JP4134698B2 - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリなどに用いられる画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジと、それに使用される電子写真感光体(単に感光体ということがある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒状の電子写真感光体(感光体ドラムということがある)を製造する場合、円筒状導電性基体を感光層液あるいは中間層体、表面の保護層等の塗布液中に浸漬して、塗布層を形成するのが一般的である。
【0003】
この場合、円筒状導電性基体を塗布液中に浸漬するため、円筒状導電性基体表面全体に塗布層が形成されてしまうことになる。このような円筒状導電性基体表面全体に塗布層を形成された感光体ドラムを電子写真装置に組み込むと、現像器等を突き当てるコロなどとの接触により塗布層が剥離して、精密に突き当てることができなくなる場合があったり、また、感光体ドラムをアースするための接点として利用できないことがある為に、感光体ドラムの両端部に付着した塗布層を除去してしまうのが好ましい。
【0004】
この塗布層の除去方法として、感光体ドラム端部を溶剤に浸漬し、超音波で振動させる方法(特開昭63−311357号公報)、ブラシで擦過する方法(特開平3−60782号公報、同4−141663号公報、同5−142789号公報、同10−207084号公報、同11−184100号公報、同11−194509号公報)等の他、テープを用いる除去方法もある。
【0005】
例えば、熱融着型不織布からなるテープを順次巻出し、このテープに溶剤を含浸させた後、このテープを感光体ドラムに接触させて除去する方法(特公平4−65376号公報)や、溶剤を含浸させた綾織物からなるテープを巻出した後、このテープを感光体ドラムに接触させて除去する方法(特開平6−138670号公報)、片面が凹凸構造の不繊布からなるテープを用いる方法(特開平9−281725号公報)などが知られている。
【0006】
しかし、発明者等の解析では、いずれの方法においても感光体ドラムの塗布層除去端部が剥がれやすかったり、塗布層除去端部にトナーが溜まりクリーニング不良や、トナー飛散による機内汚染の原因になったり、これらにより、結局感光体ドラムやクリーニング部材(クリーニング手段)の耐久性が低下する問題があり、この様な故障を起こさない感光体ドラム形状のものにしておくことが要望される。
【0007】
又、現在市場で広く用いられている電子写真方式の画像形成装置は、少なくとも像保持体としての電子写真感光体周辺に帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング手段と定着手段を有する。
【0008】
上記帯電手段の部材として従来代表的に用いられている帯電部材はコロナ放電器であった。コロナ帯電器は安定した帯電を行えるという利点を有する。しかし、コロナ放電器は高電圧を印加しなければならないため、イオン化された酸素、オゾン、水分、酸化窒素化合物等の発生量が多いため、電子写真感光体の劣化を招いたり、人体に悪影響を及ぼす等の可能性を有している。
【0009】
そこで、最近ではコロナ放電器を利用しない接触帯電方式を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である磁気ブラシや導電性ローラに電圧を印加して、被帯電体である感光体に接触させ、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
【0010】
そのためオゾン発生量の少ない接触帯電器が採用されるケースが増えているが(例えば、特開2002−196522号公報)、感光体表面を擦過するため、繰り返し画像形成するうちに感光層の削れ量が大きくなり、特に、塗布層端部の過度の擦過や剥離が起こりやすい。
【0011】
更に、特に高温高湿環境等での繰り返し使用により、感光体の塗布層端部にトナーが付着蓄積して表面物性が変化し、クリーニングブレードと感光体間のトルク変動が発生したり、またこれによっても、塗布層端部の剥離が起こりやすい。特に剥離が起こると、或いはその部分に凝集し固着していたトナーが現像剤に異物として混合すると、帯電不良、クリーニング不良を引き起こし、黒ポチの原因等となり画質の劣化を引き起こすこともある。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−281725号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平11−194509号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2002−196522号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、感光体の塗布層端部の形状を上記問題を起こさないような形状にすることを目的とする。
【0016】
即ち、本発明の目的は、帯電工程が電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電させる方式でも、電子写真感光体の端部形状が、塗布層端部の剥がれがない、トナー溜まりが無い、塗布層粉末やトナーの飛散により、黒ポチ等の欠陥が無い、電子写真方式の画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジと、それに用いる電子写真感光体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
発明者等は、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成の何れかを採ることにより達成されることがわかった。
【0018】
〔1〕 円筒状の導電性基体に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体を用い、帯電工程、露光工程、トナーを含む現像剤による現像工程、トナー像転写工程、電子写真感光体に残留するトナーをクリーニング手段で除去する工程を繰り返して画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均値をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均値をD(μm)とすると、下記式(1)及び式(2)を共に満足する形状であって、前記帯電工程は前記電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電することを特徴とする画像形成方法。
式(1) 0<Pmax<2P
式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
〔2〕 前記帯電工程に用いられる手段が帯電ローラであることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
【0019】
〕 前記帯電工程に用いられる手段が磁気ブラシであることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
【0022】
〕 前記クリーニング手段がウレタンゴムのクリーニングブレードであることを特徴とする〔1〕〜〔〕の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0023】
〕 前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0024】
〔6〕 前記〔5〕に記載の画像形成装置に用いられ、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと、電子写真感光体が結合され、画像形成装置本体に対し一体的に出し入れ可能に形成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0026】
即ち、上記構成を採ることにより、▲1▼電子写真感光体の塗布層端部がなだらかなので端部にトナーが溜まらない、▲2▼トナー汚染が無い、▲3▼塗布層端部の接着性が良い、▲4▼従って、画像欠陥が生じない、▲5▼電子写真感光体の耐久性が良い、等の好ましい特性を有する画像形成方法、画像形成装置とそれに装填される電子写真感光体が得られるという効果があることがわかった。
【0027】
尚、塗布層とは、機能分離型感光体の電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層、中間層、表面の保護層等、必要に応じ感光体用の円筒状導電性基体に塗布される全ての層を指す。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明における要件、使用される部材、画像形成装置や画像形成方法等について更に説明する。
【0029】
〔1〕感光体
1.本発明に用いた規定値
先ず、電子写真感光体ドラムと本発明に用いた規定値の説明を図1を用いて行う。
【0030】
感光体ドラム3は図1(a)の斜視図の如き形状をしており、ドラム形状を有する導電性基体1の表面に感光層及び必要に応じて中間層や表面の保護層等の塗布層が塗設されている。感光体ドラム上の塗布層の両端は完全に剥離されていることが望ましく、その端部形状も極めて重要である。
【0031】
そこで、先ず本発明の規定に用いている感光層の中央部の膜厚の平均値P(μm)の測定法から説明する。
【0032】
感光層の中央部の膜厚の平均値Pは図1(b)を用いて説明すると、中央部C及びCから3cmずつ離れたC-1、C+1の各断面における互いに直角方向の4位置、即ち、図1(b)のC、Ca、Cb、Cd、C+1a、C+1b、C+1c、C+1d、C-1a、C-1b、C-1c、C-1dの12カ所を測定し、その平均を感光層の中央部の膜厚の平均値Pとする。上記の膜厚測定に用いる膜厚測定器は、渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いた。
【0033】
又、感光層端部の膜厚形状の測定法については下記のごとく連続膜厚測定法にて行った。
【0034】
塗布層端部の膜厚の測定は、図1(c)の如く、測定個所を基体軸方向にスキャンして行い、塗布層の一方の端部を連続的に測定する。この時の測定長Lは、図1(c)に示す様に画像形成領域或いは其れと同膜厚の塗布層2領域を含む部分及び導電性基体1の露出部分を含む必要がある。実際の測定長Lは導電性基体長等によって異なるが、例えば5mm位が目安である。
【0035】
測定は図2と同様に円筒状導電性基体断面の互いに直角方向の4カ所を測定し、さらにその中間、即ち、そこから30°、60°と回転させた位置の測定を行った(合計では基体円周上の等間隔12カ所)。これを平均してPmax、Dを算出する。尚、図2は、一例として測定された膜厚変化を示すプロフィールである。本図において、pmaxは一測定箇所における最高膜厚、dはpmaxの地点から塗膜がなくなり基体面が露出するまでの基体軸方向の距離である。これらの平均値が、Pmax、及びDの値となる。なお、塗膜がなくなる地点とは、実際には塗膜の厚さが0.1μm以下となる地点とした。
【0036】
更に他方のドラム端部についても測定、計算を行う。本発明においては、この両端部の値が個々に本発明の規定を満たす必要がある。
【0037】
上記の連続膜厚測定に用いる測定器は、膜厚測定器Surfcom(小坂研究所製)で、測定モードは断面曲線で行った。
【0038】
実際には、ドラム形状の導電性基体の表面に塗布層を設け、しかもその両端部は、塗布層を完全に除去して導電性基体の表面を露出させた形状にすることは簡単ではない。現在、溶剤を含浸させたブラシ或いはテープを用いて摺擦し、除去する方法が開発されている。しかし、これらは何れも優れた方法ではあるがその場合においても、問題があることが判明した。
【0039】
即ち、上記方法において塗布層を除去しても、その端部は、図2に拡大模式断面図を示す如き形状となっている。
【0040】
図2において、導電性基体1の表面に感光層等の塗布層2が塗設されている。Pmaxは画像形成領域(画像域と略すことあり)外での最大膜厚の平均であり、Pはドラム中央部の平均膜厚である。また、DはPmaxの位置から塗布層が完全に剥離されて導電性基体表面が露出している領域になるまでの距離の平均を表す(本発明では、単位表示の場合は何れもμmで表示している)。
【0041】
図2に示す如く、感光体ドラムの表面を微視的にみれば、ドラム中央部の感光層の膜厚は安定した値を示し、通常15〜50μmの範囲内のある定められた膜厚を有している。しかし、両端部の塗布層を除去した部分に近づくと、膜厚は不安定となり、例えばこの図に示す如く、やや盛り上がって厚くなり続いて徐々に薄くなっている。
【0042】
尚、感光層が摺擦により除去された部分の形状は、その微視的断面形状を図3に示す如く、いろいろなものがありそれを参考として示した。図3(a)は、図2で説明したのと同系統の形状であるが、(b)は、一定膜厚部からPmaxの位置に達する前に一定膜厚部より更に低膜厚な部分を経て、Pより厚いPmaxに成った後次第に膜厚が下がっていく形状のもの、(c)は、膜厚が一定割合で低下するわけではないが、感光層端部には特にPより膜厚が厚い部分が無く、次第に膜厚が低下して、最終的には導電性基体表面が露出する形状を有するものである。
【0043】
これらが如何なる擦過除去の条件にて出来るか等については不明であるが、この部分の形状変化があまりに大きいことは問題であることが判明した。なぜなら、図4に概念断面図を示す如く、この部分にトナーの堆積又はその凝固物の付着が起こり、また、この部分から塗布層の剥離が起こり、種々の故障を発生するからである。即ち、塗布層2の端部にトナーTの付着が見られるが、これは明らかにPmaxの値が大きいほど、また、Pmax/Dの値が大きいほど出来やすいことが判明した。
【0044】
その理由をクリーニングの場合で説明すると、図5の如くクリーニング範囲を勘案するれば良く理解できる。
【0045】
感光体ドラム3は導電性基体1上に塗布層2が塗設されているが、このうち画像形成に用いられるのは、現像器の磁気ブラシが当接又は対峙する範囲(画像形成領域)Bである。また、クリーニングが行われるのは、クリーニング部材(多くの場合、クリーニングブレード)が当接している領域Fである。領域Bは塗布層除去による膜厚変動の影響が出ない領域内にあり、領域Fは感光層が完全に剥離されている領域までを含んでいる。当然、感光体ドラム上の感光層は、上記領域Bより広く、領域Fより狭い、その間のある位置まで塗設されていることになるが、前記したとおり、その端部は塗布層除去の影響を受け、膜厚の値等は局部的変動があり不安定である。この端部の局部的変動が激しい程、トナーの付着は多く、或いはその部分がクリーニングブレード等から受けるストレス等で剥離し易く、そのため問題を起こしやすい。なお、Cは電子写真感光体ドラムの中央部である。
【0046】
又、この状況は、帯電工程における帯電ローラ、帯電ブラシについても、全く同様なことがいえる。このことは上記クリーニングブレードを帯電ローラ、帯電ブラシに置き替えれば容易に理解できる。
【0047】
しかし、本発明の如き接触帯電方式の構成を採ると、帯電ローラや帯電ブラシ等が必ずしも感光層端部まで至らない場合においても、膜はがれ等の故障を起こしやすいことが判明した。その理由は明らかではないが、特にAC/DC重畳電源を用いて帯電させた場合にこの現象が激しいこと、及び、画像形成を間欠的に行うとやはり顕著になることから、電気的衝撃等、感光体へのある種の衝撃が繰り返し与えられると、膜はがれの要因となると考えられる。この様な問題も本発明の如き構成を採ることにより、明らかに軽減されることが判明した。
【0048】
通常、Pmaxは10〜60μm、好ましくは15〜50μm、Pは15〜35μm、好ましくは15〜30μmであるが、本発明において、(Pmax/D)×100は2〜50%、好ましくは3〜40%に抑える必要がある。Pmaxが60μmを越えると、剥がれやすくなることがあり、塗布層の粉末が画像部に付着しやすく画像欠陥となりやすい。又、(Pmax/D)×100が2%未満には加工しにくく製造上の困難が伴い、(Pmax/D)×100が50%を越えるとトナー汚染が大きくなったり、塗布層端部の接着性が悪くなる。
【0049】
上記の範囲内に収めるための、塗布層の除去方法は特に限定されるものではない。しかし、安定して上記範囲内の感光体ドラムの塗布層が除去出来るのは、テープによる方法或いはブラシによる除去方法であり、以下にそれらの方法を記す。
【0050】
2.感光層の除去
本発明の規定範囲内に端部形状を制御する達成手段としては、テープ材質、テープの当て方、テープの端部形状、ブラシ材質、溶媒組成、除去時間、除去膜厚、塗膜の除去前の膨潤状態等を制御する方法等がある。この中、除去前の塗布層の膨潤状態、テープの当て方、ブラシ材質、溶媒種類による制御が比較的達成しやすい。
【0051】
尚、本発明で除去時に用いられる溶剤としては、塗布層の種類によって異なるが、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、クロロホルム、メチレンクロライド、MEK(メチルエチルケトン)、アセトンなどのエーテル系、アルコール系、塩素系溶剤、ケトン系及びこれらの混合溶媒がある。
【0052】
以下、塗布層除去の実施の好ましい態様を図面に基づいて説明する。
(1)拭き取りテープによる除去方法
図6は、拭き取りテープを0度より大きい傾斜角度θをもって傾斜させて感光体ドラムにセットしたときの概略図を示す。
【0053】
図6中、31は拭き取りテープ、3は感光体ドラム、38は元巻きロール、39は巻き取りロール、θは傾斜角度を示す。
【0054】
拭き取りテープと感光体ドラムの端部と接触させ、図6の如く感光体ドラム3の長手方向と垂直な面に対して前記拭き取りテープの走行方向を0度より大きい傾斜角度θをもって傾斜させることにより、拭き取りテープと塗布層断面部との接触箇所を少なくさせ、さらに一度溶解した塗布層片が端部に固化しないよう拭き取ることが出来るので塗布層の端部にバリを発生することなく滑らかにすることが出来る。端部を滑らかにすることにより、端部からの膜剥がれやクリーニングブレードのエッジ部に傷を発生させるおそれが無くなる。
【0055】
《拭き取りテープ》
拭き取りテープの材料としては、使用する溶剤を含浸出来、使用溶剤に侵されず、拭き取り時のテンションに耐えられれば特に限定されず使用することが出来る。具体的には、6ナイロン繊維、66ナイロン繊維等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、炭素繊維等の無機繊維、綿繊維、麻繊維等の植物繊維、羊毛等の動物繊維を用いることが出来る。
【0056】
《含浸用溶剤》
拭き取りテープに含浸させて用いる含浸用溶剤としては、塗布層の種類によって異なるが、塗布層を溶解或いは膨潤させて除去できれば特に限定されず、前記したものを用いることが出来る。
【0057】
拭き取り方法は、拭き取りテープに塗布層を溶解又は膨潤させる溶剤を含浸させた状態で、回転する感光体ドラムの塗布層に接触させ、塗布層を拭き取る方法である。
【0058】
拭き取りテープの移動方向は、特に限定されないが、感光体ドラムの回転方向と逆方向にすることにより短時間で拭き取ることが出来好ましい。
【0059】
図7は、拭き取りテープを感光体ドラムに接触させる方法の一例を示す概略図である。
【0060】
感光体ドラムの塗布層の端部に拭き取りテープを接触させる具体的方法として、図7(a)、(b)、(c)を挙げることが出来る。
【0061】
図7(a)では、拭き取りテープ31が元巻きロール38と巻き取りロール39との間で一定のテンションがかけられ、感光体ドラム3に圧接ローラ32により接触させる方法である。拭き取りテープ31の走行方向を0度より大きい傾斜角度θをもって傾斜させるには図6に示す如く元巻きロール38と巻き取りロール39の設定位置をずらすことにより任意に設定することが出来る。
【0062】
図7(b)では、図7(a)の圧接ローラ32を2本にして拭き取りテープ31を感光体ドラム3に接触させる方法である。
【0063】
図7(c)では、図7(a)の巻き取りロール39をニップ駆動ローラ35に変更し、拭き取り完了した拭き取りテープ31を回収容器37に回収する方法である。拭き取り完了した拭き取りテープ31には溶剤が含浸されているので、拭き取りテープ31を回収容器37に回収するのが溶剤を室内に気化させるおそれが少なく好ましい。
【0064】
(2)ブラシによる剥離方法
図8はブラシによる塗布層除去装置の断面図である。図中3は表面に塗布層が形成されている感光体ドラムである。この感光体ドラムは搬送手段47により、上下に移動可能に把持され、塗布層除去装置の塗布層除去台(塗布層除去手段)54に備えられている摺擦部材55に当接される。塗布層除去台54にはスポンジ状の基体保持部材541も備えられ、基体aは基体保持台と摺擦部材で下端部を支持されている。又、塗布層除去台54はモーター駆動等により回転可能に設計されている。感光体ドラム3は基体内部を把持する把持手段(Oリングチャック、エアピッカチャック等)を有する搬送手段47により、塗布層除去台54に設置され、感光体ドラム3の下端部が摺擦部材55に当接される(図8a)。このとき塗布層除去台54は洗浄手段である溶媒タンク51の液面から出た状態にある。感光体ドラムの端部塗布層の残留溶媒が60質量%以下になった状態で、塗布層除去台54は回転し、該回転と共に下端部の塗布層が摺擦部材55で拭き取られる。この拭き取りが終了した後、感光体ドラムは搬送手段47(分離手段を兼ねる)により持ち上げられ、塗布層除去台54から分離される。その後、塗布層除去台54は塗布層除去台54の上下移動を可能とするシリンダー(塗布層除去手段の移動手段)542の回転により、洗浄手段である溶媒タンク51の溶媒51E中に浸漬し(図8(b))、溶媒タンク中で、超音波洗浄機とシリンダーによる塗布層除去台の上下移動、及び回転運動等を組み合わせて、摺擦部材を含めた塗布層除去台全てが洗浄される。その後、再びシリンダー542の回転により、溶媒タンク51の液面上に持ち上げられ、次の塗布層の除去に備える。又、溶媒タンク内には超音波振動子Uを設置して、塗布層除去手段の洗浄効率を高めることが好ましい。尚、図8のように、同時に2本以上の塗布層の除去を行う場合には、各塗布層除去手段の間に隔壁板59を設け、各感光体ドラム3の塗布層剥離中の跳ね返り等による、欠陥発生を防止することが好ましい。
【0065】
前記、摺擦部材の材料としてはブラシ、スポンジ、布、ポリマー繊維布等があり、ブラシが好ましい。
【0066】
ブラシの材質としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が好適である。ブラシを塗布層除去台54に植毛する1つの穴の大きさは0.5〜2mm程度で、穴の間隔は1〜3mm程度である。ブラシの全体の幅は、除去すべき塗布層の幅に対応させて使用することが好ましい。
【0067】
本発明で、溶媒含浸の摺擦部材とは、摺擦部材の材質が溶媒を含浸していなくても、担持していればよい。該摺擦部材の含浸量は乾燥時の摺擦部材の含浸量を100質量部とすると、溶媒含浸の摺擦部材の質量が105〜200質量部が好ましい。
【0068】
図9は感光体ドラム3と摺擦部材55の当接状態の縦断面図である。感光体ドラム3が摺擦部材のブラシ551に当接している。
【0069】
図10の(a)、(b)、(c)は摺擦部材55の一形態を示す。
図11は塗布層除去装置50の全体構成図である。
【0070】
塗布層除去装置50は溶媒タンク51、溶媒オーバーフロー室52、補給タンク53、塗布層除去台54、摺擦部材55、溶媒循環パイプ56、ポンプ57、フィルター58、搬送手段47等から構成されている。
【0071】
塗布層除去台54には摺擦部材55及び基体保持部材541が取り付けられており、基体aを固定すると同時に塗布層除去台54の回転により摺擦部材が回転すると、感光体下端の塗布層を拭き取り、除去する。尚、図11に示されているように塗布層除去台54は摺擦部材55等と共にシリンダー542の回転により溶媒タンク51の内外に移動可能に設計されている。
【0072】
又、溶媒タンク中の溶媒は、補給タンク53から溶媒循環パイプ56を経由して常に順環しており、溶媒が塗布層除去手段を十分洗浄できるように、順環パイプの途中にフィルターを設けて、塗布層成分は除去されている。
【0073】
3.感光体の構成
(1)導電性基体(導電性支持体)
本発明の感光体に用いられる導電性基体として円筒状の導電性支持体が用いられる。該円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できることが必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0074】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0075】
(2)中間層
本発明の感光体に用いられる中間層(UCL)は導電性基体と前記感光層との接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の中の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜2.0μmが好ましい。
【0076】
又、本発明に最も好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.01〜2.0μmが好ましい。
【0077】
又、別の好ましい中間層としては酸化チタンとバインダ樹脂を含有し、酸化チタンをバインダ樹脂溶液中に分散、塗布したものが挙げられる。酸化チタンを用いた中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましい。
【0078】
以下、本発明の有機感光体の好ましい感光層構成について記載する。
(3)感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記下引層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では下引き層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電用感光体構成である。
【0079】
以下に機能分離負帯電用感光体の感光層構成について説明する。
《電荷発生層》
本発明の電荷発生層は、電荷発生物質とバインダ樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダ樹脂溶液中に分散、塗布して形成する。
【0080】
電荷発生物質は、公知のフタロシアニン化合物を用いることができる。好ましくはチタニルフタロシアニン化合物及びヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である。更にはチタニルフタロシアニンのY型、A型(β型)等、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブラッグ角2θの主要ピークが特徴的なチタニルフタロシアニン化合物が良い。これらオキシチタニルフタロシアニンについては特開平10−069107号公報に記載されている。又、これらの電荷発生物質は単独で使用しても、2種以上例えばY型とA型を混合して使用しても良く、多環キノン例えばペリレン顔料と混合して用いても良い。
【0081】
電荷発生層のバインダ樹脂としては、公知の樹脂を用いることが出来、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の中で、2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0082】
電荷発生層の形成は、バインダ樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布層を乾燥して作製することが好ましい。
【0083】
電荷発生層に使用するバインダ樹脂を溶解し塗布するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0084】
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用出来るがこれらに限定されるものではない。
【0085】
電荷発生層を形成する塗布機としては浸漬塗布機、リングコーター等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0086】
バインダ樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600部(以下、部とは質量部)が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダ樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μmである。
【0087】
《電荷輸送層》
本発明の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダ樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダ樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
【0088】
電荷輸送物質は、特願2000−360998号の明細書の一般式で挙げられる電荷輸送物質の他、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
【0089】
電荷輸送層用のバインダ樹脂は、公知の樹脂を用いることが出来、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはポリカーボネートのBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等がクラック、耐摩耗性、帯電特性の点で好ましい。
【0090】
電荷輸送層の形成は、バインダ樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布層を乾燥して作製することが好ましい。
【0091】
上記バインダ樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0092】
バインダ樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダ樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500部(以下、部とは質量部)が好ましく、さらに好ましくは20〜100部である。
【0093】
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダ樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは10〜100μmで、さらに好ましくは15〜40μmである。
【0094】
更に電荷輸送層中には酸化防止剤(AO剤)、電子受容性物質(EA剤)、安定剤等を添加しても良い。AO剤については特願平11−200135号、EA剤は特開昭50−137543号公報、特開昭58−76483号公報に記載のものが良い。
【0095】
(4)保護層
耐久性をアップする為に、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。特開平9−190004号、特開平10−095787号、特開2000−171990号の各公報に記載のシロキサン系樹脂を用いた保護層は耐摩耗性を改良し、好ましい。上記では本発明の最も好ましい有機感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の層構成でも良い。
【0096】
次に、本発明の感光体ドラムの製造方法により作製した感光体ドラムを用いる画像形成装置について説明する。
【0097】
〔2〕帯電工程と帯電部材
本発明の帯電工程としては磁気ブラシ方式、帯電ローラ方式、ブレード方式等各種帯電部材を用いることができるが、これらの中でも帯電部材として帯電ローラ方式、或いは磁気ブラシ方式が最も好ましく本発明に用いられる。即ち、帯電の均一性が得られやすい帯電ローラ、或いは磁気ブラシが良い。以下、帯電ローラ方式、及び磁気ブラシ方式の帯電工程や帯電手段について記載する。
【0098】
本発明においては、導電性弾性の帯電部材により構成された帯電ローラ又は磁気ブラシを感光体(像担持体)に接触させ、該帯電ローラに電圧を印加して感光体を帯電することが出来る。
【0099】
1.帯電ローラ方式
(1)帯電ローラの構成、製造方法等
このような帯電ローラ方式は、直流電圧をローラに印加する直流帯電方式、交流電圧をローラに印加する誘導帯電方式のいずれでもよい。
【0100】
誘導帯電方式で印加される電圧の周波数fは任意のものが用いられるが、ストロービングすなわち縞模様を防止するために、導電性弾性ローラと感光体の相対速度に応じて適当な周波数を選択できる。該相対速度は導電性弾性ローラと感光体との接触領域の大きさによって決めることができる。
【0101】
導電性弾性ローラは芯金の外周に導電性弾性部材よりなる層(単に導電性弾性層、導電性ゴム層ともいう)を被覆したものである。
【0102】
前記導電性ゴム層に用いることのできるゴム組成物としては、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、単独でまたは2種以上の混合ゴムとして使用することができる。
【0103】
導電性を付与するために、これらのゴム組成物に導電性付与剤を配合して使用する。適当な導電性付与剤としては、公知のカーボンブラック(ファーネス系カーボンブラックまたはケツチエンブラック)、酸化錫等の金属粉が挙げられる。導電性付与剤の使用量はゴム組成物全量に対して5〜50質量部である。
【0104】
ゴム組成物には、ゴム基材、発泡剤、導電性付与剤以外に必要に応じて、ゴム用薬品、ゴム添加剤を配合して導電性発泡ゴム組成物とすることもできる。ゴム用薬品、ゴム添加剤としては、硫黄、パーオキサイド等の加硫剤、亜鉛華、ステアリン酸等の加硫促進助剤、スルフェンアミド系、チラウム系、チアゾール系、グラニジン系等の加硫促進剤、アミン系、フェノール系、硫黄系、リン系等の老化防止剤、または酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、粘着付与剤等を使用することができ、さらに各種の補強剤、摩擦係数調整剤、シリカ、タルク、クレイ等の無機充填剤も任意に選択し使用し得る。これらの導電性ゴム層は103〜107Ω・cmの範囲の直流体積抵抗率を有することが好ましい。
【0105】
更にこれら導電性弾性層の外側には、感光体表面に残留したトナー等の帯電部材への付着を防止する目的で、離型性被覆層を設けてもよい。該被覆層または弾性層からのオイルの浸みだしの防止をはかると共に弾性層の抵抗ムラをキャンセルし、抵抗の均一化をはかる、帯電ローラの表面を保護する、帯電ローラの硬度を調整する、等の機能を果たしている。被覆層は上記物性を満足するものであれば、いずれのものでも良く、単一の層でも複数の層でも良い。材料としてはヒドリンゴム、ウレタンゴム、ナイロン、ポリ弗化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂が挙げられる。
【0106】
又、被覆層の厚みは100〜1000μmであることが好ましく、抵抗値は105〜109Ω・cmであることが好ましい。また、表層に近づくにつれ抵抗値は大きくなっていることが好ましい。抵抗を調整する方法としては、被覆層にカーボンブラック、金属及び金属酸化物等の導電性物質を含有させること等が挙げられる。
【0107】
本発明の帯電ローラの表面粗さRzを調整するには帯電ローラの表面層(導電性弾性層又は被覆層)に粉体を含有させることが好ましい。本発明に用いられる粒体は、無機物あるいは有機物のいずれでもよいが、無機物の場合、シリカ粉末が特に好ましい。有機物の場合、たとえばウレタン樹脂粒子、ナイロン粒子、シリコーンゴム粒子、エポキシ樹脂粒子等が挙げられる。これらの粒子は単独でまたは2種以上混合して用いられる。適当な粒体は表面層の表面粗さRzを0.05〜10.0μmの範囲に調整できる物質を選べばよいが、粒体の粒子径が1〜20μmの範囲にあると所望の表面粗さの範囲が達成されやすい。
【0108】
粉体の表面層中の配合割合は、樹脂100質量部に対して5〜20質量部の割合で配合し、分散することが好ましい。
【0109】
本発明の帯電ローラは、たとえば次のようにして製造することができる。すなわち、まず円筒状成形空間を有する成形型内に、金属製の回転軸(芯金)を入れ成形型内に導電性弾性体層形成材料を充填し、加硫を行うことにより回転軸の外周面に導電性弾性体層を形成する。次いで、導電性弾性体層の形成された回転軸を成形型から取出す。一方、ウレタン樹脂等の材と、粒体、導電付与剤その他の添加剤を配合し、この配合物をボールミル等を用いて混合、撹拌し表面層形成材料混合物を調製する。そしてこの混合物をディップ法、ロールコート法、スプレーコーティング法等によって前記導電性弾性体層の形成された回転軸表面に均一な厚みに塗工して乾燥し、加熱硬化することにより2層構造の帯電ローラを製造することができる。
【0110】
このようにして得られる帯電ローラは、その最外層である表面層の表面の粗さRzが0.05〜10.0μmに形成される。
【0111】
(2)帯電ローラの画像形成装置への適用例
図12は帯電ローラを適用した画像形成装置の1例を示す構成図である。この画像形成装置は本発明を実施するためのものであり、静電潜像形成のために帯電ローラを感光体ドラムに接触させて帯電せしめ、又トナーの転写紙への転写のための転写極に転写ローラを用いて、この転写ローラを直接或いは転写紙を挟んで感光体ドラムに接触させることによりオゾンの発生を回避させた態様のものである。
【0112】
図12(a)において帯電ローラ4によって帯電された感光体ドラム3上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像は、感光体ドラム3に近接して配置された現像器16の現像剤担持体である現像スリーブによってトナー像に顕像化される。そして、転写前の除電ランプ5によって感光体ドラム3の電荷が除電された後、トナー像は、給紙カセットから搬送ローラ8によって搬送されてきた転写材(転写紙)18に、転写ローラ6によりトナーと逆極性の電荷が付与され、この逆極性の電荷の静電気力により転写材18にトナーが転写される。トナー転写後の転写材18は、感光体ドラム3から分離された後、搬送ベルト7によって定着装置へ送られ、加熱ローラと押圧ローラによってトナー像が転写材18に定着される。
【0113】
前記帯電ローラ4(及び転写ローラ6)には電源9(10)からDC及びAC成分から成るバイアス電圧が印加され、オゾン発生量が極めて少ない状態で感光体ドラム3への帯電及びトナー像の転写紙18への転写が行なわれる。前記バイアス電圧は通常±500〜1000VのDCバイアスとこれに重畳して100Hz〜10KHz、200〜3500Vp−pのACバイアスとからなる。
【0114】
前記帯電ローラ4及び転写ローラ6は感光体ドラム3への圧接下に従動又は強制回転される。
【0115】
前記感光体ドラム3への圧接は0.1〜1.0N/cmとされローラの回転は感光体ドラム3の周速の1〜8倍とされる。
【0116】
図12(b)に示すように前記帯電ローラ4(及び転写ローラ6)は芯金20と、その外周に設けられた導電性弾性部材であるクロルプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム層又はそれらのスポンジ層21から成り、好ましくは最外層に0.01〜1μm厚の離型性弗素系樹脂又はシリコーン樹脂層から成る保護層22を設けて構成される。
【0117】
転写後の感光体ドラム3はクリーニング器11のクリーニングブレード12の圧接によりクリーニングされ次の画像形成に供えられる。
【0118】
電子写真画像形成装置としては、感光体と、帯電ローラ、現像器、転写ローラ、クリーニング器等の構成要素の何れかとをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又像露光器、現像器、転写又は分離器、クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在(出し入れ可能)な単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて装填する構成に形成しても良い。
【0119】
尚、前記図12においては、帯電器、及び転写極ともローラ帯電器を用いているが、本発明においては、本発明の必須構成要件は帯電器に帯電ローラを用いることであり、転写極には転写ローラ以外の転写手段を用いても良い。
【0120】
2.磁気ブラシ方式
(1)磁気ブラシ帯電器の構成等
次に、帯電用磁気ブラシを形成する磁気粒子について説明する。
【0121】
図13は接触式の磁気ブラシ帯電器の構成図、図14は図13の帯電器による交流バイアス電圧と帯電電位との関係を示す図である。
【0122】
一般に帯電用磁気ブラシを形成する磁気粒子の体積平均粒径が大きいと、(イ)帯電用磁気粒子搬送体(搬送担体)上に形成される磁気ブラシの穂の状態が粗いために、電界による振動を与えながら帯電しても、磁気ブラシにムラが現れ易く、帯電ムラの問題が起こる。この問題を解消するには、磁気粒子の体積平均粒径を小さくすればよく、実験の結果、体積平均粒径が200μm以下でその効果が現れ始め、特に150μm以下になると、実質的に磁気ブラシの穂の粗に伴う問題が生じなくなる。しかし、粒子が細か過ぎると帯電時に感光体ドラム3面に付着するようになったり、飛散し易くなったりする。これらの現象は、粒子に作用する磁界の強さ、それによる粒子の磁化の強さにも関係するが、一般的には、粒子の体積平均粒径が20μm以下に顕著に現れるようになる。
【0123】
以上から、磁気粒子の粒径は体積平均粒径が20〜200μmであり、且つ該磁気粒子の個数平均粒径の1/2倍以下の粒径を有する磁気粒子を30個数%以下とすることが好ましい。なお、磁化の強さは3.7×10-2〜13×10-2ewb・m/gのものが好ましく用いられる。
【0124】
このような磁気粒子は、磁性体として従来の二成分現像剤の磁性キャリヤ粒子におけると同様の、鉄、クロム、ニッケル、コバルト等の金属、あるいはそれらの化合物や合金、例えば四三酸化鉄、γ−酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライト、マンガン−銅系合金、と云った強磁性体の粒子、又はそれら磁性体粒子の表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン変性樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂で被覆するか、あるいは、磁性体微粒子を分散して含有した樹脂で作るかして得られた粒子を従来公知の平均粒径選別手段で粒径選別することによって得られる。
【0125】
なお、磁気粒子を球状に形成することは、搬送担体に形成される粒子層が均一となり、また搬送担体に高いバイアス電圧を均一に印加することが可能となると云う効果も与える。即ち、磁気粒子が球形化されていることは、(1)一般に、磁気粒子は長軸方向に磁化吸着され易いが、球形化によってその方向性がなくなり、従って、磁気粒子層が均一に形成され、局所的に抵抗の低い領域や層厚のムラの発生を防止する、(2)磁気粒子の高抵抗化と共に、従来の粒子に見られるようなエッジ部が無くなって、エッジ部への電界の集中が起こらなくなり、その結果、帯電用磁気粒子の搬送担体に高いバイアス電圧を印加しても、感光体ドラム3面に均一に放電して帯電ムラが起こらない、という効果を与える。
【0126】
以上のような効果を奏する球形粒子には磁気粒子の抵抗率が105〜1010Ω・cmであるように導電性の磁気粒子を形成したものが好ましい。この抵抗率は、粒子を0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、詰められた粒子上に9.8N/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読み取ることで得られる値であり、この抵抗率が低いと、搬送担体にバイアス電圧を印加した場合に、磁気粒子に電荷が注入されて、感光体ドラム3面に磁気粒子が付着し易くなったり、あるいはバイアス電圧による感光体ドラム3の絶縁破壊が起こり易くなったりする。また、抵抗率が高いと電荷注入が行われず帯電が行われない。
【0127】
さらに、接触式の磁気ブラシ帯電器120に用いられる磁気粒子は、それにより構成される磁気ブラシが振動電界により軽快に動き、しかも外部飛散が起きないように、比重が小さく、且つ適度の最大磁化を有するものが望ましい。具体的には真比重が6以下で最大磁化が3.7×10-2〜13×10-2ewb・m/gのもの、特に5.0×10-2〜80×10-2ewb・m/gを用いると好結果が得られることが判明した。
【0128】
以上を総合して、磁気粒子は、少なくとも長軸と短軸の比が3倍以下であるように球形化されており、針状部やエッジ部等の突起が無く、抵抗率は好ましくは105〜1010Ω・cmの範囲にあることが望まれる。そして、このような球状の磁気粒子は、磁性体粒子にできるだけ球形のものを選ぶこと、磁性体微粒子分散系の粒子では、できるだけ磁性体の微粒子を用いて、分散樹脂粒子形成後に球形化処理を施すこと、あるいはスプレードライの方法によって分散樹脂粒子を形成すること等によって製造される。
【0129】
図13又は図14によれば、帯電器としての磁気ブラシ帯電器120は回転する感光体ドラム3と対向し、感光体ドラム3との近接部(帯電部T)において同方向(反時計方向)に回転される帯電用磁気粒子搬送体としての、例えばアルミ材やステンレス材を用いた円筒状の帯電スリーブ120aと、該帯電スリーブ120aの内部に設けられるN、S極よりなる磁石体121と、該磁石体121により帯電スリーブ120aの外周面上に形成され感光体ドラム3を帯電する磁気粒子からなる磁気ブラシと、磁石体121のN−N磁極部において該帯電スリーブ120a上の磁気ブラシを掻取るスクレーパ123と、磁気ブラシ帯電器120内の磁気粒子を撹拌或いは磁気粒子供給時に使用済み磁気粒子を磁気ブラシ帯電器120の排出口125より溢れさせて排出する撹拌スクリュウ124と、磁気ブラシの穂立ち規制板126とにより構成される。帯電スリーブ120aは磁石体121に対し回動可能になっていて、感光体ドラム3との対向位置で感光体ドラム3の移動方向と同方向(反時計方向)に0.1〜1.0倍の周速度で回転させられるのが好ましい。また帯電スリーブ120aは、帯電バイアス電圧を印加し得る導電性の搬送担体が用いられるが、特に、表面に粒子層が形成される導電性の帯電スリーブ120aの内部に複数の磁極を有する磁石体121が設けられている構造のものが好ましく用いられる。このような搬送担体においては、磁石体121との相対的な回転によって、導電性の帯電スリーブ120aの表面に形成される磁気粒子層が波状に起伏して移動するようになるから、新しい磁気粒子が次々と供給され、帯電スリーブ120a表面の磁気粒子層に多少の層厚の不均一があっても、その影響は上記波状の起伏によって実際上問題とならないように十分カバーされる。帯電スリーブ120aの表面は磁気粒子の安定な均一搬送のために表面の平均粗さを5.0〜30μmとすることが好ましい、平滑であると搬送は十分に行えなく、粗すぎると表面の凸部から過電流が流れ、どちらにしても帯電ムラが生じ易い。上記の表面粗さとするにはサンドブラスト処理が好ましく用いられる。また、帯電スリーブ120aの外径は5.0〜20mmが好ましい。これにより、帯電に必要な接触領域を確保する。接触領域が必要以上に大きいと帯電電流が過大となるし、小さいと帯電ムラが生じ易い。また上記のように小径とした場合、遠心力により磁気粒子が飛散あるいは感光体ドラム3に付着し易いために、帯電スリーブ120aの線速度は感光体ドラム3の移動速度と殆ど同じか、それよりも遅いことが好ましい。
【0130】
また、帯電スリーブ120a上に形成する磁気粒子層の厚さは、規制手段によって十分に掻き落されて均一な層となる厚さであることが好ましい。帯電領域において帯電スリーブ120aの表面上の磁気粒子の存在量が多すぎると磁気粒子の振動が十分に行われず感光体の摩耗や帯電ムラを起こすとともに過電流が流れ易く、帯電スリーブ120aの駆動トルクが大きくなるという欠点がある。反対に磁気粒子の帯電領域における帯電スリーブ120a上の存在量が少な過ぎると感光体ドラム3への接触に不完全な部分を生じ磁気粒子の感光体ドラム3上への付着や帯電ムラを起こすことになる。
【0131】
帯電器としての磁気ブラシ帯電器120には、直流(DC)バイアスE3に必要により交流(AC)バイアスAC3が重畳される帯電バイアス、例えば直流バイアスE3としてトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の−100〜−500Vが、また交流バイアスAC3として周波数1〜5kHz、電圧300〜500Vp−pの帯電バイアスが印加される帯電スリーブ120aにより、感光体ドラム3の周面が接触、摺擦されて感光体ドラム3が帯電される。帯電スリーブ120aと感光体ドラム3との間には前記交流バイアスAC3の電圧印加による振動電界が形成されているので、磁気ブラシを経て感光体ドラム上への電荷の注入が円滑に行われて一様に高速な帯電が行われる。
【0132】
感光体ドラム3を帯電した帯電スリーブ120a上の磁気ブラシは、磁石体121に設けられるN−N磁極部において、スクレーパ123により帯電スリーブ120a上より落下され帯電スリーブ120aとの近接部において帯電スリーブ120aと逆方向(反時計方向)に回転する撹拌スクリュウ124により撹拌された後、再度磁気ブラシ形成され帯電部Tに搬送される。
【0133】
図14に示すように、帯電バイアスの交流バイアスAC3のピーク・ピーク電圧Vp−pと帯電電位との関係は、ピーク・ピーク電圧Vp−pが大きくなるに従い帯電電位が大きくなり、帯電電位はピーク・ピーク電圧が一定のV1で帯電バイアスの直流バイアスE3の値VSとほぼ等しい値で飽和し、それ以上ピーク・ピーク電圧Vp−pを大きくしても帯電電位は殆ど変化しないという特性がある。磁気粒子の電気抵抗は環境条件によっても変化するが、また使用するに従い磁気粒子の表面にトナーが融着するなどして電気抵抗は高くなる。このため、特性曲線は使用初期の新しい磁気粒子の場合は実線で示す(a)のように左側に、長期間使用した磁気粒子の場合は前記特性曲線は点線で示す(b)のように右側に位置することになる。
【0134】
本発明の画像形成装置の接触方式による帯電器では、装着電源のon時或いはプリント開始前に帯電電位に相当する直流バイアスE3の電圧値を所定値とし、交流バイアスAC3のピーク・ピーク電圧Vp−pを低い値から次第に大きくした帯電バイアスを印加してその時変化する感光体ドラム3の帯電電位を電位計ESによって検出する。検出される帯電電位はA/D変換器によってディジタル値に変換されたのち制御部(CPU)に入力される。制御部ではこの帯電電位が所定値VSの飽和点に達した時のVp−pの値を適正バイアス値V1と規定してプリント動作とする。
【0135】
即ち、プリントが行われる時交流バイアスAC3を低い値から次第に大きくして(スイープして)交流バイアスAC3のVp−pの値V1を求め、制御部からバイアス信号が出力される。この制御信号はD/A変換器によってアナログ値に変換された後交流バイアスAC3に送出され、交流バイアスAC3は決定されたピーク・ピーク電圧V1を出力する。その際のピーク・ピーク電圧V1の値とメモリに格納された磁気粒子の劣化により交換すべき規定値V2を読み出しこれと比較する。磁気粒子はトナーの混入により抵抗が増加するので、プリントの使用に従い適正バイアス値V1が増加する。これに伴い印加するVp−pが増加し帯電不能な状態が生じることになる。測定した電圧値が帯電不能を示す規定値V2より小さい間は画像形成を続けるが、規定値V2より大きくなると、制御部より画像形成動作停止信号が送出され画像形成動作を停止し、不図示の操作部の表示部に帯電器異常の表示を行う。この表示に基づき、帯電用の磁気粒子の供給ボトル220を磁気ブラシ帯電器120にセットし、供給ボトル220底面の不図示の開閉蓋を開口して磁気粒子を磁気ブラシ帯電器120に落下、供給する。上記において感光体ドラム3の電位の測定に電位計ESを用いたが、バイアス電源に直流電流計を繋いで用いて交流バイアスVp−pを変化させ、この電流値が飽和点に達した時のVp−pを適正バイアス値V1と設定し、規定値V2との比較を行いV1を越えた時磁気粒子の供給を行うようにしてもよい。
【0136】
またメンテナンス時或いは例えば5万プリント等の定期時に、帯電用の磁気粒子の交換が行われる。メモリに記憶されたメンテナンスプリント毎や例えば5万プリント毎の定期時に、制御部を通して交換信号が出され、不図示の駆動モータの駆動により予めセットされた帯電用の磁気粒子の供給ボトル220の供給ローラー221が回転され、供給ボトル220内の磁気粒子が磁気ブラシ帯電器120内に全量が1回で落下される。供給後空の供給ボトル220を外し、新たな供給ボトル220をセットすることにより画像形成装置が作動状態となるように制御することも可能である。また、定期時に制御部より不図示の操作部に例えばランプの点滅等による供給信号を表示し、供給ボトル220を磁気ブラシ帯電器120にセットし、供給ボトル220底面の不図示の開閉蓋を開口して磁気粒子を供給するようにしてもよい。
【0137】
落下された磁気粒子は回転される帯電スリーブ120aにより搬送され、スクレーパ123により帯電スリーブ120a表面より掻落とされて磁気ブラシ帯電器120の底部に補給される。これに伴い、反時計方向に回転される撹拌スクリュウ124により磁気ブラシ帯電器120内部に収納されている使用済みの磁気粒子が排出口125より溢れ出され、ダクトDBを通して共通の磁気粒子回収容器300に回収される。この際、供給ボトル220より磁気ブラシ帯電器120内に供給される1回の磁気粒子供給量は磁気ブラシ帯電器120内に収納される全磁気粒子に対して、20〜50質量%が好ましい。20質量%未満では新規に供給される磁気粒子量が少な過ぎ交換効果がなく良好な帯電が行われず、50質量%を越えると新規の磁気粒子が溢れ出てしまう。
【0138】
上記により、帯電器内の磁気粒子が劣化されることなく良好な帯電性能が長期に維持される。
【0139】
(2)磁気ブラシ帯電器の画像形成装置への適用
図15は本発明の磁気ブラシ帯電器を有する画像形成装置の1例を示す断面図である。図15において3は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層を円筒状基体上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。152は磁気ブラシ帯電器で、感光体ドラム3周面に対し一様な帯電を与えられる。この帯電器152による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部151による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0140】
感光体への一様帯電ののち像露光器153により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器153は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0141】
その静電潜像は次いで現像器16で現像される。感光体ドラム3周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器16が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブによって現像が行われる。現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、スチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段によって現像スリーブ上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム3と現像スリーブの間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0142】
転写材18は画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ157の回転作動により転写域へと給紙される。
【0143】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム3の周面に転写ローラ(転写器)6が圧接され、給紙された転写材18を挟着して転写を行う。
【0144】
次いで転写材18は転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)159によって除電がなされ、感光体ドラム3の周面により分離して定着装置160に搬送され、熱ローラ601と圧着ローラ602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー161を介して装置外部に排出される。なお前記の転写ローラ6及び分離ブラシ159は転写材18の通過後感光体ドラム3の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0145】
一方転写材18を分離した後の感光体ドラム3は、クリーニング器11のクリーニングブレード12の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部151による除電と帯電器152による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0146】
尚、70は感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器を一体化されている着脱自在(出し入れ可能)なプロセスカートリッジである。
【0147】
画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在(出し入れ可能)に形成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在(出し入れ可能)の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0148】
〔3〕現像剤及び現像方式
次に本発明に用いる現像剤トナー及び現像条件について説明する。
【0149】
本発明の現像法においては一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかを用いて像担持体上の静電潜像を現像することができる。一成分現像剤は、少なくとも磁性粉末及びバインダー樹脂よりなる磁性トナーからなり、これらには着色剤を含むこともできる。
【0150】
又、現像法は接触、非接触のどちらでも用いることができる。非接触の現像法を採用する場合には非接触での正規現像又は非接触での反転現像を行うことができる。そのときの直流現像電界は絶対値で1×103〜1×105V/cm、好ましくは5×103〜1×104V/cmとされ、103V/cm未満だと現像が不足し、十分な画像濃度が得られず、105V/cmを越えると画質が荒れ、かぶりが発生する。
【0151】
次に交流バイアスは0.5〜4kVp−p、好ましくは1〜3kVp−pとされ、又周波数は0.1〜10kHz、好ましくは2〜8kHzとされる。
【0152】
前記交流バイアスが0.5kVp−p未満の場合、キャリアに付着したトナーが離脱せず、非接触現像が不十分となり、画像濃度が不足する。又交流バイアスが4kVp−pを越えると現像剤中のキャリアが飛翔して感光体上にキャリア付着を生ずる。
【0153】
更に交流バイアスの周波数が0.1kHz未満では矢張りキャリアからのトナーの脱離が不十分となり現像不足、画像濃度低下を招く。又交流バイアスの周波数が10kHzを越えるとトナーが電界の変動に追随できず、矢張り現像不良となり、画像濃度が低下する。
【0154】
〔4〕クリーニング手段とその他の構成
クリーニングは、弾性ゴムブレードを部材として用いたブレードクリーニング方式が好ましい。弾性ゴムとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム等を用いることが出来るが、ウレタンゴムが特に好ましい。
【0155】
像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
【0156】
尚、ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光器は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0157】
本発明の画像形成装置は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0158】
【実施例】
以下に、本発明の除去テープを用いての実施例を記載するが、本発明の実施態様は下記の実施例に限定されるものではない。
【0159】
〔実施例−その1〕
1.感光体
感光体1の作製
引き抜き加工により得られた円筒状アルミニウム基体上に、下記塗布液を作製、塗布して、乾燥膜厚15μmの半導電層を形成した。
【0160】
〈半導電層(PCL)塗布液〉
フェノール樹脂 160g
導電性酸化チタン 200g
メチルセロソルブ 100ml
次に下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を上記半導電層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0161】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
更に下記組成液を作製し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0162】
〈電荷発生層(CGL)組成液〉
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液 700g
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 2000ml
最後に、下記塗布組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
【0163】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 2000ml
感光体2の作製
円筒状アルミニウム基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布し、150℃30分間乾燥し、厚さ1.0μmの中間層を形成した。
【0164】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ジルコニウムキレート化合物ZC−540(松本製薬社製) 200g
シランカップリング剤 KBM−903(信越化学社製) 100g
メタノール 700ml
エタノール 300ml
次に、下記塗布組成物を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0165】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液 700g
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 2000ml
更に、下記塗布組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体2を作製した。
【0166】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 2000ml
感光体3の作製
下記塗布組成物を混合し、溶解して保護層塗布液を調製し、感光体2の電荷輸送層上に塗布した。
【0167】
〈保護層(OCL)塗布液〉
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い感光体3を作製した。
【0168】
感光体4の作製
円筒状アルミニウム基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
【0169】
〈中間層(UCL)塗布液〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;5N/cm2)し、中間層組成液を作製した。
【0170】
(中間層分散液の作製)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1.0質量部
酸化チタンSMT500SAS 3.0質量部
(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、アルミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理)
メタノール 10質量部
サンドミルを用いて、バッチ式にて10時間分散した。
【0171】
その上に、下記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0172】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最
大ピーク角度が2θで27.3度) 20g
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10g
酢酸t−ブチル 700g
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300g
更に、下記組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この組成液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
【0173】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 75g
ポリカーボネート樹脂 100g
「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
ジオキソラン/トルエン(10/1混合モル比) 750g
2.塗布層の除去方法
A.〈除去テープ使用〉
塗布層除去方法A−1
図7(b)の塗布層の除去装置に拭き取りテープと感光体ドラムを装着し、5〜30rpmで回転している感光体ドラムの端部から10mm分の塗布層に、傾斜角度が1.0度で、溶剤を滲みこませた拭き取りテープを接触させながら、感光体ドラムの回転方向とは逆方向に500〜3000mm/minの移動速度で、塗膜が除去されるまで移動させ、塗布層を除去した。
【0174】
尚、拭き取りテープは、2本の圧接ロールによって感光体ドラムの円周の15%にわたって圧接させ、元巻きロールと巻き取りロール間には25N/20mm幅のテンションを加えた。
【0175】
塗布層除去方法A−2
上記塗布層除去方法A−1と同様に行ったが、傾斜角度は付けず0.0度で感光層除去を行った。
【0176】
B.〈ブラシ使用〉
除去方法B−1
上端部に約1cmの未塗布部分があるように電子写真感光体の製造を行い、塗布層除去工程に移行し、図8の説明で記載したような一連の動作を行い基体下端部1cmの塗布層を除去し、次の乾燥工程に移行させ感光体を作製した。塗布層除去装置の溶媒タンク中の溶媒は電荷輸送層溶媒と同じ塩化メチレンを用い、塗布層除去台の摺擦部材はポリエステル製0.5mmブラシが回転し、塗布層除去が開始される時の端部塗布層中の残留溶媒量12.0%(質量%:塗布液状態の溶媒量を100質量%とする)とした。
【0177】
除去方法B−2
摺擦部材は除去方法B−1と同じポリエステル製ブラシを用いたが、塗布層除去の際は塗布層除去台を特開平5−142789号の実施例1のように溶媒タンク中に浸し、下端部塗布層を剥離した。
【0178】
上記感光体1〜4の4種及び除去法A−1〜A−2、B−1〜B−2について、表1の如くの組み合わせ条件にて剥離した。
【0179】
結果を表1に示す。
【0180】
【表1】
Figure 0004134698
【0181】
*横方向の凹凸;ドラムを上から見たときの、周方向の除去のギザギザの最大値と最小値の差。
評価(接触帯電ローラ)
〈評価条件〉
コニカ社製デジタル複写機Konica7033のコロナ帯電器を下記ローラ帯電器に変更し、更に、コピー速度をA4、10枚/分に改造して実写評価を実施した。条件は下記に示す条件である。
【0182】
(帯電ローラ)
直径8mmのステンレス鋼芯金上に下記導電性弾性部材等より構成された帯電ローラを用いた。
【0183】
なお、帯電ローラは、No.1、2及び3のいずれも軸方向(画像形成幅方向)の長さが感光層の幅より短く、感光層膜の端部より3.0mmほど内側までしか当接しない長さとした。
【0184】
帯電ローラNo.1
導電性弾性体層の材料として、ポリノルボルネンゴム/カーボンブラック/ナフテン系オイル及び必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、添加剤等を混合、調製し、金型充填し、導電性弾性体層を形成した。この層の上に、被覆層形成材料としてポリエステルウレタン、粒径約0.5μmの樹脂粉体、カーボンブラック、溶剤(メチルエチルケトン/ジメチルホルムアミド)から成る組成物液中に浸漬し、コーティング、乾燥、加熱処理し、ウレタン層からなる被覆層を形成し、帯電ローラNo.1を得た。
【0185】
帯電ローラNo.2
被覆層形成材料として粒径約0.5μmの樹脂粉体の代わりに粒径約8μmの樹脂粉体を使用した以外はNo.1と同様にして、帯電ローラNo.2を得た。
【0186】
帯電ローラNo.3
被覆層形成材料として粒径約0.5μmの樹脂粉体の代わりに粒径約12μmの樹脂粉体を使用した以外はNo.1と同様にして、帯電ローラNo.3を得た。
【0187】
得られた帯電ローラの表面粗さRzを表面粗さ計(東京精密社製:Surfcom−550A)で測定した結果を表2に示す。
【0188】
測定条件;
ピックアップ:0.2
触針:0.8
カットオフ:0.8
測定距離:4mm
測定速度:0.3/sec
【0189】
【表2】
Figure 0004134698
【0190】
帯電条件
感光体当接圧;500mN/cm
帯電部材に印加される直流電圧;−600V、交流電圧;2,000Vp−p(周波数;150Hz)
現像条件
DCバイアス;−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像剤層厚 ;700μm
現像スリーブ径;40mm
また、定着方法としては、熱ロール定着を使用し、感光体に残留する未転写トナーはウレタンゴムでクリーニングする方法を採用した。
【0191】
使用する転写紙としては連量が55kgの用紙を使用した。
下記表3に示す感光体及び帯電ローラの組み合わせで、前記コニカ社製デジタル複写機Konica7033の改造機の複写機に搭載し、常温常湿(20℃、60%RH)下でA4紙1万枚の間欠画像出し(1プリントして3秒間休みの繰り返し)評価を行った結果を表3に示す。
【0192】
(1)評価
スタート時、及び5000枚毎に1万枚の複写終了時までを評価した。濃度計を用いる場合は「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
【0193】
画像ムラ:
ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=端部1cm部の濃度−中心部の濃度)で判定
◎・・・0.05以下(良好)
○・・・0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベル)
×・・・0.1以上(実用上問題あり)
黒ポチ:
◎・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下
○・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、19個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題ないレベル)
×・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:20個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題あり)
端部膜剥がれ:
連続コピー終了後に感光体の端部を観察、端部からの感光層の剥がれ等を観察した。
【0194】
◎・・・端部膜剥がれなし
○・・・端部膜剥がれ多少あるが、実用性の問題なし
×・・・端部膜剥がれ発生、実用上問題あり
トナー汚染
1万回にわたるテストの終了後、画像形成装置と感光体表面を観察して、トナーによる汚染の有無を確認した。
【0195】
◎・・・トナー飛散認められず
○・・・僅かにトナー飛散認められるが、実用上の問題なし
×・・・トナー飛散認められ、実用上の問題あり
帯電ローラの1万枚複写後の状態:
帯電ローラを取り出して肉眼で観察した結果を表3に記載した。
【0196】
【表3】
Figure 0004134698
【0197】
表3から明らかなように、本発明内の実施例では画像ムラ、トナー汚染、黒ポチ、端部膜剥がれ、及び帯電ローラの耐久性も良好な優れた特性が得られた。
【0198】
〔実施例−その2〕
コニカ社製デジタル複写機Konica7033のコロナ帯電器を磁気ブラシ帯電器に変更し、更に、コピー速度をA4、10枚/分に改造して実写評価を実施した。帯電条件以外の条件は前記帯電ローラの条件と同一である。
【0199】
(磁気ブラシ帯電器)
図13の如き構造を有するものを用いた。
【0200】
磁気粒子の作製
帯電用磁気ブラシを形成する磁気粒子を下記のように作製した。
【0201】
磁気粒子1の作製
Fe23:50モル%
CuO:24モル%
ZnO:24モル%
以上を粉砕、混合し分散剤およびバインダーと水を加えスラーリーとした後、スプレードライヤーで造粒操作を行い、分級した後1125℃にて焼成を行った。得られた磁気粒子を解砕処理の後、分級を行い、体積平均粒径が27μmである磁気粒子1を得た。磁気粒子の抵抗値は2×107Ωcmであった。
【0202】
磁気粒子2の作製
上記磁気粒子1を100質量部に対して0.05質量部のチタンカップリング剤(イソプロポキシトリイソステアロイルチタネート)及びメチルエチルケトンを加え、撹拌して磁気粒子表面に有機質の被膜を形成後、磁気粒子を分離し、180℃で加熱乾燥を行った。体積平均粒径が37μmである磁気粒子2を得た。磁気粒子の抵抗値は2×107Ωcmであった。
【0203】
磁気粒子3の作製
体積平均粒径35μmのマグネタイト(FeO・Fe23)磁気粒子3を用いた。磁気粒子の抵抗値は2×106Ωcmであった。
【0204】
磁気粒子4の作製
Fe23:50モル%
MnO:30モル%
MgO:20モル%
以上を粉砕、混合し分散剤およびバインダーと水を加えスラーリーとした後、スプレードライヤーで造粒操作を行い、分級した後に抵抗調整の為に酸素濃度を調整した雰囲気中、1130℃にて焼成を行った。得られた磁気粒子を解砕処理の後、分級を行い、体積平均粒径が70μmである磁気粒子4を得た。磁気粒子の抵抗値は9×105Ωcmであった。
【0205】
【表4】
Figure 0004134698
【0206】
磁気粒子の体積平均粒径の測定方法
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0207】
磁気粒子の個数平均粒径の1/2倍以下の粒径の割合の測定方法
前記湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」を用いて体積粒度分布を測定し、これを個数粒度分布に換算し、次に個数平均粒径の1/2倍以下の粒径の割合を求める。
【0208】
抵抗率(Ω・cm)の測定法
磁気粒子を0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、詰められた粒子上に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読み取ることで得られる値。
【0209】
なお、磁気ブラシは、いずれも軸方向(画像形成幅方向)の長さが感光層の幅より短く、感光層膜の端部より3.0mmほど内側までしか当接しない長さとした。
【0210】
帯電条件
帯電スリーブ;10mm径のステンレス鋼
帯電スリーブに印加される電圧;直流電圧450Vに交流電圧を重畳
帯電領域の磁性粒子量;250mg/cm2
帯電スリーブ/感光体の線速比;0.8
表6に示すトナー(現像剤)、感光体、及び磁性粒子を用いた磁気ブラシの組み合わせについて、前記コニカ社製デジタル複写機Konica7033の改造機の複写機に搭載し、常温常湿(20℃、60%RH)下10万枚の画像出し評価を行った。
【0211】
評価方法は前記帯電ローラの時と同様に行った。磁気粒子の劣化等による画像ムラも、実施例−その1の画像ムラに準じた表示を行った。
【0212】
【表5】
Figure 0004134698
【0213】
表5から明らかなように、本発明内の実施例では画像欠陥も発生せず、また磁気粒子の劣化も見られず、良好な優れた画像が得られた。
【0214】
【発明の効果】
本発明により、帯電工程が電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電させる方式でも、電子写真感光体の端部形状が、塗布層端部の剥がれがない、トナー溜まりが無い、塗布層粉末やトナーの飛散により、黒ポチ等の欠陥が無い、電子写真方式の画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジと、それに用いる電子写真感光体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体ドラムと本発明に用いた規定値を説明する図。
【図2】感光層端部の拡大模式断面図。
【図3】感光層が摺擦により剥離された部分の微視的断面形状図。
【図4】トナーの堆積又はその凝固物の付着した状態の概念断面図。
【図5】感光体ドラムのクリーニング範囲を示す図。
【図6】拭き取りテープを傾斜させて感光体ドラムにセットしたときの概略図。
【図7】拭き取りテープを感光体ドラムに接触させる方法の例を示す概略図。
【図8】ブラシによる塗布層除去装置の断面図。
【図9】感光体ドラムと摺擦部材の当接状態を示す断面図。
【図10】摺擦部材の一形態を示す図。
【図11】塗布層除去装置の全体構成図。
【図12】帯電ローラを適用した画像形成装置の1例を示す構成図。
【図13】磁気ブラシ帯電器の構成図。
【図14】図13の帯電器による交流バイアス電圧と帯電電位との関係を示す図。
【図15】磁気ブラシ帯電器を有する画像形成装置の1例の断面図。
【符号の説明】
1 導電性基体
2 塗布層
3 感光体ドラム(感光体)
4 帯電ローラ
6 転写器(転写ローラ)
11 クリーニング器
12 クリーニングブレード
16 現像器
18 転写材(転写紙)
31 拭き取りテープ
38 元巻きロール
39 巻き取りロール
47 搬送手段
54 塗布層除去台
55 摺擦部材
59 隔壁板
152 磁気ブラシ帯電器
D 塗布層が残存している端部までの平均の長さ
P 中央部の膜厚の平均値
Pmax 画像領域外での膜厚の最大値の平均
θ 傾斜角度

Claims (6)

  1. 円筒状の導電性基体に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体を用い、帯電工程、露光工程、トナーを含む現像剤による現像工程、トナー像転写工程、電子写真感光体に残留するトナーをクリーニング手段で除去する工程を繰り返して画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均値をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均値をD(μm)とすると、下記式(1)及び式(2)を共に満足する形状であって、前記帯電工程は前記電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電することを特徴とする画像形成方法。
    式(1) 0<Pmax<2P
    式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
  2. 前記帯電工程に用いられる手段が帯電ローラであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記帯電工程に用いられる手段が磁気ブラシであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記クリーニング手段がウレタンゴムのクリーニングブレードであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記請求項1〜4の何れか1項記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記請求項5に記載の画像形成装置に用いられ、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと、電子写真感光体が結合され、画像形成装置本体に対し一体的に出し入れ可能に形成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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