JP5375350B2 - クリーニング装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、トナー像転写後の感光体表面には、転写されずに残留するトナーがあるため、次の帯電工程に入る前に、クリーニングブレード、クリーニングブラシ等のクリーニング部材によって感光体表面がクリーニングされる。小粒径化、球形化されたトナーを用いた場合、一般的に用いられているブレードクリーニング方式では充分な成果を得難いため、感光体表面のブレードクリーニング性を向上させるために、感光体表面に脂肪酸金属塩等からなる潤滑剤を塗布し薄い皮膜を形成させて、感光体表面の摩擦係数を低下させる方法が提案されている。感光体表面の摩擦係数が低下すると感光体とトナーとの間に働く付着力が小さくなるので、ブレードクリーニングが良好になり、またフィルミングの抑制にもなることがわかっている。
そのような潤滑剤塗布装置を備えたクリーニング装置においては、感光体やクリーニングブレードの新品時に、あるいは高画像面積のプリントをする際に一時的に潤滑剤の塗布量を増やす目的でいわゆる潤滑剤塗布モードが実行される。これは、通常プリント時の塗布量を増やしてしまうと過剰な潤滑剤が帯電ローラに付着し異常画像の原因になったり、現像装置内に入り込み地汚れの原因になったりするため、塗布モード時のみ塗布量を増やすことが好ましい。
潤滑剤塗布モード用としては、さまざまな潤滑剤塗布手段や方法が既に用いられている。例えば、プリント動作の合間に感光体及び塗布ローラの空回しによる塗布モードを挟み、感光体表面に十分な潤滑剤が塗布されるまで空回しを続けるというものがある(例えば、特許文献1)。この方法は、ブレード新品時の巻き込み防止や高画像面積プリント時のクリーニング不良防止に対しては効果的であるが、空回し実行中はプリントできないため、ユーザに対して待ち時間を発生させてしまう。さらに、空回しが行われている間にも、感光体や塗布ローラの軸受け等の摺動部品は磨耗が進むため、長時間の空回しは装置の寿命にも影響を与えているという難点がある。
また、請求項2に記載の発明は、周回する被清掃体表面を清掃するクリーニングブレードと、固形潤滑剤と該固形潤滑剤を正回転時および逆回転時に摺擦して掻き取り前記被清掃体表面に塗布する塗布ローラを設けた潤滑剤塗布装置と、を有し、前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、塗布ローラ正回転時と逆回転時で異なるようにしたクリーニング装置において、前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、通常動作時の塗布ローラ正回転時よりも、一時的に潤滑剤の塗布量を増やすための潤滑剤塗布モード実行時の塗布ローラ逆回転時の方が同一回転数でも多くなるようにし、前記塗布ローラがゴムローラあるいはスポンジローラであって、該ゴムローラあるいは該スポンジローラは、表面に周方向に略一定間隔で配置され、断面が法線に対して非対象に形成され、且つ軸方向に延びる突条の研磨目を有しており、ローラ正回転時は前記潤滑剤に対し研磨目が順目方向で接触し、逆回転時は前記潤滑剤に対し逆目方向で接触することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記被清掃体である感光体と、少なくとも請求項1または2に記載のクリーニング装置とが一体で構成されているプロセスカートリッジを特徴とする。
図1は本発明の実施対象となるカラー画像形成装置の構成を概略的に示す断面図である。この第1実施形態の画像形成装置は、イエロー(以下Y)、シアン(以下C)、マゼンダ(以下M)、ブラック(以下K)の4色トナーから一画像を形成する装置である。この画像形成装置は、像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えており、それぞれ中間転写ベルト31に接触しながら図中Aの方向に回転駆動する。
図2は4つの作像ユニットのうちの1つを示した概略図で、4色とも同一構成のため1つについて図示する。各作像ユニットは、各感光体1の周りに、感光体1表面に電荷を与える帯電装置2、感光体1表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置4、感光体1表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置3、トナー像転写後の感体光1表面のクリーニングをするクリーニング装置8がそれぞれ配置されたプロセスカートリッジとして形成されている。
次に1次転写ローラ32に電圧が印加され各感光体1上のトナーが、中間転写ベルト31上に順次転写されていく。このとき、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト31の同じ位置に重ねて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
感光体1用の、クリーニング手段8は、クリーニングブレード8a、ブラシローラ3aを含み構成された潤滑剤塗布装置3、および図示しない排トナー搬送スクリュ等により構成されている。
本実施形態の特徴部である潤滑剤塗布装置3は、感光体1の表面においてクリーニングブレード8aより上流側に設けられている。
図4は、ブラシローラ(塗布ブラシローラ)3aを説明する拡大図で、図4(a)は軸方向の拡大断面図(軸方向片側省略)であり、図4(b)は、潤滑剤先端部分との当接部を詳しく示す拡大図である。本実施形態の特有のブラシローラ3aは、筒状部材3fと、ブラシ繊維3gの集合体としての塗布ブラシ部3hとによって構成されている。筒状部材3fは、金属または紙等によって形成され、その一端縁部には、後記の板ばね3j、3jを係止するための一対の切欠3kが形成されている。
塗布ブラシ部3hの多量のブラシ繊維3gは直毛状のものを用いていて、個々に筒状部材3fの外周面の適所に、周方向一定に毛倒れさせてその先端の一部が感光体1に常に当接するように植設されている。すなわち、個々のブラシ繊維3gがブラシローラ3aの法線に対して意図的に同一方向(正回転方向時後方側)に傾けて、感光体1の幅方向の全体にわたって植設されている。なお、ブラシ繊維はループ状のものを用いるようにしても良いがループさせる方向をブラシローラ3aの軸方向に揃えて周回方向に傾けて植毛する。
図4(b)中で、矢印で示す通常プリント時の正回転時方向では、固形潤滑剤3bがブラシ繊維3gに順目方向で接触するので固形潤滑剤3bを削る能力は低い。設計段階では前述の加圧部材3dを適切に選定しその付勢力調整することによって通常プリント時に適した必要量を得ている。
逆に、潤滑剤塗布モード(後で詳述する)と称する臨時の塗布モード時には、ブラシローラ3aを逆転(図4(b)と同一回転数逆方向回転)すると、ブラシ繊維3gが固形潤滑剤3bに対して逆目方向に接触するから、固形潤滑剤3bを削る能力が正方向回転に比して高くなる。これにより同じ加圧力で正回転時に比べ逆回転時の方が同一回転数(等周速)でも固形潤滑剤の塗布量を増加できる。
潤滑剤塗布装置3に用いる固形潤滑剤3bは脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等からなるものが使用できるが、特に脂肪酸金属塩が好ましい。脂肪酸金属塩としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、スタエリン酸、アレイン酸等の直鎖状炭化水素の脂肪酸金属塩が挙げられ、金属としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム。亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム、チラン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉄などが好ましく、特にステアリン酸亜鉛が好ましい。
なお、固形潤滑剤3bは径時的に減少していくため、経時的に加圧力が減少していくことになる。従って、経時的にバネ圧が大きく変化しないようにバネ定数を小さくすることが好ましく、潤滑剤消費量(ブラシローラ3aによる感光体1への潤滑剤塗布量)の変動を防止することができる。バネ定数を小さくするには圧縮バネの径を大きくするのが容易な方法であるが、プロセスカートリッジを小型化する場合、径が大きいバネは配置することができない場合がある。そこで小型のプロセスカートリッジにバネ定数の小さいバネを採用する手段として、長円形状のバネを採用している例もある。
通常プリント時には、ブラシローラ3aは、図4(b)中矢印で示す正回転時方向(反時計回り方向)に定速回転する。これにより、固形潤滑剤3bがブラシ繊維3gに順目方向で接触するので通常プリント時に適した固形潤滑剤3bが削りとられて、必要量が感光体1に塗布される。これに対して、潤滑剤塗布モード時には、ブラシローラ3aが、同一定速で逆方向回転されてブラシ繊維3gが固形潤滑剤3bに対して逆目方向に接触し、同一回転数(等周速)で同じ加圧力のままで通常プリント時より多くの固形潤滑剤3bが削りとられて感光体1に塗布される。従って、短時間で潤滑剤塗布モードが終了する。回転数を上げたりせず、動作時間が短縮されるから、関連構成の長寿命化につながる。
これに対して本実施形態のブラシローラでは、塗布モードに対応したローラ逆回転時に塗布量が増えるので、空回し時間を短縮でき、ユーザに待ち時間を与えず、またクリーニング装置の寿命も向上できる。
本発明の第2の実施形態の画像形成装置について説明する。潤滑剤塗布装置の塗布ローラとして、ブラシローラ以外にゴムローラ、又はスポンジローラが用いられている。本発明者は、ゴムローラあるいはスポンジローラの場合にも、その表面の周方向研磨目(軸方向に延びた突条部、後で詳述)によって潤滑剤塗布量が異なり、研磨目が順目方向で潤滑剤に接触する場合は潤滑剤の削れ量が少なく、逆目方向で潤滑剤に接触する場合は潤滑剤の削れ量が多いことが実験により確認できた。
これに従い、第2の実施形態に係るクリーニング装置では、感光体やブレードの新品時や高画像面積のプリント時に行う潤滑剤塗布モードでは塗布ローラとしてのゴムローラ、又はスポンジローラを後述する突条件部を有した構成とし、潤滑剤塗布モード時には逆転させる構成とした。これにより、単位時間の潤滑剤削れ量、すなわち、潤滑剤塗布量が増えるので、短時間で塗布モードを完了でき、ユーザに待ち時間を与えず、かつ、軸受け等の摺動部品の寿命も向上する。
図5は、本実施形態における塗布ローラ3aと潤滑剤先端部分との当接部を詳しく示す拡大図である。第2実施形態における塗布ローラ3aは、ゴムローラ又はスポンジローラで、その外周面表面には軸方向に延びその突状断面が法線に対して非対象に形成された多数の突条部(研磨目)3qが全周にわたり形成されている。ここでは、後加工により研磨目として残すことにより上記突条部3qを形成しているが、これに限らず、一体成形により突条部3qをローラ本体部と一体として形成するようにしても良い。
図5に中に示されているように、ローラ表面の突条部3q(以下では、研磨目3qと記載する)は、塗布ローラ3a表面上に一定間隔で設けられ、個々の研磨目3qは、塗布ローラ3aの正回転方向時(図中の矢印で示す反時計方向回り時)に、進行側の斜面(実施形態では斜平面)が塗布ローラ3aの表面と成す角度(その部位での外周面接線との角度)のほうが、反対側の斜平面が塗布ローラ3aの外周表面と成す角度に比べて小さい角度に(進行側の斜面の方が緩やかな斜面に)形成されている。なお、研磨目3qは、必ずしも軸方向に連続した一条のものとしなくとも良く、軸方向に適宜離散して設けられていても良いが、この場合にも他列の研磨目3qと合わせて総体として軸方向全体に分布しているように形成する。
なお、上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。例えば、第1実施形態における塗布ローラ(ブラシローラ)としては、直毛ブラシに限らず、ループブラシを採用可能である。ループブラシを採用することにより、感光体ドラム2の表面に付着する生成物、例えばNoxやシリカを感光体上から除去する性能を高めることができる。その他、第2実施形態における研磨目(突条部)としては、ゴムローラ(又はスポンジローラ)でなる塗布ローラ3aにおいて表面上に軸方向断面が一定幅(厚み)の板状突状部を法線に対して正回転方向時後方側に一定角度傾けて形成したものでも良く、同等の効果を得ることができる。その他、被清掃体については、無端ベルト状であっても構わない。
Claims (4)
- 周回する被清掃体表面を清掃するクリーニングブレードと、固形潤滑剤と該固形潤滑剤を正回転時および逆回転時に摺擦して掻き取り前記被清掃体表面に塗布する塗布ローラを設けた潤滑剤塗布装置と、を有し、前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、塗布ローラ正回転時と逆回転時で異なるようにしたクリーニング装置において、
前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、通常動作時の塗布ローラ正回転時よりも、一時的に潤滑剤の塗布量を増やすための潤滑剤塗布モード実行時の塗布ローラ逆回転時の方が同一回転数でも多くなるようにし、
前記塗布ローラがブラシローラであって、該ブラシローラのブラシ繊維は周方向に一定に傾けて植設してあり、正回転時は前記潤滑剤に対し順目方向で接触し、逆回転時は前記潤滑剤に対し逆目方向で接触することを特徴とするクリーニング装置。 - 周回する被清掃体表面を清掃するクリーニングブレードと、固形潤滑剤と該固形潤滑剤を正回転時および逆回転時に摺擦して掻き取り前記被清掃体表面に塗布する塗布ローラを設けた潤滑剤塗布装置と、を有し、前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、塗布ローラ正回転時と逆回転時で異なるようにしたクリーニング装置において、
前記塗布ローラによる前記被清掃体への潤滑剤の供給量が、通常動作時の塗布ローラ正回転時よりも、一時的に潤滑剤の塗布量を増やすための潤滑剤塗布モード実行時の塗布ローラ逆回転時の方が同一回転数でも多くなるようにし、
前記塗布ローラがゴムローラあるいはスポンジローラであって、該ゴムローラあるいは該スポンジローラは、表面に周方向に略一定間隔で配置され、断面が法線に対して非対象に形成され、且つ軸方向に延びる突条の研磨目を有しており、ローラ正回転時は前記潤滑剤に対し研磨目が順目方向で接触し、逆回転時は前記潤滑剤に対し逆目方向で接触することを特徴とするクリーニング装置。 - 前記被清掃体である感光体と、少なくとも請求項1または2に記載のクリーニング装置とが一体で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 潜像を担持する像担持体と、外部より電圧を印加された帯電部材によって前記像担持体表面を均一に帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体表面に画像データに基づいて露光して静電潜像を書き込む露光手段と、前記像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、前記像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、転写後に被清掃体である前記像担持体上に残った残トナーを除去するクリーニング手段を備える画像形成装置において、
前記クリーニング手段は、請求項1または2に記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
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