JP6056662B2 - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。より詳しくは、長期使用での電子写真感光体の耐摩耗性、潤滑剤起因による画像ムラ及びクリーニング不良によるトナーすり抜けを改善した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真法は、電子写真感光体(静電潜像担持体)表面に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー画像を被記録体表面へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られるものである。この電子写真法においては、前述の電子写真感光体(以下、「感光体」ともいう。)が再び静電潜像を形成できるように、転写後に感光体に付着しているトナー(転写残存トナー)が除去(クリーニング)される。
しかしながら、電子写真感光体は、クリーニングされるために、長期使用されると磨耗し劣化しやすい、という問題を有する。
そこで、感光体には、長期使用での劣化を抑制できるよう、耐磨耗性を高くすることが求められている。
特許文献1には、クリーニングによる感光体の摩耗を抑制するために、感光体に保護層を設け、その硬化性を高くすることで耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。具体的には、最表面層にフッ素樹脂粒子とビフェニル構造を持つポリカーボネート樹脂とを含有する感光体及び特定のクリーニングブレードの構成により、寿命の長い電子写真画像形成装置を提供するものである。
一方で、トナーの除去されやすさ(クリーニング性)を向上させるために、脂肪酸金属塩などの潤滑性をもつ粒子を潤滑剤として、トナーに添加することが一般に行われている。例えば、特許文献2には、トナー母体粒子に脂肪酸金属塩を添加してクリーニング性を向上する技術が開示されている。
しかしながら、耐摩耗性を高めるために保護層の硬化性を高くした感光体は、脂肪酸金属塩との親和性が低くなる。このため、脂肪酸金属塩は感光体表面全体に行き渡らず、感光体の帯電性が不均一となり、ひいては、画像ムラが発生したり、クリーニング不良によるトナーすり抜けが原因となって画像筋が発生したりするという問題がある。
特開2011−197107号公報 特開2000−89502号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けの抑制ができる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、感光体に保護層を設け、その保護層に架橋性樹脂とスズ原子(Sn)を含む粒子とを添加することにより、耐摩耗性が向上することを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程と、を含む電子写真画像形成方法であって、
前記電子写真画像形成方法に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、
当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、
当該架橋樹脂が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物の重合反応物であり、
前記電子写真画像形成方法に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする電子写真画像形成方法。
.前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、少なくともSnOからなる粒子又は少なくともSnOとBaSOとからなる複合粒子であることを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
.前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された粒子であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真画像形成方法。
.前記保護層が、メラミン樹脂粒子を含有していることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
.前記外添剤が、脂肪酸金属塩を含有していることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法を用いた電子写真画像形成装置であって、
少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、
前記電子写真画像形成装置に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、
当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、
前記電子写真画像形成装置に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、
当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けの抑制ができる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
クリーニングによる感光体の摩耗を抑制するために、感光体に保護層を設け、その保護層に架橋性樹脂とスズ原子(Sn)を含む粒子とを添加することにより、耐摩耗性が向上することが判明した。さらに、スズ原子(Sn)を含む粒子が、重合性官能基を有する表面処理剤で処理されることで前記架橋性樹脂とスズ原子(Sn)を含む粒子との間に架橋構造を発現し保護層の強度が上がり、耐摩耗性が著しく向上する。また、メラミン樹脂粒子を含むことで、フィラー効果から耐摩耗性をより向上することができることが判明した。
一方で、トナーのクリーニング性を向上させるために、脂肪酸金属塩などの潤滑性をもつ粒子を潤滑剤としてトナーに添加することは一般に行われている。
しかしながら、脂肪酸金属塩は、保護層に架橋性樹脂とスズ原子(Sn)を含む粒子とを含有した感光体との親和性が低く、感光体表面全体に行き渡らない。このため、感光体の帯電性が不均一となり、画像ムラが発生したり、クリーニング不良によるトナーすり抜けが原因となって画像筋が発生したりするという問題があった。
本発明に係る脂肪族アルコール化合物は適度な硬度と極性を持つことにより、十分な潤滑性を示すとともに、前記の保護層に含まれるスズ原子(Sn)を含む粒子との親和性が高く延展しやすい。本発明に係るトナーは、前記脂肪族アルコール化合物が潤滑剤(外添剤)として添加されているため、感光体に均一に付着することができる。このため、本発明の電子写真画像形成方法は、画像ムラや画像筋の発生を防ぐことができる。また、脂肪酸金属塩を一定の割合で含むことで、潤滑性が相乗効果を示しクリーニング性をより向上することが判明した。
本発明の画像形成方法に用いられる帯電ローラー方式の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図 図1に示す画像形成装置における帯電ローラーの構成の一例を示す説明用断面図 本発明の感光体の製造方法に用いられる円形スライドホッパー塗布装置の構成の一例を示す説明用断面図 図3に示す円形スライドホッパー塗布装置の斜視断面図
本発明の電子写真画像形成方法は、帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程と、を含む電子写真画像形成方法であって、前記電子写真画像形成方法に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、前記電子写真画像形成方法に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価(ヒドロキシル価ともいう。)が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項7までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
また、本発明はこのような特徴を有することにより、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けを抑制できるという効果を奏する。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記保護層の前記架橋樹脂が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物を重合して得られる架橋樹脂であることが好ましい。これにより、基本的に高い層強度が得られるため、保護層の耐久性を向上させることができる。
さらに、本発明においては、前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、少なくともSnOからなる粒子又は少なくともSnOとBaSOとからなる複合粒子であることが好ましい。これにより、本発明に係る感光体が高い電位特性を得られる。
さらに、本発明においては、前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された粒子であることが好ましい。これにより、保護層の膜強度が十分に得られるとともに電位安定性が得られ、高い耐久性及び電位特性の両立を図ることができる。また、架橋樹脂中でのスズ原子(Sn)を含有する粒子に高い分散性が得られる。
さらに、本発明においては、前記保護層が、メラミン樹脂粒子を含有していることが好ましい。これにより、フィラー効果から感光体の耐摩耗性をより向上させることができる。
さらに、本発明においては、前記外添剤が、脂肪酸金属塩を含有していることが好ましい。これにより、トナーのクリーニング性がさらに向上する。
本発明の電子写真画像形成方法は、電子写真画像形成装置に好適に具備され得る。これにより、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けの抑制ができる電子写真画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(本発明の電子写真画像形成方法の概要)
本発明の電子写真画像形成方法は、帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程と、を含む電子写真画像形成方法であって、
前記電子写真画像形成方法に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、
当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、
前記電子写真画像形成方法に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、
当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする。
具体的には、感光体を帯電ローラーを用いて一様に帯電させる帯電工程と、一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成させる露光工程と、この静電潜像を、下記に詳述する静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)によって現像する現像工程と、現像して得られたトナー像を紙などの転写材上に転写する転写工程と、トナー像を転写した後に感光体上をクリーニングブレードにてクリーニングするクリーニング工程とを有する。
<帯電工程>
本工程では、電子写真感光体を帯電させる。帯電させる方法は、特に限定されず、例えば、帯電ローラーによって電子写真感光体の帯電が行われる帯電ローラー方式など、公知の方法でよい。
<静電潜像形成工程>
本工程では、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成する。
電子写真感光体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリシラン又はフタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、電子写真感光体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行われる。
帯電手段及び露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
<現像工程>
現像工程は、静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラーとからなる現像手段を用いて行われる。
具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、電子写真感光体(静電潜像担持体)近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって電子写真感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。
(トナー)
本発明に係るトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする。これにより本発明は、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けを抑制できるという効果を奏する。
また、本発明においては、外添剤が、脂肪酸金属塩を含有していることが好ましい。これにより、トナーのクリーニング性がさらに向上する。
〔トナーの製造方法〕
本発明に係るトナーは、トナー粒子に少なくとも脂肪族アルコール化合物を含有する外添剤が添加されてなるものであるが、当該トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、高画質化、帯電の高安定化に有利となる粒径の均一性、形状の制御性、コア・シェル構造形成の容易性の観点から、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて着色剤の微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、樹脂微粒子を、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、又はいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子が内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子を凝集させる際にともに凝集させてもよい。
また、トナー粒子をコア・シェル構造を有するものとして構成する場合は、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させればよい。
得られた乾燥済みのトナー粒子に、脂肪族アルコール化合物を含有する外添剤を添加して混合する乾式法により、外添剤が添加され、これにより本発明の電子写真画像形成方法に用いるトナーが製造される。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
(外添剤)
本発明の外添剤は、脂肪族アルコール化合物を含有する。
また、本発明の外添剤は、脂肪酸金属塩を含有していることが好ましい。
また、上記以外に、トナーとしての帯電性能や流動性を向上させるその他の外添剤が含有されていてもよい。具体的には、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子やこれらの複合酸化物微粒子、有機微粒子などを用いることもできる。
(脂肪族アルコール化合物)
本発明に係る脂肪族アルコール化合物は、重量平均分子量が300〜1500の範囲内であり、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である。これにより、長期使用での感光体の耐摩耗性の向上、潤滑剤起因による画像ムラの改善及びクリーニング不良によるトナーすり抜けを抑制できるという効果を奏する。
(脂肪族アルコールの製造方法)
本発明に係る脂肪族アルコール化合物の製造方法は、特に限定されず公知のものを適用可能である。以下に、本発明に係る脂肪族アルコール化合物の製造方法について、工業的に適用可能な例を具体的に述べる。
工業的には、高級脂肪酸を原料に、リチウムアルミニウムヒドリド(LiAlH)を用いた化学的還元法や高級脂肪酸エステルの直接水素化といった方法で合成されている。
ここで用いられる油脂としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、ナタネ油、牛脂、豚脂、及び魚油等の動植物油脂、並びにこれらの硬化油が挙げられる。
ここで用いられる脂肪酸エステルとしては、上記の油脂を公知の方法によりアルコールでエステル交換して得られるもの、又は上記の油脂から加水分解等の公知の方法により得られるカルボン酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られるものが挙げられる。
このエステル交換やエステル化のために用いられるアルコールとしては、エステル化の速度、高級アルコールの生産効率の観点から、炭素数が18以下のものが用いられる。即ち、炭素数が1〜18の範囲内のものが好ましく、炭素数が1〜4の範囲内のものがさらに好ましく、炭素数1のものが特に好ましく用いられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール等が挙げられる。
上述の油脂又は脂肪酸エステルは、水素化触媒を用いて水素添加されることで対応する脂肪族アルコールに誘導される。ここで用いる水素化触媒としては特に限定されるものではなく、通常公知のものが用いられるが、好ましくは銅系の触媒、例えば銅、銅−クロマイト、銅−亜鉛、又は銅−鉄−アルミを主成分とする水素化触媒が挙げられる。また、その形態は特に限定されるものではなく、粉末状、タブレット状いずれのものであってもよい。
油脂又は脂肪酸エステルの水素添加は、水素化触媒の存在下、液相懸濁床又は固定床のいずれの反応方式によっても実施可能である。液相懸濁床反応の場合、反応温度は130〜350℃の範囲内、好ましくは180〜300℃の範囲内、水素圧は980.7kPa〜34.3MPa(10〜350kg/cm)の範囲内、好ましくは9.8〜24.5MPa(100〜250kg/cm)の範囲内、反応時間は0.5〜5時間の範囲内で行われる。触媒の使用量は出発原料である油脂又は脂肪酸エステルに対し0.1〜60質量%の範囲内、好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲内である。
また、固定床反応方式を採用する場合、成形された触媒が用いられる。反応温度は130〜300℃の範囲内、好ましくは160〜270℃の範囲内、反応圧力は9.8kPa〜29.4MPa(0.1〜300kg/cm)の範囲内、好ましくは2.0〜24.5MPa(20〜250kg/cm)の範囲内である。ここで、反応条件に応じ液空間速度(LHSV)は任意に決定されるが、生産性あるいは反応性を考慮すると、LHSVは0.5〜5(h−1)の範囲内が好ましい。
ここで用いられる反応器としては特に限定されるものではなく、通常公知のものが用いられる。例えば、液相懸濁床反応方式の場合は気液固懸濁床等が挙げられ、固定床反応方式の場合はトリクル反応床(気液並流固定床)等が挙げられる。
上述のようにして得た反応生成物から対応する脂肪族アルコールを得るには、さらに触媒の濾過、蒸留等の精製を行えばよい。
なお、本発明に係る脂肪族アルコール化合物の重量平均分子量は300〜1500の範囲内であることが好ましい。この範囲であると硬さが好適で、感光体に被覆しやすく、クリーニング性が向上する。すなわち、分子量が1500以下であると、脂肪族アルコール化合物が硬すぎて感光体に全く作用しない、というおそれを回避することができる。これにより、クリーニング性能が向上しない、というおそれを回避することができる。また、分子量が300以上であると、脂肪族アルコール化合物の強度が不足して感光体上にフィルミングを起こすおそれを回避することができる。
また、本発明に係る脂肪族アルコール化合物は、炭素数が20〜100の範囲内であることが好ましい。この範囲であると硬さが好適で、感光体に被覆しやすく、クリーニング性が向上する。すなわち、炭素数が100以下であると、脂肪族アルコール化合物が硬すぎて感光体に全く作用しない、というおそれを回避することができる。これにより、クリーニング性能が向上しない、というおそれを回避することができる。また、炭素数が20以上であると、脂肪族アルコール化合物の強度が不足して感光体上にフィルミングを起こすおそれを回避することができる。
また、本発明に係る脂肪族アルコール化合物は、直鎖状であることが好ましい。分岐鎖、環状基を有すると、感光体上にフィルミングを起こしやすい。
本発明に係る脂肪族アルコール化合物は、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。これらの範囲であると十分な潤滑性を持ち、保護層との親和性が高く、長期に渡る耐摩耗性、良好な画像品質、均一なクリーニング性確保に優れる。すなわち、この範囲内であると、感光体との親和性が低下し付着が不均一となることを抑制でき、ひいては、感光体摩耗や画像ムラ、クリーニング性の低下を抑制することができる。
本発明に係る脂肪族アルコール化合物の数平均粒径は1〜20μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜10μmの範囲内である。この範囲であると、現像剤から感光体へ効率よく移行し、感光体の耐摩擦性を向上させることができる。脂肪族アルコール化合物の数平均粒径が1μm以上である場合は、トナー粒子への付着力が大きくなることを抑制できる。これにより、感光体上においても、脂肪族アルコール化合物がトナー粒子と一緒に挙動することを抑制でき、ひいては、クリーニング性向上効果を発揮することができないおそれを回避することができる。また、脂肪族アルコール化合物の数平均粒径が20μm以下である場合は、感光体へ移行しないおそれを回避することができる。これにより、脂肪族アルコール化合物が潤滑剤として機能しないおそれを回避することができる。
本発明に係る脂肪族アルコール化合物の添加割合は、トナー母体粒子100質量部に対して0.01〜2.0質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0質量部の範囲内である。
脂肪族アルコール化合物の添加割合が上記の範囲にあることにより、トナーに含有される脂肪族アルコール化合物が感光体上に安定的に供給されやすくなる。すなわち、脂肪族アルコール化合物の添加割合が0.01質量部以上である場合は、十分なクリーニング性が得られないおそれを回避できる。また、脂肪族アルコール化合物の添加割合が2.0質量部以下である場合は、トナーに十分な流動性が得られないおそれを回避できる。
(脂肪族アルコール化合物のヒドロキシ価の測定)
脂肪族アルコール化合物のヒドロキシ価はJIS K 0070−1992に準じて測定する。具体的には、下記のとおりである。
1.試薬の準備
アセチル化試薬(無水酢酸25gを全量フラスコ100mlに取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振り混ぜる。)
フェノールフタレイン溶液
0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液
2.測定法
(a)脂肪族アルコール化合物を0.5〜6.0gの範囲内、平底フラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを全量ピペットを用いて加える。
(b)フラスコの口に小さなロートを置き、温度95〜100℃の範囲内のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせる。
(c)1時間後にフラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷後ロートから水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。
(d)更に、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール(95)5mlでロート及びフラスコの壁を洗う。
(e)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
(f)空試験は、脂肪族アルコール化合物(a)を入れないで(a)から(e)を行う。
(g)試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加えて溶解する。
計算式は下記のとおりである。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ただし、
A:ヒドロキシ価(mgKOH/g)
B:空試験に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
C:滴定に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:脂肪族アルコール化合物の質量(g)
D:酸価
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×1/2
(脂肪族アルコール化合物の重量平均分子量の測定方法)
脂肪族アルコール化合物をo−ジクロロベンゼンに溶解し、0.15g/Lの溶液を作製する。作製した溶液をカラムGMH−MT30cm2連(東ソー社製)を設置したGPC装置、GPC−150C(ウォーターズ社製)に0.4ml注入し、流速1.0ml/min、135℃の温度で測定する。測定されたポリスチレン換算分子量を、さらにMark−Houwink粘度式から導き出される換算式で、ポリエチレン換算することによって脂肪族アルコール化合物の重量平均分子量とする。
(脂肪酸金属塩)
本発明において、脂肪酸金属塩の添加割合は、トナー母体粒子100質量部に対して0.005〜0.5質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.2質量部の範囲内とされる。脂肪酸金属塩の添加割合が上記の範囲にあることにより、クリーニング性をより向上させることができる。すなわち、脂肪酸金属塩の添加割合が0.005質量部以上である場合は、脂肪酸金属塩の量が少ないために効果が発現しない、というおそれを回避できるため、クリーニング性をより向上させることができる。また、脂肪酸金属塩の添加割合が0.5質量部以下である場合は、トナーの帯電性が低下するおそれを回避でき、ひいては、トナー飛散やカブリが発生しやすくなるおそれを回避できる。
脂肪族アルコール化合物の添加割合と脂肪酸金属塩の添加割合との比率は、脂肪族アルコール化合物及び脂肪酸金属塩の粒径によっても異なるが、質量比(脂肪族アルコール化合物の添加割合/脂肪酸金属塩の添加割合)の値が1〜100の範囲内であることが好ましい。脂肪族アルコール化合物の添加割合と脂肪酸金属塩の添加割合との比率が上記の範囲にあることにより、脂肪族アルコール化合物を確実に感光体に付着させることができる。
脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛などが挙げられる。これらは1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪酸金属塩の数平均粒径は、0.5〜20μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.8〜2μmの範囲内である。脂肪酸金属塩の数平均粒径が上記の範囲であることによって、十分なクリーニング性を得ることができる。すなわち、脂肪酸金属塩の数平均粒径が0.5μm以上である場合は、トナー粒子への付着力が大きくなることを抑制できる。これにより、感光体上においてもトナー粒子と一緒に挙動してしまうことを抑制でき、ひいては、クリーニング性向上効果を発揮することができないおそれを回避できる。また、脂肪酸金属塩の数平均粒径が20μm以下である場合は、画像欠陥が発生するおそれを回避できる。
(脂肪族アルコール化合物、脂肪族金属塩の数平均粒径の測定)
脂肪族アルコール化合物、脂肪族金属塩の数平均粒径は、画像解析法により測定されるものである。
具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて倍率3万倍でトナーの写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ製)」にて、写真画像上のトナー粒子表面に存在する外添剤について2値化処理し、粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均粒径とする。
(結着樹脂)
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されず、公知の種々のものを用いることができ、例えば、スチレン樹脂やアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、アミド樹脂又はエポキシ樹脂などが挙げられる。
結着樹脂としては、トナー粒径及び形状制御性と帯電性との観点から、スチレン−アクリル系樹脂を含有していることが好ましい。
また、スチレン−アクリル系樹脂を得るための重合性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などの(メタ)アクリレートエステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。
これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、30〜50℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜45℃の範囲内である。
結着樹脂のガラス転移点が上記範囲にあることにより、低温定着性及び耐熱保管性が両立して得られる。
結着樹脂のガラス転移点は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定されるものである。
測定手順としては、試料(結着樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃の範囲内、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行い、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
(着色樹脂)
トナー粒子に着色剤が含有される場合において、着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
〔離型剤〕
トナー粒子に離型剤が含有される場合において、離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部の範囲内とされ、より好ましくは5〜20質量部の範囲内とされる。離型剤の含有割合が上記範囲内であることにより、十分な定着分離性が得られる。
〔荷電制御剤〕
トナー粒子に荷電制御剤が含有される場合において、荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部の範囲内とされる。
(トナー粒子の平均粒径)
本発明に係るトナー粒子は、平均粒径が、例えば体積基準のメジアン径で3〜9μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜8μmの範囲内とされる。この粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、試料(トナー粒子)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加してなじませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲内を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメジアン径とされる。
(トナー粒子の平均円形度)
本発明に係るトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995の範囲内である。
本発明において、トナー粒子の平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(トナーの軟化点)
トナーの軟化点は、当該トナーに低温定着性を得る観点から、80〜120℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃の範囲内である。
トナーの軟化点は、下記に示すフローテスターによって測定されるものである。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって374.6MPa(3820kg/cm)の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、軟化点とされる。
<転写工程>
本工程では、トナー像を画像支持体に転写する。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に二次転写する態様の他、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
<クリーニング工程>
本工程では、現像ローラー、感光体、中間転写体などの現像剤担持体上には、画像形成に使用されなかった、あるいは転写されずに残った液体現像剤を現像剤担持体上から除去する。
クリーニングの方法は、特に限定されないが、先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードが用いられる方法であることが好ましい。
〔電子写真画像形成装置〕
本発明の電子写真画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備え、感光体として本発明の感光体が用いられてなるものである。そして、クリーニング手段として、その先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードを用いる構成とすることが好ましい。
本発明の画像形成方法に用いられる電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」ともいう。)としては、帯電方式が帯電ローラー方式であるものが用いられる。このような帯電ローラー方式の画像形成装置は、帯電ローラーが感光体に接触して設けられる構成であっても近接して設けられる構成であってもよい。
図1は、本発明の画像形成方法に用いられる帯電ローラー方式の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
図2は、図1に示す画像形成装置における帯電ローラーの構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、電子写真感光体(静電潜像担持体)であるドラム状の感光体10と、トナーと同極性のコロナ放電などによって当該感光体10の表面に一様な電位を与える帯電ローラー11よりなる帯電手段と、一様に帯電された感光体10の表面上にポリゴンミラーなどによって画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段12と、回転される現像スリーブ131を備え、これの上に保持されたトナーを感光体10の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段13と、当該トナー像を必要に応じて転写材Pに転写する転写手段14と、感光体10から転写材Pを分離する分離手段16と、転写材P上のトナー像を定着させる定着手段17と、感光体10上の残留トナーを除去するクリーニングブレード18を有するクリーニング手段とを有するものである。
〔電子写真感光体〕
本発明の電子写真画像形成方法に用いられる電子写真感光体は、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有していることを特徴とする。
また、本発明に係る架橋樹脂が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物を重合して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
また、保護層が、メラミン樹脂粒子を含有していることが好ましい。
感光体の層構成としては、導電性支持体上に、有機感光層及び保護層がこの順に積層されてなるものであれば特に限定されないが、具体的には下記(1)及び(2)の層構成を有するものが挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生層及び電荷輸送層、並びに保護層がこの順に積層されてなる層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む層、並びに保護層がこの順に積層されてなる層構成。
本発明に係る電子写真感光体は、電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物により発揮されて構成されるものであり、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成される有機感光層を有する感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とが高分子錯体により構成される有機感光層を有する感光体など公知の感光体全てを含む。
有機感光層は、従来公知の原材料を用いて従来公知の種々の製法により作製されたものとすることができる。
(保護層)
本発明に係る保護層は、少なくとも架橋樹脂(硬化樹脂)とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有して構成される。本発明の感光体において、保護層の主成分が架橋樹脂であることにより、基本的に高い膜強度が得られ、したがって、高い耐久性が得られ、また、この架橋樹脂中に含有されるスズ原子(Sn)を含有する粒子により高い電位特性が得られる。
なお、保護層の層厚は、0.2〜10μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。
(架橋樹脂)
保護層を構成する架橋樹脂は、重合性化合物を重合し、硬化することにより得られるものであり、具体的には、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性化合物を重合し、硬化することにより得られるものである。
本発明においては、特に、前記架橋樹脂が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物を重合して得られる架橋樹脂であることが好ましい。これにより、本発明に係る保護層が基本的に高い層強度が得られるため、耐久性を向上させることができる。
なお、架橋樹脂は、上記アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物を重合して得られる樹脂に限定されない。
例えば、架橋樹脂を合成するための重合性化合物としては、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、及びN−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。これらの重合性化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。重合性化合物としては、少ない光量又は短い時間での硬化が可能であることから、重合性官能基としてアクリロイル基(CH=CHCO−)又はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有するものが好ましく用いられ、得られる架橋樹脂の架橋密度が高くなって耐摩耗特性を向上させることができる点から、特に、重合性官能基を2〜6基有する重合性化合物を用いることが好ましい。これら重合性化合物は、特開2011−175140号公報に記載されており、そのうち、代表的な化合物の一部を以下に例示する。
Figure 0006056662
Figure 0006056662
ここで、Rはアクリロイル基(CH=CHCO−)、R′はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を表す。
(スズ原子(Sn)を含有する粒子)
本発明に係るスズ原子(Sn)を含む粒子としては、コアがBaSO(硫酸バリウム)からなりシェルがSnO(酸化スズ)からなるコア・シェル型複合粒子及びSnO粒子などが挙げられる。BaSOとSnOとからなる複合粒子は三井金属鉱業株式会社製の「パストラン−IV」が、SnO粒子はCIKナノテック社製の「NanoTek」が、市販品として入手できる。
本発明に係るスズ原子(Sn)を含む粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲内、特には3〜100nmの範囲内であることが好ましい。これにより、粒径が余りに小さいために、耐摩耗性改善性能が不足するというおそれを回避できる。また、反対に粒径が大きすぎることから生じる、画像書き込み時の光の散乱及び表面層形成時の光硬化反応の阻害を抑制することができ、ひいては、耐摩耗性に悪影響を与えるおそれを回避できる。
また、本発明に係るスズ原子(Sn)を含む粒子は、感光体の耐久性向上の観点から、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された粒子であることが好ましい。重合性官能基とは、その代表例はラジカル重合性官能基である。したがって、表面処理剤としては、ラジカル重合性官能基を有する化合物であり、かつ粒子表面を覆うことができる化合物であればよい。特に好ましいラジカル重合性官能基は、反応性アクリロイル基又はメタクリロイル基であり、粒子表面を覆うためにスズ原子(Sn)を含む粒子の表面に結合する部分はシランカップリング剤としての構造を有する。本発明において好ましく用いることができる重合性官能基を有する表面処理剤は、反応性ビニル基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するシランカップリング剤である。
以下、表面処理剤の具体例として、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する表面処理剤を示す。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC6H
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C10H1)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CHC6H)(OCH
また、表面処理剤としては、上記例示化合物(S−1)〜(S−36)に示すもの以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。
表面処理剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
表面処理剤の処理量は、スズ原子(Sn)を含む粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
表面処理剤のスズ原子(Sn)を含む粒子に対する処理方法としては、例えば、スズ原子(Sn)を含む粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、スズ原子(Sn)を含む粒子の再凝集を防止すると同時にスズ原子(Sn)を含む粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、スズ原子(Sn)を含む粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、スズ原子(Sn)を含む粒子に表面処理を行う際にスズ原子(Sn)を含む粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニア又はシリコーンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
本発明に係る保護層には、架橋樹脂及びスズ原子(Sn)を含む粒子の他に他の成分が含有されていてもよく、例えば各種の酸化防止剤や、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(保護層のスズ原子(Sn)含有量の測定)
保護層のスズ原子(Sn)含有量の測定は、蛍光X線分析装置「XRF−1700」((株)島津製作所製)を用いて測定できる。具体的には、まず、スズ原子(Sn)の含有割合が既知の感光体を複数用意し、その保護層を削り取り、サンプル3gを加圧してペレット化し、スズ原子(Sn)の含有割合(質量ppm)と、スズ原子(Sn)からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、スズ原子(Sn)の含有割合を測定すべき保護層を削り取り、同様にペレット化し、スズ原子(Sn)からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「保護層のスズ原子(Sn)含有量」を求めることができる。
(メラミン樹脂粒子)
本発明に係るメラミン樹脂粒子の数平均一次粒径は20〜2000nmの範囲内、特には50〜1000nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、径が余りに小さいために、耐摩耗性改善性能が不足するというおそれを回避できる。また、反対に粒径が大きすぎることから生じる、画像書き込み時の光の散乱及び表面層形成時の光硬化反応の阻害を抑制することができ、ひいては、耐摩耗性に悪影響を与えるおそれを回避できる。
また、本発明に係るメラミン樹脂粒子は球状であることが好ましい。なお、メラミン樹脂粒子は、日本触媒(株)製のエポスターS、エポスターS6、エポスターS12が市販品として入手できる。
(スズ原子(Sn)を含む粒子、メラミン樹脂粒子の数平均一次粒径の測定方法)
スズ原子(Sn)を含む粒子、メラミン樹脂粒子の数平均一次粒径は、画像解析法により測定されるものである。
具体的には、走査型電子顕微鏡(日本電子製など)により10万倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出する。
(感光体表面のユニバーサル硬さHU)
感光体表面のユニバーサル硬さHUは、ISO/FDIS14577に準拠するフィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH100V(商品名)を用いる表面被膜物性試験から得られる硬さ値である。測定には、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド製の圧子を使用する。そして、上記硬さ値は、この圧子に測定荷重F(単位:N)を段階的にかけて被測定試料に押し込んでいき、荷重をかけた状態での押し込み深さh(単位:mm)を電気的に検出し、下記式(ア)によって計算される値である。なお、下記式(ア)において、K=1/26.43である。
式(ア):HU=K×F/h[N/mm
以下、保護層以外の感光体の構成につき、上記(1)の層構成である場合について説明する。
〔導電性支持体〕
本発明の感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明の感光体においては、導電性支持体と有機感光層(以下「感光層」ともいう。)の間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けることが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)及び必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらの中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数一次平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
これら金属酸化物粒子は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体又は融着の形をとってもよい。
導電性粒子又は金属酸化物粒子の含有割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜350質量部の範囲内である。
中間層の層厚は、0.1〜15μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.3〜10μmの範囲内である。
〔電荷発生層〕
本発明の感光体を構成する感光層における電荷発生層は、電荷発生物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜600質量部の範囲内であることが好ましく、よりに好ましくは50〜500質量部の範囲内である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性、含有割合などにより異なるが、0.01〜5μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜3μmの範囲内である。
〔電荷輸送層〕
本発明の感光体を構成する感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷(正孔)を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。また、例えば、下記化合物A又は化合物Bを電荷輸送物質としてもよい。
Figure 0006056662
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部の範囲内であることが好ましく、よりに好ましくは20〜250質量部の範囲内である。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性及び含有割合などによって異なるが、5〜40μmの範囲内であることが好ましく、よりに好ましくは10〜30μmの範囲内である。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを添加してもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
以上のような感光体によれば、硬化樹脂中にスズ原子(Sn)を含有する粒子が含有されてなる保護層において、当該保護層の十点平均粗さRzJISが特定の範囲内であるとともに、式(n×d)の値が特定の範囲内、すなわちスズ原子(Sn)を含有する粒子が保護層に露出した個数及び大きさの程度が特定の範囲内であることにより、高い耐久性及び電位特性が得られ、また、ブレードなどのクリーニング手段によってクリーニングされる場合においても、感光体とブレードとの間の摩擦力又はトルクが低減されて、ブレードのビビリやメクレの発生、ブレードの摩耗を抑制することができる。
〔感光体の製造方法〕
本発明の感光体の製造方法としては、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程。工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程。工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程。工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に、保護層形成用の塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を硬化処理することにより、保護層を形成する工程。
〔工程(1):中間層の形成〕
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて塗布液(以下、「中間層塗布液」ともいう。)を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子を分散させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層塗布液中に導電性粒子や金属酸化物粒子を分散する手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
中間層塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の形成工程において使用する溶媒としては、導電性粒子や金属酸化物粒子を良好に分散し、中間層用バインダー樹脂、特にポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用でき、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
中間層塗布液中の中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層の層厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
〔工程(2):電荷発生層の形成〕
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して塗布液(以下、「電荷発生層塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層塗布液中に電荷発生物質を分散する手段としては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(3):電荷輸送層の形成〕
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた塗布液(以下、「電荷輸送層塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(4):保護層の形成〕
保護層は、硬化樹脂を形成すべき重合性化合物、重合開始剤、スズ原子(Sn)を含有する粒子及び必要に応じて他の成分を公知の溶媒に添加して塗布液(以下、「保護層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、この保護層形成用塗布液を工程(3)により形成された電荷輸送層の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合反応させて硬化することにより保護層を形成することができる。
保護層は、塗布、乾燥、硬化の過程で、重合性化合物間の反応や、スズ原子(Sn)を含有する粒子が重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されてなるものである場合には、当該表面処理剤の重合性官能基と重合性化合物との反応などが進行することにより、架橋型硬化樹脂として形成される。
保護層形成用塗布液中にスズ原子(Sn)を含有する粒子を分散する手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
なお、保護層の十点平均粗さRzJISやピークカウントの数は、スズ原子(Sn)を含有する粒子の分散時間によって制御することもできる。
保護層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物及びスズ原子(Sn)を含有する粒子を溶解又は分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
保護層形成用塗布液は、円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布することが好ましい。
以下、円形スライドホッパー塗布装置を用いて保護層形成用塗布液を塗布する方法について具体的に説明する。
図3は、本発明の感光体の製造方法に用いられる円形スライドホッパー塗布装置の構成の一例を示す説明用断面図である。図4は、図3に示す円形スライドホッパー塗布装置の斜視断面図である。
図3及び図4に示すように、円形スライドホッパー塗布装置は、円筒状の基材251と、その周囲を取り囲むように設けられた環状の塗布ヘッド260と、塗布液Lを貯留する貯留タンク254とから構成される。
ここでいう基材251は、保護層形成用塗布液が塗布されるべき基材であり、例えば導電性支持体上に中間層及び感光層が形成された状態のもの(保護層が形成されていないもの)である。
塗布ヘッド260には、基材251側に開口する塗布液流出口261を有する幅狭の塗布液分配スリット262が基材251の長手方向に垂直な方向に沿って環状の塗布ヘッド260の全周にわたって形成されている。この塗布液分配スリット262は、環状の塗布液分配室263に連通し、この塗布液分配室263は、貯留タンク254内の塗布液Lが圧送ポンプ255により供給管264を介して供給されるよう形成されている。
塗布液分配スリット262の塗布液流出口261の下側には、連続して下方に傾斜し基材251の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されたスライド面265が形成されており、さらに、このスライド面265終端より下方に延びる唇状部(ビード;液溜まり部)266が形成されている。
このような円形スライドホッパー塗布装置においては、基材251を矢印方向に移動させる過程で、塗布液Lを塗布液分配スリット262から押し出し、スライド面265に沿って流下させると、スライド面265終端に至った塗布液Lは、そのスライド面265終端と、基材251の外周面との間にビードを形成した後、基材251表面に塗布されて塗膜Fが形成され、過剰な塗布液Lは排出口267から排出される。
このような円形スライドホッパー塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mmの範囲内)を持って配置されているため基材を傷つけることなく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。さらに性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬コーティング方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へほとんど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、例えばスズ原子(Sn)を含有する粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥又は熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などのよって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃の範囲内であり、特に好ましくは80〜140℃の範囲内である。乾燥時間は、好ましくは1〜200分間の範囲内であり、特に好ましくは5〜100分間の範囲内である。
重合性化合物を反応させる方法としては、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤及び熱重合開始剤を併用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、又はホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、又は、アシルホスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
以下、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド系化合物の具体例を示す。
Figure 0006056662
重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部の範囲内である。
硬化処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、硬化樹脂が生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cmの範囲内、好ましくは5〜100mJ/cmの範囲内である。
ランプの電力は、好ましくは0.1〜5kWの範囲内であり、特に好ましくは、0.5〜3kWの範囲内である。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVの範囲内であることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradの範囲内であることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間の範囲内が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間の範囲内がより好ましい。
保護層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
〔帯電ローラー〕
帯電ローラー11は、図2に示されるように、芯金11aの表面上に積層された、帯電音を低減させるとともに弾性を付与して感光体10に対する均一な密着性を得るための弾性層11bの表面上に、必要に応じて帯電ローラー11が全体として高い均一性の電気抵抗を得るための抵抗制御層11cが積層され、当該抵抗制御層11c上に表面層11dが積層されたものが、押圧バネ11eによって感光体10の方向に付勢されて感光体10の表面に対して所定の押圧力で圧接されて帯電ニップ部が形成された状態とされる構成とされており、感光体10の回転に従動して回転される。
芯金11aは、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケルなどの金属、あるいはこれらの金属の表面に、防錆性や耐付傷性を得るために導電性を損なわない範囲においてメッキ処理したものからなり、その外径は例えば3〜20mmとされる。
弾性層11bは、例えば、ゴムなどの弾性材料中にカーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子やアルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などが添加されたものからなる。弾性材料の具体例としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムや、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂などの樹脂、あるいは発泡スポンジなどの発泡体などを挙げることができる。弾性の大きさは、プロセス油、可塑剤などを弾性材料中に添加することにより調整することができる。
弾性層11bは、その体積抵抗率が1×10〜1×1010Ω・cmの範囲であることが好ましい。また、その層厚は500〜5000μmであることが好ましく、より好ましくは500〜3000μmである。
弾性層11bの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
抵抗制御層11cは、帯電ローラー11を全体として均一な電気抵抗を有する目的などにより設けられるものであるが、なくてもよい。この抵抗制御層11cは、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けることができる。
この抵抗制御層11cを構成する具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂;エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリル系ゴムなどのゴム類などの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子;アルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。
抵抗制御層11cは、その体積抵抗率が1×10−2〜1×1014Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×1010Ω・cmである。また、その層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmである。
抵抗制御層11cの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
表面層11dは、弾性層11b中の可塑剤などの得られる帯電ローラーの表面へのブリードアウトを防止する目的や帯電ローラーの表面の滑り性や平滑性を得る目的、あるいは感光体10上にピンホールなどの欠陥があった場合にもリークの発生を防止する目的などにより設けられるものであって、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けられる。
表面層11dを材料の塗工により設ける場合は、具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂及びシリコーン樹脂などの樹脂、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリル系ゴムなどの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。塗工方法としては、浸漬塗工法、ロール塗工法及びスプレー塗工法などが挙げられる。
また、表面層11dをチューブの被覆により設ける場合は、具体的なチューブとしては、ナイロン12、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP);ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系及びポリアミド系などの熱可塑性エラストマーなどに上記の導電剤が添加されたものがチューブ状に成形されたものが挙げられる。このチューブは熱収縮性のものでもよく、非熱収縮性のものでもよい。
表面層11dは、その体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×10Ω・cmである。また、その層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましく1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmである。
表面層11dの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
また、表面層11dは、その表面粗さRzが1〜30μmのものが好ましく、より好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmである。
以上のような帯電ローラー11においては、帯電ローラー11の芯金11aに電源S1より帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体10の表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。ここに、帯電バイアス電圧は、例えば直流電圧(Vdc)に交流電圧(Vac)が重畳された振動電圧とすることができる。
図2に示した帯電ローラーによる帯電条件の一例を示すと、帯電バイアス電圧を形成する直流電圧(Vdc)が−500V、交流電圧(Vac)が周波数1000Hz、ピーク間電圧1300Vの正弦波であり、この帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体10の表面が−500Vに一様に帯電される。
この帯電ローラー11は、感光体10の長手方向長さに基づいた長さとされ、長手方向の長さは例えば320mmとすることができる。
〔クリーニングブレード〕
本発明の画像形成方法において用いられるクリーニングブレード18としては、弾性体であるゴム材料よりなるものが好ましく用いられる。ゴム材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられ、これらのうちでも、特に、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点から、ウレタンゴムを用いることが好ましい。
クリーニングブレード18の形状及び材質は、トナーの特性、感光体の特性、中間転写体、二次転写体、クリーニングブレード18の当接角や当接圧などの種々の条件によって適宜に決定することができる。
この画像形成装置においては、感光体10上に形成されたトナー像が、タイミングを合わせて搬送される転写材P上に転写手段14により転写され、分離手段16によって感光体10から分離されて定着手段17において定着されることにより、可視画像が形成される。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、上記のような構成のものに限定されず、複数の感光体に係る画像形成ユニットが中間転写体に沿って設けられた構成を有するカラー画像形成装置であってもよい。
以上のような電子写真画像形成装置によれば、本発明の感光体が備えられていることにより、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
<トナーの作製例1>
(1)トナー母体粒子(着色粒子)の形成
(1−1)コア部用樹脂微粒子〔1〕の作製工程
下記に示す第1段重合、第2段重合及び第3段重合を経て多層構造を有するコア部用樹脂微粒子〔1〕を作製した。
(a)第1段重合(樹脂微粒子〔A1〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂微粒子〔A1〕を作製した。なお、第1段重合で作製した樹脂微粒子〔A1〕の重量平均分子量(Mw)は16500であった。
重量平均分子量(Mw)の測定は、「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μlを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
(b)第2段重合(樹脂微粒子〔A2〕:中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、n−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
一方、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、前述の樹脂微粒子〔A1〕32.8質量部(固形分換算)添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記パラフィンワックスを含有する単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径340nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。次いで、この乳化粒子分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、樹脂微粒子〔A2〕を作製した。この第2段重合で調製した樹脂微粒子〔A2〕の重量平均分子量(Mw)は23000であった。
(c)第3段重合(コア部用樹脂微粒子〔1〕:外層の形成)
上記樹脂微粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部、n−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しコア部用樹脂微粒子〔1〕を得た。なお、コア部用樹脂微粒子〔1〕の重量平均分子量(Mw)は26800であった。また、コア部用樹脂微粒子〔1〕の体積平均粒径は125nmであった。さらに、このコア部用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移点(Tg)は28.1℃であった。
(1−2)シェル層用樹脂微粒子〔1〕の作製工程
上記コア部用樹脂微粒子〔1〕の第1段重合において、スチレンを548質量部、2−エチヘキシルアクリレートを156質量部、メタクリル酸を96質量部、n−オクチルメルカプタンを16.5質量部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、シェル層用樹脂微粒子〔1〕を作製した。なお、シェル層用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移点(Tg)は53.0℃であった。
(1−3)着色剤微粒子分散液の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
この着色剤微粒子分散液〔1〕における着色剤微粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子杜製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(1−4)トナー母体粒子〔1〕の作製
(a)コア部〔1〕の形成
コア部用樹脂微粒子〔1〕420質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕100質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11の範囲内に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・六水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を80分間かけて80℃(コア部形成温度)まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて粒子の粒径を測定し、粒子の体積基準のメジアン径(D50)が5.8μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度80℃(コア部熟成温度)にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア部〔1〕を形成した。なお、コア部〔1〕の円形度を「FPIA2100」(シスメックス社製)にて測定したところ0.930であった。また、電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子社製)を用いて走査透過電子顕微鏡法にてコア部〔1〕を10000倍にて観察し、着色剤が結着樹脂に溶解し、着色剤分散微粒子が残っていないことを確認した。
(b)シェル層の形成
次いで、65℃においてシェル層用樹脂微粒子〔1〕46.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・六水和物2質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、80℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、コア部〔1〕の表面に、シェル層用樹脂微粒子〔1〕の粒子を融着させた後、80℃(シェル熟成温度)で所定の円形度まで熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する、体積基準のメジアン径(D50)が5.9μm、ガラス転移点(Tg)が31℃のトナー母体粒子〔1〕を得た。
(2)外添剤の添加
乾燥されたトナー母体粒子〔1〕100質量部に、脂肪族アルコール化合物(平均分子量1000、ヒドロキシ価33、粒径5μm)0.5質量部、並びに、負帯電性シリカ「RX−200(日本アエロジル社製)」1質量部及び負帯電シリカ「NX90(日本アエロジル社製)」1質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス社製)を用いて回転翼周速を35m/sec、処理温度を32℃として20分間混合処理し、その後、目開き45μmのふるいを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を作製した。
<感光体の作製例1>
(導電性支持体の作製)
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体を作製した。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製のリジメッシュ5μmフィルターを用いて濾過することにより、中間層塗布液を調製した。
ポリアミド樹脂 (CM8000:東レ社製) 1質量部
酸化チタン (SMT500SAS:テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記の中間層塗布液を、上記の導電性支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって中間層を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:下記顔料〔CG−1〕: 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この電荷発生層塗布液を上記の中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〔顔料の合成(CG−1)〕
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン29.2質量部をオルトジクロロベンゼン200質量部に分散させ、チタニウムテトラ−n−ブトキシド20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃の範囲内で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムによる洗浄、2%塩酸水溶液による洗浄、水洗、メタノールによる洗浄を行い、乾燥することにより、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、この粗チタニルフタロシアニンを濃硫酸250質量部中に添加し、5℃以下で1時間撹拌して溶解させ、これを20℃の水5000質量部に注ぎ、析出した結晶を濾過し、充分に水洗することによりウェットペースト品225質量部を得、これを冷凍庫にて凍結させ、解凍した後、濾過、乾燥することにより、無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
(2)(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン〔CG−1〕の合成
上記の無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(無定形チタニルフタロシアニンに対する当量比=0.6)を、オルトジクロロベンゼン200質量部中に混合し、60〜70℃の範囲内で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、当該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールにより洗浄することにより、顔料((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)〔CG−1〕10.3gを得た。
この〔CG−1〕のX線回折スペクトルを測定したところ、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークが見られた。また、マススペクトルを測定したところ、576及び648にピークが見られ、また、IRスペクトルを測定したところ、970cm−1付近にTi=Oの吸収が現れるとともに630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れた。また、熱分析(TG)を行ったところ、390〜410℃の範囲内に約7%の質量減少があった。以上のことから、当該〔CG−1〕が、チタニルフタロシアニン及び(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、未付加(不可していない)のチタニルフタロシアニンの混晶と推定した。
この〔CG−1〕のBET比表面積を測定したところ、31.2m/gであった。
X線回折スペクトルは、〔CG−1〕を透明ガラスプレート上に塗布し、乾燥させた試料を用いて測定した。また、BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置「マイクロメトリックス・フローソープ型」(島津製作所社製)を用いて測定した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質(上記化合物A) 225質量部
バインダー:ポリカーボネートZ(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製) 6質量部
THF(テトラヒドロフラン) 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層の形成)
まず、以下のとおりに、重合性官能基を有する表面処理剤によってスズ原子(Sn)を含む粒子の表面処理を行った。
スズ原子(Sn)を含む粒子:SnO(CIKナノテック社製、数平均一次粒子径20nm、体積抵抗率:1.05×10(Ω・cm))100質量部、表面処理剤:上述の例示化合物(S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH)30質量部、溶媒:トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ、約40℃において回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、SnOに対する重合性官能基を有する化合物による表面処理を行い、表面処理済みSnOを得た。
この表面処理により、SnOの粒子表面は例示化合物(S−15)により被覆されていた。
表面処理済みSnO 80質量部
重合性化合物(上記例示化合物M1) 100質量部
電荷輸送物質(上記化合物B) 20質量部
重合開始剤(イルガキュアー819:BASFジャパン社製) 10質量部
2−ブタノール 320質量部
テトラヒドロフラン 80質量部
からなる塗布液の組成物を混合撹拌して十分に溶解又は分散させ、保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、塗布後、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射することにより、乾燥膜厚3.0μmの保護層を形成し、これにより感光体〔1〕を作製した。
得られた感光体〔1〕の表面のユニバーサル硬さHUを前述の方法により測定したところ、240N/mmであった。
<感光体の作製例2>
スズ原子(Sn)を含む粒子を下記に変更する以外は、感光体〔1〕と同様に作製した。
スズ原子(Sn)を含む粒子:コア−BaSO、シェル−SnOのコア・シェル粒子(三井金属鉱業株式会社製「パストラン」、数平均一次粒子径100nm、体積抵抗率:3.3×10(Ω・cm))100質量部
得られた感光体〔2〕の表面のユニバーサル硬さHUを前述の方法により測定したところ、280N/mmであった。
<感光体の作製例3>
下記のメラミン樹脂粒子を感光体〔2〕の保護層形成用塗布液に添加する以外は、感光体〔2〕と同様に作製した。
メラミン樹脂粒子(日本触媒株式会社製「エポスターS」、数平均一次粒子径200nm、):40質量部
得られた感光体〔2〕の表面のユニバーサル硬さHUを前述の方法により測定したところ、320N/mmであった。
<感光体の作製例4>(比較例)
スズ原子(Sn)を含む粒子を保護層形成用塗布液に添加しないこと以外は、感光体〔1〕と同様に作製した。
得られた感光体〔4〕の表面のユニバーサル硬さHUを前述の方法により測定したところ、150N/mmであった。
<トナーの作製例2〜16>
トナーの作製例1における(2)外添剤の添加工程において、下記表1の処方に従った外添剤を用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕から〔16〕までを作製した。
〔現像剤の製造〕
トナー〔1〕から〔16〕までの各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7.5質量%となるよう混合することにより、現像剤〔1〕から〔16〕までを調製した。
<実施例1〜15、比較例1〜6>
Figure 0006056662
<評価方法>
デジタルカラー複合機「bizhub C360」(コニカミノルタ社製)の帯電手段を図1に示されるような帯電ローラー方式のものに改造し、感光体として上記の感光体〔1〕から〔4〕までを搭載した改造機(電子写真画像形成装置)を用意した。次に、表1に示す組み合わせで、感光体〔1〕から〔4〕までを搭載した改造機に現像剤〔1〕から〔16〕までを装填した。現像剤を装填した電子写真画像形成装置により、画像形成を行い、感光体摩耗、画像ムラ及びクリーニング性について評価した。
なお、各改造機においては、帯電ローラーとして、ナイロン樹脂製の1.0cmφであるものを用いた。
また、クリーニングブレードは、感光体とのなす角度が7.5°、当接圧力が29.4〜68.6kPa(3.0〜7.0gf/mm)の範囲内に可変できるように設置した。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 0006056662
(感光体摩耗)
感光体摩耗の評価は、A4上質紙(64g/m)を用いて、低温低湿(10℃、15RH%)下において、像密度5%にて5万枚の画像を形成させる前後で感光体の膜厚をレーザーマイクロスコープVK9500(倍率20倍、観察視野5.20mm×3.80mm)を用いて観察して測定し、その平均値の差をΔ膜厚として評価した。結果を表2に示す。本発明においては、Δ膜厚が10μm未満であれば(「◎」又は「○」であれば)実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
◎:Δ膜厚<1μm
○:1μm≦Δ膜厚<3μm
△:3μm≦Δ膜厚<5μm
×:5μm≦Δ膜厚
(画像ムラ)
現像剤〔1〕から〔16〕までを順次装填した上記の電子写真画像形成装置を用いて、高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)において画素率が40%の画像をA4版上質紙(64g/m)に1000枚の連続してプリントし、各プリントにおける画像ムラの発生の有無を目視で確認し、画像ムラが生じたプリント数xの割合(x/1000)×100を画像ムラ発生率とし、これによって画像ムラの発生についての評価を行った。結果を表2に示す。本発明においては、画像ムラが0.5%未満であれば(「◎」又は「○」であれば)実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
◎:画像ムラ発生率<0.2%
○:0.2%≦画像ムラ発生率<0.5%
△:0.5%≦画像ムラ発生率<1.0%
×:1.0%≦画像ムラ発生率
(クリーニング性)
現像剤〔1〕から〔16〕までを順次装填した上記の電子写真画像形成装置を用いて、低温低湿環境(温度10℃、湿度10%RH)において画素率が5%の画像をA4版上質紙(64g/m)に10万枚プリントした後、ベタのテスト画像(グリット電圧450V、現像電位:350V)を出力し、このベタ画像及び感光体を目視で視認して評価した。クリーニングブレードは、感光体とのなす角度が7.5°、当接圧力が29.4〜68.6kPa(3.0〜7.0gf/mm)の範囲内に可変できるように設置した。
結果を表2に示す。本発明においては、クリーニングブレードの当接圧力が49.0kPa(5.0gf/mm)以下でテスト画像上にトナーすり抜けがなければ(「◎」又は「○」であれば)実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
◎:当接圧力が29.4kPa(3.0gf/mm)でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない。
○:当接圧力が49.0kPa(5.0gf/mm)でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない。
△:当接圧力が68.6kPa(7.0gf/mm)でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない。
×:当接圧力が68.6kPa(7.0gf/mm)でテスト画像上にトナーのすり抜けが視認される。
表2に示した結果より、実施例1〜15は、比較例1〜6に比べて、耐摩耗性が向上し、画像ムラが改善し、かつ、トナーすり抜けが抑制されていることが認められた。
10 感光体
11 帯電ローラー
11a 芯金
11b 弾性層
11c 抵抗制御層
11d 表面層
11e 押圧バネ
12 露光手段
13 現像手段
131 現像スリーブ
14 転写手段
16 分離手段
17 定着手段
18 クリーニングブレード
251 基材
254 貯留タンク
255 圧送ポンプ
260 塗布ヘッド
261 塗布液流出口
262 塗布液分配スリット
263 塗布液分配室
264 供給管
265 スライド面
266 唇状部
267 排出口
P 転写材

Claims (6)

  1. 帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程と、を含む電子写真画像形成方法であって、
    前記電子写真画像形成方法に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、
    当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、
    当該架橋樹脂が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物の重合反応物であり、
    前記電子写真画像形成方法に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、
    当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする電子写真画像形成方法。
  2. 前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、少なくともSnOからなる粒子又は少なくともSnOとBaSOとからなる複合粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 前記スズ原子(Sn)を含有する粒子が、重合性官能基を有する表面処理剤で処理された粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記保護層が、メラミン樹脂粒子を含有していることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 前記外添剤が、脂肪酸金属塩を含有していることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法を用いた電子写真画像形成装置であって、
    少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有し、
    前記電子写真画像形成装置に使用される電子写真感光体が、少なくとも有機感光層及び保護層をこの順に積層した構成であり、
    当該保護層が、架橋樹脂とスズ原子(Sn)を含有する粒子とを含有し、
    前記電子写真画像形成装置に使用されるトナーが、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、
    当該外添剤が、重量平均分子量が300〜1500の範囲内で、かつ、ヒドロキシ価が20〜170mgKOH/gの範囲内である脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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