JP5790962B2 - 潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに設置される潤滑剤供給装置と、プロセスカートリッジと、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
詳しくは、転写工程後の感光体ドラム上に残留する未転写トナーは、感光体ドラムに当接するクリーニングブレード(クリーニング装置)によってすべて除去されるべきものである。しかし、感光体ドラムとの摩擦によってクリーニングブレードの当接部に欠け(欠損)が生じた場合には、未転写トナーが欠損したクリーニングブレードと感光体ドラムとの隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じてしまっていた。
このような問題に対して、感光体ドラム上に潤滑剤を塗布することで、感光体ドラム上の摩擦係数が低下してクリーニングブレードの磨耗・欠損や感光体ドラムの劣化が低減されて、経時におけるクリーニング不良の発生を抑止することができる。
具体的に、特許文献1、2において、潤滑剤塗布装置は、感光体ベルト(像担持体)に摺接するブラシローラ(潤滑剤供給ローラ)、ブラシローラに当接する固形潤滑剤、固形潤滑剤をブラシローラに向けて圧接方向に付勢する圧縮スプリング、等で構成される。そして、所定方向に回転するブラシローラによって固形潤滑剤から潤滑剤が徐々に削り取られて、ブラシローラによって削り取られて搬送された潤滑剤が像担持体の表面に塗布(供給)される。
このような潤滑剤供給装置では、経時において固形潤滑剤の消費が進んで固形潤滑剤の厚さが薄くなってくると、それに応じて固形潤滑剤を付勢する圧縮スプリングの使用長が長くなってしまい、ブラシローラに対する固形潤滑剤の圧接力の低下にともない像担持体上への潤滑剤供給量が不足してしまう問題が知られている。
これに対して、特許文献3等には、潤滑剤供給装置において経時に潤滑剤供給量が不足してしまう上記不具合を解決するために、固形潤滑剤を押圧する1対の押圧部材(回動部材)をそれぞれ幅方向の離れた位置に設けて、固形潤滑剤の消費にともない1対の押圧部材を引張スプリングの付勢力によって同時に回動させることで固形潤滑剤をブラシローラに均一な力で圧接させる技術が開示されている。
また、このような潤滑剤供給装置では、画像形成装置における累積プリント枚数や累積動作時間に基いて、固形潤滑剤の交換時期を判断して、固形潤滑剤の交換(メンテナンス)をおこなうことが多かった。
一方、特許文献2には、固形潤滑剤を保持するホルダ(保持部材)が一定以上変位した状態をプッシュスイッチで検知して、固形潤滑剤がなくなったことを検知して、その検知結果に基いて固形潤滑剤の交換(メンテナンス)をおこなう技術が開示されている。
上述した特許文献3等の潤滑剤供給装置は、経時において潤滑剤供給量が不足してしまう不具合を解決する効果が充分に期待できる。
しかし、特許文献3等の潤滑剤供給装置は、画像形成装置における累積プリント枚数や累積動作時間に基いて固形潤滑剤の消費の程度を判断しているため、固形潤滑剤の交換時期を正確に検知することができなかった。これは、画像形成装置におけるプリント動作の差異(例えば、1枚のみのプリント時と連続プリント時との差異である。)や固形潤滑剤自体の差異等によって、固形潤滑剤の消費の程度が異なるためである。そのため、固形潤滑剤の交換時期を早めに検知してしまった場合には使用可能な固形潤滑剤を交換してしまう不具合が生じて、固形潤滑剤の交換時期を遅めに検知してしまった場合には像担持体上に供給する潤滑剤が不足してしまう不具合が生じていた。
また、特許文献2では、固形潤滑剤を保持するホルダが一定以上変位した状態をプッシュスイッチで検知して固形潤滑剤がなくなったことを検知しているものの、ホルダがプッシュスイッチを押圧するときにホルダに作用する反力が、ブラシローラに対する固形潤滑剤の圧接力を減ずる方向に作用するため、経時において潤滑剤供給量が不足してしまう不具合がさらに大きくなってしまう可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、経時においても像担持体に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に像担持体上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤の交換時期を正確に検知することができる、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる潤滑剤供給装置は、トナー像が担持される像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、所定方向に回転するとともに、前記像担持体に摺接する潤滑剤供給ローラと、前記潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤と、幅方向の離れた位置にそれぞれ回動可能に支持されて、カム形状部をそれぞれ有する1対の回動部材と、前記1対の回動部材を互いに異なる幅方向に回動させて前記固形潤滑剤を前記潤滑剤供給ローラに近づく方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記回動部材が所定の回動範囲を超える位置まで回動したときに生じる導線の電流変化によって前記固形潤滑剤の交換時期が検知されるものである。
また、請求項2記載の発明にかかる潤滑剤供給装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記付勢部材、前記1対の回動部材に連結されて、前記1対の回動部材の前記カム形状部被圧接部に圧接する部分同士のスパンが漸減するように前記1対の回動部材を回動させる引張スプリングとしたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる潤滑剤供給装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、前記固形潤滑剤が前記潤滑剤供給ローラに圧接する方向に移動できるように少なくとも前記保持部材を前記固形潤滑剤とともに収納するように形成されたケースと、を備え、前記1対の回動部材は、それぞれ、前記保持部材に支持され、前記固形潤滑剤の消費にともない前記保持部材が前記固形潤滑剤とともに前記潤滑剤供給ローラに近づく方向に移動するように前記付勢部材による付勢力によって回動して前記カム形状部が前記ケースに圧接するものである。
また、請求項4記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたものである。
また、請求項5記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、前記請求項4に記載の発明において、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング部を、前記潤滑剤供給装置に対して前記像担持体の回転方向上流側に備えたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記回動部材が所定の回動範囲を超える位置まで回動して前記固形潤滑剤の交換時期を検知したときに前記固形潤滑剤の交換を促す表示をする表示パネルを備えたものである。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
また、本願において、「幅方向」とは、記録媒体の搬送方向に対して直交する方向であって、像担持体における主走査方向と同じ方向であるものと定義する。
本発明は、固形潤滑剤を保持する保持部材に回動可能に支持された回動部材が所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより、固形潤滑剤の交換時期を検知している。これにより、経時においても像担持体に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に像担持体上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤の交換時期が正確に検知される、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部を示す構成図である。 固形潤滑剤が保持された状態の保持部材を示す概略斜視図である。 回動部材を示す側面図である。 潤滑剤供給装置の一部を拡大して示す正面図である。 固形潤滑剤の消費にともなう回動部材の動作を示す図である。 別形態の潤滑剤供給装置における、固形潤滑剤の消費にともなう回動部材の動作を示す図である。 この発明の実施の形態2における潤滑剤供給装置を示す図である。 図8の潤滑剤供給装置において、固形潤滑剤の交換時期を検知したときの状態を示す図である。 別形態の潤滑剤供給装置を示す図である。 この発明の実施の形態3における潤滑剤供給装置を示す正面図である。 図11の潤滑剤供給装置を幅方向に示す図である。 別形態の潤滑剤供給装置を示す正面図である。 この発明の実施の形態4における潤滑剤供給装置を示す正面図である。 図14の潤滑剤供給装置を幅方向に示す図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態1における画像形成装置1は、複数の作像部としてのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、3は原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、6は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、7は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する2次転写ローラ、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部、28は各プロセスカートリッジ(作像部)10Y、10M、10C、10BKの現像部に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電部12、現像部13(現像装置)、クリーニング部15(クリーニング装置)、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)が一体化されたものである(図2を参照できる。)。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKは、寿命に達したときに装置本体1に対して交換される。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に向けて照射される。
一方、4つの感光体ドラム11は、それぞれ、図の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12a(帯電部12)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー(不図示である。)により、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12aにて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目(中間転写ベルト17の走行方向に対して最も下流側であ
る。)のプロセスカートリッジ10BK(黒色用作像部)の感光体ドラム11表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11表面は、潤滑剤供給装置16の位置と除電部(不図示である。)の位置とを順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト17表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ18の位置に達する。そして、2次転写ローラ18の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、2次転写ローラ18位置の記録媒体Pは、給紙部7から搬送ガイド、レジストローラ19等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20に導かれる。定着部20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、図2は黒色用作像部としてのプロセスカートリッジ10BK(モノクロ用のプロセスカートリッジ)を示す構成図である。モノクロ用のプロセスカートリッジ10BKと、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cと、は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、ほぼ同じ構成部材によって構成されているため、カラー用のプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cの図示と説明は適宜省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10BKには、像担持体としての感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電部12(帯電ローラ)と、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像部13と、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニング部15と、感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16と、が、ケースに一体的に収納されている。
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
帯電部12(帯電ローラ)は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。また、帯電部12(帯電ローラ)は、潤滑剤供給装置16によって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤が付着しないように、感光体ドラム11に対して非接触で対向するように配設されている。
そして、帯電部12には不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
現像部(現像装置)13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13b1と、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13b1に対向する第2搬送スクリュ13b2と、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13cと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤が担持されることになる。
現像部13内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
トナーは、画質向上のために、円形度が0.98以上の球形トナーを使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
球形トナーとしては、従来から広く用いられている粉砕法によって形状が歪な異形のトナー(粉砕トナー)を加熱処理等して球形化したものや、重合法により製造されたもの等を用いることができる。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード15aと感光体ドラム11との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態1では、潤滑剤供給装置16によって潤滑剤を感光体ドラム11表面に塗布して、感光体ドラム11上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
クリーニング部15は、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。クリーニング部15には、感光体ドラム11に当接するクリーニングブレード15a、クリーニング部15内に回収されたトナーを廃トナーとして廃トナー回収容器(不図示である。)に向けて搬送する搬送コイル15b、等が設置されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてクリーニング部15内に回収されることになる。ここで、感光体ドラム11上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、記録媒体P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12aによる放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。
潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接する潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d、等で構成される。なお、ブレード状部材16dは、潤滑剤供給ローラ16aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側の位置で感光体ドラム11に対してカウンタ方向に当接するように構成されている。
このように構成された潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11上に薄層化された潤滑剤が供給される。なお、潤滑剤供給装置16の構成・動作については、後で詳しく説明する。
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像部13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、キャリアとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤は、その後にドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤は、ドクターブレード13cの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤中のトナーが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーが潜像に付着する(トナー像が形成される)。
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11上に残存した未転写のトナーが、クリーニングブレード15aによってクリーニング部15内に回収される。
ここで、図示は省略するが、装置本体1に設けられたトナー補給部は、交換自在に構成されたボトル状のトナー容器28と、トナー容器28を保持・回転駆動するとともに現像部13に新品トナーを補給するトナーホッパ部と、で構成されている。また、トナー容器28内には、新品のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。また、トナー容器28(トナーボトル)の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
なお、トナー容器28内の新品トナーは、現像部13内のトナー(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像部13内に適宜に補給されるものである。図示は省略するが、現像部13内のトナーの消費は、感光体ドラム11に対向する反射型フォトセンサと、現像部13の第2搬送スクリュ23b2の下方に設置された磁気センサと、によって間接的又は直接的に検知される。
以下、本実施の形態1における、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)の構成・動作について詳しく説明する。
図2に示すように、潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接するブラシ毛が周設された潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化するブレード状部材16d(薄層化ブレード)、等で構成される。
ケース16fは、固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに圧接する方向に移動できるように(移動を妨げないように)、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納する略箱状部材であって、潤滑剤供給装置16(プロセスカートリッジ10BK)に固定されている。ケース16fは、固形潤滑剤16bや保持部材16cの圧接方向(固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aを圧接する方向である。)の移動を妨げない範囲で、それらの部材16b、16cとの隙間が比較的小さく設定されていて、潤滑剤供給ローラ16aに対して固形潤滑剤16bが傾いて圧接するのをある程度防止する。
潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)は、長さ(毛足)が0.2〜20mm(好ましくは、0.5〜10mm)の範囲のブラシ毛が基布上に植毛されたものを芯金上にスパイラル状に巻き付けたものである。
ブラシ毛の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム11との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤16bの掻取性や感光体ドラム11からのトナー除去性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤16bや感光体ドラム11に対する物理的な当接力が不足してしまう。したがって、ブラシ毛の長さは上述の範囲であることが好ましい。
潤滑剤供給ローラ16aは、図2の時計方向に回転する感光体ドラム11に対してカウンタ方向で接触するように回転する(図2の時計方向の回転である。)。また、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ毛)は、固形潤滑剤16bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ16aが回転することによって固形潤滑剤16bから潤滑剤を掻き取り、その掻き取った潤滑剤を感光体ドラム11との摺接位置まで搬送した後に、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布する。
固形潤滑剤16bの後方部には,潤滑剤供給ローラ16aと固形潤滑剤16bとの接触ムラをなくすために加圧機構16g、16hが配置されていて、保持部材16cに保持(貼着)された状態の固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢している。ここで、加圧機構は、保持部材16cに回動可能に支持された1対の回動部材16gと、1対の回動部材16gに連結された付勢部材としての引張スプリング16hと、で構成されているが、これについては後で詳しく説明する。
本実施の形態1では、固形潤滑剤16bを主としてステアリン酸亜鉛で形成している。詳しくは、固形潤滑剤16bは、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解したもので、塗りすぎによる副作用がなく、充分な潤滑性があるものが好適である。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム11表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム11表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム11表面を覆うことができる。
なお、固形潤滑剤16bとしては、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチュウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸基を有するものを用いることができる。また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、オレイン酸鉛、以下、ステアリン酸と同様の化合物や、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸バリウム、パルチミン酸鉛、以下、ステアリン酸と同様の化合物を使用して良い。他にも、脂肪酸基として、カプリル酸、リノレン酸、コリノレン酸等を使用することができる。さらに、カンデリラワックス、カンルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、おおば油、みつろう、ラノリン等のワックスを使用することもできる。これらは有機系の固形潤滑剤となりやすく、トナーとの相性が良い。
固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aを介して感光体ドラム11表面に塗布すると、感光体ドラム11表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、ブレード状部材16d(薄層化ブレード)が潤滑剤を均一化する部材として機能することになる。ブレード状部材16dにより、感光体ドラム11上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。
このとき、潤滑剤供給ローラ16aにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、ブレード状部材16dにより感光体ドラム11上に分子膜レベルで薄膜化される。
以下、本実施の形態1において特徴的な、潤滑剤供給装置16の構成・動作について詳述する。
図3を参照して、本実施の形態1における潤滑剤供給装置16において、固形潤滑剤16bは、保持部材16cに貼着され保持されている。具体的に、保持部材16cと固形潤滑剤16bとの間に両面テープや接着剤等が介在されて、保持部材16cは固形潤滑剤16bを貼着して保持することになる。ここで、保持部材16cは、コの字状に曲げ加工された板金であって、その両側面に回動部材16gを保持するための複数の穴部16c2(軸受部)が形成されている。
ここで、図3、図4(A)、図6等を参照して、保持部材16cには、幅方向(図2の紙面垂直方向であって、図6の左右方向である。)の離れた位置に、1対の回動部材16g(押圧部材)がそれぞれ回動可能に支持されている。この1対の回動部材16gは、引張スプリング16h(付勢部材)による付勢力によってそれぞれ所定方向に回動して保持部材16cを介して固形潤滑剤16bを間接的に押圧して、固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに圧接させるものである。
詳しくは、図4(A)、図5を参照して、回動部材16gの両側面には、回動中心となる支軸16g1(軸部)が形成されている。そして、この回動部材16gの支軸16g1が、保持部材16cの穴部16c2に挿着されて、回動部材16gが保持部材16cに回動可能に保持されることになる。なお、2つの回動部材16cは、それぞれ、図3及び図6に示すように、幅方向において左右対称になるように保持部材16cに設置される。
また、図3、図6等を参照して、1対の回動部材16gは、付勢部材としての引張スプリング16hで連結されている。詳しくは、引張スプリング16hの両端のフック部が、それぞれ、回動部材16gの穴部16g4(図4(A)を参照できる。)に接続されている。
そして、この引張スプリング16hは、ケース16fに圧接するように1対の回動部材16gを互いに異なる方向に回動させて保持部材16cを潤滑剤供給ローラ16aに近づく方向に付勢する付勢部材として機能することになる。具体的に、引張スプリング16h(付勢部材)は、1対の回動部材16gがケース16fに圧接するカム形状部16g2の部分同士のスパンが漸減するように、1対の回動部材16gを回動させる。
すなわち、2つの回動部材16gは、ケース16fの内壁面に当接するカム形状部16g2(図4(A)等を参照できる。)が互いに近づく方向のスプリング力(付勢力)を引張スプリング16hから受ける。これにより、図6の左方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、図6の反時計方向に回動するように付勢される。これに対して、図6の右方の回動部材16gは、支軸16g1を回動中心として、図6の時計方向に回動するように付勢される。
さらに詳しくは、図6(A)〜(C)に示すように、画像形成装置1における累積稼働時間の増加とともに、固形潤滑剤16bは、潤滑剤供給ローラ16aへの潤滑剤供給によって徐々に消費されて、その厚さ(潤滑剤供給ローラ16aへの圧接方向の厚さである。)が薄くなっていく。そして、一対の回動部材16gは、それぞれ、こうした固形潤滑剤16bの消費(薄肉化)にともない、引張スプリング16hによる付勢力によって上述した方向に回動することになる。
換言すると、一対の回動部材16gに形成されたカム形状部16g2は、それぞれ、固形潤滑剤16bの消費にともない保持部材16cが固形潤滑剤16bとともに潤滑剤供給ローラ16aに近づく方向に移動するように引張スプリング16hによる付勢力によって回動してケース16fに圧接することになる。
このように1対の回動部材16gが回動するとき、その回動(固形潤滑剤16bの消費)にともない、回動部材16g(カム形状部16g2)がケース16fに当接する位置(作用点)と支軸16g1(支点)とを結ぶ仮想線分と、保持部材16c(固形潤滑剤16b)が移動する圧接方向の仮想直線と、がなす回動方向の角度が漸減することになる。また、回動(固形潤滑剤16bの消費)にともない、引張スプリング16hの付勢力を受け
る回動部材16gの位置(力点)と支軸16g1(支点)とを結ぶ仮想線分と、引張スプリング16hの付勢力が作用する付勢方向の仮想直線と、がなす回動方向の角度が漸増することになる。
ここで、本実施の形態1では、上述したように1対の回動部材16gが回動して双方のスパンが所定値以下になったとき(回動部材16gが所定の回動範囲を超えたとき)に、1対の回動部材16gのうち一方の回動部材16gと引張スプリング16hとの連結が解除されるように形成されている。
具体的に、図4に示すように、1対の回動部材16gのうち一方の回動部材16gに、穴部16g4(引張スプリング16hのフック部を接続するための穴部である。)に繋がる切欠16g5が形成されている。これにより、図4(A)、図6(A)、(B)に示すように、回動部材16gが所定の回動範囲に達するまでは、回動部材16gの穴部16g4に引張スプリング16hのフック部が接続された状態(引張スプリング16hが連結された状態)が維持される。これに対して、図4(B)、図6(C)に示すように、回動部材16gが所定の回動範囲を超えると、切欠16g5の位置が引張スプリング16hの付勢方向に一致して、回動部材16gの穴部16g4から切欠16g5を介して引張スプリング16hのフック部が外れた状態(引張スプリング16hの連結が解除された状態)になる。なお、図示は省略するが、1対の回動部材16gのうち、もう一方の回動部材16gには、穴部16g4に切欠16g5は設けられていない。
このように、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落したとき、固形潤滑剤16bは充分に消費されて薄肉化した状態(交換メンテナンスが必要な状態)になっている。逆に言うと、固形潤滑剤16bが充分に消費されて薄肉化した状態(交換メンテナンスが必要な状態)に合わせて、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落するように、回動部材16gにおける切欠16g5の位置が定められている。このようなメカニズムが成立するのは、回動部材16gの回動方向の姿勢(回動角度)と、固形潤滑剤16bの肉厚(消費量)と、に相関があることによるものである。すなわち、回動部材16gの回動角度(初期状態からの回動角度)が大きくなるにつれて、固形潤滑剤16bの肉厚が比例的に小さくなることになる。
そして、本実施の形態1では、回動部材16gが所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより固形潤滑剤16bの交換時期を検知する検知手段を設けている。詳しくは、検知手段は、回動部材16gと引張スプリング16hとの連結が解除された状態(図4(B)、図6(C)の状態である。)を検知することになる。
具体的に、図6を参照して、本実施の形態1では、潤滑剤供給ローラ16a
を駆動する駆動モータ30に供給される電流値の変化を検知する電流検知部31が設けられている。そして、この電流検知部31が、回動部材16gと引張スプリング16hとの連結が解除された状態を検知する検知手段として機能することになる。すなわち、図6(C)のように、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落したときには、その直前の状態(脱落していない状態)に比べて、固形潤滑剤16bに対する回動部材16gの押圧力が激減して、潤滑剤供給ローラ16aを回転駆動するための負荷も激減するため、電流検知部31で検知される電流値が著しく低下することになる。このように電流検知部31にて検知される電流値が大きく減少するタイミングを検知することで、固形潤滑剤16bの交換時期(固形潤滑剤16bが薄肉化して、回動部材16gと引張スプリング16hとの連結が解除された状態)が検知されることになる。
以下、図6(A)〜(C)を用いて、固形潤滑剤16bの消費(薄肉化)にともなう回動部材16gの動作について詳述する。
まず、図6(A)に示すように、新品状態の固形潤滑剤16b(保持部材16cに貼着・保持された状態のものである。)が潤滑剤供給装置16(装置本体1)にセットされると、1対の回動部材16gのカム形状部16g2のスパン(ケース16fとの2つの圧接部同士間の幅方向の距離である。)が最長となる状態で、保持部材16c(加圧機構16g、16h)によって固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに圧接する。そして、この状態で、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給ローラ16a)による感光体ドラム11上への潤滑剤の供給が開始される。なお、支軸16g1がスライド移動できるように穴部16c2を長穴とするとともに、回動部材16gの押圧部16g3(図4(A)を参照できる。)が保持部材16cの内部の天井面を押圧するように構成することもできる。
その後、図6(B)に示すように、経時において、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給ローラ16a)による感光体ドラム11上への潤滑剤の供給が進められると、1対の回動部材16gのカム形状部16g2のスパンが徐々に漸減して、その状態で保持部材16c(加圧機構16g、16h)によって固形潤滑剤16bが潤滑剤供給ローラ16aに圧接する。
そして、最終的に、図6(C)に示すように、潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給ローラ16a)による感光体ドラム11上への潤滑剤の供給がさらに進められて、固形潤滑剤16bの肉厚が僅かになった状態で、一方の回動部材16gから引張スプリング16hが脱落して、そのときの負荷変動を電流検知部31が検知する。そして、このときの電流検知部31における検知に基いて、装置本体1における表示パネル(不図示である。)に固形潤滑剤16bの交換を促す旨の表示がされるとともに、画像形成装置1におけるその後の画像形成動作を中止するように制御する。そして、固形潤滑剤16bが保持部材16cと
ともに潤滑剤供給装置16(装置本体1)から取出されて、固形潤滑剤16bの交換メンテナンスがおこなわれることになる。
このように、本実施の形態1では、固形潤滑剤16bの肉厚(消費量)の変化にともない変化する回動部材16gの回動方向の位置(回動角度)を検知して、固形潤滑剤16bの消費の程度を判断しているため、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。すなわち、画像形成装置1におけるプリント動作の差異(例えば、1枚のみのプリントが多くされたり連続プリントが多くされたりする等の使用状況の差異である。)や固形潤滑剤16b自体の差異等に関係することなく、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。そのため、固形潤滑剤16bの交換時期を早めに検知してしまって使用可能な固形潤滑剤16bを無駄に交換してしまう不具合や、固形潤滑剤16bの交換時期を遅めに検知してしまって感光体ドラム11上に供給する潤滑剤が不足してしまう不具合を抑止することができる。
特に、本実施の形態1では、回動部材16gから引張スプリング16hを脱落させて潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの圧接力を低下させてしまっているものの、その直前までは潤滑剤供給ローラ16aに対する固形潤滑剤16bの圧接力を低下させることなく固形潤滑剤16bの交換時期を検知しているため感光体ドラム11上に供給する潤滑剤が不足して異常画像が生じてしまう不具合が抑止される。また、回動部材16gから引張スプリング16hを脱落させて固形潤滑剤16bの交換時期を検知した直後に画像形成動作を中止しているために、感光体ドラム11上に供給する潤滑剤が不足して異常画像が生じてしまう不具合は抑止されることになる。
なお、本実施の形態1では、2つの回動部材16gのうち一方の回動部材16gの側で引張スプリング16hが脱落するように構成したが、2つの回動部材16gの双方の側で引張スプリング16hが脱落するように構成することもできる。
また、駆動モータ30は、潤滑剤供給ローラ16aを単独で駆動するものであってもよいし、感光体ドラム11等の他の回転部材とともに潤滑剤供給ローラ16aを駆動するものであってもよい。そして、いずれの場合であっても、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落した際の負荷変動を電流検知部31(検知手段)で確実に検知することができる。
なお、本実施の形態1では、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落した状態を電流検知部31によって検知した。
これに対して、引張スプリング16hと1対の回動部材16gとを、いずれも、金属材料等の導電性材料で形成して、1対の回動部材16g同士が導通状態から非導通状態に変化する状態を検知することにより、回動部材16gから引張スプリング16hが脱落した状態を検知することもできる。
具体的に、図7に示すように、ケース16fの底面には、2つの回動部材16gのカム形状部16g2が圧接する部分に、それぞれ金属パッド36が設置されている。さらに、その2つの金属パッド36の間の導通状態を検知する導通検知部35が設置されている。そして、図7(A)、(B)のように回動部材16gに引張スプリング16hが連結されている状態では、2つの金属パッド36の間が、導電性材料で形成された2つの回動部材16gと引張スプリング16hとを介して導通状態であることが導通検知部35によって検知される。これに対して、図7(C)のように回動部材16gに引張スプリング16hが連結されていない状態では、2つの金属パッド36の間の導通経路が遮断されて非導通状態であることが導通検知部35によって検知される。なお、導通検知部35としては、例えば、2つの金属パッド36の間に微電流を一方向に流して、その電流が正常に流れているか否かを検知するものを用いることができる。また、図7(A)〜(C)に示した回動部材16gの動作は、先に説明した図6(A)〜(C)に対応するものであるので、その詳細説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16cに回動可能に支持された回動部材16gが所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより、固形潤滑剤16bの交換時期を検知している。これにより、経時においても感光体ドラム11(像担持体)に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に感光体ドラム11上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。
実施の形態2.
図8〜図10にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における潤滑剤供給装置16を示す図であって、前記実施の形態1における図6(A)に相当する図である。図9は、固形潤滑剤16bの交換時期を検知したときの状態を示す図であって、前記実施の形態1における図6(C)に相当する図である。さらに、図10は、変形例として別形態の潤滑剤供給装置16を示す図であって、前記実施の形態1における図6(A)に相当する図である。
本実施の形態2における潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤の交換時期を検知する検知手段の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2における潤滑剤供給装置16も、前記実施の形態1のものと同様に、固形潤滑剤16b、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、等で構成される。
ここで、図8を参照して、本実施の形態2における潤滑剤供給装置16は、回動部材16gのカム形状部16g2が、金属材料等の導電性材料で形成されている。また、本実施の形態2における回動部材16gには、前記実施の形態1のものとは異なり、穴部16g4に切欠16g5は形成されていない。すなわち、本実施の形態2では、回動部材16gが所定の回動範囲を超えても引張スプリング16hの脱落が生じないように構成されている。このことは、後述する実施の形態3、4においても同様である。
また、本実施の形態2における潤滑剤供給装置16は、ケース16fにおいて、回動部材16gのカム形状部16g2が圧接する位置に電極部45、47、48が設けられている。特に、一方の回動部材16g(図8の右方の回動部材16gである。)の側には、カム形状部16g2が回動する方向に沿うように2つの電極部47、48が設置されている。この2つの電極部47、48は、その境界部分が絶縁されている。
さらに、これらの電極部45、47、48と、2つのカム形状部16g2と、電源部40と、ヒューズ41と、が接続された電気回路(図8中の破線で示す回路である。)が形成されている。そして、この電気回路は、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えてカム形状部16g2が2つの電極部47、48のうち1つの電極部47に圧接したときに、電気回路における電気抵抗が減少してヒューズ41に流れる電流が増大するように形成されている。すなわち、この電気回路は、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えずにカム形状部16g2が第1の電極部48に接しているとき(図8の状態である。)には所定の抵抗42を介して大きな電流が流れずに、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えてカム形状部16g2が第2の電極部47に接しているとき(図9の状態であって、固形潤滑剤16gの交換時期に対応するように設定されている。)には所定の抵抗42を介することなく大きな電流(過電流)が流れるように構成されている。そして、図9の状態で電気回路中に過電流が流れたときに、ヒューズ41が切れた状態になり、その状態を電源部40に内蔵された電流検知部が検知することで、固形潤滑剤16bの交換時期を判断することになる。すなわち、本実施の形態2では、固形潤滑剤16bの交換時期
を検知する検知手段は、電気回路に設置されたヒューズ41が切れた状態を検知することになる。
なお、本実施の形態2では、ヒューズ41をケース16fに設置したが、図10に示すように、ヒューズ41を保持部材16cに設置することもできる。その場合、固形潤滑剤16bの交換メンテナンス時において、ヒューズ41が保持部材16cとともに装置本体1(潤滑剤供給装置16)から取出されることになるため、ヒューズ41の交換メンテナンスの作業性も向上することになる。
また、本実施の形態2では、電気回路を流れる電流を可変するために2つの電極部47、48を設置したが、3つ以上の電極部を設置して電気回路を流れる電流を段階的に可変することもできる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16cに回動可能に支持された回動部材16gが所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより、固形潤滑剤16bの交換時期を検知している。これにより、経時においても感光体ドラム11(像担持体)に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に感光体ドラム11上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。
実施の形態3.
図11〜図13にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図11(A)は、実施の形態3における潤滑剤供給装置16を示す正面図であって、前記実施の形態1における図5に相当する図である。図11(B)は、図11(A)の潤滑剤供給装置16において固形潤滑剤16bの交換時期を検知したときの状態を示す正面図である。また、図12(A)は図11(A)の状態にある潤滑剤供給装置16を幅方向にみた図であり、図12(B)は図11(B)の状態にある潤滑剤供給装置16を幅方向にみた図である。さらに、図13は変形例として別形態の潤滑剤供給装置16を示す正面図であって、図13(A)が本実施の形態3における図11(A)に相当する図であり、図13(B)が本実施の形態3における図11(B)に相当する図である。
本実施の形態3における潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤の交換時期を検知する検知手段の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態3における潤滑剤供給装置16も、前記各実施の形態のものと同様に、固形潤滑剤16b、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、等で構成される。
ここで、図11、図12を参照して、本実施の形態3における潤滑剤供給装置16は、ケース16fに、回動部材16gの両側面にそれぞれ対向するように(回動部材16gを挟むように)、凹状部16f1(ガイド部)が形成されている。さらに、その凹状部16f1には、それぞれの対向面の間に、導線54(線状の導電体)が張架されている。この導線54としては、銅、ニッケル、又は、それらの合金等の金属材料で形成されたものや、その表面に非導電材料が被覆されたものや、湿潤木綿や炭素材等の非金属材料で形成されたもの、等を用いることができる。そして、図11に示すように、導線54は、電源部50や電流検知部51を有する電気回路(図中の破線で示す回路である。)に接続されている。
そして、この導線54は、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えたときに、カム形状部16g2に接触して破断(断線)するように形成されている。すなわち、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えずにカム形状部16g2が導線54に接していない(又は、軽接触している)とき(図11(A)、図12(A)の状態である。)には導線54が断線せずに電気回路に電流が流れて、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えてカム形状部16g2が導線54に接する(又は、強く接触する)とき(図11(B)、図12(B)の状態であって、固形潤滑剤16gの交換時期に対応するように設定されている。)には導線54が断線して電気回路に電流が流れないように構成されている。そして、図11(B)、図12(B)のように導線54が破断したときに、電気回路に電流が流れない状態になり、その状態を電流検知部51が検知することで、固形潤滑剤16bの交換時期を判断することになる。すなわち、本実施の形態3では、固形潤滑剤16bの交換時期を検知する検知手段は、回動部材16gが所定の回動範囲を超えて導線54を破断したときに電気回路に流れる電流の変化を検知することになる。
ここで、上述したように導線54の破断を確実におこなうために、カム形状部16g2にナイフエッジ部を設けたり、カム形状部16g2を高硬度材料で形成したりすることが好ましい。
なお、本実施の形態3において、ケース16fに設けた凹状部16f1は、保持部材16cに回動可能に支持された1対の回動部材16gの面倒れを防止するガイド部としても機能する。
すなわち、凹状部16f1は、回動部材16gを挟むように、回動部材16gの両側面にそれぞれ対向するように形成されているため、回動部材16gが凹状部16f1にガイドされるように回動することになる。このような構成により、回動部材16gに面倒れ(図11において、回動部材16gが時計方向又は反時計方向に傾斜する現象である。)が生じる不具合が確実に抑止されることになる。
なお、本実施の形態3では、ケース16fの凹状部16f1に導線54を設けたが、図13に示すように、ケース16fの凹状部16f1の同じ位置にフォトセンサ55(発光素子55aと受光素子55bとからなる。)を設けることもできる。
具体的に、図13に示すように、ケース16fの凹状部16f1には、一方の対向面に発光素子55aが設置され、他方の対向面に受光素子55bが設置されている。そして、回動部材16gが所定の回動範囲を超えずにカム形状部16g2によって発光素子55aから射出される光が遮られないとき(図13(A)の状態である。)には受光素子55bが受光して、回動部材16gが所定の回動範囲を超えてカム形状部16g2によって発光素子55aから射出される光が遮られるとき(図13(B)の状態であって、固形潤滑剤16gの交換時期に対応するように設定されている。)には受光素子55bが受光しないように構成されている。そして、図13(B)のように回動部材16gが所定の回動範囲を超えた状態を、凹状部16f1の位置でフォトセンサ55(検知手段)が光学的に検知することで、固形潤滑剤16bの交換時期を判断することになる。
以上説明したように、本実施の形態3においても、前記各実施の形態と同様に、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16cに回動可能に支持された回動部材16gが所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより、固形潤滑剤16bの交換時期を検知している。これにより、経時においても感光体ドラム11(像担持体)に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に感光体ドラム11上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。
実施の形態4.
図14及び図15にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図14(A)は、実施の形態4における潤滑剤供給装置16を示す正面図であって、前記実施の形態3における図11(A)に相当する図である。図14(B)は、図14(A)の潤滑剤供給装置16において固形潤滑剤16bの交換時期を検知したときの状態を示す正面図であって、前記実施の形態3における図11(B)に相当する図である。また、図15(A)は図14(A)の状態にある潤滑剤供給装置16を幅方向にみた図であり、図15(B)は図14(B)の状態にある潤滑剤供給装置16を幅方向にみた図である。
本実施の形態4における潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤の交換時期を検知する検知手段の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態4における潤滑剤供給装置16も、前記各実施の形態のものと同様に、固形潤滑剤16b、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16c、保持部材16cを固形潤滑剤16bとともに収納するケース16f、保持部材16cとともに固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する回動部材16g及び引張スプリング16h(加圧機構)、等で構成される。
また、図14、図15を参照して、本実施の形態4における潤滑剤供給装置16にも、前記実施の形態3のものと同様に、導線57が設置されている。
ここで、本実施の形態4では、導線57が、ケース16fと回動部材16gとの間に、所定のテンションで接続されている。そして、この導線57は、図14に示すように、電源部50や電流検知部51を有する電気回路(図中の破線で示す回路である。)に接続されている。
そして、この導線57は、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えたときに、そのテンションが許容値を超えて破断(断線)するように形成されている。すなわち、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えずに導線57のテンションが低いとき(図14(A)、図15(A)の状態である。)には導線57が断線せずに電気回路に電流が流れて、右方の回動部材16gが所定の回動範囲を超えて導線57のテンションが許容値を超えたとき(図14(B)、図15(B)の状態であって、固形潤滑剤16gの交換時期に対応するように設定されている。)には導線57が断線して電気回路に電流が流れないように構成されている。そして、図14(B)、図15(B)のように導線57が破断したときに、電気回路に電流が流れない状態になり、その状態を電流検知部51が検知することで、固形潤滑剤16bの交換時期を判断することになる。すなわち、本実施の形態4では、固形潤滑剤16bの交換時期を検知する検知手段は、回動部材16gが所定の回動範囲を超えて導線57を破断したときに電気回路に流れる電流の変化を検知することになる。
以上説明したように、本実施の形態4においても、前記各実施の形態と同様に、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16cに回動可能に支持された回動部材16gが所定の回動範囲を超える位置まで回動したことを検知することにより、固形潤滑剤16bの交換時期を検知している。これにより、経時においても感光体ドラム11(像担持体)に供給する潤滑剤が不足することなく、常に安定して均一に感光体ドラム11上に潤滑剤を供給することができて、固形潤滑剤16bの交換時期を正確に検知することができる。
なお、前記各実施の形態では、作像部における各部(感光体ドラム11、帯電部12、現像部13、クリーニング部15、潤滑剤供給装置16である。)を一体化してプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、作像部における各部11、12、13、15、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、前記各実施の形態では、中間転写ベルト17を用いたタンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用した。これに対して、転写搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置(転写搬送ベルトに対向するように並設された複数の感光体ドラム上のトナー像を、転写搬送ベルトによって搬送される記録媒体上に重ねて転写する装置である。)や、モノクロ画像形成装置等、その他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16に対して本発明を適用したが、感光体ドラム11以外の像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置(例えば、中間転写ベルト17に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置である。)に対しても当然に本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、前記各実施の形態と同様に検知手段を設けることで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aとしてブラシ毛が周設されたブラシ状ローラを用いたが、潤滑剤供給ローラ16aとしてスポンジ状部材(弾性材料)が
周設されたスポンジ状ローラを用いることもできる。そして、このような場合であっても、前記各実施の形態と同様に検知手段を設けることで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、固形潤滑剤16bとともに保持部材16cを収納するようにケース16fを構成したが、その他の部材をも収納するようにケースを構成することもできる。例えば、潤滑剤供給装置16全体の筐体ケース(ハウジング)として、ケースを構成してもよい。そして、このような場合であっても、前記各実施の形態と同様に検知手段を設けることで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
15 クリーニング部、
16 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給部)、
16a 潤滑剤供給ローラ(ブラシ状ローラ)、
16b 固形潤滑剤、
16c 保持部材、
16f ケース、
16f1 凹状部(ガイド部)、
16g 回動部材(押圧部材)、
16g1 支軸(回動中心)、
16g2 カム形状部、
16h 引張スプリング(付勢部材)、
30 駆動モータ、
31、51 電流検知部(検知手段)、
35 導通検知部(検知手段)、
36 金属パッド、
41 ヒューズ、
54、57 導線、
55 フォトセンサ(検知手段)。
特開2001−305907号公報 特許第3406099号公報 特開2007−293240号公報

Claims (7)

  1. トナー像が担持される像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置であって、
    所定方向に回転するとともに、前記像担持体に摺接する潤滑剤供給ローラと、
    前記潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤と、
    幅方向の離れた位置にそれぞれ回動可能に支持されて、カム形状部をそれぞれ有する1対の回動部材と、
    前記1対の回動部材を互いに異なる幅方向に回動させて前記固形潤滑剤を前記潤滑剤供給ローラに近づく方向に付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記回動部材が所定の回動範囲を超える位置まで回動したときに生じる導線の電流変化によって前記固形潤滑剤の交換時期が検知されることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  2. 前記付勢部材は、前記1対の回動部材に連結されて、前記1対の回動部材の前記カム形状部が被圧接部に圧接する部分同士のスパンが漸減するように前記1対の回動部材を回動させる引張スプリングであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤供給装置。
  3. 前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、
    前記固形潤滑剤が前記潤滑剤供給ローラに圧接する方向に移動できるように少なくとも前記保持部材を前記固形潤滑剤とともに収納するように形成されたケースと、
    を備え、
    前記1対の回動部材は、それぞれ、前記保持部材に支持され、前記固形潤滑剤の消費にともない前記保持部材が前記固形潤滑剤とともに前記潤滑剤供給ローラに近づく方向に移動するように前記付勢部材による付勢力によって回動して前記カム形状部が前記ケースに圧接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤供給装置。
  4. 画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 前記像担持体上をクリーニングするクリーニング部を、前記潤滑剤供給装置に対して前記像担持体の回転方向上流側に備えたことを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の潤滑剤供給装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記回動部材が所定の回動範囲を超える位置まで回動して前記固形潤滑剤の交換時期を検知したときに前記固形潤滑剤の交換を促す表示をする表示パネルを備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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