JP5896337B2 - 着脱ユニット、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに着脱可能に設置されるプロセスカートリッジ等の着脱ユニットと、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラム等の構成部材に対してアース板等の導通板を介して画像形成装置本体側から電気的に導通をとる技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
特許文献1には、感光体ドラム等の回転体(構成部材)の端面に対して、端子板(導通板)の先端部に形成された2つの弾性接片を接触させて、端子板を介して画像形成装置本体側から回転体を接地したり電圧印加したりする技術が開示されている。
一方、特許文献2等には、画像形成装置本体に対してプロセスカートリッジ等の着脱ユニットを着脱可能に設置する技術が開示されている。
このような着脱ユニットは、画像形成装置本体への装着動作にともない着脱ユニットの構成部材に接続された導通板が画像形成装置本体の金属部材に接触して、画像形成装置本体側から金属部材を介して構成部材の接地や電圧印加がされている。
従来の技術は、画像形成装置本体側の部品や着脱ユニット側の部品の寸法精度や組付精度にバラツキが生じてしまった場合や、金属部材と導通板との接触面にトナーや紙粉等の異物が付着してしまった場合等に、画像形成装置本体と着脱ユニットの構成部材との間に導通不良が生じてしまうことがあった。
このような問題は、特許文献1の技術を応用して、導通板の先端部を2つに分割して、その分割した先端部を金属部材の接触面に接触させるように構成した場合であっても、充分に解決することができなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、画像形成装置本体側の部品や着脱ユニット側の部品の寸法精度や組付精度にバラツキが生じてしまった場合や、金属部材と導通板との接触面にトナーや紙粉等の異物が付着してしまった場合等であっても、画像形成装置本体と着脱ユニットの構成部材との間に導通不良が生じにくい、着脱ユニット、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる着脱ユニットは、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される着脱ユニットであって、当該着脱ユニットを構成する構成部材に電気的に接続されるとともに、前記画像形成装置本体への装着動作にともない前記画像形成装置本体において接地又は電圧印加された金属部材に電気的に接続される導通板を備え、前記導通板は、所定方向に弾性変形した状態で前記金属部材の第1被接触部に接触する第1接触部と、前記所定方向に対して交差する方向に弾性変形した状態で前記金属部材の第2被接触部に接触する第2接触部と、を具備し、前記画像形成装置本体への装着動作にともない、前記第1接触部が前記第1被接触部に接触した後に前記第2接触部が前記第2被接触部に接触し、前記第1接触部は、前記第2接触部が弾性変形したときに、前記第1被接触部との接触を維持した状態で前記第2接触部が弾性変形する方向に変位するものである。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットであって、着脱ユニットの一形態であるものと定義する。
本発明は、それぞれ異なる方向に弾性変形した状態で金属部材の異なる位置にそれぞれ接触する2つの接触部を導通板に形成しているため、画像形成装置本体側の部品や着脱ユニット側の部品の寸法精度や組付精度にバラツキが生じてしまった場合や、金属部材と導通板との接触面にトナーや紙粉等の異物が付着してしまった場合等であっても、画像形成装置本体と着脱ユニットの構成部材との間に導通不良が生じにくい、着脱ユニット、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部を示す構成図である。 プロセスカートリッジを示す概略斜視図である。 プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態を示す斜視図である。 プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態を示す別の斜視図である。 図5の一部を示す拡大斜視図である。 導通板が設置されたプロセスカートリッジのカバーを示す斜視図である。 導通板の接触部が金属部材の被接触部に接触した状態を示す斜視図である。 導通板を示す斜視図である。 プロセスカートリッジの装着動作にともなう導通板の接触動作を示す模式図である。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は着脱ユニットとしてのプロセスカートリッジ、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、19は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。なお、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上でおこなわれる作像プロセスについては、図2をも参照することができる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(図2を参照できる。)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の反時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニングブレード15a(クリーニング部)との対向位置に達する。そして、クリーニングブレード15aで、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部19の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部19に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
図2に示すように、作像部は、像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11を帯電する帯電部12(帯電ローラ)、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する現像装置13(現像部)、感光体ドラム11上の未転写トナーを回収するクリーニングブレード15a(クリーニング部)、感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)、等の構成部材で構成されている。
そして、本実施の形態では、作像部の構成部材のうち、感光体ドラム11と帯電部12とクリーニングブレード15a(クリーニング部)と潤滑剤供給装置16とが、プロセスカートリッジ15として一体化されていて、プロセスカートリッジ15(着脱ユニット)として装置本体1に着脱可能に構成されている。また、現像装置13は、プロセスカートリッジ15とは別のユニットとして、装置本体1に対して着脱可能に構成されている。
なお、各色の作像部(又は、プロセスカートリッジ)はほぼ同一構造であるために、図2〜図10にて作像部やプロセスカートリッジは符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
また、着脱ユニットとしてのプロセスカートリッジ15は、概ね、図3に示すような外観をなしている。
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けた構成部材である。
図示は省略するが、感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11の導電性支持体(基層)としては、体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。また、この導電性支持体は、アース部として、後述するアース板30(導通板)を介して装置本体1側から接地されている。感光体ドラム11のアースを確実にとることにより、「真っ黒画像」等の異常画像の発生を防止することができる。
帯電部12(帯電ローラ)は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側において感光体ドラム11に当接するように配設されている。なお、帯電部12(帯電ローラ)は、感光体ドラム11に対して非接触で対向するように配設することもできる。
そして、帯電部12には不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
現像装置13は、現像ローラ13aが感光体ドラム11に接触するように配置されていて、双方の部材の間には現像領域(現像ニップ部)が形成される。現像装置13内には、トナーT(1成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置13は、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
詳しくは、図2を参照して、本実施の形態における現像装置13は、1成分現像方式の現像装置であって、現像ローラ13a(現像剤担持体)、供給ローラ13b、薄層化部材としてのドクターブレード13c、撹拌部材13d、等で構成されている。
このように構成された現像装置13は、次のように動作する。
まず、現像装置13内に供給され収容されたトナーの一部が、供給ローラ13bに担持される。供給ローラ13bに担持されたトナーは、現像ローラ13aとの圧接部で摩擦帯電された後に、現像ローラ13a上に移動して担持される。その後、現像ローラ13a上に担持されたトナーは、ドクターブレード13cの位置で、薄層化・均一化された後に、感光体ドラム11との当接位置(現像領域)に達する。そして、この位置で、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーが吸着される。
なお、本実施の形態において、画質向上のために、円形度が0.98以上の球形トナーをトナーTとして使用している。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
球形トナーとしては、従来から広く用いられている粉砕法によって形状が歪な異形のトナー(粉砕トナー)を加熱処理等して球形化したものや、重合法により製造されたもの等を用いることができる。
このような球形トナーを用いる場合、従来は、クリーニングブレード15aと感光体ドラム11との僅かな隙間に入り込んでやがてその隙間をすり抜けてクリーニング不良が生じることがあった。しかし、本実施の形態では、潤滑剤供給装置16によって潤滑剤を感光体ドラム11表面に塗布して、感光体ドラム11上におけるトナー剥離性(除去性)を向上させるために、クリーニング不良の発生が抑止される。
クリーニングブレード15aは、潤滑剤供給装置16に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。クリーニングブレード15aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物が機械的に掻き取られてプロセスカートリッジ15内に回収されることになる。そして、プロセスカートリッジ15内に回収されたトナーは、廃トナーとして廃トナー回収容器(不図示である。)に向けて搬送コイル15bによって搬送される。ここで、感光体ドラム11上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、記録媒体P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12aによる放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等がある。
また、本実施の形態におけるクリーニングブレード15aは、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化する薄層化ブレードとしても機能する。
潤滑剤供給装置16は、固形潤滑剤16b、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとに摺接する潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16bを保持する保持部材16e、固形潤滑剤16bとともに保持部材16eを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢する付勢手段としての圧縮スプリング16c、等で構成される。
このように構成された潤滑剤供給装置16によって、感光体ドラム11上に潤滑剤が供給される。そして、潤滑剤供給装置16の下流側に配設されたクリーニングブレード15aによって、感光体ドラム11上に供給された潤滑剤が薄層化される。
ここで、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)は、長さ(毛足)が0.2〜20mm(好ましくは、0.5〜10mm)の範囲のブラシ毛が基布上に植毛されたものを芯金上にスパイラル状に巻き付けたものである。
ブラシ毛の長さが20mmを超えると、経時における感光体ドラム11との繰り返し摺擦によって、ブラシ毛が所定方向に倒毛して、固形潤滑剤16bの掻取性や感光体ドラム11からのトナー除去性が低下してしまう。これに対して、ブラシ毛の長さが0.2mm未満であると、固形潤滑剤16bや感光体ドラム11に対する物理的な当接力が不足してしまう。したがって、ブラシ毛の長さは上述の範囲であることが好ましい。
潤滑剤供給ローラ16aは、図2の反時計方向に回転する感光体ドラム11に対してカウンタ方向で接触するように回転する(図2の反時計方向の回転である。)。また、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ毛)は、固形潤滑剤16bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ16aが回転することによって固形潤滑剤16bから潤滑剤を掻き取り、その掻き取った潤滑剤を感光体ドラム11との摺接位置まで搬送した後に、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布する。
固形潤滑剤16bの後方部には,潤滑剤供給ローラ16aと固形潤滑剤16bとの接触ムラをなくすために付勢部材としての圧縮スプリング16cが配置されていて、保持部材16eに保持(貼着)された状態の固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢している。
本実施の形態では、固形潤滑剤16bを主としてステアリン酸亜鉛で形成している。詳しくは、固形潤滑剤16bは、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解したもので、塗りすぎによる副作用がなく、充分な潤滑性があるものが好適である。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム11表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム11表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム11表面を覆うことができる。
なお、固形潤滑剤16bとしては、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチュウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸基を有するものを用いることができる。また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、オレイン酸鉛、以下、ステアリン酸と同様の化合物や、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸バリウム、パルチミン酸鉛、以下、ステアリン酸と同様の化合物を使用して良い。他にも、脂肪酸基として、カプリル酸、リノレン酸、コリノレン酸等を使用することができる。さらに、カンデリラワックス、カンルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、おおば油、みつろう、ラノリン等のワックスを使用することもできる。これらは有機系の固形潤滑剤となりやすく、トナーとの相性が良い。
固形潤滑剤16bを潤滑剤供給ローラ16aを介して感光体ドラム11表面に塗布すると、感光体ドラム11表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、クリーニングブレード15aが潤滑剤を均一化する薄層化ブレードとしても機能することになる。クリーニングブレード15aにより、感光体ドラム11上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。
このとき、潤滑剤供給ローラ16aにより塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、クリーニングブレード15aにより感光体ドラム11上に分子膜レベルで薄膜化される。
以下、図4〜図10を用いて、本実施の形態において特徴的な、プロセスカートリッジ15や画像形成装置1の構成・動作について詳述する。
先に説明したように、プロセスカートリッジ15は、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置される着脱ユニットである。詳しくは、図1の装置本体1において、不図示の本体カバーが開放された状態で、各色のプロセスカートリッジ15がそれぞれ+X方向に装着されることになる(又は、−X方向に離脱されることになる。)。
図4及び図5に示すように、プロセスカートリッジ15は、本体ステー100(金属部材)や不図示の案内レールに沿うように装着されて、装置本体1における位置が定められる。そして、図6及び図8を参照して、装置本体1へのプロセスカートリッジ15の装着動作にともない、プロセスカートリッジ15に設置した導通板としてのアース板30が、画像形成装置本体において接地された金属部材としての本体ステー100に電気的に接続されることになる。
詳しくは、導通板としてのアース板30は、プロセスカートリッジ15(着脱ユニット)を構成する感光体ドラム11(構成部材)に電気的に接続されている。
図7及び図9等を参照して、アース板30は、板厚が0.1〜1.5mm程度のリン青銅、銅、ステンレス鋼等のバネ性を有する金属材料からなる。そして、アース板30は、図7に示すように、プロセスカートリッジ15のカバー15d(筐体)に保持されている。具体的に、カバー15dの内壁面に形成されたピン15d1、15d2に、アース板30に形成された保持部30c、30d(切込み状に形成された曲げ部である。)を嵌め込むことで、カバー15dの内壁面に沿うようにアース板30が固設される。このとき、アース板30のドラム接触部30e(図9を参照できる。)が、感光体ドラム11を回転可能に軸支する軸受40(カバー15dの受部15d3に挿入されている。)の内輪部に接触することで、アース板30と感光体ドラム11のアース部(導電性支持体)とが電気的に接続されることになる。さらに、アース板30の第1接触部30aと第2接触部30bとが、それぞれ別々に、金属部材としての本体ステー100(不図示の電源部を介して接地されている。)に接触することで、装置本体1に装着された状態のプロセスカートリッジ15における感光体ドラム11のアース部が接地されることになる。
なお、アース板30が設置されたカバー15dは、接触部30a、30bを除くアース板30のほとんどの部分が外側に露呈しないように、アース板30が設置された面側が内側になるように、プロセスカートリッジ15の主たるカバー15cの側方にネジ締結等により接合される。
ここで、アース板30の第1接触部30aは、所定方向(図9の白矢印方向である。)に弾性変形した状態で、本体ステー100の第1被接触部100aに接触する。これに対して、アース板30の第2接触部30bは、所定方向に対して交差する方向(図9の黒矢印方向であって、白矢印方向にほぼ直交する方向である。)に弾性変形した状態で、本体ステー100の第2被接触部100bに接触する。
さらに詳しくは、図9を参照して、第2接触部30bは、保持部30c、30dから離間した位置において曲げ加工された自由端である。また、第1接触部30aは、保持部30c、30dに対して第2接触部30bよりもさらに離間した位置において第2接触部30bの曲げ方向とは異なる方向に曲げ加工された自由端である。また、第1接触部30aは、第2接触部30bよりも装着方向手前側(−X方向)に形成されている。
図8及び図10等を参照して、本体ステー100の第1被接触部100aと第2被接触部100bとは、互いに異なる方向に延在する平面である。詳しくは、第1被接触部100aは、板金をコの字状に曲げ加工して形成した本体ステー100の切断面であって、XZ面に延在するように形成されている。また、第2被接触部100bは、板金をコの字状に曲げ加工して形成した本体ステー100の先端部(装着方向奥側である。)に庇状に突出させた部分に曲げ加工を施して傾斜をつけたものであって、XY面に対して装着方向奥側に向けて−Z方向に傾斜する傾斜面となっている。
このように構成されたプロセスカートリッジ15は、画像形成装置本体1への装着動作にともない、第1接触部30aが第1被接触部100aに接触した後に第2接触部30bが第2被接触部100bに接触することになる。さらに、第1接触部30aは、第2接触部30bが弾性変形したときに、第1被接触部100aとの接触を維持した状態で第2接触部30bが弾性変形する方向(図9の黒矢印方向である。)に変位することになる。
具体的に、図10を用いて、プロセスカートリッジ15の装着動作にともなうアース板30の接触動作について詳述する。
なお、装着動作は、A((A1)、(A2))→B((B1)、(B2))→C((C1)、(C2))の順におこなわれる。
まず、図10(A1)、(A2)から(B1)、(B2)に示すように、本体ステー100(金属部材)に沿うようにプロセスカートリッジ15の装着が進められると、まず、アース板30の第1接触部30aが、本体ステー100の第1被接触部100aに接触することになる。このとき、第1接触部30aは、図10(B2)の白矢印方向(−Y方向)に撓むことになる。また、第2接触部30bは、本体ステー100に接触していない状態である。また、第1接触部30aは、板金の切断面となっている第1被接触部100aに接触しながら移動するため、第1接触部30aに酸化皮膜が形成されたり異物が付着したりしていても、第1被接触部100a(切断面)のバリによってそれらが除去されることになる。
その後、プロセスカートリッジ15の装着がさらに進められると、図10(c1)、(C2)に示すように、アース板30の第2接触部30bが、本体ステー100の第2被接触部100bに接触することになる。このとき、第2接触部30bは、図10(C1)、(C2)の黒矢印方向(−Z方向)に撓むことになる。さらに、第1接触部30aも、第1被接触部100aとの接触状態を維持したまま、図10(C1)、(C2)の黒矢印方向(−Z方向)に撓むことになる。これにより、第1被接触部100a(切断面)のバリによって除去された酸化皮膜や付着物が、第1接触部30aと第1被接触部100aとの間に残留する不具合が軽減される。
このように、本実施の形態では、互いに異なる方向に異なるタイミングで弾性変形して本体ステー100において異なる方向に延在する接触面(被接触部100a、100b)に接触する2つの接触部30a、30bをアース板30に設けているため、画像形成装置本体1側の部品やプロセスカートリッジ15側の部品の寸法精度や組付精度にバラツキが生じてしまった場合や、本体ステー100やアース板30にトナーや紙粉等の異物が付着してしまった場合等であっても、画像形成装置本体1とプロセスカートリッジ15の感光体ドラム11との間の導通を確保しやすくなる。すなわち、装置本体1へのプロセスカートリッジ15の装着がされたときに、本体ステー100とアース板30との接触不良や導通不良が生じにくくなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、それぞれ異なる方向に弾性変形した状態で本体ステー100(金属部材)の異なる位置にそれぞれ接触する2つの接触部30a、30bをアース板30(導通板)に形成しているため、画像形成装置本体1側の部品やプロセスカートリッジ15(着脱ユニット)側の部品の寸法精度や組付精度にバラツキが生じてしまった場合や、本体ステー100とアース板30との接触面にトナーや紙粉等の異物が付着してしまった場合等であっても、画像形成装置本体1とプロセスカートリッジ15の感光体ドラム11(構成部材)との間に導通不良が生じにくくなる。
なお、本実施の形態では、作像部における感光体ドラム11、帯電部12、クリーニングブレード15a(クリーニング部)、潤滑剤供給装置16を一体化してプロセスカートリッジ15を構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、現像装置13をもプロセスカートリッジ15の構成部材とすることもできる。さらに、作像部における各部11、12、13、15a、16をプロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に着脱可能(交換可能)に設置される着脱ユニットとして構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像装置13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像装置13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト17を用いたタンデム型のカラー画像形成装置に対して本発明を適用した。これに対して、転写搬送ベルトを用いたタンデム型のカラー画像形成装置(転写搬送ベルトに対向するように並設された複数の感光体ドラム上のトナー像を、転写搬送ベルトによって搬送される記録媒体上に重ねて転写する装置である。)や、モノクロ画像形成装置等、その他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、感光体ドラム11のアース部を接地するためのアース板が設置されたプロセスカートリッジ15に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、構成部材に対して電気的に接続された導通板が設置されて、画像形成装置本体への装着動作にともない画像形成装置本体において接地又は電圧印加された金属部材に導通板が電気的に接続される着脱ユニットであれば、それらのすべてに対して本発明を適用することができる。そして、このような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
11、11Y、11M、11C、11B 感光体ドラム(像担持体、構成部材)、
15 プロセスカートリッジ(着脱ユニット)、
15c、15d カバー(筐体)、
15d1、15d2 ピン、
30 アース板(導通板)、
30a 第1接触部、
30b 第2接触部、
30c、30d 保持部、
30e ドラム接触部、
100 本体ステー(金属部材)、
100a 第1被接触部、
100b 第2被接触部。
特開2002−63977号公報 特開2004−138981号公報

Claims (6)

  1. 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される着脱ユニットであって、
    当該着脱ユニットを構成する構成部材に電気的に接続されるとともに、前記画像形成装置本体への装着動作にともない前記画像形成装置本体において接地又は電圧印加された金属部材に電気的に接続される導通板を備え、
    前記導通板は、
    所定方向に弾性変形した状態で前記金属部材の第1被接触部に接触する第1接触部と、
    前記所定方向に対して交差する方向に弾性変形した状態で前記金属部材の第2被接触部に接触する第2接触部と、
    を具備し
    前記画像形成装置本体への装着動作にともない、前記第1接触部が前記第1被接触部に接触した後に前記第2接触部が前記第2被接触部に接触し、
    前記第1接触部は、前記第2接触部が弾性変形したときに、前記第1被接触部との接触を維持した状態で前記第2接触部が弾性変形する方向に変位することを特徴とする着脱ユニット。
  2. 前記導通板は、
    当該着脱ユニットの筐体に保持される保持部を具備し、
    前記第2接触部は、前記保持部から離間した位置において曲げ加工された自由端であって、
    前記第1接触部は、前記保持部に対して前記第2接触部よりもさらに離間した位置において前記第2接触部の曲げ方向とは異なる方向に曲げ加工された自由端であることを特徴とする請求項1に記載の着脱ユニット。
  3. 前記構成部材は、潜像が形成されるとともに当該潜像が現像されてトナー像として担持される像担持体であって、
    前記導通板は、前記像担持体のアース部に電気的に接続されるアース板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の着脱ユニット。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の着脱ユニットを前記画像形成装置本体に備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記金属部材の前記第1被接触部と前記第2被接触部とは、互いに異なる方向に延在する平面であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記金属部材の前記第1被接触部は、板金の切断面であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。
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