JP2014137446A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像形成方法は、帯電ローラによって感光体を帯電させる帯電工程と、これに静電潜像を形成させる工程と、静電潜像を負帯電性トナーによって現像する工程と、現像されたトナー像を転写材に転写する工程と、感光体上をクリーニングする工程とを有し、負帯電性トナーが、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなり、外添剤が、少なくともポリテトラフルオロエチレン粒子とチタン酸カルシウム粒子とを含有し、ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径をaμm、チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径をbμmとしたときに、a>bであることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
潤滑剤の感光体への供給方法としては、大きく分けて、(1)アプリケーターにより塗布する方法、(2)感光体の表面層に含有させる方法、(3)トナーを含む現像剤に外添剤として添加する方法(例えば、特許文献1〜3参照)の3種類が挙げられる。
しかしながら、上記の(1)の方法においては、装置の大型化および複雑化は避けられず、アプリケーターの劣化に伴って塗布ムラが生じたり、過剰に供給された潤滑剤がクリーニングブレードをすり抜けて帯電ローラを汚染したり、潤滑剤の補給が別途必要になったりするため、保守整備が煩雑化する、という問題がある。また、上記の(2)の方法においては、感光体の表面の帯電特性が不均一なものとなるために画質欠陥が生じやすくなったり、画像履歴に依存する感光体の表面の帯電特性のバラツキが生じて像流れが発生しやすい、という問題がある。
上記の(3)の方法においては、装置の小型化を図ることができる点、感光体上に簡便に潤滑剤を供給することができる点などの利点を有する。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン粒子を用いて所期のクリーニング性を得るためには、その添加量を多量にしなければならない。然るに、高温高湿環境において感光体上に潤滑剤が過剰に存在するとトナー粒子の凝集体が形成されてしまい、定着された画像上に黒点状の画像不良が生じる、という問題があり、ポリテトラフルオロエチレン粒子を所期のクリーニング性が得られる程度に多量に添加した場合には、この黒点状の画像不良が生じることを防止することができない、という新たな問題が生じた。
前記帯電工程における感光体の帯電が、帯電ローラによって行われ、
前記現像工程にて使用される負帯電性トナーが、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなり、前記外添剤が、少なくともポリテトラフルオロエチレン粒子とチタン酸カルシウム粒子とを含有し、
前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径をaμm、チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径をbμmとしたときに、a>bであることを特徴とする。
前記保護層が、少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合物を硬化して得られる樹脂成分と、重合性官能基を有する表面処理剤によって処理された無機微粒子とを含有することが好ましい。
本発明の画像形成方法は、感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成させる露光工程と、前記静電潜像を負帯電性トナーによって現像する現像工程と、現像されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、トナー像を転写した後に感光体上をクリーニングブレードにてクリーニングするクリーニング工程とを有し、帯電工程における感光体の帯電が、帯電ローラによって行われ、現像工程にて使用される負帯電性トナーが、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなり、外添剤が、少なくともポリテトラフルオロエチレン粒子とチタン酸カルシウム粒子とを含有し、ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径をaμm、チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径をbμmとしたときに、a>bであることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の画像形成方法に用いられる負帯電性トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、トナー母体粒子に、少なくともポリテトラフルオロエチレン粒子(PTFE粒子)と、このPTFE粒子の数平均粒径よりも数平均粒径の小さいチタン酸カルシウム粒子とを含有する外添剤が添加されてなるものである。
具体的には、PTFE粒子およびチタン酸カルシウム粒子の各数平均粒径の比b/aが1未満であるが、好ましくは0.02〜0.9であり、より好ましくは0.1〜0.6である。
本発明において優れたクリーニング性が得られる理由は、ポリテトラフルオロエチレンの炭素原子−フッ素原子間の結合エネルギーが大きいために当該ポリテトラフルオロエチレンの放電劣化がほとんど生じず、従ってクリーニング性を失うことがないために感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦力を小さくすることができるためであると考えられる。
しかも、本発明のようにPTFE粒子よりも数平均粒径が小さいチタン酸カルシウム粒子を共に添加することによって、PTFE粒子の添加量を少量に抑制することができる。その結果、高温高湿環境において画像形成を行った場合にも感光体上に潤滑剤が過剰に存在しないためにトナー母体粒子の凝集体が形成されることがなく、定着された画像上に黒点状の画像不良が生じることを極めて抑制することができる。
この理由は定かではないが、ポリテトラフルオロエチレンは負帯電性が強いため、PTFE粒子をチタン酸カルシウム粒子と組み合わせることなく用いた場合には負帯電性のトナー母体粒子と共に現像・転写されてしまうところ、正帯電性のチタン酸カルシウム粒子によって負帯電性のPTFE粒子の表面が被覆された凝集体が形成され、この凝集体が正帯電性を示し、現像時にトナー母体粒子と異なり非画像部に現像されるためと推測される。また、チタン酸カルシウム粒子を用いたときに添加効果が大きいことから、PTFE粒子を被覆させるための粒子の正帯電性が弱いとPTFE粒子との凝集体を形成しづらく、粒子の正帯電性が強すぎるとトナー母体粒子との付着力が強すぎて現像しづらくなるので、クリーニング性とチタン酸カルシウム粒子の帯電性との間に密接な関係があると考えられる。
PTFE粒子を構成するポリテトラフルオロエチレンは、数平均分子量が500〜5,000のものであることが好ましく、より好ましくは1,000〜3,000である。
数平均分子量が上記の範囲のポリテトラフルオロエチレンを用いることによって、現像器内におけるトナー母体粒子との凝集が抑止され、しかも、感光体上での延展性が良好であるために優れたクリーニング性が得られる。数平均分子量が500未満のポリテトラフルオロエチレンを用いた場合には、現像器内においてトナー母体粒子と凝集し易くなるおそれがあり、数平均分子量が5,000よりも大きいポリテトラフルオロエチレンを用いた場合には、感光体上での延展性が低く、所期のクリーニング性を得ることができないおそれがある。
PTFE粒子の数平均粒径が上記の範囲であることによって、トナーに含有されるPTFE粒子が感光体へ移行し易くなり、感光体のクリーニング性を安定的に向上させることができる。PTFE粒子の数平均粒径が0.5μm未満である場合は、トナー粒子への付着力が大きくなるので、感光体上においてもトナー粒子と一緒に挙動してしまい、所期のクリーニング性を発揮することができないおそれがある。また、PTFE粒子の数平均粒径が20μmよりも大きい場合は、感光体上においてトナー粒子同士の凝集体が形成され易く、得られる画像上に黒点状の画像不良が発生してしまうおそれがある。
具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて倍率3万倍でトナーの写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ製)」にて、写真画像上のトナー粒子表面に存在する外添剤について2値化処理し、PTFE粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均粒径とする。
PTFE粒子の添加割合が上記の範囲にあることにより、トナーに含有されるPTFE粒子が感光体上に安定的に供給され易くなる。PTFE粒子の添加割合が0.01質量部未満である場合は十分なクリーニング性が得られないおそれがあり、PTFE粒子の添加割合が1.0質量部よりも多い場合は、トナーに十分な流動性が得られないおそれがある。
チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径は、0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径が上記の範囲であることによって、PTFE粒子との凝集体を良好に形成することができて、確実に少量のPTFE粒子の添加で十分なクリーニング性を得ることができる。チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径が0.05μm未満である場合は、トナー粒子への付着力が大きくなるので、感光体上においてもトナー粒子と一緒に挙動してしまい、所期のクリーニング性を発揮することができないおそれがある。また、チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径が5μmよりも大きい場合は、PTFE粒子との凝集体を良好に形成することができずに、十分なクリーニング性が得られないおそれがある。
チタン酸カルシウム粒子の添加割合が上記の範囲にあることにより、PTFE粒子との凝集体を確実に形成することができて、確実に少量のPTFE粒子の添加で十分なクリーニング性を得ることができる。チタン酸カルシウム粒子の添加割合が0.1質量部未満である場合はPTFE粒子との凝集体を形成することができないおそれがあり、従って、得られる画像上に黒点状の画像不良が発生してしまうおそれがある。チタン酸カルシウム粒子の添加割合が2.0質量部よりも多い場合は、トナーの帯電性が低下してトナー飛散やカブリが発生しやすくなるおそれがある。
本発明に係るトナーには、上記のPTFE粒子およびチタン酸カルシウム粒子が、潤滑剤として作用する外添剤として含有されているが、それ以外の潤滑剤が含有されていてもよい。その他の潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩や、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどのアミドワックスを用いることが好ましい。
その他の潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を添加すると、感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦力をさらに小さくすることができる。これは、ステアリン酸亜鉛が感光体とPTFE粒子との間を接着する役割を果たすためと考えられる。
また、潤滑剤以外の、トナーとしての帯電性能や流動性を向上させるその他の成分が含有されていてもよい。その他の成分としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子やこれらの複合酸化物微粒子、有機微粒子などを用いることもできる。
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されず、公知の種々のものを用いることができ、例えば、スチレン樹脂やアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられる。
結着樹脂としては、トナー粒径および形状制御性と帯電性との観点から、スチレン−アクリル系樹脂を含有していることが好ましい。
これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂のガラス転移点が上記範囲にあることにより、低温定着性および耐熱保管性が両立して得られる。
測定手順としては、試料(結着樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行い、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
トナー粒子に着色剤が含有される場合において、着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
トナー粒子に離型剤が含有される場合において、離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナー粒子に荷電制御剤が含有される場合において、荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部とされる。
本発明に係るトナー粒子は、平均粒径が、例えば体積基準のメジアン径で3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
具体的には、試料(トナー粒子)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメジアン径とされる。
本発明に係るトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
トナーの軟化点は、当該トナーに低温定着性を得る観点から、80〜120℃であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃である。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、軟化点とされる。
本発明に係るトナーは、トナー粒子に外添剤として少なくとも上記のPTFE粒子およびチタン酸カルシウム粒子が添加されてなるものであるが、当該トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、高画質化、帯電の高安定化に有利となる粒径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点から、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて着色剤の微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子を内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子を凝集させる際に共に凝集させてもよい。
また、トナー粒子をコア−シェル構造を有するものとして構成する場合は、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させればよい。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、当該トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%であることが好ましい。
トナーとキャリアを混合する混合装置は、特に限定されるものではなく、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機などが挙げられる。
本発明において、キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置としては、帯電方式が帯電ローラ方式のものが用いられる。このような帯電ローラ方式の画像形成装置は、帯電ローラが感光体に接触して設けられる構成であっても近接して設けられる構成であってもよい。
図1は、感光体に接触して設けられた帯電ローラ方式の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、静電潜像担持体であるドラム状の有機感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)10と、トナーと同極性のコロナ放電などによって当該感光体10の表面に一様な電位を与える帯電ローラ11よりなる帯電手段と、一様に帯電された感光体10の表面上にポリゴンミラーなどによって画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段12と、回転される現像スリーブ131を備え、これの上に保持されたトナーを感光体10の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段13と、当該トナー像を必要に応じて転写材Pに転写する転写手段14と、感光体10から転写材Pを分離する分離手段16と、転写材P上のトナー像を定着させる定着手段17と、感光体10上の残留トナーを除去するクリーニングブレード18を有するクリーニング手段とを有するものである。
本発明の画像形成方法に用いられる感光体10は、有機感光層上に保護層を有してなる有機感光体であり、当該保護層が、少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合物を硬化して得られる架橋樹脂と重合性官能基を有する表面処理剤によって処理された無機微粒子とを含有することが好ましい。
(2)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生物質および電荷輸送物質を含む層、並びに保護層がこの順に積層されてなる層構成。
本発明の画像形成方法に用いられる有機感光体における保護層は、少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合物を硬化して得られる架橋樹脂よりなる樹脂成分と、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された無機微粒子とを含有するものであることが好ましい。
このような保護層は、当該保護層を構成する架橋樹脂を形成すべき重合性化合物、重合開始剤、無機微粒子、および必要に応じて滑剤粒子や酸化防止剤あるいは架橋樹脂以外の樹脂を公知の溶媒に溶解または分散することにより保護層形成用塗布液を調製し、この保護層形成用塗布液を有機感光層の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗布膜中の重合性化合物を重合反応させて架橋樹脂を合成して硬化することにより、形成することができる。
その他の公知の樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、およびアルキド樹脂などが挙げられる。
架橋樹脂を形成するための重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、およびN−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。これらの重合性化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
保護層は、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された無機微粒子を含有する。無機微粒子としては、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2 O3 )、酸化チタン(チタニア:TiO2 )、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )、酸化ジルコニウム(ジルコニア:ZrO2 )、酸化スズ(SnO2 )、または酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化物の微粒子を用いることができる。これらの中でも、酸化アルミニウム微粒子、および酸化スズ微粒子を用いることが好ましい。
本発明において好ましく用いることができる重合性官能基を有する表面処理剤は、反応性ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤である。例えば、下記一般式(1)で表されるシラン化合物である。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 )2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OC2 H5 )(OCH3 )2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
これらのシラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
保護層に用いられる重合性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが用いられる。重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
帯電ローラ11は、図2に示されるように、芯金11aの表面上に積層された、帯電音を低減させると共に弾性を付与して感光体10に対する均一な密着性を得るための弾性層11bの表面上に、必要に応じて帯電ローラ11が全体として高い均一性の電気抵抗を得るための抵抗制御層11cが積層され、当該抵抗制御層11c上に表面層11dが積層されたものが、押圧バネ11eによって感光体10の方向に付勢されて感光体10の表面に対して所定の押圧力で圧接されて帯電ニップ部が形成された状態とされる構成とされており、感光体10の回転に従動して回転される。
弾性層11bの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
抵抗制御層11cの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
表面層11dの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
本発明の画像形成方法において用いられるクリーニングブレード18としては、弾性体であるゴム材料よりなるものが好ましく用いられる。ゴム材料としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられ、これらのうちでも、特に、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点から、ウレタンゴムを用いることが好ましい。
(1)着色粒子(トナー母体粒子)の形成
(1−1)コア部用樹脂微粒子〔1〕の作製工程
下記に示す第1段重合、第2段重合および第3段重合を経て多層構造を有するコア部用樹脂微粒子〔1〕を作製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂微粒子〔A1〕を作製した。なお、第1段重合で作製した樹脂微粒子〔A1〕の重量平均分子量(Mw)は16,500であった。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、n−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
上記樹脂微粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部、n−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しコア部用樹脂微粒子〔1〕を得た。なお、コア部用樹脂微粒子〔1〕の重量平均分子量(Mw)は26,800であった。また、コア部用樹脂微粒子〔1〕の体積平均粒径は125nmであった。さらに、このコア部用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移温度(Tg)は28.1℃であった。
上記コア部用樹脂微粒子〔1〕の第1段重合において、スチレンを548質量部、2−エチヘキシルアクリレートを156質量部、メタクリル酸を96質量部、n−オクチルメルカプタンを16.5質量部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応および反応後の処理を行い、シェル層用樹脂微粒子〔1〕を作製した。なお、シェル層用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移温度(Tg)は53.0℃であった。
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
この着色剤微粒子分散液〔1〕における着色剤微粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子杜製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(a)コア部〔1〕の形成
コア部用樹脂微粒子〔1〕420質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕100質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を80分間かけて80℃(コア部形成温度)まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて粒子の粒径を測定し、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度80℃(コア部熟成温度)にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア部〔1〕を形成した。なお、コア部〔1〕の円形度を「FPIA2100」(シスメックス社製)にて測定したところ0.930であった。また、電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子社製)を用いて走査透過電子顕微鏡法にてコア部〔1〕を10000倍にて観察し、着色剤が結着樹脂に溶解し、着色剤分散微粒子が残っていないことを確認した。
次いで、65℃においてシェル層用樹脂微粒子〔1〕46.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、80℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、コア部〔1〕の表面に、シェル層用樹脂微粒子〔1〕の粒子を融着させた後、80℃(シェル熟成温度)で所定の円形度まで熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.9μm、ガラス転移温度(Tg)が31℃のトナー母体粒子〔1〕を得た。
乾燥されたトナー母体粒子〔1〕100質量部に、ポリテトラフルオロエチレン粒子(数平均分子量1,000、粒径1μm)0.15質量部、チタン酸カルシウム粒子(粒径0.4μm)0.5質量部、並びに、負帯電性シリカ「RX−200(日本アエロジル社製)」1質量部および負帯電シリカ「NX90(日本アエロジル社製)」1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス社製)を用いて回転翼周速を35m/sec、処理温度を32℃として20分間混合処理し、その後、目開き45μmのふるいを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を作製した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製のリジメッシュ5μmフィルターを用いて濾過することにより、中間層塗布液を調製した。
・酸化チタン(SMT500SAS:テイカ社製) 3質量部
・メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
・電荷発生物質:下記顔料〔CG−1〕: 20質量部
・ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
・酢酸t−ブチル 700質量部
・4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この電荷発生層塗布液を上記の中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン29.2質量部をオルトジクロロベンゼン200質量部に分散させ、チタニウムテトラ−n−ブトキシド20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムによる洗浄、2%塩酸水溶液による洗浄、水洗、メタノールによる洗浄を行い、乾燥することにより、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、この粗チタニルフタロシアニンを濃硫酸250質量部中に添加し、5℃以下で1時間撹拌して溶解させ、これを20℃の水5000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、充分に水洗することによりウェットペースト品225質量部を得、これを冷凍庫にて凍結させ、解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
上記の無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(無定形チタニルフタロシアニンに対する当量比=0.6)を、オルトジクロロベンゼン200質量部中に混合し、60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、当該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールにより洗浄することにより、顔料((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)〔CG−1〕10.3gを得た。
この〔CG−1〕のX線回折スペクトルを測定したところ、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークが見られた。また、マススペクトルを測定したところ、576および648にピークが見られ、また、IRスペクトルを測定したところ、970cm-1付近にTi=Oの吸収が現れると共に630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れた。また、熱分析(TG)を行ったところ、390〜410℃に約7%の質量減少があった。以上のことから、当該〔CG−1〕が、チタニルフタロシアニンおよび(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、未付加(不可していない)のチタニルフタロシアニンの混晶と推定した。
この〔CG−1〕のBET比表面積を測定したところ、31.2m2 /gであった。
・電荷輸送物質(下記化合物A) 225質量部
・バインダー:ポリカーボネートZ(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
・酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6質量部
・THF(テトラヒドロフラン) 1600質量部
・トルエン 400質量部
・シリコーンオイル(KF−50:信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
まず、以下の通りに、重合性官能基を有する表面処理剤によって無機微粒子の表面処理を行った。
無機微粒子:酸化スズ(CIKナノテック社製、数平均一次粒子径20nm、体積抵抗率:1.05×105 (Ω・cm))100質量部、表面処理剤:上述の例示化合物(S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3 )30質量部、溶媒:トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部の混合液を、ジルコニアビーズと共にサンドミルに入れ、約40℃において回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、酸化スズに対する重合性官能基を有する化合物による表面処理を行い、表面処理済み酸化スズを得た。
この表面処理により、酸化スズの粒子表面は例示化合物(S−15)により被覆されていた。
・重合性化合物(上記例示化合物M1) 100質量部
・電荷輸送物質(下記化合物B) 20質量部
・重合開始剤(イルガキュアー819:BASFジャパン社製) 10質量部
・2−ブタノール 320質量部
・テトラヒドロフラン 80質量部
からなる塗布液の組成物を混合撹拌して十分に溶解または分散させ、保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、塗布後、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射することにより、乾燥膜厚3.0μmの保護層を形成し、これにより感光体〔1〕を作製した。
得られた感光体〔1〕の表面のユニバーサル硬さHUを前述の方法により測定したところ、240N/mm2 であった。
トナーの作製例1における(2)外添剤の添加工程において、下記表1の処方に従った外添剤を用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔18〕を作製した。なお、実施例6では、数平均分子量1,000、粒径20μmのポリテトラフルオロエチレン粒子を用いた。
トナー〔1〕〜〔18〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7.5質量%となるよう混合することにより、現像剤〔1〕〜〔18〕を調製した。
デジタルカラー複合機「bizhub C360」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の帯電手段を図1に示されるような帯電ローラ方式のものに改造し、感光体として上記の感光体〔1〕を搭載した改造機に、現像剤〔1〕〜〔18〕を装填して用いて画像形成を行い、画像不良およびクリーニング性について評価した。
帯電ローラとしては、ナイロン樹脂製の1.0cmφであるものを用いた。
クリーニングブレードは、感光体とのなす角度が7.5°、当接圧力が7.0gf/mm2 になるように設置した。
現像剤〔1〕〜〔18〕を順次装填した上記の画像形成装置を用いて、高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)において画素率が10%の画像をA4版上質紙(64g/m2 )に1,000枚の連続してプリントし、各プリントにおける黒点状の画像不良の発生の有無を目視で確認し、黒点状の画像不良が生じたプリント数xの割合(x/1000)×100を画像不良発生率とし、これによって画像不良の発生についての評価を行った。結果を表2に示す。本発明においては、画像不良発生率が0.5%未満である場合に合格と判断される。
現像剤〔1〕〜〔18〕を順次装填した上記の画像形成装置を用いて、低温低湿環境(温度10℃、湿度10%RH)において画素率が5%の画像をA4版上質紙(64g/m2 )に10万枚プリントした後、ベタのテスト画像(グリット電圧450V,現像電位:350V)を出力し、このベタ画像および感光体を目視で視認して評価した。クリーニングブレードは、感光体とのなす角度が7.5°、当接圧力が4.0〜7.0gf/mm2 に可変できるように設置した。
結果を表2に示す。本発明においては、クリーニングブレードの当接圧力が7.0gf/mm2 以下でテスト画像上にトナーすり抜けがなければ(「◎」または「○」であれば)実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
◎:当接圧力が4.0gf/mm2 でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない。
○:当接圧力が7.0gf/mm2 でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない。
×:当接圧力が7.0gf/mm2 でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認される。
11 帯電ローラ
11a 芯金
11b 弾性層
11c 抵抗制御層
11d 表面層
11e 押圧バネ
12 露光手段
13 現像手段
131 現像スリーブ
14 転写手段
16 分離手段
17 定着手段
18 クリーニングブレード
P 転写材
Claims (7)
- 感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成させる露光工程と、前記静電潜像を負帯電性トナーによって現像する現像工程と、現像されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、トナー像を転写した後に感光体上をクリーニングブレードにてクリーニングするクリーニング工程とを有する画像形成方法において、
前記帯電工程における感光体の帯電が、帯電ローラによって行われ、
前記現像工程にて使用される負帯電性トナーが、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなり、前記外添剤が、少なくともポリテトラフルオロエチレン粒子とチタン酸カルシウム粒子とを含有し、
前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径をaμm、チタン酸カルシウム粒子の数平均粒径をbμmとしたときに、a>bであることを特徴とする画像形成方法。 - 前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径が0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の数平均粒径とチタン酸カルシウム粒子の数平均粒径との比b/aが0.02〜0.9であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の添加量が、トナー母体粒子100質量部に対して0.01〜1.0質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記チタン酸カルシウム粒子の添加量が、トナー母体粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記外添剤が、さらに脂肪酸金属塩またはアミドワックスを含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記感光体は有機感光層上に保護層を有してなるものであり、
前記保護層が、少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合物を硬化して得られる樹脂成分と、重合性官能基を有する表面処理剤によって処理された無機微粒子とを含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成方法。
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