JP5532395B2 - 潤滑剤供給装置、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
特に、潤滑剤供給装置から像担持体上への潤滑剤の供給量が不足して、像担持体の表面の摩擦係数が上昇してしまうと、クリーニング不良が生じる不具合や、クリーニングブレードや像担持体が受けるダメージが大きくなる不具合や、像担持体上にフィルミングが生じる不具合や、像担持体上にシリカが付着して「メダカ画像」が生じる不具合や、像担持体上の画像が転写部で転写される際に「虫食い画像」が生じる不具合や、低温環境下でクリーニングブレードの鳴きが生じる不具合、等が顕著になる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像装置(現像部)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング装置(クリーニング部)、を示す。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、フォトセンサ41(図2を参照できる。)との対向位置を通過した後に、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された転写紙Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は作像部を示す断面図である。なお、装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像装置及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ20には、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電部22と、クリーニング装置25とが、ケース26に一体的に収納されている。
図示は省略するが、感光体ドラム21は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム21の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
まず、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層構造とした場合について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることができる。具体的には、電荷発生物質として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等を用いることができる。これらの電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることもできる。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布して、乾燥することにより形成される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当である(さらに、好ましくは0.1〜2μm程度である。)。
単層構造の感光層は、上述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解又は分散して、これを導電性支持体上(又は、下引き層上)に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては上述の電荷輸送層の形成時に用いる結着樹脂の他に、上述の電荷発生層の形成時に用いる結着樹脂を混合して用いてもよい。さらには、高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましい(さらに好ましくは50〜150重量部である。)。
単層構造の感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート等で塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本実施の形態における保護層は、架橋構造を有するバインダー樹脂で形成されている。架橋構造は、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用して、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を生じさせることで形成される3次元の網目構造である。この網目構造を有するバインダー樹脂は、高い耐摩耗性を発揮することになる。電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上述の反応性モノマーとして、全部又は一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することもできる。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成されて、保護層としての機能も充分に発揮される。
また、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーを用いることもできる。
さらに、塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減等の機能付与のために、1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することもできる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
以上述べたように、本実施の形態では、感光体ドラム21の表面に、架橋構造を有するバインダー樹脂で形成された硬い保護層を設けているために、感光体ドラム21としての機能を損なわずに、クリーニングブレード25aやブラシ状ローラ25bによる感光体膜削れを防止することができる。
トナーTは、画質向上のために、円形度が0.980以上の球形トナーを使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード25aと感光体ドラム21との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態では、潤滑剤供給装置25b、45〜47によって潤滑剤を感光体ドラム21表面に塗布して、感光体ドラ21上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
なお、本実施の形態において、ブラシ状ローラ25bに所定の電圧を印加することもできる。このような場合には、電圧が印加されたブラシ状ローラ25bによって、感光体ドラム21上の付着物を静電的にも除去することができる。
潤滑剤供給装置25b、45〜47の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
現像ローラ23aは、図2中の矢印方向に回転している。現像装置23内の現像剤Gは、間に仕切部材23eを介在するように配設された第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23cの矢印方向の回転によって、トナー補給部32からトナー補給口23fを介して補給されたトナーTとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
図2に示すように、潤滑剤供給装置25b、45〜47は、クリーニング装置25に一体的に設置されている。潤滑剤供給装置は、感光体ドラム21に周設するブラシ毛が周設されたブラシ状回転部材としてのブラシ状ローラ25b(クリーニングブラシ)、ブラシ状ローラ25bに当接する固形潤滑剤45、固形潤滑剤45をブラシ状ローラ25bに向けて付勢する圧縮スプリング46、ブラシ状ローラ25bに当接するスクレーパ47、等で構成される。なお、クリーニングブレード25aは、本来のクリーニング機能の他に、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に塗布された潤滑剤を薄膜化する機能も有している。
ブラシ毛の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム21との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤45の掻取性や感光体ドラム21からのトナー除去性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤45や感光体ドラム21に対する物理的な当接力が不足してしまう。したがって、ブラシ毛の長さは上述の範囲であることが好ましい。
固形潤滑剤45の後方部には,ブラシ状ローラ25bと固形潤滑剤45との接触ムラをなくすために圧縮スプリング46が配置されていて、固形潤滑剤45をブラシ状ローラ25bに付勢している。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム21表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム21表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム21表面を覆うことができる。
このとき、ブラシ状ローラ25bにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、クリーニングブレード25aにより感光体ドラム21上に分子膜レベルで薄膜化される。
本実施の形態では、後述するようにブラシ状ローラ25bのブラシ毛が固形潤滑剤45に対して密に均一に当接するように構成しているために、粉体状の潤滑剤に粗粉が含まれる不具合が軽減されることになる。
詳しくは、感光体ドラム上に形成されるトナー像(画像)の画像面積率や、ブラシ状ローラ25bの走行距離や、周囲の温度(雰囲気温度)に応じて、ブラシ状ローラ25bの回転数が可変制御される。
図3(A)は、ブラシ状ローラ25bの線速と、潤滑剤供給装置における潤滑剤消費率と、の関係を示すグラフである。また、図3(B)は、ブラシ状ローラ25bの線速と、感光体ドラム21の表面摩擦係数と、の関係を示すグラフである。
ここで、ブラシ状ローラ25bの線速は、感光体ドラム21との摺接位置における線速であって、ブラシ状ローラ25bの回転数に比例する。また、「潤滑剤消費率」とは、感光体ドラム21の一定の走行距離(1km単位である。)に対する潤滑剤の消費量(塗布量)である。また、感光体ドラム21の表面摩擦係数(μ)は、オイラー式の摩擦係数測定方法で測定されたものである。
図3(A)に示す実験結果から、ブラシ状ローラ25bの回転数(線速)が大きくなるほど、潤滑剤供給装置による潤滑剤消費率も大きくなることがわかる。また、図3(B)に示す実験結果から、ブラシ状ローラ25bの回転数(線速)が大きくなるほど、感光体ドラム21への潤滑剤の供給量の増加にともない、感光体ドラム21の表面摩擦係数が小さくなることがわかる。
そして、本実施の形態では、このようにブラシ状ローラ25bの回転数を可変することで、感光体ドラム21への潤滑剤の供給量(塗布量)の制御とともに、感光体ドラム21の表面摩擦係数の制御をおこなえることを利用して、種々の条件の変動が生じても感光体ドラム21の表面摩擦係数を安定的に最適化している。
本実施の形態のように、感光体ドラム21上に潤滑剤を供給するブラシ状ローラ25b(ブラシ状回転部材)が、クリーニングブレード25aの上流側(感光体ドラム21の回転方向上流側である。)に配設されている場合、ブラシ状ローラ25bにはクリーニングブレード25aの位置に達する前の未転写トナーが入力されることになる。そして、ブラシ状ローラ25bにおけるトナー付着状態が、固形潤滑剤45に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤研磨能力や、感光体ドラム21に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤供給能力に大きく影響する。すなわち、感光体ドラム21上に形成されるトナー像の画像面積(画像面積率)が大きい場合には、感光体ドラム21上に残留してブラシ状ローラ25bに入力する未転写トナー量も多くなって、トナーの研磨効果によってブラシ状ローラ25bによって固形潤滑剤45が削られやすくなる反面、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に供給される潤滑剤量が少なくなる。そのため、感光体ドラム21の表面摩擦係数(μ)は上昇する。
ここで、「画像面積率」は、書込み部2によって感光体ドラム21上に静電潜像が形成されるときの画像情報に基づいて算出される。詳しくは、感光体ドラム21上に向けてレーザ光Lを照射する書込み部2の稼働率(デューティ)から、制御部75にて画像面積率(=トナーが付着する画像が占める面積/画像形成が可能な全体面積)が算出される。そして、制御部75で算出された画像面積率に基づいて、駆動モータ70が制御されて、ブラシ状ローラ25bの回転数が最適化される。
このような制御をおこなうことにより、図4(B)において■印(実線)のグラフで示す通り、画像面積率の変化に関わらず、感光体ドラム21の表面摩擦係数を安定的に最適化することができる。これによって、クリーニング不良が生じる不具合や、クリーニングブレード25aや感光体ドラム21が受けるダメージが大きくなる不具合や、感光体ドラム21上にフィルミングが生じる不具合や、感光体ドラム21上にシリカが付着して「メダカ画像」が生じる不具合や、感光体ドラム21上の画像が中間転写ベルト27上に転写される際に「虫食い画像」が生じる不具合や、低温環境下でクリーニングブレード25aの鳴きが生じる不具合、等の発生が抑止される。
なお、本実施の形態では、感光体ドラム21上に形成する画像の画像面積率が大きいときに、ブラシ状ローラ25bの回転数が高くなるように可変制御した。これに対して、現像工程に用いるトナーTとしてステアリン酸亜鉛を含有するトナーTを用いた場合には、低画像面積時よりも高画像面積時に感光体ドラム21の表面摩擦係数が減少するため、感光体ドラム21上に形成する画像の画像面積率が小さいときに、ブラシ状ローラ25bの回転数が高くなるように可変制御することが好ましい。
ブラシ状ローラ25bが長期間使用されていると、ブラシ状ローラ25bのブラシ毛の劣化(ヘタリ)が大きくなる。このブラシ状ローラ25bのヘタリの程度は、固形潤滑剤45に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤研磨能力や、感光体ドラム21に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤供給能力に大きく影響する。すなわち、ブラシ状ローラ25bの走行距離が大きくなってブラシ毛のヘタリが大きくなると、ブラシ状ローラ25bによって固形潤滑剤45が削られにくくなるとともに、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に供給される潤滑剤量が少なくなる。そのため、感光体ドラム21の表面摩擦係数(μ)は上昇する。
ここで、「走行距離」は、制御部75において、ブラシ状ローラ25bの線速(又は回転数)に累積の駆動時間を乗じて算出される。そして、制御部75で算出された走行距離に基づいて、駆動モータ70が制御されて、ブラシ状ローラ25bの回転数が最適化される。
このような制御をおこなうことにより、図5(B)において■印(実線)のグラフで示す通り、ブラシ状ローラ25bの走行距離(ブラシ毛のヘタリ)の大きさに関わらず、感光体ドラム21の表面摩擦係数を安定的に最適化することができる。これによって、クリーニング不良が生じる不具合や、クリーニングブレード25aや感光体ドラム21が受けるダメージが大きくなる不具合や、感光体ドラム21上にフィルミングが生じる不具合や、感光体ドラム21上にシリカが付着して「メダカ画像」が生じる不具合や、感光体ドラム21上の画像が中間転写ベルト27上に転写される際に「虫食い画像」が生じる不具合や、低温環境下でクリーニングブレード25aの鳴きが生じる不具合、等の発生が抑止される。
なお、本実施の形態では、ブラシ状ローラ25bの走行距離が大きいときに、ブラシ状ローラ25bの回転数が高くなるように可変制御した。これに対して、ブラシ状ローラ25bの駆動時間が大きいときに、ブラシ状ローラ25bの回転数が高くなるように可変制御することもできる。本実施の形態では、経時においてブラシ状ローラ25bの回転数が漸増するように制御しているために、初期に比べて経時の方が同じ駆動時間における走行距離が大きくなる。しかし、経時においてブラシ毛のヘタリが大きくなることには変わりがないため、ブラシ状ローラ25bの駆動時間を代用特性として用いて、これに基づいてブラシ状ローラ25bの回転数を可変制御することも可能になる。なお、このときの「駆動時間」は、潤滑剤供給装置の使用が開始されてからのトータルの駆動時間(累積駆動時間)である。
ブラシ状ローラ25bの使用環境(周囲温度)によって、ブラシ状ローラ25bのブラシ毛のコシの強さが変化する。このブラシ状ローラ25bのブラシ毛のコシの強さは、固形潤滑剤45に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤研磨能力や、感光体ドラム21に対するブラシ状ローラ25bの潤滑剤供給能力に大きく影響する。すなわち、周囲温度が低くなってブラシ状ローラ25bのブラシ毛のコシが強くなると、ブラシ状ローラ25bによって固形潤滑剤45が削られやすくなって、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に供給される潤滑剤量が多くなる。そのため、感光体ドラム21の表面摩擦係数(μ)は減少する。これに対して、周囲温度が高くなってブラシ状ローラ25bのブラシ毛のコシが弱くなると、ブラシ状ローラ25bによって固形潤滑剤45が削られにくくなって、ブラシ状ローラ25bによって感光体ドラム21に供給される潤滑剤量が少なくなる。そのため、感光体ドラム21の表面摩擦係数(μ)は上昇する。
ここで、「周囲温度」は、装置本体1に設置された温度センサ78によって検知される。そして、温度センサ78で検知された結果が制御部75に送られて、それに基づいて制御部75によって駆動モータ70が制御されて、ブラシ状ローラ25bの回転数が最適化される。
このような制御をおこなうことにより、図6(B)において■印(実線)のグラフで示す通り、周囲温度の高低に関わらず、感光体ドラム21の表面摩擦係数を安定的に最適化することができる。これによって、クリーニング不良が生じる不具合や、クリーニングブレード25aや感光体ドラム21が受けるダメージが大きくなる不具合や、感光体ドラム21上にフィルミングが生じる不具合や、感光体ドラム21上にシリカが付着して「メダカ画像」が生じる不具合や、感光体ドラム21上の画像が中間転写ベルト27上に転写される際に「虫食い画像」が生じる不具合や、低温環境下でクリーニングブレード25aの鳴きが生じる不具合、等の発生が抑止される。
そして、このような場合であっても、本実施の形態と同様に、感光体ドラム21の表面摩擦係数を安定的に最適化することができる。
なお、クリーニング装置25(又は、潤滑剤供給装置)を、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像装置23が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像装置23が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
さらに、本実施の形態では、像担持体としての感光体ドラムに潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置に対して本発明を適用したが、像担持体としての感光体ベルトや中間転写ベルトに潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
25 クリーニング装置(潤滑剤供給装置)、
25a クリーニングブレード、
25b ブラシ状ローラ(ブラシ状回転部材、クリーニングブラシ)、
45 固形潤滑剤、
46 圧縮スプリング、
47 スクレーパ、
70 駆動モータ。
Claims (5)
- 像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、
前記像担持体上に摺接するブラシ毛が周設されたブラシ状回転部材と、
前記ブラシ状回転部材の前記ブラシ毛に当接する固形潤滑剤と、
を備え、
現像工程に用いるトナーとしてステアリン酸亜鉛を含有するトナーを用い、
前記像担持体上に形成されるトナー像の画像面積率が小さいときに、前記画像面積率が大きいときよりも、前記ブラシ状回転部材の回転数が高くなるように可変制御され、
前記ブラシ状回転部材の走行距離又は駆動時間が大きいときに、前記走行距離又は前記駆動時間が小さいときよりも、前記ブラシ状回転部材の回転数が高くなるように可変制御され、
周囲の温度が高いときに、前記周囲の温度が低いときよりも、前記ブラシ状回転部材の回転数が高くなるように可変制御され、
前記ブラシ状回転部材は、少なくとも、前記画像面積率と、前記走行距離又は前記駆動時間と、前記周囲の温度と、の複数の条件のうち少なくとも2つの条件が前記ブラシ状回転部材の回転数が高くなるように制御されるものと低くなるように制御されるものとに互いに相反するような条件となる場合に、その回転数が前記像担持体の表面摩擦係数が最適値になるように可変制御されることを特徴とする潤滑剤供給装置。 - 請求項1に記載の潤滑剤供給装置を備え、
前記ブラシ状回転部材は、前記像担持体の表面を清掃するクリーニングブラシであって、
前記ブラシ状回転部材に対して前記像担持体の走行方向下流側に、前記像担持体の表面に当接するクリーニングブレードを備えたことを特徴とするクリーニング装置。 - 画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項2に記載のクリーニング装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1に記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2に記載のクリーニング装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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