JP2005352431A - 画像形成装置、プロセスカートリッジおよびクリーニングレスシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 該現像ユニット20Mがトナー像を転写紙100に転写したあとに感光体ドラム11M上に残留した転写残トナーを回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、転写残トナー回収時には、感光体ドラム11Mから現像スリーブ方向へと転写残トナーが移動する方向に直流電圧を印加する構成とし、現像スリーブ22Mが感光体ドラム11Mと対向する位置で現像スリーブ22M表面における法線方向の磁力が100mT以上、200mT以下の磁界を発生する主極磁石29を用いる。
【選択図】 図2
Description
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、該像担持体表面が上記帯電手段に対向する位置より該像担持体表面移動方向上流側の該像担持体表面上に接触し、上記転写残トナーが該像担持体とともに表面移動方向下流側に移動しないように該転写残トナーを一時保持するトナー保持手段と、該トナー保持手段に保持されたトナーを所定のタイミングで開放し、再び像担持体表面とともに表面移動方向下流側へ移動できるようにするために該トナー保持手段のトナー保持とトナー開放とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記トナー保持手段が、上記像担持体に当接して該転写残トナーを機械的に一時保持するトナー保持部材であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記トナー保持部材は潜像形成時には上記像担持体に当接し、転写残トナー回収時には該像担持体と非接触の状態になることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記トナー保持手段が、磁界発生手段を内蔵し磁性粒子を磁気ブラシとして表面に担持する回転部材を備え、該磁気ブラシを上記潜像担持体表面に摺接させて、上記転写残トナーを該磁気ブラシで一時保持するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記帯電手段に対向する位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、潜像形成位置より該像担持体表面移動方向上流側の該像担持体表面上で、該像担持体に当接して該転写残トナーを一時保持するトナー保持手段と、該トナー保持手段に保持されたトナーを所定のタイミングでトナーを開放し、再び像担持体表面に戻すために該トナー保持手段のトナー保持とトナー開放とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記帯電手段の帯電部材は上記像担持体表面に接触または近接して設けた帯電ローラであり、上記転写手段による転写後に該像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、一様帯電極性とは逆極性に帯電した上記転写残トナーに該一様帯電極性と同極性の電荷を注入するための電荷注入部材を帯電部材上に備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、潜像形成位置より該像担持体表面移動方向上流側に、上記転写残トナーを一様帯電極性と同極性に帯電させる補助帯電部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記帯電手段は帯電ローラを上記像担持体表面に接触または近接して設けており、上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、該像担持体表面が上記帯電手段に対向する位置より該像担持体表面移動方向上流側に、該転写残トナーを一様帯電極性とは逆極性に帯電させる転写残トナー極性制御手段を有し、逆極性に帯電した該転写残トナーを該帯電ローラ上で一時保持することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記帯電ローラの表面に保持された上記転写残トナーに対して上記一様帯電極性と同じ極性の電荷を付与し、該転写残トナーを該一様帯電極性と同じ極性に揃える電荷注入手段を有し、該帯電ローラから上記像担持体表面へ戻された該転写残トナーが上記潜像形成手段による潜像形成を妨げないタイミングで、該電荷注入手段により該一様帯電極性と同じ極性に揃えた転写残トナーを該像担持体表面へ戻すように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、上記像担持体以外に、該現像剤担持体との間に電界を形成する電界形成手段を有し、トナーの帯電量をQ、該電界形成手段にかかる電圧をトナー回収時V1、現像時V2としたとき、該現像剤担持体の現像部材にかかる電圧Vbに対して、
Q<0の時、(V1−Vb)=<0 かつ(V2−Vb)=>0
Q>0の時、(V1−Vb)=>0 かつ(V2−Vb)=<0
の関係を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記電界形成手段を、上記現像剤担持体上のキャリアの穂高を規制する現像ドクタと、該現像剤担持体と上記像担持体との最近接位置である現像領域との間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記電界形成手段として、上記現像剤担持体上のキャリアの穂高を規制する現像ドクタに上記V1または上記V2の電圧を印加することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項12または請求項13の画像形成装置において、上記現像剤担持体と上記像担持体との最近接距離が0.2mm以上、0.5mm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項12または請求項13の画像形成装置において、上記現像剤担持体と上記現像ドクタとの最近接距離が0.2mm以上、0.5mm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15の画像形成装置において、現像領域での現像剤担持体内部の上記磁界発生手段である主極磁石の設置角度を現像時と上記転写残トナー回収時とで変更可能とし、現像時は該主極磁石の磁極が該像担持体と最近接位置となる設置角度であり、該転写残トナー回収時は該主極磁石の磁極が該最近接位置よりも該現像剤担持体表面移動方向上流側を向く設置角度であることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16の画像形成装置において、上記現像剤担持体と上記像担持体とは逆方向に回転し、対向する位置では同じ方向に表面移動するものであり、該現像剤担持体の表面移動速度をVs、該像担持体の表面移動速度をVpとし、Vs/Vpが2以上であることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の画像形成装置において、上記2成分現像剤中の磁性キャリアとして粒径が40μm以下の小粒径キャリアを使用していることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15,16、17または18の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、上記現像手段、上記帯電手段のうち少なくともひとつと上記現像手段とを一体に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、像担持体と、該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、一様帯電された該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体を備え、該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該像担持体上の該トナー像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置の、該転写材に転写した後に該像担持体上に残留した転写残トナーを回収するクリーニング手段を該現像手段が兼ねて該像担持体上の該転写残トナーを回収するクリーニングシステムにおいて、該転写残トナー回収時には、該像担持体から該現像剤担持体へ転該写残トナーが移動する方向に電界を形成するように、該像担持体と該現像剤担持体とに直流電圧を印加し、該現像剤担持体が該像担持体と対向する位置で該現像剤担持体表面上における法線方向の磁力が100mT以上、200mT以下の磁界を発生する該磁界発生手段を用いることを特徴とするものである。
さらに、現像剤担持体が像担持体と対向する位置で現像剤担持体表面における法線方向の磁力が100mT以上の磁界を発生させることで、磁気ブラシが硬くなり、磁気ブラシが像担持体に接触した時の摺擦力が向上するので、転写残トナーを像担持体表面から掻き取りやすくなる。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下「レーザプリンタ」という)に適用した実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係るレーザプリンタの概略構成図である。このレーザプリンタは、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(BK)の各色の画像を形成するための4組の作像手段1M、1C、1Y、1BK(以下、各符号の添字M、C、Y、BKは、それぞれマゼンダ、シアン、イエロー、ブラック用の部材であることを示す)がある。それぞれが転写材としての転写紙100(図2参照)の移動方向(図中の矢印A方向)における上流側から順に配置されている。この作像手段1M、1C、1Y、1BKはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11M、11C、11Y、11BKを有する感光体ユニットと、現像ユニットとを備えている。また、各作像手段1M、1C、1Y、1BKの配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム11M、11C、11Y、11BKの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
図2において、作像手段1Mは、前述したように、感光体ユニット10M及び現像ユニット20Mを備えている。感光体ユニット10Mは、感光体ドラム11Mのほか、感光体ドラム11M表面を一様帯電する帯電手段として非接触型の帯電ローラ15M等を備えている。また、感光体ドラム11M表面の転写後の領域には感光体ドラム11Mと当接する位置に転写残トナーを一時保持するトナー保持部材としてのブレード13Mが備えられている。このブレード13Mは画像形成時に感光体ドラム11M当接しており、転写残トナーが通過することを防ぎ、潜像形成時に転写残トナーが感光体ドラム11Mの潜像形成領域に付着した状態となるのを防止する。そして、転写残トナー回収時には、感光体ドラム11M表面から離間して、転写残トナーを表面移動方向下流側に通過させる。また、感光体ドラム11M表面の転写残トナーの逆帯電トナーを正規帯電させる補助帯電部材としての帯電ブラシ12Mも備えている。帯電ブラシ12Mには、バイアスを印加するための図示しない電源が接続されている。
残トナー回収時に、この逆帯電トナーは現像領域で現像装置に回収されることなく、現像領域を通過してしまう。そのため、回収前に転写残トナーを元の極性(負極)に戻す必要がある。
領域αの範囲内でも、図4の円形の下半分にブレードを設けた場合、トナーをためすぎるとブレードを開放する際に、トナーがこぼれ落ちる恐れがあるので、トナーをためすぎる前に開放するようにする。
また、帯電ローラ15Mの下流側にブレードを設けると、帯電時に感光体ドラム11M表面上に転写残トナーが存在し、感光体ドラム11M表面上にトナーの陰になる部分あり、帯電が一様になされない恐れがある。
図2で示すように、ブレード13Mを感光体ドラム11Mの移動方向に対して帯電ローラ15Mよりも上流側に設置することで、帯電されて現像されるまでの感光体ドラムの移動距離を最小にすることができる。さらに、感光体表面の電位の変化を少なくできる。
また、帯電時に感光体ドラム11表面上にトナーが存在しないため、帯電ローラ15Mで一様に帯電することができる。
ブレード13Mに保持された転写残トナーは、ブレード13Mから感光体ドラム11Mに戻された転写残トナーが潜像形成領域を通過するときに、潜像画像が形成されないようなタイミングでブレード13Mを離間させる。ブレード13Mを感光体ドラム11Mから離間することで、ブレード13Mにせき止められてきたトナーが感光体ドラム11Mの表面移動とともに移動可能となる。例えば、装置の立ち上げ時、画像形成動作終了時やある一定回数画像形成動作を行った後に転写残トナー回収時としてのクリーニングモードを設け、このクリーニングモード時にブレード13を感光体ドラム11Mから離間させる。また、画像形成工程と画像形成工程の間の紙間工程時にもクリーニングモードを設け、ブレード13Mを感光体ドラム11M表面から離間させ、転写残トナーを感光体ドラム11Mに戻すようにしてもよい。
現像スリーブ22Mには、現像時とは逆極性(正)のバイアスが印加される。現像領域に搬送された感光体ドラム11M上の転写残トナーは、帯電ブラシ12Mによってすべて負極性の帯電トナーとなっているので、正の現像バイアスが印加された現像スリーブ上のキャリアに静電的に付着する。キャリアに付着したトナーは、現像スリーブによって現像装置内に回収される。
現像スリーブ22M表面の法線方向の磁力を100mT以上と強くすることで、現像剤中の磁性キャリアによって構成される磁気ブラシが現像ローラにひきつけられる力が強くなり、磁気ブラシが密な状態になる。このとき磁気ブラシ中の空隙が少なくなることで、磁気ブラシの電気抵抗は低下し、現像領域中のトナーは現像スリーブと感光体間の現像電界でより忠実に移動しやすくなる。これは、現像時はもちろん転写残トナーの回収時も同様である。また、現像ローラの磁力が高くなることで磁気ブラシが硬くなることで、磁気ブラシが感光体に接触したときの感光体の摺擦力が向上する。これは感光体上の転写残トナーの回収に効果的である。
しかし、摺擦力が強くなりすぎると、現像時にトナー像をかきとってしまい、出力画像に穂跡画像と呼ばれるブラシで掃いたような細かい白抜けの異常画像が発生してしまう。このため、現像スリーブ22M表面の磁力を強くしすぎないようにすることが必要であり、法線方向の磁力を200mT以下にすれば、穂跡画像の発生を防止することが可能である。また、現像時及び転写残トナーの回収時に使用する現像バイアスとしては、交番電界ではトナーが感光体に再付着してしまうため、直流電界の方がよい。
[実験1]
以下、実験条件を示す。
・感光体表面移動速度:250[mm/sec]
・感光体直径:30[mm]
・スリーブ表面移動速度:500[mm/sec]
・現像ローラ直径:18[mm]
・キャリア粒径:35[μm]
・トナー粒径:6[μm]
・磁石磁力:70〜112[mT]
・現像バイアス:−300[V]
・現像ギャップ:0.3[mm]
・ドクタギャップ:0.3[mm]
・回収時、主極角度:中心から上流側6度(ドクタ側)
・現像時、主極角度:中心0度(現像スリーブと感光体の最近接方向)
入力トナー量はあらかじめ測定した量を感光体上にのせ、現像部で回収工程終了後に回収できなかった残トナーをサックイン法により測定した。
実験結果を表1及び図7に示す。
この結果、主極の磁力を強くすることで回収性が向上し、100mTと112mTでは、回収率に差が現れていないため、100mT以上となる磁石を用いることで優れた回収性が得られることがわかる。
次に、実験1の実験条件で磁石の磁力を高くしたときの穂跡画像(磁気ブラシによる細かい掃き目状の白抜け)の発生状況を評価した。実験2の結果を表2に示す。
実験1および2の結果より、現像スリーブ表面の法線方向の磁力が100mT以上、200mT以下となる主極磁石を用いることにより、優れた回収性が得られ、かつ、穂跡が発生しないことが確認された。
実験1では、現像スリーブ22Mと感光体ドラム11Mとの最近接距離である現像ギャップを0.3mmとしている。この現像ギャップが狭すぎると現像スリーブ22Mと感光体ドラム11との間で現像剤が詰まってしまい、摩擦熱により現像剤が固まってしまう。また、現像ギャップが広すぎると現像能力が低下し、画像濃度が薄い状態のボソボソの画像になってしまう。
そこで、実験1の実験条件で現像ギャップ幅を変えて検証した。現像ギャップを0.2mmより狭くすると現像剤固着が発生し、0.5mmより広くするとぼそぼそ画像が発生した。
また、実験1では、現像スリーブ22Mと現像ドクタ25Mとの最近接距離であるドクタギャップを0.3mmとしている。このドクタギャップが狭すぎると、現像剤が汲み上がらなくなり、画像濃度が薄くなってしまう。また、ドクタギャップが広すぎるとスリーブ軸方向で現像剤の汲み上げ量にムラが発生してしまい、画像上にも濃度ムラが発生してしまう。
そこで、実験1の実験条件でドクタギャップ幅を変えて検証した。現像ギャップを0.2mmより狭くすると汲み上げ不良が発生し、画像濃度が薄くなった。また、ドクタギャップが0.5mmを超えると濃度ムラが発生した。
この点について検討したところ、Gd≦Gp+0.3(mm)という関係を満たせば、固着が発生しないことが分かった。ここで、Gp、Gdが0.2mm以上、0.5mm以下を満たす場合は、どのような値でも、Gd≦Gp+0.3を満たすので、GdとGpとのバランスに起因する固着の発生は起こらない。
また、現像ギャップ幅(Gp)に対してドクタギャップ幅(Gd)が小さすぎると、ドクタ部を通過する現像剤が少ないので、現像ギャップでは現像剤が疎となり、現像効率がおちて画像が薄くなる恐れがある。
この点について検討したところ、Gd≧Gp−0.3(mm)という関係を満たせば、画像が薄くならないことが分かった。ここで、Gp、Gdが0.2mm以上、0.5mm以下を満たす場合は、どのような値でも、Gd≧Gp−0.3を満たすので、GdとGpとのバランスに起因して画像が薄くなることはない。
また、現像時はこの摺擦力は小さいほうが良いので、図9(a)のように、主極磁石29Mの設置角度は0°とすることが望ましい。
ところで、主極磁石29を下流側6°に傾けても、現像領域での感光ドラム11の接線方向の磁力は同じ強さとなる。しかし、磁気ブラシが感光体ドラム11Mと接触する際に、ブラシの穂が倒れた上体から起き上がりながら接触するので、直線的な状態から倒れながら接触する上流側に傾けた構成ほどの摺擦力は望むことができないと考える。
ここで、実験1の実験条件で主極磁石29Mの角度である主極角度を現像スリーブ22Mの表面移動方向上流側に0°から8°まで変えて、回収率の違いを検証した。この結果を表3及び図10に示す。
実験5では、回収に最適な主極角度は6°であるが、現像ギャップ幅や現像スリーブ22Mと感光体ドラム11との線速比等の条件によって、回収に最適な主極角度は異なる。しかし、転写残トナー回収時には、主極磁石29Mを上流側に傾けることにより、回収性の向上を図ることができるということができる。
また、帯電ブラシ12Mは、感光体ドラムの移動方向に対してブレード13Mより上流側に設けているが、この順序を逆にしてもよい。
補助帯電部材として帯電ブラシ12Mを設けているが、これに限るものでなく、トナー保持部材であるブレード13Mが補助帯電部材も兼ねる構成としても良い。ブレード13Mが補助帯電部材としての役割も兼ねることで、部材点数の削減を図ることができる。
また、実施形態1では、感光体ドラム11Mと現像スリーブ22Mが対向部において、同じ表面移動方向となるように回転駆動している。しかし、これに限るものではなく、感光体ドラム11Mと現像スリーブ22Mとが同じ向きに回転し、対向部において、表面移動方向が逆になるようにしてもよい。この場合、感光体ドラム11Mと現像スリーブ22Mとの線速比Vs/Vpが2より小さくなってもよい。しかし、感光体ドラム11Mと現像スリーブ22Mの表面移動方向が逆の場合、感光体ドラム11Mへのキャリア穂のあたりが値よくなり、表面移動方向が同じ場合よりも画質が悪くなる傾向がある。
また、現像領域での現像スリーブ22M表面の法線方向磁力が100mT以上となる強い磁石を用いることで磁性キャリアによって構成される磁気ブラシが現像スリーブにひきつけられる力が強くなり、磁気ブラシが密な状態になる。磁気ブラシが密になり、磁気ブラシ中の空隙が少なくなることで、磁気ブラシの電気抵抗は低下し、現像領域中のトナーは現像スリーブ22Mと感光体ドラム11Mとの間の現像電界でより忠実に移動しやすくなる。これは、現像時はもちろん転写残トナーの回収時も同様である。
さらに、現像スリーブ22M表面の磁力が高くなり、磁気ブラシが硬くなることで、磁気ブラシが感光体ドラム11Mに接触したときの摺擦力が向上する。これは感光体ドラム11M上の転写残トナーの回収に効果的である。
この摺擦力が強くなりすぎると、現像時にトナー像をかきとってしまい、出力画像に穂跡画像と呼ばれるブラシで掃いたような細かい白抜けの異常画像が発生してしまう。しかし、法線方向の磁力を200mT以下としているので、穂跡画像の発生を防止できる。
また、感光体ドラム11Mが転写部Ptから帯電ローラ15Mに帯電される位置に到達するまでの間に、トナー保持手段としてのブレード13Mを設け、現像時はブレード13Mが感光体ドラム11Mに当接している。これにより、現像時に転写残トナーが潜像形成領域や帯電領域に存在することを防止できる。これにより、潜像形成時の感光体ドラム11M上にトナーが付着することによって、感光体ドラム11M上に潜像が忠実に形成されなくなることを防止することができる。さらに、帯電時に感光体ドラム11表面上にトナーが存在しないため、帯電ローラ15Mで一様に帯電することができる。また、帯電されて現像されるまでの感光体ドラムの移動距離を最小にすることができ、感光体表面の電位の変化を少なくできる。
また、ブレード13Mは現像動作の紙間や潜像形成動作終了後には、感光体ドラム11Mに非接触の状態になる。これにより、一時保持した転写残トナーを感光体ドラム11M上に戻し、現像手段である現像ユニット20Mによって回収させることができる。
また、帯電量の極性がプラスになってしまっている逆帯電転写残トナーをマイナス帯電に戻す補助帯電部材としての帯電ブラシ12Mを設けている。これにより、正極性に反転した逆帯電トナーが混在する転写残トナーをマイナス帯電に統一することができる。転写残トナーをマイナス帯電に統一することにより、転写残トナー回収時の感光体ドラム11Mから現像スリーブ22Mへのトナーの移動をより効率的にできる。
また、感光体ドラム11Mと現像スリーブ22Mとの最近接距離である現像ギャップを0.2mm以上としている。これにより、現像ギャップが狭過ぎることによる、現像剤が現像ギャップに詰まり、摩擦により熱が発生し、現像剤が固着してしまうことを防止できる。さらに、現像ギャップを0.5mm以下とすることで、現像ギャップが広すぎることによる、現像能力が低下し、濃度が薄くなった状態のボソボソの画像が発生することを防止することができる。
また、現像スリーブ22Mと現像ドクタ25Mとの最近接距離であるドクタギャップを0.2mm以上としている。これにより、ドクタギャップが狭過ぎることによる、現像スリーブ22M上の現像剤が少なくなり、画像濃度が薄くなってしまうことを防止できる。さらに、ドクタギャップを0.5mm以下とすることで、ドクタギャップが広すぎることによる、軸方向の画像濃度ムラが発生することを防止できる。
また、現像領域で主極磁力を形成する主極磁石29Mが、転写残トナー回収時には現像時よりも6°上流側を向くようにしているので、回収時の最近接位置でのキャリア穂が回収に適した形状となり、回収率を高めることができる。
また、現像スリーブ22Mの表面移動速度Vsが感光体ドラム11Mの表面移動速度Vpに対して、線速比Vs/Vpを2とすることで、感光体ドラム11M表面に磁気ブラシが接触する回数が増加することができる。磁気ブラシが感光体ドラム11M表面に接触する回数が多いほど回収性が向上する。
また、2成分現像剤中の磁性キャリアとして、粒径35μmの小粒径キャリアを使用しているため、従来の50〜60μmのキャリアに比べ全体的な表面積が広くなるためトナーとの接触面積も向上する。転写残トナーに対しても同様に接触面積が向上するため転写残トナーの回収性が向上する。また、キャリアが小粒径化したことで、現像の磁気ブラシも細くなり、現像後の画像部のドット再現性も向上する。
また、帯電ローラや現像装置などの画像形成プロセス手段をプロセスカートリッジ化している。これにより、プロセスカートリッジ内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、利便性が向上する。
また、上述のようなクリーニングシステムを採用することにより、現像器トナー回収方式によるクリーニングで、転写残トナーの回収性の向上を図ることができる。
実施形態1における現像ドクタ25Mに、不図示の電源より転写残トナー回収時と現像時とでは異なる電圧が印加することで、回収性及び現像性を向上することができる。以下、現像時と転写残トナー回収時とでは異なる電圧を印加する電界形成手段の役割も現像ドクタ25Mが兼ねた構成の変形例1について説明する。
転写残トナー回収時と現像時との現像ドクタ25M周辺の拡大図を図11に示す。図11(a)は転写残トナー回収時のドクタ部の拡大図である。現像ドクタ25Mと現像スリーブ22Mとの間にトナー28TMが現像スリーブ22M側(図中矢印B方向)へ移動するような電界をかけることで、ドクタ通過時に現像剤28M中のトナー28TMは現像スリーブ側へ移動する。これにより、図11(a)に示すように、現像ドクタ25M通過後の磁気ブラシを形成するキャリア28CMのうち、磁気ブラシ先端側のキャリア28CMでのトナー28TMの被覆率が減少する。これにより、現像領域に磁気ブラシが到着したとき磁気ブラシの表面にはキャリアが露出しているため、転写残トナーを回収しやすくなる。
(V1−Vb)=<0 かつ(V2−Vb)=>0
(V1−Vb)=<0であるので、トナー回収時にはマイナスに帯電したトナーは現像スリーブ22M方向に移動する。また、(V2−Vb)=>0であるので、現像時には、マイナスに帯電したトナーは現像ドクタ25M方向に移動する。
ここでは、トナーの帯電量Qはマイナスであるが、トナーの帯電量がプラスの場合は
(V1−Vb)=>0 かつ(V2−Vb)=<0
という式を、現像ドクタ25Mの電圧が満たすようにする。
上述のように、ドクタ25Mと現像スリーブ22Mとの間にトナー28TMを移動させる電界をもたせることで、回収性の優れたクリーニングレスシステムと、潜像に忠実な現像を行うことができる高画質システムを提供できる。
次に、現像ドクタ25Mに印加する電圧の大きさを変えたときの転写残トナーの回収性を実験で確認した。実験条件は、実験1と同条件で、トナーは−側に帯電し、現像ローラの磁石には100mTのものを使用した。その結果を表4及び図12に示す。
また表4及び図12より、印加電圧が−400Vと−500Vとでは、回収率に差が出ていないことがわかる。これは、現像ドクタ25Mに−400Vの電圧を印加することで、磁性ブラシ上のトナーは十分に現像スリーブ22M側に移動したためである。そして、現像ドクタ25Mに−400Vより負極側に大きな電圧を印加しても、−400Vの電圧を印加した時よりも転写残トナーの回収率の向上を図ることはできない。よって、トナー回収時には−400Vの電位を印加し、現像時には−200Vの電位を印加する条件を採用した。
そして、実験6では現像ドクタ25Mに−400Vより大きな電圧を印加しても、回収率の向上がっていないことが分かる。このことから、−400Vの電圧を印加することで、上述の曲がったり、回転したりする範囲のキャリアでのトナー被覆率が十分に低い状態となると考えられる。
(V1−Vb)=<0
を満たすようにV1を設定することにより、マイナス帯電したトナーを現像スリーブ22側に移動させることができる。これにより、磁気ブラシの先端側でのトナーの被覆率を下げることができ、感光体ドラム11Mと接触する磁器ブラシの先端側での転写残トナーの回収性が高まる。
さらに、現像ドクタ25Mに係る現像時の電圧をV2とした時に、
(V2−Vb)=>0
を満たすようV2を設定することにより、マイナス帯電したトナーを磁気ブラシの先端側へ移動させることができる。これにより、磁気ブラシの先端側でのトナーの被覆率を上げることができ、潜像に忠実な現像ができるようになるので、高画質化を図ることができる。
また、現像ドクタ25Mが電界発生手段も兼ねているので、新たに電界発生部材を設ける必要がなく、部材数の削減、装置の小型化につながる。
実施形態1では、現像時は転写残トナーをせき止めて、紙間や現像動作終了時にせき止めていたトナーを開放して、現像装置で回収するものであるが、現像器トナー回収方式としては、これに限るものではない。例えば、2回転1現像方式の画像形成装置に実施形態1のクリーニング方式を用いても良い。2回転1現像方式は、感光体の一回転目では現像装置は現像動作を行い、2回転目では現像装置は転写残トナー回収動作を行うものである。
このような、2回転1現像方式の画像形成装置においても、回収時にはトナーが感光体から現像スリーブ側に移動する方向に電界が生じるように直流電圧を印加することで、一度回収したトナーが感光体に戻ることを防止できる。また、現像領域で磁力が100mT以上、200mTとなる磁界を発生する主極磁石を用いることで、回収性の向上を図ることができる。
実施形態1では、転写後に感光体ドラム11M上に残った転写残トナーを一時保持するトナー保持部材としてブレード形状の物について述べたが、トナー保持部材はブレード状のものに限るものではない。以下、実施形態2として、トナー保持手段をブレード形状とする代わりに、磁気ブラシとした構成について説明する。なお、実施形態1と共通する点については説明を省略する。
また、装置の立ち上げ時、画像形成動作終了時やある一定回数画像形成動作を行った後にクリーニングモードを設け、このクリーニングモード時に切替スイッチ45を第2電源部44に切り替えてもよい。このクリーニングモード時では、画像が形成されていないので、磁気ブラシから放出された転写残トナーが未露光部を形成することはない。
磁気ブラシから放出された転写残トナーは実施形態1と同様に、現像領域で現像スリーブ22M上に形成された磁性ブラシにより回収がなされる。
また、磁気ブラシローラ41で転写残トナーを一時保持しているので、磁気ブラシとの摩擦により転写残トナーが摩擦帯電され、転写残トナーの負帯電量を増加させたり、逆帯電トナーを正規帯電トナーに転極させたりすることができる。
また、保持ニップでは回転スリーブ41aの表面移動方向が感光体ドラム11Mの表面移動方向とは逆方向になるように回転している。これにより、感光体ドラム11Mの表面が保持ニップを通過する間に多数の磁気ブラシの先端が接触することとなる。さらに、磁気ブラシローラ41が感光体ドラム11Mの表面に対して連れ回る構成や、感光体ドラム11Mの表面に対して同方向に駆動する構成に比べて、感光体1の表面に付着したトナーの添加剤を掻き取る作用が強い。その結果、フィルミング現象の発生を防止することができる。
実施形態1では、転写後に感光体ドラム11M上に残った転写残トナーを一時保持するトナー保持部材を帯電ローラ15Mの上流側に設けていたが、トナー保持部材の設置位置は帯電ローラ15Mの上流側に限るものではない。以下、実施形態3として、トナー保持手段を帯電ローラと潜像形成位置との間に設けた構成について、説明する。なお、実施形態1と共通する点については説明を省略する。
帯電位置より上流側にトナー保持手段がないため、正極性に反転した逆帯電トナーが混在した転写残トナーは、感光体表面に付着したまま帯電ローラ15Mとの対向位置まで搬送される。帯電ローラ15Mは負極性に帯電しているため、転写残トナーのうち正極性に反転したトナーが帯電ローラ15Mに静電吸着する。一方、負極性のトナーは帯電バイアスと同極性であるため帯電ローラ15Mに付着せずに通過してトナー保持手段としてのトナー保持装置80に保持される。
このトナー保持装置80は感光体ドラム11Mと接触する弾性ブレード81を備えている。弾性ブレード81は支持板83の一端に取り付けられている。支持板83の他端にはバネ84とソレノイド82とを取り付けている。バネ84は支持板83を図中左側に付勢している。また、支持板83の中央部付近には、支持部83aが設けられており、プロセスカートリッジに揺動自在に取り付けられている。
現像時にはソレノイド82が動作し、バネ84の付勢力に抗って支持板83を図中右側に付勢する。すると、支持板83は支持部83aを中心にして図中時計回りに回転して、弾性ブレード81がある程度の圧力をもって感光体ドラム11Mに当接するようになる。光書込ユニット2によって感光体ドラム11M表面に潜像が形成されているときはソレノイド82が動作しているので、弾性ブレード81が感光体ドラム11Mと接触している。これにより、転写残トナーは弾性ブレード81に完全に堰き止められる。
このように、光書込ユニット2によって感光体ドラム11M表面に潜像が形成されているときは弾性ブレード81を感光体ドラム11Mに当接させ、非潜像形成時には弾性ブレード81を感光体ドラム11M表面から離間させる。これにより、光書込ユニット2によって感光体ドラム11M表面に潜像が形成されているときに潜像形成領域を通過する感光体ドラム11M表面には転写残トナーが付着することがない。その結果、転写残トナーが陰となり未露光部を形成することがなくなり、ベタ画像部に白ポチなどの異常画像をなくすことができる。
これにより、現像領域に搬送される転写残トナーはすべて負極性に帯電されている。
また、帯電ローラ15Mに逆帯電トナーを付着させて逆帯電トナー一時保持手段として機能している。そして、この逆帯電トナー一時保持手段としての帯電ローラ15Mに電荷注入手段としての電荷注入板54を設けている。帯電ローラ15Mに一時保持されている逆帯電トナーは電荷注入板54によって電荷が注入され、正規帯電トナーとされる。このように、逆帯電トナーを一時保持して、この一時保持されたトナーに電荷を注入することで確実に正規帯電トナーとすることができる。よって、現像領域に搬送されるトナーは、すべて正規帯電トナーとすることができ、確実に現像装置に回収することができる。
また、帯電ローラ15M上に電荷注入板を設けているので、帯電ローラ15Mに付着する転写残トナーを除去することができ、逆帯電トナーが帯電ローラ15Mに付着して帯電能力が低下することが抑制される。また、従来の帯電ローラ15Mに付着したトナーをクリーニングするクリーニング装置のように、帯電ローラから回収した転写残トナーを収容する廃トナータンク等を設ける必要がない。このため、装置の小型化に大きく貢献することができる。
さらに、電荷注入手段としての電荷注入板54よりも感光体の移動方向に対して下流側にトナー保持手段としての弾性ブレード81を設けている。これにより、弾性ブレード81に保持される転写残トナーは、全て正規帯電トナーとなる。正規帯電トナーは、逆帯電トナーに比べて感光体への付着力が弱いので弾性ブレード81を感光体に強く押し圧しなくても転写残トナーを確実に保持することができる。これにより、感光体および弾性ブレード81へのストレスが軽減され、弾性ブレード81および感光体の耐久性が向上する。また、弾性ブレード81の設定条件を容易に設定することができる。
実施形態1、2及び3では、転写後に感光体ドラム11M上に残った転写残トナーを一時保持するトナー保持手段を感光体ドラム11M表面上に設けていたが、帯電ローラ15Mがトナー保持手段としての役割を兼ねていても良い。以下、実施形態4として、帯電ローラ15M表面上でトナーを保持する構成について説明する。なお、実施形態1と共通する点については説明を省略する。
図15は、トナー極性制御装置70を示す概略構成図である。トナー極性制御装置70と対向する感光体ドラム11Mの外径は30mmの有機感光体からなる。この装置は、感光体ドラム11Mの表面と接触しながら表面移動する接触部材としての極性制御ローラ71を備えている。この極性制御ローラ71は、そのローラ抵抗値が比較的低くなるように形成されたものである。このようにローラ抵抗値が低ければ、接触した正規帯電トナーの帯電電荷を安定して逆極性に変えることができる。その結果、後述するように、帯電ローラ15Mによる転写残トナーの保持能力が高まり、転写残トナーが帯電領域をすり抜けの頻度を少なくできる。また、極性制御ローラ71のローラ硬度を低くすることで、転写残トナーと極性制御ローラ71との接触面積が大きくなる。その結果、後述する正規帯電トナーの極性反転を安定して実行することができるようになる。本実施形態の極性制御ローラ71は、ローラ抵抗値が108[Ω・cm]以下で、ローラ硬度がアスカーC硬度で25度以上70度以下であるものを用いることができる。また、このようなローラ硬度をもった極性制御ローラ71を用いる場合、0.1[g/mm2]以上30[g/mm2]以下の範囲内で適宜押圧力を調整し、極性制御ローラ71を感光体ドラム11Mの表面に押圧させるのが望ましい。この場合、ローラ硬度がアスカーC硬度で30度以下であるときは、0.1[g/mm2]以上3[g/mm2]以下という小さい押圧力で、感光体ドラム11M上の転写残トナーと極性制御ローラ71の表面とを確実に接触させることができる。さらに、正規帯電トナーの極性反転を安定して実行することができる。しかも、押圧力が小さいことから、感光体ドラム11Mの表面の摩耗を抑制できる。また、ローラ硬度がアスカーC硬度で30度よりも大きく60度未満であるときでも、1.0[g/mm2]以上、10[g/mm2]以下の押圧力で押圧している。これにより、感光体ドラム11M上の転写残トナーと極性制御ローラ71の表面とを確実かつ十分に接触させることができ、正規帯電トナーの極性反転を安定して実行することができる。また、ローラ硬度がアスカーC硬度で60度以上70度以下であるときでも、5[g/mm2]以上30[g/mm2]以下の押圧力で押圧している。これにより、感光体ドラム1上の転写残トナーと極性制御ローラ71の表面とを確実かつ十分に接触させることができ、正規帯電トナーの極性反転を安定して実行することができる。なお、転写残トナーが極性制御ローラ71の表面に付着するのを抑制すべく、そのローラ表面にトナーとの離型性の優れた材料を塗布するのが望ましい。
以上の結果、すべての転写残トナーの極性は、ローラ接触領域において正極性に揃えられ、感光体ドラム11Mの表面に付着したままローラ接触領域を通過する。
図16(a)は、帯電ローラ15Mによる転写残トナーの一時保持工程を模式的に表した図である。また、図16(b)は、帯電ローラ15Mによる転写残トナーの放出工程を模式的に表した図である。
極性制御ローラ71で極性反転された転写残トナーT2を帯電領域で帯電ローラ15Mによって一時的に保持し、この保持された転写残トナーT3を所定の放出タイミングで感光体ドラム11Mの表面に放出する。本実施形態では、本プリンタが画像形成を行わないとき、詳しくは一の画像形成を終えてから次の画像形成を行うまでの間に、転写残トナーT3の極性を正規極性すなわち負極性に戻して放出する。具体的には、一の画像形成工程において極性が揃えられた転写残トナーT2を帯電領域で一時的に帯電ローラ3aで保持する。その後、次の画像形成工程で帯電ローラ15Mにより帯電が行われる感光体ドラム1の表面部分が帯電領域に達するまでに、転写残トナーT3を放出する。このようなタイミングで転写残トナーT3を放出することで、後述するように次の画像形成工程が悪影響を与えることなく転写残トナーT3を回収することが可能となる。なお、連続して画像形成を行う場合には、その連続中の最後の画像形成を終えた後に、その間に保持した転写残トナーT3を放出するようにしてもよい。この場合、後述する転写残トナーT3の回収工程の実行によって、連続画像形成を終えるまでの時間が長くなるのを防ぐことができる。
帯電ローラ15Mの表面から放出された転写残トナーは実施形態1と同様に、現像領域で現像スリーブ22M上に形成された磁性ブラシにより回収がなされる。
なお、本発明者らによる実験において、放出工程時に上記当接部をすり抜けるトナーの量は、一時保持工程時よりも多くなるという現象が確認された。この現象は、帯電領域に対向する帯電ローラ15Mの表面部分に存在するトナー量を少なくする効果を奏し、また、感光体ドラム11Mへの放出工程にかかる時間を短縮できる効果を奏するので、望ましい現象である。なお、この現象が発生する原因については未だ判明していないが、帯電ローラ15Mとバイアス印加ブレード76との間に生じた電位差の影響によるものと考えられる。
また、帯電ローラ15Mの表面に保持された転写残トナーT3に対して正規極性(負極性)と同じ極性の電荷を付与し、転写残トナーを負極性に揃える電荷注入手段としてのバイアス印加ブレード76を設けている。さらに、帯電ローラ15Mから感光体ドラム11M表面へ戻された転写残トナーが書込みユニット2による潜像形成を妨げないタイミングで、バイアス印加ブレード76により正規極性(負極性)と同じ極性に揃えた転写残トナーT4を感光体ドラム11M表面へ戻すように構成している。これにより、上記トナー極性制御装置70により正規極性とは逆極性(正極性)になった転写残トナーT3を正規極性に帯電し直してから、感光体ドラム11Mへ放出することができる。このように転写残トナーT3を正規極性に戻してから感光体ドラムへ放出することによって、そのトナーT4を再び現像に寄与させても、適切な現像を行うことができる。また、感光体ドラム上に放出された転写残トナーT4の極性が正規極性に揃っていることで、その転写残トナーT4を感光体ドラム11Mから回収する際に静電力によってトナーを適切に回収することができる。
また、極性制御ローラ71が感光体ドラム11M表面との接触部分で感光体ドラム11Mが表面移動する向きと同じ向きに表面移動するように駆動されている.そして、極性制御ローラ71に対して正規極性とは逆極性(正極性)のバイアスを印加するバイアス印加手段としての第2電源74が設置されている。このように極性制御ローラ71を駆動させることで、カウンター方向に回転駆動させる場合に比べて、感光体ドラム11Mの表面に付着した転写残トナーT0、T1に対する極性制御ローラ71の密着性を容易に高めることができる。よって、転写残トナーのうちの正規帯電トナーT0に対する電荷注入効率を高め、すべての転写残トナーの極性を正規極性とは逆極性(正極性)に安定して揃えることができる。その結果、帯電ローラ15Mに対して転写残トナーT2を確実に付着させることができる。
また、トナー極性制御装置70は、感光体ドラム11M表面と接触しながら表面移動する接触部材である極性制御ローラ71を備えている。さらに、この極性制御ローラ71に対して正規極性(負極性)のクリーニング用バイアスと正規極性とは逆極性(正極性)の電荷注入バイアスとを選択的に印加するバイアス印加手段を備えている。このバイアス印加手段は、第1電源73、第2電源74及び切替スイッチ75から構成されている。これにより、電荷注入バイアス印加時には、転写残トナーの極性を正極性に揃えて帯電ローラ15Mに付着させることができる。一方、クリーニング用バイアス印加時には、上述したように、ジャムしたときのように感光体ドラム1の表面に大量の不要トナーが存在する場合のクリーニング効率を高めることができる。また、帯電特性の悪いトナーが負極性となった状態で極性制御ローラ71の表面に付着した場合、クリーニング用バイアスを印加することで、そのトナーを感光体ドラム11Mへ放出することもできる。
2 光書込ユニット
3 給紙カセット
4 給紙カセット
5 レジストローラ
6 転写ユニット
7 定着ユニット
8 排紙トレイ
9 反転ユニット
10M、10C、10Y、10BK 感光体ユニット
10M、11C、11Y、11BK 感光体ドラム
12M 帯電ブラシ
13M ブレード
15M 帯電ローラ
20M 現像ユニット
21M 現像ケース
22M 現像スリーブ
25 現像ドクタ
26 透磁率センサ
27 現像剤カートリッジ
28 現像剤
29 主極磁石
40 トナー保持装置
41 磁気ブラシローラ
41a 回転スリーブ
41b マグネットローラ
42 ブレード
43 第1電源
44 第2電源
45 切替スイッチ
46 ケーシング
47 キャリア
54 電荷注入版
60 転写ベルト
70 トナー極性制御装置
71 極性制御ローラ
72 駆動装置
73 第1電源
74 第2電源
75 切替スイッチ
76 バイアス印加ブレード
77 帯電バイアス電源
78 切替スイッチ
80 トナー保持装置
81 弾性ブレード
100 転写紙
Claims (20)
- 像担持体と、
該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、
一様帯電された該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体を備え、該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、
該像担持体上の該トナー像を転写材に転写する転写手段とを有し、
トナー像を該転写体に転写したあとに該像担持体上に残留した転写残トナーを回収するクリーニング手段を該現像手段が兼ねる画像形成装置において、
該転写残トナー回収時には、該像担持体から該現像剤担持体へ該転写残トナーが移動する方向に電界を形成するように、該像担持体と該現像剤担持体とに直流電圧を印加し、
該磁界発生手段は、該現像剤担持体が該像担持体と対向する位置で該現像剤担持体表面における法線方向の磁力が100mT以上、200mT以下の磁界を発生するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、該像担持体表面が上記帯電手段に対向する位置より該像担持体表面移動方向上流側の該像担持体表面上に接触し、上記転写残トナーが該像担持体とともに表面移動方向下流側に移動しないように該転写残トナーを一時保持するトナー保持手段と、
該トナー保持手段に保持されたトナーを所定のタイミングで開放し、再び像担持体表面とともに表面移動方向下流側へ移動できるようにするために該トナー保持手段のトナー保持とトナー開放とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記トナー保持手段が、上記像担持体に当接して該転写残トナーを機械的に一時保持するトナー保持部材であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
上記トナー保持部材は潜像形成時には上記像担持体に当接し、転写残トナー回収時には該像担持体と非接触の状態になることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記トナー保持手段が、磁界発生手段を内蔵し磁性粒子を磁気ブラシとして表面に担持する回転部材を備え、該磁気ブラシを上記潜像担持体表面に摺接させて、上記転写残トナーを該磁気ブラシで一時保持するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記帯電手段に対向する位置より上記像担持体表面移動方向下流側、
かつ、潜像形成位置より該像担持体表面移動方向上流側の該像担持体表面上で、
該像担持体に当接して該転写残トナーを一時保持するトナー保持手段と、
該トナー保持手段に保持されたトナーを所定のタイミングでトナーを開放し、再び像担持体表面に戻すために該トナー保持手段のトナー保持とトナー開放とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記帯電手段の帯電部材は上記像担持体表面に接触または近接して設けた帯電ローラであり、
上記転写手段による転写後に該像担持体表面に残留した転写残トナーのうち、
一様帯電極性とは逆極性に帯電した上記転写残トナーに該一様帯電極性と同極性の電荷を注入するための電荷注入部材を帯電部材上に備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、潜像形成位置より該像担持体表面移動方向上流側に、上記転写残トナーを一様帯電極性と同極性に帯電させる補助帯電部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記帯電手段は帯電ローラを上記像担持体表面に接触または近接して設けており、
上記転写手段による転写がなされる転写位置より上記像担持体表面移動方向下流側、かつ、該像担持体表面が上記帯電手段に対向する位置より該像担持体表面移動方向上流側に、該転写残トナーを一様帯電極性とは逆極性に帯電させる転写残トナー極性制御手段を有し、
逆極性に帯電した該転写残トナーを該帯電ローラ上で一時保持することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9の画像形成装置において、
上記帯電ローラの表面に保持された上記転写残トナーに対して上記一様帯電極性と同じ極性の電荷を付与し、該転写残トナーを該一様帯電極性と同じ極性に揃える電荷注入手段を有し、
該帯電ローラから上記像担持体表面へ戻された該転写残トナーが上記潜像形成手段による潜像形成を妨げないタイミングで、
該電荷注入手段により該一様帯電極性と同じ極性に揃えた転写残トナーを該像担持体表面へ戻すように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、
上記像担持体以外に、該現像剤担持体との間に電界を形成する電界形成手段を有し、トナーの帯電量をQ、該電界形成手段にかかる電圧をトナー回収時V1、現像時V2としたとき、該現像剤担持体の現像部材にかかる電圧Vbに対して、
Q<0の時、(V1−Vb)=<0 かつ(V2−Vb)=>0
Q>0の時、(V1−Vb)=>0 かつ(V2−Vb)=<0
の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記電界形成手段を、上記現像剤担持体上のキャリアの穂高を規制する現像ドクタと、該現像剤担持体と上記像担持体との最近接位置である現像領域との間に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記電界形成手段として、上記現像剤担持体上のキャリアの穂高を規制する現像ドクタに上記V1または上記V2の電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12または請求項13の画像形成装置において、
上記現像剤担持体と上記像担持体との最近接距離が0.2mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12または請求項13の画像形成装置において、
上記現像剤担持体と上記現像ドクタとの最近接距離が0.2mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15の画像形成装置において、
現像領域での現像剤担持体内部の上記磁界発生手段である主極磁石の設置角度を現像時と上記転写残トナー回収時とで変更可能とし、
現像時は該主極磁石の磁極が該像担持体と最近接位置となる設置角度であり、
該転写残トナー回収時は該主極磁石の磁極が該最近接位置よりも該現像剤担持体表面移動方向上流側を向く設置角度であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16の画像形成装置において、
上記現像剤担持体と上記像担持体とは逆方向に回転し、対向する位置では同じ方向に表面移動するものであり、
該現像剤担持体の表面移動速度をVs、該像担持体の表面移動速度をVpとし、Vs/Vpが2以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の画像形成装置において、
上記2成分現像剤中の磁性キャリアとして粒径が40μm以下の小粒径キャリアを使用していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15,16、17または18の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジであって、
上記現像手段、上記帯電手段のうち少なくともひとつと、上記像担持体とを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体と、該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、一様帯電された該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体を備え、該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該像担持体上の該トナー像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置の、
該転写材に転写した後に該像担持体上に残留した転写残トナーを回収するクリーニング手段を該現像手段が兼ねて該像担持体上の該転写残トナーを回収するクリーニングシステムにおいて、
該転写残トナー回収時には、該像担持体から該現像剤担持体へ転該写残トナーが移動する方向に電界を形成するように、該像担持体と該現像剤担持体とに直流電圧を印加し、
該現像剤担持体が該像担持体と対向する位置で該現像剤担持体表面上における法線方向の磁力が100mT以上、200mT以下の磁界を発生する該磁界発生手段を用いることを特徴とするクリーニングシステム。
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