JP3968285B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びこれに用いるプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の中には、像担持体に表面を当接させながら回転駆動するローラ部材を備えるものが知られている。このローラ部材は、種々の目的で設置される。例えば、転写後の像担持体表面部分に残留した転写残トナー(付着物)の回収を容易ならしめることを目的として、その回収前に像担持体上の転写残トナーを拡散させ、転写残トナーの付着力を弱めるブラシローラがある。具体的には、例えば、特許文献1に開示された画像形成装置がある。この画像形成装置は、像担持体表面に残留した転写残トナーを現像装置を用いて回収する方式(以下、「現像同時クリーニング方式」という。)を採用している。この現像同時クリーニング方式では、クリーニングとは別の目的で設置されている現像装置をクリーニング手段として利用するため、別個独立に像担持体をクリーニングするクリーニング装置を設ける必要がない。よって、この現像同時クリーニング方式を採用すれば、装置の小型化に大きく貢献することができる。そして、この画像形成装置では、ブラシローラである帯電用回転ブラシによって、転写残トナーを回収前に事前に拡散させている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−137198号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなローラ部材を備えた画像形成装置では、そのローラ部材にトナーが付着することがあるが、そのトナーの一部はローラ部材の遠心力を受けてローラ部材から落下する。このように落下したトナーは、そのローラ部材を覆うように配置されるケーシングの内部底面上に堆積する。ここで、このように堆積したトナーがローラ部材に接触してしまうと、そのトナーがローラ部材に再付着して種々の不具合が生じる。例えば、そのトナーが像担持体表面を一様に帯電する帯電部材に付着すると、異常画像が発生するという不具合が生じる。これは、帯電部材に付着したトナーによって電気抵抗が上昇し、像担持体表面の一様帯電電位が低下してしまう結果、地汚れ(かぶり)が発生することに起因する。また、帯電部材に対してトナーが部分的に付着した場合には、帯電ムラが生じ、画像濃度ムラを生じた異常画像が発生することもある。
また、本出願人は、転写残トナーのうちの逆帯電トナーが像担持体表面を一様帯電する帯電部材に付着するのを抑制する目的で、その逆帯電トナーを一時的に保持する手段を備えた画像形成装置を提案している(特願2002−254142号等)。そして、この手段として、ローラ部材であるブラシローラが用いられている。この構成において、上述のようにケーシングの内部底面上に堆積したトナーがブラシローラに再付着すると、逆帯電トナーを保持するブラシローラの保持能力が低下するという不具合が生じる。
【0005】
また、上述した不具合は、ケーシング内部におけるローラ部材の鉛直方向下方スペースを十分に広くすれば解消することができる。しかし、このような十分に広いスペースをケーシング内部に確保するためにケーシングを大型化すると、画像形成装置自体の大型化につながり、近年の装置の小型化の要求に反する結果となる。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、装置を大型化させずに、ケーシング内部に堆積したトナーがローラ部材に再付着するのを抑制することが可能な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動する像担持体と、該像担持体に表面を当接させながら回転駆動するローラ部材と、該像担持体上に形成されたトナー像が転写される無端移動部材とを備えた画像形成装置において、上記無端移動部材は上記像担持体の鉛直方向上方に配置されており、上記ローラ部材の外形に沿った内壁面を有し、該ローラ部材を覆うように配置され、該ローラ部材と上記像担持体表面との間に開口部を有するケーシングを設け、該ローラ部材の表面が、該ローラ部材と該像担持体との当接部において該像担持体の表面移動方向とは逆方向であって鉛直方向下方から上方に向かって移動するように構成し、該ローラ部材とその鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面との間隔が該ローラ部材とその鉛直方向上方に位置するケーシング内壁面との間隔よりも広くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記ローラ部材の鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面が、上記開口部に向かって鉛直方向上方に傾斜していることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分が、上記ローラ部材の鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面よりも鉛直方向上側に位置することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分に、該開口部の鉛直方向下側部分を遮る遮蔽部材を取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記像担持体表面に形成されるトナー像を構成するトナーの平均円形度は、0.93以上であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも、上記像担持体と、上記ローラ部材と、上記ケーシングとが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、少なくとも、上記像担持体と、上記ローラ部材と、上記ケーシングとを一体に構成したことを特徴とするものである。
【0008】
上記請求項1乃至6の画像形成装置及び上記請求項7のプロセスカートリッジにおいては、像担持体に表面を当接させながら回転駆動するローラ部材を覆うように、ケーシングが配置されている。このケーシングには、ローラ部材と像担持体表面との間に開口部が設けられている。このケーシングは、その内部におけるローラ部材の鉛直方向下方スペースが、ローラ部材の鉛直方向上方スペースよりも広くなるように構成されている。この構成は、同じケーシング寸法のまま、ケーシング内部の鉛直方向上方スペースを小さくした分だけ、ケーシング内部の鉛直方向下方スペースを広くすることで実現することができる。これによれば、ケーシング寸法を大きくせずに、ローラ部材の鉛直方向下方スペースを広げることができる。なお、ケーシング内部の鉛直方向上方スペースが小さくても特に問題は生じない。これは、ローラ部材に付着するトナー等の付着物が遠心力等の作用を受けてローラ部材から離れると、その付着物は重力により鉛直方向下方に落下し、最終的にはケーシング内部の鉛直方向下方スペースに堆積するからである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。本プリンタは、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
【0010】
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。本プリンタは、像担持体として4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。なお、ここでは、ドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。本実施形態において、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ表面移動部材としての無端移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したもので、その外径が30[mm]で、その内径が28.5[mm]である。
【0011】
本実施形態では、低コスト化、感光体設計の自由度、無公害性等の観点から有機系感光体を用いている。有機系の感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK )に代表される光導電性樹脂を用いたものが知られている。また、有機系の感光体には、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせた機能分離型などがある。この中でも、近年では、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0012】
図3は、本実施形態で使用する感光体ドラム1の断面図である。この感光体ドラム1は、機能分離型の感光体であり、基体である導電性支持体51上に、電荷発生層52及び電荷輸送層53を積層した上に更に保護層54を積層したものである。この感光体ドラム1における静電潜像形成のメカニズムは、次のとおりである。すなわち、感光体ドラム1を帯電した後に光照射すると、光は透明な電荷輸送層53を通過し、電荷発生層52中の電荷発生物質により吸収される。光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層53に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層53中を移動し、感光体ドラム表面の電荷を中和する。これにより、その中和部分が静電潜像となる。このような機能分離型の感光体は、主に紫外域で強い吸収特性を持つ電荷輸送物質と、主に可視域に強い吸収特性を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いるのが有用である。
【0013】
上記保護層54に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂などが挙げられる。
【0014】
また、保護層54の耐摩耗性を向上するために、フィラーを添加してもよい。このフィラーの材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、これら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、シリカ、アルミナ等の無機材料を分散したもの等が挙げられる。このフィラーの含有量は、重量基準で、10[%]以上40[%]以下、好ましくは20[%]以上30[%]以下とするのがよい。フィラーの含有量が10%未満であると感光体ドラム1の表面削れに関連する感光体ドラム周辺の構成によっては、耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、フィラーの含有量が40%を越えると露光に対する感度が低下するおそれがある。また、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加してもよい。この分散助剤としては、塗料等に使用されるものが適宜利用でき、その添加量は、重量基準で、フィラーの含有量に対して0.5[%]以上4[%]以下、好ましくは1[%]以上2[%]以下とする。また、上記保護層54には、電荷輸送材料を添加するのも有効である。また、酸化防止剤なども必要に応じて添加することができる。
【0015】
保護層54の形成方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコー法ト、リングコート法等の公知の方法を用いることができる。保護層の厚さは、0.5[μm]以上10[μm]以下、好ましくは4[μm]以上6[μm]以下とする。
また、電荷発生層52及び電荷輸送層53からなる感光層と、保護層54との間に中間層を設けてもよい。この中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成方法としては、上述した保護層の形成方法と同様に、公知の塗布法を用いることができる。なお、中間層の厚さは、0.05[μm]以上2[μm]以下とするのがよい。
【0016】
本実施形態で使用する感光体ドラム1は、上述したように有機系感光体であるため、機械的、化学的な耐久性に乏しいという欠点がある。具体的に説明すると、電荷輸送物質の多くは低分子化合物として開発されているが、この低分子化合物は単独では製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して利用されることになる。しかるに、電荷輸送物質である低分子化合物と不活性高分子とからなる電荷輸送層は一般に柔らかく、機械的耐久性に乏しい。そのため、その電荷輸送層を表面にもつ感光体ドラム1を繰り返し使用すると、その表面に接触する帯電ローラ3a、現像剤、中間転写ベルト10、ブラシローラ41などによる摺擦によって、膜削れを生じやすい。よって、感光体ドラム1として、特に有機系感光体を利用する場合には、その寿命を長くするために上記保護層54を設けるのが有効である。
【0017】
図4は、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの概略構成を示す図である。なお、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの感光体ドラムについてのみ図示し、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略してある。
感光体ドラム1の周りには、その表面移動方向に沿って、一時保持手段としてのトナー保持装置40、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、潜像形成手段としての露光装置4から発せられる光が感光体ドラム1まで通過できるようにスペースが確保されている。
【0018】
帯電装置3は、感光体ドラム1の表面を負極性に一様帯電する。本実施形態における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラ3aを備えている。すなわち、この帯電装置3は、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に接触させ、その帯電ローラ3aに負極性バイアスを印加することで、感光体ドラム1の表面を一様帯電する。本実施形態では、感光体ドラム1の表面電位が一様に−(マイナス)500[V]となるような直流の帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。しかし、この場合には、交流電源が必要となるため、装置が大型化することになり、装置の小型化の観点からは好ましくない。また、本実施形態の帯電装置3には、帯電ローラ3aの表面をクリーニングするクリーニングブラシ3bが設けられている。本実施形態では、後述するように帯電ローラ3aの表面にトナーが付着することはほとんどない。しかし、トナーが僅かに付着した場合でも、帯電ローラ3aによる帯電ムラ等の帯電不良を引き起こす原因となる。よって、本実施形態では、帯電ローラ3aの表面をクリーニングブラシ3bによってクリーニングする構成を採用している。
なお、上記帯電装置3として、帯電ローラ3aの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体ドラム1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラ3aに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体ドラム1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体ドラム1の表面が一様帯電される。
【0019】
このようにして一様帯電した感光体ドラム1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
【0020】
また、現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。本実施形態で使用する現像装置5では、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用しているが、キャリアを含まない一成分現像剤を使用してもよい。現像装置5は、図2に示したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、それぞれが単体で交換できるように、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y,31C,31M,31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
【0021】
トナーボトル31Y,31C,31M,31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、攪拌搬送スクリュー5bによってキャリアと撹拌されながら搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、磁界発生手段としてのマグネットローラと、その周りを同軸回転する現像スリーブとから構成されている。現像剤中のキャリアは、マグネットローラが発生させる磁力により現像ローラ5a上に穂立ちした状態となって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、現像領域において感光体ドラム1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上に穂立ちしたキャリアは、感光体ドラム1の表面を摺擦しながら、キャリア表面に付着したトナーを感光体ドラム1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300[V]の現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体ドラム1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体ドラム1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体ドラム1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。また、本実施形態では、現像ローラ5aは、クラッチを介して駆動装置に接続されており、そのクラッチによって、現像ローラ5aの回転を一時停止することができる構成となっている。
【0022】
上記中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11,12,13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、本実施形態では転写チリの発生が少ない転写ローラを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写手段としての1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kを配置している。本実施形態では、各1次転写ローラ14Y,14C,14M,14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kとによって、1次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各1次転写ローラ20に正極性のバイアスが印加される。これにより、各1次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
【0023】
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
【0024】
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、2次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と2次転写ローラ16との間には2次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、2次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、2次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この2次転写時には、2次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
【0025】
2次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。2次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
【0026】
本実施形態では、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K、その周囲に配置された現像装置等の部品、露光装置4、中間転写ベルト10、ベルトクリーニング装置15等を、一体化したプロセスカートリッジ30として構成している。このプロセスカートリッジ30は、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性が向上する。なお、本実施形態では、上述したトナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、このプロセスカートリッジ30とは別個にプリンタ本体に対して着脱自在な構成となっている。
【0027】
次に、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの表面に残留した転写残トナーのクリーニングについて説明する。
本実施形態で使用するトナーは、いわゆる重合法によって形成されたトナーであり、その形状は真球に近い。一方、従来から用いられている粉砕法等によって形成されるトナーは、その表面にランダムな凹凸が存在するため、その平均円形度は低いものとなる。このように平均円形度の低いトナーは、一般に、その粒径分布がブロードになるため、各トナーの表面積のバラツキが大きくなる。よって、現像装置内での撹拌時やドクタ通過時における摩擦帯電による各トナーの帯電量が現像剤中のトナー間で大きく異なることになる。その結果、現像剤中におけるトナーの帯電分布が広がってしまい、感光体上に付着した全トナーに対して転写電界の作用が均一に働かず、転写率が低下してしまう。これに対し、本実施形態においては、トナーの平均円形度が高いため、各トナーの形状が真球に近く、全トナーの形状を高い精度で制御できている。そのため、その粒径分布が狭く、各トナーの表面積のバラツキを小さくすることができる。よって、摩擦帯電によるトナーの帯電量の差が現像剤中のトナー間で小さくなる。その結果、トナーの帯電分布が狭くなり、転写率が向上し、感光体上に残留する転写残トナーの量を少なくすることができる。
【0028】
また、現像領域においては良好に帯電されたトナーが優先的に感光体ドラム上の静電潜像に付着し、消費されることになる。そのため、経時使用するにつれて、現像装置5内には帯電状態が良好でないトナーの比率が上昇する。よって、粉砕法等によって形成されるトナーのように平均円形度が低い場合、上述のようにトナーの帯電分布がブロードになるため、経時使用により現像装置5内に残存する帯電状態が良好でないトナーの量は多い。このような帯電状態が良好でないトナーは、現像領域において現像電界を受けても感光体ドラム上の静電潜像部分に正確に付着されない。したがって、トナーの平均円形度が低い場合、経時使用により地肌汚れやドットのバラツキ等が発生するため、経時的に画像が劣化してしまう。
また、トナーの平均円形度が低い場合、キャリアとの接触面積が増える結果、スペントと呼ばれる現象が発生しやすくなる。スペントとは、トナーのキャリア表面へのフィルミング現象であり、経時的な使用によって悪化するものである。この現象が生じると、新規トナーを新たに補給しても、その新規トナーが摩擦帯電されにくくなり、この現象も経時的な画像劣化の原因であると考えられる。
【0029】
これに対し、本実施形態においては、トナーの平均円形度が高いため、トナーの帯電分布が狭く、トナーの平均円形度の低い場合に比べて、もともと帯電状態が良好でないトナーの量が少ない。よって、経時使用しても、地肌汚れやドットのバラツキ等が発生しにくい。また、トナーの平均円形度が高いためにキャリアとの接触面積が小さく、スペントと呼ばれる現象が発生しにくい。したがって、平均円形度の高いトナーを使用すれば、経時的な画像劣化が生じにくいという効果が得られる。
【0030】
本発明者らは、トナーの平均円形度の好適値を得るために次のような実験を行った。この実験では、現像装置内に現像剤を充填した後、その現像装置を空駆動させて、スペントが観測されるまでの時間を測定した。その実験結果を、下記の表1に示す。そして、トナーの平均円形度が0.93以上であれば、合格基準である15万枚の画像形成を行うのに必要な時間に相当する4200[分]以上経っても、スペントが観測されなかった。そこで、本実施形態では、円形度の平均値が0.93以上であるトナーを使用している。
【表1】
【0031】
ここで、トナーの平均円形度は、各トナーの円形度の平均値であり、次の方法により測定したものである。
各トナーの円形度の測定は、株式会社SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて行った。この測定では、まず、1級塩化ナトリウムを用いて、1[%]のNaCl水溶液を調整する。その後、このNaCl水溶液を0.45のフィルターを通して50〜100[ml]の液を得て、これに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に試料を1〜10[mg]加える。これを、超音波分散機で分散処理を1分間行い、粒子濃度を5000〜15000[個/μl]に調整し、分散液を得る。この分散液をCCDカメラで撮像し、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の円周長を、そのトナーの2次元投影画像の周囲長で割った値を、各トナーの円形度として用いた。なお、CCDの画素の精度から、トナーの2次元投影画像の面積と同じ面積をもつ円の直径(円相当径)が0.6[μm]以上であるトナーを有効なものとした。トナーの平均円形度は、各トナーの円形度を得た後、測定範囲内にある全トナーの円形度をすべて足し合わせ、それをトナー個数で割った値を用いたものである。
【0032】
本実施形態で用いるトナーは、モノマー、開始剤、着色剤等の原料を混合し、重合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる懸濁重合方式によって作成することができる。また、モノマー、開始剤、乳化剤、分散媒をモノマー重合し、凝集会合処理、洗浄分離処理、乾燥処理、後処理を経て得られる乳化重合方式等によって作成することもできる。このほか、塊状重合方式や溶液重合方式を用いてもよい。
【0033】
図5(a)は、感光体ドラム1上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフである。また、図5(b)は、転写後に感光体ドラム1上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフである。図5(a)に示すように、転写直前におけるトナーの帯電量は、ほぼ−30[μC/g]を中心に分布しており、そのほとんどが負極性に正規帯電している。一方、転写残トナーの帯電量は、およそ−2[μC/g]を中心に分布したものとなる。一般に、転写残トナーのほとんどは、トナーの組成不良などにより所望どおりの帯電特性が得られない不良トナーである。そのため、転写残トナーの一部は、1次転写ローラ14に印加された正極性バイアスによる電荷注入を受けるなどして、トナーの帯電極性が正極性に反転する。その結果、転写残トナーの中には、図5(b)中斜線部分で示すような正極性に反転してしまった逆帯電トナーが存在してしまう。
【0034】
このような逆帯電トナーは、感光体ドラム1に付着したまま帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されると、正極性の帯電バイアスが印加された帯電ローラ3aの表面に静電的に吸引されて付着してしまう。これは、帯電ローラ3aを感光体ドラム1の表面に近接させて配置した上述した構成であっても、同様である。そして、帯電ローラ3aの表面にトナーが付着すると、帯電ローラ3aの抵抗値や表面状態が変化するため、感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧にムラが生じる。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加しても、感光体ドラム1の表面が所望の電位(−500[V])に均一にならなくなる。その結果、画像濃度ムラも生じるおそれがある。また、帯電ローラ3aの表面のごく一部にトナーが付着した場合、トナーが付着していない箇所に向けて帯電バイアスによる電流が集中することにある。これにより、逆帯電トナーが付着していない場合と同じ帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加すると、感光体ドラム表面の帯電電位が所望の電位よりも高くなる。その結果、露光装置4による露光を受けた部分すなわち静電潜像部分の電位が負極性側にシフトし、画像濃度が低下してしまう。また、帯電ローラ3aの表面のほぼ全域にトナーが付着して、帯電ローラ3aの表面にトナーがコーティングされた状態になると、帯電能力が低下し、感光体ドラムの表面電位が所望の電位よりも下がる。これにより、露光装置4による露光を受けない部分すなわち非静電潜像部分(地肌部分)の電位が、現像ローラ5aに印加される現像バイアスに近づいてしまう。その結果、十分に帯電されていないトナーが感光体ドラム上の地肌部分に付着して、地肌汚れが発生してしまう。
【0035】
一方で、転写残トナーの中には負極性のままの正規帯電トナーも存在する。しかし、この正規帯電トナーは、帯電装置3の帯電ローラ3aとの対向位置まで搬送されても、帯電バイアスが印加されていれば、その帯電ローラ3aの表面に付着することはない。しかも、正規帯電トナーは、現像領域に達することで、現像装置5の現像ローラ5a上のキャリアに付着して回収されるか、その画像形成工程のトナー像を構成することになる。すなわち、転写残トナーのうちの正規帯電トナーに関しては、画像形成工程にほとんど悪影響を与えることはない。したがって、転写残トナーのうちの逆帯電トナーをいかにして画像形成工程に悪影響を及ぼさないようにするかが重要となる。そのため、本実施形態では、感光体ドラム1上の転写残トナーが帯電ローラ3aとの対向位置に達する前に、その転写残トナーのうちの逆帯電トナーを感光体ドラム1から除去する構成を採用している。
【0036】
次に、本発明の特徴部分である、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーT1をトナー保持装置40で一時的に保持する一時保持工程について説明する。
図1は、トナー保持装置40を示す概略構成図である。このトナー保持装置40は、感光体ドラム1の表面に接触するローラ部材としてのブラシローラ41を備えている。このブラシローラ41は、ブラシ密度が比較的低くなるように形成されたものである。このようにブラシ密度が低ければ、回収したトナーを保持するための十分な空間をブラシ内部に確保することができる。よって、回収したトナーの収容能力が高まり、後述する逆帯電トナーの放出工程の頻度を少なくできる。また、ブラシ密度を低くすることで、回収したトナーをブラシローラ41が保持したときの機械的な保持力が小さくなる。その結果、後述する逆帯電トナーの放出工程をスムーズに実行することができるようになる。本実施形態では、ブラシローラ41の表面付近におけるブラシ密度が、12000[本/inch2]以上858000[本/inch2]以下となるようにブラシローラ41を形成した。
【0037】
上記ブラシローラ41は、駆動装置42によって図中矢印の方向に回転駆動する。そして、このブラシローラ41には、第1電源43又は第2電源44のいずれか一方からバイアスが印加される構成になっている。具体的には、これらの電源43,44とブラシローラ41との間に切替スイッチ45を設け、この切替スイッチ45の動作によってブラシローラ41に接続される電源を選択する。この切替スイッチ45の動作は、本プリンタの制御部によって制御されている。なお、第1電源43は、ブラシローラ41の表面部分の電位が−700[V]となるような保持バイアスを印加するものであり、第2電源44は、その電位が+200[V]となるような放出バイアスを印加するものである。なお、本実施形態では、各電源43,44として直流電源を用いているが、直流に交流を重畳させたバイアスを印加する電源を用いてもよい。
【0038】
転写残トナーを付着させた感光体ドラム1の表面部分がブラシローラ41と接触する領域(以下、「ブラシ接触領域」という。)に到達する前から、ブラシローラ41には第1電源43が接続されている。これにより、ブラシローラ41にはその表面が−700[V]となるような保持バイアスが印加されることになる。このような保持バイアスが印加されたブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に接触することで、その表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーT1がブラシローラ41に付着し、保持されることになる。
【0039】
詳しく説明すると、感光体ドラム1は、帯電装置3によってその表面が一様に−500[V]に帯電された後、露光装置4の露光を受けることにより潜像部分の電位は−50[V]程度になる。そして、その潜像部分にトナーを付着させる現像工程を経て、次いで転写工程を終えると、その潜像部分の電位は更に0[V]に近づくことになる。転写残トナーのほとんどは、潜像部分であった感光体ドラム1の表面部分に付着している。よって、この表面部分に付着した正極性をもつ逆帯電トナーT1は、ブラシ接触領域において、−700[V]のバイアスが印加されたブラシローラ41側に向かう静電力を受けることになる。一方で、潜像部分以外の地肌部分の電位(−500[V])も転写工程を経ることで、その電位が0[V]側にシフトする。この地肌部分にも僅かながら転写残トナーが付着することがあるが、この地肌部分に付着する正極性をもつ逆帯電トナーT1にも、ブラシ接触領域においてブラシローラ41側に向かう静電力が働くことになる。したがって、感光体ドラム1の表面に付着した転写残トナーのうち、逆帯電トナーT1に関しては、ブラシ接触領域においてブラシローラ41に付着し、保持される。
【0040】
一方、転写残トナーのうちの正規帯電トナーT0は、負極性に帯電しているため、ブラシ接触領域では感光体ドラム1側に向かう静電力を受けることになる。したがって、正規帯電トナーT0に関しては、ブラシローラ41に保持されずに感光体ドラム1の表面に付着し続けることになる。しかし、正規帯電トナーT0が感光体ドラム1の表面に付着したままブラシ接触領域を通過しても、上述したように次の画像形成工程にほとんど悪影響はなく、次の画像形成工程のトナー像を構成するか、現像装置5に回収されることになる。
【0041】
また、本実施形態においては、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向とは逆方向(カウンタ方向)に表面移動させるように駆動装置42によって駆動している。このようにブラシローラ41を駆動することによって、多数のブラシ先端部分で感光体ドラム1の表面を摺擦することができる。これにより、感光体ドラム1の表面に付着した正規帯電トナーT0が拡散されることになる。このような拡散によって、感光体ドラム1の表面に対する正規帯電トナーT0の付着力を弱めることができる。その結果、ブラシ接触領域を通過した感光体ドラム1上の正規帯電トナーT0を現像装置5によって回収するのが容易になるという効果が得られる。
【0042】
なお、この効果は、ブラシローラ41を、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面移動方向と同方向でかつ線速差が生じるように駆動すれば、同様にして得られるものである。しかも、このように駆動した場合、本実施形態のようにカウンタ方向に駆動する場合に比べて、ブラシローラ41及びこれに接触する感光体ドラム1の駆動負荷を小さくすることができる。よって、ブラシローラ41及び感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなるため、比較的小型の駆動装置を利用することが可能となる。また、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクが小さくなることで、バンディング現象なども少なくなり、安定して高品質な画像を形成することも可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、感光体ドラム1の表面にクリーニングブレードを当接させる構成を採用していない。したがって、クリーニングブレードが当接した構成に比べて、感光体ドラム1の駆動装置に加わる負荷トルクを大きく低減することができる。しかし、その一方で、感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング能力は劣る結果となる。そのため、経時使用することによって、感光体ドラム1の表面には転写残トナーがフィルム状になって強固に付着するフィルミング現象が発生するおそれがある。本実施形態では、使用するトナーがいわゆる球形トナーなので、上述したように転写残トナーの量は比較的少ないが、それでも長期的に使用すればフィルミング現象が発生する可能性がある。しかし、本実施形態では、上述したように、ブラシローラ41を感光体ドラム1の表面に対してカウンタ方向に駆動する構成を採用している。そのため、ブラシローラ41が感光体ドラム1の表面に対して連れ回る構成や、感光体ドラム1の表面に対して同方向に駆動する構成に比べて、感光体ドラム1の表面上に付着する転写残トナーを掻き起こす作用が強い。よって、本実施形態のようにブラシローラ41をカウンタ方向に駆動することで、ブラシ接触領域を通過する正規帯電トナーを分散させる効果を高めることができる。その結果、現像装置5による正規帯電トナーの回収率を高めることができ、フィルミング現象の発生を抑制することができる。
【0044】
次に、ブラシローラ41で保持した逆帯電トナーT1を感光体ドラム1の表面に放出する放出工程について説明する。
本実施形態では、逆帯電トナーT1をブラシローラ41で保持した後、その逆帯電トナーT1を所定のタイミングで感光体ドラム1の表面に放出する。本実施形態では、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に、逆帯電トナーT1を放出する。具体的には、一の画像形成工程において発生した逆帯電トナーT1をすべて保持した後、次の画像形成工程で帯電装置3により一様帯電が行われる感光体ドラム1の表面部分がブラシ接触領域に達する前に、逆帯電トナーT1を放出する。このようなタイミングで逆帯電トナーT1を放出することで、後述するように次の画像形成工程が悪影響を与えることなく逆帯電トナーT1を回収することが可能となる。なお、連続して画像形成を行う場合には、その連続中の最後の画像形成を終えた後に、その間に保持した逆帯電トナーT1を放出するようにしてもよい。この場合、後述する逆帯電トナーT1の回収工程の実行によって、連続画像形成を終えるまでの時間が長くなるのを防ぐことができる。
【0045】
放出工程について更に詳しく説明すると、上記タイミングで放出される逆帯電トナーT1が付着する感光体ドラム1の表面部分には、前回の画像形成工程における残留電位が存在する。本実施形態においては、この残留電位はおよそ−50[V]程度である。この放出時には、ブラシローラ41に接続される電源が第1電源43から第2電源44に切り替えられる。これにより、ブラシローラ41にはその表面が+200[V]となるような放出バイアスが印加される。このような放出バイアスが印加されると、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーT1には、表面電位が−50[V]である感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、ブラシローラ41に保持されていた逆帯電トナーT1は、ブラシ接触領域において感光体ドラム1の表面に付着する。
【0046】
次に、ブラシローラ41から放出されて感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1を回収する回収工程について説明する。
本実施形態では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aとの接触領域に到達する前に、帯電ローラ3aに印加されている帯電バイアスを停止させる。具体的には、本プリンタの制御部がバイアス停止手段として機能し、帯電ローラ3aへの帯電バイアスの印加を停止する。これにより、帯電ローラ3aはアースされ、その表面電位はほぼ0[V]になる。一方、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面は、上述したようにおよそ−50[V]であるため、帯電ローラ3aとの接触領域では、逆帯電トナーT1には感光体ドラム1側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は帯電ローラ3aに付着することなく、その接触領域を通過することができる。
【0047】
このようにして帯電ローラ3aとの接触領域を通過した逆帯電トナーT1は、次に現像領域に搬送される。本実施形態では、感光体ドラム1の表面に付着した逆帯電トナーT1が現像領域に到達する前に、現像ローラ5aの回転をクラッチにより一時停止させる。これにより、現像装置5内のトナーが感光体ドラム1の表面に付着して無駄なトナー消費を抑えることができる。また、逆帯電トナーT1が現像領域に到達する前に、回収手段としての現像装置5の現像ローラ5aには、上述した現像バイアスと同じバイアスすなわち−300[V]のバイアスが印加される。これにより、逆帯電トナーT1が付着した感光体ドラム1の表面(−50[V])と現像ローラ5aとの間では、逆帯電トナーT1に現像ローラ5a側に向かう静電力が働くことになる。したがって、逆帯電トナーT1は現像ローラ5aに付着することになる。その後、次の画像形成時に現像ローラ5aの駆動が開始されると、現像ローラ5aに付着した逆帯電トナーT1は現像装置5の内部に搬送される。そして、現像装置5の内部で撹拌搬送され、正規の極性に帯電し直された後、再度現像に寄与することになる。
【0048】
以上のように、本実施形態では、逆帯電トナーT1をブラシローラ41によって一旦付着させた後、これを感光体ドラム1に放出して回収する。しかし、ブラシローラ41に付着したトナーの一部は、放出される前にブラシローラ41からこぼれ落ちてしまう。そして、こぼれ落ちたトナーT2は、ケーシング47内における鉛直方向下方部分に徐々に溜まっていく。そのため、このトナーT2が溜まるケーシング47内の鉛直方向下方部分に十分なスペースがないと、溜まったトナーT2がブラシローラ41に付着してしまう。この場合、ブラシローラ41による逆帯電トナーT1の保持能力が低下し、逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aに付着するのを抑制する効果が十分に得られないという不具合が生じるおそれがある。
【0049】
そこで、本実施形態では、図1に示すように、ケーシング47内における鉛直方向上方スペースを狭くする一方で、ケーシング47内における鉛直方向下方スペースを広くしている。図1に示すトナー保持装置40は、図10に示す構成のトナー保持装置540のケーシング547を鉛直方向下方に変位させたものである。本実施形態のトナー保持装置40では、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2が溜まるケーシング47内の鉛直方向下方部分に、図10に示すトナー保持装置540のトナー収容スペースA’よりも広いトナー収容スペースAを得ることができる。しかも、両者のケーシング47,547の寸法は同じままであるので、装置が大型化することもない。
【0050】
一方、本実施形態のトナー保持装置40は、図10に示すトナー保持装置540に比べてケーシング47内における鉛直方向上方部分のスペースBが狭くなる。しかし、このスペースBが狭くても特段の不具合が生じることがないことは、本発明者らの研究によって確認されている。
なお、上記トナー収容スペースAの大きさは、ブラシローラ41からこぼれ落ちるトナーT2の量や、本トナー保持装置40の交換頻度などによって適宜決定される。
【0051】
以上、本実施形態によれば、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーのうちの逆帯電トナーT1をブラシローラ41によって一時的に保持することで、その逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aに付着するのを防止することができる。これにより、帯電ローラ3aと感光体ドラム1の表面との間の帯電開始電圧が変化することはなく、画像濃度の低下、地肌汚れの発生、画像濃度ムラの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を現像装置5によって回収するので、逆帯電トナーT1をリサイクルすることができる。また、感光体ドラム1の表面上から回収したトナーを収容する廃トナータンクを個別に設ける必要もなくなり、装置の小型化を図ることができる。特に、本プリンタは、4つの感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置であるため、各感光体ドラムごとに個別に廃トナータンクを設ける場合に比べて大幅に装置の小型化を図ることができる。
更に、本実施形態によれば、ケーシング47の寸法を大きくすることなく、トナー保持装置40のケーシング47内部に十分に広いトナー収容スペースAを形成することができる。よって、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がブラシローラ41に接触しないようにこれを貯めておくことができる。したがって、ブラシローラ41による逆帯電トナーT1の保持能力を長期間にわたって維持することができる。その結果、装置を大型化させずに、逆帯電トナーT1が帯電ローラ3aに付着するのを抑制する効果を長期間にわたって維持することができる。
【0052】
なお、本実施形態に係るプリンタにおいて、転写紙が給紙中にジャムしたときなど画像形成動作が中断されたとき、感光体ドラム1の表面に大量に付着した不要トナーをクリーニングしなければならない。本実施形態では、感光体ドラム1の表面上のトナーをクリーニングするクリーニングブレードをもったクリーニング装置が存在しないため、このような大量の不要トナーを回収することは困難である。そこで、本実施形態では、その中断事由が解決した後、その感光体ドラム1の表面上に残った不要トナーを、通常の画像形成動作と同じように中間転写ベルト10上に転写する。そして、中間転写ベルト10上に転写された不要トナーをベルトクリーニング装置15によって回収する。ベルトクリーニング装置15は、上述のようにファーブラシ及びクリーニングブレードを備えた構成であるため、大量の不要トナーであっても回収することができる。一方、不要トナーを中間転写ベルト10上に転写した後に感光体ドラム1の表面に残留したトナーは、通常の画像形成動作時と同じように処理される。
【0053】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態におけるトナー保持装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図6は、本変形例1におけるトナー保持装置140を示す概略構成図である。ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング147内に溜まると、そのトナーT2は重力の作用を受ける。そのため、そのケーシング147の内部底面がケーシング147の開口部すなわち感光体ドラム1側に向かって鉛直方向下方に傾斜していると、ケーシング内に溜まったトナーT2がケーシング外部に流出するおそれがある。この場合、流出したトナーT2が本トナー保持装置140の鉛直方向下方に配置される部材や装置に付着して種々の悪影響を及ぼすことになる。また、流出したトナーT2が気流に乗って浮遊すると、本プリンタ内部に全域にトナーが飛散するおそれもある。特に、上記実施形態では、本トナー保持装置140の鉛直方向下方に帯電ローラ3aが配置されているため、流出したトナーT2が帯電ローラ3aに付着して帯電不良を引き起こすことになる。また、流出したトナーT2が感光体ドラム1に付着しても、同様に帯電ローラ3aに付着して帯電不良を引き起こすことになる。
【0054】
そこで、本変形例では、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2が溜まるケーシング147内部の底面が、開口部に向かって鉛直方向上方に傾斜するように構成されている。これにより、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング147の内部底面を伝ってケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。
【0055】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態におけるトナー保持装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図7は、本変形例2におけるトナー保持装置240を示す概略構成図である。本変形例2の構成も、上記変形例1と同様に、ケーシング内部に堆積するトナーT2が開口部から流出するのを防止するためのものである。本変形例2では、ケーシング247内の開口部端部に鉛直方向上方に向かって突出した凸部247aを設けている。このような凸部247aをケーシング247に設けることで、上記変形例1の場合と同様の効果を得ることができる。しかも、本変形例では、本トナー保持装置240の周囲に配置される装置との関係で上記変形例1のようにケーシング247内の底面全体を傾斜させることが困難な場合でも、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。
【0056】
また、図8に示すように、上記変形例1と上記変形例2の構成を併せ持ったトナー保持装置340を採用すれば、上記変形例1及び上記変形例2の場合に比べて、ケーシング内部に蓄えておくことができるトナーの量を多くすることができる。よって、本トナー保持装置140の交換頻度を少なくすることができる。
【0057】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態におけるトナー保持装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図9は、本変形例3におけるトナー保持装置440を示す概略構成図である。本変形例3も、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング447の外部に流出するのを防ぐ点では上記変形例1及び上記変形例2と同様である。しかし、本変形例3では、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2が溜まるケーシング47内の鉛直方向下方部分における開口部側に、遮蔽部材としてのシート部材448を取り付けている点で異なっている。このシート部材448は、ケーシング447の内部に溜まったトナーT2が外部に流出しないように、その端部がケーシング447の開口部の鉛直方向下側部分を遮るように配置されている。これにより、上記変形例1及び上記変形例2の場合と同様の効果を得ることができる。しかも、本変形例3では、ケーシング447内の底面が開口部に向かって鉛直方向下方に傾斜していても、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。よって、本トナー保持装置440の設置性を向上させることができる。
【0058】
以上、本実施形態のプリンタは、像担持体としての感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kを備えている。また、感光体ドラムに対し、鉛直方向に対して傾斜した方向に配置され、その感光体ドラムに表面を当接させながら回転駆動するローラ部材としてのブラシローラ41を備えている。そして、本プリンタは、ブラシローラ41を覆うように配置され、そのブラシローラ41と感光体ドラム表面との間に開口部を有するケーシング47,147,247,347,447を備えている。このケーシングは、ケーシング内部におけるブラシローラ41の鉛直方向下方スペースであるトナー収容スペースAがそのブラシローラ41の鉛直方向上方スペースBよりも広くなるように構成されている。これにより、同じケーシング寸法のまま、ブラシローラ41のトナー収容スペースAを広げることができる。よって、装置を大型化させずに、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がブラシローラ41に再付着することなく、長期間にわたってブラシローラ41による逆帯電トナーT1の保持能力を維持することができる。
また、本実施形態の変形例1では、トナー収容スペースAの鉛直方向下側に位置するケーシング内部の底面が、そのケーシングに設けられる開口部に向かって鉛直方向上方に傾斜している。これにより、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング147の内部底面を伝ってケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。その結果、ケーシング外部にトナーが流出することによる不具合を抑制することができる。
また、本実施形態の変形例2では、ケーシング247の開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分が、トナー収容スペースAの鉛直方向下側に位置するケーシング内部の底面よりも鉛直方向上側に位置している。これにより、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング247の内部底面を伝ってケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。その結果、ケーシング外部にトナーが流出することによる不具合を抑制することができる。
また、本実施形態の変形例3では、ケーシング447の開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分に、その開口部の鉛直方向下側部分を遮る遮蔽部材としてのシート部材448を取り付けている。これにより、ブラシローラ41からこぼれ落ちたトナーT2がケーシング247の内部底面を伝ってケーシング外部に流出するのを防ぐことができる。その結果、ケーシング外部にトナーが流出することによる不具合を抑制することができる。更に、本トナー保持装置440の設置性を向上させることもできる。
また、本実施形態では、感光体ドラム表面に形成されるトナー像を構成するトナーの平均円形度は0.93以上である。これにより、上記実施形態で説明したように、摩擦帯電による帯電量の差がトナー間で小さく、トナーの帯電分布が狭くなる。その結果、トナー全体に転写電界の作用が均一に働いて転写率が向上するため、転写残トナーの量を少なくすることができる。
また、本実施形態のプリンタでは、プリンタ本体に対して着脱可能であって、少なくとも感光体ドラム1とトナー保持装置40とが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有している。よって、プロセスカートリッジ30内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジ30を交換すればよく、利便性を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を現像装置5によって回収する構成について説明したが、他の回収方法を採用することもできる。例えば、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を中間転写ベルト10上に転移させた後、中間転写ベルト10をクリーニングするベルトクリーニング装置15によって回収する構成を採用することもできる。また、例えば、ブラシローラ41から放出した逆帯電トナーT1を中間転写ベルト10上に転移させた後、その逆帯電トナーT1を2次転写ローラ16上に転移させるようにしてもよい。この場合、2次転写ローラ16の表面をクリーニングするクリーニング手段を設け、これにより回収する。また、これらの構成と、現像装置5によって回収する本実施形態の構成とを併用してもよい。このように構成すれば、現像装置5によって回収しきれずに現像領域を通過した逆帯電トナーT1を1次転写ニップ部で中間転写ベルト10上に回収することができる。このように感光体ドラム1上の逆帯電トナーT1を2段階で回収する構成とすれば、感光体ドラム1上の逆帯電トナーの回収能力が高まり、より確実に回収することができる。また、このように逆帯電トナーの回収能力が高まれば、ブラシローラ41から一度に大量の逆帯電トナーT1を放出しても、これを十分に回収することができる。その結果、ブラシローラ41から逆帯電トナーT1を放出する頻度を少なくすることができるという効果が得られる。
また、本実施形態では、像担持体に表面を当接させながら回転駆動するローラ部材がブラシローラである場合について説明したが、表面が平滑なローラ部材であってもよい。
【0060】
【発明の効果】
請求項1乃至7の発明によれば、同じケーシング寸法のまま、ローラ部材の鉛直方向下方スペースを広げることができるので、装置を大型化させずに、ケーシング内部に堆積したトナーがローラ部材に再付着するのを抑制することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタのトナー保持装置周辺を示す概略構成図。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタの感光体ドラムの断面図。
【図4】同感光体ドラムの周りの構成を示す概略構成図。
【図5】(a)は、同感光体ドラム上に担持されたトナーの転写直前における帯電電位分布を示すグラフ。
(b)は、転写後に感光体ドラム上に残留した転写残トナーの帯電電位分布を示すグラフ。
【図6】変形例1におけるトナー保持装置を示す概略構成図。
【図7】変形例2におけるトナー保持装置を示す概略構成図。
【図8】同トナー保持装置の他の構成例を示す概略構成図。
【図9】変形例3におけるトナー保持装置を示す概略構成図。
【図10】比較用のトナー保持装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1Y,1C,1M,1K 各感光体ドラム
3 帯電装置
3a 帯電ローラ
4 露光装置
5 現像装置
10 中間転写ベルト
14Y,14C,14M,14K 1次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 2次転写ローラ
30 プロセスカートリッジ
31Y,31C,31M,31K トナーボトル
40,140,240,340,440,540 トナー保持装置
41 ブラシローラ
47,147,247,347,447,547 ケーシング
247a,347a 凸部
448 シート部材
Claims (7)
- 表面移動する像担持体と、
該像担持体に表面を当接させながら回転駆動するローラ部材と、
該像担持体上に形成されたトナー像が転写される無端移動部材とを備えた画像形成装置において、
上記無端移動部材は上記像担持体の鉛直方向上方に配置されており、
上記ローラ部材の外形に沿った内壁面を有し、該ローラ部材を覆うように配置され、該ローラ部材と上記像担持体表面との間に開口部を有するケーシングを設け、
該ローラ部材の表面が、該ローラ部材と該像担持体との当接部において該像担持体の表面移動方向とは逆方向であって鉛直方向下方から上方に向かって移動するように構成し、
該ローラ部材とその鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面との間隔が該ローラ部材とその鉛直方向上方に位置するケーシング内壁面との間隔よりも広くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記ローラ部材の鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面が、上記開口部に向かって鉛直方向上方に傾斜していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分が、上記ローラ部材の鉛直方向下方に位置するケーシング内壁面よりも鉛直方向上側に位置することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記開口部の鉛直方向下側部分を形成するケーシング部分に、該開口部の鉛直方向下側部分を遮る遮蔽部材を取り付けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記像担持体表面に形成されるトナー像を構成するトナーの平均円形度は、0.93以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
画像形成装置本体に対して着脱可能であって、少なくとも、上記像担持体と、上記ローラ部材と、上記ケーシングとが一体になって構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、
少なくとも、上記像担持体と、上記ローラ部材と、上記ケーシングとを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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