましくは40〜300nmであり、40〜250nmであることが更に好ましい。平均粒径が30nm未満ではクリーナー部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、一方、300nmを超えると上記研磨効果が強すぎるため静電荷潜像担持体(感光体)にキズが発生するため適さない。
又、該ペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、トナー粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも600nm以上の粒径を有する凝集体の含有率が1個数%以下であれば、良好な結果が得られる。600nm以上の粒子及び凝集体を1個数%を超えて含有している場合には、一次粒径が300nm未満であっても、静電荷潜像担持体にキズが発生するため、適さない。
本発明におけるペロブスカイト型結晶の無機微粉体の平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、一次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2として求めた。又、本発明で用いるペロブスカイト型結晶無機微粉体中の、粒子形状が概略立方体及び/又は直方体である粒子の含有率を50個数%以上にすることで、更に効率的に帯電生成物の除去が行えるので好ましい。
この研摩粒子の塗工量と塗工領域について詳細に説明する。
ブレードエッジ部は、図7の断面図で示すように斜線部701がエアー面側で網目部702がカット面側と呼ばれている。共に塗布領域703、704は10μm以上5mm以下が良い。10μm未満だとニップ領域に対して小さく、効果が十分に発揮されない。また、5mmより大きい幅だと塗りすぎる傾向があり、画像流れにはよりよい傾向であるが、別の機内汚染等の問題が発生する。カット面側に関してはブレード厚み705が最大塗布領域となる(説明省略)。
また、研摩粒子601の塗布の仕方としては、一般的な潤滑剤と混合して塗布しても効果ある。その潤滑剤の具体例としては、例えば、四フッ化エチレン、フッ化ビニデリデン、フッ化カーボン等のフッ素樹脂、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、フッ化黒鉛、ステアリン酸亜鉛等を平均粒径が0.5〜10μm程度に粉砕したもの、あるいしゃ、球状のシリコン樹脂が用いられる。また、クリーニングブレードへの塗布には、例えば粉体を揮発性の有機溶媒に分散させた分散液が用いられたり、直接、粉のまま塗布される。分散液の具体的な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケント、シクロヘキサン等のケント類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類等を用いることができる。塗布手段は、ハケや筆で行ってもよいが、自動塗布機(例えば、所定量の分散液の吸込みと吐出しとができる塗布部と、その塗布部をプログラム等で動かせる可動部とからなるロボット)を用いれば、塗布された液量と塗布域との正確な管理が行えるのでより好ましい。
塗布量については、研摩粒子量とクリーニングブレードの反発弾性との関係があるので後述詳しく説明するが、基本的には塗布量が1mg/cm2以上1g/cm2以下になることが良い。1mg/cm2より少ないと、これは、クリーニングブレードに塗布した意味が無いぐらい効果がなく、初期、画像流れはよくならない。また、塗布量が1g/cm2より多くなると多すぎてクリーニングブレードのニップ内に滞留しすぎて、ドラムに細かな傷をつける可能性がある。
(4)研摩粒子の塗布量とクリーニングブレードとの関係
本発明のおいては、上述でもふれたが、研摩粒子(無機微粉体)の塗布量とクリーニングブレードの反発弾性に大いに関係することが鋭意検討の末分かった。ここで、本発明における塗布量とは、乾燥した際の重量を示す。研摩粒子とクリーニングブレード22の関係としては、図6に示すように、研摩粒子601が感光ドラム12とクリーニングブレード22の周擦によって、画像流れの原因となる帯電生成物602を矢印603のようにステックスリップ運動し、擦り取り、図4のグラフが示すようにクリーニングブレードの反発弾性が上がると塗布量を多く塗布しなければならない。これは、クリーニングブレードが残留トナーをクリーニングする際の反発力が強いため動きが細かくクリーニングブレードニップ部で滞留させた、せっかくの研摩粒子が取れやすくなってしまう。また、反発弾性が低くなると研摩粒子が滞留しやすく、少ない塗布量でも十分維持できることが分かった。これらのことを関係式で表すと
y≧0.4642e0.1535x
5≦x≦50、1≦y≦1000
(x:反発弾性、y:無機微粉体の塗布量)
となることが分かった。ただ、反発弾性が5より小さくなるとクリーニング先端の戻り力が弱く、クリーニング性能が満足できない。また、50より大きくなると、クリーニングブレードのエッジ部の振動が激しく、いくら塗布しても研摩粒子が滞留できなく、効果が得られない。
(5)像担持体
次に、本発明の係わる像担持体(感光ドラム)12の一般的なことについて、以下に説明する。
まずは、本発明におけるHU(ユニバーサル硬さ値)、及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図3に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
Figure 2009069772
弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率=We/Wt×100(%) (2)
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなかった。
我々は鋭意検討の末、HUと弾性変形率の値が、ある範囲の場合に感光体表面層の機械的劣化が起り難くなることを見出し、本発明に至った。すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率が40%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。また、更なる特性の向上にはHU値が160N/mm以上200N/mm2以下であることがより好ましい。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mmを超えるものであるとき、弾性変形率が40%未満であるとクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが感光体の弾性力が不足しているが故に、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかり深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm未満で弾性変形率が65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
本発明において用いられる感光ドラム12は、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体からなる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、更に放射線を用いることができる。
したがって、本実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合または架橋により硬化可能な化合物を、融解または含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この本実施形態においても浸漬塗布法を採用することが可能である。
次に本発明に係わる感光体ドラムの概略構成を図5を用いて説明する。外径がたとえば30mmの導電性基体上51に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層53に含有する層構成の単層型(図5-(a))か、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55を、順次または逆順に積層した構成の積層型(図5-(b))のいずれかである。さらに、感光層上に表面保護層56を形成することも可能である。
また、この発明の実施形態においては、少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層を形成した構成とするのが好ましい(図5-(b))。
この実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
また、電子線を照射する場合においては、この本実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、15kJ/kg以上500kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
また、この本実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、この第1の実施形態による表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
また、この実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電化輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
次に、この発明の実施形態による電子写真感光体12の感光層について説明する。
すなわち、電子写真感光体の支持体51としては、導電性を有するものであれば良く、具体的には、たとえばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や、これらの合金を、ドラムまたはシート状に形成したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布することにより導電層を設けた金属、または、プラスチックフィルムや紙などを挙げることができる。
また、本発明の実施形態においては、導電性支持体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けることができる。
下引き層52は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される層である。
この下引き層52の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワおよびゼラチンなどを使用することができる。これらの材料は、それぞれに適合した溶剤に溶解されて支持体表面に塗布される。そして、この下引き層の膜厚は、好適には、0.1〜2μmである。
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合は電荷発生層54および電荷輸送層55を積層する。電荷発生層54に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル(Se−Te)、ピリピウム、チアピリリウム系染料、または、各種の中心金属および結晶系、具体的には、たとえばα、β、γ、ε、およびX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよびアモルファスシリコンなどを挙げることができる。
また、機能分離型感光体の場合、電荷発生層54は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの手段によって良好に分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。ここで、この電化発生層54の膜圧は、典型的には、5μm以下であり、好適には、0.1〜2μmである。
また、結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層54上に電荷輸送層55として用いることができる。または、電荷発生層54上に、電荷輸送層55と結着樹脂とからなる電荷輸送層55を形成した後に、表面保護層56として用いることもできる。
そして、正孔輸送性化合物を表面保護層56として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、またはカルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを、上述の電荷発生層用樹脂から選択可能で適当な結着樹脂とともに溶剤に分散または溶解した溶液を、上述の公知の方法によって塗布し、乾燥させて形成することができる。
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂との比率は、両者の全重量を100とした場合に、電荷輸送物質の重量が30〜100の範囲内にあることが望ましく、更には50〜100の範囲で適宜選択するのが好ましい。
電荷輸送層55における電化輸送物質の重量が、これらの範囲より小さいと、電荷輸送能が低下し、感度低下や残留電位の上昇などの問題点が発生する。この場合にも感光層の厚みは、5〜30μmの範囲である。また、このときの感光層の膜厚とは、電荷発生層54、電荷輸送層55および表面保護層56におけるそれぞれの膜厚を合計したものである。
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
また、この発明の実施形態による表面保護層中56においては、導電性粒子を混入させることも可能である。この導電性粒子としては、金属、金属酸化物およびカーボンブラックなどを挙げることができる。
これらの導電性粒子としての金属は、具体的には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレスおよび銀を挙げることができ、さらに、導電性粒子としては、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどを挙げることができる。
また、導電性粒子としての金属酸化物は、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。
また、これらの金属酸化物は、それぞれ単独で用いたり、2種類以上を組み合わせて用いたりすることが可能である。なお、2種以上を組み合わせる場合には、単に混合することも可能であり、固溶体や融着を施すことも可能である。
また、この発明の実施形態において用いられる導電性粒子の平均粒径は、保護層56の透明性の観点から、0.3μm以下にすることが好ましく、より好適には、0.1μm以下にすることが望ましい。さらに、この第1の実施形態においては、上述した導電性粒子の材料において、透明性などの観点から金属酸化物を用いることが特に好ましい。
表面保護層56中における導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つである。したがって、保護層の比抵抗は、10〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
また、この実施形態においては、表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、5〜40重量%であり、好適には、10〜30重量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、40重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
この発明の実施形態においては、分散性、結着性および対候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層の膜厚は、好適には、0.2〜10μmの範囲であり、より好適には、0.5〜6μmの範囲である。
本発明に係わる、削れ量の測定方法としては、電子写真装置(例えばLBP5900[キヤノン株式会社製])に上記の感光体(30Φ)を入れ、通常環境(20℃/50%)でトナー載り量0.025±0.015g/A4サイズの画像を1枚間欠で通紙試験を行い、表層の膜厚を渦電流式膜厚計(Fisher社製)で測定し、初期の膜厚と比べていくら削れたかを計算する。その数字を通紙枚数で割り、単位をμm/10K枚とすると削れ量がでてくる。この感光体の削れ量については、0.01μm以上0.5μm以下/10K枚がよい。更に好ましくは0.05μm以上0.3μm以下/10K枚がよい。これは、0.01μm未満/10K枚になると、それこそほとんど削れないために帯電生成物条件の影響が多きすぎてトナーの潤滑効果だけでトルクアップは防げなくなる。また、0.5μm/10K枚より大きく削れると100枚で5μmよりも多く削れ、高寿命をかたる上では物足りないものとなる。
(6)帯電
次に帯電方法について説明する。ここでは、近年、一般的に使用される帯電ローラによる帯電方式について説明する。ただ、帯電については、コロナ帯電や注入帯電など一般的な方法も本発明では係わり、この限りではない。
帯電ローラ16については一般的に、導電性支持体(鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いる)上に弾性層を設け、その弾性層の中に導電性を持たせている。弾性層の厚みは1〜500mmの範囲であれば十分使用可能である。
弾性層の導電性を持たす方法としては、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤、及びアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加し、分散やあるいは発砲することにより1010Ωcm未満に調整されるのがよい。弾性層の具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等も挙げられる。
このような一般的に帯電ローラ(今回の発明では外径16mm)であり、感光体表面に圧接され、感光体の回転に従って従動回転する。
この帯電ローラに、高圧電源から所定の電圧が印加されると、この帯電ローラによって感光体表面は所定の電位に帯電される。尚、帯電ローラに印加する電圧としては、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧が好ましい。ここで言う振動電圧とは、電圧値が時間と共に周期的に変化する電圧であって、交流電圧は、直流電圧のみ印加時における感光体表面の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有することが望ましく、又、その波形としては、正弦波に限らず、矩形波、三角波、パルス波でも良いが、帯電音の低減という観点からは、高調波成分を含まない正弦波が好ましい。
これらのように、例えば、帯電用高圧電源から周波数1.8kHz、総電流2000μAの定電流制御させ、重畳されるDCバイアスによって感光体電位が決定されることで帯電を可能にする。
(7)現像
本発明の画像形成装置に用いられる現像方法としては、感光ドラムに対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)、感光ドラムに対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)、トナー粒子に対して磁性キャリアを混合したものを現像剤として用い、この現像剤を磁気力により搬送し、感光ドラムに対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)、上記2成分現像剤を感光ドラムに対して非接触状態で現像する方法(2成分非接触現像法)の何れも好適に用いることが出来る。本実施形態では今後の需要が見込まれているカラーの2成分非接触現像法(17Y、17M、17C、17K)でのトナーについて説明する。
今回の静電潜像の現像のために使用されるトナーとしては、イエロー等の色成分、結着樹脂、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂及びワックスにて形成された粒径7μmのものが使用されている。
結着樹脂としては、従来公知の樹脂が使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。かかるポリエステル樹脂はポリオール成分とポリカルボン酸成分から重縮合により合成される。使用されるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸およびそれらの無水物が挙げられる。
また、トナー中に含まれる脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂はワックスの分散助剤として作用する。このため、樹脂中のワックス分散、低温定着性を維持したまま耐オフセット性、粉砕性、現像担持体へのワックスのフィルミングによる帯電劣化が原因の画像濃度低下、像担持体へのフィルミングによる被写体の画像欠陥の発生が著しく改善される。また、磁性現像剤に添加する場合も同様の効果が得られる。この脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂は、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料として合成されたものであり、イソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2から選ばれる少なくも1種以上の脂肪族炭化水素モノマーと、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、イソプロペニルトルエンから選ばれる少なくも1種以上の芳香族炭化水素モノマーを共重合させたものが望ましい。芳香族炭化水素モノマーとしては、モノマー純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるのでより好ましい。芳香族炭化水素モノマーの純度としては95%以上、より好ましくは98%以上である。芳香族炭化水素モノマーは、炭素数が9以上のモノマーからなり、このモノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂の場合には、炭素数が9未満の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂に比べて結着樹脂、例えば、ポリエステル樹脂との相溶性がより高くなる。さらに、トナーの粉砕性や熱保存性を満足するために脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合体の構成としては芳香族炭化水素モノマー量が多いほうが好ましい。ただし、芳香族炭化水素モノマーの量が多すぎると、離型剤の分散性が悪くなり、一方、脂肪族炭化水素モノマーが多すぎると、熱保存性等が低下するので芳香族炭化水素モノマー量と脂肪族炭化水素モノマー量の重量は、99:1〜50:50、より好ましくは98:2〜60:40、さらに好ましくは98:2〜90:10である。また、その使用量としてはトナー結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部である。より好ましくは3〜30重量部である。前記石油樹脂の量が2重量部未満の場合、ワックス分散に効果がなく、50重量部を越えるとトナーが過粉砕性されやすくなり、現像機の中でトナーの粒子径が小さくなって、カブリが生じ、画像濃度が低濃度となり、現像性が低下するおそれがある。
更に、トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、質量として0.1〜20%とする。
本発明に係わるトナーについては、上記研摩粒子を表面処理剤として使用することでより効果が増す。ただし、この場合、この研摩剤に限って言えば、質量は1%以下にしなければならない。1%より多くいれると現像性、及び、濃度の低下に影響を及ぼす。
更に他の部分について、図1を用いて説明する。
各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム12と対向する位置には、中間転写ベルト13を挟むようにして一次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kが配設されており、これら転写ローラ15Y、15M、15C、15Kに対して所定の転写バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム12と転写ローラ15Y、15M、15C、15Kとの間に電界が形成され、感光体ドラム12上で電荷を帯びているトナー像がクーロン力で中間転写ベルト13に転写されるようになっている。この一次転写ローラはウレタン発泡体等の弾性ローラにカーボンを分散して形成されており、その抵抗値としては106 〜108 Ωcm(測定電圧:100V)程度が好ましい。本実施例では、直径18mm、抵抗値5×107 Ωcmの導電性ウレタンスポンジローラを形成し、これを一次転写ローラとした。
一方、記録シートPはプリンタ筐体1の下部に収納される給紙カセット122からプリンタの内部、具体的には中間転写ベルト13と二次転写ローラ15とが接する二次転写位置へ供給される。上記給紙カセット121の上部には収容された記録シートPを引き出すためのピックアップローラ18及び給紙ローラ19が並設されている。また、給紙ローラ19と対向する位置には記録シートPの重送を防止するリタードローラ20が配置されている。
プリンタの内部における記録シートPの搬送経路21はプリンタ筐体1の背面に沿って略垂直に設けられており、プリンタ筐体1の底部に位置する給紙カセット122から引き出された記録シートPはこのシート搬送経路21を上昇し、前述の二次転写位置においてトナー像の転写を受けた後、かかる二次転写位置の真上に設けられた定着器123へと送られる。そして、定着器123によってトナー像の定着がなされた記録シートPは排出ローラ22を経て、プリンタ筐体1の上部に設けられた排紙トレイ1aにフェイスダウン状態で排出される。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
<感光ドラム具体例>
感光ドラム12としては、以下のようにして作成した。30φのアルミニウムシリンダー(スラスト長360mm)を硬度試験用と実機テスト用とを用意する。導電層用の塗料を以下の手順で調整した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレック(登録商標)BM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層を形成した後、下記構造式(4)のスチリル化合物を10部
Figure 2009069772
および下記構造式(5)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部を
Figure 2009069772
モノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層(層厚15μm)を形成した。
Figure 2009069772
次いで、構造式(3)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調整した。この保護層用塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全重量に対して30重量%を含有させた。
この塗布液を前記の電荷輸送層上にコーティングしたあと、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。その後、引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
硬度試験用の感光体を25℃湿度50%の環境下に24時間放置した後、前述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、HU及び弾性変形率を求めると、HU(ユニバーサル硬さ値)が190N/mm、We(弾性変形率)が46%であった。
また、本発明に使用する具体的トナーとしては、
<トナー粒子具体例>
・スチレン−n−ブチルアクリル共重合体
(共重合質量比=78:22、重量平均分子量=38万) 100部
・カーボンブラック 8部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニュウム化合物
5部
・パラフィンワックス(重量平均分子量=900) 2部
上記コンパウンドを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級してトナー粒子Aを得た。
<調合>
トナー粒子A100部に対して、一次粒径約20nmのシリカ微粉体100部にヘキサメチルジシラザン7部で表面処理した疎水性シリカ(BET比表面積=85m2/g)1.2部と、チタン酸ストロンチウム微粒子0.9部とをヘンシェルミキサー(FM10B)(回転数:66回/秒、時間:3分間)で外添してトナーAを得た。該トナーAの重量平均粒径は6.8μmであった。
<クリーニングブレード具体例>
クリーニングブレードについては、下記処方をもとに製造した。
ポリカプロラクトン(PCL)(商品名:プラクセル(登録商標)、
ダイセル化学社製) 50重量部
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI) 40重量部
1,4−ブタンジオール 4.5重量部
トリメチロールプロパン(TMP) 2.7重量部
上記ポリオール(PCL)を70℃で3時間、攪拌加熱し、脱水した後、これをガラス製反応容器に仕込み、引き続いて、MDIを反応容器に加え、窒素ガス雰囲気下に70℃で1〜2時間攪拌して、プレポリマーを調製した。
別に、硬化剤(1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンと上記ポリオール)をそれぞれ100℃で1時間、攪拌加熱し、脱水した後、ガラス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、混合液が無色透明になるまで、100℃で攪拌混合した。
次いで、擬プレポリマーと硬化剤とをそれぞれ60℃、40℃に示す温度に加熱し、重量比10:9示す割合にてミキシング・ヘツドに供給し、混合攪拌しながら、予め145℃に加熱した型内に注入した。型内の所定位置には予め板金を設置させておき、ブレードは直接板金に対して接着し、一体成形される。
板金厚み(705)が2mmのクリーニング・ブレードの成形を行なった。次いで、成形物を型から取出し、110℃で24時間加熱して二次硬化を行った。
得られたクリーニング・ブレードの物性としては、それらの詳細設計条件としては、クリーニング性能を出すブレード部の厚み705は2mm、自由長706は8mmであり、このときのゴムの反発弾性は9%となった。
このクリーニングブレードの先端に、研摩粒子として以下の材料で生成した無機粒子を塗布する。
<ブレード先端塗布研摩粒子具体例>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.7に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.98倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.5mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを80℃まで7℃/時間で昇温し、80℃に到達してから6時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していないチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。(一次粒径の平均粒径:100μm、600nm以上の粒径を有する凝集体の含有率:0.6個数%、粒子形状:キュービック、粒子形状が概略立方体及び/又は直方体の含有率80個%)
上記微粒子とIPA(イソプロピルアルコール)を1:11の比で混合した液を、ブレードエッジ部先端(エアー面2mm、カット面2mm)の幅でブラシで塗布を行った。そのときの乾燥時の上記微粒子の重量は5mg/cm2となった。
試験用感光ドラムとトナーAと微粒子を塗布したクリーニングブレードをLBP5900(キヤノン株式会社製)に入れる。そのときのクリーニングブレードの設定角は25°で侵入量は1.0mmの固定方式をとっている。この条件でのニップは15μmだった。高湿環境下(30℃/80%RH)でトナー載り量0.015g/A4サイズの画像を1枚間欠で1日200枚のみ5日間通紙し、その後1枚間欠で1日4000枚通紙画像試験(100K)を行い、表層の膜厚を渦電流式膜厚計(Fisher社製)で測定した。その際、感光ドラムの削れ量は0.10μm/10K枚となった。
この通紙試験の結果、100K枚以上通紙しても画像上問題なく、高湿環境における画像流れ(特に朝、本体立ち上げ時の画像流れ)も発生しない、高耐久可能な結果となった。
実施例1において、クリーニングブレードに塗布する研摩粒子601を下記材料にする以外、実施例1と同様の方法で画像流れ試験を行った。
<研摩粒子>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.8に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.95倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO3換算で0.7mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを65℃まで8℃/時間で昇温し、65℃に到達してから5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返し、その後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していないチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子を無機微粉体とした。そのときの物性値は一次粒径の平均粒径:190μm、600nm以上の粒径を有する凝集体の含有率:0.4個数%、粒子形状:キュービック、粒子形状が概略立方体及び/又は直方体の含有率55個%。
その際、感光ドラムの削れ量は0.11μm/10K枚となった。
この通紙試験の結果、100K枚以上通紙しても画像上問題なく、高湿環境における画像流れ(特に朝、本体立ち上げ時の画像流れ)も発生しない、高耐久可能な結果となった。
実施例1において、クリーニングブレードに塗布する研摩粒子を実施例1の研摩粒子と潤滑剤としてのフッ化カーボン(商品名:セフボン-CMA、セントラル硝子社製)を研摩粒子:潤滑剤:IPA=1:1:11の比で混合し、塗布剤の乾燥時の重量を10mg/cm2となった。
この状態で実施例1と同様の画像流れ試験を行った。
その際、感光ドラムの削れ量は0.10μm/10K枚となった。
この通紙試験の結果、100K枚以上通紙しても画像上問題なく、高湿環境における画像流れ(特に朝、本体立ち上げ時の画像流れ)も発生しない、高耐久可能な結果となった。
実施例1において、クリーニングブレードを以下の構成にし、また、研摩粒子の塗布量を
<クリーニングブレード>
ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン(登録商標)、
日本ポリウレタン社製) 100重量部
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI) 41重量部
1,4−ブタンジオール 6重量部
ポリエステルポリオールを脱水処理後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)を混入し、115℃で20分間加熱反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマーに1,4−ブタンジオールを添加して混合物を得た。この混合物を用いて、遠心成形機を使用してシート状物を作製した。このシートは、厚みは2mmであった。このシートを短冊状に所定の大きさにカットし、リン酸塩処理されたリン酸塩処理された鉄板(新日本製鉄(株)製、商品名:ボンデ(登録商標)鋼板)の上部4mmの位置に接着剤(セメダイン(株)製EP−001、100μm)を80℃に加熱融着し、厚み705が2mm、自由長706が8mmのクリーニングブレードを得た。このときのシートの反発弾性は33%となった。このクリーニングブレードに実施例1と同様の微粒子を粉体のままハケでカット面側2mmエアー面側4mmになるように100mg/cm2になるように塗布した。
このクリーニングブレードを実施例1と同様に画像通紙試験を行うため実施例1と同様の画像流れ試験評価を行った。
その際、感光ドラムの削れ量は0.10μm/10K枚となった。
この通紙試験の結果、100K枚以上通紙しても画像上問題なく、高湿環境における画像流れ(特に朝、本体立ち上げ時の画像流れ)も発生しない、高耐久可能な結果となった。
(比較例1)
実施例3において、クリーニングブレードに研摩粒子を取り除く以外、実施例3と同様の画像流れ評価試験を行った。
その際、感光ドラムの削れ量は0.10μm/10K枚となった。
この通紙試験の結果、最初の400枚までは朝立ち上げ時(機内が冷えた状態)で画像流れが発生し、画像が現れない、真っ白な画像不良が発生した。
(比較例2)
実施例1における感光ドラムの保護層を形成せず、実施例1と同様の画像流れ評価を行った。その際、感光体の削れ量は2.5μm/10K枚となった。これだと削れ量が多すぎて、画像流れに関しては、問題なかったが、削れムラによる画像不良が発生し、30Kすらもたないものとなった。
(比較例3)
実施例1おける研摩粒子の塗布量を1:110で薄めて塗工し、クリーニングブレード先端の塗布量を0.5mg/cm2にする以外実施例1と同様の実験をおこなった。
この通紙試験の結果、最初の400枚までは朝立ち上げ時(機内が冷えた状態)で画像流れが発生し、画像が現れない、真っ白な画像不良が発生した。
(比較例4)
実施例1おける研摩粒子の塗布量を100:1に濃くして塗工し、クリーニングブレード先端の塗布量を5g/cm2にする以外実施例1と同様の実験をおこなった。
この通紙試験の結果、画像流れは良かったのだが、先端の研摩粒子が多すぎてドラム表面に細かな傷がつき、そこの部分が白くぬける画像不良が発生した。
(比較例5)
実施例4おけるクリーニングブレードの1,4−ブタンジオールの量を2倍にして、実施例4と同様の評価をおこなった。このときの反発弾性は60%となった。
このクリーニングブレードで実施例4と同様の評価をおこなった。この通紙試験の結果、最初の400枚までは朝立ち上げ時(機内が冷えた状態)で画像流れが発生し、画像が現れない、真っ白な画像不良が発生した。
(比較例6)
実施例1おけるクリーニングブレードの1,4−ブタンジオールの量を半分にして、実施例1と同様の評価をおこなった。このときの反発弾性は2%となった。
このクリーニングブレードで実施例1と同様の評価をおこなった。この通紙試験の結果、画像流れは良かったのだが、トナーのすり抜けが発生し、クリーニング性に問題が発生した。
本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す構成断面図である。 本発明に係るクリーニング装置の概略構成を示す構成断面図である。 フィシャースコープH100V(H.Fishere社製)の出力チャートの概略図。 本発明に係わるクリーニングブレードの反発弾性と研摩粒子の塗布量の関係をあらわしたグラフである。 本発明に係わる像担持体の概略構成断面図である。 本発明に係わる研摩粒子とクリーニングブレードのメカニズムを説明するための概略図である。 本発明に係わる研摩粒子を塗布する領域を説明するためのクリーニングブレードの断面図である。 本発明に係わるクリーニングニップを説明する際の概略説明図である。
符号の説明
12 像担持体
22 クリーニングブレード
28 クリーニングブレードと感光ドラムのニップ部
601 クリーニングブレードに塗布する研摩粒子
602 帯電生成物
703、704 研摩粒子の塗布領域

Claims (8)

  1. 25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錘ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ弾性変形率Weが40%以上65%以下である像担持体を有し、該像担持の表面に圧接して転写後の像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニングエッジを有するクリーニングブレードを備えている画像形成装置において、前記クリーニングブレードの当接エッジ付近に一次粒子の平均粒径が30nm〜300nmであり、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体であり、更に該無機微粉体は、600nm以上の粒径を有する粒子及び凝集体の含有率が1個数%以下である無機微粉体を塗布したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニングブレードのエッジ部分に塗布する無機微粒子体の塗布量は1mg/cm2以上1g/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードのエッジエアー面側、カット面側ともに10μm以上5mm以内に前記無機微粉体を塗布したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニングブレードの反発弾性が5%以上50%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記クリーニングブレードのエッジ部分に塗布する無機粒子体の塗布量と前記クリーニングブレードの反発弾性の関係が
    y≧0.4642e0.1535x
    5≦x≦50、1≦y≦1000
    (x:反発弾性、y:無機微粒子体の塗布量)
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体の削れ量が0.01μm/10K枚以上、0.5μm/10K枚以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニングブレードと、前記像担持体の静的当接ニップが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成装置のプロセススピードが100-250mm/sであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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JP2019152701A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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