JP2011053406A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真装置の電子写真感光体の導電層が導電性金属酸化物を非導電性無機粒子に被覆させてなる粒子を含有し、導電性金属酸化物の被覆率が非導電性無機粒子の質量に対して10質量%以上25質量%未満であり、下記式(1)から求められる周波数fHzにおける該電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.020以上0.500以下である。
f=P/X (1)
(式(1)中、Xは、該ローラー状の帯電部材と該電子写真感光体とのニップ幅(mm)を示し、Pは、該電子写真装置のプロセススピード(mm/sec)を示す。)
【選択図】なし
Description
AC/DC接触帯電方式は、DC接触帯電方式の場合に比べて、直流電源および交流電源が必要となるため、電子写真装置自体のコストアップを招く、電子写真装置のサイズが大きくなるという課題、および、交流電流を多量に消費することによって帯電ローラーおよび電子写真感光体の耐久性が低下するという課題がある。
したがって、電子写真装置のコスト削減および小型化ならびに高耐久性を考慮すると、DC接触帯電方式がより好ましいといえる。
電子写真感光体の誘電損失tanδは、電子写真感光体を帯電し暗部電位を保持させるためには、通常低い方が好ましいと考えられてきた。特許文献4においては、電子写真感光体の体積抵抗値Rおよび/または電子写真感光体の損失係数Dを測定し電子写真感光体の劣化具合を判定する特性診断方法が述べられており、電子写真感光体の損失係数Dは100kHz、5VACで測定した時、0.009〜0.015が正常との記載が有る。
下記式(1)から求められる周波数fHzにおける該電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.020以上0.500以下である
ことを特徴とする電子写真装置である。
f=P/X (1)
(式(1)中、Xは、該ローラー状の帯電部材と該電子写真感光体とのニップ幅(mm)を示し、Pは、該電子写真装置のプロセススピード(mm/sec)を示す。)
本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、支持体上に導電層、中間層および感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体である。
導電層の結着材料としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステルのような樹脂(結着樹脂)が挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。また、各種樹脂の中でも、他層へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、支持体への密着性、導電性金属酸化物を非導電性無機粒子に被覆させてなる粒子の分散性・分散安定性、成膜後の耐溶剤性の観点から、導電層の結着樹脂は硬化性樹脂が好ましく、さらには熱硬化性樹脂がより好ましい。具体的には、熱硬化性のフェノール樹脂やポリウレタンが好ましい。導電層の結着樹脂として硬化性樹脂を用いる場合、導電層用塗布液に含有させる結着材料は、該硬化性樹脂のモノマーおよび/またはオリゴマーとなる。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、アゾ(トリスアゾ、ジスアゾ、モノアゾ)、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニンが挙げられる。
また、保護層の結着樹脂として縮合系モノマーや不飽和基をもつラジカル重合系モノマーから得られる樹脂を用いる場合は、塗布液を塗布した後、熱や紫外線のようなエネルギー光を照射して硬化させて、保護層を形成してもよい。
保護層の膜厚は0.5〜7μmであることが好ましく、特には0.5〜5.5μmであることが好ましい。
まず、電子写真感光体の誘電損失(tanδ)測定用に、別途、約50μmの膜厚のアルミニウムシートを巻きつけた支持体上に上記に示した方法と同様に電子写真感光体1を作製した。その後、導電層、中間層および感光層が順に塗布されたアルミニウムシートを剥がし、該アルミニウムシートを適当な大きさに切断し、これを誘電損失(tanδ)測定用試料とした。この測定用試料上に、SANYU DENSHI社製のスパッタリング装置(商品名:SC−708AT QUICK COATER)にて面積5.31×10−4m2、厚さ600±100nmの金(電極)を蒸着した。その後、常温常湿(温度23℃/湿度50%RH)下で24時間放置し、誘電損失(tanδ)を測定した。
f=P/X (1)
上記式(1)中、Xは、帯電ローラーと電子写真感光体とのニップ幅(mm)を示し、Pは、電子写真装置のプロセススピード(mm/sec)を示す。
本発明の帯電手段は、電子写真感光体に接触配置した帯電部材(接触帯電部材)に電圧を印加し、電子写真感光体を帯電する接触帯電方式である。詳しくは、帯電ローラーを電子写真感光体の表面に接触させ、これに直流電圧のみの電圧を印加することにより電子写真感光体の帯電を行う方式(DC接触帯電方式)である。用いられる帯電部材としての構成を以下に示す。
帯電ローラー201は、該帯電ローラーの抵抗を制御する中抵抗の表面層(帯電層)201−1と、被帯電体である電子写真感光体の表面と均一なニップを形成するために必要な弾性を有する導電性弾性層201−2と、支持部材(芯金)である導電性支持体201−3とで形成される(図4)。導電性弾性層201−2は、EPDM、アクリルゴム、ウレタンゴムのようなソリッドなゴムにカーボンブラックのような導電性物質を分散させて形成される。表面層201−1は、中抵抗層であり、ナイロン、ウレタンのような樹脂にカーボンブラックのような導電性物質を分散させて形成される。該帯電部材の抵抗値は、その使用される環境、帯電効率あるいは該電子写真感光体の電気的耐圧特性に応じて適宜選択されることが好ましい。
帯電ローラーの体積抵抗率の測定は図6に示すような方法で行った。図6中、2は帯電ローラー、15はステンレススチール製の円筒電極、16は抵抗、17はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる電子写真装置と同様にし、円筒電極と測定するべき帯電ローラーを電子写真装置内での電子写真感光体と帯電ローラーのニップ幅と同じになるようにした。このような接触状態のまま、円筒電極を電子写真装置内での動作と同じ速度(プロセススピード)で回転させ、またその回転につれて帯電ローラーも同じ速度で回転するようにした上で、外部電源3から円筒電極に−200Vを印加した際の体積抵抗率を帯電ローラーの体積抵抗率として測定した。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
図3において、1Y、1M、1C、1Kはドラム状の本発明の電子写真感光体(第1色〜第4色用電子写真感光体)であり、それぞれ軸2Y、2M、2C、2Kを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
中間転写体としては、張架ローラー(駆動ローラー、テンションローラを含む)によって張架される無端状の中間転写ベルトが挙げられる。中間転写ベルトの体積抵抗率は106〜1012Ω・cmであることが好ましい。中間転写ベルトの体積抵抗率が低すぎると、一次転写を受けた部分とそうでない部分とで中間転写ベルトの抵抗値に大きな差ができてしまうため、2色目以降のトナーを効率よく転写することができなくなってしまい、目的とする色合いの画像が得られなくなってしまう。また、中間転写ベルトの抵抗値が高すぎると、2色目以降のトナーを一次転写する際、それ以前に一次転写を終了したトナーが電子写真感光体に戻ってしまう場合がある。
転写材搬送部材としては、張架ローラー(駆動ローラー、テンションローラを含む)によって張架される無端状の転写材搬送ベルトが挙げられる。転写材搬送ベルトの体積抵抗率は107〜1013Ω・cmであることが好ましく、特には108〜1012Ω・cmであることがより好ましい。体積抵抗率が大きすぎると、転写材搬送ベルトに付着したトナーの除去を行う際、転写時における電荷蓄積が悪影響を与える場合があり、一方、小さすぎると、転写材の吸着が不安定となる場合がある。
本発明の電子写真感光体は、より小粒子径のトナーを用いた場合に、転写効率向上の効果が顕著に現れ、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いた場合に、さらに顕著に現れる。
トナーとしては、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤および低軟化物質を含有している非磁性1成分トナーが好適に用いられる。
一般的に現像方法は、非磁性トナーについては、ブレードで現像スリーブ(現像剤担持体)上にトナーをコーティングし、磁性トナーについては磁気力によってトナーをコーティングして、現像スリーブの回転によりトナーを電子写真感光体に搬送し、トナーを電子写真感光体に施与して現像する。
(帯電ローラー1−1の作製)
まず、弾性層を以下の方法で作製した。
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100部
(エピクロルヒドリン:エチレンオキサイド:アリルグリシジルエーテル
=40mol%:56mol%:4mol%)
軽質炭酸カルシウム 30部
脂肪族ポリエステル系可塑剤 5部
ステアリン酸亜鉛 1部
老化防止剤MB(2−メルカプトベンズイミダゾール) 0.5部
酸化亜鉛 5部
下記構造式で示される四級アンモニウム塩 2部
以上の材料を温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料のゴムのエピクロルヒドリンゴム100部に対し、加硫剤としての硫黄1部、加硫促進剤としてのDM(ジベンゾチアジルスルフィド)1部およびTS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.5部を加え、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練した。
混練にて得られたコンパウンドを、直径6mm(φ6mm)ステンレス製の芯金に外径φ15mmのローラー状になるように押し出し成型機にて成型し、加熱蒸気加硫した後、外径が10mmになるように研磨加工を行い、弾性層(導電性弾性層)を有するローラーを得た。この際、研磨加工においては、幅広研磨方式を採用した。ローラー長は232mmとした。
まず、表面層用塗布液の材料として、
カプローラクトン変性アクリルポリオール溶液 100部
メチルイソブチルケトン 250部
導電性酸化スズ粒子(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン処理品)(平均粒径:0.05μm、体積抵抗率:103Ω・cm) 130部
疎水性シリカ(ジメチルポリシロキサン処理品)(平均粒径:0.02μm、体積抵抗率:1016Ω・cm) 3部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.08部
架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(平均粒径:4.98μm) 80部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作製した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて18時間分散した。得られた分散溶液にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体1:1(質量比)の混合物を、
NCO/OH=1.0
となるように添加し、浸漬塗布用の表面層用塗布液を調製した。
前記弾性層の表面上に表面層用塗布液を2回浸漬塗布し、風乾させた後、温度160℃にて1時間乾燥させ、帯電ローラー(ローラー状の帯電部材)1−1を作製した。
なお、表面層用塗布液に添加する粒子の粒度分布の測定は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて行った。測定可能な粒径の範囲は0.015〜500μmである。
表面層用塗布液に添加する導電性酸化スズ粒子の量を155部とした以外は、帯電ローラー1−1の作製と同様にして帯電ローラー1−2を作製した。
表面層用塗布液に添加する導電性酸化スズ粒子の量を75部とした以外は、帯電ローラー1−1の作製と同様にして帯電ローラー1−3を作製した。
表面層用塗布液に添加する導電性酸化スズ粒子の量を180部とした以外は、帯電ローラー1−1の作製と同様にして帯電ローラー1−4を作製した。
表面層用塗布液に添加する導電性酸化スズ粒子の量を55部とした以外は、帯電ローラー1−1の作製と同様にして帯電ローラー1−5を作製した。
〈導電層用塗布液の調製例〉
(導電層用塗布液Aの調製)
酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)55部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)36.5部、溶剤としてのメトキシプロパノール35部を、直径0.5mmのガラスビーズを用いたサンドミルでディスク回転数1200rpmで3.5時間分散して、分散液を調製した。
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、導電層用塗布液Aを調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.35μmであった。
SnO2の被覆率(質量比率)を10%に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Bを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.35μmであった。
SnO2の被覆率(質量比率)を25%に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Cを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.35μmであった。
酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)をインジウムドープ型SnO2被覆TiO2粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Dを作製した。
この導電層用塗布液における酸化スズドープ型酸化インジウム被覆TiO2粒子の平均粒径は0.35μmであった。
SnO2の被覆率(質量比率)を10%に変更した以外は導電層用塗布液Dと同様の操作で導電層用塗布液Eを作製した。
この導電層用塗布液における酸化スズドープ型酸化インジウム被覆TiO2粒子の平均粒径は0.35μmであった。
酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)を酸素欠損型SnO2被覆TiO2粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Fを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆TiO2粒子の平均粒径は0.20μmであった。
酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)をフッ素ドープ型SnO2被覆酸化カルシウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Gを作製した。
この導電層用塗布液におけるフッ素ドープ型SnO2被覆酸化カルシウム粒子の平均粒径は0.20μmであった。
酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)をタンタルドープ型SnO2被覆酸化ジルコニウム粒子(SnO2の被覆率(質量比率)は15%)に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Hを作製した。
この導電層用塗布液におけるタンタルドープ型SnO2被覆酸化ジルコニウム粒子の平均粒径は0.20μmであった。
サンドミルのディスク回転数を1000rpmに変更した以外は導電層用塗布液Cと同様の操作で導電層用塗布液Iを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を900rpmに変更した以外は導電層用塗布液Cと同様の操作で導電層用塗布液Jを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を800rpmに変更した以外は導電層用塗布液Cと同様の操作で導電層用塗布液Kを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を1000rpmに変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Lを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を1100rpmに変更した以外は導電層用塗布液Bと同様の操作で導電層用塗布液Mを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を1000rpmに変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Nを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を900rpmに変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Oを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
サンドミルのディスク回転数を800rpmに変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Pを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
SnO2の被覆率(質量比率)を5%に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Qを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
SnO2の被覆率(質量比率)を30%に変更した以外は導電層用塗布液Aと同様の操作で導電層用塗布液Rを作製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnO2被覆硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.57μmであった。
(電子写真感光体2−1の作製)
押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法にて製造された、長さ257mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
導電層用塗布液Aを、温度23℃/湿度60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥および熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学産業(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解させて得られた中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、これを10分間温度100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間温度120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体2−1を作製した。
また、別途、このアルミニウムシリンダー上に50μmのアルミニウム箔を巻きつけて固定し、その上に上記と同様に導電層、中間層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に形成したものを用いて、電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−1を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Bに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−2および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−2を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Cに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−3および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−3を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Dに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−4および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−4を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Eに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−5および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−5を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Fに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−6および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−6を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Gに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−7および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−7を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Hに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−8および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−8を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Iに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−9および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−9を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Jに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−10および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−10を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Kに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−11および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−11を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Lに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−12および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−12を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Mに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−13および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−13を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Nに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−14および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−14を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Oに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−15および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−15を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Pに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−16および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−16を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Qに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−17および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−17を作製した。
導電層用塗布液Aを導電層用塗布液Rに変更した以外は、電子写真感光体2−1の作製と同様にして電子写真感光体2−18および電子写真感光体の誘電損失tanδ測定用サンプル2−18を作製した。
上記の方法により作製した帯電ローラーおよび電子写真感光体をHP(株)製レーザービームプリンターHP Color LaserJet CP3505n Printerを、プロセススピードを変更できるように改造した改造機に装着して、15℃/10%RHの環境下にて通紙耐久テストを行い、初期と5000枚通紙耐久後の画像の評価を行った。また、帯電ローラーと電子写真感光体は同一の方法でもう一つのサンプルを作製し、電子写真感光体のみ温度55℃湿度95RH%の環境下にて30日間保管し、該帯電ローラーと該電子写真感光体をHP(株)製レーザービームプリンターのHP Color LaserJet CP3505n Printerの改造機に装着して、温度15℃/湿度10%RHの環境下にて通紙耐久テストを行い、初期と5000枚通紙耐久後の画像の評価を行った。
HP Color LaserJet CP3505n Printerを、プロセススピード250mm/sになるように改造した。この改造機を用いて、HP Color LaserJet CP3505n Printerのシアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体および帯電ローラーを装着し、このカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。電子写真感光体および帯電ローラーは表1に記載のものを用いた。また電子写真感光体の導電層に用いた導電性金属酸化物の種類と被覆率、非導電性無機粒子の種類、導電層用塗布液調整時の分散回転数と評価に用いた電子写真装置のプロセススピードを表3に記載した。電子写真感光体および帯電ローラーを装着した際に、ニップ幅を測定した。ニップ幅の測定方法としては、一例としてカーボン感圧紙による方法がある。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に2枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
そして、耐久テスト開始時と5000枚終了後に3枚(1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像)の画像評価用のサンプルを出力した。
なお、画像の評価は、温度15℃/湿度10%RHの環境下の耐久テストおよび温度55℃湿度95RH%の環境下にて30日間保管後の温度15℃/湿度10%RHの環境下の耐久テストにおいて帯電スジについての評価を行った。評価結果を表4に示す。
画像の評価の基準は以下のとおりである。
帯電スジに関しては、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像に対して下記の基準にしたがって評価した:
5:帯電スジが全くなし、
4:帯電スジがほとんどなし、
3:帯電スジがわずかに観測される、
2:帯電スジが観測される、
1:帯電スジがはっきりわかる。
f=P/X (1)
上記式(1)中、Xは、帯電ローラーと電子写真感光体とのニップ幅(mm)を示し、Pは、電子写真装置のプロセススピード(mm/sec)を示す。
帯電ローラーを電子写真感光体に押し当てるバネのバネ圧を変化させ、表2に示すようにニップ幅を変更した。また、HP(株)製レーザービームプリンターHP Color LaserJet CP3505n Printerのプロセススピードを表1のように変更した。評価に用いた電子写真装置のプロセススピードを表3に記載した。これらニップ幅と、プロセススピードの変更以外は実施例1と同様に評価した。その結果を表1〜4に示す。
以上のように、帯電ローラーの体積抵抗率が1010Ωcm以上1012Ωcm以下であり、また、電子写真感光体が、支持体上に導電層、中間層および感光層をこの順に有し、該導電層が導電性金属酸化物を非導電性無機粒子に被覆させてなる粒子を含有し、該導電性金属酸化物の被覆率が該無機粒子の質量に対して10質量%以上25質量%未満であり、上記式(1)から求められる周波数fHzにおける該電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.020以上0.500以下である電子写真装置において、苛酷な条件で保管した後でも初期から耐久後まで、帯電横スジによる画像欠陥が発生しない電子写真装置を提供することができる。
実施例に記載のように、電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.035以上0.300以下の場合には、より効果があり、さらには電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.050以上0.100以下の場合にはより効果が顕著に現れた。
また、電子写真装置のプロセススピードが変わっても本発明の効果は得られた。
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材(紙など)
201 帯電部材(帯電ローラー)
201−1 表面層
201−2 導電性弾性層
201−3 支持部材(導電性支持体)
201−4 加圧当接用バネ
202 被帯電体(電子写真感光体)
2 帯電ローラー
3 帯電バイアス印加電源
15 ステンレススチール製の円筒電極
16 抵抗
17 レコーダー
Claims (4)
- 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置であって、該帯電手段が、該電子写真感光体にニップを持って接触させたローラー状の帯電部材に直流電圧のみを印加して該電子写真感光体を帯電する接触帯電手段であり、該現像手段が、現像剤を担持させた現像剤担持体を該電子写真感光体に接触させることにより現像を行う接触現像手段である電子写真装置において、
該ローラー状の帯電部材の体積抵抗率が、1010Ωcm以上1012Ωcm以下であり、
該電子写真感光体が、支持体上に導電層、中間層および感光層をこの順に設けてなり、
該導電層が、導電性金属酸化物を非導電性無機粒子に被覆させてなる粒子を含有し、
該導電性金属酸化物の被覆率が、該非導電性無機粒子の質量に対して10質量%以上25質量%未満であり、
下記式(1)から求められる周波数fHzにおける該電子写真感光体の誘電損失tanδが、0.020以上0.500以下である
ことを特徴とする電子写真装置:
f=P/X (1)
(式(1)中、Xは、該ローラー状の帯電部材と該電子写真感光体とのニップ幅(mm)を示し、Pは、該電子写真装置のプロセススピード(mm/sec)を示す。)。 - 前記誘電損失tanδが、0.035以上0.300以下である請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記誘電損失tanδが、0.050以上0.100以下である請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記非導電性無機粒子が、硫酸バリウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真装置。
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