JP4947938B2 - クリーニング装置、プロセスユニット、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファックス、プリンタ等に用いられるクリーニング装置に係り、詳しくは、トナーが付着した被クリーニング部材表面上のトナーを弾性クリーニングブレードによって除去するクリーニング装置に関するものである。さらに、このクリーニング装置を備えたプロセスユニット及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、潜像担持体や中間転写体などのトナー像担持体について、記録体や他の像担持体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング装置によって除去している。このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、クリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性材料からなり、その基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去するものである。通常、クリーニングブレードは、転写後に像担持体上に残留したトナーを除去する為に、像担持体の主走査方向について画像形成領域から両端の非画像形成領域に渡って当接させる。このようなクリーニング装置としては、特許文献1に記載されているもの等が知られている。
特開2002−258701号公報
像担持体の主走査方向の全幅に渡って良好にクリーニングを行うには、像担持体の主走査方向の全幅に渡って押圧力が均一になるようにクリーニングブレードを当接させることが好ましい。
しかしながら、クリーニングブレードと像担持体とを主走査方向の全幅に渡って押圧力が均一になるように当接させることは製造上困難である。製造上の部品精度の公差によって組み付け誤差が生じると、クリーニングブレードと像担持体との位置関係がねじれ(被クリーニング部材である像担持体の表面移動方向と直交する軸方向と、クリーニングブレードの長手方向とが平行でない当接位置)の状態になり、クリーニングブレード端部において押圧力が低下し、クリーニング不良の不具合が生じる。
以下、図34を用いて、組み付け誤差に起因するクリーニングブレード端部におけるクリーニング不良やトナーの漏出について説明する。
図34は、像担持体である感光体1の軸と弾性ブレードからなるクリーニングブレード2とが、組み付け誤差によりねじれの位置関係にある状態の説明図である。図34(a)は感光体1のブレード当接側から見た概略説明図であり、図34(b)は軸方向から見た概略説明図である。なお、図34(a)では感光体1の軸に対してクリーニングブレード2が約10[°]傾いた状態を示しているが、実際の傾きdθは微小な角度である。
感光体1に対してクリーニングブレード2のブレード中央部2cで位置決めをしたときに、図34(a)に示すようにdθの傾きがあると、クリーニングブレード2のブレード端部2eはブレード中央部2cよりもdLだけ感光体1の表面よりも離れた位置となる。よって、クリーニングブレード2を感光体1表面に当接させた際に、ブレード端部2eの食込み量はブレード中央部2cの食込み量よりも小さくなり、ブレード端部2eでは押圧力が低下する。押圧力が低下すると当接部の単位面積当りの圧力である面圧が低下し、ブレード端部2eでトナーが擦り抜けクリーニング不良となる。
面圧は単位面積当りの圧力であるので、クリーニングブレード2と感光体1との接触面積が小さくなると同じ線圧に対しての面圧は大きくなる。そして、上述のようにねじれにより食込み量が小さくなると当接幅は小さくなり、接触面積が小さくなるので、面圧の上昇が考えられる。しかし、食込み量が小さくなることによりクリーニングブレード2の弾性によって生じる線圧が小さくなるので、食込み量が小さくなる前のような面圧が得られず、クリーニング不良が生じる。
なお、本発明者らが、感光体ドラムの軸とクリーニングブレード長手方向とを故意にねじれの関係になるように設置し、実験を行ったところクリーニングブレードの長手方向端部のクリーニング性が悪化した。これにより、組み付け誤差によって感光体ドラムの軸とクリーニングブレードとがねじれの状態にあると、ブレード端部2eでトナーが擦り抜け、クリーニング不良の原因となることが確認された。
また、上述の説明ではローラ状の感光体1のクリーニングの例について述べたが、中間転写ベルトなどのベルト状の部材であっても、内側から表面に曲率を有する支持部材で支持された箇所など、曲率を有する箇所でクリーニングを行う場合は同様の問題が生じる。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、組み付け誤差により、感光体ドラムの軸とクリーニングブレードとがねじれの状態にあっても、良好なクリーニング性を発揮することができるクリーニング装置、並びにこれを用いたプロセスユニット及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、支持部材で支持され、表面移動する被クリーニング部材にカウンター方向に当接し、該被クリーニング部材の表面上のトナーを除去する弾性クリーニングブレードを有するクリーニング装置において、上記被クリーニング部材の表面に当接する上記弾性クリーニングブレードの先端稜線部はブレードの長手方向に延びる直線状であり、該弾性クリーニングブレードの長手方向の端を含む領域である端部に補強構造を設けたことによって、該弾性クリーニングブレードにおける該被クリーニング部材との当接部の線圧を左右せず、該被クリーニング部材の表面移動方向における当接幅を左右する該弾性クリーニングブレードの条件について、該弾性クリーニングブレードの中央部よりも端部の方が、該当接幅が小さくなるように設定し、該弾性クリーニングブレード後端から先端にいたる途中から少なくとも部分的に肉厚を厚くし、該肉厚を厚くした部分の厚みの段差面が、支持部材の先端面に密着するように該弾性クリーニングブレードを該支持部材に取り付け、該肉厚を厚くした部分によって補強構造を構成することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、少なくともクリーニング装置と該クリーニング装置によって表面上のトナーの除去がなされる被クリーニング部材とを一体的に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットにおいて、該クリーニング装置として、請求項1に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、作像する過程で不必要なトナーが付着した被クリーニング部材上のトナーを除去するクリーニング装置とを有する画像形成装置において、該クリーニング装置として請求項1に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記潜像担持体として、無機化合物からなる微粒子を含有せしめた材料からなる表面保護層を設けたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記潜像担持体として、架橋構造を有するバインダー樹脂からなる表面保護層を設けたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記表面保護層の構造中に電荷輸送層を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項またはの画像形成装置において、上記転写手段を経由した後、上記潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段との対向部に進入する前の該潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けたことを特徴とするものである。
上記請求項1乃至のクリーニング装置においては、弾性クリーニングブレードにおける被クリーニング部材との当接部の被クリーニング部材の表面移動方向における当接幅を左右する条件について、弾性クリーニングブレードの中央部よりも端部の方が、当接幅が小さくなるように設定することにより、弾性クリーニングブレードの端部と被クリーニング部材との接触面積が狭くなる。そして、線圧を左右しない条件を設定しているため接触面積が狭くなっても線圧が低下することがない。線圧を維持しつつ接触幅を狭くすることができるため、組み付け誤差により端部の押圧力が低下しても、面圧を維持することができる。
請求項1乃至の発明によれば、組み付け誤差により、被クリーニング部材の表面移動方向に対して垂直な軸方向とクリーニングブレードの長手方向とがねじれの状態にあっても、弾性クリーニングブレードのブレードの面圧を維持することができ、良好なクリーニング性を発揮することができるという優れた効果がある。
参考構成形態1]
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、参考構成形態に係るプリンタ200の概略構成図である。プリンタ200は、プロセスユニット100、光書込ユニット101、給紙カセット10、複数の搬送ローラ対20、記録体搬送路30、レジストローラ対31、転写搬送ユニット40、定着装置50、排紙ローラ対60などを備えている。
光書込ユニット101は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、周知の技術により、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
参考構成例1]
図2は、参考構成例1に係るプロセスユニット100の概構成を示す概略構成図である。同図において、トナー像を生成するプロセスユニット100は、ドラム状の感光体1、帯電装置110、現像装置120、感光体クリーニング装置130、除電器140などを有している。
帯電手段である帯電装置110は、潜像担持体である感光体1に対して、帯電バイアスが印加されながら回転駆動せしめられる回転帯電部材としての帯電ローラ111を所定の微小ギャップを介して対向させている。そして、この微小ギャプにて、帯電ローラ111から感光体1に向けて放電を発生させて、感光体1を一様帯電せしめる。帯電ローラ111を回転させるのは、放電直後のローラ表面を微小ギャップから退避させるとともに、放電していないローラ表面を微小ギャップに進入させることで、安定した放電を生じさせるためである。
帯電手段としては、従来からコロナ放電を利用したコロナ帯電方式のものを採用するのが一般的であった。コロナ帯電方式は、チャージワイヤを被帯電体に近接して配設し、チャージワイヤに高電圧を印加することにより、チャージワイヤと被帯電体との間にコロナ放電を起こし、これによって被帯電体を帯電するものである。しかしながら、コロナ帯電方式の場合には、コロナ放電に伴いオゾンや窒素酸化物(NOx)などの放電生成物質が発生する。放電生成物質は、感光体方面に画像形成の際に悪影響を及ぼす硝酸又は硝酸塩の膜を形成する恐れがあるため、できればその発生を回避したいところである。
そこで、近年では、コロナ帯電方式に代えて放電生成物質の発生が少なく、低電力で帯電ができる接触帯電方式又は近接帯電方式の開発が盛んに行われている。これらの方式は、ローラ、ブラシ、又はブレード等の帯電部材を感光体等の被帯電体に接触又は近接して対向させ、帯電部材に電圧を印加することによって被帯電体の表面を帯電させるものである。この方式によれば、コロナ帯電方式に比して、放電生成物質の発生が少なく低電力化を実現することができるため有用性が高い。また、大掛かりな帯電装置を必要としないため装置の小型化が可能であり、装置の小型化が望まれているニーズに合致する。
更には、重合法による球形トナーを用いた場合、粉砕トナーに比べてクリーニング不良が発生し易い。しかし、非接触ローラ帯電方式であれば、クリーニング残トナーを帯電装置に付着させることがなく、付着による異常画像の発生が起きないという利点がある。
そこで、プリンタ200においては、非接触ローラ帯電方式を採用している。なお、帯電方式には、被帯電体に接触させたローラ等の帯電部材による交流印加放電によって被帯電体を帯電せしめる方法がある。この方法を適用する場合には、被帯電体表面と帯電部材との接触性を向上させ、かつ被帯電体に機械的ストレスを与えない弾性部材を用いることが好ましい。ただし、弾性部材を用いると、帯電ニップ幅が広くなり、これに起因して帯電ローラ側に保護物質が付着し易くなることがある。よって、被帯電体の高耐久化には非接触により帯電させる方が有利である。そこで、プリンタ200では、非接触型の帯電方式によって感光体1を一様帯電させるようになっている。
図3は、帯電装置110を感光体1とともに示す拡大構成図である。
帯電装置110は、帯電部材としての帯電ローラ111、スペーサ112、スプリング115、電源116とを有している。帯電ローラ111には、軸部111aと帯電部としてのローラ部111bとがある。このうちローラ部111bは、感光体1に対向して感光体表面を帯電する機能を担っており、軸部111aの回転によって回動可能なように構成されている。
ローラ部111bが感光帯表面に対して微小な間隙で対向配置するよう帯電ローラに間隙保持部材であるスペーサ112が設けられている。このスペーサ112により、感光体1表面のうち、画像が形成される画像形成領域101aに対向する部分は、感光体1と非接触となるよう配設されている。ローラ部111bの長手方向の寸法は、感光体1の画像形成領域よりも長く設定されており、感光体1の非画像形成領域101bにスペーサ112を当接せしめることにより、微小なギャップGを形成している。
このスペーサ112を介して帯電ローラ111は、感光体1表面に連れまわって回転するようになっている。微小ギャップGは、ローラ部111bと感光体1との最近接部が1〜100[μm]となるように構成されている。この最近接距離は、30〜65[μm]であることがさらに好ましい。プリンタ200では、50[μm]となるように配設した。
軸部111aには、帯電ローラ111を被帯電体へ向けて押圧するためのスプリング115が取り付けられている。これにより微小ギャップGを精度良く維持することが可能となる。
軸部111aには、電源116が接続されており、感光体1表面とローラ部111b表面との間の微小な空隙において、交流印加放電によって感光体1表面を均一に帯電せしめる。プリンタ200では、直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧が重畳された交番電圧が軸部111aに印加されるようになっている。交番電圧を用いることにより、微小なギャップ変動に起因する帯電電位のバラツキなどの影響が抑制され、均一な帯電が可能となる。
ローラ部111bは、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、この芯金の外周面上に形成された抵抗調整層とから構成され、直径が10[mm]になっている。
ローラ部111bの表面は、例えばゴム部材などの既知の材料を用いることができるが、樹脂材料で構成することがより好ましい。ゴム部材を用いると、ゴムの吸水やたわみの発生により、感光体1との微小な間隙を維持することが困難となるからである。作像条件によってはローラ部111bの中央部のみが感光体表面に突発的に接触する可能性がある。このような局所的、突発的なローラ部111bの感光体1への接触による感光体表面層の乱れに対応することは困難である。従って、非接触帯電方式により感光体1を帯電する場合には、ローラ部111bと感光体1との微小間隙を均一に維持することができる硬質の材料を用いることがより好ましい。
ローラ部111b表面に用いる硬質な材料としては、例えば、次のようなものを用いることができる。即ち、抵抗調整層として、高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものなどである。硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成してもよい。
先に示した図1において、帯電処理が施された感光体1の表面には、光書込ユニット101によって変調及び偏向されたレーザー光Lが照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像手段としての現像装置120によって現像されてトナー像となる。
潜像担持体としての感光体1は、例えばアルミニウム等からなる素管に、感光性を発揮する有機感光材からなる感光層が被覆され、更にこの上に電荷輸送層が被覆されたドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、ベルト状のものを採用してもよい。
現像装置120は、現像ケーシング121内に現像部122と現像剤供給部119と現像剤攪拌部123とを有している。現像部122には、現像ケーシング121の開口から周面の一部を露出させる現像剤担持体としての現像スリーブ124や、ドクターブレード125などが設けられている。
筒状の現像スリーブ124は、非磁性材料からなり、その表面がサンドブラスト処理等によって粗面化せしめられたものである。この粗面化により、現像剤搬送能力が高められている。粗面化の代わりに、表面に微小の溝を設けてもよい。現像スリーブ124は、図示しない駆動手段によって回転せしめられるようになっている。このように回転駆動せしめられる現像スリーブ124の内部には、マグネットローラ126がスリーブに連れ回らないように固定されている。このマグネットローラ126は、その周方向に分かれる複数の磁極を有している。これら磁極の影響により、現像スリーブ124の周囲上には磁界が形成される。
現像装置120の現像剤供給部119と現像剤攪拌部123とには、磁性キャリアと、マイナス帯電性のトナーとを含む図示しない現像剤が収容されている。現像剤供給部119には、供給搬送スクリュ118やトナー濃度センサであるTセンサ128などが設けられている。また、現像剤攪拌部123には、攪拌搬送スクリュ127や不図示のトナー補給部などが設けられている。
現像剤は、供給搬送スクリュ118によって図中奥行き方向に撹拌搬送されて摩擦帯電せしめられる。この攪拌搬送の際、現像スリーブ124の表面に接触する。すると、現像スリーブ124表面から現像剤供給部119内に向けて伸びている磁界の影響によって現像スリーブ124の表面に担持され、現像スリーブ124表面の回転に伴って現像剤供給部119内から汲み上げられる。そして、スリーブ表面の回転に伴ってドクターブレード125との対向位置まで搬送される。この対向位置において、現像剤は、現像スリーブ124とドクターブレード125との間隙であるドクターギャップを擦り抜ける際に層厚が規制されるとともに、トナーの摩擦帯電が助長される。
ドクターギャップを通過した現像剤は、現像スリーブ124表面の回転に伴って、感光体1に対向する現像領域に至る。この現像領域では、感光体1と現像スリーブ124とが所定の現像ギャップを介して対向している。また、現像領域におけるスリーブ表面上では、マグネットローラ126の図示しない現像磁極からの磁力によって現像剤中の磁性キャリアが穂立ちして磁気ブラシを形成する。形成された磁気ブラシは、その先端を感光体1に摺擦させながら移動して、感光体1上の静電潜像にトナーを付着させる。この付着により、感光体1上にトナー像が形成される。
現像によってトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ124の回転に伴って現像装置120内に戻る。そして、器内に形成されている反発磁界や重力の影響を受けてスリーブ表面から離脱して、現像部122より低い位置に配設された現像剤供給部119内に戻される。
供給搬送スクリュ118を備えた現像剤供給部119と攪拌搬送スクリュ127を備えた現像剤攪拌部123との間には仕切り壁129が設けられている。この仕切り壁129によって現像剤供給部119と現像剤攪拌部123とに仕切られている。現像剤供給部119内では、供給搬送スクリュ118が図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像スリーブ124に供給する。図中奥端まで搬送された現像剤は、仕切り壁129に設けられた図示しない開口部を通って攪拌搬送スクリュ127を備えた現像剤攪拌部123に受け渡される。そして、攪拌搬送スクリュ127の回転駆動により、今度は図中奥側から手前側へと搬送された後、仕切り壁129に設けられた図示しないもう一方の開口部を通って供給搬送スクリュ118を備えた現像剤供給部119側に戻る。このようにして、現像剤は現像装置120内を循環搬送せしめられる。
Tセンサ128は透磁率センサからなり、供給搬送スクリュ118に設けられ、その上を搬送される現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサ128はトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。制御部は、RAM等を備えており、この中にTセンサ128からの出力電圧の目標値であるVtrefを格納している。このVtrefは、図示しないトナー供給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上述の制御部は、Tセンサ128からの出力電圧の値をVtrefに近づけるように、図示しないトナー供給装置を駆動制御して不図示のトナー補給部から現像装置120の現像剤攪拌部123内にトナーを補給させる。この補給により、現像装置120内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。
感光体1上に形成されたトナー像は、後述の搬送ベルト41の表面に保持されながら搬送される転写紙P上に転写される。転写工程を経た感光体1の表面は、感光体クリーニング装置130によって転写残トナーがクリーニングされる。
感光体クリーニング装置130は、感光体除去ケーシング131、支持部材としてのホルダー132、弾性体クリーニングブレードとしてのクリーニングブレード2、回収スクリュ134などを有している。
ホルダー132は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなり、その一端部が感光体除去ケーシング131に片持ち支持されている一方で、自由端側でクリーニングブレード2を支持している。
ホルダー132の自由端側に固定されたクリーニングブレード2は、軟性材料としてのポリウレタンゴムからなり、そのエッジを感光体1の表面に当接させながら、感光体1上の転写残トナーを掻き落とす。掻き落とされたトナーは、回収スクリュ134上に落下する。
図示しない駆動手段によって回転駆動される回収スクリュ134は、図示しない電源から正極性のクリーニングバイアスの印加を受ける。回収スクリュ134上に落下した転写残トナーは、回収スクリュ134に静電吸着しながら、回収スクリュ134の回転に伴って図示しない廃トナー容器に向けて搬送される。
感光体クリーニング装置130によってクリーニングされた感光体1は、除電器140によって除電される。そして、帯電装置110によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。
先に示した図1において、プリンタ200本体の下部では、転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容する給紙カセット10が、プリンタ200本体に対して着脱可能に支持されている。給紙カセット10は、内部に収容している紙束の一番上の転写紙Pに当接させている給紙ローラ11を回転させることで、その転写紙Pを記録体搬送路30に向けて送り出す。この記録体搬送路30は、搬送路中に所定の間隔で配設された複数の搬送ローラ対20と、搬送路の末端付近に配設されたレジストローラ対31とを有している。そして、給紙カセット10から受け取った転写紙Pを、複数の搬送ローラ対20によってレジストローラ対31に向けて搬送する。レジストローラ対31は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを後述する転写ニップにてトナー像に密着させ得るタイミングで、転写ニップに向けて送り出す。これにより、転写ニップでは転写紙Pが搬送ベルト41の表面に保持されながら感光体1上のトナー像に密着する。
転写搬送ユニット40は、搬送ベルト41、搬送ベルト駆動ローラ42、記録体転写バイアスローラ43、搬送ベルトクリーニング装置44などを有している。
搬送ベルト41は、ベルトループ内側から図示しないベース層、弾性層、表面層を有している。ベース層は、例えば伸びの少ないフッ素系樹脂や、伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料を含有せしめた層である。かかるベース層としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレス状に成型したものを使用することができる。これらの材料についてはそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材によって導電性を調整したりすることが可能である。表面層は、フッ素系樹脂など、表面エネルギーが低くてトナーと良好な離型性を発揮する材料からなる層で、ベース層に対してスプレーやディッピング等の方法によって積層されたものである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどの弾性材料からなる層で、ベルト全体にある程度の弾性を発揮させるために設けられている。
搬送ベルト41は、搬送ベルト駆動ローラ42と記録体転写バイアスローラ43とに掛け回されてテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される搬送ベルト駆動ローラ42の回転によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。記録体転写バイアスローラ43は、搬送ベルト41のベース層側(内周面側)に接触するように配設され、図示しない電源から転写バイアスの印加を受ける。また、搬送ベルト41をそのベース層側から感光体1に向けて押圧して、反時計回りに無端移動する搬送ベルト41と、図中時計回りに回転する感光体1とが当接する転写ニップを形成する。転写ニップでは、転写バイアスの影響によって感光体1と記録体転写バイアスローラ43との間に転写電界が形成される。
搬送ベルト41は、レジストローラ対31から転写紙Pが送り込まれてくる転写紙Pを、その上部張架面に保持する。そして、転写紙Pをその無端移動に伴って転写ニップ内に進入させる。転写ニップで感光体1に密着せしめられた転写紙Pには、上述の転写電界やニップ圧の影響によって感光体1上のトナー像が転写される。
このようにしてトナー像が転写された転写紙Pは、搬送ベルト41の無端移動に伴って転写ニップを出た後、定着装置50に受け渡される。転写紙Pを受け渡した後の搬送ベルト41の表面には、僅かながらトナーが付着している。このトナーは、搬送ベルト駆動ローラ42との間には搬送ベルト41を挟み込む搬送ベルトクリーニング装置44によってクリーニングされる。なお、同図では、搬送ベルトクリーニング装置44として、回転するファーブラシ44aによってトナーをベルトから掻き落とす方式のものを示したが、クリーニングブレードによって掻き落とす方式のものでもよい。
定着装置50は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ51と、これに押圧せしめられる押圧ローラ52とを互いに順方向に回転させて定着ニップを形成している。そして、搬送ベルト41から受け取った転写紙Pをこの定着ニップに挟み込んで、加熱しながら加圧する。この加熱や加圧の影響により、トナーが軟化して転写紙Pにトナー像が定着せしめられる。定着装置50を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対60を経て機外へと排出か、あるいは、定着装置50の下方に配設された不図示の紙反転ユニットに送られる。
次に、従来の画像形成装置における感光体クリーニング装置について説明する。図4は、従来の感光体クリーニング装置130におけるホルダー132及びクリーニングブレード2を示す概略図である。同図において、梁部材としてのホルダー132は、図示しない領域で一端側がケーシングに固定されて片持ち支持されている。このホルダー132の自由端側には、クリーニングブレード2がホルダー132の先端から突出するように固定されている。そして、突出している先端のエッジEを、図示しない感光体1に当接させて、感光体1表面の転写残トナーを掻き落とす。クリーニングブレード2は、感光体1との密着性を高めるという目的から、軟性部材としてのポリウレタンゴムから構成されている。よって、先端のエッジEを感光体1に当接させながら押圧されることで、ホルダー132から突出している先端側が図示のように僅かに撓む。従来の粉砕法によるトナーをクリーニングする場合には、比較的弱い押圧力で押圧されるだけで十分であったので、同図に示すような僅かな撓みで済んでいた。
近年、電子写真方式の画像形成装置の画像品質に対する要求が強くなっている。画像品質を向上させるには、トナーの小粒径化、球形化がその有力手段であり、重合法等により形成された球形に近いトナー(以下、「球形トナー」という。)を用いることが主流になりつつある。この球形トナーは、従来の粉砕トナー(異形トナー)に比べて転写効率が高いなどの特徴があり、ドット形状の乱れが少なく、近年の高画質化の要求に応えることが可能であることが知られている。
しかし、球形トナーは、従来の粉砕トナーをクリーニングする為のクリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても、十分に除去することが困難であり、非常にクリーニング余裕度が低い。これは、像担持体に対するクリーニングブレードの押し当て位置で、トナーに回転モーメントが発生し、クリーニングブレードを押し上げてトナーがクリーニングブレードと像担持体間にもぐり込みやすくなるからである。従って、クリーニングブレードと感光体との不均一な当接や、当接誤差などの影響を受け易く、粉砕トナーをクリーニングする以上に、高精度が要求される。
さらに、近年は、装置の小型化への要求の高まりから、像担持体の小径化が進んでいる。像担持体が小径化することにより、ブレードと像担持体との当接誤差による荷重低下への影響が大きくなる。近年の高画質化による球形トナーの採用と、像担持体の小径化によってますますクリーニングが困難になっている。従って、球形トナー採用時には、従来からのブレード端部でのクリーニング不良はより生じ易くなり、大きな課題となる。
このため、小粒径化や球形化が進んだトナーを用いる場合には、像担持体に対するクリーニングブレードの押し当て力を強め、トナーのもぐり込みを阻止する必要がある。
そして、重合法によるトナーを良好にクリーニングし得る程度の強い押圧力でクリーニングブレードを感光体に向けて押圧すると、その先端側を大きく撓ませることになる。
図5は、重合法によるトナーを良好にクリーニングし得る程度の強い押圧力で感光体に向けて押圧した従来のクリーニングブレード2の先端部を示す拡大図である。感光体1の表面は、同図における右側から左側に向けて移動する。同図のクリーニングブレード2において、符号Eで囲った箇所は、感光体1に当接しているエッジを示している。図示のように、感光体1に当接しているエッジEは、感光体表面移動方向に沿って捲れるようにして、ブレードにおける感光体1との対向面の下に潜り込む。この捲れは、数[μm]程度の大きさで形成され、粉砕法によるトナーをクリーニングする際の弱い押圧力のときでも出現する。但し、従来は感光体1に当接するブレード箇所が、数[μm]の大きさで僅かに捲れるエッジEだけであった。
しかし、強い押圧力で感光体1に向けて押圧したクリーニングブレード2では、大きく撓むことにより、エッジEだけでなく、図中Bsで囲って示すように、感光体1との対向面をも感光体1に当接させるいわゆる腹当りの状態になる。このように腹当りになった状態では、クリーニングブレード2と感光体1との摩擦力が過剰に高まって、感光体1を回転させるトルクが大きくなり、感光体1を良好に回転駆動させるのが困難になる。
図6は、図5に示した状態のクリーニングブレード2の先端部における圧力分布図である。同図においては、圧力分布線が図中下側に位置するほど、ブレードに強い圧力がかかっていることを示す。重合法によるトナーを良好にクリーングするには、ブレードのエッジEと感光体1との当接部において図中最も長い矢印で示した強さの当接圧力を得ればよい。
ところが、従来のクリーニングブレード2では、ブレードのエッジEと感光体1との当接部でかかる当接圧力を得ようとすると、同図に示すように、腹当りの部分にも当接圧力が発生しまう。これにより、クリーニングブレード2の感光体1に対する荷重が大きくなり、感光体1の回転トルクを上昇させ、感光体1の良好な回転駆動を妨げる大きな原因になっていることがわかった。
従来、クリーニングブレード2と感光体1との当接部へのトナーのもぐり込みを阻止する力を表す特性値としては、ブレードに付与する総荷重をブレードの稜線の長さで割った値である線圧([N/cm])を用いることが一般的であった。この線圧は、具体的には、次のようにして求めた値である。即ち、ブレード先端部がスティック状態となるようにクリーニングブレード2の先端を感光体1に押し当てる。そして、感光体1とクリーニングブレード2との当接部に厚さ0.1[mm]のシート状センサを挟み込み、そのセンサの出力値(その当接部に働く荷重[g])を感光体軸方向における当接部の長さ([cm])で割った値である。線圧の測定時には、ブレードエッジを捲れさせないようにクリーニングブレード2を感光体1に当接させる。なお、シート状センサは、その内部に互いに直交する2つの方向(行方向、列方向)にそれぞれ配列された多数の電極を有し、その表面がフィルム樹脂で覆われたものである。これらの電極は、感圧抵抗性物質と電荷発生物質とが格子状に設置されたものであり、その格子状の交点に外圧が加わるとその荷重に応じて抵抗値が変化する。この抵抗値の変化は、行方向及び列方向へ流れる電流値の変化となって表れるため、その電流値から総荷重が求まる。
しかしながら、この線圧を大きくすると、クリーニングが困難な小粒径で球形のトナーのクリーニング性能が改善される一方で、感光体1やクリーニングブレード2の磨耗が進むとか、感光体1の駆動トルクが増大するとか等の弊害を発生する。
さらに、この線圧という特性値では、トナーの当接部へのもぐり込みを阻止する能力を十分に評価できないことがわかった。線圧は、ブレードと感光体との当接部に働く荷重を、その当接部の感光体軸方向長さで割った値であるが、実際には、ブレードと感光体はニップ部を形成して、線ではなく、面で当接しているからである。同一荷重をブレードに付与した場合にも、ゴムブレードの硬度や厚さ、自由長、形状などによって、ブレードと感光体の(ニップ幅)接触面積が変化するため、線圧から求まる単位面積当りの荷重と、実際の当接圧力とが異なる値となる。
例えば、ブレード硬度などのブレード材料特性は同一で、形状が互いに異なる2種類のクリーニングブレードに同一荷重(線圧)を付加した場合であっても、当接圧力と線圧とは異なってくる。
図7は、図4で示したクリーニングブレード2よりもある荷重に対して撓みにくい形状のクリーニングブレード2と、ホルダー132とを示す拡大構成図である。同図において、板状弾性体としてのクリーニングブレード2は、後端側から先端側に向けての領域に部分的に肉厚になる肉厚部2aを有している。クリーニングブレード2は、この肉厚部2aの後端側の側面をホルダー132の先端に密着させる状態でホルダー132の裏面に固定されている。そして、肉厚部2aをホルダー132の先端よりも突出させる状態になっている。
図7で示す形状のクリーニングブレード2では、ホルダー132の先端から突出している箇所が肉厚部2aになっているので、先端側が後端側と同じ厚みになっているブレードに比べて、突出箇所が撓みに難くなる。加えて、先端側が撓もうとすると、肉厚部2aの後端側の側面がホルダー132の先端に強く押し付けられる。このことによっても、先端側が撓みに難くなる。
図8は、感光体1との単位面積あたりにおける当接圧力が重合法によるトナーを良好にクリーニングし得る程度に強くなるように、エッジEを強く感光体1に当接させた図7のクリーニングブレード2の先端部を示す拡大図である。同図に示すように、肉厚部2aを備えたクリーニングブレード2では、肉厚部2aによって先端側の撓みが大きく抑えられることから、図8に示すように、腹当りを起こすことなく、エッジEだけを感光体1に当接させる。参考までに、その圧力分布を図9に示す。感光体1に当接しているエッジに対して集中的に強い圧力がかかっていることがわかる。
図7で示したクリーニングブレード2では、腹当りによる荷重の分散がないので、圧力がブレード先端部分に集中し、大きな圧力ベクトルとなっている。このことから、同一荷重を付加した場合でも、ブレード形状が異なることによって、ブレードと感光体の当接状態(接触面積)が変化し、面圧分布が大きく異なり、クリーニング性も異なってくることがわかる。よって、従来用いられてきた線圧[N/cm]という特性値では、ブレードクリーニングにおけるクリーニング性を正確に表すことができない。線圧[N/cm]を大きくするだけでは必ずしも球形トナーをクリーニングすることが出来ず、むしろ感光体駆動トルクの増加や、破損等が発生してしまうおそれがある。
そこで、本発明者らは、新たな特性値として、単位面積あたりの圧力である当接圧力を用いて、クリーニング性を評価することにした。
面圧は、ブレードを像担持体である感光体に押し付ける際に付加する総荷重を、ブレードと像担持体の接触面積で割った値である。ブレードと感光体との接触面積は、ブレードを透明な擬似感光体に押し当てたときの接触面積を測定することで容易に求めることが出来る。
[実験1]
球形トナーをクリーニングする場合に必要な面圧について、図7で示した形状のクリーニングブレード2のエッジEを、様々な当接圧力で感光体1に当接させて、クリーニング性能を調べる実験を行った。実験条件は次に列記する通りである。
・感光体直径:30[mm]
・感光体線速:185[mm/sec]
・感光体の主走査方向における画像形成領域A4の長さ=300[mm]
・感光体の主走査方向における非画像形成領域を含む長さ=340[mm]
・ブレードのホルダー固定箇所の厚みtb:1.7[mm]
・ブレードの肉厚部2aの厚みta:3.5[mm]
・肉厚部2aの長さLd:3.8[mm]
・ブレード先端部の肉薄部分の長さLe:1.2[mm]
・同肉薄部分とテーパー部との合計長さLc:7[mm]
・ブレード全長Lf:11[mm]
・ ホルダーの厚さ:1.8[mm]
クリーニング性については、次のようにして測定した。即ち、基準画像をプリントアウトしている最中の実機を一旦停止して、クリーニング後の感光体表面に対して粘着テープを貼付・剥離してクリーニング残トナーを粘着テープに転移させる。そして、この粘着テープの画像濃度(ID)を周知の技術によって測定して残トナーIDとした。この残トナーIDの値が高くなるほど、クリーニング後の感光体表面に多くのクリーニング残トナーが付着している、即ち、クリーニング性が悪くなることを示す。
また、ブレードのエッジと感光体との単位面積あたりの当接圧力については、次のようにして測定した。即ち、まず、感光体と同じ曲率の透明ガラス管を用意して、これを実機にセットする。そして、これにクリーニンググレードを当接させて、その単位長さ(ドラム軸線方向)あたりにおける加重Fを、I−SCAN加重測定器(ニッタ株式会社製)によって測定する。次に、クリーニングブレードの裏側を、透明ガラス管を通して撮影する。そして、撮影像に基づいて、ブレードと透明ガラス管との当接幅(表面移動方向の長さ)Wを求める。そして、加重Fと当接幅Wとに基づいて、単位面積あたりの当接圧力を求めた。最後に、透明ガラス管を感光体に交換して、透明ガラス管のときと同じ加重Fが得られるように感光体にクリーニングブレードを当接させて、基準画像を出力した。なお、当然ながら、重合法によるトナーを用いて基準画像を出力した。
実験1の結果を次の表1に示す。なお、表1におけるクリーニング性の判定は、残トナーIDに基づいて次の5ランクに分けて行った。
◎(ランク5):完全にクリーニングされた
○(ランク4):わずかにトナーが残留した
△(ランク3):部分的に筋状のクリーニング不良が発生した場合、あるいは全面に若干のトナーが残留している
×(ランク2):全面に筋状あるいは多量のトナーが残留している
Figure 0004947938
表1に示すように、本実験1では、線圧を0.40〜1.20[N/cm]、接触幅(表面移動方向の接触長さ)を5〜90[μm]の間で、それぞれ変動させた。
線圧1.20[N/cm]をブレードにかけた場合には、2.0〜12[MPa]の当接圧力の範囲で、良好なクリーニング性(◎or○)が得られた。面圧が24[MPa]と高すぎると、クリーニング不良が発生している。これは、次に説明する理由による。即ち、接触幅が5[μm]と狭いため、感光体精度誤差などから、主走査方向に当接ムラが発生し、部分的に十分な当接圧力が発揮されていない箇所が生じていると考えられる。
0.95[N/cm]の線圧をブレードにかけた場合には、3.17〜9.5[MPa]の当接圧力で良好なクリーニング性が得られている。但し、当接圧力が19[MPa]まで高まると、接触幅が5[μm]と狭くなるために、やはり当接ムラによってクリーニング不良が発生している。また、当接圧力が1.9[MPa]以下であると、圧力不足によるクリーニング不良が発生している。
0.40[N/cm]の線圧をブレードにかけた場合には、2.0〜4.0[MPa]の面圧で良好なクリーニング性が得られている。但し、面圧が8.0[MPa]まで高まると、当接ムラによるクリーニング不良が発生した。また、1.33[MPa]以下の当接において、圧力不足によるクリーニング不良が発生した。
表1の結果から、面圧を2.0[MPa]以上に設定することにより、球形トナーを良好にクリーニングし得ることがわかった。但し、接触幅が10[μm]程度である場合や、面圧が2.0[MPa]ギリギリである場合には、わずかにトナーが残留し(○)、完全なクリーニングとはならなかった。これは、接触面積を小さくするほど、高い面圧を付加することができるが、ブレードと感光体の接触幅を狭くし過ぎると、感光体との接触ムラや、感光体表面の傷、突起物等が原因となってクリーニング不良が発生し易くなるからである。
そこで、球形トナーをクリーニングするためには、面圧を2.0[MPa]以上、好ましくは3.0[MPa]以上とし、接触幅を10[μm]以上に設定している。
感光体1の膜削れ、感光体駆動トルクの増加、ブレード磨耗等を抑えるためには、接触幅を10〜40[μm]に設定することが望ましい。さらに、30[μm]以下であることが好ましい。接触幅をこれよりも大きくした場合(例えば100[μm])、面圧が2.0[MPa]以上、さらには3.0[MPa]以上であれば、重合法による球形トナーのもぐり込みを阻止し、良好にクリーニングすることができるが可能である。しかし、例えば100[μm]の当接幅で面圧を2.0[MPa]にするためには2.0[N/cm]の線圧を付加しなければならず、非常に大きな線圧が必要となってしまう。
そして、このような高い線圧と接触幅の大きさとの相乗作用により、当接部における摩擦力を過剰に高めてしまう。出来る限り小さな当接圧力でトナーを良好にクリーニングすることが重要である。重合法による球形トナーの上記当接部へのもぐり込みを阻止するためには、感光体1の組付精度や、トナー粒径を考慮すると、感光体1とブレードとの接触幅を10[μm]以上にすることが好ましい。そして、その上限値を40[μm]以下、好ましくは30[μm]以下にすることが必要である。このような当接幅に設定することによって、0.20〜1.20[N/cm]の線圧で、かかる接触幅と2.0[MPa]以上の当接圧力とを実現することができる。
次に、プリンタ200で採用したクリーニングブレード2の構成について説明する。
図10は、参考構成例1のプリンタ200で用いるクリーニングブレード2の概略構成図である。図10(a)は、クリーニングブレード2全体の斜視図である。図10(b)はブレード中央部2cが感光体1に接触している状態を示す説明図であり、図10(c)は図10(b)中の領域Aの拡大図である。また、図10(d)はブレード端部2eが感光体1に接触している状態を示す説明図であり、図10(e)は図10(d)中の領域Aの拡大図である。
クリーニングブレード2はいわゆる板状の支持部材であるホルダー132の片面に弾性クリーニングブレードであるクリーニングブレード2の基端を貼りつけて先端稜線部を像担持体の周面に押し当ててなる。弾性クリーニングブレードは、像担持体主走査方向に渡って、画像領域から非画像領域まで当接しており、転写工程後に像担持体表面上に残留したトナーを除去する役割を果たしている。しかしながら、クリーニングブレード中央部2cに比べ、ブレード端部2eではクリーニング不良が発生し易い。このように、ブレード端部2eでのクリーニング不良が発生しやすい原因として、以下が考えられる。
感光体1とクリーニングブレード2との当接精度が低く、ねじれ当接しているような場合には、ブレード端部2eに近い領域ほど食込み量が低下し、クリーニングブレード2を感光体1に押し当てる荷重の低下が発生する。そして、感光体1の径が小さくなるほどその影響は大きくなる。さらに、近年高画質化の為に用いられる小粒径、球形トナーの場合には、このような影響はさらに大きくなり、クリーニング不良となりやすい。
プリンタ200では、このようなブレード端部2eの領域における線圧の低下が発生した場合にも、クリーニング不良の発生を防ぐブレード形状としている。
具体的には、クリーニングブレード2の先端稜線部の形状が、ブレード中央部2cとブレード端部2eとで異なる形状をしている。通常のクリーニングブレードの先端稜線部は、ブレードの長手方向全幅において、クリーニングブレード2の先端面であるカット面とクリーニングブレード2の下面であるエア面とが成す角が90[°]である。しかし、本発明では、カット面とエア面がなす先端稜線部の角度が、ブレード中央部2cとブレード端部2eとの領域で異なるようにしている。
図10(c)及び図10(e)に示す様に、ブレード中央部2cの先端稜線部の角度である先端角度Acに比べ、ブレード端部2eでの先端稜線部の角度である先端角度Aeは大きく、Ac<Aeを満たす形状である。
クリーニングブレード2の先端角度がAc<Aeとしているのは、ブレード端部2eと感光体1とが不均一、不安定な当接状態となり、ブレード中央部2cに比べて、食込み量が減少(=線圧が減少)した場合でも、ブレード中央部2cと同等のクリーニング性能を維持するためである。
ブレード中央部2cに比べ、ブレード端部2eでの線圧低下(食込み量低下)が起きた場合にも、ブレード端部2eの先端角度Aeを、Ac<Aeとすることによって、ブレード中央部2cと同等のクリーニング性が維持できる理由について、説明する。
クリーニングブレード2のトナーを除去する性能と、面圧とについては上で述べたとおりである。
参考構成例1で用いるクリーニングブレード2は、ブレード中央部2cの先端角度Ac=90[°]、ブレード端部2eの先端角度Ae=115[°]となっている。
図11は、参考構成例1で使用したクリーニングブレード2の概略側面図である。図11に示すようにクリーニングブレード2はホルダー132に支持された弾性ゴムブレードの厚さが3.6[mm]、ホルダー132と弾性ゴムブレードの接合部から、弾性ゴムブレードの先端までの距離(自由長)T2が7[mm]である。また、クリーニングブレード2の硬度は70[°]であり、クリーニングブレード2を感光体1に押し付ける力は線圧で0.95[N/cm]とした。
このときの先端角度Ac=90[°]であるブレード中央部2cでのブレードと感光体1との当接幅Wcとし、先端角度Ae=115[°]であるブレード端部2eでのブレードと感光体1との当接幅をWeとする。クリーニングブレード2と感光体1との接触部を観察することによって、当接幅WcとWeとを比較した。
その結果、Wc=約30[μm]、We=約20[μm]となった。これは、ブレード中央部2cに比べてブレード端部2eは先端角度を大きくしたため、ブレード端部2eでの当接幅Weは小さくなる。つまり、線圧で用いる単位長さあたりの接触面積が小さくなる。
面圧[MPa]=線圧[N/cm]÷当接幅[μm]の関係より、ブレード中央部2cでの面圧をPc、ブレード端部2eでの面圧をPeとすると、Pc=3.16[MPa]、Pe=4.75[MPa]となる。
次に、トナークリーニングをするためには、面圧3.16[MPa]以上が必要であるとする。そこで、この面圧を、クリーニングブレード2の長手方向全般に渡って、付加するものと考えると、
線圧F[N/cm]=面圧P[MPa]×当接幅W[μm]の関係より、
ブレード中央部2cでの線圧をFcとすると、
Fc=3.16[MPa]×30[μm]=0.95[N/cm]
ブレード端部2eでの線圧をFeとすると、
Fe=3.16[MPa]×20[μm]=0.632[N/cm]
の線圧の付加が必要となる。
ブレード中央部2cとブレード端部2eとで、先端形状を変化させ、
ブレード中央部2cの先端角度Ac<ブレード端部2eの先端角度Ae、
とすることにより、ブレード中央部2cに比べてブレード端部2eでの接触面積が小さくなる。これにより、ブレード端部2eでは、ブレード中央部2cに比べて線圧が、
0.95−0.632=0.318[N/cm]
低くなった場合でも、ブレード中央部2cと同様な面圧3.06[MPa]を付加することが出来る。クリーニングブレード2を感光体1に対して、全幅において一定の線圧0.95[N/cm]となるように狙って当接する。この場合に、クリーニングブレード2と感光体1との当接精度の問題によって、実際の線圧が低下したとしても、先端角度Ae=115[°]としたブレード端部2eでは、先端角度Ac=90[°]のブレード中央部に比べて線圧が0.318[N/cm]低下した状態でも、所望の面圧は保たれる。これにより、クリーニングブレード2と感光体1とがねじれの状態になり、ブレード端部2eでの食込み量が小さくなり、線圧が小さくなっても、トナーの漏出やクリーニング不良の発生などを抑えることができる。
また、クリーニング動作ときの画像部、非画像部でのトナー入力量の差などによって、実際の線圧が低下した場合にも、トナーの漏出やクリーニング不良の発生などを抑えることができる。
なお、ブレードの先端稜線部を鈍角形状とした場合には、90[°]の場合に比べて、カット面メクレが小さくなる。また、鈍角の角度を大きくするほど、さらにカット面メクレが小さくなり、高面圧化には有利となる。
また、ブレード先端を鈍角形状とするにあたり、参考構成例1では、図10(d)に示すようにブレード先端部分のみを鈍角としたが、図12にしめすようにブレードのカット面全体をカットすることによって、鈍角としてもよい。
[実験2]
次に、実験2としてブレードの先端形状によるクリーニング性の比較を行った。
本実験2では、ブレード材料特性は同じで、ブレード先端形状が異なる次の3種類のブレードA,B,Cについて、同一の当接条件でブレードを感光体に当接させた場合の接触状態、接触面積を比較した。
ブレードA,B,Cの全体形状は共通で、ほぼ図11に示すような形状となっている。
ブレードA,B,C、それぞれの先端形状は以下のとおりである。
図13は、ブレードAの先端形状を示す拡大図である。図13に示すようにブレードAの先端稜線部は90[°]となっている。
図14は、ブレードBの先端形状を示す拡大図である。図14に示すようにブレードBの先端稜線部は100[μm]×200[μm]の大きさでカット加工された形状で、感光体に当接する部分は鈍角となっている。
図15は、ブレードCの先端形状を示す拡大図である。図15に示すようにブレードBの先端稜線部は曲率半径100[μm]ラウンド形状に加工されている。
このようなブレードA,B,Cを、線圧:0.95[N/cm]、初期当接角度(感光体表面の当接位置における接線とブレード下面との角度):20[°]という同一の当接条件で感光体に当接させた。
図16、図17及び図18は、それぞれ、上述の条件でブレードA,B,Cを感光体に当接させ、その接触状態を横方向から観察した概略説明図である。
観察により、ブレードA,B,Cそれぞれにおけるニップ幅を計測し、ニップ幅より面圧を算出した。それぞれのブレードにおけるニップ幅と、面圧とを表2にまとめる。
Figure 0004947938
ブレードA及びBは、図13及び14に示すように、ブレードの先端部にいわゆる「角」が存在するため、ブレードを感光体に当接させた状態では、ブレードの「角」が感光体との摩擦力によって引っ張られ、先端メクレ部分が形成される。そして、感光体と接触している先端メクレ部分に荷重が集中することによってトナーの侵入を阻止している。
一方、ブレードCは図15に示すように、ブレード先端部にいわゆる「角」が存在しない。その為、ブレードを感光体に当接させた状態で、「角」のあるブレードA及びBのように荷重が集中する先端メクレ部分が形成されず、いわゆる腹あたりとなり、感光体との接触領域(ニップ幅)が大きくなる。
表2に示すように、ニップ幅は約90[μm]、面圧は1.06[MPa]であり、ブレードA、Bに比べて低い面圧となってしまう。なお、球形トナーをクリーニングするための必要最低面圧は約2.0[MPa]である。
また、ブレードAとブレードBとを比較すると、一般的なブレード先端形状90[°]であるブレードAに比べて、鈍角形状としたブレードBは先端メクレ部分が形成され難い。その結果、ブレードと感光体の接触領域(ニップ幅)が小さくなっている。
表2に示すように、同一線圧でブレードA,Bを感光体に押し当てた場合、ブレードAのニップ幅は約30[μm]、面圧は3.17[MPa]であるのに対して、ブレードBのニップ幅は約20[μm]、面圧は4.75[μm]であり、鈍角にすることによって、高面圧化に有利であることが分かる。
以上のように、ブレードA、Bのようにブレード先端に「角」がある場合には、「角」が感光体との摩擦力によって引っ張られるきっかけとなる為に、荷重の集中する先端メクレ部分が形成され、高い面圧が得られる。一方、ブレード先端がラウンド形状で、「角」がない場合には、先端メクレ部分が形成されず、ブレードと感光体の接触領域が大きくなる為に、荷重が分散されてしまい、面圧が低下する。
参考構成例2]
次に示す参考構成例2では、参考構成例1をさらに改良したクリーニングブレード2について説明する。
図19は参考構成例2に係るクリーニングブレード2の概略説明図である。図19(a)はブレード中央部2cが感光体1に接触している状態を示す説明図であり、図19(b)は図19(a)中の領域Aの拡大図である。また、図19(c)はブレード端部2eが感光体1に接触している状態を示す説明図であり、図19(d)は図19(c)中の領域Aの拡大図である。
図19に示すように、クリーニングブレード2の長手方向で、ブレード中央部2cの先端角度Acと、ブレード端部2eの先端角度AeとがAc<Aeの関係を満たす点は、参考構成例1と同様である。参考構成例1と異なる点は、ブレード中央部2cの先端角度がAc>90[°]を満たし、鈍角形状としたことである。すなわち、Ac及びAeの間には、少なくとも90[°]<Ac<Aeの関係が成り立つようにしている。
参考構成例1では、Ac=90[°]としたのに対して、参考構成例2において、Ac>90[°]とした理由は、ブレード全体に付加する線圧を下げる狙いがある。すなわち、クリーニングブレード2を像担持体に当接する線圧が高い場合には、ブレード磨耗、感光体1の膜厚減少、感光体1の駆動トルクの増大、などの課題がある。よって、クリーニングブレード2を感光体1に当接させる線圧は、可能な限り低く抑えることがクリーニング装置、クリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、および画像形成装置の高寿命化には重要である。
上述したように、ブレード先端角度を90[°]より大きく、鈍角形状に設定することによって、クリーニングブレード2と感光体1との接触面積が小さくなる。これにより、参考構成例1よりも低線圧であっても、参考構成例1のような90[°]の場合と同じ面圧を付加することが可能となる。従って、ブレード先端を鈍角形状とすることによって、低線圧で効果的にクリーニングに必要な面圧を付加することが出来るという鈍角形状の効果を参考構成例1にさらに適用した。
参考構成例2におけるクリーニングブレード2は、ブレード中央部2cの先端角度Ac=115[°]、ブレード端部2eの先端角度Ae=125[°]に変更した。支持板に支持された弾性ゴムブレードの厚さが3.6[mm]、支持板と弾性ゴムブレードの接合部から、弾性ゴムブレード先端までの距離(自由長)が7[mm]である。また、ブレードの硬度は70[°]である等は参考構成例1と同様である。
図20は、複数の線圧を加えたときの、先端角度とそのときの面圧との関係を示すグラフである。
例えば約3.0[MPa]の面圧を付加しようとした場合、図20に示す様に、ブレード中央部2cの先端角度Acを90[°]とした場合には、ブレード全体に線圧を0.95[N/cm]加える必要があった。一方、ブレード中央部2cの先端角度Acを115[°]に設定した場合には、約3.0[MPa]の面圧を付加するためには、線圧0.40[N/cm]の低線圧を付加すればよい。
すなわち、参考構成例1のクリーニングブレード2に比べて、設定線圧を0.55[N/cm]小さく設定することができるという効果が得られる。また、ブレード端部2eの先端角度Ae=125[°]に設定することにより、ブレード端部2eで面圧約3.0[MPa]を得るには、線圧約0.30[N/cm]が付加されていれば良い。従って、ブレード中央部2cの設定線圧である0.55[N/cm]に比べて、0.55−0.30=0.25[N/cm]程度の線圧低下が起きた場合にも、クリーニング不良を防ぐことが出来る。
上述の参考構成例1及び参考構成例2に示した、先端角度Ac及びAeの値は一例であり、先端角度Ac及びAeはブレードの構成、及び感光体径、要求される精度により適宜設定すればよい。また、先端角度Aeとする領域は、非画像形成領域に限ることなく、適宜設定する。すなわち、非画像領域から、画像領域にかけて角度Aeとしてもよい。
すなわち、ブレード中央部2cの先端角度Acと、ブレード端部2eの先端角度Aeを異ならせることにより、クリーニングブレード中央部2cとブレード端部2eとの面圧のバラツキを抑制することができる。
なお、クリーニングブレード2の先端角度を鈍角とする場合、95[°]から140[°]の範囲が好ましい。先端角度が90[°]にあまり近い値であると、鈍角による接触面積の低減が発揮されない。また、クリーニングブレード2は初期当接角度が15[°]〜30[°]の間で設置して装置に組み込まれる。そのため、先端角度を140[°]、初期当接角を30[°]とした場合には、ブレードの先端面と感光体1表面とが形成する角度は10[°]となる。この角度が小さな値となると、ブレード端部と感光体1との間の楔形の空隙にトナーが堆積し、実質的にクリーニングブレード2と感光体1との接触面積が増えた状態となる。これにより、面圧が低下してしまい、その結果、クリーニング不良となることがある。
図11及び図12で示すクリーニングブレード2について、ホルダー132とクリーニングブレード2との段差部から先端稜線までの長さをブレード自由長t2とし、クリーニングブレード2の厚さをブレード厚t1する。このとき、クリーニングブレード2は、ブレード自由長t2とブレード厚t1との間に、以下の関係が成り立つ形状である。
1.75≦t2/t1≦3.00
本発明者らが鋭意研究を行った結果、上述の関係式を満たすことにより、支持板であるホルダー132と弾性部材であるクリーニングブレード2との接合部での座屈を防止することができることが分かった。
従来、粉砕トナークリーニング用の弾性部材の形状は、例えばブレード自由長t2=8[mm]、ブレード厚さt1=2[mm]で、t2/t1=4のものがあった。このような形状であると、ホルダー132との接合部でクリーニングブレード2が座屈してしまい、腹当りすることにより、球形トナーをクリーニングする為に必要な面圧を付与することができなかった。一方、ブレード自由長t2とブレード厚t1とが上述の関係式を満たすようにクリーニングブレード2の形状を設定することによって、クリーニングブレード2とホルダー132との接合部での座屈を抑制することが出来る。
また、クリーニングブレード2は、例えば、JIS−A硬度が60[°]以上80[°]以下のゴムを使用している。硬度を60[°]未満とした場合には、ブレード厚t1とt2が上記関係を満たした場合にも、支持板と弾性体の接合部において、座屈が発生し、十分な面圧を付与できない場合はある。逆に、ゴム硬度が高すぎる場合には、感光体との密着性が悪くなり、部分的に十分な面圧が付加されない場所が発生し、クリーニング不良となる場合がある。面圧が低下する場合には、球形トナーをクリーニングするのに必要な面圧2.0[MPa]以上の面圧を加える為には、線圧増加となる。線圧を大きくした場合には、感光体の膜厚減少量が増加することになるため、線圧増加を抑制したいという観点からも、硬度は60[°]以上とするのが好ましい。さらに、反発弾性を23[℃]で30[%]以下のものを用いる。
クリーニングブレードの端部周辺領域におけるクリーニング不良は、組み付け誤差に起因するものに限らず、画像形成領域と非画像形成領域とにおけるトナー供給量の違いによっても生じる。
すなわち、クリーニングブレードと像担持体の間に形成される楔領域にはトナー粒子が存在してこれが潤滑剤として機能するために、ブレードと像担持体間の摩擦抵抗が軽減され、クリーニングブレードは像担持体表面を摺擦することが出来る。ところが、画像形成領域には潤滑作用を果たすのに十分なトナー粒子が供給されるのに対して、非画像形成領域には画像形成領域のトナーが回り込むことによって供給される為に、潤滑作用を示すのに十分なトナーが供給されない場合がある。
このような場合には、ブレード端部を起点にして、図16及び図17において説明した部分的な先端メクレとは異なり、ブレード本体が折れ曲がるようになるブレードメクレなどが発生する。
このような問題に対して、特許文献1に記載のクリーニングブレードでは、長手方向両端の非画像領域の縁部の曲率半径R2と、実画像領域の縁部の曲率半径R1とがR2≧R1(但し、0≦R1≦100[μm]、R2≧10[μm])を満たす様に設定されている。これにより、ブレードの端部が感光体の表面移動方向に持っていかれ、ブレードメクレが発生することを防止している。
しかしながら、クリーニングブレードの感光体との当接部に曲率を設けると、ブレードメクレの発生は防止することができるが、面圧が低下することは上述の実験2より明らかである。よって、クリーニング不良の防止には十分ではない。
これに対し、参考構成例1及び参考構成例2に記載のクリーニングブレード2はブレード端部2eが鈍角となっているため、部分的な先端メクレが生じても、端部全体が感光体表面移動方向に持っていかれるようなブレードメクレは生じにくい。よって、ブレードメクレによるクリーニング不良を防止しつつ、面圧の低下によるクリーニング不良も防止することができる。
また、潤滑作用を示すのに十分なトナー粒子が供給される場合にも、画像形成領域と非画像形成領域でのトナー粒子の供給量の違いから、摩擦抵抗の軽減量がブレード端部で少ないことによって、ブレード主走査方向全幅に渡って均一な当接状態が保てず、不安定な接触状態になる。不安定な当接状態となった場合には、非画像形成領域に限らず、画像形成領域においても、端部に近い領域において、ブレードを像担持体に押し当てる荷重の低下が発生する場所が発生し、クリーニング不良が発生する場合がある。
参考構成例1または参考構成例2に記載のクリーニングブレード2であれば、ブレード中央部2cの先端角度Acと、ブレード端部2eの先端角度Aeを異ならせることにより、クリーニングブレード中央部2cとブレード端部2eとの面圧のバラツキを抑制することができる。これにより、不安定な接触状態の箇所が生じず安定したクリーニングを行うことができる。
プリンタ200では、クリーニングブレード2に用いる弾性部材として、温度23[℃]における反発弾性率(反発弾性係数JIS−K−6255)が30[%]以下であるものを用いている。かかるクリーニングブレード2を用いる理由は2つある。1つ目の理由は、球形トナーを良好にクリーニングするためには、ブレード先端の振動が少ない方が良いからである。2つ目の理由は、ブレードの磨耗に対して、反発弾性率が低い方が良いからである。よって、プリンタ200では、ブレードの摩耗を抑えつつ、ブレード先端の振動によるクリーニング性の悪化を抑えることができる。
従来、粉砕トナーをクリーニングする際には、ブレードによって、ブレード先端に接触したトナーを跳ね飛ばすという作用があったため、反発弾性率が低い場合には、跳ね飛ばし効果が十分に働かないという問題があった。しかしながら、球形トナーの場合には、トナーを跳ね返す前に、ブレードを擦り抜けてしまうため、跳ね飛ばし効果は作用しない。むしろ、反発弾性が高く、ブレード先端が感光体に対して微小振動し易い場合には、かえって球形トナーの擦り抜けを助長してしまうことが分かっている。
一方、反発弾性が低い方が、ブレードの磨耗に対して、有利であることが分かっている。すなわち、繰り返しの作像過程において、クリーニングブレードは、感光体との摺擦によって、徐徐に磨耗していく。我々は、ブレードの磨耗の発生メカニズムは、ブレード自身のスティックスリップ運動の結果、ブレードを構成する高分子(例えばポリウレタンゴム)が引裂かれ、疲労破壊する結果、磨耗が発生すると考えている。このような場合には、ブレード先端部が引きちぎれ、そこからクリーニング不良が発生する。一方、反発弾性を低くした場合には、ブレード自身のスティックスリップ運動が抑制される為に、繰り返しの作像工程を経た後でも、ブレード先端部分の累積振動回数が高反発弾性ブレードに比べて少ないため、疲労破壊も抑制される。その結果として、繰り返しの作像工程を経ても、ブレード磨耗が進行せず、長期にわたってクリーニング性能が維持されることになる。
球形トナーをクリーニングするために必要な当接圧力を得ると、粉砕トナーの場合よりも当接圧力を高めなければならないことは既に述べた通りである。このように当接圧力を高めると、当然ながら感光体1の表面を摩耗させ易くなる。
そこで、本プリンタにおいては、負帯電性の有機感光体である感光体1として、特殊な表面保護層を設けたものを用いている。図21は、プリンタ200の感光体1を示す模式図である。図21において、感光体1は、直径30[mm]のドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
基層としての導電性支持体1e上には、絶縁層である下引き層1dが設けられている。そして、その上に感光層としての電荷発生層(CGL)1c、電荷輸送層(CTL)1bが設けられている。さらにその上に表面保護層(FR)1aが積層されている。
導電性支持体としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すものを用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したものがある。あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016 号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体1eとして用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ、これらは有用に用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂中に上記電荷発生物質を分散させることができる。用いることができる結着樹脂の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300 重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.1〜2[μm]である。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25[μm]以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5[μm]以上が好ましい。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体1e上ないし下引き層1d上に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに50〜150重量部であればより好ましい。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25[μm]程度が適当である。
下引き層1dは一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、下引き層1dには、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層1dの膜厚は0〜5[μm]が適当である。
表面保護層1aは、例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコーンで表面コートしたものや、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させたものを採用することができる。
感光体1の構成はこれまで説明した構成に限定されるものではない。導電性支持体1eの上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層のみを設けた1層構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層を設ける。そして、その上に更に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とを積層し、その電荷輸送層の上に保護層を設けた構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層とを積層し、その電荷発生層の上に保護層を設けた構成でもよい。
表面保護層1aのバインダー構成として、架橋構造のものを使用している。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成する。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発揮する。
電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上述の反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。
電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物がある。また、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物もある。さらに、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
熱または光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合がある。より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。この場合の重合開始剤とは、主には波長400[nm]以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明においては、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このように形成した網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
以上のような表面保護層を設けた感光体については、例えば、保護層塗工液、膜厚、作成条件を次に説明するように工夫する点の他は、周知の方法と同様にして製造することができる。即ち、まず、メチルトリメトキシシラン182重量部、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン40重量部、2−プロパノール225重量部、2%酢酸106重量部、及び アルミニウムトリスアセチルアセトナート1重量部を混合して表面保護層用の塗布液を得る。この塗布液を、電荷輸送層の上に塗布して乾燥させた後、110[℃]の環境下で1時間の加熱硬化処理して、膜厚3[μm]の表面保護層を形成する。
また、例えば、保護層塗工液、膜厚、作成条件を次に説明するように工夫する点の他は、周知の方法と同様にしてもよい。即ち、化1で化学構造式を示した正孔輸送性化合物30重量部、及び化2で化学構造式を示したアクリルモノマーと光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)との混合物0.6重量部を、モノクロロベンゼン50重量部/ジクロロメタン50重量部の混合溶媒中に溶解して、表面保護層用塗料得る。この塗料をスプレーコーティング法により電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm]の光強度で30秒間硬化させることによって膜厚5[μm]の表面保護層を形成する。
Figure 0004947938
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参考構成例3]
上述のように、小粒径化や球形化が進んだトナーを用いる場合には、像担持体に対するクリーニングブレード2の押し当て力を強め、トナーのもぐり込みを阻止する必要がある。高い荷重をかけてクリーニングブレード2を感光体1に圧接しているので、ブレードの磨耗や感光体の膜削れが大きくなる。そこで、感光体1の表面に潤滑剤を塗布することによって、ブレードの磨耗、感光体の膜削れを抑制することが可能である。
また、放電を用いた帯電装置によって感光体を帯電する場合には、放電によって感光体表面が徐々に改質し、表面エネルギーが高くなる。この場合、球形トナーのクリーニング不良が発生し易くなる。潤滑剤を塗布することによって感光体表面の改質を抑制することによって、球形トナーのクリーニング性を経時に渡って維持することが出来る。
以下、参考構成例3として潤滑剤塗布手段を備えたプロセスユニットの一例について説明する。
図22は、参考構成例3に係るプリンタのプロセスユニット100とその周囲とを示す概略構成図である。感光体クリーニング装置130は、転写手段としての転写搬送ユニットを経由した後、クリーニングブレード2との当接位置に進入する前の感光体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段としてのブラシユニット136を備えている。このブラシユニット136は、潤滑剤固形物136bと、感光体1に当接しながら回転駆動されるファーブラシ136aと、これらを感光体1に向けた押圧するバネ136cとを有している。
ファーブラシ136aは、芯材にアクリルカーボン製の起毛が無数に植毛されたローラ状ブラシである。図示しない無数の起毛の先端を感光体1に順次摺擦させるように、感光体1との対向部でカウンター方向の表面移動となる図中時計回りに回転駆動される。この回転駆動により、潤滑剤固形物136bから掻き取った潤滑剤粉末を、感光体1の表面に塗布する。
ファーブラシ136aを設けずに、潤滑剤固形物136bを感光体1に直接摺擦させると、潤滑剤固形物136bの偏摩耗を引き起こしたり、感光体1の表面に潤滑剤粉末の塗布量不均一化を引き起こしたりする。そこで、ファーブラシ136aにより、潤滑剤固形物136bから潤滑剤粉末を掻き取り、それを感光体1に塗布するようにしている。かかる構成では、上述した偏摩耗や塗布量不均一化を抑えることができる。
また、ファーブラシ136aを用いる場合、その回転数を調整することで、感光体1への潤滑剤粉末塗布量を容易に調整することが可能になる。更には、ファーブラシ136aの回転方向を感光体1の回転方向に対してカウンター方向にすることで、クリーニングブレード2に接触させる前の転写残トナーに潤滑剤を塗布してクリーニング性を向上させることもできる。
潤滑剤固形物136bとしては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸を固形化したものを用いることができる。また、ステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があると考えられる。その他にも、各種の脂肪酸塩、ワックス、シリコーンオイル等他の物質を潤滑材剤として用いることも可能である。
脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。
[変形例1]
図23は、参考構成例3に係るプリンタ200のプロセスユニット100の変形例とその周囲とを示す概略構成図である。
この変形例1のプロセスユニット100においては、クリーニングブレード2によってクリーニングされた後の感光体1表面に対して、ファーブラシ136aによって潤滑剤粉末を塗布するようになっている。また、ブラシユニット136と帯電装置110との間に均しブレード137を有し、これの先端を感光体1の表面に当接させている。この均しブレード137は、ファーブラシ136aによって感光体1表面に塗布された潤滑剤粉末の表面上における塗布状態を均一化する役割を担っている。
図22に示した構成では、潤滑剤を塗布する位置が、感光体1の表面移動方向に対してクリーニングブレード2の当接位置よりも上流側であり、クリーニングブレード2によってクリーニングされる前の感光体1表面に潤滑剤を塗布するようになっている。この場合、ブレードによって除去されるトナーと共に潤滑剤が除去されてしまう場合があり、感光体表面に均一に潤滑材の膜を形成することが出来ない場合がある。さらに、潤滑剤が比較的大きな塊の状態で感光体に塗布される場合がある。大きな塊がクリーニングブレード2の当接位置に達すると、トナー表面の外添剤がブレードニップを擦り抜けたり、トナーがブレードニップを擦り抜けたりして、画像に悪影響を及ぼすことになる。均し部材としては、均しブレード137のようなウレタンゴムなどからなる弾性ブレードや弾性ローラ等を感光体1に対して適切な圧力で当接させればよい。
これに対し、図23に示した変形例では、クリーニングブレード2によってトナーを除去した後に潤滑剤を塗布しているため、潤滑剤を均一に塗布することが可能である。また、感光体1表面に塗布した潤滑剤を均しブレード137によって均すため、潤滑剤の塊による外添剤やトナーの擦り抜けを回避することができる。
なお、本発明をプロセスユニット100に適用した例について説明したが、クリーニング手段をプロセスユニットとして構成していない画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
これまで説明してきたプリンタ200では、重合法によるトナーとして、平均円形度が0.98以上であって、且つ、体積平均粒径が5[μm]のものを用いるようになっている。平均円形度については、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)を用いて測定することが可能である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上記分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、トナー投影形状の外周長をL1(図24)、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ真円の外周長をL2(図25)としたときのL2/L1を求め、その平均値を円形度とする。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上、32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
今後、粉砕法がより発展していくことにより、粉砕法によっても、非常に平均円形度の高いトナーを得ることが可能になるかもしれない。その場合、粉砕法によるトナーでも、重合法によるトナーと同様に、クリーニング不良が発生し易くなる。
上述した各実験に用いたトナーは(平均円形度0.98以上、体積平均粒径5[μm])では、図26に示すように、粒径2.5〜7.0[μm]の範囲に95[%]のトナー粒子が存在している。この分布状態は、転写残トナー(実際にクリーニングされるトナー)についても同様である。
以上、参考構成形態1の感光体クリーニング装置130によれば、クリーニングブレード2における被クリーニング部材としての感光体1との当接部の感光体1の表面移動方向における当接幅を左右するクリーニングブレード2の条件について、ブレード中央部2cと感光体1との当接幅をWc、ブレード端部2eと感光体1との当接幅をWeとしたときに、Wc>Weを満たすことにより、ブレードの端部2eと感光体1との接触面積が狭くなる。そして、線圧を左右しない条件であるクリーニングブレード2の先端角を設定しているため、接触面積が狭くなっても線圧が低下することがない。このように、線圧を維持しつつ接触幅を狭くすることができるため、組み付け誤差により端部の押圧力が低下しても、面圧を維持することができる。これにより、当接精度の問題によって、ブレード端部2eでの線圧が低下したとしても、面圧を維持することができ、良好なクリーニング性を発揮することができる。
上述のクリーニングブレード2の先端角の設定として、クリーニングブレード中央部2cの先端角をAc、ブレード端部2eの先端角をAeとしたときに、Ac<Aeを満たすことにより、当接部でのメクレ幅がブレード端部2eの方が小さくなり、ブレード中央部2cとブレード端部2eとの当接幅の関係がWc>Weを満たすようになる。
また、ブレード中央部2cの先端角Acの角度を90[°]より大きく設定し、ブレード全体の先端角が鈍角であることにより、先端角が鋭角または直角の場合よりも当接面積を小さくすることができる。よって、クリーニングブレード2から被クリーニング部材である感光体1に対する荷重が同じ大きさであっても、先端角が鋭角または直角の場合よりも面圧を大きくすることができる。これにより、当接する感光体1に加える荷重に対して、効率よく面圧を大きくすることができるので、効率よくトナーの擦り抜けを防止することができる。さらに、ブレード中央部2cの先端角Acの角度を140[°]以下に設定することにより、クリーニングブレード2のブレード先端面と感光体1の表面とが形成する角度が小さくなりすぎることがなく、ブレードの先端面と感光体1との間の楔形の空隙にトナーが堆積することに起因する面圧の低下を抑制することができる。
また、ブレード中央部2cの先端角Acを、Ac=115[°]とすることにより、面圧3.0[MPa]を得るには、線圧約0.40[N/cm]を付加すればよく、Ac=90[°]とした場合に必要な線圧0.95[N/cm]に比べて、線圧を低く設定することができる。
また、クリーニングブレード2ついて、厚さをt1とし、支持部材であるホルダー132の支持される部分と支持されていない部分との境界から先端部までの長さをt2とする。このとき、t2/t1の値は1.75以上、3以下となっている。図4で示すような従来の薄い短冊形状のクリーニングブレード2では、支持板であるホルダー132と弾性体であるクリーニングブレード2との接合部分で座屈がおき、クリーニングブレード2が感光体1に腹当りしてしまう。これにより、当接部に球形トナーのクリーニングに必要な面圧を付与することが出来なかった。しかしながら、先端部までの長さt2と厚さt1が上述の関係を満たすとき、クリーニングブレード2の先端部に十分な荷重を付与することができる。
また、クリーニングブレード2を感光体1に当接する当接部である当接点Oでの面圧を3.0[MPa]以上とすることにより、感光体1の表面上から球形トナーをより確実に除去することができる。
また、クリーニングブレード2と感光体1との感光体1の表面移動方向の当接長さを10[μm]以上に設定している。10[μm]以上で押し当てるので、感光体1に対してクリーニングブレード2が接触ムラを生じたり、像担持体表面の傷や突起物などの影響を受けたりして、クリーニング不良が生ずることがない。これにより、小粒で球形のトナーに対してもクリーニングを良好に行うことが出来る。
そして、クリーニングブレード2と感光体1との感光体1の表面移動方向の当接長さを40[μm]以下に設定している。これにより、感光体1の摩耗が進む、感光体1の駆動トルクが増加する、またはクリーニングブレード2の摩耗が大きくなるとかなどの弊害を発生することなく、線圧を高くすることなく面圧を高くすることができる。よって、クリーニングが困難な小粒で球形のトナーのクリーニング性能を改善することができる。
特に、クリーニングブレード2と感光体1との感光体1の表面移動方向の当接長さを30[μm]以下に設定してもよい。これにより、線圧を高くすることなく、より面圧を高くすることができるので、クリーニングが困難な小粒で球形のトナーのクリーニング性能をさらに改善することができる。
また、クリーニングブレード2と感光体1との当接部での線圧を0.2[N/cm]以上、1.2[N/cm]以下に設定している。これにより、小粒で球形のトナーのクリーニング性能を確保するとともに、線圧が高くなり過ぎることによる弊害をなくすことができる。
特に、クリーニングブレード2と感光体1との当接部での線圧を0.9[N/cm]以下に設定してもよい。これにより、線圧が高くなり過ぎることによる弊害の発生をより確実に防止することができる。
また、先端稜線の角度θを95[°]以上、140[°]以下の範囲とすることによって、より確実に接触幅を小さくして、線圧を高めることなく、面圧を高くすることができる。
また、クリーニングブレード2の材料として、温度が23[℃]であるときの反発弾性を30[%]以下である材料を用いている。これにより、クリーニングブレード2のスティックスリップを防止し、クリーニングブレード2の摩耗を抑制しながら、低線圧で高面圧なクリーニング構成を得ることができる。
また、プリンタ200ではトナーとして、平均円形度が0.98以上の重合トナーを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。そして、この重合トナーのクリーニングにクリーニングブレード2を用いることにより、除去が困難である重合トナーを良好にクリーニングすることができる。
また、クリーニングブレード2を備えた感光体クリーニング装置130と被クリーニング部材である感光体1とを有するプロセスユニット100が画像形成装置であるプリンタ200本体に対しいて着脱可能となっている。これにより、小粒で球形のトナーを確実にクリーニングすることができ、低線圧で高面圧なクリーニング構成を有するプロセスユニット100を提供することができる。さらに、プロセスユニット100を構成することにより、交換、修理、補給等のメンテナンスを容易とし、かつプリンタ200本体の小型化を図ることができる。
また、画像形成装置本体であるプリンタ200が、クリーニングブレード2を備えた感光体クリーニング装置130を有することにより、低線圧で高面圧なクリーニング構成を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
また、感光体1に、無機化合物からなる微粒子を含有せしめた材料からなる表面保護層を設けることにより、感光体1の耐磨耗性を向上することができる。
また、感光体1に、架橋構造を有するバインダー樹脂からなる表面保護層を設けることにより、感光体1の耐磨耗性を向上することができる。
さらに、バインダー樹脂の構造中に電荷輸送層を設けることにより、感光体1の電気的安定性を高めることができる。
また、感光体1に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段としてのブラシユニット136を備えることにより、感光体1の膜削れを少なくして、耐久性を向上させることができる。
参考構成形態2]
参考構成形態1では、ブレード中央部2cの当接幅Wcと、ブレード端部2eの当接幅Weとが、Wc>Weの関係を満たすように、ブレード中央部2cの先端角Acと、ブレード端部2eの先端角Aeとが、Ac<Aeの関係を満たすように設定している。当接幅WcとWeとがWc>Weの関係を満たす設定としては、先端角AcとAeとがAc<Aeの関係を満たすものに限るものではない。
以下、当接幅WcとWeとがWc>Weの関係を満たすように、クリーニングブレード2の長手方向でブレードの材料を異ならせる参考構成形態2について説明する。
図27は、参考構成形態2に係るクリーニングブレード2の概略構成図である。図27(a)はクリーニングブレード2の斜視図であり、図27(b)はブレード中央部2cの断面図、図27(c)はブレード端部2eの断面図である。
ブレード中央部2cに比べて線圧が低下しやすいブレード端部2eでは、ブレード中央部2cに比べて接触面積が小さくなる構成とすることでトナーの潜り込みを阻止する為に必要な面圧を維持することができる。ブレード端部2eでの当接幅Weを小さくし、接触面積を小さくする為には、ブレード中央部2cに比べて端部でのブレード変形量を小さくし、当接幅が狭くなる構成とすればよい。具体的には、ブレード中央部2cとブレード端部2eとでブレードの材料を変える方法がある。
ブレード中央部2cとブレード端部2eとでブレード硬度(JIS−A)を変えた場合を例として示す。
一般に、硬度が高くなるほど変形し難くなる。従って、ブレード端部2eの硬度を中央部に比べて高い材料を用いることによって、当接幅Weを小さくすることができるために、ブレード端部2eで線圧が低下した場合にも面圧はブレード中央部2cと同様に球形トナーの潜り込みを阻止する為に必要な値を維持することが出来る。
図27では、ブレード中央部2cを硬度Hc=70[°]、ブレード端部2eを硬度He=80[°]の材料で構成した場合を示している。同一の線圧がブレード中央部2cとブレード端部2eとに付加された場合には、硬度が高いブレード端部2eでの感光体1との当接幅Weは、ブレード中央部2cの当接幅Wcに比べて狭くなる。さらに、組み付け誤差によりブレード端部2eでの線圧が低下した場合にも、当接幅Weが狭い為に、面圧の低下はそれほど大きくならない。
[変形例2]
図28は、参考構成形態2の一つ目の変形例としての変形例2の概略構成図である。図28(a)はクリーニングブレード2の斜視図であり、図28(b)はブレード中央部2cの断面図、図28(c)はブレード端部2eの断面図である。
図28に示す変形例2では、ブレード端部2eは図28(c)に示すように弾性ゴムブレードが二層構造になっており、感光体とブレードが接触する側の弾性体の硬度Heを高く設定している。
[変形例3]
図29は、参考構成形態2の二つ目の変形例としての変形例3の概略構成図である。図29(a)はクリーニングブレード2の斜視図であり、図29(b)はブレード中央部2cの断面図、図29(c)はブレード端部2eの断面図である。
図29に示す変形例3では、ブレード端部2eは図29(c)に示すようにブレードと感光体が当接するブレード先端部近傍の弾性体の硬度を高く設定している。
図27、図28及び図29で示したクリーニングブレード2では、ブレード中央部2cの硬度Hc=70[°]、ブレード端部2eの少なくとも感光体1と接触する位置の硬度He=80[°]としたが、この限りではない。さらには、ブレード材料特性のうちモジュラスをブレード長手方向で変える、ヤング率の異なる材料を中央部と端部で用いるなど、他の材料特性をブレード長手方向で変化させることによって、ブレード端部2eでの当接幅Weをブレード中央部2cよりも小さくすることが可能である。
なお、クリーニングブレード2のブレード材料としては、ポリウレタンゴムの配合を変えることにより、硬度、および反発弾性を異ならせることにより実現できる。また、ブレード端部2eの面圧を維持できる材料の組み合わせであれば、ポリウレタンゴムに限るものではない。
以上、参考構成形態2の感光体クリーニング装置130によれば、クリーニングブレード中央部2cの硬度をHc、ブレード端部2eの硬度をHeとしたときに、Hc<Heを満たすことにより、ブレード中央部2cとブレード端部2eとの当接幅の関係がWc>Weを満たすようになる。なお、クリーニングブレード2の硬度の設定は、線圧を左右しない条件であるので、ブレード端部2eでの当接幅Weを狭めても、線圧が低下することがない。これにより、当接精度の問題によって、ブレード端部2eでの線圧が低下したとしても、面圧を維持することができ、良好なクリーニング性を発揮することができる。
[実施形態
次に、当接幅WcとWeとがWc>Weの関係を満たすように、クリーニングブレード2の支持部材であるホルダー132の形状を長手方向について異ならせる実施形態について説明する。
図30は、実施形態に係るクリーニングブレード2の概略構成図である。図30(a)はクリーニングブレード2の斜視図であり、図30(b)はブレード中央部2cの断面図、図30(c)はブレード端部2eの断面図である。
ブレード長手方向でホルダー132の長さを変えることによって、実質的に弾性ゴムブレードの自由長がブレード長手方向でかわる事になる。
図30に示すように、弾性ゴムブレードを支持するホルダー132の形状をブレード長手方向で異ならせる構成とする。ブレード端部2eでのホルダー132の長さを中央部に比べて長く設定しているため、ブレード端部2eにおける弾性ゴムブレードの自由長Beは、ブレード中央部2cにおける自由長Bcに比べて短くなる。
自由長が短いことにより、同じ線圧が加えられたとしても、ブレード中央部2cに比べてブレード端部2eは撓みにくくなり、当接幅WcとWeとについて、Wc>Weを満たす状態とすることができる。その結果、ブレード端部2eで線圧が下がった場合にも、ブレード端部2eの当接幅Weは小さいので、面圧はブレード中央部2cと同様に球形トナーの潜り込みを阻止する為に必要な値を維持することができる。
以上、実施形態の感光体クリーニング装置130によれば、支持部材であるホルダー132の長さをクリーニングブレード2の長手方向で異ならせ、クリーニングブレード中央部2cの自由長をBc、ブレード端部2eの自由長をBeとしたときに、Bc>Beを満たすことにより、ブレード中央部2cとブレード端部2eとの当接幅の関係がWc>Weを満たすようになる。なお、クリーニングブレード2の自由長の設定は、線圧を左右しない条件であるので、ブレード端部2eでの当接幅Weを狭めても、線圧が低下することがない。これにより、当接精度の問題によって、ブレード端部2eでの線圧が低下したとしても、面圧を維持することができ、良好なクリーニング性を発揮することができる。
[実施形態
次に、当接幅WcとWeとがWc>Weの関係を満たすように、クリーニングブレード2の弾性ゴムブレードの形状を長手方向について異ならせる実施形態について説明する。
図31は、実施形態に係るクリーニングブレード2の概略構成図である。図31(a)はクリーニングブレード2の斜視図であり、図31(b)はブレード中央部2cの断面図、図31(c)はブレード端部2eの断面図である。
図31に示すように、ブレード端部2eでは、弾性ゴムブレードと支持板の接合部に補強構造を設けている。補強構造としては、ブレードの後端側から先端側に向けての領域に部分的に肉厚になる肉厚部2aを有している。クリーニングブレード2は、この肉厚部2aの後端側の側面をホルダー132の先端に密着させる状態でホルダー132の裏面に固定されている。
補強構造のないブレード中央部2cに比べて、補強構造を有するブレード端部2eでは同じ線圧が加えられたとしても、ブレード中央部2cに比べてブレード端部2eは撓みにくくなり、当接幅WcとWeとについて、Wc>Weを満たす状態とすることができる。その結果、ブレード端部2eで線圧が下がった場合にも、ブレード端部2eの当接幅Weは小さいので、面圧はブレード中央部2cと同様に球形トナーの潜り込みを阻止する為に必要な値を維持することができる。
以上、実施形態の感光体クリーニング装置130によれば、ブレード端部2eに補強構造としての肉厚部2aを設けたことにより、ブレード中央部2cとブレード端部2eとの当接幅の関係がWc>Weを満たすようになる。なお、クリーニングブレード2の形状の設定は、線圧を左右しない条件であるので、ブレード端部2eでの当接幅Weを狭めても、線圧が低下することがない。これにより、当接精度の問題によって、ブレード端部2eでの線圧が低下したとしても、面圧を維持することができ、良好なクリーニング性を発揮することができる。
[実施形態
参考構成形態1では、本発明の特徴部を、潜像担持体として機能するとともにトナー像担持体として機能する感光体1の転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置130に適用したプリンタ200について説明した。しかし、本発明の特徴を備えたクリーニング装置としては感光体クリーニング装置に限るものではない。
以下、実施形態として、本発明の特徴を備えたクリーニング装置を、被クリーニング部材として帯電無端移動体である帯電ローラ111の表面をクリーニングする帯電ローラクリーニング装置に適用した構成について説明する。
なお、実施形態は帯電装置110がクリーニング装置を備えた点以外は、参考構成形態1と共通するので、共通する点については説明を省略する。
図32は、実施形態に係る帯電装置110の概略構成図である。図に示すように帯電装置110は帯電ローラ111に付着したトナーを除去する帯電ローラクリーニング装置117を備えている。帯電ローラクリーニング装置117は、帯電除去ケーシング113、支持部材としてのホルダー132、弾性体クリーニングブレードとしてのクリーニングブレード2、帯電除去回収スクリュ114などを有している。
感光体1上に付着した転写残トナーのうち、感光体クリーニング装置130で除去仕切れなかったトナーは帯電領域である帯電ローラ111との対向部に到達する。帯電ローラ111は感光体1に対して近接または接触して帯電を行っているため、帯電領域に到達したトナーの中には帯電ローラ111に付着するものもある。
帯電領域において帯電ローラ111に付着したトナーは帯電ローラクリーニング装置117のクリーニングブレード2によって、帯電ローラ表面から除去される。
帯電ローラクリーニング装置117のクリーニングブレード2として、感光体クリーニング装置130に適用したクリーニングブレード2と同様のものを用いる。これにより、帯電ローラ111に付着した転写残トナーを良好に除去することができる。
帯電ローラ111付着した転写残トナーを良好に除去できることにより、参考構成形態1のようにトナー付着防止のために非接触型とする必要がなく、接触型の帯電ローラ111を採用することができる。
なお、プロセスユニットとしての帯電装置110は、少なくとも帯電ローラクリーニング装置117と帯電ローラ111とを一体として、プリンタ200本体から着脱可能な構成となっている。
[実施形態
次に、実施形態として、本発明の特徴を備えたクリーニング装置をトナー像担持体として機能する中間転写体の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置に適用した構成について説明する。
図33は、実施形態にかかる中間転写体としての中間転写ベルト210を備えた中間転写ユニット300とその周囲構成とを示す概略構成図である。なお、この中間転写ユニット300は、上述のプリンタ200とは異なる公知の画像形成装置に適用されるものである。
中間転写ユニット300は、中間転写ベルト210やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ214、駆動ローラ215、2次転写バックアップローラ216、4つの中間転写バイアスローラ62Y,C,M,K、3つの接地ローラ74なども有している。
中間転写ベルト210は、張架ローラ214を含む10本のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ215の回転により図中時計回りに無端移動せしめられる。4つの中間転写バイアスローラ62Y、C、M、Kは、それぞれ中間転写ベルト210のベース層側(内周面側)に接触するように配設され、図示しない電源から中間転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト210をそのベース層側から感光体1Y、C、M、Kに向けて押圧してそれぞれ中間転写ニップを形成する。各中間転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体と中間転写バイアスローラとの間に中間転写電界が形成される。Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト210上に中間転写される。このYトナー像の上には、C,M,K用の感光体1C、M、K上に形成されたC、M、Kトナー像が順次重ね合わせて中間転写される。この重ね合わせの中間転写により、中間転写ベルト210上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト210において、各中間転写ニップの間に位置する部分には、それぞれ内側から接地ローラ74が当接している。これら接地ローラ74は、導電性の材料で構成されている。そして、各中間転写ニップで中間転写バイアスローラ62Y、C、M、Kからベルトに伝わった中間転写バイアスによる電流を、他の中間転写ニップやプロセスカートリッジにリークさせるのを阻止している。
中間転写ベルト210上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の2次転写ニップで図示しない転写紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト210の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ215との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90のクリーニングブレード2によってクリーニングされる。
ベルトクリーニング装置90のクリーニングブレード2として、プリンタ200に適用したクリーニングブレード2と同様のものを用いることにより、中間転写ベルト210に残留した転写残トナーを良好に除去することができる。
特に、中間転写ベルト210のように複数色のトナーを担持する中間転写体においては、転写残トナーが良好に除去されることにより、異なる色の転写残トナーが感光体1に付着することによる混色の発生を防止することができる。
なお、プロセスユニットとしての中間転写ユニット300は、少なくともベルトクリーニング装置90と中間転写ベルト210とを一体として、不図示に画像形成装置本体から着脱可能な構成となっている。
参考構成形態1に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタにおけるプロセスユニットを示す概略構成図。 同プロセスユニットにおける帯電装置を感光体とともに示す概略構成図。 従来のホルダー及びクリーニングブレードを示す概略図。 重合法によるトナーを良好にクリーニングし得る程度の強い押圧力で感光体に向けて押圧した従来のクリーニングブレードの先端部を示す拡大図。 図5に示した状態のクリーニングブレードの先端部における圧力分布図。 肉厚部を有するクリーニングブレードとホルダーとを示す概略説明図。 同クリーニングブレードの先端部を示す拡大図。 同クリーニングブレードの圧力分布図。 参考構成形態1に係るプリンタに用いるクリーニングブレードの概略構成図。(a)は、クリーニングブレードの斜視図、(b)は、ブレード中央部が感光体に接触している状態を示す説明図、(c)は(b)中の領域Aの拡大図、(d)は、ブレード端部が感光体に接触している状態を示す説明図、(e)は(d)中の領域Aの拡大図。 参考構成例1で用いた粉砕トナー用ブレード形状のブレードの概略図。 参考構成例1に適用可能なクリーニングブレードの概略図。 実験2で用いたブレードAの先端部の拡大図。 実験2で用いたブレードBの先端部の拡大図。 実験2で用いたブレードCの先端部の拡大図。 ブレードAの概略側面図。 ブレードBの概略側面図。 ブレードCの概略側面図。 参考構成例2に係るクリーニングブレード2の概略説明図。(a)はブレード中央部が感光体に接触している状態を示す説明図、(b)は(a)中の領域Aの拡大図、(c)はブレード端部が感光体に接触している状態を示す説明図、(d)(c)中の領域Aの拡大図。 複数の線圧を加えたときの、先端角度とそのときの面圧との関係を示すグラフ。 感光体の断面を示す模式図。 参考構成例3に係るプリンタのプロセスユニットとその周囲とを示す概略構成図。 変形例1に係るプリンタのプロセスユニットとその周囲とを示す概略構成図。 トナーの投影像の外周長を説明する模式図。 トナーと同じ投影面積の真円の外周長を説明する模式図。 トナーの粒径分布を示すグラフ。 参考構成形態2に係るクリーニングブレードの概略構成図。(a)はクリーニングブレードの斜視図、(b)はブレード中央部の断面図、(c)はブレード端部の断面図。 変形例2に係るクリーニングブレードの概略構成図。(a)はクリーニングブレードの斜視図、(b)はブレード中央部の断面図、(c)はブレード端部の断面図。 変形例3に係るクリーニングブレードの概略構成図。(a)はクリーニングブレードの斜視図、(b)はブレード中央部の断面図、(c)はブレード端部の断面図。 実施形態に係るクリーニングブレードの概略構成図。(a)はクリーニングブレードの斜視図、(b)はブレード中央部の断面図、(c)はブレード端部の断面図。 実施形態に係るクリーニングブレードの概略構成図。(a)はクリーニングブレードの斜視図、(b)はブレード中央部の断面図、(c)はブレード端部の断面図。 実施形態に係る帯電装置の概略構成図。 実施形態に係る中間転写ユニットとその周囲とを示す概略構成図。 組み付け誤差に起因するクリーニングブレード端部におけるクリーニング不良やトナーの漏出についての説明図。
符号の説明
1 感光体
2 クリーニングブレード
2a 肉厚部
2c ブレード中央部
2e ブレード端部
10 給紙カセット
20 搬送ローラ対



30 記録体搬送路
31 レジストローラ対
40 転写搬送ユニット
41 搬送ベルト
42 搬送ベルト駆動ローラ
43 記録体転写バイアスローラ
44 搬送ベルトクリーニング装置
44a ファーブラシ
50 定着装置
60 排紙ローラ対
100 プロセスユニット
101 光書込ユニット
110 帯電装置
111 帯電ローラ
111a 軸部
111b ローラ部
112 スペーサ
113 帯電除去ケーシング
114 帯電除去回収スクリュ
115 スプリング
116 電源
117 帯電ローラクリーニング装置
118 供給搬送スクリュ
119 現像剤供給部
120 現像装置
121 現像ケーシング
122 現像部
123 現像剤攪拌部
124 現像スリーブ
125 ドクターブレード
126 マグネットローラ
127 攪拌搬送スクリュ
128 Tセンサ
129 仕切り壁
130 感光体クリーニング装置
131 感光体除去ケーシング
132 ホルダー
134 回収スクリュ
136 ブラシユニット
136a ファーブラシ
140 除電器
200 プリンタ
300 中間転写ユニット
P 転写紙

Claims (7)

  1. 持部材で支持され、表面移動する被クリーニング部材にカウンター方向に当接し、該被クリーニング部材の表面上のトナーを除去する弾性クリーニングブレードを有するクリーニング装置において、
    上記被クリーニング部材の表面に当接する上記弾性クリーニングブレードの先端稜線部はブレードの長手方向に延びる直線状であり、
    該弾性クリーニングブレードの長手方向の端を含む領域である端部に、
    上記弾性クリーニングブレードの端部に補強構造を設けたことによって、
    該弾性クリーニングブレードにおける該被クリーニング部材との当接部の線圧を左右せず、該被クリーニング部材の表面移動方向における当接幅を左右する該弾性クリーニングブレードの条件について、該弾性クリーニングブレードの中央部よりも端部の方が、該当接幅が小さくなるように設定し、
    弾性クリーニングブレード後端から先端にいたる途中から少なくとも部分的に肉厚を厚くし、
    該肉厚を厚くした部分の厚みの段差面が、支持部材の先端面に密着するように該弾性クリーニングブレードを該支持部材に取り付け、該肉厚を厚くした部分によって補強構造を構成することを特徴とするクリーニング装置。
  2. 少なくともクリーニング装置と該クリーニング装置によって表面上のトナーの除去がなされる被クリーニング部材とを一体的に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットにおいて、
    該クリーニング装置として、請求項1に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスユニット。
  3. 少なくとも潜像担持体と、
    該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
    該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
    該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段と、
    該潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、
    作像する過程で不必要なトナーが付着した被クリーニング部材上のトナーを除去するクリーニング装置とを有する画像形成装置において、
    該クリーニング装置として請求項1に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項の画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、無機化合物からなる微粒子を含有せしめた材料からなる表面保護層を設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項の画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、架橋構造を有するバインダー樹脂からなる表面保護層を設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項の画像形成装置において、
    上記表面保護層の構造中に電荷輸送層を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項またはの画像形成装置において、
    上記転写手段を経由した後、上記潜像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段との対向部に進入する前の該潜像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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