JP4220764B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びこれに用いるプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置には、潜像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成することで、潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写する静電転写方式を採用するものがある。このような装置では、転写後の潜像担持体表面部分に転写残トナーが残留する。この転写残トナーが除去されないまま、その潜像担持体表面部分が次の画像形成工程に供されることになると、その潜像担持体表面部分で帯電ムラ等の帯電不良が生じ、画質劣化の原因となる。そのため、従来は、転写領域から帯電領域までの潜像担持体表面に対向する位置にクリーニング装置を設け、転写残トナーを除去していた。このようなクリーニング装置には、潜像担持体表面から回収した転写残トナーを収容する廃トナータンクや、回収した転写残トナーを再利用するためにその転写残トナーを搬送するリサイクルトナー搬送通路などを設けるスペースが必要になる。そのため、画像形成装置が大型化してしまう。特に、近年では、カラー画像の画像形成スピードの高速化が強く要求されているため、潜像担持体を各色ごとに備えたいわゆるタンデム型の画像形成装置が主流になりつつある。このタンデム型の画像形成装置において、上記のようなクリーニング装置を利用する場合、そのクリーニング装置を複数ある潜像担持体のすべてに個別に設ける必要が生じる。そのため、タンデム型の画像形成装置では、装置の大型化の問題がより顕著なものとなる。
【0003】
このような装置の大型化の問題に対処できるものとして、例えば、特許文献1に開示された画像形成装置がある。この画像形成装置は、潜像担持体表面に残留した転写残トナーを現像装置を用いて回収する方式(以下、「現像器回収方式」という。)を採用している。この現像器回収方式では、クリーニングとは別の目的で設置されている現像装置をクリーニング手段として利用するため、別個独立に上記のようなクリーニング装置を設ける必要がない。よって、この現像器回収方式を採用すれば、装置の小型化に大きく貢献することができる。
【0004】
また、特許文献1では、現像器回収方式の画像形成装置に搭載する帯電装置として、潜像担持体に帯電ローラを接触させて帯電を行う実施例が記載されている。従来から、潜像担持体表面を一様に帯電する方式には、その表面に帯電ローラ等の帯電部材を接触又は近接させて一様帯電する接触・近接帯電方式と、コロナチャージャ等によって一様帯電するチャージャ帯電方式とが知られている。しかし、チャージャ帯電方式では、潜像担持体表面を所望の電位とするためには大量の放電を発生させる必要があるため、オゾンやNOx等の放電生成物が大量に発生し、環境面で問題がある。これに対し、接触・近接帯電方式であれば、チャージャ帯電方式に比べて発生する放電量が少なく環境面で有利である。したがって、上記実施例に記載の画像形成装置によれば、装置の小型化を図りつつ、放電生成物の発生量が少なくて環境面で有利となるという効果が得られるものと考えられる。
【0005】
しかし、このように現像器回収方式と接触・近接帯電方式を併用した画像形成装置においては、潜像担持体上の転写残トナーを現像領域まで搬送する間に、その転写残トナーと帯電部材とが接触又は近接することになる。そのため、帯電部材に転写残トナーが付着することがある。帯電部材に転写残トナーが付着すると、その付着した転写残トナーによって一様帯電が妨げられ、潜像担持体の表面電位を所望の電位にできなかったり、帯電ムラ等の帯電不良が生じたりする。その結果、画像濃度の低下や地肌汚れなどが生じ、画質劣化が生じるという不具合があった。なお、この不具合は、現像器回収方式を採用する場合に限らず、転写残トナーを潜像担持体上から除去しないまま帯電部材との接触領域に搬送する構成を有するものであれば、同様に生じ得るものである。
【0006】
【特許文献1】
特許第3091323号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、特願2002−254142号等において、上記不具合を解決し得る画像形成装置を提案した。この画像形成装置は、転写後に潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、帯電バイアスと同極性に帯電した正規帯電トナーとは逆極性の逆帯電トナーを、ブラシ部材等の一時保持手段により潜像担持体表面から回収して保持する。このように逆帯電トナーを回収、保持することで、逆帯電トナーが帯電部材に付着するのを防ぐことができる。そして、その保持した逆帯電トナーを、一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間などの所定のタイミングで、潜像担持体表面に戻す。このようにして潜像担持体上に戻された逆帯電トナーは、現像装置で回収されたり、被転写体やこれを搬送するための搬送部材などに転移されたりする。この装置によれば、戻された逆帯電トナーが帯電領域を通過する間、帯電バイアスの印加を停止したり、帯電部材を潜像担持体から離間させたりするので、逆帯電トナーが帯電部材に付着することがない。なお、転写残トナーのうちの正規帯電トナーは、その帯電極性が帯電バイアスと同極性であるため、帯電部材に付着することはなく、上記不具合の原因とはならない。しかも、転写残トナーのうちの正規帯電トナーは、次の画像形成工程において、現像領域に達することで現像剤中のキャリアに付着して回収されるか、その画像形成工程におけるトナー像を構成することになる。すなわち、転写残トナーのうちの正規帯電トナーに関しては、画像形成工程にほとんど悪影響を与えることはない。
なお、帯電バイアスと正規帯電したトナーの極性とが互いに異なる構成においては、上記不具合の原因となるのは、転写残トナーのうち、逆帯電トナーではなく正規帯電トナーとなる。
【0008】
この画像形成装置においては、従来一般的に使用されているクリーニングブレードのエッジ部分を潜像担持体表面に当接させてクリーニングを行う方式(以下、「ブレード方式」という。)によるクリーニング装置を設ける必要がない。ブレード方式を採用しない方式であって、上記一時保持手段としてブラシ部材を用いる場合(以下、「ブレードレスブラシ方式」という。)、このブラシ部材がクリーニングブレードの代わりに潜像担持体表面を摺擦することになる。この場合、ブラシ部材が潜像担持体表面を摺擦する摺擦力はクリーニングブレードに比べて小さくて済み、ブレード方式に比べて潜像担持体の寿命を長くできる。また、ブレードレスブラシ方式の場合、ブレード方式に比べて潜像担持体表面に加わる負荷が少ないため、潜像担持体の駆動系に加わる駆動負荷を少なくできるという長所もある。
【0009】
ところが、ブレードレスブラシ方式は、ブレード方式に比べて、画像中の細線部分やドット画像部分等においていわゆる虫食いと呼ばれる画像抜けが生じやすいという問題がある。これは、特に文字画像部分の白抜けとして現れる。この問題が発生する主な原因は、次のように考えられる。
第1の原因は、潜像担持体表面が、経時使用により、現像領域での現像剤による摺擦や、転写領域での圧力などを受けることで不均一に削られることである。このような削れが生じると、その削れによって潜像担持体表面の平滑性が下がり、潜像担持体表面に凹凸は発生する。このような凹凸があると、現像により潜像担持体表面に付着したトナーがその凹部に機械的に拘束され、トナーと潜像担持体表面との間の機械的付着力が高まる。その結果、このトナーは、転写電界を受けても転写されずに潜像担持体表面上に残ってしまい、画像抜けが生じるものと考えられる。なお、ブレード方式の場合、潜像担持体表面はクリーニングブレードによってほぼ均一に削られるので、潜像担持体表面の平滑性があまり下がることはなく、潜像担持体表面に凹凸は発生しにくい。しかし、ブレードレスブラシ方式の場合、ブラシの先端が不均一に潜像担持体表面を摺擦するので、ブレード方式に比べて、経時使用により潜像担持体表面に凹凸が発生しやすい。
【0010】
また、第2の原因は、トナーに含有されているシリカ等の添加剤は、画像形成工程中の機械的ストレス等によってトナー本体から遊離し、これが潜像担持体表面に薄いフィルム状に付着するフィルミング現象が発生することである。フィルム状に付着した添加剤は、もともとトナーに添加されていたものであるので、トナーと添加剤との間の付着力(機械的付着力)は、トナーと潜像担持体表面との間の付着力よりも高いものと考えられる。よって、フィルミング現象が発生すると、潜像担持体に対するトナーの機械的付着力が高まり、画像抜けが生じるものと考えられる。なお、ブレード方式の場合、そのクリーニングブレードによる強い掻き取り力でフィルム状の添加剤を削り取ることができるので、フィルミング現象が生じにくい。しかし、ブレードレスブラシ方式の場合、ブレード方式に比べて潜像担持体表面を摺擦する摺擦力が小さいため、フィルム状の添加剤を削り取る効果が小さく、ブレード方式に比べて、経時使用によりフィルミング現象がが発生しやすい。
【0011】
なお、このような画像抜けを抑制するための方法として、従来から、転写領域における潜像担持体と被転写体との間に線速差を設ける方法が知られている。この方法によれば、潜像担持体上のトナーを被転写体上に擦りつけることができ、転写電界による静電力と協働することで、凹部に嵌り込んだトナーを被転写体上に転写させることが可能となる。しかし、本発明者らの研究により、近年、画像形成スピードの高速化の観点から注目されている色ごとに潜像担持体を備えたいわゆるタンデム型の画像形成装置において上記方法を採用すると、混色が生じることが判明した。具体的に説明すると、被転写体の表面移動方向上流側で転写されたトナーが、その下流側に位置する他色の潜像担持体と対向する転写領域に到達したとき、この他色の潜像担持体上に逆転写してしまうことにより混色が生じる。これは、潜像担持体と被転写体との間に線速差があることで、被転写体上のトナーが潜像担持体上に擦りつけられ、その潜像担持体表面に機械的に付着してしまうことが原因であると考えられる。よって、近年の画像形成スピードの高速化の要望に応えるためには、このような混色が生じない方法によって、上述した画像抜けを抑制する方法が必要となる。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ブレードレスブラシ方式の長所を生かしつつ、混色が生じることなく経時使用による画像抜けの発生を抑制することが可能な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定極性の帯電バイアスが印加される帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて該潜像担持体表面を一様に帯電した後、該潜像担持体表面に潜像を形成し、これをトナーによって現像して得たトナー像を最終的に記録材上に静電的に転写して画像を形成する画像形成装置において、上記潜像担持体表面との接触部分がブラシ状であって該接触部分が該潜像担持体の表面移動方向とは逆方向に表面移動するブラシ部材に上記所定極性と同じ極性の保持バイアスを印加することで、上記転写後に該潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、該所定極性とは逆極性に帯電したトナーを上記帯電部材との対向位置に達する前に該潜像担持体表面から回収して保持し、かつ、所定のタイミングで該所定極性とは逆極性の放出バイアスを印加することで、保持しているトナーを該潜像担持体表面に戻す一時保持手段と、該潜像担持体表面とトナーとの機械的付着力を弱めるための潤滑剤を、ブラシ部材側に付勢した状態で当接させて潤滑剤を該ブラシ部材に塗布する潤滑剤塗布手段とを設け、該潤滑剤を該ブラシ部材によって該潜像担持体表面に付着させることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記一時保持手段から放出されて上記潜像担持体の表面に付着した逆帯電トナーが該帯電部材との接触領域に到達する前に、該帯電部材を該潜像担持体の表面から離間させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記潤滑剤塗布手段は、上記ブラシ部材のブラシ部分に固形化された潤滑剤を当接させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材と上記潤滑剤塗布手段とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材と上記潤滑剤塗布手段とを一体に構成したことを特徴とするものである。
【0014】
上記請求項1乃至の画像形成装置及び上記請求項のプロセスカートリッジにおいては、いわゆる静電転写方式を採用するため、その転写後の潜像担持体表面部分には転写残トナーが残留する。転写残トナーの中には、正規の極性に帯電した正規帯電トナーと、正規の極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーが存在し、このうち帯電バイアスと同じ極性をもつトナーが画質劣化の大きな妨げとなることは上述したとおりである。そこで、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジにおいては、画質劣化の原因となるトナーに関しては、これが帯電領域に達する前に一時保持手段により一時的に保持した後、所定のタイミングで潜像担持体表面に戻す。具体的には、転写残トナーのうちの帯電バイアスと同局性をもつトナーを保持バイアスが印加されたブラシ部材によって一時的に保持し、その後所定のタイミングでブラシ部材に放出バイアスを印加し、トナーをブラシ部材から潜像担持体表面に放出する。この所定のタイミングは、例えば、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に設定することができる。この場合、放出されたトナーが付着した潜像担持体表面部分は画像形成工程に供されることはなく、画質に悪影響を与えることがない。そして、その潜像担持体表面部分に戻されたトナーは、例えば特願2002−254142号等において提案した画像形成装置と同様の方法により、潜像担持体表面から回収する。
また、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジにおいては、一時保持手段によって転写残トナーの中でも帯電バイアスと同極性をもつトナーさえ除去できればよく、クリーニングブレードのような強力な除去性能は必要としない。したがって、ブレード方式を採用する必要がなくなり、上述したように、ブレード方式を採用する構成に比べて潜像担持体の寿命を長くできるという長所を得ることができる。また、ブレード方式を採用しないことで、上述したように、潜像担持体を表面移動させる駆動装置に加わる負荷トルクを大幅に減らすことができる。したがって、その駆動装置として小型のものを利用することが可能となるとともに、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することが可能となる。
ここで、ブレード方式を採用しない場合、上述したように、ブラシ部材による摺擦によって潜像担持体表面に凹凸が発生したり、フィルミング現象が発生したりして、画像抜けが生じやすくなるという問題が発生する。そこで、本画像形成装置及び本プロセスカートリッジにおいては、潜像担持体表面とトナーとの機械的付着力を弱めるための潤滑剤を、ブラシ部材を用いて潜像担持体表面に付着させる構成を採用している。なお、潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエーテル(PFA)などが挙げられる。このような潤滑剤を潜像担持体表面に塗布することで、潜像担持体表面に凹凸が発生したり、フィルミング現象が発生したりしても、トナーと潜像担持体表面との間の機械的付着力が弱めることができる。これは、潜像担持体表面に凹凸が発生しても、トナーと潜像担持体表面との間に潤滑剤が介在することにより、トナーが潜像担持体表面の凹部に拘束されにくく又は拘束されても脱出しやすくなったためだと考えられる。また、トナー添加剤によるフィルミング現象が発生しても、トナーと潜像担持体表面上に付着したフィルム状の添加剤との間に潤滑剤が介在することにより、トナーとの間の付着力が強い添加剤との接触面積が減少するためであると考えられる。これにより、転写領域においてトナーを被転写体上に静電的に適切に転写させることができるようになった。なお、本画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成によれば、潜像担持体と被転写体との間に線速差を設けるという従来の方法を採用しなくても画像抜けを抑制することができるので、上述したタンデム型の画像形成装置であっても混色が生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。本プリンタは、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
【0016】
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係るプリンタの概略構成図である。本プリンタは、潜像担持体として4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。なお、ここでは、ドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。本実施形態において、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したもので、その外径が30[mm]で、その内径が28.5[mm]である。
【0017】
本実施形態では、低コスト化、感光体設計の自由度、無公害性等の観点から有機系感光体を用いている。有機系の感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂を用いたものが知られている。また、有機系の感光体には、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせた機能分離型などがある。この中でも、近年では、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0018】
図3は、本実施形態で使用する感光体ドラム1の断面図である。この感光体ドラム1は、機能分離型の感光体であり、基体である導電性支持体51上に、電荷発生層52及び電荷輸送層53を積層した上に更に保護層54を積層したものである。この感光体ドラム1における静電潜像形成のメカニズムは、次のとおりである。すなわち、感光体ドラム1を帯電した後に光照射すると、光は透明な電荷輸送層53を通過し、電荷発生層52中の電荷発生物質により吸収される。光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層53に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層53中を移動し、感光体ドラム表面の電荷を中和する。これにより、その中和部分が静電潜像となる。このような機能分離型の感光体は、主に紫外域で強い吸収特性を持つ電荷輸送物質と、主に可視域に強い吸収特性を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いるのが有用である。
【0019】
上記保護層54に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂などが挙げられる。
【0020】
また、保護層54の耐摩耗性を向上するために、フィラーを添加してもよい。このフィラーの材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、これら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、シリカ、アルミナ等の無機材料を分散したもの等が挙げられる。このフィラーの含有量は、重量基準で、10[%]以上40[%]以下、好ましくは20[%]以上30[%]以下とするのがよい。フィラーの含有量が10[%]未満であると感光体ドラム1の表面削れに関連する感光体ドラム周辺の構成によっては、耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、フィラーの含有量が40[%]を越えると露光に対する感度が低下するおそれがある。また、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加してもよい。この分散助剤としては、塗料等に使用されるものが適宜利用でき、その添加量は、重量基準で、フィラーの含有量に対して0.5[%]以上4[%]以下、好ましくは1[%]以上2[%]以下とする。また、上記保護層54には、電荷輸送材料を添加するのも有効である。また、酸化防止剤なども必要に応じて添加することができる。
【0021】
保護層54の形成方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコー法ト、リングコート法等の公知の方法を用いることができる。保護層の厚さは、0.5[μm]以上10[μm]以下、好ましくは4[μm]以上6[μm]以下とする。
また、電荷発生層52及び電荷輸送層53からなる感光層と、保護層54との間に中間層を設けてもよい。この中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成方法としては、上述した保護層の形成方法と同様に、公知の塗布法を用いることができる。なお、中間層の厚さは、0.05[μm]以上2[μm]以下とするのがよい。
【0022】
本実施形態1で使用する感光体ドラム1は、上述したように有機系感光体であるため、機械的、化学的な耐久性に乏しいという欠点がある。具体的に説明すると、電荷輸送物質の多くは低分子化合物として開発されているが、この低分子化合物は単独では製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して利用されることになる。しかるに、電荷輸送物質である低分子化合物と不活性高分子とからなる電荷輸送層は一般に柔らかく、機械的耐久性に乏しい。そのため、その電荷輸送層を表面にもつ感光体ドラム1を繰り返し使用すると、その表面に接触する帯電ローラ3a、現像剤、中間転写ベルト10、ブラシローラ41などによる摺擦によって、膜削れを生じやすい。よって、感光体ドラム1として、特に有機系感光体を利用する場合には、その寿命を長くするために上記保護層54を設けるのが有効である。
【0023】
図4は、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの概略構成を示す図である。なお、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの感光体ドラムについてのみ図示し、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略してある。
感光体ドラム1の周りには、その表面移動方向に沿って、一時保持手段としてのトナー保持装置40、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、潜像形成手段としての露光装置4から発せられる光が感光体ドラム1まで通過できるようにスペースが確保されている。
【0024】
帯電装置3は、感光体ドラム1の表面を負極性に一様帯電する。本実施形態1における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラ3aを備えている。すなわち、この帯電装置3は、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に接触させ、その帯電ローラ3aに負極性バイアスを印加することで、感光体ドラム1の表面を一様帯電する。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面電位が一様に−(マイナス)500[V]となるような直流の帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。しかし、この場合には、交流電源が必要となるため、装置が大型化することになり、装置の小型化の観点からは好ましくない。また、本実施形態の帯電装置3には、帯電ローラ3aの表面をクリーニングするクリーニングブラシ3bが設けられている。本実施形態では、後述するように帯電ローラ3aの表面にトナーが付着することはほとんどない。しかし、トナーが僅かに付着した場合でも、帯電ローラ3aによる帯電ムラ等の帯電不良を引き起こす原因となる。よって、本実施形態では、帯電ローラ3aの表面をクリーニングブラシ3bによってクリーニングする構成を採用している。
なお、上記帯電装置3として、帯電ローラ3aの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体ドラム1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラ3aに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体ドラム1の表面が一様帯電される。
【0025】
このようにして一様帯電した感光体ドラム1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態1の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
【0026】
また、現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。本実施形態1で使用する現像装置5では、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用しているが、キャリアを含まない一成分現像剤を使用してもよい。現像装置5は、図2に示したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、それぞれが単体で交換できるように、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y,31C,31M,31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
【0027】
トナーボトル31Y,31C,31M,31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、攪拌搬送スクリュー5bによってキャリアと撹拌されながら搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、磁界発生手段としてのマグネットローラと、その周りを同軸回転する現像スリーブとから構成されている。現像剤中のキャリアは、マグネットローラが発生させる磁力により現像ローラ5a上に穂立ちした状態となって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、現像領域において感光体ドラム1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上に穂立ちしたキャリアは、感光体ドラム1の表面を摺擦しながら、キャリア表面に付着したトナーを感光体ドラム1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300[V]の現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体ドラム1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体ドラム1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体ドラム1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。また、本実施形態1では、現像ローラ5aは、クラッチを介して駆動装置に接続されており、そのクラッチによって、現像ローラ5aの回転を一時停止することができる構成となっている。
【0028】
上記中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11,12,13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、本実施形態1では転写チリの発生が少ない転写ローラを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写手段としての1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kを配置している。本実施形態1では、各1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kとによって、1次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各1次転写ローラ20に正極性のバイアスが印加される。これにより、各1次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
【0029】
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
【0030】
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、2次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と2次転写ローラ16との間には2次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、2次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、2次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この2次転写時には、2次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
【0031】
2次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。2次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
【0032】
本実施形態1では、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K、その周囲に配置された現像装置等の部品、露光装置4、中間転写ベルト10、ベルトクリーニング装置15等を、一体化したプロセスカートリッジ30として構成している。このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性が向上する。なお、本実施形態1では、上述したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、このプロセスカートリッジ30とは別個にプリンタ本体に対して着脱自在な構成となっている。
【0033】
次に、本発明の特徴部分である、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面に残留した転写残トナーのクリーニングについて説明する。
本実施形態1で使用するトナーは、いわゆる重合法によって形成されたトナーであり、その形状は真球に近い。一方、従来から用いられている粉砕法等によって形成されるトナーは、その表面にランダムな凹凸が存在するため、その平均円形度は低いものとなる。このように平均円形度の低いトナーは、一般に、その粒径分布がブロードになるため、各トナーの表面積のバラツキが大きくなる。よって、現像装置内での撹拌時やドクタ通過時における摩擦帯電による各トナーの帯電量が現像剤中のトナー間で大きく異なることになる。その結果、現像剤中におけるトナーの帯電分布が広がってしまい、感光体上に付着した全トナーに対して転写電界の作用が均一に働かず、転写率が低下してしまう。これに対し、本実施形態1においては、トナーの平均円形度が高いため、各トナーの形状が真球に近く、全トナーの形状を高い精度で制御できている。そのため、その粒径分布が狭く、各トナーの表面積のバラツキを小さくすることができる。よって、摩擦帯電によるトナーの帯電量の差が現像剤中のトナー間で小さくなる。その結果、トナーの帯電分布が狭くなり、転写率が向上し、感光体上に残留する転写残トナーの量を少なくすることができる。
【0034】
また、現像領域においては良好に帯電されたトナーが優先的に感光体ドラム上の静電潜像に付着し、消費されることになる。そのため、経時使用するにつれて、現像装置5内には帯電状態が良好でないトナーの比率が上昇する。よって、粉砕法等によって形成されるトナーのように平均円形度が低い場合、上述のようにトナーの帯電分布がブロードになるため、経時使用により現像装置5内に残存する帯電状態が良好でないトナーの量は多い。このような帯電状態が良好でないトナーは、現像領域において現像電界を受けても感光体ドラム上の静電潜像部分に正確に付着されない。したがって、トナーの平均円形度が低い場合、経時使用により地肌汚れやドットのバラツキ等が発生するため、経時的に画像が劣化してしまう。
また、トナーの平均円形度が低い場合、キャリアとの接触面積が増える結果、スペントと呼ばれる現象が発生しやすくなる。スペントとは、トナーのキャリア表面へのフィルミング現象であり、経時的な使用によって悪化するものである。この現象が生じると、新規トナーを新たに補給しても、その新規トナーが摩擦帯電されにくくなり、この現象も経時的な画像劣化の原因であると考えられる。
【0035】
これに対し、本実施形態1においては、トナーの平均円形度が高いため、トナーの帯電分布が狭く、トナーの平均円形度の低い場合に比べて、もともと帯電状態が良好でないトナーの量が少ない。よって、経時使用しても、地肌汚れやドットのバラツキ等が発生しにくい。また、トナーの平均円形度が高いためにキャリアとの接触面積が小さく、スペントと呼ばれる現象が発生しにくい。したがって、平均円形度の高いトナーを使用すれば、経時的な画像劣化が生じにくいという効果が得られる。
【0036】
本発明者らは、トナーの平均円形度の好適値を得るために次のような実験を行った。この実験では、現像装置内に現像剤を充填した後、その現像装置を空駆動させて、スペントが観測されるまでの時間を測定した。その実験結果を、下記の表1に示す。そして、トナーの平均円形度が0.93以上であれば、合格基準である15万枚の画像形成を行うのに必要な時間に相当する4200[分]以上経っても、スペントが観測されなかった。そこで、本実施形態1では、円形度の平均値が0.93以上であるトナーを使用している。
【表1】
Figure 0004220764
【0037】
ここで、トナーの平均円形度は、各トナーの円形度の平均値であり、次の方法により測定したものである。
各トナーの円形度の測定は、株式会社SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて行った。この測定では、まず、1級塩化ナトリウムを用いて、1[%]のNaCl水溶液を調整する。その後、このNaCl水溶液を0.45のフィルターを通して50〜100[ml]の液を得て、これに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に試料を1〜10[mg]加える。これを、超音波分散機で分散処理を1分間行い、粒子濃度を5000〜15000[個/μl]に調整し、分散液を得る。この分散液をCCDカメラで撮像し、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の円周長を、そのトナーの2次元投影画像の周囲長で割った値を、各トナーの円形度として用いた。なお、CCDの画素の精度から、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の直径(円相当径)が0.6[μm]以上であるトナーを有効なものとした。トナーの平均円形度は、各トナーの円形度を得た後、測定範囲内にある全トナーの円形度をすべて足し合わせ、それをトナー個数で割った値を用いたものである。
【0038】
本実施形態1で用いるトナーは、モノマー、開始剤、着色剤等の原料を混合し、重合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる懸濁重合方式によって作成することができる。また、モノマー、開始剤、乳化剤、分散媒をモノマー重合し、凝集会合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる乳化重合方式等によって作成することもできる。このほか、塊状重合方式や溶液重合方式を用いてもよい。
【0039】
図5(a)は、感光体ドラム1上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフである。また、図5(b)は、転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフである。図5(a)に示すように、転写直前におけるトナーの帯電量は、ほぼ−30[μC/g]を中心に分布しており、そのほとんどが負極性に正規帯電している。一方、転写残トナーの帯電量は、およそ−2[μC/g]を中心に分布したものとなる。一般に、転写残トナーのほとんどは、トナーの組成不良などにより所望どおりの帯電特性が得られない不良トナーである。そのため、転写残トナーの一部は、1次転写ローラ14に印加された正極性バイアスによる電荷注入を受けるなどして、トナーの帯電極性が正極性に反転する。その結果、転写残トナーの中には、図5(b)中斜線部分で示すような正極性に反転してしまった逆帯電トナーが存在してしまう。
【0040】
このような逆帯電トナーは、感光体ドラム1に付着したまま帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されると、正極性の帯電バイアスが印加された帯電ローラ3aの表面に静電的に吸引されて付着してしまう。これは、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に近接させて配置した上述した構成であっても、同様である。そして、帯電ローラ3aの表面にトナーが付着すると、帯電ローラ3aの抵抗値や表面状態が変化するため、感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧にムラが生じる。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加しても、感光体ドラム1の表面が所望の電位(−500[V])に均一にならなくなる。その結果、画像濃度ムラも生じるおそれがある。また、帯電ローラ3aの表面のごく一部にトナーが付着した場合、トナーが付着していない箇所に向けて帯電バイアスによる電流が集中することにある。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加すると、感光体ドラム表面の帯電電位が所望の電位よりも高くなる。その結果、露光装置4による露光を受けた部分すなわち静電潜像部分の電位が負極性側にシフトし、画像濃度が低下してしまう。また、帯電ローラ3aの表面のほぼ全域にトナーが付着して、帯電ローラ3aの表面にトナーがコーティングされた状態になると、帯電能力が低下し、感光体ドラムの表面電位が所望の電位よりも下がる。これにより、露光装置4による露光を受けない部分すなわち非静電潜像部分(地肌部分)の電位が、現像ローラ5aに印加される現像バイアスに近づいてしまう。その結果、十分に帯電されていないトナーが感光体ドラム上の地肌部分に付着して、地肌汚れが発生してしまう。
【0041】
一方で、転写残トナーの中には負極性のままの正規帯電トナーも存在する。しかし、この正規帯電トナーは、帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されても、帯電バイアスが印加されていれば、その帯電ローラ3aの表面に付着することはない。しかも、正規帯電トナーは、現像領域に達することで、現像装置5の現像ローラ5a上のキャリアに付着して回収されるか、その画像形成工程のトナー像を構成することになる。すなわち、転写残トナーのうちの正規帯電トナーに関しては、画像形成工程にほとんど悪影響を与えることはない。したがって、転写残トナーのうちの逆帯電トナーをいかにして画像形成工程に悪影響を及ぼさないようにするかが重要となる。そのため、本実施形態1では、感光体ドラム1上の転写残トナーが帯電ローラ3aとの対向位置に達する前に、その転写残トナーのうちの逆帯電トナーを感光体ドラム1から除去する構成を採用している。
【0042】
次に、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーT1をトナー保持装置40で一時的に保持する一時保持工程について説明する。
図1は、トナー保持装置40を示す概略構成図である。このトナー保持装置40は、感光体ドラム1の表面に接触するブラシローラ41を備えている。このブラシローラ41は、ブラシ密度が比較的低くなるように形成されたものである。このようにブラシ密度が低ければ、回収したトナーを保持するための十分な空間をブラシ内部に確保することができる。よって、回収したトナーの収容能力が高まり、後述する逆帯電トナーの放出工程の頻度を少なくできる。また、ブラシ密度を低くすることで、回収したトナーをブラシローラ41が保持したときの機械的な保持力が小さくなる。その結果、後述する逆帯電トナーの放出工程をスムーズに実行することができるようになる。
【0043】
また、本実施形態1では、トナー保持装置40には、潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置が設けられている。この潤滑剤塗布装置は、固形化されたステアリン酸亜鉛からなる固形潤滑剤46と、付勢手段としてのスプリング47とから構成されている。固形潤滑剤46は、スプリング47によってブラシローラ41の表面に当接されている。これにより、ブラシローラ41が回転すると、ブラシローラ41による摺擦によって固形潤滑剤46が削られ、微粉状の潤滑剤がブラシローラ41のブラシ表面に付着する。このように付着した潤滑剤は、ブラシローラ41の回転によって感光体ドラム表面との対向領域に搬送され、この領域で感光体ドラム表面に塗布される。すなわち、本実施形態1におけるブラシローラ41は、逆帯電トナーを一時保持する役割とともに、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布する役割を果たしている。このように感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布することで、後述の実験例で説明するように、いわゆる虫食いよる画像抜けの発生を抑制することができる。
【0044】
本実施形態1では、ブラシローラ41の表面付近におけるブラシ密度が、12000[本/inch2]以上858000[本/inch2]以下となるようにブラシローラ41を形成した。また、ブラシローラ41の軸部上に設けられるブラシの長さは、3[mm]であり、そのブラシのヤング率は30[cN/dtex]である。
【0045】
上記ブラシローラ41は、駆動装置42によって図中矢印の方向に回転駆動する。そして、このブラシローラ41には、第1電源43又は第2電源44のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。具体的には、これらの電源43,44とブラシローラ41との間に切替スイッチ45を設け、この切替スイッチ45の動作によってブラシローラ41に接続される電源を選択する。この切替スイッチ45の動作は、本プリンタの制御部によって制御されている。なお、本実施形態では、第1電源43は、ブラシローラ41の表面部分の電位が−700[V]となるような保持バイアスを印加するものであり、第2電源44は、その電位が+200[V]となるような放出バイアスを印加するものである。なお、本実施形態1では、各電源43,44として直流電源を用いているが、直流に交流を重畳させたバイアスを印加する電源を用いてもよい。
【0046】
転写残トナーを付着させた感光体ドラム1の表面部分がブラシローラ41と接触する領域(以下、「ブラシ接触領域」という。)に到達する前から、ブラシローラ41には第1電源43が接続されている。これにより、ブラシローラ41にはその表面が−700[V]となるような保持バイアスが印加されることになる。このような保持バイアスが印加されたブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に接触することで、その表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーT1がブラシローラ41に付着し、保持されることになる。
【0047】
詳しく説明すると、感光体ドラム1は、帯電装置3によってその表面が一様に−500[V]に帯電された後、露光装置4の露光を受けることにより潜像部分の電位は−50[V]程度になる。そして、その潜像部分にトナーを付着させる現像工程を経て、次いで転写工程を終えると、その潜像部分の電位は更に0[V]に近づくことになる。転写残トナーのほとんどは、潜像部分であった感光体ドラム1の表面部分に付着している。よって、この表面部分に付着した正極性をもつ逆帯電トナーT1は、ブラシ接触領域において、−700[V]のバイアスが印加されたブラシローラ41側に向かう静電力を受けることになる。一方で、潜像部分以外の地肌部分の電位(−500[V])も転写工程を経ることで、その電位が0[V]側にシフトする。この地肌部分にも僅かながら転写残トナーが付着することがあるが、この地肌部分に付着する正極性をもつ逆帯電トナーT1にも、ブラシ接触領域においてブラシローラ41側に向かう静電力が働くことになる。したがって、感光体ドラム1の表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーT1に関しては、ブラシ接触領域においてブラシローラ41に付着し、保持される。
【0048】
一方、転写残トナーのうちの正規帯電トナーT0は、負極性に帯電しているため、ブラシ接触領域では感光体ドラム1側に向かう静電力を受けることになる。したがって、正規帯電トナーT0に関しては、ブラシローラ41に保持されずに感光体ドラム1の表面に付着し続けることになる。しかし、正規帯電トナーT0が感光体ドラム1の表面に付着したままブラシ接触領域を通過しても、上述したように次の画像形成工程にほとんど悪影響はなく、次の画像形成工程のトナー像を構成するか、現像装置5に回収されることになる。
【0049】
ここで、本実施形態1においては、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向とは逆方向(カウンタ方向)に表面移動させるように駆動装置42によって駆動している。このようにブラシローラ41を駆動することによって、多数のブラシ先端部分で感光体ドラム1の表面を摺擦することができる。これにより、感光体ドラム1の表面に付着した正規帯電トナーT0が拡散されることになる。このような拡散によって、感光体ドラム1の表面に対する正規帯電トナーT0の付着力を弱めることができる。その結果、ブラシ接触領域を通過した感光体ドラム1上の正規帯電トナーT0を現像装置5によって回収するのが容易になるという効果が得られる。
【0050】
なお、この効果は、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向と同方向でかつ線速差が生じるように駆動すれば、同様にして得られるものである。しかも、このように駆動した場合、本実施形態1のようにカウンタ方向に駆動する場合に比べて、ブラシローラ41及びこれに接触する感光体ドラム1の駆動負荷を小さくすることができる。よって、ブラシローラ41及び感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなるため、比較的小型の駆動装置を利用することが可能となる。また、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなることで、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することも可能となる。
【0051】
また、本実施形態1では、感光体ドラム1の表面にクリーニングブレードを当接させる構成を採用していない。したがって、クリーニングブレードが当接した構成に比べて、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクを大きく低減することができる。しかし、その一方で、感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング能力は劣る結果となる。そのため、経時使用することによって、感光体ドラム1の表面にはトナーから遊離した添加剤、本実施形態1ではシリカが、フィルム状になって強固に付着するフィルミング現象が発生するおそれがある。本実施形態1では、使用するトナーがいわゆる球形トナーなので、上述したように転写残トナーの量は比較的少ないが、それでも長期的に使用すればフィルミング現象が発生する可能性がある。しかし、本実施形態1では、上述したように、ブラシローラ41を感光体ドラム1の表面に対してカウンタ方向に駆動する構成を採用している。そのため、ブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に対して連れ回る構成や、感光体ドラム1の表面に対して同方向に駆動する構成に比べて、感光体ドラム1の表面に付着したトナーの添加剤を掻き取る作用が強い。その結果、フィルミング現象の発生を防止することができる。
【0052】
また、ブラシローラ41のブラシ先端は、感光体ドラム1の表面から離れる瞬間の跳ね上がるため、その跳ね上がりによって転写残トナーが飛ばされることがある。ここで、ブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に対して同方向に駆動する構成であると、その跳ね上がりによって、転写残トナーは、ブラシ接触領域より感光体ドラム1の表面移動方向下流側に飛ばされることになる。この場合、飛ばされた転写残トナーが逆帯電トナーであると、これが帯電ローラ3aに付着し、帯電不良を引き起こす可能性がある。しかし、本実施形態1のようにブラシローラ41をカウンタ方向に駆動すれば、その跳ね上がりによって、転写残トナーは、ブラシ接触領域よりも感光体ドラム1の表面移動方向上流側に飛ばされることになる。したがって、帯電トナーが飛ばされても、これが帯電ローラ3aに付着することはなく、帯電不良を引き起こすことはない。
【0053】
次に、ブラシローラ41で保持した逆帯電トナーT1を感光体ドラム1の表面に放出する放出工程について説明する。
本実施形態1では、逆帯電トナーT1をブラシローラ41で保持した後、その逆帯電トナーT1を所定のタイミングで感光体ドラム1の表面に放出する。本実施形態1では、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に、逆帯電トナーT1を放出する。具体的には、一の画像形成工程において発生した逆帯電トナーT1をすべて保持した後、次の画像形成工程で帯電装置3により一様帯電が行われる感光体ドラム1の表面部分がブラシ接触領域に達する前に、逆帯電トナーT1を放出する。このようなタイミングで逆帯電トナーT1を放出することで、後述するように次の画像形成工程が悪影響を与えることなく逆帯電トナーT1を回収することが可能となる。なお、連続して画像形成を行う場合には、その連続中の最後の画像形成を終えた後に、その間に保持した逆帯電トナーT1を放出するようにしてもよい。この場合、後述する逆帯電トナーT1の回収工程の実行によって、連続画像形成を終えるまでの時間が長くなるのを防ぐことができる。
【0054】
放出工程について更に詳しく説明すると、上記タイミングで放出される逆帯電トナーT1が付着する感光体ドラム1の表面部分には、前回の画像形成工程における残留電位が存在する。本実施形態1においては、この残留電位はおよそ−50[V]程度である。この放出時には、ブラシローラ41に接続される電源が第1電源43から第2電源44に切り替えられる。これにより、ブラシローラ41にはその表面が+200[V]となるような放出バイアスが印加される。このような放出バイアスが印加されると、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーT1には、表面電位が−50[V]である感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーT1は、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面に付着する。
【0055】
次に、ブラシローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1を回収する回収工程について説明する。
本実施形態1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、帯電ローラ3aに印加されている帯電バイアスを停止させる。具体的には、本プリンタの制御部がバイアス停止手段として機能し、帯電ローラ3aへの帯電バイアスの印加を停止する。これにより、帯電ローラ3aはアースされ、その表面電位はほぼ0[V]になる。一方、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面は、上述したようにおよそ−50[V]であるため、帯電ローラ3aとの接触領域では、逆帯電トナーT1には感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は帯電ローラ3aに付着することなく、その接触領域を通過することができる。
【0056】
このようにして帯電ローラ3aとの接触領域を通過した逆帯電トナーT1は、次に現像領域に搬送される。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が現像領域に到達する前に、現像ローラ5aの回転をクラッチにより一時停止させる。これにより、現像装置5内のトナーが感光体ドラム1の表面に付着して無駄なトナー消費を抑えることができる。また、逆帯電トナーT1が現像領域に到達する前に、回収手段としての現像装置5の現像ローラ5aには、上述した現像バイアスと同じバイアスすなわち−300[V]のバイアスが印加される。これにより、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面(−50[V])と現像ローラ5aとの間では、逆帯電トナーT1に現像ローラ5a側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は現像ローラ5aに付着することになる。その後、次の画像形成時に現像ローラ5aの駆動が開始されると、現像ローラ5aに付着した逆帯電トナーT1は現像装置5の内部に搬送される。そして、現像装置5の内部で撹拌搬送され、正規の極性に帯電し直された後、再度現像に寄与することになる。
【0057】
以上、本実施形態1によれば、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーT1をブラシローラ41によって一時的に保持することで、その逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aに付着するのを防止することができる。これにより、帯電ローラ3aと感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧が変化することはなく、画像濃度の低下、地肌汚れの発生、画像濃度ムラの発生を防止することができる。
また、本実施形態1では、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を現像装置5によって回収するので、逆帯電トナーT1をリサイクルすることができる。また、感光体ドラム1の表面上から回収したトナーを収容する廃トナータンクを個別に設ける必要もなくなり、装置の小型化を図ることができる。特に、本プリンタは、4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、各感光体ドラムごとに個別に廃トナータンクを設ける場合に比べて大幅に装置の小型化を図ることができる。
更に、本実施形態1では、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布することで、感光体ドラム1Y,1C,1M,1K間での混色を生じさせずに、いわゆる虫食いよる画像抜けの発生を抑制することができる。しかも、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布する部材として、逆帯電トナーを一時的に保持する部材であるブラシローラ41を利用しているので、感光体ドラム周囲の配置スペースを圧迫することがない。更に、潤滑剤によって感光体ドラムの表面摩擦係数が下がる結果、感光体ドラムとこれに接触するブラシローラ等との間の摩擦抵抗が小さくなり、感光体ドラムやブラシローラ等の駆動負荷が低減される効果も得られる。これにより、駆動装置の小型化や駆動に消費する電力の低減を図ることができるとともに、バンディングによる異常画像の発生を抑制することもできる。
【0058】
なお、本実施形態1に係るプリンタにおいて、転写紙が給紙中にジャムしたときなど画像形成動作が中断されたとき、感光体ドラム1の表面に大量に付着した不要トナーをクリーニングしなければならない。本実施形態1では、感光体ドラム1の表面上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードをもったクリーニング装置が存在しないため、このような大量の不要トナーを回収することは困難である。そこで、本実施形態1では、その中断事由が解決した後、その感光体ドラム1の表面上に残った不要トナーを、通常の画像形成動作と同じように中間転写ベルト10上に転写する。そして、中間転写ベルト10上に転写された不要トナーをベルトクリーニング装置15によって回収する。ベルトクリーニング装置15は、上述のようにファーブラシ及びクリーニングブレードを備えた構成であるため、大量の不要トナーであっても回収することができる。一方、不要トナーを中間転写ベルト10上に転写した後に感光体ドラム1の表面に残留したトナーは、通常の画像形成動作時と同じように処理される。
【0059】
〔変形例〕
次に、上記実施形態1におけるプリンタとは回収工程が異なる変形例について説明する。本変形例は、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を、中間転写ベルト10をクリーニングするベルトクリーニング装置15によって回収する点で、上記実施形態1とは異なっている。なお、他の構成については、上記実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0060】
図6は、本変形例における逆転写トナーT1の回収に関わる1次転写ニップ部周辺の概略構成図である。なお、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kに関する1次転写ニップ部周辺の構成はすべて同じであるため、1つの感光体ドラムについてのみ図示し、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略する。
本変形例では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、上記実施形態1と同様に、帯電ローラ3aに印加されている帯電バイアスを停止させる。よって、上記実施形態1と同じように、逆帯電トナーT1は帯電ローラ3aに付着することなく、その接触領域を通過することができる。また、逆帯電トナーT1が現像領域に到達する前に、現像ローラ5aに印加されている現像バイアスも停止させる。これにより、現像ローラ5aはアースされ、その表面電位はほぼ0[V]になる。一方、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面は、上述したようにおよそ−50[V]であるため、現像領域では、逆帯電トナーT1には感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は現像ローラ5aに付着することなく、現像領域を通過することができる。
【0061】
このようにして現像領域を通過した逆帯電トナーT1は、次に中間転写ベルト10と接触する1次転写ニップ部に搬送される。本変形例では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が1次転写ニップ部に到達する前に、1次転写ローラ14には、通常の画像形成時とは異なる極性のバイアスが印加される。具体的に説明すると、1次転写ローラ14には、第1転写電源117又は第2転写電源118のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。これらの転写電源117,118と1次転写ローラ14との間には切替スイッチ119が設けられており、この切替スイッチ119の動作によって1次転写ローラ14に接続される転写電源が選択される。この切替スイッチ119の動作は、本プリンタの制御部によって制御されている。なお、第1転写電源117は、−300[V]の転写バイアスを印加するものである。一方、第2転写電源118は、各1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kについてそれぞれ印加するバイアスが異なり、+400[V]以上でかつ+2000[V]以下の範囲の転写バイアスを印加する。そして、通常の画像形成時における転写工程では、第2転写電源118が1次転写ローラ14に接続され、逆帯電トナーT1を感光体ドラム1の表面から回収する際には、第1転写電源117が1次転写ローラ14に接続される。
【0062】
回収工程において1次転写ローラ14に負極性バイアスが印加されることで、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面(−50[V])と、中間転写ベルト10との間には転写電界が形成される。そして、この転写電界によって、逆帯電トナーT1には中間転写ベルト10側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は中間転写ベルト10上に転写されることになる。その後、中間転写ベルト10上に転写された逆帯電トナーT1は、2次転写ローラ16と接触する2次転写ニップ部に搬送される。ここで、逆帯電トナーT1が2次転写ニップ部に到達する前に、2次転写ローラ16には通常の画像形成時に印加される転写バイアスと同じ転写バイアスが印加される。すなわち、2次転写ローラ16には正極性のバイアスが印加される。一方、逆帯電トナーT1が付着した中間転写ベルト10の表面電位は、2次転写ニップ部においてほぼ0[V]であるため、2次転写ニップ部では、逆帯電トナーT1に中間転写ベルト10側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は2次転写ローラ16に付着することなく、2次転写ニップ部を通過することができる。なお、本変形例では、逆帯電トナーT1が2次転写ニップ部を通過する際に2次転写ローラ16にバイアスを印加することで、2次転写ローラ16への逆帯電トナーT1の付着を防止しているが、他の手段を採用してもよい。例えば、2次転写ローラ16を接離可能とし、逆帯電トナーT1が2次転写ニップ部を通過する際には2次転写ローラ16を中間転写ベルト10から離間させる構成としてもよい。
【0063】
このようにして2次転写ニップ部を通過した逆帯電トナーT1は、次に、ベルトクリーニング装置15との対向するクリーニング領域に搬送される。このクリーニング領域おいて、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーT1は、ファーブラシによって拡散された後、クリーニングブレードによって掻き取られる。これにより、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーT1はベルトクリーニング装置15に回収されることになる。
【0064】
以上、本変形例によれば、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を、中間転写ベルト10上に転写することで、感光体ドラム1の表面から回収する。よって、感光体ドラム1の表面上から回収したトナーを収容する廃トナータンクを個別に設ける必要もなくなり、装置の小型化を図ることができる。特に、本プリンタは、4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、各感光体ドラムごとに個別に廃トナータンクを設ける場合に比べて大幅に装置の小型化を図ることができる。
【0065】
なお、逆帯電トナーT1を中間転写ベルト10上に転写して回収するという本変形例の構成と、現像装置5によって回収するという上記実施形態1の構成とを併用してもよい。このように構成すれば、現像装置5によって回収しきれずに現像領域を通過した逆帯電トナーT1を1次転写ニップ部で中間転写ベルト10上に回収することができる。このように感光体ドラム1上の逆帯電トナーT1を2段階で回収する構成とすれば、感光体ドラム1上の逆帯電トナーの回収能力が高まり、より確実に回収することができる。また、このように逆帯電トナーの回収能力が高まれば、ブラシローラ41から一度に大量の逆帯電トナーT1を放出しても、これを十分に回収することができる。その結果、ブラシローラ41から逆帯電トナーT1を放出する頻度を少なくすることができるという効果が得られる。
また、本変形例では、中間転写ベルト10上に転写した逆帯電トナーT1をベルトクリーニング装置15によって回収する構成について説明したが、他の構成であってもよい。例えば、中間転写ベルト10上の逆帯電トナーT1が2次転写ニップ部に到達する前に、2次転写ローラ16に通常の画像形成時とは逆極性のバイアスを印加する。これにより、2次転写ニップ部において逆帯電トナーT1は2次転写ローラ16側に付着し、回収することができる。なお、この場合、2次転写ローラ16の表面をクリーニングするクリーニング手段を設ける必要がある。
【0066】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に、画像形成装置としてのプリンタに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
本実施形態2のプリンタは、上記実施形態1のプリンタとは帯電装置の構成が異なる。詳しくは、本実施形態2における帯電装置は、感光体ドラム1の表面を接触・近接帯電方式で一様帯電する点では上記実施形態1と共通するが、感光体ドラム1の表面に対して帯電ローラを接離動作させる接離機構を備える点で上記実施形態1とは異なる。なお、他の構成については、上記実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0067】
図7は、本実施形態2における帯電装置203を示す概略構成図である。
本実施形態2では、ブラシローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、離間手段としての接離機構203cによって帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面から離間させる。この接離機構203cとしては、感光体ドラム1の表面に対して帯電ローラ3aを接離させることが可能な公知の手段を用いることができる。このような構成により、逆帯電トナーT1は帯電ローラ3aに接触することなく、帯電ローラ3aとの対向領域を通過することができる。よって、逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aに付着するのを防止することができる。したがって、帯電ローラ3aと感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧が変化することはなく、画像濃度の低下、地肌汚れの発生、画像濃度ムラの発生を防止することができる。
なお、上記実施形態1の説明の中で挙げた上述した変形例の構成などを本実施形態2の構成に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0068】
〔実験例〕
次に、感光体ドラム1の表面摩擦係数と虫食いの発生との関係を確認するために本発明者らが行った実験例について説明する。
本実験例では、上記変形例に係るプリンタを用いて画像形成を繰り返し、経時的に変化する感光体ドラムの表面摩擦係数を測定し、そのときの中間転写ベルト10上のトナー像を観察して虫食い状態を評価した。この評価では、ランク数が高くなるほど良い評価となる。なお、その虫食いランクが3.0以上であれば、画像上における虫食いはほとんど問題にならないので、虫食いランクが3.0以上の場合を許容範囲とした。また、感光体ドラムの表面摩擦係数は、オイラベルト法により測定した。このオイラーベルト法は、感光体ドラムの表面摩擦係数を定量化するためのものであり、具体的な方法は次のとおりである。すなわち、円筒型の感光体ドラムの外周部分1/4に、中厚上質紙(リコー社製TYPE6200)を紙すき方向が長手方向になるように切断したベルト状測定部材を接触させ、その一方(下端)に荷重(100g)をかけ、もう一方にフォースゲージをつないだ後、このフォースゲージを一定速度で移動させ、ベルトが移動開始した後、フォースゲージの値が安定したときの値を読みとり、下記の数1に示す式により算出する。
【数1】
μk = 2/π×ln(F/W)
ただし、μkは動摩擦係数、Fはフォースゲージ読みとり値(g)、Wは荷重(100g)である。
【0069】
図8は、本実験例による実験結果を示すグラフである。このグラフは、感光体ドラムの表面摩擦係数と虫食いランクとの関係を示すものである。なお、本実験例では、感光体ドラム1の表面線速に対するブラシローラの線速を1.5とした。また、本実験例では、1次転写ニップ部における感光体ドラム1と中間転写ベルト10との線速差はない状態となっている。
【0070】
図8に示すように、感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなるほど、虫食いランクの評価も下がることがわかる。そして、本実験例による結果、許容範囲である3.0以上の虫食いランクを得るには、感光体ドラムの表面摩擦係数が0.45以下である必要があることが判明した。
ここで、経時使用により感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなるのは、現像領域での現像剤による摺擦、転写領域での圧力、ブラシローラ41による摺擦などによって、感光体ドラム表面が不均一に削られ、その平滑性が低下したことが原因の1つであると考えられる。なお、経時使用により凹凸やキズが生じていることは、本発明者らが感光体ドラムの表面を顕微鏡で観察して確認している。このように考えると、感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなるほど虫食いランクが下がるのは、削れによって生じた感光体ドラム表面上の凹部にトナーが拘束される結果、その拘束されたトナーが転写電界を受けても中間転写ベルト10上に転写されなかったためと考えられる。
また、フィルミング現象が発生すると、感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなることからすれば、経時使用により感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなるのは、フィルミング現象が発生したことも原因の1つとして考えられる。このように考えると、感光体ドラムの表面摩擦係数が高くなるほど虫食いランクが下がるのは、フィルミングの発生によって感光体ドラム表面とトナーとの機械的付着力が高まった結果、そのトナーが転写電界を受けても中間転写ベルト10上に転写されなかったためとも考えられる。
【0071】
〔実施例〕
次に、本発明の効果を確認する実施例について説明する。
本実施例では、上記変形例1に係るプリンタにおいて画像形成を繰り返し、経時的に変化する感光体ドラムの表面摩擦係数を測定した。その測定結果を図9に示す。なお、図9には、上記潤滑剤塗布装置を取り外した場合も、比較のため記載されている。なお、その他の条件は、上記実験例と同様である。
【0072】
図9に示すように、上記潤滑剤塗布装置を取り外して潤滑剤を感光体ドラムに塗布していないプリンタでは、250枚の画像形成を行っただけで、感光体ドラムの表面摩擦係数は0.45を越える結果となっている。上記実験例で確認したように、感光体ドラムの表面摩擦係数が0.45を越えると虫食いランクが3.0未満となって許容範囲を越える結果となる。よって、このプリンタでは、250枚の画像形成を行っただけで、許容範囲を超える虫食い画像が形成されてしまう。これに対し、本実施例に係る潤滑剤を感光体ドラムに塗布するプリンタでは、画像形成開始後から感光体ドラムの表面摩擦係数が下がり、しばらくするとその表面摩擦係数がおよそ0.2となり、その後、その値で一定となる。すなわち、本実施例に係るプリンタによれば、長期的に使用しても、潤滑剤の塗布により感光体ドラムの表面摩擦係数を許容範囲の0.45以下である約0.2という低い状態に維持することができる。よって、本実施例に係るプリンタであれば、長期的に使用しても、文字画像部分の白抜けとして現れるような虫食い画像が発生しない。
【0073】
以上、上記実施形態1及び上記実施形態2のプリンタは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。また、トナーの帯電極性(負極性)と同極性の帯電バイアスが印加される帯電部材としての帯電ローラ3aを感光体ドラム表面に接触又は近接させて感光体ドラム表面を一様に帯電する帯電装置3を備えている。更に、潜像形成手段としての露光装置4、現像手段としての現像装置5、転写手段としての1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kも備えている。本プリンタでは、転写残トナーのうち上記所定極性とは逆極性(正極性)に帯電した逆帯電トナーT1は、負極性の保持バイアスが印加されたブラシ部材であるブラシローラ41,141を備える一時保持手段としてのトナー保持装置40に一時的に保持される。その保持した逆帯電トナーT1は、所定のタイミングで正極性の放出バイアスをブラシローラ41に印加することで、感光体ドラム表面に放出されこれに付着する。そして、本プリンタでは、感光体ドラム表面とトナーとの機械的付着力を弱めるための潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛46をブラシローラ41,141に塗布する潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布装置を設け、潤滑剤を感光体ドラム表面に塗布する。これにより、トナーと感光体ドラム表面との間の機械的付着力が弱めることができ、その感光体ドラム表面との間で強い付着力をもったトナーであっても、中間転写ベルト10上に静電的に転写させることができる。よって、虫食いと呼ばれる画像抜けの発生を抑制することができる。
また、ブラシローラ41のブラシ部分に固形化された潤滑剤46を当接させる構成を採用すれば、ブラシローラ41によって潤滑剤を削り取り、これを感光体ドラム表面に塗布することができる。このように潤滑剤が固形化されたものであれば、粉末状のものや液体状のものなどに比べて取り扱いが簡単となる。
また、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いれば、感光体ドラムの表面摩擦係数を効果的に低下させることができ、虫食いと呼ばれる画像抜けの発生をより抑制することができる。
また、上記実施形態1及び上記実施形態2のプリンタでは、プリンタ本体に対して着脱可能であって、少なくとも感光体ドラム1とトナー保持装置40とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有している。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性を向上させることができる。
【0074】
なお、上記実施形態1及び上記実施形態2では、帯電バイアスと正規に帯電したトナーの極性とが同じ場合について説明したので、ブラシローラ41,141によって回収されるトナーは、転写残トナーのうちの逆帯電トナーであった。しかし、帯電バイアスと正規に帯電したトナーの極性とが互いに逆極性の場合、ブラシローラ41,141によって回収されるトナーは、転写残トナーのうちの正規帯電トナーとなる。すなわち、上記実施形態1及び上記実施形態2では、ブラシローラ41,141に印加される保持バイアスを帯電バイアスを同じにすればよい。このようにすれば、帯電バイアスが印加された帯電部材にこれと逆極性のトナーが到達する前に、そのトナーをブラシローラ41,141で回収することができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、ブレードレスブラシ方式の長所を生かしつつ、混色が生じることなく経時使用による画像抜けの発生を抑制することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るプリンタのトナー保持装置を示す概略構成図。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタの感光体ドラムの断面図。
【図4】同感光体ドラムの周りの構成を示す概略構成図。
【図5】(a)は、同感光体ドラム上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフ。
(b)は、転写後に感光体ドラム上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフ。
【図6】変形例において、逆転写トナーの回収に関わる1次転写ニップ部周辺の概略構成図。
【図7】実施形態2に係るプリンタの帯電装置を示す概略構成図。
【図8】実験例による実験結果を示すグラフ。
【図9】感光体ドラムの表面摩擦係数について、潤滑剤を塗布する場合と塗布しない場合とで比較した結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1Y,1C,1M,1K 各感光体ドラム
3a 帯電ローラ
3,203 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
10 中間転写ベルト
14Y,14C,14M,14K 1次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 2次転写ローラ
30 プロセスカートリッジ
31Y,31C,31M,31K トナーボトル
40 トナー保持装置
41,141 ブラシローラ
42 駆動装置
43 第1電源
44 第2電源
45,119 切替スイッチ
46 固形潤滑剤
47 スプリング
117 第1転写電源
118 第2転写電源
203c 接離機構

Claims (6)

  1. 所定極性の帯電バイアスが印加される帯電部材を潜像担持体表面に接触又は近接させて該潜像担持体表面を一様に帯電した後、該潜像担持体表面に潜像を形成し、これをトナーによって現像して得たトナー像を最終的に記録材上に静電的に転写して画像を形成する画像形成装置において、
    上記潜像担持体表面との接触部分がブラシ状であって該接触部分が該潜像担持体の表面移動方向とは逆方向に表面移動するブラシ部材に上記所定極性と同じ極性の保持バイアスを印加することで、上記転写後に該潜像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、該所定極性とは逆極性に帯電したトナーを上記帯電部材との対向位置に達する前に該潜像担持体表面から回収して保持し、かつ、所定のタイミングで該所定極性とは逆極性の放出バイアスを印加することで、保持しているトナーを該潜像担持体表面に戻す一時保持手段と、
    該潜像担持体表面とトナーとの機械的付着力を弱めるための潤滑剤を、ブラシ部材側に付勢した状態で当接させて潤滑剤を該ブラシ部材に塗布する潤滑剤塗布手段とを設け、
    該潤滑剤を該ブラシ部材によって該潜像担持体表面に付着させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記一時保持手段から放出されて上記潜像担持体の表面に付着した逆帯電トナーが該帯電部材との接触領域に到達する前に、該帯電部材を該潜像担持体の表面から離間させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記潤滑剤塗布手段は、上記ブラシ部材のブラシ部分に固形化された潤滑剤を当接させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    上記潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
    画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材と上記潤滑剤塗布手段とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3又は4の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、
    少なくとも上記潜像担持体と上記ブラシ部材と上記潤滑剤塗布手段とを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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