JP2005043388A - 電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像面積率及び現像駆動時間に基づいて、トナーの強制消費を行う従来の現像剤劣化対策では、高性能、且つ、多機能化された画像形成装置における画質低下を十分に防止することができない。
【解決手段】画像面積率とともに、現像剤担持体の移動距離を検知し、これらのから現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知し、検知結果に基づいて、トナー強制消費の制御を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】画像面積率とともに、現像剤担持体の移動距離を検知し、これらのから現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知し、検知結果に基づいて、トナー強制消費の制御を行う。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式により画像を形成する電子写真画像形成装置に関し、特に、現像剤の疲労・劣化による画質の低下等の不具合を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現像剤の疲労により画質が低下する等の現象は広く知られており、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤を用いた電子写真画像形成装置においては、次のような現象が起こる。
【0003】
トナー消費の少ない画像形成を多数回行った場合に、画像荒れ、地カブリ、トナー飛散、濃度変動等の様々な不具合が発生する。これらの不具合は、現像工程において実行される現像剤の攪拌により現像剤の劣化が進み、トナーの帯電量が変動する事によると推定される。現像剤の劣化は、トナー及びキャリア、双方において進行すると考えられ、具体的には、外添剤がトナーに埋め込まれたり、キャリアに吸着されたりする現象である。
【0004】
そして、現像剤の劣化はトナー消費量が少ない現像が続いた場合に生ずることが知られており、これに対する対策が種々採られている。
【0005】
特許文献1では、印字率を測定し、印字率が所定値未満のときに、トナーを強制消費することが提案されている。
【0006】
特許文献2では、トナー補給が少ない状態で攪拌が長時間行われたときに、トナーを強制補給することが提案されている。
【0007】
特許文献3では、一成分現像剤を用いる現像において、現像時間が所定値に達する毎に、現像剤の強制補給を行うことが提案されている。
【0008】
特許文献4では、画素密度を検出し、検出値に基づいて現像装置からトナーを強制排出する(像担持体に付着させる)ことが提案されている。
【0009】
これらの対策は、おおむねトナー消費率の少ない画像形成が続いた場合に生ずる現像剤の劣化に対するものであり、印字率や画像密度を測定し、測定値に基づいて強制補給等を行っている。
【0010】
しかるに、現像剤の劣化は、トナー消費率とともに現像剤の攪拌に関連しており、現像剤攪拌を制御のパラメータとして導入する必要がある。
【0011】
特許文献5では、この点が考慮されており、画像面積率と現像駆動時間とを検知し、検知した値に基づいて、現像剤を強制消費している。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−86841号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平8−314253号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2000−181216号公報
【0015】
【特許文献4】
特開2000−206744号公報
【0016】
【特許文献5】
特開2003−76079号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高画質に対するニーズが高まるとともに、画像形成装置の多機能化が進行しており、このような技術の趨勢では、現像剤の疲労・劣化に対する前記のような対策では十分でないことが判明した。
【0018】
すなわち、画像濃度を広範囲に亘って制御するために、現像装置内の現像剤担持体の移動速度を制御することが行われる。また、光沢画像を形成したり、厚手の紙に画像を形成したり、OHP用シートに画像を形成する等の画像形成工程においては、トナーの溶融度を高めて定着を行うために、定着装置における記録材の搬送速度下げることが行われる。
【0019】
これらの制御においては、現像装置内における現像剤攪拌手段の作動速度も現像剤担持体の移動速度や定着装置における搬送速度の変化に応じて変化する。従って、現像剤の攪拌により主として受ける現像剤の疲労・劣化の割合も前記の制御に応じて変化する。
【0020】
このような理由から、例えば、特許文献5のように現像駆動時間に基づいた単純な現像剤の劣化対策では十分ではないことが判明した。
【0021】
また、従来の現像剤劣化対策では、温度や湿度により現像剤の劣化の度合いが変化する現象に対して有効でないという問題がある。更に、従来の現像剤劣化対策では、現像手段中に蓄積したトナーの粗粒等が十分除去されず、画質の低下につながるという問題がある。
【0022】
更に、複数の画像形成部を有するカラー画像形成装置においては、白黒モードをはじめとして、特定の画像形成部において主として画像形成を行い、他の画像形成部においては画像を形成しないモードで画像形成が実行される場合が少なくない。このようなモードでは、特定の画像形成部においてのみトナーが消費され、他の画像形成部においては、現像手段は作動するがトナーの消費が無い。従って、トナー消費の少ない状態で現像手段が作動する画像形成部においては現像剤の不必要な劣化が進行する。その結果、フルカラー画像を形成する際に、画質の低下が起こる等の問題がある。
【0023】
本発明は、従来の現像剤劣化対策における前記のような問題を解決し、高画質の画像を安定して形成することが出来る電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の発明により達成される。
【0025】
1.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び、
現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び制御手段を有し、前記画像面積率検知手段は、画像データ及び前記移動距離検知手段の検知結果に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知するとともに、該制御手段は、画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0026】
2.前記画像面積率検知手段は、画像データの画素数及び画素値に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知することを特徴とする前記1に記載の電子写真画像形成装置。
【0027】
3.現像剤温度を検知する温度センサを有し、前記制御手段は、前記現像手段内にある現像剤の温度を検知する温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする前記1又は前記2に記載の電子写真画像形成装置。
【0028】
4.前記現像手段近傍における湿度を検知する湿度センサを有し、前記制御手段は、前記温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【0029】
5.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体に、DCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの出力を画像形成時よりも大きくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0030】
6.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体にDCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの周波数を画像形成時よりも小さくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0031】
7.像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備え、前記複数の画像形成部の各々が、少なくとも前記画像面積率検知手段及び制御手段を備え、前記制御手段は、前記1〜6のいずれか1項に記載の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0032】
8.像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備えた電子写真画像形成装置において、
前記複数の画像形成部の各々は、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段、現像剤温度を検知する温度センサ及び制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果及び前記温度センサの検知結果に基づいて、前記現像剤担持体の移動速度を制御することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0033】
9.前記制御手段が、画像形成を行わない前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度を、画像形成を行う前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度よりも低くすることを特徴とする前記8に記載の電子写真画像形成装置。
【0034】
【発明の実施の形態】
[画像形成装置]
図1は、画像形成装置100と、画像読取装置200とから構成された本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【0035】
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙搬送手段及び定着装置24とから成る。
【0036】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体1Yの周囲に配置された潜像形成手段を構成する帯電手段2Y、潜像形成手段を構成する露光手段3Y、現像手段としての現像装置4Y、クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としての感光体1M、潜像形成手段を構成する帯電手段2M、潜像形成手段を構成する露光手段3M、現像手段としての現像装置4M、クリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としての感光体1C、潜像形成手段を構成する帯電手段2C、潜像形成手段を構成する露光手段3C、現像手段としての現像装置4C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体としての感光体1K、潜像形成手段を構成する帯電手段2K、潜像形成手段を構成する露光手段3K、現像手段としての現像装置4K、クリーニング手段8Kを有する。
【0037】
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0038】
一方、転写手段7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0039】
5Y,5M,5C,5Kは、現像装置4Y,4M,4C,4Kにそれぞれ新規トナーを補給するトナー補給手段である。
【0040】
画像形成装置100の上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置200が設置されている。
【0041】
[現像装置の構成]
図2は図1における現像装置4Y,4M,4C,4Kの中央断面図である。以下、現像装置4Y,4M,4C,4Kを代表して現像装置4と称す。また、感光体1Y,1M,1C,1Kを代表して感光体1と称す。
【0042】
現像手段としての現像装置4は、現像装置本体40、現像剤担持体としての現像ローラ41、現像剤層厚規制部材42、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、現像剤回収搬送部材としての剥ぎ取りローラ45、回収スクリュー46、トナー濃度センサ47等から構成されている。
【0043】
本発明に係る現像装置4は、感光体1と現像ローラ41とが近接する現像領域において、感光体1と現像ローラ41とは同方向に回転する。また、現像ローラ41上の二成分現像剤は、現像ローラ41の下方に配置された現像剤層厚規制部材42から前記現像領域を通過して、現像ローラ41の上方に配置された剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られる構成をなす。
【0044】
現像装置本体40は、現像ローラ41、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44を支持する下本体40Aと、剥ぎ取りローラ45、回収スクリュー46を支持する中本体40Bと、中本体40Bの上方開口部を閉蓋する上蓋40Cとから構成されている。
【0045】
下本体40Aは、搬送スクリュー43を収容する現像剤供給部401と、攪拌スクリュー44を収容する現像剤攪拌部402とから成る。現像剤供給部401と現像剤攪拌部402とは、下本体40Aの底部から直立した第1隔壁404を挟んで両側に形成されている。
【0046】
回収スクリュー46を回転可能に支持する中本体40Bの底部に形成された第2隔壁405は、現像剤供給部401と現像剤回収部403とを仕切る。また、中本体40Bの一部は、現像剤攪拌部402の上方開口部を閉蓋する。
【0047】
現像ローラ41の内側には、磁界発生手段としての固定磁極41Aが設けられる。
【0048】
固定磁石41Aは、複数の磁極N1,N2,N3,N4,S1,S2,S3を有する。固定磁石41Aの複数個の磁極のうち互いに隣接する2磁極N3,N4は、同極性であり反発磁界を形成している。現像剤剥ぎ取り用の磁極N3は、現像ローラ41上の現像剤を剥ぎ取り飛散させる。現像剤受け入れ用の磁極N4は、搬送スクリュー43により供給された現像剤を吸引し、現像ローラ41上に付着させる。
【0049】
搬送スクリュー43は、攪拌スクリュー44から搬送された現像剤を攪拌して搬送し、現像ローラ41に均一に供給する。
【0050】
攪拌スクリュー44は搬送スクリュー43に平行配置され、トナー補給手段5から補給される新規トナーと回収スクリュー46から還流された現像剤とを混合、攪拌して搬送スクリュー43の上流部に搬送する。
【0051】
現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3の近傍には、剥ぎ取りローラ45が配置されている。剥ぎ取りローラ45の内側には固定磁石45Aが配置される。固定磁石45Aは、例えば、N1,S1,S2の3磁極から成り、磁極S1は現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3に対向している。
【0052】
現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3により、現像ローラ41表面から放出された現像剤は、剥ぎ取りローラ45内の磁極S1により吸引され、回転する回転部材45Aにより担持され、現像剤回収部403内の傾斜状をなす第2隔壁405上を搬送される。
【0053】
現像剤回収部403内に回転可能に配置された回収スクリュー46は、剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られて落下する現像剤を受けて回収して、現像剤攪拌部402内の攪拌スクリュー44の搬送方向下流側であって、現像ローラ41の現像領域外に搬送する。なお、現像ローラ41に現像剤が直接戻らない位置であれば、回収スクリュー46により回収された現像剤を、現像剤供給部401の上流部に還流させてもよい。
【0054】
搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、回収スクリュー46は、何れもスパイラルスクリュー状の部材であり、回転軸方向に現像剤を搬送させるとともに、回転軸のほぼ直角方向に現像剤を放出させる。
【0055】
現像剤回収部403の現像剤搬送下流側と、現像剤供給部401の現像剤搬送下流側とは、第2隔壁405の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0056】
現像剤供給部401の現像剤搬送下流側と現像剤攪拌部402の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の一方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0057】
現像剤攪拌部402の現像剤搬送下流側と現像剤供給部401の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の他方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0058】
現像剤供給部401の現像剤搬送下流側の底部に設けたトナー濃度センサ47は、搬送される現像剤のトナー濃度を検知する。トナー濃度検知信号により、トナー補給手段5を作動し、新規トナーを現像剤攪拌部402の現像剤搬送上流側付近に設けられたトナー補給用開口部409に補給する。トナー補給手段5は、現像処理後の画像濃度を光学的に検出して、画像濃度の検出結果に応じてトナー補給制御を行う事も可能である。
【0059】
剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られた現像剤は、現像剤回収部403内に回収され、回収スクリュー46により回収現像剤が現像剤搬送下流側に搬送され、第2隔壁405に穿設された開口部から現像剤供給部401内の現像剤搬送下流側に還流される。
【0060】
現像剤供給部401内の現像剤は、搬送スクリュー43により第1隔壁404の一方の端部に穿設された開口部から現像剤攪拌部402内の現像剤搬送上流側に搬送される。
【0061】
現像剤攪拌部402内に搬送された現像剤は、攪拌スクリュー44により、トナー補給用開口部409より補給された新規トナーと、現像剤とを混合攪拌しつつ搬送され、第1隔壁404の他方の端部に穿設された開口部から排出され、現像剤供給部401内に還流される。現像剤供給部401内では、搬送スクリュー43により現像剤を軸方向に搬送しつつ放射して現像ローラ41に供給する。
【0062】
搬送スクリュー43と攪拌スクリュー44の回転方向は、現像ローラ41の回転方向と同方向になるように構成することにより、現像ローラ41への現像剤供給の効率化が達成されるだけではなく、安定した現像剤供給が可能となり、良好な画像を得ることができる。
【0063】
また、回収スクリュー46の回転方向を、現像ローラ41の回転方向と逆方向回転にする事により、現像剤回収部403内での現像剤の逆流を低減する事が可能である。さらに、回収スクリュー46の現像剤搬送力を、搬送スクリュー43の現像剤搬送力より小さくなるように設定する。これにより、回収スクリュー46の現像剤搬送方向下流側での現像剤パッキングの発生を防止することができ、現像剤の耐久性を損なわずに現像ローラ41に安定した現像剤供給を行う事が可能になる。
【0064】
現像剤温度を検知する温度センサSTは攪拌室402の壁に配置され、現像装置近傍の湿度を検知する湿度センサSHは、現像装置4の底部に設けられる。温度センサST及び湿度センサSHの設置場所は図示の例に限られず、現像装置4中の現像剤温度及び現像装置4近傍の湿度を検知できる他の場所に設けることができる。
【0065】
感光体1及び現像ローラ41は矢印のように回転し感光体1上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0066】
現像ローラ41には、DCバイアス電源ESD及びACバイアス電源ESAを有するバイアス電源ESからDCバイアスにACバイアスが重畳されたバイアス電圧が印加される。DCバイアスはトナーの帯電極性と同一極性であり、感光体1の露光部にトナーを付着させる反転現像が行われる。
【0067】
現像ローラ41、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、はぎ取りローラ45及び回収スクリュー46はモータMにより駆動される。
【0068】
[トナーの強制消費]
図3は本発明の実施の形態における基本的なトナーの強制消費工程のフローチャートである。
【0069】
ステップF1において、現像剤担持体(現像ローラ41)の単位移動距離当たりの画像面積率αが計算される。単位移動距離当たりの画像面積率αは次の(1)式により与えられる。
α=S1/(L1×L2)×100(%/cm2)・・・・・(1)
S1は1頁において画像が占める面積であり、L1は現像ローラ41の軸方向の長さであり、L2は現像ローラ41の周面の画像1頁当たりの移送距離である。
【0070】
画像が占める面積S1は画像データから算出される。画素1ドットが占める面積は画素値に対応するので、面積S1の計算には画素値が考慮され、画像が占める面積S1は、次の(2)式により計算される。
【0071】
S1=ΣkDn・・・・・(2)
kは常数、Dnは画像データであり、例えば、256階調の画像であれば、256段階に変化する値である。Σは1頁の画像の画素について合計するという意味である。
【0072】
(1)式から明らかなように、単位移動距離当たりの画像面積率αは、画像1頁の全面積に対する画像が占める面積の百分率である原稿の画像面積率と異なって、現像剤担持体の移動距離が考慮されたものである。例えば、原稿の画像面積率が同一であっても、現像剤担持体の移動距離が大きい場合には、単位移動距離当たりの画像面積率αは小さな値となる。移動距離が大きくなる例として、カラーオートモードにおいて、画像形成工程の間にモノカラーとフルカラーの切り替え時間が加わった時等がある。
【0073】
一方、現像剤担持体の移動距離が大きい場合には、現像剤の劣化の進行が速い。従って、単位移動距離当たりの画像面積率αは、現像剤の劣化度を正確に反映したパラメータである。
【0074】
なお、現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率をβとすると、単位移動距離当たりの画像面積率αと単位作動時間当たりの画像面積率βとは次の式(3)で表される関係を有する。
【0075】
α=β/v・・・・・(3)
vは現像剤担持体の移動速度であり、図2の現像装置では現像ローラ41の周速である。
【0076】
ステップF2において、黒帯幅が決定される。
黒帯幅は、単位移動距離当たりの画像面積率αが小さい場合には、大であり、画像面積率αが大きい場合には、小となるように設定される。単位移動距離当たりの画像面積率に対する黒帯幅は実験により求められ、ステップF1で求めた単位移動距離当たりの画像面積率に対応して変化する。
【0077】
なお、黒帯の幅は、段階的に又は連続的に変化する値とすることができる。
ステップF3において感光体上に黒帯が形成される。図4は、感光体上に形成される黒帯を示す。
【0078】
感光体上には、G1、G2のように、間隙Hを挟んで画像が連続して形成されるが、黒帯BLは画像G1、G2間の間隙Hに形成される。黒帯BLは、現像手段内のトナーを強制消費する目的で形成され、各画像間にか、又は、数画像おきに形成される。
【0079】
なお、黒帯形成位置は間隙Hに必ずしも限られず、画廊領域外であればよく、例えば、画像G1、G2の上下であっても良い。
【0080】
黒帯が画像領域外であるので、転写材に転写されることはなく、クリーニング装置において感光体から除去される。
【0081】
図5は、本発明の実施の形態における他のトナーの強制補給制御のフローチャートであり、温度や湿度による現像剤の特性変化に対応できるトナーの強制制御のフローチャートである。
【0082】
図5の制御においては、ステップF1に続くステップF1Aにおいて、現像剤温度の読み込みが行われる。現像剤温度の読み込みは、図2における温度センサSTの出力を読むことにより行われる。ステップF1Aに続くステップF1Bにおいて、湿度の読み込みが行われる。ステップ1Bは図2の湿度計SHの出力を読むことにより行われる。
【0083】
ステップF2の黒帯幅決定では、ステップF1で得られた単位移動距離当たりの画像面積率α、ステップF1Aにおいて得られた現像剤温度及びステップF1Bにおいて得られた現像手段近傍の湿度に基づいて決定される。
【0084】
これらのパラメータに対応する黒帯幅は実験により予め求められており、制御部CR内のメモリにルックアップテーブルとして格納されており、制御部CRは、このルックアップテーブルを参照して黒帯幅を決定する。
【0085】
図6は、本発明の画像形成装置における強制消費に関連した制御系のブロック図である。
【0086】
制御部CRは、画像処理部GSから画像データ、すなわち、画素値の情報を取得するとともに、現像剤担持体の移動距離の情報を取得して単位移動距離当たりの画像面積率αを計算するが、前記(1)式中の現像ローラの移動距離L2は、制御部CRが出力するモータMの制御信号から計算する。すなわち、モータMの回転数、従って、モータMにより駆動される現像ローラ41の回転数は、制御手段が出力する制御信号により設定されるので、制御部CRは制御信号に対する現像ローラ41の移動距離L2のルックアップテーブルを有しており、該ルックアップテーブルから現像ローラ41の移動距離L2を得る。
【0087】
なお、現像ローラ41の周面の移動距離を、たとえば、エンコーダを用いて直接検知することもできる。
【0088】
このように、制御部CRは、現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、単位移動距離当たりの画像面積率αを検知する画像面積率検知手段として機能する。制御部CRは更にトナーの強制消費の制御を行う制御手段として機能する。
【0089】
図5の制御を行う場合には、制御部CRは更に、温度センサST及び湿度センサSHの情報に基づいて黒帯幅を決定する。
【0090】
制御部CRは、また、現像剤担持体を回転駆動する現像モータMを制御しており、現像モータMの制御信号から、現像ローラ41の移動速度vを計算する。
【0091】
黒帯形成において、制御部CRは画像処理部GSを制御して、決定した黒帯幅の情報に基づいた幅の黒帯を形成する画像データを画像処理部GSから出力させる。
【0092】
トナーの強制消費においては、画像データを適宜設定することにより、図4の黒帯BLを形成するが、更に濃度を増すなど、黒帯BLの濃度を制御することにより強制消費におけるトナーの消費量を制御することが出来る。黒帯BLの濃度を制御するには、第1にバイアス電源ESを制御する手段が用いられる。
【0093】
以上説明したトナーの強制消費制御は、図1に示した画像形成装置における画像形成部10Y、10M、10C及び10Kのそれぞれにおいて独立して行われる。その結果、各画像形成部において高い画質の画像が形成され、高画質のフルカラー画像が形成される。
【0094】
図7は、現像剤担持体の移動速度を制御することにより現像剤の劣化を防止して、高画質を維持する制御の例のフローチャートである。
【0095】
ステップF1において、現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0096】
ステップF1Aにおいて、現像手段内の現像剤温度を検知する。
ステップF2Eでは、画像面積率α及び現像剤温度に基づいて、画像形成工程にける現像剤担持体の移動速度を設定する。
【0097】
この制御は図1に示す複数の画像形成部を有するカラー画像形成装置において特に有効である。
【0098】
カラー画像形成装置では、白黒画像形成を行う頻度が、フルカラー画像形成を行う頻度と同等又はフルカラー画像形成を行う頻度よりも高い。また、特定の画像形成部のみを作動させて画像形成を行う白黒以外のモノカラー画像形成も行われる。
【0099】
このようなモノカラー(白黒を含む)画像形成においては、特定の画像形成部のみにおいて画像形成が行われ、他の画像形成部においては画像形成が行われない。例えば、白黒画像形成においては、YMC画像形成部では画像形成が行われない。
【0100】
従って、画像形成が行われない画像形成部の現像手段を作動させることにより、不必要な現像剤の劣化が進行する。
【0101】
本発明においては、画像面積率に応じて現像剤担持体の移動速度を制御しているので、画像形成を行わない画像形成部では、画像面積率αが0となり、像担持体を最も低い移動速度で駆動する。
【0102】
例えば、通常の画像形成における移動速度の1/3に設定する。この制御により、画像を形成しない現像手段中の現像剤の不要な劣化が防止される。
【0103】
具体的には、画像形成を行わない画像形成部における現像装置4中の現像ローラ41に対して、単位時間当たりの画像面積率αが低いときは、現像ローラ41の回転速度を下げ、高いときは、現像ローラ41の回転速度を変更しないという制御を行い、温度が高いときは、現像ローラ41の回転速度を下げ、温度が低いときは回転速度を変更しないという制御を行う。
【0104】
ステップF3Aにおいて、設定された移動速度で現像剤担持体を駆動して画像形成を行う。
【0105】
図8は、トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【0106】
ステップF1において、現像ローラの単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0107】
ステップF2Cにおいて、ACバイアスの出力を通常の画像形成工程における出力よりアップする。具体的には、Vppを通常の画像形成工程におけるVppよりも大きな値に設定する。
【0108】
ステップS3において黒帯を形成する。
現像剤の劣化の一つの現象として、現像手段内にトナーの塊や粗粒が残留し蓄積することが挙げられるが、ACバイアスの出力を上げることにより、粗粒等を除去することができる。
【0109】
図9は、トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【0110】
ステップF1において、現像ローラの単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0111】
ステップF2Dにおいて、ACバイアスの周波数を通常の画像形成における周波数よりも低い値に設定する。
【0112】
ステップS3において黒帯を形成する。
現像剤の劣化の一つの現象として、現像手段内にトナーの塊や粗粒が残留し蓄積することが挙げられるが、ACバイアスの周波数を下げることにより、粗粒等を除去することができる。
【0113】
図7、8、9におけるステップF1においては、現像剤担持体(現像ローラ)の単位移動距離当たりの画像面積率αに代えて、現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率βを用いても有効に画質の低下を防止することができる。すなわち、画像面積率α又はβに基づいて、画像を形成しない現像手段中の現像剤担持体の移動速度を制御することにより、現像剤の劣化を防止することができる。また、現像手段から粗粒を除去することにより、均一な濃度の画像を形成することが確認されており、画像面積率α又はβを用いて図8、9の制御を行うことにより、現像手段から粗粒が除去されて均一な濃度の画像が形成されるようになる。
【0114】
図1、図3、図7、図8及び図9の制御の任意の2以上を組み合わせて使用することも勿論可能である。
【0115】
画像面積率α、βは、形成しようとしている画像の画像データから算出されるが、過去の画像形成工程に用いられた画像データから算出してもよく、過去の複数枚の画像の画像データから求めた画像面積率の平均値に基づいて前記に説明した各種の制御を行うこともできる。
【0116】
【実施例】
図1に示す画像形成装置の画像形成部10Y、10M、10C、10Kのそれぞれを次の条件で作動させて画像形成を行った。
・感光体の周速:220mm/sec、110mm/sec、73mm/sec
・現像ローラ41の周速:10mm〜450mm/sec
・現像バイアス
DCバイアス:−200V〜−700V
ACバイアス:Vpp=0.5kV〜2.3kV、周波数=1kHz〜5kHz
・帯電手段のグリッド電圧:−250V〜−650V
・感光体上のトナー像の濃度を検知するトナー濃度センサ、現像剤温度を検知する温度センサST及び現像手段近傍の湿度を検知する湿度センサSHを用いた。
【0117】
なお、表1、3、5、8及び9における画像評価は、連続してA4サイズの画像を1000枚形成した時点における評価である。
【0118】
表1は、前記の作動条件で画像形成装置を作動させ、トナーの強制消費を行わないで画像形成試験を行った結果を示す。
【0119】
表1において、○印は画質に問題なし、△は画質にやや問題あり、×は問題ありで、×の数が多いほど画質の低下が著しいことを示す。
【0120】
表中のホタルは、ベタ画像中に白色の斑点が発生する画像ムラを指している。
表1から明らかなように、単位移動距離当たりの画像面積率αが大きいほど画質が安定するのに対し、画像面積率αが小さいほど画質が低下し、不安定になる。言い換えると、現像剤担持体の移動距離が大きいほど画質が低下する。
【0121】
【表1】
【0122】
表2は各単位移動距離当たりの画像面積率αに対して、画質の低下を起こさない黒帯幅を実験により求めた結果を示す。
【0123】
表2に示した黒帯を画像間に形成することにより、広い範囲の単位移動距離当たりの画像面積率αの変化に対して、画像荒れ、地カブリ、トナー飛散、ホタル等の発生がなく、画像面積率α、すなわち、形成される画像のパターンに影響されない高い画質の画像を形成することが可能になる。なおあ、表2は、所定の画質を維持出来る最低のトナー消費(強制消費における消費)のレベルを示したものである。
【0124】
【表2】
【0125】
表3は、現像剤温度の画像に対する影響を調べた結果を示す。表から明らかなように、画像面積率αが小さいほど、また、現像剤温度が高いほど画質が低下する。
【0126】
表3における50℃等の高温は、例えば、30℃の高い室温の環境下で画像形成を行う場合に生ずる。
【0127】
【表3】
【0128】
表4は表3に示すような画質の低下を起こす条件で、現像剤温度に黒帯幅を対応させて変化させた場合に、画質に変動がない限界の黒帯幅を示した。表3の幅の黒帯を形成することにより、画質の低下を防止することができた。
【0129】
【表4】
【0130】
表5は、現像手段近傍の湿度の画像に対する影響を調べた結果を示す。表から明らかなように、画像面積率αが小さいほど、また、湿度が高いほど画質が低下する。
【0131】
高湿下において発生する個々の面積が大きいホタルは、トナーの凝集によるものと推定される。
【0132】
【表5】
【0133】
表6は表5に示すような画質の低下を起こす条件で、湿度に黒帯幅を対応させて変化させた場合に、画質に変動がない限界の黒帯幅を示した。表3の幅の黒帯を形成することにより、画質の低下を防止することができた。
【0134】
【表6】
【0135】
表7は、画像形成を行わない現像手段中の現像ローラの移動速度を制御することにより、画質の低下を防止した例であり、図5に示す条件下では画質の低下が発生したが、表7に示すように現像ローラの移動速度を設定することにより、画質の低下が防止された。なお、Vsは現像ローラの周速、Vpは感光体の周速であり、感光体の周速を一定に保持して、現像ローラの周速を変えることにより、表7に示すようなVs/Vpを設定した。
【0136】
なお、通常の画像形成を行う現像手段中の現像剤担持体の移動速度を、Vs/Vp=1.8となるように設定した。
【0137】
表7から明らかなように、画像面積率αが高い領域では現像ローラ線速度Vs/Vpをほとんど変更せず、画像面積率αが0又は0に近い領域において、現像ローラ線速度を落すことにより良好な画像が得られる。
【0138】
【表7】
【0139】
表8はACバイアスの出力Vppを変えて現像を行った結果を示す。
表8におけるベタ均一性、ノイズが良好とは、ベタ画像が均一に再現されることを示し、粗粉による白抜けホタルとは、画像に白い斑点が出ることを示す。ベタ均一性は低出力側で良好であるが、トナーの粗粒による、白抜けホタルは高出力で画像形成する方が良好である。
【0140】
白抜けホタルが良好であるということは、現像剤中の粗粒が現像工程において現像手段から排出された結果、ベタ画像を出力しても、粗粒による影響を受けない状態になっていることを示す。
【0141】
従って、画質低下の原因となる粗粉を現像手段から排出するために、強制トナー消費の際にACバイアスの出力を大きくすることが望ましく、例えば、強制トナー消費時はACバイアスを1.4kVとしたが、この対策により、現像剤劣化による画質低下を防止することができる。
【0142】
なお、通常の画像形成工程における出力Vppを、0.7〜1.0kVに設定した。
【0143】
【表8】
【0144】
表9は、ACバイアスの周波数を変えて現像を行った結果を示す。
表9から明らかなように、ベタ均一性及びノイズに関しては、周波数が高い方が有利であり、粗粉による白抜けホタルに関しては、周波数が低い方が有利である。
【0145】
表8に関して説明したように、高周波数側で白抜けホタルが発生するということは、現像手段中に粗粉が蓄積されるために、ベタ画像を出力するといきょに粗粒が排出されることを意味する。従って、強制消費においては、ACバイアスの周波数を低く設定して、例えば、強制トナー消費時はACバイアスの周波数を2kHzとして現像手段中の粗粉を排出することが望ましく、この対策により、現像剤劣化による画質の低下を防止することができる。
【0146】
なお、通常の画像形成工程における周波数を、3kHzHzに設定した。
【0147】
【表9】
【0148】
【発明の効果】
請求項1〜4、7のいずれかの発明により、画像濃度調整や定着速度調整等により現像手段内における現像剤の攪拌動作が変化した場合にも現像剤の劣化が進行することなく、常に、良好な画像が形成される。
【0149】
請求項3の発明により、温度変化により現像剤の特性が変化した場合にも、良好な画質が維持される。
【0150】
請求項4の発明により、湿度変化により現像剤の特性が変化した場合にも、良好な画質が維持される。
【0151】
請求項5又は6の発明により、トナーの強制消費において、画像手段内の粗粒等が効果的に除去され、均一で高い画質の画像が安定して形成される。
【0152】
請求項8又は9の発明により、現像剤の不要な劣化が防止されて、高画質の画像を長期間に亘って、安定して形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】現像装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費工程の一例のフローチャートである。
【図4】像担持体上に形成された黒帯を示す図でる。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費工程の他の例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費に関連した制御系のブロック図である。
【図7】現像剤担持体の移動速度の制御を行う、本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【図8】トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【図9】トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
4、4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段)
41 現像ローラ(現像剤担持体)
CR 制御部(移動距離検知手段、画像面積率検知手段、制御手段)
GS 画像処理部
BL 黒帯
ST 温度センサ
SH 湿度センサ
ES バイアス電源
ESD DCバイアス電源
ESA ACバイアス電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式により画像を形成する電子写真画像形成装置に関し、特に、現像剤の疲労・劣化による画質の低下等の不具合を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現像剤の疲労により画質が低下する等の現象は広く知られており、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤を用いた電子写真画像形成装置においては、次のような現象が起こる。
【0003】
トナー消費の少ない画像形成を多数回行った場合に、画像荒れ、地カブリ、トナー飛散、濃度変動等の様々な不具合が発生する。これらの不具合は、現像工程において実行される現像剤の攪拌により現像剤の劣化が進み、トナーの帯電量が変動する事によると推定される。現像剤の劣化は、トナー及びキャリア、双方において進行すると考えられ、具体的には、外添剤がトナーに埋め込まれたり、キャリアに吸着されたりする現象である。
【0004】
そして、現像剤の劣化はトナー消費量が少ない現像が続いた場合に生ずることが知られており、これに対する対策が種々採られている。
【0005】
特許文献1では、印字率を測定し、印字率が所定値未満のときに、トナーを強制消費することが提案されている。
【0006】
特許文献2では、トナー補給が少ない状態で攪拌が長時間行われたときに、トナーを強制補給することが提案されている。
【0007】
特許文献3では、一成分現像剤を用いる現像において、現像時間が所定値に達する毎に、現像剤の強制補給を行うことが提案されている。
【0008】
特許文献4では、画素密度を検出し、検出値に基づいて現像装置からトナーを強制排出する(像担持体に付着させる)ことが提案されている。
【0009】
これらの対策は、おおむねトナー消費率の少ない画像形成が続いた場合に生ずる現像剤の劣化に対するものであり、印字率や画像密度を測定し、測定値に基づいて強制補給等を行っている。
【0010】
しかるに、現像剤の劣化は、トナー消費率とともに現像剤の攪拌に関連しており、現像剤攪拌を制御のパラメータとして導入する必要がある。
【0011】
特許文献5では、この点が考慮されており、画像面積率と現像駆動時間とを検知し、検知した値に基づいて、現像剤を強制消費している。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−86841号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平8−314253号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2000−181216号公報
【0015】
【特許文献4】
特開2000−206744号公報
【0016】
【特許文献5】
特開2003−76079号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高画質に対するニーズが高まるとともに、画像形成装置の多機能化が進行しており、このような技術の趨勢では、現像剤の疲労・劣化に対する前記のような対策では十分でないことが判明した。
【0018】
すなわち、画像濃度を広範囲に亘って制御するために、現像装置内の現像剤担持体の移動速度を制御することが行われる。また、光沢画像を形成したり、厚手の紙に画像を形成したり、OHP用シートに画像を形成する等の画像形成工程においては、トナーの溶融度を高めて定着を行うために、定着装置における記録材の搬送速度下げることが行われる。
【0019】
これらの制御においては、現像装置内における現像剤攪拌手段の作動速度も現像剤担持体の移動速度や定着装置における搬送速度の変化に応じて変化する。従って、現像剤の攪拌により主として受ける現像剤の疲労・劣化の割合も前記の制御に応じて変化する。
【0020】
このような理由から、例えば、特許文献5のように現像駆動時間に基づいた単純な現像剤の劣化対策では十分ではないことが判明した。
【0021】
また、従来の現像剤劣化対策では、温度や湿度により現像剤の劣化の度合いが変化する現象に対して有効でないという問題がある。更に、従来の現像剤劣化対策では、現像手段中に蓄積したトナーの粗粒等が十分除去されず、画質の低下につながるという問題がある。
【0022】
更に、複数の画像形成部を有するカラー画像形成装置においては、白黒モードをはじめとして、特定の画像形成部において主として画像形成を行い、他の画像形成部においては画像を形成しないモードで画像形成が実行される場合が少なくない。このようなモードでは、特定の画像形成部においてのみトナーが消費され、他の画像形成部においては、現像手段は作動するがトナーの消費が無い。従って、トナー消費の少ない状態で現像手段が作動する画像形成部においては現像剤の不必要な劣化が進行する。その結果、フルカラー画像を形成する際に、画質の低下が起こる等の問題がある。
【0023】
本発明は、従来の現像剤劣化対策における前記のような問題を解決し、高画質の画像を安定して形成することが出来る電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の発明により達成される。
【0025】
1.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び、
現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び制御手段を有し、前記画像面積率検知手段は、画像データ及び前記移動距離検知手段の検知結果に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知するとともに、該制御手段は、画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0026】
2.前記画像面積率検知手段は、画像データの画素数及び画素値に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知することを特徴とする前記1に記載の電子写真画像形成装置。
【0027】
3.現像剤温度を検知する温度センサを有し、前記制御手段は、前記現像手段内にある現像剤の温度を検知する温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする前記1又は前記2に記載の電子写真画像形成装置。
【0028】
4.前記現像手段近傍における湿度を検知する湿度センサを有し、前記制御手段は、前記温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
【0029】
5.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体に、DCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの出力を画像形成時よりも大きくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0030】
6.像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体にDCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの周波数を画像形成時よりも小さくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0031】
7.像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備え、前記複数の画像形成部の各々が、少なくとも前記画像面積率検知手段及び制御手段を備え、前記制御手段は、前記1〜6のいずれか1項に記載の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0032】
8.像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備えた電子写真画像形成装置において、
前記複数の画像形成部の各々は、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段、現像剤温度を検知する温度センサ及び制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果及び前記温度センサの検知結果に基づいて、前記現像剤担持体の移動速度を制御することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0033】
9.前記制御手段が、画像形成を行わない前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度を、画像形成を行う前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度よりも低くすることを特徴とする前記8に記載の電子写真画像形成装置。
【0034】
【発明の実施の形態】
[画像形成装置]
図1は、画像形成装置100と、画像読取装置200とから構成された本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【0035】
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙搬送手段及び定着装置24とから成る。
【0036】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体1Yの周囲に配置された潜像形成手段を構成する帯電手段2Y、潜像形成手段を構成する露光手段3Y、現像手段としての現像装置4Y、クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としての感光体1M、潜像形成手段を構成する帯電手段2M、潜像形成手段を構成する露光手段3M、現像手段としての現像装置4M、クリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としての感光体1C、潜像形成手段を構成する帯電手段2C、潜像形成手段を構成する露光手段3C、現像手段としての現像装置4C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体としての感光体1K、潜像形成手段を構成する帯電手段2K、潜像形成手段を構成する露光手段3K、現像手段としての現像装置4K、クリーニング手段8Kを有する。
【0037】
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0038】
一方、転写手段7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0039】
5Y,5M,5C,5Kは、現像装置4Y,4M,4C,4Kにそれぞれ新規トナーを補給するトナー補給手段である。
【0040】
画像形成装置100の上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置200が設置されている。
【0041】
[現像装置の構成]
図2は図1における現像装置4Y,4M,4C,4Kの中央断面図である。以下、現像装置4Y,4M,4C,4Kを代表して現像装置4と称す。また、感光体1Y,1M,1C,1Kを代表して感光体1と称す。
【0042】
現像手段としての現像装置4は、現像装置本体40、現像剤担持体としての現像ローラ41、現像剤層厚規制部材42、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、現像剤回収搬送部材としての剥ぎ取りローラ45、回収スクリュー46、トナー濃度センサ47等から構成されている。
【0043】
本発明に係る現像装置4は、感光体1と現像ローラ41とが近接する現像領域において、感光体1と現像ローラ41とは同方向に回転する。また、現像ローラ41上の二成分現像剤は、現像ローラ41の下方に配置された現像剤層厚規制部材42から前記現像領域を通過して、現像ローラ41の上方に配置された剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られる構成をなす。
【0044】
現像装置本体40は、現像ローラ41、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44を支持する下本体40Aと、剥ぎ取りローラ45、回収スクリュー46を支持する中本体40Bと、中本体40Bの上方開口部を閉蓋する上蓋40Cとから構成されている。
【0045】
下本体40Aは、搬送スクリュー43を収容する現像剤供給部401と、攪拌スクリュー44を収容する現像剤攪拌部402とから成る。現像剤供給部401と現像剤攪拌部402とは、下本体40Aの底部から直立した第1隔壁404を挟んで両側に形成されている。
【0046】
回収スクリュー46を回転可能に支持する中本体40Bの底部に形成された第2隔壁405は、現像剤供給部401と現像剤回収部403とを仕切る。また、中本体40Bの一部は、現像剤攪拌部402の上方開口部を閉蓋する。
【0047】
現像ローラ41の内側には、磁界発生手段としての固定磁極41Aが設けられる。
【0048】
固定磁石41Aは、複数の磁極N1,N2,N3,N4,S1,S2,S3を有する。固定磁石41Aの複数個の磁極のうち互いに隣接する2磁極N3,N4は、同極性であり反発磁界を形成している。現像剤剥ぎ取り用の磁極N3は、現像ローラ41上の現像剤を剥ぎ取り飛散させる。現像剤受け入れ用の磁極N4は、搬送スクリュー43により供給された現像剤を吸引し、現像ローラ41上に付着させる。
【0049】
搬送スクリュー43は、攪拌スクリュー44から搬送された現像剤を攪拌して搬送し、現像ローラ41に均一に供給する。
【0050】
攪拌スクリュー44は搬送スクリュー43に平行配置され、トナー補給手段5から補給される新規トナーと回収スクリュー46から還流された現像剤とを混合、攪拌して搬送スクリュー43の上流部に搬送する。
【0051】
現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3の近傍には、剥ぎ取りローラ45が配置されている。剥ぎ取りローラ45の内側には固定磁石45Aが配置される。固定磁石45Aは、例えば、N1,S1,S2の3磁極から成り、磁極S1は現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3に対向している。
【0052】
現像ローラ41の現像剤剥ぎ取り用の磁極N3により、現像ローラ41表面から放出された現像剤は、剥ぎ取りローラ45内の磁極S1により吸引され、回転する回転部材45Aにより担持され、現像剤回収部403内の傾斜状をなす第2隔壁405上を搬送される。
【0053】
現像剤回収部403内に回転可能に配置された回収スクリュー46は、剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られて落下する現像剤を受けて回収して、現像剤攪拌部402内の攪拌スクリュー44の搬送方向下流側であって、現像ローラ41の現像領域外に搬送する。なお、現像ローラ41に現像剤が直接戻らない位置であれば、回収スクリュー46により回収された現像剤を、現像剤供給部401の上流部に還流させてもよい。
【0054】
搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、回収スクリュー46は、何れもスパイラルスクリュー状の部材であり、回転軸方向に現像剤を搬送させるとともに、回転軸のほぼ直角方向に現像剤を放出させる。
【0055】
現像剤回収部403の現像剤搬送下流側と、現像剤供給部401の現像剤搬送下流側とは、第2隔壁405の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0056】
現像剤供給部401の現像剤搬送下流側と現像剤攪拌部402の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の一方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0057】
現像剤攪拌部402の現像剤搬送下流側と現像剤供給部401の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の他方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。
【0058】
現像剤供給部401の現像剤搬送下流側の底部に設けたトナー濃度センサ47は、搬送される現像剤のトナー濃度を検知する。トナー濃度検知信号により、トナー補給手段5を作動し、新規トナーを現像剤攪拌部402の現像剤搬送上流側付近に設けられたトナー補給用開口部409に補給する。トナー補給手段5は、現像処理後の画像濃度を光学的に検出して、画像濃度の検出結果に応じてトナー補給制御を行う事も可能である。
【0059】
剥ぎ取りローラ45により剥ぎ取られた現像剤は、現像剤回収部403内に回収され、回収スクリュー46により回収現像剤が現像剤搬送下流側に搬送され、第2隔壁405に穿設された開口部から現像剤供給部401内の現像剤搬送下流側に還流される。
【0060】
現像剤供給部401内の現像剤は、搬送スクリュー43により第1隔壁404の一方の端部に穿設された開口部から現像剤攪拌部402内の現像剤搬送上流側に搬送される。
【0061】
現像剤攪拌部402内に搬送された現像剤は、攪拌スクリュー44により、トナー補給用開口部409より補給された新規トナーと、現像剤とを混合攪拌しつつ搬送され、第1隔壁404の他方の端部に穿設された開口部から排出され、現像剤供給部401内に還流される。現像剤供給部401内では、搬送スクリュー43により現像剤を軸方向に搬送しつつ放射して現像ローラ41に供給する。
【0062】
搬送スクリュー43と攪拌スクリュー44の回転方向は、現像ローラ41の回転方向と同方向になるように構成することにより、現像ローラ41への現像剤供給の効率化が達成されるだけではなく、安定した現像剤供給が可能となり、良好な画像を得ることができる。
【0063】
また、回収スクリュー46の回転方向を、現像ローラ41の回転方向と逆方向回転にする事により、現像剤回収部403内での現像剤の逆流を低減する事が可能である。さらに、回収スクリュー46の現像剤搬送力を、搬送スクリュー43の現像剤搬送力より小さくなるように設定する。これにより、回収スクリュー46の現像剤搬送方向下流側での現像剤パッキングの発生を防止することができ、現像剤の耐久性を損なわずに現像ローラ41に安定した現像剤供給を行う事が可能になる。
【0064】
現像剤温度を検知する温度センサSTは攪拌室402の壁に配置され、現像装置近傍の湿度を検知する湿度センサSHは、現像装置4の底部に設けられる。温度センサST及び湿度センサSHの設置場所は図示の例に限られず、現像装置4中の現像剤温度及び現像装置4近傍の湿度を検知できる他の場所に設けることができる。
【0065】
感光体1及び現像ローラ41は矢印のように回転し感光体1上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0066】
現像ローラ41には、DCバイアス電源ESD及びACバイアス電源ESAを有するバイアス電源ESからDCバイアスにACバイアスが重畳されたバイアス電圧が印加される。DCバイアスはトナーの帯電極性と同一極性であり、感光体1の露光部にトナーを付着させる反転現像が行われる。
【0067】
現像ローラ41、搬送スクリュー43、攪拌スクリュー44、はぎ取りローラ45及び回収スクリュー46はモータMにより駆動される。
【0068】
[トナーの強制消費]
図3は本発明の実施の形態における基本的なトナーの強制消費工程のフローチャートである。
【0069】
ステップF1において、現像剤担持体(現像ローラ41)の単位移動距離当たりの画像面積率αが計算される。単位移動距離当たりの画像面積率αは次の(1)式により与えられる。
α=S1/(L1×L2)×100(%/cm2)・・・・・(1)
S1は1頁において画像が占める面積であり、L1は現像ローラ41の軸方向の長さであり、L2は現像ローラ41の周面の画像1頁当たりの移送距離である。
【0070】
画像が占める面積S1は画像データから算出される。画素1ドットが占める面積は画素値に対応するので、面積S1の計算には画素値が考慮され、画像が占める面積S1は、次の(2)式により計算される。
【0071】
S1=ΣkDn・・・・・(2)
kは常数、Dnは画像データであり、例えば、256階調の画像であれば、256段階に変化する値である。Σは1頁の画像の画素について合計するという意味である。
【0072】
(1)式から明らかなように、単位移動距離当たりの画像面積率αは、画像1頁の全面積に対する画像が占める面積の百分率である原稿の画像面積率と異なって、現像剤担持体の移動距離が考慮されたものである。例えば、原稿の画像面積率が同一であっても、現像剤担持体の移動距離が大きい場合には、単位移動距離当たりの画像面積率αは小さな値となる。移動距離が大きくなる例として、カラーオートモードにおいて、画像形成工程の間にモノカラーとフルカラーの切り替え時間が加わった時等がある。
【0073】
一方、現像剤担持体の移動距離が大きい場合には、現像剤の劣化の進行が速い。従って、単位移動距離当たりの画像面積率αは、現像剤の劣化度を正確に反映したパラメータである。
【0074】
なお、現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率をβとすると、単位移動距離当たりの画像面積率αと単位作動時間当たりの画像面積率βとは次の式(3)で表される関係を有する。
【0075】
α=β/v・・・・・(3)
vは現像剤担持体の移動速度であり、図2の現像装置では現像ローラ41の周速である。
【0076】
ステップF2において、黒帯幅が決定される。
黒帯幅は、単位移動距離当たりの画像面積率αが小さい場合には、大であり、画像面積率αが大きい場合には、小となるように設定される。単位移動距離当たりの画像面積率に対する黒帯幅は実験により求められ、ステップF1で求めた単位移動距離当たりの画像面積率に対応して変化する。
【0077】
なお、黒帯の幅は、段階的に又は連続的に変化する値とすることができる。
ステップF3において感光体上に黒帯が形成される。図4は、感光体上に形成される黒帯を示す。
【0078】
感光体上には、G1、G2のように、間隙Hを挟んで画像が連続して形成されるが、黒帯BLは画像G1、G2間の間隙Hに形成される。黒帯BLは、現像手段内のトナーを強制消費する目的で形成され、各画像間にか、又は、数画像おきに形成される。
【0079】
なお、黒帯形成位置は間隙Hに必ずしも限られず、画廊領域外であればよく、例えば、画像G1、G2の上下であっても良い。
【0080】
黒帯が画像領域外であるので、転写材に転写されることはなく、クリーニング装置において感光体から除去される。
【0081】
図5は、本発明の実施の形態における他のトナーの強制補給制御のフローチャートであり、温度や湿度による現像剤の特性変化に対応できるトナーの強制制御のフローチャートである。
【0082】
図5の制御においては、ステップF1に続くステップF1Aにおいて、現像剤温度の読み込みが行われる。現像剤温度の読み込みは、図2における温度センサSTの出力を読むことにより行われる。ステップF1Aに続くステップF1Bにおいて、湿度の読み込みが行われる。ステップ1Bは図2の湿度計SHの出力を読むことにより行われる。
【0083】
ステップF2の黒帯幅決定では、ステップF1で得られた単位移動距離当たりの画像面積率α、ステップF1Aにおいて得られた現像剤温度及びステップF1Bにおいて得られた現像手段近傍の湿度に基づいて決定される。
【0084】
これらのパラメータに対応する黒帯幅は実験により予め求められており、制御部CR内のメモリにルックアップテーブルとして格納されており、制御部CRは、このルックアップテーブルを参照して黒帯幅を決定する。
【0085】
図6は、本発明の画像形成装置における強制消費に関連した制御系のブロック図である。
【0086】
制御部CRは、画像処理部GSから画像データ、すなわち、画素値の情報を取得するとともに、現像剤担持体の移動距離の情報を取得して単位移動距離当たりの画像面積率αを計算するが、前記(1)式中の現像ローラの移動距離L2は、制御部CRが出力するモータMの制御信号から計算する。すなわち、モータMの回転数、従って、モータMにより駆動される現像ローラ41の回転数は、制御手段が出力する制御信号により設定されるので、制御部CRは制御信号に対する現像ローラ41の移動距離L2のルックアップテーブルを有しており、該ルックアップテーブルから現像ローラ41の移動距離L2を得る。
【0087】
なお、現像ローラ41の周面の移動距離を、たとえば、エンコーダを用いて直接検知することもできる。
【0088】
このように、制御部CRは、現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、単位移動距離当たりの画像面積率αを検知する画像面積率検知手段として機能する。制御部CRは更にトナーの強制消費の制御を行う制御手段として機能する。
【0089】
図5の制御を行う場合には、制御部CRは更に、温度センサST及び湿度センサSHの情報に基づいて黒帯幅を決定する。
【0090】
制御部CRは、また、現像剤担持体を回転駆動する現像モータMを制御しており、現像モータMの制御信号から、現像ローラ41の移動速度vを計算する。
【0091】
黒帯形成において、制御部CRは画像処理部GSを制御して、決定した黒帯幅の情報に基づいた幅の黒帯を形成する画像データを画像処理部GSから出力させる。
【0092】
トナーの強制消費においては、画像データを適宜設定することにより、図4の黒帯BLを形成するが、更に濃度を増すなど、黒帯BLの濃度を制御することにより強制消費におけるトナーの消費量を制御することが出来る。黒帯BLの濃度を制御するには、第1にバイアス電源ESを制御する手段が用いられる。
【0093】
以上説明したトナーの強制消費制御は、図1に示した画像形成装置における画像形成部10Y、10M、10C及び10Kのそれぞれにおいて独立して行われる。その結果、各画像形成部において高い画質の画像が形成され、高画質のフルカラー画像が形成される。
【0094】
図7は、現像剤担持体の移動速度を制御することにより現像剤の劣化を防止して、高画質を維持する制御の例のフローチャートである。
【0095】
ステップF1において、現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0096】
ステップF1Aにおいて、現像手段内の現像剤温度を検知する。
ステップF2Eでは、画像面積率α及び現像剤温度に基づいて、画像形成工程にける現像剤担持体の移動速度を設定する。
【0097】
この制御は図1に示す複数の画像形成部を有するカラー画像形成装置において特に有効である。
【0098】
カラー画像形成装置では、白黒画像形成を行う頻度が、フルカラー画像形成を行う頻度と同等又はフルカラー画像形成を行う頻度よりも高い。また、特定の画像形成部のみを作動させて画像形成を行う白黒以外のモノカラー画像形成も行われる。
【0099】
このようなモノカラー(白黒を含む)画像形成においては、特定の画像形成部のみにおいて画像形成が行われ、他の画像形成部においては画像形成が行われない。例えば、白黒画像形成においては、YMC画像形成部では画像形成が行われない。
【0100】
従って、画像形成が行われない画像形成部の現像手段を作動させることにより、不必要な現像剤の劣化が進行する。
【0101】
本発明においては、画像面積率に応じて現像剤担持体の移動速度を制御しているので、画像形成を行わない画像形成部では、画像面積率αが0となり、像担持体を最も低い移動速度で駆動する。
【0102】
例えば、通常の画像形成における移動速度の1/3に設定する。この制御により、画像を形成しない現像手段中の現像剤の不要な劣化が防止される。
【0103】
具体的には、画像形成を行わない画像形成部における現像装置4中の現像ローラ41に対して、単位時間当たりの画像面積率αが低いときは、現像ローラ41の回転速度を下げ、高いときは、現像ローラ41の回転速度を変更しないという制御を行い、温度が高いときは、現像ローラ41の回転速度を下げ、温度が低いときは回転速度を変更しないという制御を行う。
【0104】
ステップF3Aにおいて、設定された移動速度で現像剤担持体を駆動して画像形成を行う。
【0105】
図8は、トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【0106】
ステップF1において、現像ローラの単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0107】
ステップF2Cにおいて、ACバイアスの出力を通常の画像形成工程における出力よりアップする。具体的には、Vppを通常の画像形成工程におけるVppよりも大きな値に設定する。
【0108】
ステップS3において黒帯を形成する。
現像剤の劣化の一つの現象として、現像手段内にトナーの塊や粗粒が残留し蓄積することが挙げられるが、ACバイアスの出力を上げることにより、粗粒等を除去することができる。
【0109】
図9は、トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【0110】
ステップF1において、現像ローラの単位移動距離当たりの画像面積率αを計算する。
【0111】
ステップF2Dにおいて、ACバイアスの周波数を通常の画像形成における周波数よりも低い値に設定する。
【0112】
ステップS3において黒帯を形成する。
現像剤の劣化の一つの現象として、現像手段内にトナーの塊や粗粒が残留し蓄積することが挙げられるが、ACバイアスの周波数を下げることにより、粗粒等を除去することができる。
【0113】
図7、8、9におけるステップF1においては、現像剤担持体(現像ローラ)の単位移動距離当たりの画像面積率αに代えて、現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率βを用いても有効に画質の低下を防止することができる。すなわち、画像面積率α又はβに基づいて、画像を形成しない現像手段中の現像剤担持体の移動速度を制御することにより、現像剤の劣化を防止することができる。また、現像手段から粗粒を除去することにより、均一な濃度の画像を形成することが確認されており、画像面積率α又はβを用いて図8、9の制御を行うことにより、現像手段から粗粒が除去されて均一な濃度の画像が形成されるようになる。
【0114】
図1、図3、図7、図8及び図9の制御の任意の2以上を組み合わせて使用することも勿論可能である。
【0115】
画像面積率α、βは、形成しようとしている画像の画像データから算出されるが、過去の画像形成工程に用いられた画像データから算出してもよく、過去の複数枚の画像の画像データから求めた画像面積率の平均値に基づいて前記に説明した各種の制御を行うこともできる。
【0116】
【実施例】
図1に示す画像形成装置の画像形成部10Y、10M、10C、10Kのそれぞれを次の条件で作動させて画像形成を行った。
・感光体の周速:220mm/sec、110mm/sec、73mm/sec
・現像ローラ41の周速:10mm〜450mm/sec
・現像バイアス
DCバイアス:−200V〜−700V
ACバイアス:Vpp=0.5kV〜2.3kV、周波数=1kHz〜5kHz
・帯電手段のグリッド電圧:−250V〜−650V
・感光体上のトナー像の濃度を検知するトナー濃度センサ、現像剤温度を検知する温度センサST及び現像手段近傍の湿度を検知する湿度センサSHを用いた。
【0117】
なお、表1、3、5、8及び9における画像評価は、連続してA4サイズの画像を1000枚形成した時点における評価である。
【0118】
表1は、前記の作動条件で画像形成装置を作動させ、トナーの強制消費を行わないで画像形成試験を行った結果を示す。
【0119】
表1において、○印は画質に問題なし、△は画質にやや問題あり、×は問題ありで、×の数が多いほど画質の低下が著しいことを示す。
【0120】
表中のホタルは、ベタ画像中に白色の斑点が発生する画像ムラを指している。
表1から明らかなように、単位移動距離当たりの画像面積率αが大きいほど画質が安定するのに対し、画像面積率αが小さいほど画質が低下し、不安定になる。言い換えると、現像剤担持体の移動距離が大きいほど画質が低下する。
【0121】
【表1】
【0122】
表2は各単位移動距離当たりの画像面積率αに対して、画質の低下を起こさない黒帯幅を実験により求めた結果を示す。
【0123】
表2に示した黒帯を画像間に形成することにより、広い範囲の単位移動距離当たりの画像面積率αの変化に対して、画像荒れ、地カブリ、トナー飛散、ホタル等の発生がなく、画像面積率α、すなわち、形成される画像のパターンに影響されない高い画質の画像を形成することが可能になる。なおあ、表2は、所定の画質を維持出来る最低のトナー消費(強制消費における消費)のレベルを示したものである。
【0124】
【表2】
【0125】
表3は、現像剤温度の画像に対する影響を調べた結果を示す。表から明らかなように、画像面積率αが小さいほど、また、現像剤温度が高いほど画質が低下する。
【0126】
表3における50℃等の高温は、例えば、30℃の高い室温の環境下で画像形成を行う場合に生ずる。
【0127】
【表3】
【0128】
表4は表3に示すような画質の低下を起こす条件で、現像剤温度に黒帯幅を対応させて変化させた場合に、画質に変動がない限界の黒帯幅を示した。表3の幅の黒帯を形成することにより、画質の低下を防止することができた。
【0129】
【表4】
【0130】
表5は、現像手段近傍の湿度の画像に対する影響を調べた結果を示す。表から明らかなように、画像面積率αが小さいほど、また、湿度が高いほど画質が低下する。
【0131】
高湿下において発生する個々の面積が大きいホタルは、トナーの凝集によるものと推定される。
【0132】
【表5】
【0133】
表6は表5に示すような画質の低下を起こす条件で、湿度に黒帯幅を対応させて変化させた場合に、画質に変動がない限界の黒帯幅を示した。表3の幅の黒帯を形成することにより、画質の低下を防止することができた。
【0134】
【表6】
【0135】
表7は、画像形成を行わない現像手段中の現像ローラの移動速度を制御することにより、画質の低下を防止した例であり、図5に示す条件下では画質の低下が発生したが、表7に示すように現像ローラの移動速度を設定することにより、画質の低下が防止された。なお、Vsは現像ローラの周速、Vpは感光体の周速であり、感光体の周速を一定に保持して、現像ローラの周速を変えることにより、表7に示すようなVs/Vpを設定した。
【0136】
なお、通常の画像形成を行う現像手段中の現像剤担持体の移動速度を、Vs/Vp=1.8となるように設定した。
【0137】
表7から明らかなように、画像面積率αが高い領域では現像ローラ線速度Vs/Vpをほとんど変更せず、画像面積率αが0又は0に近い領域において、現像ローラ線速度を落すことにより良好な画像が得られる。
【0138】
【表7】
【0139】
表8はACバイアスの出力Vppを変えて現像を行った結果を示す。
表8におけるベタ均一性、ノイズが良好とは、ベタ画像が均一に再現されることを示し、粗粉による白抜けホタルとは、画像に白い斑点が出ることを示す。ベタ均一性は低出力側で良好であるが、トナーの粗粒による、白抜けホタルは高出力で画像形成する方が良好である。
【0140】
白抜けホタルが良好であるということは、現像剤中の粗粒が現像工程において現像手段から排出された結果、ベタ画像を出力しても、粗粒による影響を受けない状態になっていることを示す。
【0141】
従って、画質低下の原因となる粗粉を現像手段から排出するために、強制トナー消費の際にACバイアスの出力を大きくすることが望ましく、例えば、強制トナー消費時はACバイアスを1.4kVとしたが、この対策により、現像剤劣化による画質低下を防止することができる。
【0142】
なお、通常の画像形成工程における出力Vppを、0.7〜1.0kVに設定した。
【0143】
【表8】
【0144】
表9は、ACバイアスの周波数を変えて現像を行った結果を示す。
表9から明らかなように、ベタ均一性及びノイズに関しては、周波数が高い方が有利であり、粗粉による白抜けホタルに関しては、周波数が低い方が有利である。
【0145】
表8に関して説明したように、高周波数側で白抜けホタルが発生するということは、現像手段中に粗粉が蓄積されるために、ベタ画像を出力するといきょに粗粒が排出されることを意味する。従って、強制消費においては、ACバイアスの周波数を低く設定して、例えば、強制トナー消費時はACバイアスの周波数を2kHzとして現像手段中の粗粉を排出することが望ましく、この対策により、現像剤劣化による画質の低下を防止することができる。
【0146】
なお、通常の画像形成工程における周波数を、3kHzHzに設定した。
【0147】
【表9】
【0148】
【発明の効果】
請求項1〜4、7のいずれかの発明により、画像濃度調整や定着速度調整等により現像手段内における現像剤の攪拌動作が変化した場合にも現像剤の劣化が進行することなく、常に、良好な画像が形成される。
【0149】
請求項3の発明により、温度変化により現像剤の特性が変化した場合にも、良好な画質が維持される。
【0150】
請求項4の発明により、湿度変化により現像剤の特性が変化した場合にも、良好な画質が維持される。
【0151】
請求項5又は6の発明により、トナーの強制消費において、画像手段内の粗粒等が効果的に除去され、均一で高い画質の画像が安定して形成される。
【0152】
請求項8又は9の発明により、現像剤の不要な劣化が防止されて、高画質の画像を長期間に亘って、安定して形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】現像装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費工程の一例のフローチャートである。
【図4】像担持体上に形成された黒帯を示す図でる。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費工程の他の例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナーの強制消費に関連した制御系のブロック図である。
【図7】現像剤担持体の移動速度の制御を行う、本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【図8】トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【図9】トナーの強制消費の制御を行う本発明の実施の形態における他の制御例のフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
4、4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段)
41 現像ローラ(現像剤担持体)
CR 制御部(移動距離検知手段、画像面積率検知手段、制御手段)
GS 画像処理部
BL 黒帯
ST 温度センサ
SH 湿度センサ
ES バイアス電源
ESD DCバイアス電源
ESA ACバイアス電源
Claims (9)
- 像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び、
現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の移動距離を検知する移動距離検知手段、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び制御手段を有し、前記画像面積率検知手段は、画像データ及び前記移動距離検知手段の検知結果に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知するとともに、該制御手段は、画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 前記画像面積率検知手段は、画像データの画素数及び画素値に基づいて、前記単位移動距離当たりの画像面積率を検知することを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
- 現像剤温度を検知する温度センサを有し、前記制御手段は、前記現像手段内にある現像剤の温度を検知する温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記現像手段近傍における湿度を検知する湿度センサを有し、前記制御手段は、前記温度センサの検知結果に基づいて、前記強制消費の制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
- 像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体に、DCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの出力を画像形成時よりも大きくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 像担持体、
該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段並びに、
現像剤担持体及び該現像剤担持体にDCバイアスにACバイアスが重畳された現像バイアスを印加するバイアス電源を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた電子写真画像形成装置において、
前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段及び、
制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果に基づいて、トナーの強制消費の制御を行うに際し、前記ACバイアスの周波数を画像形成時よりも小さくすることを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備え、前記複数の画像形成部の各々が、少なくとも前記画像面積率検知手段及び制御手段を備え、前記制御手段は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御を行うことを特徴とする電子写真画像形成装置。
- 像担持体、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段及び現像剤担持体を有し、該現像剤担持体を移動させることにより、形成された静電潜像を現像する現像手段を備えた画像形成部を複数備えた電子写真画像形成装置において、
前記複数の画像形成部の各々は、前記現像剤担持体の単位移動距離当たりの画像面積率又は前記現像剤担持体の単位作動時間当たりの画像面積率を検知する画像面積率検知手段、現像剤温度を検知する温度センサ及び制御手段を有し、該制御手段は、前記画像面積率検知手段の検知結果及び前記温度センサの検知結果に基づいて、前記現像剤担持体の移動速度を制御することを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 前記制御手段が、画像形成を行わない前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度を、画像形成を行う前記画像形成部の前記現像手段中の前記現像剤担持体の移動速度よりも低くすることを特徴とする請求項8に記載の電子写真画像形成装置。
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