JP2014153382A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト31上の下側走行辺に沿って、中間転写ベルト31の移動方向上流側からカラー用の作像ユニット21Y,M,Cを配置し、最下流側にブラック用の作像ユニット21Kを配置した。そして、ブラック用の作像ユニット21Kにのみ感光体ドラム1Kに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Kを設けた。そして、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cに、トナー像を担持した感光体ドラム1Y,M,Cを、それぞれ、1次転写前に露光する転写前露光手段であるPTL15Y,M,Cを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置、及びこれらの画像形成装置に用いるプロセスカートリッジに関するものである。
近年、ビジネス文書のカラー化にともない電子写真方式の画像形成装置(以下、単に画像形成装置という)においても、カラー対応の画像形成装置の利用が増している。また、カラー対応の画像形成装置においては、複数色にそれぞれ対応した作像ユニットを、記録媒体や中間転写体(以下、被転写体という)の搬送方向(移動方向)に並列して配置した、所謂、タンデム方式の画像形成装置が普及している。
例えば、特許文献1には、次のような中間転写方式の画像形成装置が記載されている。中間転写体の移動方向最下流に設けたブラック用の作像ユニットにのみ、潜像担持体上に形成したトナー像を被転写体に転写する前にトナー像を担持した潜像担持体を露光する転写前露光手段を設けている。ここで、転写前露光手段とは、トナー像を担持した潜像担持体を露光してトナー像以外の潜像担持体上の電位を下げることで、トナー像を被転写剤に転写する際の転写電流を効率良くトナー像に作用させ、低い転写電流でも安定した転写効率を得る手段のことである。
このように転写前露光手段を用いてブラック用の転写電流を低くして、先に被転写体上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナーがブラック用の潜像担持体に逆転写するのを抑制している。
一般的なオフィス環境では、モノクロでの画像形成が、カラーの画像形成に比べ圧倒的に多く、ブラック用の作像ユニットの寿命を、カラー用の作像ユニットの寿命よりも長くする構成が従来から望まれている。特に、潜像担持体の寿命が作像ユニットの寿命を決定することが多いため、ブラック用の潜像担持体の寿命を、カラー用の潜像担持体の寿命よりも長くすることが望まれている。
しかし、特許文献1のように作像ユニットに転写前露光手段を設けた構成では、トナー像が付着していない地肌部に対して、露光する露光光が照射された場合に、潜像担持体に光疲労を生じる原因となり、潜像担持体の寿命を短くすることがある。
潜像担持体の寿命を長くするための構成としては、潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設け、潜像担持体を帯電手段の帯電ハザードやクリーニングブレードの擦動に起因した摩耗から保護する構成が従来から知られている。
特許文献1の構成で、ブラック用の作像ユニットの寿命を長くするためブラック用の作像ユニットにのみ、潤滑剤塗布手段を設ける構成が考えられるが、潤滑剤の抵抗が作用する分だけ転写電流を上げさるを得ず、逆転写が生じやすくなる。
このため、特許文献1に記載の構成では、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化することと、トナー像の逆転写による異常画像の発生の抑制とを両立することが困難になるおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のような画像形成装置を提供することである。タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像手段とを有した複数の作像ユニットと、各作像ユニットの前記潜像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に、それぞれ転写する転写手段と、を備えたタンデム方式の画像形成装置において、ブラックに対応するブラック用の作像ユニットには、該ブラック用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有しており、カラーに対応するカラー用の作像ユニットには、各カラー用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有さず、且つ、カラー用の作像ユニットの内、少なくともいずれか一の作像ユニットには、潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する前に、潜像担持体を露光する転写前露光手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明は、利用頻度が高く、長寿命が求められるブラック用の作像ユニットにのみ、潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けているので、カラー用の作像ユニットよりも、ブラック用の作像ユニットを長寿命化できる。
また、一般に、先に被転写体に転写されたトナーの、被転写体の移動方向最下流側の作像ユニットへの逆転写が目立ち難いように、ブラック用の作像ユニットを最下流側に配置し、カラー用の各作像ユニットを上流側に配置することが多い。そして、ブラック用の作像ユニットよりも上流側に配置されることが多いカラー用の各作像ユニットに潤滑剤塗布手段を設けず、微帯電トナーや逆帯電トナーが生じ易い転写ニップ部を形成する作像ユニットに転写前露光手段を設けることができる。このように転写前露光手段を設けることで、微帯電トナーや逆帯電トナーが生じ易い転写ニップ部での転写効率を落とすことなく、この転写ニップ部を形成する転写手段に印加する転写電流を低くできる。このように転写電流を低くすることで、各カラー用の作像ユニットから、被転写体上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナー自体を減らすことができる。
したがって、ブラック用の作像ユニットよりも先に各カラー用の作像ユニットから被転写体上に転写されたトナーの、ブラック用の潜像担持体への逆転写による異常画像の発生を抑制できる。
本発明は、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供できる。
実施形態1に係る複合機の全体概要図。 ブラック用の作像ユニットの説明図。 カラー用の作像ユニットの説明図。 PTL有りと無しの条件での1次転写電流と1次転写効率との関係の例を示したグラフ。 感光体ドラムの走行処理に対するPTLの設定値の例を示したグラフ。 実施形態2に係る複合機の全体概要図。
〔実施形態1〕
以下、本発明を適用した画像形成装置として、フルカラーの画像形成が可能なタンデム型(タンデム方式)の電子写真方式の複合機(以下、複合機300という。)の一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について、図を用いて説明する。
図1は、本実施形態1に係る複合機300の全体概要図、図2は、ブラック用の作像ユニット21Kの説明図、図3は、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cの説明図である。また、図4は、PTL有りと無しの条件での1次転写電流と1次転写効率との関係の例を示したグラフ、図5は、感光体ドラム1Y,M,Cの走行処理に対するPTLの設定値の例を示したグラフである。
また、以下の説明ではイエロー(Y)、マセンダ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各色のトナーに対応する同一の装置や構成部材の内、特定の色に対応したものを示す必要がある場合、適宜、それぞれ符号にY,M,C,Kのいずれかを付して説明する。一方、複数の色に対応した複数の装置や構成部材を示す必要がある場合、適宜、符号にY,M,C,Kを省略して説明する。
まず、本実施形態1の複合機300の基本的な構成、及び動作について説明する。
図1に示すように、本実施形態1の複合機300は、最上部に配置されたスキャナ200と装置本体100とから構成されており、プリンタ機能、複写機能を合わせ持ち、オプションでファクス機能を追加することもできる。
最上部に配置されたスキャナ200は、原稿台であるコンタクトガラスを有したスキャナ本体と原稿台カバーとから構成され、コンタクトガラスと筐体からなるスキャナ本体内に、第1走行体、第2走行体、結像レンズ、及び読取センサ等を有している。原稿をコンタクトガラス上に置いて原稿台カバーを閉じ、スタートボタン等のスイッチを押してスキャナ200を駆動させると、第1走行体及び第2走行体が走行を開始する。これにより、第1走行体からの光がコンタクトガラス上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体のミラーで反射されて、結像レンズを通じて読取センサに案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
装置本体100は、その下部に記録材である用紙Pを収納する給紙カセット41を配した給紙部を設けている。この給紙部の上方には、イエロー(Y)、マセンダ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各色のトナーに対応したトナー像を形成する作像部20を配置した構成となっている。作像部20には、潜像担持体である感光体ドラム1Y,M,C,Kをそれぞれ備え、各色のトナー像を形成する4個(複数)の作像ユニット21Y,M,C,Kと、各感光体ドラム1上に静電潜像を形成する光書込み装置22とを有している。
作像部20の上方には、中間転写ユニット30が設けられ、可撓性を有する無端ベルトで構成した被転写体である中間転写ベルト31が2つの架張ローラ32,33に架け渡され、画像形成時に、図1図中、反時計回りに無端移動するように構成されている。また、中間転写ベルト31の下側走行辺の内周側には、各感光体ドラム1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31上に転写する転写手段である1次転写ローラ37Y,M,C,Kが、図1図中左側からY,M,C,Kの順で設けられている。これら1次転写ローラ37Y,M,C,Kに、それぞれ作像ユニット21Y,M,C,Kの感光体ドラム1Y,M,C,Kが、中間転写ベルト31を介して接触する。
一方、中間転写ベルト31を、図1図中右側で架張する架張ローラ32に中間転写ベルト31を介して対向する位置には、中間転写ベルト31上に重ね合わされたフルカラーのトナー画像を、用紙Pに転写する転写手段である2次転写ローラ34が配置されている。他方、中間転写ベルト31を、図1図中左側で架張する架張ローラ33に中間転写ベルト31を介して対向する位置には、ベルトクリーニング装置35が配置されている。このベルトクリーニング装置35内には、クリーニングブラシローラ、ベルトクリーニングブレード、及び搬送コイル(不図示)を有し、2次転写後に中間転写ベルト31上に残留した転写残トナー等を除去して中間転写ベルト31のベルト表面をクリーニングする。なお、クリーニングブラシローラに換え潤滑剤塗布ブラシを設けるとともに、この潤滑剤塗布ブラシで削り取って中間転写ベルト31に塗布する固形潤滑剤と、この固形潤滑剤を潤滑剤塗布ブラシに向け加圧する加圧スプリングを設けるように構成しても良い。
また、架張ローラ32、中間転写ベルト31、及び2次転写ローラ34で形成される2次転写ニップ部の上方には、2次転写部で用紙P上に2次転写されたトナー像を、定着させる定着装置51が設けられている。この定着装置51と給紙カセット41との間には、2次転写ニップ部を介して用紙Pを搬送する搬送経路が形成されいる。そして、給紙カセット41の一端部近傍に、用紙Pを搬送経路に送り出す給紙ローラ42が、2次転写ニップ部の用紙搬送方向上流側に、レジストローラ対43が配置されている。
また、定着装置51の上方には定着後の用紙Pを装置本体100外に排出するための搬送経路である排出経路が、図1図中、装置本体100の上部寄りに左側へ曲がるよう設けられており、その終端の排出口の手前側には排出ローラ対44が配置されている。そして、排出ローラ対44の回転駆動により排出される用紙Pを積載する積載部である排紙トレイ45が、装置本体100の上部に形成されている。
排紙トレイ45と、中間転写ベルト31の上側走行辺の外周側との間には、各作像ユニット21にそれぞれ有した現像装置5Y,M,C,Kで現像により消費した分、適宜、補給される補給トナーを収容するトナーボトル61Y,M,C,Kが配置されている。そして、各色毎に装置本体100の上部並べてに配置され、下側にある各色のプロセスカートリッジまでトナーを搬送してトナーを補給する構成となっており、通常はいずれかのトナーボトル61の交換のみですむため、ユーザー自らが交換できる。また、各トナーボトル61を、上記のような構成にすることで、他の装置や他の部分の開け閉め、及び出し入れの回数が減るので、各トナーボトル61にシャッタ部等を設けてトナー飛散を防止できるようになり、メンテナンス性の向上も図り得る。
また、各トナーボトル61と各現像装置5とを繋ぐように、それぞれ、適宜、補給トナーを補給するトナー補給装置(不図示)が配置されている。ここで、いずれかのトナーボトル61内の補給トナーが無くなった場合、通常は各トナーボトル61のみ交換して装置本体100へのトナーの補給を行い、各作像ユニット21をそれぞれ構成するプロセスカートリッジの交換は行わない。ここで、プロセスカートリッジ全体を交換するのは、プロセスカートリッジ内に配置された感光体ドラム1や帯電ローラ2等を交換する交換時期にのみ行う。
なお、本実施形態1のプロセスカートリッジには、作像ユニット21内の潜像担持体である感光体ドラム1、帯電手段である帯電ローラ2、現像手段である現像装置5、及び感光体ドラム1のクリーニング手段である感光体クリーニング装置8を収容している。このように各作像ユニット21を構成することで、各作像ユニット21の交換を容易にできる複合機300を提供できるとともに、複合機300の各作像ユニット21の交換を容易にできるプロセスカートリッジを提供できる。
作像部20に有した各作像ユニット21は、上記したように中間転写ベルト31の下側走行辺の内周側に配置された各1次転写ローラ37と、中間転写ベルト31を介して対向するように配置されている。各作像ユニット21は、中間転写ベルト31に接する感光体ドラム1をそれぞれ有しており、各感光体ドラム1の周りには、帯電ローラ2、現像装置5、感光体クリーニング装置8、除電装置9がそれぞれ配置されている。そして、各感光体ドラム1が中間転写ベルト31に接する位置の中間転写ベルト31の内周側には、1次転写ローラ37がそれぞれ設けられている。
ここで、詳しくは後述するが、本実施形態1の各作像ユニット21は基本的な構成、及び動作は同一である。ブラック用の作像ユニット21Kとカラー用の作像ユニット21Y,M,Cとが異なる点は、ブラック用の作像ユニット21Kに潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置10Kを有し、感光体ドラム1Kに潤滑剤を塗布することに係る点である。また、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cに転写前露光手段であるPTL(Pre Transfer Lighting)15Y,M,Cを有し、感光体ドラム1Y,M,C上の1次転写前のトナー像を露光することに係る点である。
光書込み装置22は、光変調したレーザ光Lを各感光体ドラム1の表面に照射して、各感光体ドラム1表面に色毎の静電潜像を形成するものであり、本実施形態1では、各作像ユニット21の下方に配置している。
次に複合機300の画像形成動作について説明する。パソコン等の外部機器からの信号を受信したり、コピー動作を開始するスタートボタンの操作が行われたりすると画像形成動作が開始する。画像形成動作が開始すると、各作像ユニットの感光体ドラム1を、その駆動装置(不図示)によって時計方向に回転駆動し、各感光体ドラム1の表面を帯電ローラ2によって所定の極性に一様に帯電させる。帯電した各感光体ドラム1の表面には、外部機器から受信した信号やスキャナ200で読み取った画像情報に基づき光書込み装置22からレーザ光Lがそれぞれ照射され、各感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
このとき、例えばスキャナ200で読み取ったフルカラー画像を演算装置にて、各感光体ドラム1に露光する画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成した静電潜像は、各感光体ドラム1と現像装置5の間を通るとき、現像手段である各現像装置5に収納したトナーによって現像されトナー像化、すなわち可視像化される。
中間転写ベルト31を架け渡した架張ローラ32,33の内、いずれかの架張ローラを、ベルト駆動装置(不図示)によって反時計方向に回転駆動し、これにより中間転写ベルト31を走行駆動し、他方の架張ローラを従動回転させる。このように走行する中間転写ベルト31には、各作像ユニット21で形成した各色のトナー像が1次転写ローラ37によって順次重ねて転写され、中間転写ベルト31の表面にはフルカラーのトナー像が担持される。
一方、給紙カセット41から給紙された用紙Pを搬送経路へ送り込む。そして、搬送経路へ送り込まれた用紙Pは、2次転写ローラ34よりも用紙搬送方向上流側に配設したレジストローラ対43で、中間転写ベルト31に担持されたトナー像の搬送タイミングに合わせて2次転写ニップ部へと進入させられる。このとき架張ローラ32及び中間転写ベルト31とで2次転写ニップ部を形成する2次転写ローラ34には、中間転写ベルト31表面に担持されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧を印加する。これにより、中間転写ベルト31の表面に重ね合わされるように担持されたフルカラーの合成トナー像を用紙P上に一括して2次転写する。
その後、フルカラーのトナー像が2次転写された用紙Pは定着装置51へと搬送され、定着装置51を通過する際に熱と圧を加えられ、担持されたトナー像は溶融・加圧されて用紙P上に定着される。そして、トナー像が定着した用紙P、すなわちプリント済みの用紙Pは、装置本体100の上部寄りに設けられた排出経路の終端に配置された排出ローラ対44へと搬送される。この搬送された用紙Pは、排出ローラ対44の回転駆動により、装置本体100の上部に形成された排紙トレイ45へと排出される。
ここで、トナー像を転写した後の各感光体ドラム1は、その表面に残留した転写残トナーを、それぞれの感光体クリーニング装置8によって除去された後、感光体ドラム1の表面を除電装置9で除電され、その表面電位が初期化され次の画像形成に備える。また、トナー像が用紙Pに転写された後の中間転写ベルト31上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置35より除去され、次の画像形成に備える。
また、各作像ユニット21内の感光体クリーニング装置8、及びベルトクリーニング装置35で除去された転写残トナーは、搬送コイル7(図2、図3参照)等によって搬送され、廃トナー回収容器(不図示)に回収される。
上記のように構成されたタンデム方式の複合機300は、4つの作像ユニット21を中間転写ベルト31に対向させて設け、中間転写ベルト31に順次各色のトナー像を重ねて転写する。このため、1つの作像ユニットに4つ(4色)の現像装置を持ち、各色毎に感光体ドラム等の潜像担持体上にトナー像を形成して、順次、中間転写ベルト上にトナー像を重ねて転写し、その後用紙に転写する形式のものと比べ、作像時間を大幅に短縮できる。
また、装置本体100の上部に積載部である排紙トレイ45を配置しているので、装置本体100から排紙トレイ45が周囲に飛び出ることがなく、複合機300の設置面積や占有面積が小さくできる。
なお、上記した説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、作像部20の各作像ユニット21のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2色または3色の画像を形成したりすることも可能である。また、複合機300を用いてモノクロ印刷をする場合には、ブラック用の作像ユニット21Kの感光体ドラム1K上にのみ静電潜像を形成して、同ユニットで現像して用紙Pに転写し、定着装置51で定着すれば良い。
次に、本実施形態1のタンデム方式の作像部20の特徴について説明する。
本実施形態1の作像部20の特徴は、ブラック用の作像ユニット21Kにのみ潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置10Kを有し、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cのみに転写前露光手段であるPTL15Y,M,Cを有していることに係る点である。このような特徴を有することで、本実施形態1の複合機300は、次のような効果を奏することができる。
上記したように、利用頻度が高く、長寿命が求められるブラック用の作像ユニット21Kにのみ、感光体ドラム1に潤滑剤塗布装置10Kを設けているので、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cよりも、ブラック用の作像ユニットを長寿命化できる。
また、この作像部20では、図1に示すように、先に中間転写ベルト31に転写されたトナーの、中間転写ベルト31の移動方向最下流側の作像ユニットへの逆転写が目立ち難いように、ブラック用の作像ユニット21Kを最下流側に配置している。つまり、カラー用の各作像ユニット21をブラック用の作像ユニット21Kの上流側に配置している。そして、カラー用の各作像ユニット21に潤滑剤塗布装置を設けず、PTL15Y,M,Cを設けているので、それぞれの転写効率を落とすことなく、転写手段に印加する転写電流を低くできる。このように転写電流を低くすることで、各カラー用の作像ユニット21から、被転写体上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナー自体を減らすことができる。
したがって、ブラック用の作像ユニット21Kよりも先に各カラー用の作像ユニット21から中間転写ベルト31上に転写されたトナーの、ブラック用の感光体ドラム1Kへの逆転写による異常画像の発生を抑制できる。
よって、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニット21Kをカラー用の各作像ユニット21よりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる複合機300を提供できる。すなわち、作像システムの最適化を図ることができる。
以下に、上記した効果を奏することができる理由と、その他の各作像ユニット21の特徴、及びその効果をさらに詳しく説明する。
まず、ブラック用の作像ユニット21Kの構成の特徴から説明する。なお、以下の説明では、現像装置5Kに関しては、周知な2成分現像方式の現像装置の構成を適用できるので、その説明は省略する。
図2に示すように、ブラック用の作像ユニット21Kは、感光体ドラム1Kに対抗して現像装置5Kを配置し、感光体クリーニング装置8K内に感光体クリーニングブレード6Kと搬送コイル7Kに加え、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置10Kを設けている。そして、感光体クリーニング装置8Kの感光体ドラム1Kの回転方向下流側には帯電ローラ2Kが設けられている。
潤滑剤塗布装置10Kは、主に、固形潤滑剤12K、塗布ブラシローラ11K、及び加圧バネ13Kとから構成されている。このように、利用頻度が高く、長寿命が求められるブラック用の作像ユニット21Kにのみ、感光体ドラム1に潤滑剤塗布装置10Kを設けているので、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cよりも、ブラック用の作像ユニットを長寿命化できる。
固形潤滑剤12Kは、金属石鹸からなる固形化された潤滑剤であり、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等を主成分とするものを好適に用いることができる。このように、固形潤滑剤に金属石鹸を用いることで、潜像担持体である感光体ドラム1に潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置10Kで塗布する潤滑剤の低コスト化が可能となる。
塗布ブラシローラ11Kは、固形潤滑剤12Kを回転しながら擦り、固形潤滑剤12Kからその固形成分である潤滑剤を微小な粉体として削り取り、潜像担持体である感光体ドラム1K表面に塗布するものである。このようにブラシローラである塗布ブラシローラ11Kを用いて、潜像担持体である感光体ドラム1Kへの潤滑剤塗布を行うことで、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置10Kの構成を簡易な構成にできるとともに、そのコストも安価にできる。
加圧バネ13Kは、固形潤滑剤12Kの当接面が削られて窪んで当接圧が低下し、塗布ブラシローラ11Kで固形潤滑剤12Kから潤滑剤の粉体を削り取れなくなるのを抑制するために、固形潤滑剤12Kを塗布ブラシローラ11Kに向け加圧している。このように加圧バネ13Kで、固形潤滑剤12Kを塗布ブラシローラ11Kに向け加圧することで、加圧バネ13Kによる加圧方向の固形潤滑剤12Kの厚さの潤滑剤を有効に感光体ドラム1K表面に塗布することが可能となる。また、潤滑剤塗布量は、固形潤滑剤12Kへの塗布ブラシローラ11Kの食い込み量と、塗布ブラシローラ11Kの回転速度に略比例するため、そのバネ定数は、所望の塗布量が得られるように設定する潤滑材の塗布量を決める手段として用いている。
ここで、この潤滑剤塗布装置10Kでは、潤滑材の塗布量を決める手段として、加圧手段であるコイルバネ等からなる加圧バネ13Kを用いているが、重力を使い錘などを用いてもよく、加圧バネ13Kに限定されるものではない。
また、潤滑剤塗布装置10Kでは、塗布ブラシローラ11Kが感光体ドラム1Kの表面に接触している位置での線速(以下、ブラシ線速という)を、感光体ドラム1Kの線速(以下、感光体線速という)に対して若干異なる早さに設定している。
具体的には、塗布ブラシローラ11Kの外径がφ12mmで、外径がφ30mmの感光体ドラム1Kに対して1mm食込ませて使用しているので、感光体ドラム1に接触している部分での塗布ブラシローラ11Kの実質的な径はφ10mmとなる。したがって、ブラシ線速は、感光体ドラム1Kの外径がφ30mm、塗布ブラシローラ11Kの径がφ10mmで計算されるものである。当然、塗布ブラシローラ11K単体の外径が同じでも、食込み量の設定(感光体ドラム1Kと塗布ブラシローラ11Kの中心間距離の設定)が変化すれば、ここで述べているブラシ線速も変化するので、適宜、好ましい設定を採択するようにすれば良い。
例えば、塗布ブラシローラ11Kをアクリル繊維、ナイロン繊維、PET繊維を用いて構成し、固形潤滑剤12Kとしてステアリン酸亜鉛を主成分とするものを用い、加圧バネ13Kで適正な加圧力で塗布ブラシローラ11Kに押し当てたとする。このように構成した場合、感光体ドラム1Kの感光体線速に対する塗布ブラシローラ11Kのブラシ線速の比:Xを、0.8 ≦ X < 1、又は1 < X ≦ 1.3倍程度の範囲に設定するが望ましい。特に、感光体線速に対してブラシ線速が若干速い、1 < X ≦ 1.3倍程度の範囲に設定するのがより望ましい。
また、塗布ブラシローラ11Kは、芯金上にブラシ毛が巻装された、所謂、ブラシローラであり、そのブラシ毛の抵抗が高すぎるとトナーを抱え込んでしまい、潤滑剤の塗布が効率よくできない。
そこで、ブラシローラである塗布ブラシローラ11Kでは、そのブラシ毛を、電気抵抗が10〜1010[Ω・cm]のアクリル繊維、ナイロン繊維、PET繊維等の低抵抗繊維で構成されているものを用いている。このように塗布ブラシローラ11Kのブラシ毛を低抵抗繊維で構成することで、潤滑剤の塗布を効率よく行うことができる。
また、図2に示すように、塗布ブラシローラ11Kを感光体クリーニングブレード6Kの感光体ドラム1K回転方向上流側に配置し、感光体ドラム1K上の転写残トナーのクリーニング補助手段としての役目も発揮できるように構成している。このように構成することで、作像ユニット21Kの長寿命化で懸念される感光体クリーニングブレード6Kの摩耗によるクリーニング不良も、塗布ブラシローラ11Kのクリーニング補助手段としてのクリーニングの効果で解決できる構成としている。
なお、図示の塗布ブラシローラ11Kのブラシが固形潤滑剤12Kに接触する前の位置にフリッカーを配置することにより、塗布ブラシローラ11Kのブラシが感光体ドラム1Kより回収した転写残トナーを抱え込むのを抑制することもできる。このように転写残トナーの抱え込みを抑制することで、トナー付着の少ない状態で効率良く固形潤滑剤12Kから掻き取った潤滑剤の粉体を塗布することが可能となる。
帯電手段である帯電ローラ2Kに関しては、非接触方式(非接触帯電方式)の構成を用いている。このようにブラック用の作像ユニット21Kに有する帯電手段を、非接触方式とすることで、感光体ドラム1Kに塗布される潤滑剤で帯電ローラ2Kが汚されることを防止でき、帯電手段である帯電ローラ2Kを長寿命化できる。形状としてはローラ状の帯電部材を用いている。また、このようにローラ状の帯電部材を用いることで、ワイヤーを用いるものに比べ、帯電装置5Kに印加する電圧を低くでき、そのため複合機自体の消費電力を抑えることができ、またオゾン等の発生量も少なくすることができ、オゾンフィルターも不要になる。
また、複数の作像ユニットの内最後に中間転写ベルト31上にトナー像の1次転写を行う(最下流側の)作像ユニットを、ブラック用の作像ユニット21Kとしているので、次のような効果も奏することができる。仮に、ブラック用の作像ユニット21Kで逆転写が生じても、用紙Pなどの記録媒体上に形成される画像上で目立たないようにでき、記録媒体上に形成する画像品質を向上させることができる。
次に、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cの構成の特徴について説明する。なお、以下のカラー用の作像ユニット21Y,M,Cの説明では、ブラック用の作像ユニット21Kの各構成部材については符号にKを付し、カラー用の作像ユニット21各構成部材の符号にはY,M,Cを付さずに説明する。
また、図3に示すように、カラー用の作像ユニット21は、潤滑剤塗布装置8Kに換え、転写前露光手段であるPTL15を設けている点と、帯電手段である帯電ローラ2が接触方式である点と、用いるトナーの色とがブラック用の作像ユニット21Kと異なる。他の構成は、ほぼ同様であるので、以下のカラー用の作像ユニット21の説明では、ブラック用の作像ユニット21Kと異なる点に関して説明する。
上記したように、カラー用の作像ユニット21は、ブラック用の作像ユニット21Kに設けた潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置8Kに換え、転写前露光手段であるPTL15を設けている。
ここで、一般に、潤滑剤塗布手段には、金属石鹸等の固形潤滑剤、塗布ブラシ等の塗布手段、及び塗布手段に回転駆動力を伝達するギヤや駆動装置を設ける必要がある。一方、PTLは、LEDアレイ等を用いることができ、潤滑剤塗布手段を設けるよりも、カラーユニットを低コスト及び省スペース化することができる。
このため、カラー用の作像ユニット21は、ブラック用の作像ユニット21Kと比較すると潤滑剤塗布装置8Kが無く、ブラック用の作像ユニット21Kよりも、低コスト化、及び省スペース化が可能である。
帯電手段である帯電ローラ2に関しては、ブラック用の作像ユニット21Kと異なり、カラー用は接触方式(接触帯電方式)の構成を用いている。カラー用の作像ユニット21は、ブラック用の作像ユニット21Kと異なり、潤滑剤塗布装置8Kを設けていないので、このように接触方式の帯電ローラ2を用いても感光体ドラム1を介して潤滑剤で帯電ローラ2が汚されることを抑制できる。また、接触方式の帯電ローラ2を用いることで、放電Gapを狭くでき、ブラック用の帯電ローラ2Kよりもより少ない電力で一様帯電が行える。
次に、ブラック用の作像ユニット21Kの潤滑剤塗布装置8Kに換えて、カラー用の作像ユニット21に設けた転写前露光手段であるPTL15について説明する。
上記したように、転写前露光手段であるPTLとは、Pre Transfer Lightingの略称である。具体的には、現像装置5による感光体ドラム1上の静電潜像を現像する現像工程と、帯電ローラ2による感光体ドラム1上に担持されたトナー像を中間転写ベルト上に転写する1次転写工程との間で、トナー像を担持した感光体ドラム1に露光(光照射)を行なう。このように露光を行ない感光体ドラム1上でトナー像以外の潜像担持体上の電位を下げることで、1次転写工程における転写電流を効率良くトナー像に作用させ、低い転写電流から高い転写電流まで安定した転写効率を得る転写前露光の工程のことである。
例えば、図4に示すように、PTLを設けた作像ユニットでは、PTLを設けていない場合に比べ、低い転写電流から高い転写電流まで安定した転写効率を得ることができる。そして、本実施形態1のタンデム方式の作像部20では、カラー用の各作像ユニット21に潤滑剤塗布装置を設けず、PTL15を設けているので、それぞれの転写効率を落とすことなく、転写手段に印加する転写電流を低くできる。このように転写電流を低くすることで、各カラー用の作像ユニット21から、中間転写ベルト31上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナー自体を減らすことができる。
したがって、ブラック用の作像ユニット21Kよりも先に各カラー用の作像ユニット21から中間転写ベルト31上に転写されたトナーの、ブラック用の感光体ドラム1Kへの逆転写による異常画像の発生を抑制できる。
よって、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニット21Kをカラー用の各作像ユニット21よりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる複合機300を提供できる。
しかし、PTLには副作用もあり、潜像担持体である感光体ドラム等の表面にトナーが付着していない大部分の領域である地肌部に対して、PTLで露光光を照射すると、感光体ドラムに光疲労を生じ、感光体ドラムの寿命を短くすることがある。すなわち、PTL15による感光体ドラム1の転写前露光により、カラー用の作像ユニット21の寿命を短くするおそれがある。
また、PTL15で露光光を照射することで1次転写効率が高まるものの、感光体ドラム1上でトナー像周囲に存在していた地肌部のトナーと同極性の電荷がPTL15の露光により少なくなる。このため、帯電した感光体ドラム1上のトナーは、地肌部と電位差が生じることでトナー像周囲の地肌部に飛び散りやすくなり、結果としてトナー像が乱れ、画質が低下して異常画像が生じ易くなる(異常画像として認識され易くなる)場合もある。
また、カラー用の作像ユニット21の使用開始初期は、感光体ドラム1や帯電ローラ2等の機能が低下していたり、汚れていたりしておらず、帯電ローラ2で感光体ドラム1を一様帯電する帯電性も良好である。このため、静電潜像の形成の工程、静電潜像のトナー像化の工程、トナー像の1次転写の工程、転写残トナーを除去する工程、及び除電装置9による感光体ドラム1の表面電荷の初期化する工程の後に、次の画像形成時の帯電ローラ2による一様帯電が良好に行える。このように一様帯電が良好に行えると、先の画像形成時にトナーを担持していたトナー担持部と、担持していなかった地肌部との感光体ドラム1表面の帯電電位に差異が生じることに起因した残像による異常画像が生じ難い(異常画像として認識され難い)。
ここで、上記したような残像が生じる理由を、まず、転写前露光手段であるPTLを設けていない場合を例に説明する。例えば、1回目の画像形成時に感光体ドラム1表面を、帯電ローラ2により負極性に一様帯電されたとする。その後、光書き込み装置22によりレーザー光が照射され、感光体ドラム1表面の画像領域(トナー担持部)の負極性の帯電量を減衰させて静電潜像を形成する。そして、負極性に帯電させたトナーを現像装置5の現像ローラに負極性の現像バイアスを印加して、感光体ドラム1上のトナー担持部(静電潜像)にトナーを転移させ、感光体ドラム1上にトナー像を担持させる。その後、感光体ドラム1上に担持されたトナー像が中間転写ベルト31を介して、1次転写ローラ37と接触する1次転写ニップ部で、1次転写ローラ37に印加される正極性の転写電流で形成される転写電界の作用により、中間転写ベルト31上に転写される。
上記のように転写ニップ部で形成される転写電界により、トナー像が中間転写ベルト31上に転写されることになるが、同時に、感光体ドラム1上への正極性の転写電流の流れ込みが生じる。この転写電流の流れ込みには、トナー像を担持していたトナー担持部と、担持していなかった地肌部とでトナーの電気抵抗による差異が生じ、地肌部への転写電流の流れ込みの方が多くなる。
そして、転写ローラに印加する転写電流が大きいと地肌部の帯電電位が極端に減衰したり、逆極性に変化したりする。すると、感光体クリーニング装置8の感光体ドラム1回転方向下流側に設けられた除電装置9により、感光体ドラム1の表面電位を均一に初期化しようとしても、逆極性に変化した地肌部の表面電位を初期化しきれない場合がある。この先の画像形成におけるトナー担持部と地肌部との表面電位の差異が解消されずに帯電ローラ2により次の画像形成のための一様帯電が行われても、均等に感光体ドラム1上の表面電位を帯電できず、先のトナー担持部と地肌部との表面電位の差異が残ってしまう。そして、次の画像形成時の現像工程時にトナーが転移し易い箇所と、転移し難い箇所が生じてしまい、所謂、残像による異常画像が生じる場合がある。
この転写電流の流れ込みに起因した残像は、上記したように感光体ドラム1や帯電ローラ2等の機能が低下したり、汚れてたりしておらず、感光体ドラム1を良好に一様帯電できる場合には、多少多めに転写電流が流れ込んでも生じ難い。
一方、経時等により作像ユニット21の感光体ドラム1や帯電ローラ2等の機能が低下していたり、汚れていたりすると、感光体ドラム1への転写電流の流れ込みがわずかでもあると残像による異常画像が検出され易くなる。
このような残像による異常画像の発生を抑制するためには、感光体ドラム1や帯電ローラ2等の機能の低下を抑制したり、汚れ難くしたり、転写手段である1次転写ローラ37に印加する転写電流を小さくしたりすることで抑制できる。
このカラー用の作像ユニット21は、上記したようにブラック用の作像ユニット21Kに比べて利用頻度が低く、感光体ドラム1や帯電ローラ2等の機能の低下を抑制できる。加えて、ブラック用の作像ユニット21Kよりも、中間転写ベルト31の移動方向上流側に設けられるとともに、潤滑剤塗布手段を設けておらず、感光体ドラム1への潤滑剤の塗布により帯電ローラ2が汚れることも抑制できる。
しかし、単に1次転写ローラ37に印加する転写電流を小さくするだけでは、転写ニップ部での転写効率が低下してしまい、正常な転写が行えず、転写不良が生じてしまう。
また、転写前露光手段であるPTLを設けた構成では、転写効率を高めて1次転写ローラ37に印加する転写電流を低めることができるものの、PTLによる露光量が大きすぎると、PTLで感光体ドラム1表面を露光した際に、特に地肌部の電位が減衰しすぎる。このため、1次転写ニップ部での転写電流の流れ込みにより、感光体ドラム1表面の地肌部の帯電電位が極端に減衰したり、逆極性に変化したりする可能性がさらに高まってしまい、転写電流の流れ込みに起因した残像による異常画像が、さらに生じ易くなる。すなわち、転写効率を高めるために、転写前露光手段であるPTLで感光体ドラム1を露光する露光量(以下、光量という)を大きくしすぎると、転写電流の流れ込みに起因した残像による異常画像が生じ易くなる。
これらのことから、PTL15の光量は少ない方が良く、PTL15をON/OFF制御し、不必要なときには露光しない方が良い。
そこで、本実施形態1の複合機300では、カラー用の作像ユニット21で画像形成を行う場合のみ、感光体ドラム1に露光するようにPTL15を制御している。このように、カラー用の作像ユニット21の状態(新品、経時)により、PTL15の光量を制御し、光疲労を軽減して感光体ドラム1の寿命を延ばすとともに、トナー像の乱れや、転写電流の流れ込みに起因した残像による異常画像の発生を抑制することができる。
カラー用の作像ユニット21の状態により、PTL15の光量を制御する方法としては、カラー用の作像ユニット21に設けた感光体ドラム1の走行距離や、感光体ドラム1を用いた印字枚数に応じて、PTL15の光量を制御し変化させる方法を採用できる。
本実施形態1の複合機300に、カラー用の作像ユニット21に設けた感光体ドラム1の走行距離に応じてPTL15の光量を制御し変化させる方法を採用した場合には、例えば、次のように制御することができる。図5に示すようにPTL15の感光体ドラム1に対する露光光の光量の設定値の値である像面エネルギー[mJ/m]をあらかじめ規定しておき、感光体ドラム1の走行距離[Km]に応じて、規定した像面エネルギーに段階的に変化させることができる。このように構成することで、カラー用の作像ユニット21の利用初期では、PTL15の光量を下げてカラー用の感光体ドラム1の寿命を延ばし、経時では、PTL15の光量を上げて逆転写や残像等の異常画像が発生するのを抑制できる。
なお、感光体ドラム1を用いた印字枚数に応じて、PTL15の光量を制御し変化させる方法でも、図5の横軸の走行距離に換え、印字枚数に応じた像面エネルギー[mJ/m]を、あらかじめ規定しておき、制御することで同様な効果を奏することができる。
また、具体的なPTL15の構成としては、感光体ドラム1の表面を、LEDやLD、キセノンランプ(クエンチングランプ)等で露光を行う構成を採用でき、本実施形態ではPTL15としてLEDアレイを用いた。LEDアレイは、カラー用の作像ユニット21に設けるPTL15として、低コスト化、及び配置スペースの省スペース化の点で、他の形式のものと比べ有利である。
また、ブラック用の作像ユニット21Kに設ける潤滑剤塗布装置8K等の潤滑剤塗布手段には、金属石鹸等の固形潤滑剤、塗布ブラシ等の塗布手段、及び塗布手段に回転駆動力を伝達するギヤや駆動装置を設ける必要がある。一方、PTLは、LEDアレイ等を用いることができ、潤滑剤塗布手段を設けるよりも、カラー用の作像ユニット21を低コスト及び省スペース化することができる。
また、上記したように、本実施形態1の作像部20では、カラー用の作像ユニット21は潤滑剤塗布を行わないため、潤滑剤を塗布するブラック用の作像ユニット21Kと同じ転写電流を1次転写ローラ37に印加すると転写電流が過多になる。このように転写電流が過多となると、残像等に起因した異常画像を起こし易いため、カラー用の作像ユニット21では、転写効率を下げることなく、1次転写ローラ37に印加する転写電流を下げることが必要になってくる。
そこで、カラー用の作像ユニット21では、PTL15により転写効率を高めて転写効率を下げることなく、カラー用の作像ユニット21に対応する転写手段である1次転写ローラ37に印加する転写電流を低く設定している。
具体的には、ブラック用の作像ユニット21Kの1次転写ローラ37Kに印加する転写電流である1次転写電流をTk、カラー用の作像ユニット21の1次転写ローラ37に印加する転写電流である1次転写電流をTcolとすると、次のような条件で設定している。
Tk≧Tcolとなるような条件である。
一般に、潜像担持体に潤滑剤塗布を行う場合と潤滑剤塗布を行わない場合とで、潜像担持体への転写電流の流れ込みに差があり、同じ転写電流を転写手段に印加すると潤滑剤塗布を行わない潜像担持体の方が流れ込む電流が大きく、残像等の異常画像が発生し易い。
そこで、カラー用の作像ユニット21では、PTL15により転写効率を高めて転写不良を抑制しつつ、上記のようにカラー用の1次転写電流:Tcolを、ブラック用の1次転写電流:Tk以下とするように設定した。このように設定することで、潤滑剤塗布を行っていないカラー用の作像ユニット21に設けた感光体ドラム1への1次転写電流の流れ込みを軽減でき、カラー用の作像ユニット21でのトナー像が乱れや、残像による異常画像の発生を抑制することができる。
また、カラー用の1次転写電流:Tcolが、ブラック用の1次転写電流:Tk以下なので、先にカラー用の作像ユニット21から1次転写されたトナー像の、ブラック用の感光体ドラム1Kへの逆転写も、より好適に抑制できる。
なお、上記した特許文献1では、PTLを設けたブラック用の作像ユニットに設けた帯電手段の感光体ドラム回転方向の帯電領域幅を、中間転写ベルト移動方向上流側のカラー用の作像ユニットの帯電手段の感光体ドラム回転方向の帯電領域幅より広くしている。このように構成して、PTLを設けたブラック用の作像ユニットの帯電手段による帯電性を高め、狙いの帯電電位に感光体ドラム表面を一様帯電させ、感光体ドラムへの転写電流の流れ込みに起因した残像による異常画像が生じるのを抑制するというものである。
このようにPTLを設けた作像ユニットの帯電領域を広して、転写電流の流れ込みに起因した残像による異常画像が生じるのを抑制することも可能であるが、利用頻度は低いが、数が多いカラー用の作像ユニット21に適用すると、コスト上昇を招くおそれがある。
ここで、上記した本実施形態1では、タンデム方式の作像部20のカラー用の各作像ユニット21に全て、転写前露光手段であるPTL15を設けた構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、1次転写される際や各転写転写ニップを通過する際に転写電界が作用しても、電荷量の低下や逆極性へ変化し難いカラー用のトナーがある場合、この色のトナーに対応する作像ユニットを最上流に配置して、その転写前露光手段を省略することもできる。つまり、カラー用の作像ユニットの内、少なくとも電荷量の低下や逆極性へ変化し易い、いずれかの色のトナーに対応する作像ユニットから下流側のカラー用の作像ユニットにだけ転写前露光手段を設け、微帯電トナーや逆帯電トナー自体を減らすこともできる。
このようにタンデム方式の作像部を構成することで、上記した本実施形態1と同様な効果を奏することができる。
また、上記した本実施形態1では、本発明を、中間転写ベルトを備えた中間転写方式、且つ、タンデム方式の画像形成装置に適用した例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、直接転写方式、且つ、タンデム方式の画像形成装置にも適用可能である。
また、本発明を、各作像ユニット21にそれぞれ感光体クリーニング装置8を有した構成について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、いずれか、又は全部の作像ユニットに感光体クリーニング装置8を有していないものにも適用可能である。
〔実施形態2〕
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式の複写機(以下、複合機300という。)の一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について、図を用いて説明する。図6は、本実施形態2に係る複合機300の全体概要図である。
ここで、本実施形態2と上記した実施形態1とでは、次の構成に係る点のみ異なる。実施形態1のカラー用の各作像ユニット21には、それぞれPTLを有していた。これに対し、本実施形態2のカラー用の各作像ユニット21には、PTLを有さない換わりに、中間転写ベルト31上に担持したトナー像をカラー用とブラック用の作像ユニット21との間に、再帯電する再帯電手段である再帯電装置38を備えたことに係る点である。したがって、上記した実施形態1の複合機300と同様な構成・動作、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明するとともに、同一の構成部材については、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態2では、ブラック用の感光体ドラム1Kに潤滑剤を塗布し、カラー用の感光体ドラム1Y,M,Cに潤滑剤を塗布しない作像部20に、転写前露光手段であるPTLを具備することなく、逆転写を抑制できるように構成している。
具体的には、図6に示すように、中間転写体(被転写体)である中間転写ベルト31上で、カラー用の各作像ユニット21とブラック用の作像ユニット21Kとの間で、中間転写ベルト31上のトナーを再帯電させる再帯電手段である再帯電装置38を設けた。
本実施形態2の複合機300では、利用頻度が高く、長寿命が求められるブラック用の作像ユニット21Kにのみ、感光体ドラム1Kに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布装置8Kを設けている。したがって、上記した実施形態1と同様に、カラー用の各作像ユニット21よりも、ブラック用の作像ユニット21Kを長寿命化できる。
また、この作像部20では、図6に示すように、先に中間転写ベルト31上に転写されたトナーの、中間転写ベルト31の移動方向最下流側の作像ユニットへの逆転写が目立ち難いように、ブラック用の作像ユニット21Kを最下流側に配置している。つまり、カラー用の各作像ユニット21をブラック用の作像ユニット21Kの上流側に配置している。
そして、カラー用の各作像ユニット21に潤滑剤塗布装置を設けず、各作像ユニット21とブラック用の作像ユニット21Kとの間に、中間転写ベルト31上に先に転写された、トナー像を再帯電する再帯電手段である再帯電装置38を設けた。このように再帯電装置38を設けることで、各カラー用の作像ユニット21から、被転写体上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナー自体を、再帯電して減らすことができる。
したがって、ブラック用の作像ユニット21Kよりも先に各カラー用の作像ユニット21から中間転写ベルト31上に転写されたトナーの、ブラック用の感光体ドラム1Kへの逆転写による異常画像の発生を抑制できる。
よって、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニット21Kをカラー用の各作像ユニット21よりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる複合機300を提供できる。すなわち、作像システムの最適化を図ることができる。
以下に、上記した効果を奏することができる理由と、その他の各作像ユニット21の特徴、及びその効果をさらに詳しく説明する。
ブラック用の作像ユニット21Kは、上記した実施形態1と同様に構成できるので、その構成・動作、及びその作用・効果については、説明を省略する。
カラー用の作像ユニット21Y,M,Cには、作像ユニット21Kと異なり、各感光体ドラム1Y,M,Cに、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有していないとともに、上記した実施形態1のように、転写前露光手段であるPTLも有していない。
しかし、中間転写ユニット30の各作像ユニット21に対向する中間転写ベルト31の下側走行辺には、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cとブラック用の作像ユニット21Kとの間に、再帯電手段である再帯電装置38を設けている。
このように再帯電装置38を設けることで、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cで、中間転写ベルト31上に転写され、各転写ニップ部の転写電界が作用して電荷量が低下した微帯電トナーや、極性が反転した逆帯電トナー自体を減らすことができる。
したがって、ブラック用の作像ユニット21Kよりも先に各カラー用の作像ユニット21から中間転写ベルト31上に転写されたトナーの、ブラック用の感光体ドラム1Kへの逆転写による異常画像の発生を抑制できる。
よって、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニット21Kをカラー用の各作像ユニット21よりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる複合機300を提供できる。
再帯電手段である再帯電装置38に関しては、オゾンの発生があるものの、コロナ放電方式を用いるものが再帯電効率が最もよい。
具体的には、コロナ放電方式の再帯電装置38のワイヤに−3〜−6KV程度印加して、中間転写ベルト31上に転写済みのトナーの帯電量[Q/M]を上げ、ブラック用の作像ユニット21Kでの逆転写を軽減させる。
このように構成することで、中間転写ベルト31上に1次転写された合成カラーのトナー像を乱すことなく、再帯電を行うことができる。したがって、トナー像を乱すことなく、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cから中間転写ベルト31上に転写されたトナー像の、微帯電、逆帯電トナーを減らし、ブラック用の作像ユニット21Kで逆転写が発生するのを抑制できる。
また、実施形態1の構成のようにカラー用の各作像ユニット21に、転写前露光手段であるPTLを設けていないので、転写電流の流れ込みに起因した残像や、トナー像が乱れによる異常画像が、PTLを用いることで生じ易くなるのを防げる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体ドラム1などの潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電ローラ2などの帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像装置5などの現像手段とを有した各作像ユニット21などの複数の作像ユニットと、各作像ユニットの前記潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31などの被転写体に、それぞれ転写する1次転写ローラ37などの転写手段と、を備えたタンデム方式の複合機300などの画像形成装置において、作像ユニット21Kなどのブラックに対応するブラック用の作像ユニットには、該ブラック用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Kなどの潤滑剤塗布手段を有しており、作像ユニット21Y,M,Cなどのカラーに対応するカラー用の作像ユニットには、各カラー用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有さず、且つ、カラー用の作像ユニットの内、少なくともいずれか一の作像ユニットには、感光体ドラム1Y,M,Cなどの潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する前に、潜像担持体を露光するPTL15Y,M,Cなどの転写前露光手段を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1で説明したように、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、ブラック用の作像ユニット21Kなどの前記ブラック用の作像ユニットの感光体ドラム1Kなどの潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する1次転写電流などの転写電流をTk、カラー用の作像ユニット21Y,M,Cなどの前記カラー用の作像ユニットの感光体ドラム1Y,M,Cなどの潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する1次転写電流などの転写電流をTcolとすると、Tk≧Tcolの条件が成り立つことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1で説明したように、PTLなどの転写前露光手段を用いることで、カラー用の転写電流をブラック用の転写電流以下に下げ、潤滑剤塗布を行っていないカラー用の潜像担持体への転写電流の流れ込みを軽減できる。したがって、カラー用の作像ユニットでの残像の発生を低減きる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、PTLなどの前記転写前露光手段により、作像ユニット21Y,M,Cなどの前記カラー用の作像ユニットの感光体ドラム1Y,M,Cなどの潜像担持体を露光する露光量などの光量を、前記カラー用の作像ユニットの潜像担持体の走行距離によって変えることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1で説明したように、カラー用の作像ユニットの利用初期では、転写前露光手段の光量を下げてカラー用の潜像担持体の寿命を延ばし、経時では、転写前露光手段の光量を上げて逆転写や残像の異常画像が発生するのを抑制できる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、PTL15Y,M,Cなどの前記転写前露光手段により、作像ユニット21Y,M,Cなどの前記カラー用の作像ユニットの感光体ドラム1Y,M,Cなどの潜像担持体を露光する光量を、前記カラー用の作像ユニットを用いた印字枚数によって変えることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1で説明したように、カラー用の作像ユニットの利用初期では、転写前露光手段の光量を下げてカラー用の潜像担持体の寿命を延ばし、経時では、転写前露光手段の光量を上げて逆転写や残像の異常画像が発生するのを抑制できる。
(態様E)
感光体ドラム1などの潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電ローラ2などの帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像装置5などの現像手段とを有した複数の作像ユニットと、各作像ユニットの潜像担持体上に形成された各トナー像が1次転写される中間転写ベルト31などの中間転写体と、各潜像担持体上に形成された各トナー像を前記中間転写体にそれぞれ転写する1次転写ローラ37などの1次転写手段と、を備えたタンデム方式の複合機300などの画像形成装置において、作像ユニット21Kなどのブラックに対応するブラック用の作像ユニットは、該ブラック用の作像ユニットに有した感光体ドラム1Kなどの潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Kなどの潤滑剤塗布手段を有し、前記中間転写体上に配置される作像ユニット21Y,M,Cなどのカラーに対応するカラー用の作像ユニットと前記ブラック用の作像ユニットとの間に、前記中間転写体上のトナー像を再帯電させる再帯電装置38などの再帯電手段を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態2で説明したように、タンデム方式の画像形成装置であって、ブラック用の作像ユニットをカラー用の作像ユニットよりも長寿命化しつつ、トナー像の逆転写による異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供できる。
(態様F)
(態様E)において、再帯電装置38などの前記再帯電手段はコロナ放電方式などのコロナ放電を用いることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態2で説明したように、中間転写ベルト31などの被転写体上に1次転写などの転写された合成カラーのトナー像などのトナー像を乱すことなく、再帯電を行うことができる。したがって、トナー像を乱すことなく、作像ユニット21Y,M,Cなどのカラー用の作像ユニットから被転写体上に転写されたトナー像の、微帯電、逆帯電トナーを減らし、作像ユニット21Kなどのブラック用の作像ユニットで逆転写が発生するのを抑制できる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様H)のいずれかにおいて、作像ユニット21Kなどの前記ブラック用の作像ユニットに有した帯電ローラ2Kなどの帯電手段は非接触方式であり、作像ユニット21Y,M,Cなどの前記カラー用の作像ユニットに有した帯電ローラ2Y,M,Cなどのなどの帯電手段は接触方式であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1(及び実施形態2)で説明したように、ブラック用の感光体ドラム1Kなどの潜像担持体には潤滑剤の塗布を行うので、ブラック用の帯電手段は潜像担持体に対し非接触方式である方が汚れずに長寿命化できる。一方、カラー用の潜像担持体には潤滑剤塗布を行わないので、カラー用の帯電手段は接触方式で帯電を行う方が、一様帯電を行う際の帯電電流を下げることができる。したがって、各作像ユニットの帯電装置の最適化が行える。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、作像ユニット21Kなどの前記ブラック用の作像ユニットは、作像ユニット21Y,M,C,Kなどの複数の作像ユニットの内、最後に感光体ドラム1Kなどの潜像担持体上のトナー像を前記被転写体上に転写する作像ユニットであることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1(及び実施形態2)で説明したように、ブラック用の作像ユニットで逆転写が生じても、用紙Pなどの記録媒体上に形成される画像上で目立たないようにでき、記録媒体上に形成する画像品質を向上させることができる。
(態様I)
(態様A)乃至(態様H)のいずれかにおいて、作像ユニット21Y,M,C,Kなどの前記作像ユニットに有した各構成要素の内、感光体ドラム1Y,M,C,Kなどの潜像担持体と、少なくともいずれかの構成要素とを一体に保持し、装置本体100などの当該画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1(及び実施形態2)で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかと同様な効果を奏することができるとともに、各作像ユニットの交換を容易にできる複合機300などの画像形成装置を提供できる。
(態様J)
感光体ドラム1などの潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電ローラ2などの帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像装置5などの現像手段とを有した作像ユニット21などの作像ユニットを複数備えた複合機300などの画像形成装置に用いられ、各作像ユニットを構成する各構成要素の内、前記潜像担持体と、少なくともいずれかの構成要素とを一体に保持し、装置本体100などの前記画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、当該プロセスカートリッジは、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの画像形成装置に用いられるものであることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態1(及び実施形態2)で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかと同様な効果を奏することができる画像形成装置の各作像ユニットの交換を容易にできるプロセスカートリッジを提供できる。
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 現像ローラ
4 ドクタブレード
5 現像装置
6 感光体クリーニングブレード
7 搬送コイル
8 感光体クリーニング装置
9 除電装置
10 潤滑剤塗布装置
11 塗布ブラシローラ
12 固形潤滑剤
13 加圧バネ
15 PTL
20 作像部
21 作像ユニット
22 光書込み装置
30 中問転写ユニット
31 中間転写ベルト
32,33 架張ローラ
34 2次転写ローラ
35 ベルトクリーニング装置
37 1次転写ローラ
38 再帯電装置
41 給紙カセット
42 給紙ローラ
43 レジストローラ対
44 排出ローラ対
45 排紙トレイ
51 定着装置
61 トナーボトル
100 装置本体
200 スキャナ
300 複合機
L レーザ光
P 用紙
特開2010−134271号公報

Claims (10)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像手段とを有した複数の作像ユニットと、各作像ユニットの前記潜像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に、それぞれ転写する転写手段と、を備えたタンデム方式の画像形成装置において、
    ブラックに対応するブラック用の作像ユニットには、該ブラック用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有しており、
    カラーに対応するカラー用の作像ユニットには、各カラー用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有さず、
    且つ、カラー用の作像ユニットの内、少なくともいずれか一の作像ユニットには、潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する前に、潜像担持体を露光する転写前露光手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記ブラック用の作像ユニットの潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する転写電流をTk、前記カラー用の作像ユニットの潜像担持体上に形成されたトナー像を前記被転写体に転写する転写電流をTcolとすると、Tk≧Tcolの条件が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記転写前露光手段により、前記カラー用の作像ユニットの潜像担持体を露光する光量を、前記カラー用の作像ユニットの潜像担持体の走行距離によって変えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の画像形成装置において、
    前記転写前露光手段により、前記カラー用の作像ユニットの潜像担持体を露光する光量を、前記カラー用の作像ユニットを用いた印字枚数によって変えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像手段とを有した複数の作像ユニットと、各作像ユニットの潜像担持体上に形成された各トナー像が1次転写される中間転写体と、各潜像担持体上に形成された各トナー像を前記中間転写体にそれぞれ転写する1次転写手段と、を備えたタンデム方式の画像形成装置において、
    ブラックに対応するブラック用の作像ユニットは、該ブラック用の作像ユニットに有した潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を有し、
    前記中間転写体上に配置されるカラーに対応するカラー用の作像ユニットと前記ブラック用の作像ユニットとの間に、前記中間転写体上のトナー像を再帯電させる再帯電手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、
    前記再帯電手段はコロナ放電を用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一に記載の画像形成装置において、
    前記ブラック用の作像ユニットに有した帯電手段は非接触方式であり、前記カラー用の作像ユニットに有した帯電手段は接触方式であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一にに記載の画像形成装置において、
    前記ブラック用の作像ユニットは、複数の作像ユニットの内、最後に潜像担持体上のトナー像を前記被転写体上に転写する作像ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一に記載の画像形成装置おいて、
    前記作像ユニットに有した各構成要素の内、潜像担持体と、少なくともいずれかの構成要素とを一体に保持し、当該画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を所定の極性に帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面に形成された潜像を現像してトナー像化する現像手段とを有した作像ユニットを複数備えた画像形成装置に用いられ、各作像ユニットを構成する各構成要素の内、前記潜像担持体と、少なくともいずれかの構成要素とを一体に保持し、前記画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    当該プロセスカートリッジは、請求項1乃至8のいずれか一に記載された画像形成装置に用いられるものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016085302A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2020126135A (ja) * 2019-02-04 2020-08-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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