JP3927888B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、感光ドラムの表面上に残留する残留トナーを清掃する機能を有する、電子写真システムを用いた画像形成装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、複写機、プリンタおよびファクシミリのように、画像を紙などの記録媒体に記録する画像形成装置においては、画像を記録媒体に記録するシステムとして、電子写真システムが採用されている。
【0003】
電子写真システムは、表面に感光物質が塗布された感光ドラムを像担持体とする。まず、感光ドラムの表面が一様に帯電された後に、感光ドラムの表面にレーザ光が照射され、照射された部分と照射されなかった部分との間に電位差が与えられる。
【0004】
次に、現像剤に含まれる帯電したトナーが感光ドラムの表面に付着することによって、感光ドラムの表面上にトナー像が形成される。その後、そのトナー像が記録媒体に転写され、記録媒体上に画像が形成される。
【0005】
最近では、出力機器の高画質化、低ランニングコスト化などの要求が強まり、上記電子写真システムで用いられる像担持体である感光ドラムとしては、高分解能の必要性から、より感光層膜厚の薄いものが使用され、また、その上で、低ランニングコスト化のために、感光ドラム自身の寿命を長くする必要性から、感光体表面の電気、機械的強度や対磨耗性向上が図られている。
【0006】
また、このような電子写真システムにおけるクリーニングとしては、感光ドラムの表面がトナー像形成用に何度も繰り返し使用されるため、記録媒体へのトナー像の転写後に、記録媒体に転写されずに感光ドラムの表面に残る残留トナーを充分に除去することが必要となる。
【0007】
残留トナーを除去する方法としては、従来から種々提案されている。これらの提案のうち、弾性材料からなるカウンターブレード(クリーニングブレード)を感光ドラムの表面に当接して、残留トナーを掻き落とす方法が、広く実用化されている。この方法は、低コストであり、電子写真システム全体を簡単でコンパクトな構成にでき、トナー除去効率も優れている。
【0008】
クリーニングブレードの材料としては、高硬度でしかも弾性に富み、耐摩耗性や、機械的強度や、耐油性や、耐オゾン性などに卓越しているウレタンゴムが一般的に用いられている。
【0009】
クリーニングブレードの物性や像担持体への当接の方法は、転写残トナーの像担持体への付着度合によるクリーニングのしやすさや像担持体の表面性などにも大きく左右される。
【0010】
また、トナー形状、粒径、材質などの物性によってもクリーニング性は大きく影響を受けるため、それに適したブレードを選択し、像担持体に対して適正な角度、当接荷重に設定する必要がある。そのため、実際のクリーニングブレードの選定や設定では、試行錯誤を繰り返して最適条件を見出しているのが現状である。
【0011】
一方、実際の動作環境、特に温度や湿度の変動により、クリーニング性や、像担持体の表層の磨耗具合は異なってくる。そのため、像担持体の耐久寿命を通じて、クリーニングブレードのみによるクリーニングは困難である。そこで、クリーニング補助部材を設けた装置が提案されている。
【0012】
たとえば、マグネットローラに磁性現像剤を捕集し、像担持体上にこの磁性現像剤を摺擦する構成(特開平2-91675号公報)や、多孔質弾性ローラを像担持体に摺擦する構成(特開昭60-107076号公報)などが提案されている。
【0013】
また、高画質化のためには、トナーの小径化が不可欠である。そのため、トナーの小径化の傾向が顕著になってきている。そして、トナーの粒径の小径化が進むにつれ、トナーと感光ドラムの表面との比表面積が大きくなる。これにより、単位重量当たりのトナーの感光ドラム表面への付着力が大きくなるため、感光ドラムの表面のクリーニング性が悪化する。
【0014】
また、トナーの粒径が小さくなるにつれて、トナーの流動性が悪化する。そのため、より多量の添加剤が必要となる。そして、このような多量の添加剤により、クリーニングブレードの摩耗や欠け、感光ドラムの表面に局所的なスジ傷が発生してしまうという問題が生じる。
【0015】
また、近年では、従来の粉砕法により生成される粉砕トナーに代わり、重合法により生成される重合トナーが採用されつつある。この重合トナーは、粉砕トナーに比して転写効率が良く、上述の転写された画像の定着時に離型剤が不要であるという利点を有する。
【0016】
さらに、重合トナーは、粉砕トナーに比べて真球度が高いという特徴がある。そして、トナーの真球度の向上により、感光ドラムの表面状態、およびクリーニングブレードの当接圧が、粉砕トナーの場合におけると同じ場合に、重合トナーを用いると、クリーニングブレードからのすり抜けが多くなってしまう。
【0017】
一般的には、重合トナーを用いた画像形成装置においては、クリーニングブレードの当接圧を増加させることによって、トナーのすり抜けを防止している。この場合においては、クリーニングブレードの負荷を軽減するために、上述したように、クリーニング補助部材が増設されており、あらかじめトナーを掻き取るように構成されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の画像形成装置においては、近年、高画質化や低ランニングコスト化の要請から、次のような課題があった。
【0019】
すなわち、粒径が小さいトナーや重合トナーなどに代表されるように、近年、高い真球度を有するトナーが使用されてきている。そのため、感光ドラムとの付着力が増大し、クリーニングブレードの当接圧を増加させる必要が生じる。
【0020】
他方、高強度、対磨耗性の高い、いわゆる高耐久感光ドラムが使用されるようになってきている。これにより、特に感光層において、テーバー磨耗試験器によって定義される表面磨耗量が2mg以下である、耐磨耗性のきわめて高い感光ドラムを使用すると、感光ドラムの表面が削られにくいので、リフレッシュが困難になってしまう。
【0021】
このように、リフレッシュが困難になると、帯電などによって生じる電気的ダメージや、放電生成物の付着などによる表面劣化、クリーニングブレードなどとの摺擦による機械的ダメージが、長期的に蓄積してしまう。
【0022】
そして、感光ドラム表面の滑り性、特に、対クリーニングブレードに対する滑り性が低下してしまう。これにより、クリーニングブレードのビビリや鳴き、捲れなどが発生し易くなる。そのため、上述のクリーニングブレードの当接圧を増加させることが困難になってくるという、相反した状況を呈してきた。
【0023】
また、上述した従来技術に示すように、クリーニング補助部材を採用することは、クリーニングブレードに対する負荷を軽減するという観点からは、有効な手段であった。しかしながら、クリーニング補助部材の採用は、他方で次のような課題が生じることになった。
【0024】
すなわち、磁性現像剤をマグネットローラに捕集し、磁性トナーを像担持体上に摺擦する構成においては、磁力により保持されている磁性トナーによって摺擦しているので、摺擦力が不十分である。
【0025】
また、カラートナーは、非磁性トナーである。そのため、上述の構成では、感光ドラム表面に付着したままの転写残りとしての非磁性トナーを、十分に除去することができず、これによって、非磁性トナーの回収が困難になっていた。
【0026】
また、多孔質弾性ローラを像担持体に摺擦する構成にすることにより、摺擦力が十分に発揮されるという利点を有する。
【0027】
ところが、感光ドラムの表面から掻き取ることによってローラ自身に付着したトナーを、他の手段によって除去する必要が生じた。このローラ自身に付着したトナーを掻き取らないと、トナーが常時ローラに付着した状態で、感光ドラムとローラとの間において摺擦が繰り返され、融着が生じてしまう。
【0028】
反対に、ローラの表面に付着したトナーを十分に掻き取ることができ、転写残トナーを少量にすることができる場合、ローラ表面が感光ドラムの表面に直接接触し、摺擦され、感光ドラムの表面が傷ついてしまうことがある。
【0029】
したがって、この発明の目的は、上述の問題を解決して、従来のクリーニング補助部材の欠点を克服することにより、高い耐久性を有し、高強度で耐磨耗性が向上された像担持体を用いることによって、小径で球形度の高いトナーを用いたことにより、クリーニング性がきわめて厳しい状況下であっても、安定してクリーニングを行うことができ、特に、クリーニング補助部材に関して、高寿命、高画質で、低ランニングコストを達成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、
像担持体に当接するクリーニングを行う部材により像担持体の表面から除去された廃現像剤の一部を廃現像剤貯留部に供給し、この廃現像剤の一部を、クリーニングを行う部材を介して、像担持体に塗布し、廃現像剤の残部を現像剤回収容器に回収することを特徴とするものである。
【0031】
すなわち、具体的に、この発明は、
像担持体と、
上記像担持体を帯電する帯電手段と、
上記帯電手段によって帯電された像担持体に対して画像露光を行うことにより潜像を形成する露光手段と、
上記潜像を画像として現像する現像手段と、
上記現像された画像が転写された後の上記像担持体をクリーニングするクリーニング手段と、
転写残現像剤を貯留する現像剤回収容器とを有し、
上記像担持体は、ラッピングテープ(富士フイルム社製、品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)を用いたテーバー磨耗試験に基づいて、上記像担持体のサンプルに対して上記磨耗輪を4.9N(500gf)の荷重で当接させ、1000回転させた後の上記サンプルの重量減少量が2mg以下となるものであり、
上記クリーニング手段は、少なくとも、クリーニング部材と、クリーニングブラシと、クリーニングブラシに付着した現像剤を掻き取って除去するスクレーパ部材とを備え、
上記クリーニング手段は、上記クリーニング部材またはクリーニングブラシにより上記像担持体の表面から除去される廃現像剤の一部を溜める廃現像剤貯留部と、上記廃現像剤の残部の現像剤を貯留する現像剤回収容器とを隔てる隔壁を有し、
上記隔壁は、上記スクレーパ部材により掻き取られた現像剤が上記廃現像剤貯留部と上記現像剤回収容器とにそれぞれ格納されるような位置に配設され、
上記廃現像剤貯留部に供給された現像剤を、上記クリーニングブラシを介して、上記像担持体に塗布する
ことを特徴とするものである。
【0032】
この発明において、典型的には、クリーニングブラシが、クリーニング部材に対して像担持体の回転方向の上流側に設けられている。
【0033】
この発明において、典型的には、像担持体における感光層の表面層は、少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合または架橋によって硬化された化合物が含有された電子写真感光体からなり、好適には、像担持体における感光層の表面層は、像担持体における感光層の表面層に、少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線(電子線)照射による重合または架橋することにより硬化した化合物を含有する電子写真感光体からなる。そして、より好適には、電子写真感光体における、テーバー磨耗試験によって定義される表面研磨量が2mg以下である。
【0034】
また、この発明において、典型的には、クリーニングブラシおよびトナー溜めの少なくとも一方に、あらかじめトナーを付着させたり補充したりしておく。
【0036】
この発明において、典型的には、クリーニングブラシに潤滑剤を接触塗布し、像担持体にクリーニングブラシを介して潤滑剤を塗布する。
【0037】
この発明において、好適には、さらに、クリーニングブラシの像担持体に対する侵入量αと、スクレーパ部材のクリーニングブラシに対する侵入量βとの間に、α≧βの関係が成立する。
【0038】
この発明において、典型的には、クリーニング部材は、弾性を有して像担持体に接触するゴムブレードから構成される。
【0039】
この発明において、典型的には、クリーニングブラシは、その織度が0.2×10−6kg/m以上3.3×10−6kg/m以下のブラシ繊維を有するクリーニングブラシである。
【0041】
この発明において、典型的には、トナーは、形状係数SF−1が100以上150以下であり、形状係数SF−2が100以上140以下である。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0044】
(第1の実施形態)
まず、この発明の第1の実施形態による画像形成装置およびクリーニング装置について説明する。図1に、この第1の実施形態による画像形成装置を示し、図2に、この第1の実施形態によるクリーニング装置を示す。
【0045】
[全体構成]
図1に示すように、この第1の実施形態による画像形成装置1は、電子写真方式のカラー複写機である。この画像形成装置1においては、コンピュータ(図示せず)などから供給された画像信号に基づいて、記録用紙などの記録媒体Sに画像を形成するように構成されている。
【0046】
この第1の実施形態による画像形成装置1においては、OPCなどの感光材料がアルミニウムなどのシリンダ状の基体の外周面に塗布されて、像担持体2が構成されている。
【0047】
この像担持体2においては、まず、200mm/sの周速度で回転駆動するとともに、接触帯電手段としての帯電ローラ3により、暗部電位VDとして約−600Vの電位が一様に帯電される。
【0048】
次に、この像担持体2に対して、レーザ発振器4により、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービーム5が走査露光される。これにより、像担持体2上に明部電位VLとして約−200Vの静電潜像が形成される。
【0049】
このようにして形成された静電潜像は、回転現像装置6によって、現像剤としてのトナーにより現像され、可視化される。
【0050】
ここで、この回転現像装置6は、第1色目のトナーとしてのイエロートナーが内包された第1の現像装置6yと、第2色目のトナーとしてのマゼンタトナーが内包された第2の現像装置6mと、第3色目のトナーとしてのシアントナーが内包された第3の現像装置6cと、第4色目のトナーとしてのブラックトナーが内包された第4の現像装置6kとが一体化されて構成されている。
【0051】
そして、これらの現像装置により形成される静電潜像のうちの、第1の静電潜像は、第1の現像装置6yによって現像され、可視像化される。なお、現像方法としては、ジャンピング現像法、二成分現像法、FEED現像法などが用いられる。また、現像方法としては、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることも多い。ここで、この第1の実施形態においては、非磁性トナーによる二成分現像法が用いられる。
【0052】
可視像化された第1色目のトナー像は、回転駆動される第2の像担持体としての中間転写体7と対向する第1の転写部位7aにおいて、中間転写体7の表面に静電転写され、一次転写される。
【0053】
中間転写体7は、導電弾性層と離型性を有する表層とから形成される。この中間転写体7は、搬送可能な最大記録媒体の長さよりも若干長い周長を有する。
【0054】
また、中間転写体7は、像担持体2に対して所定の押圧力をもって圧接されつつ、像担持体2の回転方向に対して逆方向、すなわち接触部位では同方向に、像担持体2の周速度とほぼ等しい周速度で回転駆動される。
【0055】
また、高圧電源7cによって、この中間転写体7のシリンダ部に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧、いわゆる一次転写バイアスが印加されることにより、中間転写体7の表面にトナー像が一次転写される。
【0056】
その後、一次転写の終了した像担持体2の表面に残留したトナーは、クリーニング装置8によって除去される。
【0057】
続いて、それぞれの色について、順次工程が繰り返され、中間転写体7上に4色のトナー像が転写され、重畳される。
【0058】
また、カセット9には、記録用紙などの記録媒体Sが積載されている。そして、ピックアップローラ10により、このカセット9から記録媒体Sが一枚ずつ分離給送される。
【0059】
分離給送された記録媒体Sは、レジストローラ対11によって斜行を矯正された後、転写部位7bに到達する。ここで、中間転写体7の表面に対して離間状態の転写ベルト12が所定の押圧力で中間転写体7表面に圧接、回転駆動される。なお、転写ベルト12は、バイアスローラ12a、テンションローラ12bによって張架されている。また、バイアスローラ12aには、高圧電源12cによってトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されている。
【0060】
これにより、第2の転写部位7bに向けて、所定のタイミングで搬送された記録媒体Sの表面に、中間転写体7上のトナー像が一括して転写され、二次転写が行われる。
【0061】
その後、この記録媒体Sは、定着手段としての定着機14に給送され、加熱および加圧によって画像が定着される。続いて、記録媒体Sは、排出ローラ対15によって機外に排出される。
【0062】
一方で、二次転写が終了した後に中間転写体7の表面に残留したトナーは、所定のタイミングで中間転写体7表面に当接状態となる中間転写体クリーニング装置13により除去される。
【0063】
[像担持体]
次に、この発明の第1の実施形態による像担持体としての感光体ドラムについて、以下に説明する。
【0064】
この第1の実施形態おいて用いられる感光体ドラムは、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体からなる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、さらに放射線を用いることができる。
【0065】
したがって、この第1の実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合または架橋により硬化可能な化合物を、融解または含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
【0066】
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この第1の実施形態においても浸漬塗布法を採用することが可能である。
【0067】
また、この第1の実施形態による感光体ドラムの構成は、外径がたとえば約62mmの導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する層構成の単層型か、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層を、順次または逆順に積層した構成の積層型のいずれかである。さらに、感光層上に表面保護層を形成することも可能である。
【0068】
また、この発明の第1の実施形態においては、少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層を形成した構成とするのが好ましい。
【0069】
また、この第1の実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
【0070】
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミーナ型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
【0071】
また、電子線を照射する場合においては、この第1の実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、30kJ/kg以上500kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
【0072】
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
【0073】
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
【0074】
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
【0075】
また、この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、この第1の実施形態による表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
【0076】
また、この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電化輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
【0077】
[電子写真感光体]
次に、この発明の第1の実施形態による電子写真感光体の感光層について説明する。
【0078】
すなわち、電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するものであれば良く、具体的には、たとえばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や、これらの合金を、ドラムまたはシート状に形成したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布することにより導電層を設けた金属、または、プラスチックフィルムや紙などを挙げることができる。
【0079】
また、この発明の第1の実施形態においては、導電性支持体の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層を設けることができる。
【0080】
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される層である。
【0081】
この下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワおよびゼラチンなどを使用することができる。これらの材料は、それぞれに適合した溶剤に溶解されて支持体表面に塗布される。そして、この下引き層の膜厚は、好適には、0.1〜2μmである。
【0082】
この発明の感光体が機能分離型の感光体である場合は電荷発生層および電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル(Se−Te)、ピリピウム、チアピリリウム系染料、または、各種の中心金属および結晶系、具体的には、たとえばα、β、γ、ε、およびX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよびアモルファスシリコンなどを挙げることができる。
【0083】
また、機能分離型感光体の場合、電荷発生層は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの手段によって良好に分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。ここで、この電化発生層の幕圧は、典型的には、5μm以下であり、好適には、0.1〜2μmである。
【0084】
また、結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0085】
この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層上に電荷輸送層として用いることができる。または、電荷発生層上に、電荷輸送層と結着樹脂とからなる電荷輸送層を形成した後に、表面保護層として用いることもできる。
【0086】
そして、正孔輸送性化合物を表面保護層として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、またはカルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを、上述の電荷発生層用樹脂から選択可能で適当な結着樹脂とともに溶剤に分散または溶解した溶液を、上述の公知の方法によって塗布し、乾燥させて形成することができる。
【0087】
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂との比率は、両者の全重量を100とした場合に、電荷輸送物質の重量が30〜100の範囲内にあることが望ましく、さらには、50〜100の範囲で適宜選択するのが好ましい。
【0088】
電荷輸送層における電化輸送物質の重量が、これらの範囲より小さいと、電荷輸送能が低下し、感度低下や残留電位の上昇などの問題点が発生する。この場合にも感光層の厚みは、5〜30μmの範囲である。また、このときの感光層の膜厚とは、電荷発生層、電荷輸送層および表面保護層におけるそれぞれの膜厚を合計したものである。
【0089】
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
【0090】
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
【0091】
また、この発明の第1の実施形態による表面保護層中においては、導電性粒子を混入させることも可能である。この導電性粒子としては、金属、金属酸化物およびカーボンブラックなどを挙げることができる。
【0092】
これらの導電性粒子としての金属は、具体的には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレスおよび銀を挙げることができ、さらに、導電性粒子としては、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどを挙げることができる。
【0093】
また、導電性粒子としての金属酸化物は、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。
【0094】
また、これらの金属酸化物は、それぞれ単独で用いたり、2種類以上を組み合わせて用いたりすることが可能である。なお、2種以上を組み合わせる場合には、単に混合することも可能であり、固溶体や融着を施すことも可能である。
【0095】
また、この発明の第1の実施形態において用いられる導電性粒子の平均粒径は、保護層の透明性の観点から、0.3μm以下にすることが好ましく、より好適には、0.1μm以下にすることが望ましい。さらに、この第1の実施形態においては、上述した導電性粒子の材料において、透明性などの観点から金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0096】
また、表面保護層中における導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つである。したがって、保護層の比抵抗は、108〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
【0097】
また、この第1の実施形態においては、表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
【0098】
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
【0099】
また、表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、5〜70重量%であり、好適には、10〜60重量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、70重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
【0100】
また、この発明の第1の実施形態においては、分散性、結着性および対候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層の膜厚は、好適には、0.2〜10μmの範囲であり、より好適には、0.5〜6μmの範囲である。
【0102】
なお、上述のテーバー磨耗試験の試験方法は、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着し、2個の表面にラッピングテープ(富士フィルム製、品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS-0)のそれぞれに、4.9N(500gf)の荷重を加え、1000回転させた後のサンプルの重量減少を精密天秤によって測定する方法である。
【0103】
[帯電]
次に、この第1の実施形態による帯電手段としての帯電ローラについて説明する。すなわち、この第1の実施形態における帯電手段である可撓性の接触帯電部材としての帯電ローラ3は、芯金上にゴムまたは発泡体の中抵抗層を設けることにより形成される。
【0104】
この中抵抗層は、たとえばウレタンなどの樹脂、たとえばカーボンブラックなどの導電性粒子、硫化剤または発泡剤などにより処方され、芯金の上にローラ状に形成された後、表面が研磨されている。
【0105】
ここで、接触帯電部材である帯電ローラ3は、電極として機能することが重要である。すなわち、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を確保するとともに、移動する被帯電体を充電するために、十分に低い抵抗である必要がある。
【0106】
他方、被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには、104 〜107Ω程度の抵抗が望ましく、この第1の実施形態においては、106Ωの抵抗を用いる。
【0107】
また、帯電ローラ3の硬度に関しては、低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部aを確保することが困難になるのみならず、被帯電体表面に対するミクロな接触性が悪くなる。したがって、帯電ローラ3の硬度としては、アスカーC硬度において、25度以上60度以下が好ましい範囲であり、この第1の実施形態においてはたとえば50度とする。
【0108】
また、帯電ローラ3の材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IRなどに抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物などの導電性物質を分散したゴム材、または、これらの物質を発泡させたものを挙げることができる。なお、導電性物質を分散させることなく、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0109】
また、帯電ローラ3は、被帯電体としての像担持体2に対して、弾性に抗した押圧力を19.6N(2kgf)で圧接させて配設する。なお、この第1の実施形態においては、幅数mmの帯電部が形成されている。
【0110】
また、帯電ローラ3の抵抗値は、次のように測定する。
【0111】
すなわち、プリンタの像担持体2をアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ3の芯金8hとの間に100Vの電圧を加える。そして、このときに流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ3の抵抗値を求める。
【0112】
このようにして求められた、この第1の実施形態による帯電ローラ3の抵抗値は、5×106Ωであった。なお、この抵抗の測定は、温度を25℃とし、湿度を60%の環境下で行った。
【0113】
また、上述の帯電ローラ3は、像担持体2の回転に伴って、従動して回転する。この帯電ローラ3には、帯電用高圧電源から周波数1.15kHz、総電流1750μAの定電流で制御され、重畳されるDCバイアスによって感光体電位が決定される。
【0114】
[現像剤]
この第1の実施形態による画像形成装置に用いられる現像剤は、重合法により生成される非磁性の重合トナーと、樹脂磁性キャリアとの混合物である2成分現像剤である。
【0115】
また、この現像剤のT/D比は、8%である。また、樹脂磁性キャリアとしては、(4π)-1×106A/m(1kOe)の磁気中における磁化の強さが、4π×10-2Wb/m2(100emu/cm3)であり、かつ個数平均粒径が40μmであって、さらに比抵抗が1011Ωm(1013Ωcm)のものが用いられる。
【0116】
また、一般に、重合トナーは、粉砕トナーと比較して球形度合が高い。このトナー粒子の形状の球形度合は、下記の式(1)から算出される形状係数SF−1とSF−2を用いて表される。すなわち、トナーの形状係数SF−1およびSF−2は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用いてトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報がニレコ社製画像解析装置(Luzex3)によって解析され、下記の式(1)より算出される。
【0117】
【数1】
(1)式において、AREAは、トナー投影面積であり、MXLNGは、トナーの絶対最大長(トナー粒子の直径)であり、PERIはトナー粒子の周長である。
【0118】
これらのトナーの形状係数のうち、SF−1は球形度合を示す。すなわち、形状係数SF−1が100の場合、トナーは真球である。また、形状係数SF−1が100〜140の範囲内の場合、トナーはほぼ球形である。また、形状係数SF−1が140よりも大きい場合には、数値の増加に伴い、トナーは、ほぼ球形から徐々に不定形になる。
【0119】
他方、形状係数SF−2は、トナー粒子表面の凹凸度合を示す。すなわち、形状係数SF−2が100〜120の場合、トナーの表面は円滑である。また、形状係数SF−2が120よりも大きい場合、トナーの表面は凹凸が顕著になる。
【0120】
この第1の実施形態による画像形成装置に用いられる重合トナーとしては、高転写効率を維持するために、平均粒径が6μm以上10μm以下、形状係数SF−1が100〜140、形状係数SF−2が100〜120のほぼ球形トナーが望ましい。
【0121】
また、この第1の実施形態において用いるトナーは、重合法によって製造される。そして、このトナーには、環境変動に対する被帯電性能安定化や流動性の向上のために、シリカや酸化チタンなどが外添されている。
【0122】
また、この第1の実施形態による画像形成装置において用いられる重合トナーは、従来の不定形な粉砕トナーに比して、球形度合が高く、大きさにばらつきがないことから、自己潤滑性が高い。そのため、トナーがクリーニングブレード8aの当接部からすり抜けやすい状態となり、クリーニング不良が発生しやすくなっている。
【0123】
また、重合トナーは自己潤滑性が高いため、トナー間のせん断強さが小さくなり、粉砕トナーに比べて、感光ドラム2の表面の形状が、クリーニングブレード8aのクリーニング性に大きな影響を与える。
【0124】
[クリーニング装置]
そこで、本発明者は、この第1の実施形態によるクリーニング装置を案出するに至った。次に、このクリーニング装置について説明する。図2に、この第1の実施形態によるクリーニング装置を示す。
【0125】
図2に示すように、この第1の実施形態によるクリーニング装置8は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード8a、トナー捕集シート8b、廃トナー回収容器8c、クリーニング補助部材としてのクリーニング補助ブラシ8d、スクレーパ部材としてのブラシスクレーパ8e、板金8f、隔壁8kおよびトナー貯留部8jを有して構成されている。また、クリーニングブレード8aは、板金8fに支持されている。また、隔壁8kは、ブラシスクレーパ8eのほぼ直下に設置されている。
【0126】
次に、像担持体上の残存したトナーの挙動について説明する。
【0127】
まず、一次転写が終了した像担持体2の表面に残留するトナーは、クリーニング装置8を構成するクリーニングブレード8aおよびクリーニング補助ブラシ8dにより像担持体2から除去される。
【0128】
次に、クリーニングブレード8aから除去されたトナーはそのまま落下して、クリーニング補助ブラシ8dに降りかかる。このクリーニング補助ブラシ8dに降りかかったトナーは、このクリーニング補助ブラシ8dの回転に伴って移動し、ブラシスクレーパ8eによってクリーニング補助ブラシ8dから剥ぎ取られる。
【0129】
この剥ぎ取られたトナーは、落下して、隔壁8kにより、図2中実線矢印に示すように、一部がトナー貯留部8jに格納され、破線矢印に示すように、残部が廃トナー回収容器8cに格納される。
【0130】
また、クリーニング補助ブラシ8dによって像担持体2から掻き取られたトナーも自身の回転に伴って、ブラシスクレーパ8eにより掻き取られる。この掻き取られたトナーの一部は、トナー貯留部8jに格納され、残部は、廃トナー回収容器8cに格納される。
【0131】
また、クリーニング補助ブラシ8dの表面に付着したトナーは、クリーニング補助ブラシ8dのブラシスクレーパ8eにより、一度掻き落とされ、再び、トナー貯留部8jに溜まっているトナーをすくい上げて、その表面に担持される。
【0132】
その後、ブラシスクレーパ8eは、再び、像担持体2の表面を摺擦して、像担持体2上の転写残トナーをそのブラシで拡散して掻き取る。これと同時に、トナー貯留部8jからすくい上げたトナーを像担持体2に再塗布して、クリーニングブレード8aにトナーを供給する。
【0133】
このように、像担持体表面で掻き取ったトナーを、一度、ブラシスクレーパ8eによりクリーニング補助ブラシ8dから剥ぎ取り、再びブラシのすくい上げによって、ブラシ繊維にトナーを保持して、像担持体2に供給していることにより、ブラシの連れ回りによる像担持体と連続的な摺擦がなくなり、像担持体、トナーおよびブラシに対するダメージを防止することができる。
【0134】
また、画像比率が大きく転写残トナーが多い場合や、紙詰まりなどによって、転写されることなく現像されたトナーがクリーナに到達した場合、ブラシによる掻き取り作用が働く。
【0135】
すなわち、像担持体としての像担持体2表面のトナーを多く掻き取り、クリーニング補助ブラシ8dの表面に付着した余分なトナーは、ブラシスクレーパ8eによって掻き落とされる。そして、トナーの一部がトナー貯留部8jに格納され、残部の多くのトナーが回収容器8cに回収される。
【0136】
このように、像担持体2上にトナーの多くが残存し、この状態が継続すると、トナー貯留部8jに供給されるトナーが多くなる。そこで、隔壁8kの高さを0.5〜5.0mm、好適には、1.0〜3.0mm、より好適には、1.5〜2.0mmとする。そして、トナー貯留部8jに貯留されるトナーの上面が隔壁8kの上端を超えると、自動的に溢れ、廃トナー回収容器8cに回収される。
【0137】
なお、この隔壁8kの高さは、トナー捕集シート8bを固定しているクリーニング装置8の下あごの高さやトナーのブラシによる消費量などによって、適宜最適化されるべき数値である。
【0138】
また、画像比率が少ない場合においては、クリーニング補助ブラシ8dによりトナー貯留部8jの中の廃トナーがすくい上げられ、ブラシ繊維によって保持されて像担持体に接触されて、像担持体に廃トナーが供給される。
【0139】
これにより、クリーニングブレード8aと像担持体2との接触部分に廃トナーが供給されることによって、像担持体とクリーニングブレード8aとの滑り性が維持され、ブレード鳴きや捲れなどが防止される。
【0140】
また、クリーニング補助ブラシ8dによる像担持体2への廃トナー塗布量は、ベタ白画像から、未転写ベタ黒画像までのドラム上におけるトナー量が変化される。そして、本発明者が検討を行ったところ、廃トナー塗布量は、0.05〜0.3kg/m2(0.05〜0.3mg/mm2)が適当であり、好適には、0.1〜0.2kg/m2(0.1〜0.2mg/mm2)が良好であることを知見するに至った。
【0141】
また、像担持体2に対する塗布量を、初期の段階から安定化させるためには、あらかじめクリーニング補助ブラシ8dにトナーを塗布した状態にしたり、トナー貯留部8jにあらかじめトナーを補充したりすることが望ましい。
【0142】
この際、塗布されたり補充されたりするトナーとしては、現像に補給される補給剤でも廃トナーでもよく、さらには、初期塗布や補充の仕方としては、組み立て時に行ってもよいし、本体設置時に、いわゆる黒帯び形成などの方法によって、未転写トナーを供給することも可能である。
【0143】
ここで、クリーニング補助ブラシ8dは、基布に導電性の繊維を植え付けられ、それをφ6の芯金8h上に巻き付けられてφ16のブラシ状に構成されたものである。なお、芯金8hは、接地されている。ここで、この第1の実施形態においては、導電性繊維として、太さ7.0×10-5kg/m(0.7Tex)のナイロンの導電糸を用い、繊維密度が93mm-2(1mm2当たり93本)となるようにW織りで基布に植え込んだものを、シート状に形成し、芯金8hとの導通を確保するように螺旋状に巻き付けられている。
【0144】
また、ブラシの条件としては、素材としてはナイロン、レーヨン、ポリエステル、またはアクリルなどの種々の素材を適用することが可能である。また、このブラシの織度としては、典型的には、0.3×10-6kg/m以上2.2×10-6kg/m以下であり、さらに、この範囲内においても、0.4×10-6kg/m以上1.1×10-6kg/m以下が好ましい。
【0145】
また、ブラシの繊維密度としては、典型的には、15.5mm-2以上310mm-2以下(1mm2当たり15.5本以上310本以下)、好ましくは、46.5mm-2以上155mm-2以下(1mm2当たり46.5本以上155本以下)とする。
【0146】
また、図2に示すように、このクリーニング補助ブラシ8dは、像担持体2の回転方向に沿った、クリーニングブレード8aの上流側に配設され、像担持体2に対する侵入量αが1mmになるように当接され、回転可能に配設されている。
【0147】
また、図3に示すように、像担持体2と逆方向回転である矢印B方向に60rpmの速度で回転駆動されている。すなわち、像担持体2とクリーニング補助ブラシ8dとは、接触部位において相互に同方向に回動している。
【0148】
この接触部位においては、一次転写後の像担持体2上の転写残トナーが掻き取られる。または、転写残トナーの像担持体2との付着力が弱められることにより、後述のクリーニングブレード8aにおけるクリーニングを容易にする。
【0149】
さらに、この接触部位においては、画像比率が少なく、転写残トナーがほとんど存在しない場合であっても、上述したように、クリーニング補助ブラシ8dの作用により、廃トナーがクリーニングブレード8aに適切な量だけ給送される。そのため、ブレード鳴きや捲れなどを抑止することが可能となる。
【0150】
また、クリーニング補助ブラシ8dは、クリーニング動作を繰り返し行うとブラシ繊維が目詰まりを起こしてトナーロール化し、クリーニング性能が低下してしまう。これを防止するために、ブラシ繊維に溜まったトナーを掻き落とす部材であるブラシスクレーパ8eが設けられている。
【0151】
また、図3に示すように、この第1の実施形態においては、ブラシスクレーパ8eとして可撓性を有する、たとえば0.1mmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシートを板金に貼り付け、その自由長を2mmとし、クリーニング補助ブラシ8dに対する侵入量βを1.0mmとしている。
【0152】
ここで、本発明者が侵入量αと侵入量βとの関係に着目して、鋭意検討を行ったところ、α≧βを満足する関係が必要であることを知見するに至った。
【0153】
すなわち、像担持体2に対するブラシの侵入量αよりも、ブラシスクレーパ8eに対するブラシの侵入量βが大きくなると、スクレーパでのブラシに対する掻き落としの作用が強くなりすぎる。これにより、像担持体2に対するトナーの塗布量を十分に確保することが困難になる。
【0154】
また、スクレーパシートの材質、厚み、自由長にもよるが、侵入量βを大きく設定しすぎると、耐久により捲れが発生することとなる。さらに、スクレープ作用が強すぎると、像担持体への塗布量が十分に確保できなくなる可能性もある。
【0155】
そこで、本発明者がこの第1の実施形態に基づいて検討を行ったところ、構成において侵入量βを2.5mm以上に設定すると、捲れが生じることを知見するに至った。
【0156】
さらに、ブラシスクレーパ8eのスクレーパシートを、高硬度の材質から構成すると、たとえば1〜2mmの厚さの板金を用いた場合に、逆にブラシの方の毛倒れが起こり、ブラシの外径が小さくなりやすく、本来のブラシの機能が果たせなくなるという問題が発生する。
【0157】
したがって、以上のことを勘案して、ブラシスクレーパ8eの選定や設定を行う必要がある。
【0158】
また、ブラシスクレーパ8eのスクレーパシートとしては、ある程度撓む性質を有するものであればよく、耐久性を重視して、高摺動性を有する高密度ポリエチレンシートなどを用いることが可能である。
【0159】
また、スクレーパシートとしては、材質それ自体に離型性のあるものをシート状に形成したものや、表面に離型製の高いシリコーンコートが施されたシートなどを用いることも可能である。これにより、特に、クリーニング補助ブラシ8dを高速回転で使用した際に発生することがある、シートへのトナー固着を防止することが可能である。
【0160】
一方、クリーニングブレード8aは、板金8fの先端部に一体的に保持されたポリウレタンゴムからなる。そして、図4に示すように、クリーニングブレード8aは、像担持体2に対して所定の侵入量δ、設定角θの条件で当接されている。
【0161】
この第1の実施形態において、本発明者が鋭意検討を行った結果、クリーニングブレード8aのゴム硬度として、典型的に50〜85度(JISA)、好適には、60〜80度(JISA)の範囲内が好ましいことが確認された。そこで、この第1の実施形態においては、ゴム硬度が70度(JISA)のクリーニングブレード8aを用い、θ=22°およびδ=1.0に設定して、像担持体2に対する当接圧を約39N/m(40g/cm)としている。
【0162】
ここで、この第1の実施形態による効果を確認するために、低温低湿(温度23℃で湿度5%)、常温常湿(温度23℃で湿度60%)および高温高湿(温度30℃で湿度80%)のそれぞれの環境下において、連続プリントによる20000枚の耐久試験を行い、クリーニング性およびその他の不具合などを調べる実験を行った。なお、この耐久試験は、1日当たり2500枚の印刷を8日間連続して実施した。
【0163】
この耐久試験の結果、この第1の実施形態の構成においては、耐久を通してクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合は一度も発生せず、像担持体2の寿命を通して良質な画像形成を実行可能であることが確認された。
【0164】
また、耐久試験後に、クリーニング補助ブラシ8dによる像担持体2への塗布量を測定したところ、初期に設定した値をほぼ維持していた。さらに、転写残トナーのクリーニング時のクリーニング補助ブラシ通過前後におけるクリーニング性能を確認したところ、初期の状態をほぼ維持していた。これらにより、転写残トナーの確実な除去を行うことができることが確認された。
【0165】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態による画像形成装置におけるクリーニング装置について説明する。
【0166】
この第2の実施形態によるクリーニング装置においては、第1の実施形態において用いられたブラシの代わりに、スポンジローラを用いる。この第2の実施形態によるクリーニング装置におけるその他の構成は、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。なお、図面についても図2を援用する。
【0167】
この第2の実施形態によるスポンジローラは、発泡ポリウレタン、発泡シリコーン、発泡EPDMなどを材質としたスポンジからなる。具体的には、たとえば発泡ポリウレタンは、ポリイソシアネートプレポリマーおよびポリエーテル系ポリオールを主体とした主原料と、アルキルベンゼン溶媒にシリコーンを溶かした整泡剤の低粘性混合液とを配合して調整溶液を作り、これを反応成形してウレタンゴムスポンジ体のローラ本体を成形し、このローラにシャフトを装着することにより製造される。
【0168】
また、スポンジローラの外径は、たとえば15.4mmである。また、スポンジローラの硬度は、30度(アスカーC)である。なお、硬度としては、典型的には、10〜50°(アスカーC)であり、好適には、20°〜40°である。これは、スポンジローラの硬度が10度未満であると、摺擦力が不足してしまうからであり、他方、硬度が50度を超えると、像担持体を傷つけてしまう可能性が高くなるからである。
【0169】
また、スポンジローラの表面のセルの大きさは、像担持体2の表面の転写残トナーの掻き取りや、廃トナー塗布に影響する。そのため、セルの直径は、0.1〜100μmが好適であり、さらに1〜10μmがより好適である。これは、セルの直径が0.1μm未満となると、掻き取りや塗布能力が不足してしまい、他方、セルの直径が100μmを超えると、トナーの目詰まりが発生しやすくなるためである。
【0170】
また、スポンジローラは、像担持体に対して、0.7mmの侵入量α、かつ58.8N/m(60gf/cm)の線圧で当接している。
【0171】
また、このスポンジローラは、像担持体2の回転方向に沿ってクリーニングブレード8aの上流側に、回転可能に配設されており、像担持体2と逆方向回転である矢印B方向に60rpmの速度で回転駆動されている。すなわち、像担持体2とクリーニング補助ブラシ8dとは、接触部位において相互に同方向に回動している。
【0172】
また、ブラシスクレーパ8eとしては、スポンジローラに対して侵入量βは0.3mmに設定されている。
【0173】
以上のような構成で、この第2の実施形態によるクリーニング装置の効果を確認するために、低温低湿(温度23℃で湿度5%)、常温常湿(温度23℃で湿度60%)、および高温高湿(温度30℃で湿度80%)のそれぞれの環境下において、耐久試験を行った。すなわち、連続プリントによる10000枚の耐久試験を行い、クリーニング性およびその他の不具合などを調べる実験を行った。この耐久試験は、1日当たり2500枚のプリントを行い、4日間連続で実施した。
【0174】
この耐久試験の結果、この第2の実施形態によるクリーニング装置の構成においては、耐久試験を通じて、クリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合が一度も発生することなく、像担持体2の寿命を通じて良質な画像形成を行うことが可能であることが確認された。
【0175】
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態によるクリーニング装置について説明する。図5に、この第3の実施形態によるクリーニング装置を示す。
【0176】
図5に示すように、この第3の実施形態による画像形成装置のクリーニング装置8においては、クリーニング補助ブラシ8dに潤滑剤8mを当接し、クリーニング補助ブラシ8dを介して像担持体2の表面に塗布するように構成されている。
【0177】
このように、像担持体2の表面を滑らかにすることにより、特にクリーニングブレード8aにおけるビビリなどの動きを抑制することができる。
【0178】
また、この第3の実施形態において用いられる球形のトナーや高硬度の感光体ドラムであっても、クリーニング効果がよりいっそう向上させることができる。
【0179】
また、像担持体2の表面に潤滑剤8mの薄膜を均一に張ることにより、トナーや外添剤の静電的な付着力を低減させることができる。ここで、この潤滑剤8mとしては、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸を用い、硬度はJIS鉛筆硬度により規定されたものが用いられる。
【0180】
この金属石鹸としては、固形化前の粉体のものからなり、みかけ比重が0.50〜0.75g/mmlである。そして、この金属石鹸に対して融解処理を施したり、冷却処理を施したりすることによって固体化し、JIS鉛筆硬度のBになるように調節されている。なお、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛以外にも、ステアリン酸鉄、ステアリン酸錫、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸カルシウム、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉛などの比較的高次の脂肪酸を用いることが可能である。
【0181】
潤滑剤8mは、経時的な画像形成プロセスに伴い、クリーニング補助ブラシ8dによる像担持体2への塗布、供給動作により切削、磨耗されて形状が変化し、初期と比較して塗布量が次第に減少する。
【0182】
このとき、従来技術においては、潤滑剤8mの固定部材(図示せず)をバネなどの加圧手段によって背面より常にクリーニング補助ブラシ8dに押しつけ、潤滑剤8mを経時的に均一に塗布している。
【0183】
このステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤の塗布による滑り性向上の効果を確認するため、10000枚の通紙試験を行ったところ、水に対する接触角および滑り性を比較すると以下の結果が得られた。
【0184】
潤滑剤なしの場合に接触角が50°で滑り性が1.1であり、潤滑剤ありの場合に接触角が60°で滑り性が1.0であった。なお、ここでの滑り性は、ヘイドン社製の滑り性試験機により測定されるものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)の滑り性を1とした場合の被測定物の滑り性を対PBT比で示したものである。そして、この滑り性の値は、小さいほど滑り性に優れていることを示している。
【0185】
さらに、この第3の実施形態による効果を確認するため、低温低湿(温度23℃で湿度5%)、常温常湿(温度23℃で湿度60%)、高温高湿(温度30℃で湿度80%)のそれぞれの各環境下において、連続プリントによる100000枚の耐久試験を行い、クリーニング性およびその他の不具合などを調べる実験を行った。なお、この耐久試験は、1日あたり5000枚印刷し、20日間連続実施した。
【0186】
この耐久試験の結果、この第3の実施形態の構成においては、耐久試験を通じてクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合が一度も発生することなく、像担持体2の寿命を通して良質な画像形成を行うことができた。
【0187】
また、耐久試験後にクリーニング補助ブラシ8dによる像担持体2への塗布量を測定したところ、初期に設定した値がほぼ維持されていた。さらに転写残トナーのクリーニング時のクリーニング補助ブラシ通過前後におけるクリーニング性能を確認したところ、初期の状態がほぼ維持されていた。これらのことから、転写残トナーの確実な除去を行うことができることが確認された。
【0188】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0189】
たとえば、上述の実施形態において挙げた分子量や粒径、数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる分子量や粒径、数値を用いてもよい。
【0190】
なお、本実施形態においては、画像形成装置の構成例としてフルカラー複写機が挙げられているが、これに限定する趣旨ではなく、プリンタ、ファクシミリ、モノクロ複写機などの現像剤のクリーニング装置を備えたものに適用することが可能である。
【0191】
また、たとえば上述の第1の実施形態においては、転写性の良好であるという観点から、重合法による球形トナーを用いたが、必ずしも重合法により製造されたトナーに限定するものではなく、たとえば従来の機械的な粉砕分級法にて作成したものに熱的または機械的な後処理を施して丸くしたトナーを用いることも可能である。
【0192】
また、たとえば上述の第3の実施形態においては、クリーニング補助部材と像担持体との回転方向を互いに逆方向とし、接触部において同じ方向としたが、回転方向は逆にすることも可能である。
【0193】
また、たとえば上述の第3の実施形態においては、クリーニング補助部材およびクリーニング部材からスクレープされたトナーが、自然落下によりトナー溜まりに回収される構成としたが、一旦像担持体から剥ぎ取ったトナーを廃トナー回収容器に全て集めた後に、その中の一部を、再びクリーニング補助部材を介して像担持体2に塗布するような構成とすることも可能であり、この場合も同様の効果を得ることができる。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、クリーニングが困難な、高硬度の感光体と小
粒径の現像剤(特に球形形状の現像剤)を使用する場合において、長期にわたるクリーニング不良やブレードの鳴き、捲れなどの発生を防止することができ、安定したクリーニングを実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態によるクリーニング装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態によるクリーニング補助ブラシを示す部分拡大図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるクリーニングブレードの、像担持体に対する侵入量δおよび設定角θを説明するための部分拡大図である。
【図5】この発明の第3の実施形態によるクリーニング装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 像担持体
3 帯電ローラ
4 レーザ発振器
5 レーザービーム
6 回転現像装置
6y 第1の現像装置
6m 第2の現像装置
6c 第3の現像装置
6k 第4の現像装置
7 中間転写体
7a,7b 転写部位
7c 高圧電源
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード
8b トナー捕集シート
8c 廃トナー回収容器
8d クリーニング補助ブラシ
8e ブラシスクレーパ
8f 板金
8h 芯金
8j トナー貯留部
8k 隔壁
8m 潤滑剤
9 カセット
10 ピックアップローラ
11 レジストローラ対
12 転写ベルト
12a バイアスローラ
12b テンションローラ
12c 高圧電源
13 中間転写体クリーニング装置
14 定着機
15 排出ローラ対
S 記録媒体
Claims (10)
- 像担持体と、
上記像担持体を帯電する帯電手段と、
上記帯電手段によって帯電された像担持体に対して画像露光を行うことにより潜像を形成する露光手段と、
上記潜像を画像として現像する現像手段と、
上記現像された画像が転写された後の上記像担持体をクリーニングするクリーニング手段と、
転写残現像剤を貯留する現像剤回収容器とを有し、
上記像担持体は、ラッピングテープ(富士フイルム社製、品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)を用いたテーバー磨耗試験に基づいて、上記像担持体のサンプルに対して上記磨耗輪を4.9N(500gf)の荷重で当接させ、1000回転させた後の上記サンプルの重量減少量が2mg以下となるものであり、
上記クリーニング手段は、少なくとも、クリーニング部材と、クリーニングブラシと、クリーニングブラシに付着した現像剤を掻き取って除去するスクレーパ部材とを備え、
上記クリーニング手段は、上記クリーニング部材またはクリーニングブラシにより上記像担持体の表面から除去される廃現像剤の一部を溜める廃現像剤貯留部と、上記廃現像剤の残部の現像剤を貯留する現像剤回収容器とを隔てる隔壁を有し、
上記隔壁は、上記スクレーパ部材により掻き取られた現像剤が上記廃現像剤貯留部と上記現像剤回収容器とにそれぞれ格納されるような位置に配設され、
上記廃現像剤貯留部に供給された現像剤を、上記クリーニングブラシを介して、上記像担持体に塗布する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 上記クリーニングブラシが、上記クリーニング部材に対して上記像担持体の回転方向の上流側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記像担持体における感光層の表面層が、少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合または架橋によって硬化された化合物が含有された電子写真感光体からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記像担持体が、上記像担持体における感光層の表面層に、少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線(電子線)照射による重合または架橋することにより硬化した化合物を含有する電子写真感光体からなることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 上記クリーニングブラシおよび上記現像剤貯留部の少なくとも一方に、あらかじめ、現像剤の付着または現像剤の補充を行うようにすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 上記クリーニングブラシに潤滑剤を接触塗布し、上記像担持体に上記クリーニングブラシを介して潤滑剤を塗布することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 上記クリーニングブラシの上記像担持体に対する侵入量αと、上記スクレーパ部材の上記クリーニングブラシに対する侵入量βとの間において、α≧βの関係が成立することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記クリーニング部材が、弾性を有しつつ像担持体に接触するゴムブレードから構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記クリーニングブラシが、0.2×10−6kg/m以上3.3kg/m以下の織度のブラシ繊維を有するクリーニングブラシであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 上記現像剤がトナーであり、上記トナーの形状係数SF−1が、100以上150以下であるとともに、上記トナーの形状係数SF−2が100以上140以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の画像形成装置。
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