JP2012145876A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明における制御手段による制御を行わない場合に比べて、像保持体の幅方向の厚みのばらつきが抑制された画像形成装置を提供する。
【解決手段】本実施の形態の画像形成装置10によれば、搬送ロール50によって搬送されるときの記録媒体Pの、像保持体1の幅方向における長さが、該像保持体1の最大作像領域の該幅方向における長さより小さい記録媒体Pに、複数枚連続して画像を形成するときには、該記録媒体Pに予め定められた枚数の画像を形成する度に、該記録媒体Pを記録媒体Pの搬送方向に交差する方向(像保持体1の幅方向に対応する方向)に予め定めた移動量だけ移動させると共に、静電潜像が該移動量だけ移動した位置に形成されるように静電潜像の形成位置を移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
像保持体などの像保持体を帯電して静電潜像を作成し、この静電潜像をトナーによって現像することで像保持体上にトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体に直接、または中間転写体を介して記録媒体に転写及び定着させる画像形成装置が知られている。
特許文献1には、画像を面付けして出力する画像形成装置において、面付け対象の画像の信号を受け付ける画像信号受付部と、画像の面付けを行う面付け部と、感光体に付着するトナーの量の主走査方向のばらつきを是正するための補正画像を、画像が面付けされていない領域に負荷する画像付加部と、補正画像が付加された画像の信号を出力する画像信号出力部と、を備えた画像形成装置が提案されている。
また、特許文献2には、感光体における感光層の主走査方向の膜厚分布を予測し、予測結果に基づいて、露光器より照射するレーザ光の光量が、感光層の膜厚の厚い領域に対しては光量を下げず、膜厚の薄い領域に対しては光量を下げるように、光量補正データを作成し、作成した光量補正データに基づいて補正したレーザ光を感光体へ照射する画像形成装置が提案されている。
特開2006−267451号公報 特開2007−187734号公報
本発明の課題は、本発明における制御手段による制御を行わない場合に比べて、像保持体の幅方向の厚みのばらつきが抑制された画像形成装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、
請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面の最大作像領域内に光を照射することによって、該像保持体の表面に前記記録媒体に形成する画像に応じた静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面の付着物を除去する除去手段と、
前記記録媒体を前記転写手段によって前記トナー像の転写される位置へと搬送する搬送手段と、
前記転写手段より前記記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記転写手段によって前記トナー像が転写される位置へと搬送される前の前記記録媒体を、前記像保持体の幅方向に対応する方向へ移動させることによって、前記転写手段の幅方向に対する該記録媒体の位置を変更する移動手段と、
前記搬送手段によって搬送されるときの前記記録媒体の、前記像保持体の幅方向に対応する方向の長さが、前記像保持体の前記最大作像領域の前記幅方向における長さより小さい記録媒体に、複数枚連続して画像を形成するときに、該記録媒体に予め定められた枚数画像を形成する度に、該記録媒体を前記幅方向に対応する方向へ第1の移動量だけ移動させるように前記移動手段を制御すると共に、前記静電潜像が前記幅方向へ前記第1の移動量だけ移動した位置に形成されるように前記潜像形成手段を制御する、制御手段と、
を備えた画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記像保持体が、下記式(1)を満たす請求項1に記載の画像形成装置である。
|Va−Vb|≦10 ・・・式(1)
式(1)中、Vaは、第1の帯電条件で前記像保持体を帯電させる第1の帯電部材によって前記像保持体の表面電位を−700Vにした後に、表面電位を−700Vとされた該像保持体の表面電位を−250Vにするために照射する光の光量Eの3倍の光量の光を照射し、さらに該3倍の光量の光を照射された該像保持体を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。式(1)中、Vbは、前記第1の帯電部材によって前記像保持体の表面電位を−700Vにした後に、第2の帯電条件で該像保持体1を帯電させる第2の帯電部材によって該像保持体の表面電位を0Vとし、更に、表面電位を0Vとされた該像保持体に前記光量Eの3倍の光量の光を照射した後に、該3倍の光量の光を照射された該像保持体を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。
請求項3に係る発明は、前記式(1)中のVaとVbが、下記式(2)の関係を満たす請求項1または請求項2に記載の画像形成装置である。
|Va−Vb|≦5 ・・・式(2)
請求項1に係る発明によれば、本発明における制御手段による制御を行わない場合に比べて、像保持体の幅方向の厚みのばらつきが抑制された画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、本発明における式(1)を満たさない像保持体を用いた場合に比べて、記録媒体に形成される画像の濃度ムラが抑制される。
請求項3に係る発明によれば、本発明における式(2)を満たさない像保持体を用いた場合に比べて、記録媒体に形成される画像の濃度ムラが更に抑制される。
本実施の形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 (A)(B)本実施の形態の画像形成装置における記録媒体移動機構の一例を示す概略構成図である。 本実施の形態の画像形成装置の構成を模式的に示した機能ブロック図である。 本実施の形態の画像形成装置の主制御部で実行される移動処理ルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態の画像形成装置における潜像形成装置と像保持体との関係を模式的に示す概略構成図である。 本実施の形態の画像形成装置において、像保持体上に形成される静電潜像及びトナー像を示す概略構成図である。 (A)(B)従来の画像形成装置において、トナー像を繰り返し形成したときの像保持体を示す模式図である。 像保持体の表面電位を測定する表面電位測定装置を示す模式図である。 像保持体の表面電位を測定する表面電位測定装置を示す模式図であり、図8のI−I’断面図である。 本実施の形態の画像形成装置で用いられる像保持体の構成の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照して、一の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、本実施の形態の画像形成装置の一例を示した。
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置10は、所定方向(図1中、矢印X方向)に回転される環状の中間転写体6と、該中間転写体6の回転方向に沿って配列された複数の画像形成部20Y、画像形成部20M、画像形成部20C、及び画像形成部20Kと、画像形成装置10に設けられた装置各部を制御する主制御部12と、を含んで構成されている。
画像形成部20Yは、図1中矢印Aの方向に回転する像保持体1Yと、この像保持体1Yの表面を帯電する帯電器2Yと、帯電された像保持体1Y表面をY色(イエロー色)の画像情報に基づいて変調された光により露光し、像保持体1Y上に静電潜像を形成する潜像形成装置3Yと、Y色現像剤を保持する現像ロール34Yと、像保持体1Y上に形成された静電潜像をY色現像剤で現像して像保持体1Y上にトナー像(Y色)を形成する現像器4Yと、像保持体1Y上のY色トナー像を中間転写体6に一次転写する一次転写ロール5Yと、像保持体1Y上のトナーや紙粉等を除去する除去部材7Yと、を含んで構成されている。
同様に、画像形成部20Mは、図1中矢印Aの方向に回転する像保持体1Mと、この像保持体1Mの表面を帯電する帯電器2Mと、帯電された像保持体1M表面をM色(マゼンタ色)の画像情報に基づいて変調された光により露光し、像保持体1M上に静電潜像を形成する潜像形成装置3Mと、M色現像剤を保持する現像ロール34Mと、像保持体1M上に形成された静電潜像をM色現像剤で現像して像保持体1M上にトナー像(M色)を形成する現像器4Mと、像保持体1M上のM色トナー像を中間転写体6に一次転写する一次転写ロール5Mと、像保持体1M上のトナーや紙粉等を除去する除去部材7Mと、を含んで構成されている。
同様に、画像形成部20Cは、図1中矢印Aの方向に回転する像保持体1Cと、この像保持体1Cの表面を帯電する帯電器2Cと、帯電された像保持体1C表面をC色(シアン色)の画像情報に基づいて変調された光により露光し、像保持体1C上に静電潜像を形成する潜像形成装置3Cと、C色現像剤を保持する現像ロール34Cと、像保持体1C上に形成された静電潜像をC色現像剤で現像して像保持体1C上にトナー像(C色)を形成する現像器4Cと、像保持体1C上のC色トナー像を中間転写体6面に一次転写する一次転写ロール5Cと、像保持体1C上のトナーや紙粉等を除去する除去部材7Cと、を含んで構成されている。
同様に、画像形成部20Kは、図1中矢印Aの方向に回転する像保持体1Kと、この像保持体1Kの表面を帯電する帯電器2Kと、帯電された像保持体1K表面をK色(ブラック色)の画像情報に基づいて変調された光により露光し、像保持体1K上に静電潜像を形成する潜像形成装置3Kと、K色現像剤を保持する現像ロール34Kと、像保持体1K上に形成された静電潜像をK色現像剤で現像して像保持体1K上にトナー像(K色)を形成する現像器4Kと、像保持体1K上のK色トナー像を中間転写体6に一次転写する一次転写ロール5Kと、像保持体1K上のトナーや紙粉等を除去する除去部材7Kと、を含んで構成されている。
除去部材7K、除去部材7Y、除去部材7M、及び除去部材7Cとしては、電子写真方式の画像形成装置において用いられる公知の構成が挙げられ、例えば、板状(ブレード状)に構成されたものや、ブラシ状に構成されたものが挙げられる。
なお、画像形成部20Y、画像形成部20M、画像形成部20C、及び画像形成部20Kに含まれるその他の装置及び各部材の材料構成や、中間転写体6及び二次転写装置28の材料構成としては、電子写真方式の画像形成装置に用いられる公知の構成が挙げられるため、ここでは詳細な説明を省略する。
中間転写体6は、環状(無端ベルト状)に構成されており、その内側に設けられた複数の円柱状部材30A、円柱状部材30B、円柱状部材30C、及び円柱状部材30Dによって支持されている。中間転写体6は、これらの複数の円柱状部材30A、円柱状部材30B、円柱状部材30C、及び円柱状部材30Dの内の少なくとも1つが回転駆動され、その他の部材が従動回転されることで、像保持体1K、像保持体1C、像保持体1M、及び像保持体1Yの回転方向(図1中、矢印A方向)とは逆方向(図1及び図2中、矢印X方向)に回転される。この中間転写体6としては、電子写真方式の画像形成装置に用いられる公知の材料構成の中間転写体(中間転写ベルトと称される場合もある)が挙げられる。
また、画像形成装置10は、中間転写体6上のトナー像を記録媒体Pに転写する二次転写装置28と、記録媒体Pに転写されたトナー像を定着する定着器9と、記録媒体Pを収納する(載置する)記録媒体収納部56と、各像保持体表面の残留電荷を除去する除電器(図示せず)と、中間転写体6表面をクリーニングするベルトクリーナ8とを含んで構成されている。なお、二次転写装置28は、円柱状部材30Dに向かい合う位置に設けられており、円柱状部材30Dとの間に電界を形成することによって、中間転写体6上のトナー像を記録媒体Pへ二次転写する。
記録媒体収納部56内に載置された記録媒体Pは、給紙ロール51Aによって給紙されて、搬送ロール50A及び搬送ロール50Bによって、トナー像を転写される位置(図1に示す画像形成装置10では、二次転写装置28によってトナー像を転写される位置)に搬送される。
この記録媒体収納部56には、記録媒体収納部56に任意の向きに載置された任意のサイズ及び種類の記録媒体Pを保持すると共に、該記録媒体Pを、上記搬送ロール50A及び搬送ロール50Bによる記録媒体Pの搬送方向に交差(直交)する交差方向へと移動させる記録媒体移動機構60(詳細後述)が設けられている。このため、記録媒体収納部56内に載置された記録媒体Pは、この記録媒体移動機構60によって保持されることで、搬送ロール50A及び搬送ロール50Bによる記録媒体Pの搬送方向に対して交差する方向へと移動可能に保持される。
なお、本実施の形態の画像形成装置10では、搬送ロール50A及び搬送ロール50Bにより搬送されるときの記録媒体Pの搬送方向に交差(直交)する方向と、像保持体1の幅方向(すなわち、像保持体1の回転軸の延伸方向)と、は一致するように各部材が配置されているものとする。
また、画像形成装置10の側面には、手差し用記録媒体収納部54が設けられている。この手差し用記録媒体収納部54上に任意の向きに載置された任意のサイズ及び種類の記録媒体Pは、給紙ロール51Bによって給紙され、搬送ロール50C及び搬送ロール50Dによって、トナー像を転写される位置(図1に示す画像形成装置10では、二次転写装置28によってトナー像を転写される位置)に搬送される。
この手差し用記録媒体収納部54には、手差し用記録媒体収納部54上に任意の向きに載置された任意のサイズ及び種類の記録媒体Pを保持すると共に、該記録媒体Pを、上記搬送ロール50C及び搬送ロール50Dによる記録媒体Pの搬送方向に交差する交差方向へと移動させる記録媒体移動機構62(詳細後述)が設けられている。このため、手差し用記録媒体収納部54に載置された記録媒体Pは、記録媒体移動機構62によって保持されることで、搬送ロール50C及び搬送ロール50Dによる記録媒体Pの搬送方向に対して交差する方向へと移動されるように保持される。
なお、本実施の形態の画像形成装置10では、搬送ロール50C及び搬送ロール50Dによって搬送される記録媒体Pの搬送方向に交差(直交)する方向と、像保持体1の幅方向(すなわち、像保持体1の回転軸の延伸方向)と、は一致するように各部材が配置されている。このため、記録媒体移動機構62によって保持された記録媒体Pは、像保持体1の幅方向に対応する方向に移動される。そして、この記録媒体Pの、像保持体1の幅方向に対応する方向への移動によって、記録媒体Pにトナー像を転写する二次転写装置28の幅方向に対する記録媒体Pの位置が変更される。
なお、本実施の形態における搬送ロール50A、搬送ロール50B、搬送ロール50C、及び搬送ロール50Dが、本発明における搬送手段に相当する。また、これらの搬送ロール50A、搬送ロール50B、搬送ロール50C、及び搬送ロール50Dを総称する場合には、搬送ロール50と称して説明する。
また、画像形成装置10には、二次転写装置28によってトナー像を転写される位置にまで搬送された記録媒体Pの枚数を計測するためのカウンタ58が設けられている。カウンタ58は、後述する主制御部12に電気的に接続されている。カウンタ58としては、搬送ロール50によって搬送される記録媒体Pを検知すると共に、記録媒体Pが通過する枚数を計測する装置が用いられる。カウンタ58としては、例えば、記録媒体Pを検知するセンサと、センサによる光が記録媒体Pによって遮られていない状態から遮られた状態となり更に遮られていない状態へと復活したときに、1枚の記録媒体Pが通過したとして記録媒体Pのカウントを行う計測装置と、が設けられた構成が挙げられる。
次に、記録媒体移動機構62について説明する。
記録媒体移動機構62は、図2(A)に示すように、長尺状のレール部材64を備えている。このレール部材64は、その延伸方向が、搬送ロール50によって搬送されるときの記録媒体Pの搬送方向に対して交差する方向に一致するように配置されている。すなわち、本実施の形態では、このレール部材64は、その延伸方向が、像保持体1の幅方向に一致するように配置されている。なお、このレール部材64は、記録媒体移動機構62を備えた手差し用記録媒体収納部54に、図示を省略する支持部材によって固定されている。
また、記録媒体移動機構62は、記録媒体Pを保持する保持部材66を備えている。保持部材66は、レール部材64の延伸方向に直交する方向に長い長尺状の一対の支持部材68(支持部材68A及び支持部材68B)を備えている。これらの支持部材68は、記録媒体Pが記録媒体移動機構62に載置されたときに、記録媒体Pの側縁に沿って該記録媒体Pを支持するように配置されている。これらの一対の支持部材68(支持部材68A及び支持部材68B)の間隔は、底部材69によって保持されている。底部材69は、記録媒体Pがその上に載置される部材であって、本実施の形態では、レール部材64の延伸方向(図2中、矢印Y方向)に沿って、長さを変更可能に構成されている。具体的には、底部材69は、一端が支持部材68A側に支持され、該一端から該支持部材68Aに対向する支持部材68B側に向かって延伸した第1部材69Aと、一端が支持部材68B側に支持され、該一端から支持部材68A側に向かって延びた第2部材69Bと、が互いに重なり合うように設けられている。
なお、この第1部材69Aと第2部材69Bとの各々における、支持部材68によって支持されていない側の端部には、これらの第1部材69Aと第2部材69Bとの重なる領域の大きさが調整された位置で、これらの第1部材69A及び第2部材69Bの該端部を固定する固定部材(図示省略)が設けられている。
このため、記録媒体移動機構62は、この底部材69における第1部材69Aと第2部材69Bとの重なる領域を調整することで、支持部材68Aと支持部材68Bとの距離が変更され、載置する記録媒体Pの大きさに応じてその大きさが調整されるように構成されている。また、支持部材68Aと支持部材68Bとの距離が変更された位置で固定されるように構成されている。
また、上記一対の支持部材68(支持部材68Aと支持部材68B)は、レール部材64の延伸方向に移動可能に支持されたリニアガイド40に支持されている。また、リニアガイド40には、搬送駆動部41が設けられている。この搬送駆動部41は、詳細を後述する主制御部12に電気的に接続されており、主制御部12から受け付けた信号に応じた移動方向及び移動量で、リニアガイド40を、レール部材64の延伸方向の一端側から他端側、または他端側から一端側へ移動させる。
このため、図2(B)に示すように、記録媒体移動機構62では、記録媒体Pが記録媒体移動機構62上に載置されると、記録媒体Pは底部材69上に載置された状態となり、また、底部材69の調整によって、支持部材68Aと支持部材68Bとの距離が該記録媒体Pにおける、搬送方向に直交する方向(すなわち、像保持体1の幅方向に対応する方向)に応じた距離に調整される。
そして、主制御部12の制御によって搬送駆動部41が駆動されることで、主制御部12から搬送駆動部41に出力された信号に応じた移動方向及び移動量で、記録媒体移動機構62がレール部材64の延伸方向(すなわち、像保持体1の幅方向に対応する方向)に沿って移動する。
また、この記録媒体移動機構62の設けられた手差し用記録媒体収納部54には、複数の検知部72(検知部72〜検知部72)が設けられている。これらの検知部72は、記録媒体移動機構60に載置された記録媒体Pを検知すると共に、検知した記録媒体Pの、像保持体1の幅方向に対応する方向の長さを検知するために用いられている。詳細には、これらの検知部72は、レール部材64の延伸方向に沿って間隔を空けて、手差し用記録媒体収納部54の一端側から他端側に渡る領域に複数設けられている。
これらの検知部72は、主制御部12に電気的に接続されており、各々の検知部72を識別する情報(検知部72のレール部材64の延伸方向における位置、及び記録媒体移動機構62に設けられた検知部であることを示す情報)と共に、記録媒体Pの検知の有無を示す信号を、主制御部12に送出するように構成されている。
なお、記録媒体収納部56に設けられた記録媒体移動機構60は、記録媒体移動機構62と同じ構成とされているため、詳細な説明を省略する。なお、記録媒体収納部56についても、上記手差し用記録媒体収納部54に設けられた検知部72と同様に、複数の検知部(図示省略)が設けられており、主制御部12に電気的に構成されている。なお、記録媒体移動機構60に設けられた検知部72は、識別情報として、検知部72のレール部材64の延伸方向における位置、及び記録媒体移動機構60に設けられた検知部であることを示す情報を主制御部12に送出するように構成されている。
なお、上記検知部72、搬送駆動部41、カウンタ58、画像形成部20C、画像形成部20M、画像形成部20Y、画像形成部20K、及び画像形成装置10に設けられた装置各部は、主制御部12に電気的に接続されている。
以下、上記Y色(イエロー)、M色(マゼンタ)、C色(シアン)、及びK色(ブラック)毎に備えられた各構成要素を、色毎に区別しないで説明する場合は、符号末尾の添字Y、M、C、Kを省略して説明する。
次に、本実施の形態の画像形成装置10の主制御部12について説明する。
主制御部12は、CPU(中央演算処理装置)、後述する移動処理ルーチンを示すプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、各種データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。
この主制御部12を、ハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図3に示すように、主制御部12は、原稿長導出部12Aと、記録媒体移動量設定部12Bと、画像移動量設定部12Cと、記録媒体移動制御部12Dと、画像移動制御部12Eと、を含んで構成されている。
原稿長導出部12Aは、記録媒体Pに形成する対象のA4サイズや葉書サイズ等の画像(原稿)に対応する静電潜像を像保持体1上に形成したときの、該静電潜像における、該像保持体1の幅方向の長さ(以下、「静電潜像の幅方向長さ」と称する場合がある)を導出する。
具体的には、原稿長導出部12Aは、外部装置等から図示を省略する取得部を介して主制御部12に受け付けられた印刷データに基づいて、上記静電潜像の幅方向長さを導出する。
この印刷データは、画像形成装置10で記録媒体Pに形成する対象の画像の画像データ、記録媒体Pに形成する画像(原稿)の向き、該画像を形成する記録媒体Pのサイズ、該画像を連続して形成する記録媒体Pの枚数を示す情報を含んでいる。
記録媒体Pに形成する対象の画像(原稿)の向きとは、該画像を記録媒体Pに形成するときの画像の形成方向を示している。本実施の形態では、記録媒体Pに形成する対象のA4サイズや葉書サイズ等の画像(原稿)の長尺方向が、像保持体1の周方向(像保持体1の幅方向に直交する方向)と一致するような静電潜像を像保持体1上に形成する場合には、「縦方向」を示す情報が、形成対象の画像の向きを示す情報として印刷データに含まれるものとする。また、記録媒体Pに形成する対象のA4サイズや葉書サイズ等の画像(原稿)の長尺方向が、像保持体1の幅方向と一致するような静電潜像を像保持体1上に形成する場合には、「横方向」を示す情報が、形成対象の画像の向きを示す情報として印刷データに含まれるものとする。
また、画像を形成する対象の記録媒体Pのサイズを示す情報としては、例えば、A4サイズ、A3サイズ、B4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、葉書サイズ、封筒長型サイズ等が挙げられる。なお、主制御部12内には、これらの各サイズ(4サイズ、A3サイズ、B4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、葉書サイズ、封筒長型サイズ)の各々の大きさ(例えば、何ミリメートル×何ミリメートル)を示す情報が予め各サイズを示すサイズ情報に対応づけて記憶されている。
原稿長導出部12Aでは、印刷データに含まれる、画像データと、記録媒体Pに形成する対象の画像(原稿)の向きを示す情報と、該画像を形成する記録媒体Pのサイズを示す情報と、を読取り、これらの情報に基づいて、該画像データの画像を該画像の向きで該サイズの記録媒体Pに記録するために、像保持体1上に形成する、静電潜像の幅方向の長さを導出する。
記録媒体移動量設定部12Bは、記録媒体移動機構62(または記録媒体移動機構60)に載置された記録媒体Pの移動量、及び記録媒体Pの移動タイミングを設定する。
記録媒体移動量設定部12Bは、記録媒体移動機構62(または記録媒体移動機構60)に載置された記録媒体Pの移動量を示す情報、及び記録媒体Pを何枚処理する毎に、記録媒体移動機構62(または記録媒体移動機構60)に載置された記録媒体Pを移動させるか、を示す移動タイミングを示す情報、を予め記憶した記憶部13Aを含んで構成されている。
記録媒体移動量設定部12Bでは、記憶部13Aに記憶されているこれらの情報を読取ることによって、記録媒体移動機構62(または記録媒体移動機構60)に載置された記録媒体Pの移動量、及び記録媒体Pの移動タイミングを設定する。
なお、この移動量を示す情報は、予め記憶部13Aに記憶するようにしてもよいし、画像形成装置10に設けられた図示を省略する入力部から入力された移動量を示す情報や、移動タイミングを示す情報や、画像を形成する対象の記録媒体Pの種類等に応じて書換えるようにしもよい。また、記憶部13Aに、記録媒体Pの種類や記録媒体Pの長さ(搬送されるときの、像保持体1の幅方向の長さ)を示す情報に対応づけて、移動量を示す情報を予め記憶する。そして、画像形成装置10における後述する移動処理時に、画像形成対象の記録媒体Pの種類や記録媒体Pの長さを示す情報に対応する移動量を示す情報を記憶部13Aから読取るようにしてもよい。
画像移動量設定部12Cは、像保持体1に形成される静電潜像の、該像保持体1の幅方向における移動量を設定する。この移動量は、記録媒体移動量設定部12Bで設定された記録媒体Pの移動量と同じ量となるように設定される。
記録媒体移動制御部12Dは、記録媒体移動量設定部12Bで設定された記録媒体Pの移動量及び記録媒体Pの移動タイミングに基づいて、該移動タイミングによって示される枚数の記録媒体Pがカウンタ58によって計測される毎に、該移動量だけ記録媒体Pを移動させるように、記録媒体移動機構62(または記録媒体移動機構60)の搬送駆動部41を制御する。
画像移動制御部12Eは、像保持体1上の、画像移動量設定部12Cで設定された静電潜像の移動量に応じて、像保持体1の幅方向に移動した位置に、静電潜像が形成されるように、静電潜像の移動量及び移動方向を示すデータを像形成制御部22へ出力する。
上述のように構成された画像形成装置10では、画像形成装置10において記録媒体Pに形成する画像の画像データを含む印刷データが、図示を省略する入出力部を介して主制御部12へ入力される。すると、主制御部12では、印刷データに含まれる記録媒体Pに形成する対象の画像(原稿)の向きを示す情報と、該画像を形成する記録媒体Pのサイズを示す情報と、に基づいて、印刷データに含まれる画像データを、画像(原稿)を該画像の向きで該サイズの記録媒体Pに記録する画像情報に変換する。そして、変換した画像情報を、さらに、各色(Y、M、C、K)の画像情報に分解する。そして、分解した各色画像情報を、各色成分毎の光ビームの点灯データに変換すると共に、各点灯データを、画像形成部20の潜像形成装置3へ出力する。
潜像形成装置3では、この点灯データに基づいて、光ビームが点灯され、これにより、画像情報に基づく光ビームが出力されて、像保持体1上に静電潜像が形成される。
ここで、図5に示すように、潜像形成装置3では、一般に、光ビームの走査開始タイミングを検知する走査開始位置センサ3Aを備え、走査開始位置センサで検知した走査開始タイミングと同期して、例えば走査開始タイミングから予め設定されたkパルスをカウントした後、1主走査ライン分の点灯データに基づく点灯を開始することで、主走査方向の画像書出し位置を制御するようになっている。なお、この主走査方向が、像保持体1の幅方向、及び記録媒体Pの搬送方向に直交する方向に対応する。
このことを利用して、像形成制御部22では、主制御部12で設定された移動量に基づいて、各像形成制御部22のパルス数(k)の設定値を変更することで、潜像形成装置3によって像保持体1上に形成される静電潜像の位置を、像保持体1の幅方向に移動させるようになっている。なお、主制御部12で設定された、像保持体1に形成される静電潜像の移動量に基づいて、1主走査ライン分の点灯データの先頭に、点灯停止を示す点灯データを付加することでも、静電潜像の像保持体1の幅方向の位置を制御するようにしてもよい。
なお、潜像形成装置3として、像保持体1の幅方向に沿って複数のLED(Light Emitting Diode)が配列された構成の露光装置を用いた場合には、上記kパルスに対応する位置に配置されたLEDから、1主走査ライン分の点灯データに基づく点灯を開始すればよい。
像保持体1上に静電潜像が形成されると、各色トナーの貯留された現像器4によって、各像保持体1上の静電潜像がトナーにより現像され、各像保持体1上にトナー像が形成される。各像保持体1上に形成されたトナー像は、一次転写ロール5によって、中間転写体6の外側の面に順次一次転写される。この中間転写体6へのトナー像の一次転写が終了した各像保持体1は、図示を省略する除去部材によって表面に付着した残留トナーなどの付着物が除去され、図示を省略する除電器により残留電荷が除去される。
上記画像形成部20Y、画像形成部20M、画像形成部20C、及び画像形成部20Kによって、中間転写体6に順次一次転写されたトナー像は、中間転写体6の回転(図1及び図2中、矢印X方向)に伴って移動し、記録媒体収納部56(記録媒体移動機構60)または手差し用記録媒体収納部54(記録媒体移動機構62)から搬送ロール50によって二次転写装置28の位置にまで搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される。この記録媒体Pに二次転写されたトナー像は、定着器9により記録媒体P上に定着される。これによって、画像形成処理が行われて、所望の画像が記録媒体P上に形成される。
なお、本実施の形態では、像保持体1上に静電潜像を形成し、静電潜像が現像されてトナー像とされて中間転写体6に一次転写され、一次転写されたトナー像を記録媒体Pに二次転写する一連の処理を、「画像形成処理」と称して説明する。
記録媒体P上へのトナー像の一次転写の終了した中間転写体6は、ベルトクリーナ8により表面に付着した残留トナーなどの付着物が除去されて、一回の画像形成処理が終了する。
次に、主制御部12で実行される移動処理ついて説明する。
主制御部12では、図示を省略する電源スイッチが操作されることで画像形成装置10の装置各部に電力が供給され、印刷実行指示を示す指示信号を受け付けると、図3に示す移動処理ルーチンが実行される。
ステップ100では、印刷データを読取る。
次のステップ102では、上記ステップ100で取得した印刷データに基づいて、印刷データに含まれる、画像データと、記録媒体Pに形成する対象の画像(原稿)の向きを示す情報と、該画像を形成する記録媒体Pのサイズを示す情報と、を読取り、これらの情報に基づいて、記録媒体Pに形成する対象のA4サイズや葉書サイズ等の画像(原稿)に対応する静電潜像を像保持体1上に形成したときの、該静電潜像における、該像保持体1の幅方向の長さ(静電潜像の幅方向長さA)を導出する。
このステップ102の処理は、原稿長導出部12Aで行われる。
次のステップ104では、上記ステップ102で導出した、静電潜像の幅方向の長さAが、像保持体1の最大作像領域の、該像保持体1の幅方向の長さ未満であるか否かを判別する。なお、この「最大作像領域」とは、像保持体1の表面における静電潜像の形成される最大領域を示している。この最大作像領域を示す情報、像保持体1の大きさ等に応じて、予め主制御部12に記憶されているものとする。
なお、主制御部12では、像保持体1の最大作像領域の該幅方向(像保持体1の幅方向)の長さを示す情報を予め記憶している。
なお、本実施の形態では、ステップ104の判断では、静電潜像の幅方向の長さAが、像保持体1の最大作像領域の該幅方向の長さ未満であるか否かを判別するが、ステップ104では、静電潜像の幅方向の長さAが、像保持体1の最大作像領域の該幅方向の長さの1/N以下(Nは2以上の整数)であるか否かを判別するようにしてもよい。
すなわち、ステップ104の判断によって、搬送ロール50によって搬送されるときの記録媒体Pにおける像保持体1の幅方向に対応する方向の長さが、像保持体1の最大作像領域(像保持体1の静電潜像の形成される最大領域)の該幅方向の長さより小さいか否かが判別されることとなる。
ステップ104で肯定されると、ステップ106へ進み、2枚以上連続して同じ大きさの記録媒体Pに画像形成を行うか否かを判別する。ステップ104の判断は、上記ステップ100で読取った印刷データに含まれる、画像を連続して形成する記録媒体Pの枚数を示す情報を読取り、該記録媒体Pの枚数を示す情報が、2以上を示す情報であるときに、肯定判断すればよい。
ステップ106で肯定されると、ステップ107へ進む。
ステップ107では、画像を形成する対象の記録媒体Pが載置されている記録媒体移動機構を判別する。詳細には、ステップ107では、上記ステップ100で読取った印刷データに含まれる画像を形成する記録媒体Pのサイズを示す情報を読取り、該情報に対応するサイズの記録媒体Pが、記録媒体移動機構62に載置されているか、記録媒体移動機構60に載置されているかを、検知部72からの入力信号を読取ることによって判別する。
次のステップ108では、上記ステップ107で判別された記録媒体移動機構62または記録媒体移動機構60(以下、説明を簡略化するために、ステップ107では、記録媒体移動機構62が判別されたものとして説明する)に載置された記録媒体Pの移動量と、該記録媒体Pに画像を形成するために像保持体1に形成される静電潜像の、該像保持体1の幅方向における移動量を設定する。
ステップ108の処理は、記録媒体移動量設定部12B及び画像移動量設定部12Cで行われる。
次のステップ110では、記録媒体移動機構62に載置された記録媒体Pの移動タイミング(記録媒体M枚毎に移動)を設定する。ステップ110の処理は、記録媒体移動量設定部12Bで行われる。
次のステップ112では、上記ステップ107で設定した記録媒体移動機構62の搬送駆動部41に、初期位置への移動指示を示す指示信号を出力する。該初期位置への移動指示信号を受け付けた記録媒体移動機構62の搬送駆動部41では、初期位置として予め設定された位置へ記録媒体移動機構62を移動させる。例えば、ステップ112に処理によって、検知部72が支持部材68Aによって隠れる位置にまで、記録媒体移動機構62が移動される。
次のステップ114では、カウント値をリセットする信号をカウンタ58へ出力する。リセット信号を受け付けたカウンタ58では、記録媒体Pの枚数カウント値を“0”にする。
次のステップ115では、1枚の記録媒体Pへの画像形成を開始することを示す画像形成処理開始指示信号を、画像形成装置10の装置各部へ出力する。ステップ115の処理によって、1枚の記録媒体Pに画像を形成する画像形成処理が実行される。
次のステップ116では、カウンタ58による記録媒体Pのカウント値Nが、上記ステップ110で設定した枚数Mと同じ値であるか否かを判別する。
ステップ116で否定されると、ステップ118へ進み、画像形成処理を終了するか否かを判別し、肯定されると本ルーチンを終了し、否定されると、ステップ115へ戻る。
ステップ118では、上記ステップ107で判別した記録媒体移動機構62に記録媒体Pが無くなったことを検知したときに肯定判断するようにしてもよいし、印刷データに含まれる、画像を連続して形成する記録媒体Pの枚数を示す情報に基づいて、該枚数の記録媒体Pの処理を終了したときに、肯定判断するようにしてもよい。なお、記録媒体Pが無くなったか否かの判断は、記録媒体移動機構62の複数の検知部72の全てによる検知結果が、記録媒体無しを示す結果であるときに、記録媒体P無し、と判別すればよい。
一方、上記ステップ116で肯定されると、ステップ120へ進む。
ステップ120では、上記ステップ108で設定された静電潜像の移動量に応じて、像保持体1の幅方向に移動した位置に静電潜像が形成されるように、静電潜像の移動量及び移動方向を示す指示信号を潜像形成装置3へ出力する。この処理は画像移動制御部12Eによって行われる。
潜像形成装置3では、該指示信号を受け付けると、該指示信号に含まれる移動量及び移動方向に基づいて、パルス数(k)の設定値を変更する。これによって、再度、上記ステップ115の画像形成開始指示信号が出力されたときには、潜像形成装置3では、変更されたkパルスを、走査開始タイミングからカウントした後、1主走査ライン分の点灯データに基づく点灯を開始し、主走査方向(像保持体1の幅方向)の画像書出し位置が該移動量及び該移動方向に移動する。
なお、ステップ120で潜像形成装置3へ出力される指示信号に含まれる移動方向を示す情報は、像保持体1上に形成される静電潜像の位置が、像保持体1の最大作像領域の一端部から他端部に向かって移動して該他端部に到達したときには、逆方向(他端部から一端部に向かう方向)へ移動するように設定される。そして、該静電潜像の位置が該一端部に到達したときには、該一端部から他端部に向かう方向に移動するように設定される。
なお、この静電潜像の位置が、像保持体1の最大作像領域における、像保持体1の幅方向の一端部であるのか、他端部であるのか、の判別は、例えば、上記パルス数kの値に応じて静電潜像の位置を示す情報を予め記憶しておいて、該パルス数kの値に対応する静電潜像の位置を示す情報を読取ることによって判別すればよい。
次のステップ122では、上記ステップ108で設定された記録媒体Pの移動量に応じて、記録媒体移動機構62によって保持された記録媒体Pが、像保持体1の幅方向に対応する方向に移動するように、記録媒体Pの移動量及び移動方向を示す指示信号を、搬送駆動部71へ出力する。
なお、この指示信号に含まれる移動方向は、上記ステップ120で像形成制御部22へ出力される指示信号に含まれる移動方向と同じ方向を示す情報である。すなわち、像保持体1の幅方向における、静電潜像の移動方向と、記録媒体Pの移動方向と、が同じ方向となるように、搬送駆動部41へ出力する指示信号に含まれる移動方向を示す情報が調整される。
搬送駆動部41は、該指示信号を受け付けると、該指示信号に含まれる移動量及び移動方法に基づいた移動量及び移動方向に、記録媒体移動機構62を移動させる。この制御は、記録媒体移動制御部12Dによって行われる。
ステップ122の処理が終了すると、上記ステップ114へ戻る。
一方、上記ステップ104で否定された場合、または上記ステップ106で否定された場合には、ステップ130へ進み、記録媒体P及び静電潜像の移動を行わない、通常の公知の画像形成処理が実行された後に、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置10によれば、搬送ロール50によって搬送される記録媒体Pの、像保持体1の幅方向における長さが、該像保持体1の最大作像領域の該幅方向における長さより小さい記録媒体Pに、複数枚連続して画像を形成するときには、該記録媒体Pに予め定められた枚数の画像を形成する度に、該記録媒体Pを記録媒体Pの搬送方向に交差する方向(像保持体1の幅方向に対応する方向)に予め定めた移動量だけ移動させると共に、静電潜像が該移動量だけ移動した位置に形成されるように静電潜像の形成位置を移動させる。
ここで、このような制御を行わない従来の画像形成装置では、図7(A)に示すように、複数枚連続して同じ位置にトナー像76Aが形成されることとなり、像保持体1における該トナー像76Aの連続して形成された領域77A(図7(B)参照)と、該領域77A以外の領域77B(図7(B)参照)と、の間で、像保持体1の幅方向の厚みにばらつきが生じる場合があった。
このような厚みのばらつきが生じる原因は定かではないが、以下のように推測される。
すなわち、静電潜像の現像に用いるトナーとして研磨剤を含むトナーを用いた場合には、像保持体1上の、トナー像76Aが連続して形成された領域77Aの摩耗によって、該領域77Aの厚みが、トナー像76Aの形成されなかった領域77Bの厚みに比べて、薄くなると考えられる。一方、静電潜像の現像に用いるトナーとして、潤滑剤を含むトナーを用いた場合は、像保持体1上の、トナー像76Aが連続して形成された領域77Aに潤滑剤が付着することで厚みが生じ、トナー像76Aの連続して形成された領域77Aの厚みが、該領域77A以外の領域77Bに比べて厚くなると考えられる。
このため、像保持体1の最大作像領域1A(図7(B)参照)の像保持体1の幅方向の長さ(図7中、長さZ参照)より小さい記録媒体Pに連続して複数枚の画像を形成する場合には、像保持体1の厚みのバラツキが生じる場合があった。
一方、本実施の形態の画像形成装置10によれば、上記図4に示す移動処理が実行されるので、図6に示すように、像保持体1に形成される静電潜像82の位置が、所定枚数の記録媒体Pへの画像形成処理が行われる毎に移動する。詳細には、図6に示すように、像保持体1上に形成される静電潜像の位置が、像保持体1の幅方向の一端部(図6中、静電潜像82参照)側から、他端部側に向かって(図6中、矢印Ya方向)順次移動した位置に形成される(図6中、静電潜像82〜静電潜像82参照)。このため、像保持体1上に形成されるトナー像の位置が、静電潜像の形成される位置の移動に伴って、像保持体1の幅方向の一端部(図6中、トナー像83参照)側から、他端部側に向かって(図6中、矢印Ya方向)順次移動した位置に形成された後に、該他端部側から該一端部側に向かって順次移動する動作が繰り返されることとなる(図6中、トナー像83〜トナー像83参照)。
このため、本実施の形態の画像形成装置10によれば、像保持体1の最大作像領域1A(図7(B)参照)の像保持体1の幅方向の長さ(図7中、長さZ参照)より小さい記録媒体Pに連続して複数枚の画像を形成しても、像保持体1の幅方向の厚みにばらつきが生じることが抑制されると考えられる。
また、本実施の形態の画像形成装置10によれば、像保持体1の最大作像領域の幅方向の長さより小さい記録媒体Pとしては、特に、該像保持体1の最大作像領域の幅方向の長さの1/1.5以下や、1/3といった大きさの記録媒体について連続して画像を形成する場合に、特に効果的に像保持体1の厚みのバラツキが抑制されると考えられる。
ここで、上述のように、本実施の形態の画像形成装置10では、上記図4に示す移動処理ルーチンが実行されることによって、像保持体1上に形成される静電潜像の位置が移動して、像保持体1上に形成されるトナー像の位置が像保持体1の幅方向に移動するため、像保持体1の幅方向の厚みにばらつきが生じることが抑制されると考えられるが、記録媒体Pに形成される画像に濃度ムラが生じる場合がある。
詳細には、像保持体1上に形成されたトナー像は、一次転写ロール5によって像保持体1と一次転写ロール5との間に転写電界が形成されることで、中間転写体6側へと一次転写される。このとき、像保持体1の表面のトナー像の形成されている領域には、トナー像の形成されていない領域に比べて、強い電界が形成されることとなる。本実施の形態の画像形成装置10によれば、像保持体1上に形成されるトナー像の位置が像保持体1の幅方向に移動するが、この移動によって、図6に示すように、像保持体1上に今回形成されたトナー像82nの領域Q内には、前回像保持体1上に形成されたトナー像82n−1に重なる領域Pと、重なっていない領域Sと、が存在することとなる。
このため、該領域Pと該領域Sとでは、像保持体1の表面にかかる転写電界の強さが異なり、結果的に、中間転写体6に転写されるトナー像の濃度にムラが生じ、記録媒体Pに形成される画像に濃度ムラが生じる場合がある。
そこで、本実施の形態の画像形成装置10に用いられる像保持体1としては、電子写真方式の画像形成装置に用いられる公知の像保持体1が用いられるが、中でも、下記式(1)の関係を満たす像保持体1を用いることが望ましい。
|Va−Vb|≦10 ・・・式(1)
上記式(1)中、Vaは、第1の帯電条件で像保持体1を帯電させる第1の帯電部材によって像保持体1の表面電位を−700Vにした後に、表面電位を−700Vとされた該像保持体1の表面電位を−250Vにするために照射する光の光量Eの3倍の光量の光を照射し、さらに該3倍の光量の光を照射された像保持体1を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。
上記式(1)中、Vbは、前記第1の帯電部材によって像保持体1の表面電位を−700Vにした後に、第2の帯電条件で像保持体1を帯電させる第2の帯電部材によって像保持体1の表面電位を0Vとし、更に、表面電位を0Vとされた該像保持体1に前記光量Eの3倍の光量の光を照射した後に、該3倍の光量の光を照射された像保持体1を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。
上記式(1)の関係を満たす像保持体1を用いることで、転写位置における記録媒体Pのある部分と記録媒体Pの無い部分における転写電流によるストレスの差による電位の変動を抑制することができ記録媒体Pに形成される画像の濃度ムラが抑制されると考えられる。
なお、更に濃度ムラを抑制する観点から、上記式(1)中のVa及びVbは、下記式(2)の関係を満たすことが望ましい。
|Va−Vb|≦5 ・・・式(2)
上記式(1)及び式(2)におけるVa及びVbの具体的な測定方法を下記に説明する。
像保持体1の、上記式(1)及び式(2)におけるVa及びVbは、下記の表面電位測定装置を用いて測定される。
図8及び図9には、像保持体1の表面電位測定装置70の模式図を示した。
なお、図8は、表面電位測定装置70を側面からみた構成図であり、図9は、図8のI−I’線における断面模式図である。
図8及び図9に示すように、表面電位を測定する対象の像保持体1は、表面電位測定装置70のハウジング71内に設置され、その外周部には、ハウジング71の底部に固定された環状の取り付け部材76が設けられている。このため、像保持体1は、環状の取り付け部材76の円中心が、像保持体1の回転軸と同軸となるように、配置される。
また、表面電位測定装置70には、支持部77A及び支持部77Bが設けられており、像保持体1は、その一端が支持部77Aによって支持される。支持部77Aは、ステージ81上に設けられたスライド部80によって支持されており、スライド部80を、図8中矢印A方向へ移動させることで、像保持体1の他端部が支持部77Bによって支持される構成となっている。支持部77Bは、回転モータ79に連動して、像保持体1を図9中の矢印B方向に回転させるように構成されている。このときの像保持体1の回転数は任意に設定される。また、像保持体1の内周側には、詳細は後述するが基体が設けられており、この基体は、支持部77Bを介して電流測定装置78に電気的に接続されている。
一方、支持部77A及び支持部77Bによってその両端部を支持された状態の像保持体1の外周を囲む環状に設けられた上記取り付け部材76には、第1帯電装置72、電位測定装置73、第2帯電装置74、及び除電装置75が設置されている。
これらの第1帯電装置72、電位測定装置73、第2帯電装置74、及び除電装置75は、第1帯電装置72の位置を基準(0°)とし、像保持体1の回転方向(図2中、矢印B方向)の下流側を「+」の角度で表すと、電位測定装置73が90°、第2帯電装置74が180°、除電装置75が270°の角度となるように、配置されている。

なお、支持部77Aおよび支持部77B並びに回転モータ79は、像保持体1の回転軸方向(幅方向)に往復移動する自動ステージ81上に設置されている。このため、取り付け部材76に取り付けられた第1帯電装置72、電位測定装置73、第2帯電装置74、及び除電装置75に対して、像保持体1がその軸方向に相対的に移動可能に構成されている。
以下、上記表面電位測定装置70の各構成要素について説明する。
第1帯電装置72は、像保持体1を帯電させるものである。本実施の形態においては、第1帯電装置72は、金属の円柱状の芯体上に、直径12mmの円筒状のゴムロール部材の配置された帯電部材を備えた装置であるものとして説明するが、帯電部材としてスコロトロンを用いてもよい。スコロトロンを用いる場合には、実効帯電幅が例えば330mmのスコロトロンを使用すればよい。本実施の形態では、第1帯電装置72は、上記金属の芯体に電圧を印加することで、上記ゴムロール部材を介して像保持体1の表面を帯電させる。
なお、第1帯電装置72は、図示を省略する支持部材によって、像保持体1の表面からの距離を移動可能に設けられている。
電位測定装置73は、表面電位測定装置70に搭載された像保持体1の回転方向(図9の矢印B方向)の、第1帯電装置72の下流側に配置され、第1帯電装置72によって帯電された後の像保持体1の表面電位を測定する。
電位測定装置73としては、電位測定プローブと表面電位計とで構成された装置が挙げられ、電位測定プローブとしてModel 555P−1(トレック社製)が、表面電位計としてModel 334(トレック社製)がそれぞれ使用される。なお、電位測定プローブは、像保持体1の表面から2mm離した位置に設置する。
第2帯電装置74は、画像形成装置10における転写装置(一次転写ロール5に相当)に相当する。すなわち、第2帯電装置74は、第1帯電装置72による帯電極性とは逆極性の電圧によって像保持体1の表面を帯電させる。本実施の形態においては、第2帯電装置74は、金属の円柱状の芯体上に、直径12mmの円筒状のゴムロール部材の配置された帯電部材を備えた装置であるものとして説明するが、帯電部材としてスコロトロンを用いてもよい。スコロトロンを用いる場合には、実効帯電幅が例えば330mmのスコロトロンを使用すればよい。本実施の形態では、第2帯電装置74は、上記金属の芯体に電圧を印加することで、上記ゴムロール部材を介して像保持体1の表面を帯電させる。
なお、第2帯電装置74は、図示を省略する支持部材によって、像保持体1の表面からの距離を移動可能に設けられている。
除電装置75は、像保持体1の表面に光を照射することで、露光された領域の表面電位を、該光の光量に応じた電位に調整する。
除電装置75は、ハロゲンランプを光源として用い、波長600nm以上の光のみを透過する赤フィルターを介して、像保持体1の表面に波長600nm以上の光を照射する。なお、この除電装置75から像保持体1の表面に照射される光の光量は、除電装置75における設定を変更することで、容易に調整される。
電流測定装置78は、帯電時に像保持体1に流れる電流を測定するものであり、像保持体1に接続され且つアースに接続されている。電流測定装置78として、ケースレー社製、Model614電流計が使用される。
なお、図示は省略するが、表面電位測定装置70は、制御装置を備えており、像保持体1の回転数や、第1帯電装置72や第2帯電装置74の帯電条件や、除電装置75による露光量が制御される。また、表面電位測定装置70のハウジング71は、黒色とされており、内部に配置した像保持体1の表面電位の測定は、外部から遮光された状態で行われる。
次に、上記構成の表面電位測定装置70を用いて、上記式(1)及び式(2)におけるVa及びVbの測定を行う方法を説明する。
まず、表面電位測定装置70内の温度を、20℃、湿度を40%RHに設定し、測定対象の像保持体1を、上記表面電位測定装置70内の支持部77A及び支持部77Bに取り付ける。そして、像保持体1を自動ステージ81により移動させ、像保持体1の幅方向の中央位置に、取り付け部材76に設けられている第1帯電装置72、電位測定装置73、第2帯電装置74、及び除電装置75が位置されるように、これらの装置による帯電、測定、及び除電が、像保持体1の幅方向の中央位置において行われるように設置する。
次に、第1帯電装置72及び第2帯電装置74の各々における帯電部材(ゴムロール部材)を、像保持体1の表面に接触させて配置する。
この状態で、上記式(1)におけるVa及びVbを測定する。
まず、上記式(1)におけるVaの測定方法を詳細に説明する。
第1帯電装置72及び第2帯電装置74による帯電、及び除電装置75による露光を行わない状態で、像保持体1を回転モータ41により回転数100rpmで定速回転させる。そして、この回転数100rpmの像保持体1の定速回転を維持したまま、第1帯電装置72による像保持体1の帯電のみを開始して、該第1帯電装置72の帯電部材にマイナス極性の電圧を印加しながら印加電圧値を変更し、電位測定装置73によって測定される像保持体1の表面電位が−700Vとなったときの帯電条件を第1帯電条件とした。
そして、この第1帯電条件に設定された第1帯電装置72によって像保持体1の表面を帯電しながら像保持体1を5回転させたときに、除電装置75による露光を開始した。このとき、除電装置75から像保持体1の表面に照射される光の光量は、表面電位−700Vの該像保持体1の表面電位を−250Vにするための光の光量Eの3倍の光量(3×E)とした。また、像保持体1の回転は、上記定速回転を維持したままとした。
これによって、上記5回転の回転によって、第1帯電条件に設定された第1帯電装置72によって帯電されて−700Vの表面電位とされた像保持体1は、上記光量Eの3倍の光量の光が除電装置75から照射される。
そして、像保持体1における、除電装置75から光の照射された領域は、像保持体1の回転(図9中矢印B方向)によって、再度、第1帯電装置72によって帯電される位置に到達して、上記第1帯電条件で帯電された後に、電位測定装置73によって表面電位が測定される。このとき、電位測定装置73によって測定される表面電位が、上記式(1)中の、Vaに相当する。
次に、上記式(1)におけるVbの測定方法を詳細に説明する。
第1帯電装置72及び第2帯電装置74による帯電、及び除電装置75による露光を行わない状態で、像保持体1を回転モータ41により回転数100rpmで定速回転させる。そして、この回転数100rpmの像保持体1の定速回転を維持したまま、上記第1帯電条件に設定された第1帯電装置72によって像保持体1の表面を帯電しながら像保持体1を5回転させて該像保持体1の表面電位を−700Vとした。そして、この5回転させたときに、第1帯電装置72とは逆極性の電圧を印加する第2帯電装置74による帯電を開始して、該第2帯電装置74の帯電部材にプラス極性の電圧を印加しながら印加電圧値を変更し、電位測定装置73によって測定される像保持体1の表面電位が0Vとなったときの帯電条件を第2帯電条件とした。
そして、第2帯電装置74による帯電によって、像保持体1の表面電位が0Vとされたときに、除電装置75による露光を開始した。このとき、除電装置75から像保持体1の表面に照射される光の光量は、Vaの測定時と同様に、上記光量Eの3倍の光量(3×E)とした。
これによって、上記5回転の回転によって、第1帯電条件に設定された第1帯電装置72によって帯電されて−700Vの表面電位とされた像保持体1は、第2帯電条件に設定された第2帯電装置74によって表面電位を0Vとされた後に、上記光量Eの3倍の光量の光が除電装置75から照射される。
そして、像保持体1における、除電装置75から光の照射された領域は、像保持体1の回転(図9中矢印B方向)によって、再度第1帯電装置72によって帯電される位置に到達し、上記第1帯電条件で帯電されて、電位測定装置73によって表面電位が測定される。このとき、電位測定装置73によって測定される表面電位が、上記式(1)中の、Vbに相当する。
上記式(1)を満たす像保持体1としては、具体的には、下記構成の像保持体1とすることが望ましい。
像保持体1は、導電性基体90上に、下引層92、電荷発生層94、及び電荷輸送層96が順に設けられた構成とされている。
導電性基体90としては、導電性の部材である。なお、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。また、本実施形態における体積抵抗率は20℃における体積抵抗率とする。
本実施形態に係る電荷発生層94は、光を照射されることで電荷を発生する層であり、電荷発生材料および結着樹脂を含有する層である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。電荷発生材料としては、380nm以上500nm以下の露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が望ましく、700nm以上800nm以下の露光波長の光源を用いる場合には金属および無金属フタロシアニン顔料が望ましい。また、電荷発生材料としては、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが望ましい。
電荷発生層94に使用される結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。ここで「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
電荷発生層94は、上記電荷発生材料および結着樹脂を溶剤中に分散した塗布液を用いて形成される。
電荷輸送層96は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有するか、または高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送層96に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5が望ましい。
電荷輸送層96は、上記構成材料を含有する電荷輸送層96形成用塗布液を用いて形成される。電荷輸送層96形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独または2種以上混合して用いられる。また、上記各構成材料の分散方法としては、公知の方法が使用される。
電荷輸送層96形成用塗布液を電荷発生層94の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
下引層92は、導電性基体90と電荷発生層94との間に設けられている。下引層92は、本実施の形態では、結着樹脂、及び無機粒子と共に、アクセプター性化合物を含有した層であることが望ましい。
この下引層92を、アクセプター性化合物を含有した層とし、このアクセプター性化合物の含有量を調整することで、像保持体1が上記式(1)または式(2)を満たすように調整される。
アクセプター性化合物は、電荷発生層94や電荷発生層94と下引層92との界面等に蓄積される電子を受容する性質を有する化合物である。
アクセプター性化合物としては、上記特性を有する化合物であればいかなるものでも使用されるが、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。更に、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
これらのアクセプター性化合物の含有量は、像保持体1が上記式(1)を満たすように調整されればよいが、アクセプター性化合物の含有量としては、例えば、下引層92に含まれる無機粒子に対して、0.1質量%以上4質量%以下の範囲や、0.1質量%以上3質量%以下の範囲が挙げられる。
また、像保持体1が上記(2)を満たすように調整する場合には、アクセプター性化合物の含有量としては、例えば、下引層92に含まれる無機粒子に対して、0.1質量%以上2質量%以下の範囲や、0.1質量%以上1質量%以下の範囲が挙げられる。
アクセプター性化合物は、下引層92の形成時に用いられる塗布液に添加するだけでもよいし、下引き層92無機粒子表面にあらかじめ付着させておいてもよい。
無機粒子表面にアクセプター性化合物を付与させる方法としては、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させたアクセプター性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによってバラツキが生じることなく処理される。添加又は噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、バラツキが生じることなく攪拌される前に溶剤が蒸発し、アクセプター性化合物が局部的にかたまってしまいバラツキのない処理ができにくい欠点があり、望ましくない。添加又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
また、湿式法としては、無機粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて分散し、アクセプター性化合物を添加し攪拌又は分散した後、溶剤除去することでバラツキが生じることなく処理される。溶剤除去方法はろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。湿式法においては表面処理剤を添加する前に無機粒子含有水分を除去することもでき、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いてもよい。
また、無機粒子にはアクセプター性化合物を付与する前に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、所望の特性が得られるものであればよく、公知の材料から選択される。例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材等が挙げられる。特に、シランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため望ましく用いられる。更にアミノ基を有するシランカップリング剤は下引層92に良好なブロッキング性を与えるため望ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、所望の電子写真感光体特性を得られるものであればいかなるものを用いてもよいが、具体的例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの表面処理剤を用いた表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法又は湿式法を用いることがよい。また、アクセプター性化合物の付与と、カップリング剤等の表面処理剤による表面処理と、を同時に行ってもよい。
下引層92中の無機粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であれば任意に設定されるが、分散性向上の観点から、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
下引層92に含まれる無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。これは、下引層92はリーク耐性、キャリアブロック性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要であるためである。
中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子(導電性金属酸化物)を用いるのが望ましく、特に、酸化亜鉛は望ましく用いられる。
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いてもよい。
無機粒子の体積平均粒径は50nm以上2000nm以下(望ましくは60nm以上1000nm以下)の範囲であることが望ましい。また、無機粒子としては、BET法による比表面積が10m/g以上のものが望ましく用いられる。比表面積値が10m/g未満のものは帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性を得にくい傾向がある。
下引層92に含有される結着樹脂としては、良好な膜が形成されるもので、かつ、所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものでも使用可能であるが、例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が望ましく用いられる。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
なお、下引層92の形成に用いる塗布液中の、表面にアクセプター性化合物を付与させた無機粒子(アクセプター性を付与した金属酸化物)と結着樹脂、又は、無機粒子と結着樹脂との比率は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定される。
また、下引層92中には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いてもよい。
添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層形成用塗布液に添加してもよい。
下引層92の形成時に用いる塗布液を調製するための溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択される。
下引層92の形成時に用いる塗布液を調製する際の無機粒子の分散方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法が挙げられる。更に、下引層92を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
このようにして得られた下引層92の形成時に用いる塗布液を用い、導電性基体90上に下引層92が成膜される。
なお、上記実施の形態では、画像形成装置10は、いわゆるタンデム型のカラー画像形成装置である場合を説明したが、本実施の形態における画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置であり、且つ像保持体(像保持体1)に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写することで、該記録媒体P上に画像を形成する画像形成装置であればよく、タンデム型カラー画像形成装置に限定されない。例えば、中間転写体6を介さずに、像保持体1から直接記録媒体Pにトナー像を転写する画像形成装置であってもよいし、単色の画像を形成する画像形成装置であってもよいし、4サイクル型カラー画像形成装置であってもよい。
なお、中間転写体6を介さずに、像保持体1から直接記録媒体Pにトナー像を転写する場合には、像保持体1に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部材が、本発明における転写手段に相当する。
以下、本実施の形態の画像形成装置を実施例によって具体的に説明するが、これらの実施例によって限定されない。
〔実施例1〕
−像保持体Aの作製−
酸化亜鉛(体積平均粒子径70nm、テイカ社製、比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、これにシランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛顔料を得た。
得られたシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛顔料60質量と、アクセプター性化合物としてのアリザリン0.6質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径40mmのアルミニウム基材(導電性基体としてのアルミニウム基材)上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ21μmの下引層を得た。
次に、電荷発生物質としてのCuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン15重量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10重量部、n−ブチルアルコール300重量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散し、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を中間層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子(ダイキン工業株式会社社製「ルブロンL−2」、体積平均粒子径0.2μm)1質量部及びフッ素系グラフトポリマー(東亜合成株式会社社製「GF300」)0.02質量部を、テトラヒドロフラン5質量部及びトルエン2質量部とともに十分攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。一方、電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)6質量部を、テトラヒドロフラン23質量部及びトルエン10質量部に混合溶解した。この溶液に上記4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、400kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を得た。さらに、これに2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚32μmの電荷輸送層を形成することにより、像保持体Aを得た。
得られた像保持体Aについて、上述した方法により、上記式(1)におけるVa及びVbを図8及び図9に示す表面電位測定装置70を用いて測定した結果、Vaは−700Vであり、Vbも−700Vであった。
(実機評価)
画像形成装置として、700 Digital Color Press(富士ゼロックス社製)を用意した。そして、この画像形成装置を改造して、図1に示す記録媒体移動機構60、記録媒体移動機構62、検知部72、及びカウンタ58を設けた構成とした。また、画像形成装置10の制御部の機能を図3に示す機能を有する構成とし、図4に示す移動処理ルーチンを実行するためのプログラムを搭載した。
そして、記録媒体移動機構62に載置される記録媒体Pが、像保持体1の最大作像領域の幅方向(像保持体1の幅方向)の一端側(記録媒体Pの搬送方向からみて、像保持体1の最大作像領域の左端)を初期位置として載置されるように該プログラムの各種パラメータ(移動量、移動方向、移動タイミング)を設定した。また、この初期位置から、記録媒体Pに10枚連続して画像形成するたびに、記録媒体Pの位置を記録媒体Pの搬送方向に直交する方向(像保持体1の幅方向と同一)に1mm移動するように該プログラムの各種パラメータを設定した。そして、記録媒体移動機構62によって、記録媒体Pの位置が、像保持体1の最大作像領域の幅方向の他端側(記録媒体Pの搬送方向からみて、像保持体1の最大作像領域の右端)に到達すると、記録媒体Pに10枚連続して画像形成するたびに、記録媒体Pの位置が該他端側から該一端側に向かって1mm移動するように該プログラムを設定した。そして、記録媒体Pの位置を該一端側から該他端側に移動した後に、該他端側から該一端側に移動させる処理を繰り返し実行するように、該プログラムの各種パラメータを設定した。
上述のように改造した700 Digital Color Press(富士ゼロックス社製)に像保持体Aを装着し、20℃、40RH%の環境下において、葉書サイズの記録媒体(A6サイズの用紙:用紙幅105mm、用紙長さ148.5mm)へ、該葉書サイズの記録媒体の長尺方向を搬送方向として画像密度100%、原稿における面積率20%の画像を8万枚印刷した後に、A3サイズの記録媒体(A3サイズの用紙:用紙幅297mm、用紙長さ420mm)1枚に、該A3サイズの記録媒体の長尺方向を搬送方向として画像密度50%のハーフトーン画像(原稿における面積率100%)を印刷した。
―濃度ムラ評価―
上記A3サイズの記録媒体に形成されたハーフトーン画像について、画像の中央部の濃度と、端部の濃度と、について、X−Rite社製Densitospectrometerを使用して各々10点について測定し、測定された濃度のうちの最大濃度と最小濃度との差を、ΔDで示し、以下の評価基準により評価した。
尚、ΔDが小さいほど、濃度ムラが抑制されていることを示す。
◎:ΔD≦0.2
○:0.3≧ΔD>0.2
△:ΔD>0.3(但し1箇所のみであり許容範囲内)
×:ΔD>0.3(複数箇所発生であり許容範囲外)
―像保持体の厚みのばらつき評価―
上記葉書サイズへの記録媒体への8万枚の画像形成後に、上記A3サイズの記録媒体1枚への画像形成を行った後の、像保持体Aを画像形成装置から取り出して、像保持体Aの膜厚の測定を行った。詳細には、この像保持体Aの幅方向の、最大作像領域の一端側から他端側に向かって等間隔をあけた10点について膜厚を測定し、最大値と最小値との差ΔTを求め、下記評価基準により、厚みのばらつきを評価した。
◎:ΔT≦1μm
○:1μm<ΔT≦2μm
△:2μm<ΔT≦3μm
×:3μm<ΔT
(実施例2)
実施例1で用いた像保持体Aにおいて、下引層にアリザリン0.6質量部を添加しなかった(すなわち、アクセプター性化合物を含まない下引層とした)以外は、該像保持体Aと同じ条件及び同じ製法で像保持体Bを作製した。
そして、実施例1で用いた像保持体Aに変えて、像保持体Bを用いた以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で用いた像保持体Aにおいて、下引層のアリザリン添加量を0.6質量部から0.06質量部に変更した以外は、該像保持体Aと同じ条件及び同じ製法で像保持体Cを作製した。
そして、実施例1で用いた像保持体Aに変えて、像保持体Cを用いた以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1で用いた像保持体Aにおいて、下引層のアリザリン添加量を0.6質量部から0.3質量部に変更した以外は、該像保持体Aと同じ条件及び同じ製法で像保持体Dを作製した。
そして、実施例1で用いた像保持体Aに変えて、像保持体Eを用いた以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、記録媒体(葉書サイズの記録媒体)の記録媒体Pの位置を記録媒体Pの搬送方向に直交する方向させずに、該方向の中央部に固定した状態で、画像形成を行った以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例2において、記録媒体(葉書サイズの記録媒体)の記録媒体Pの位置を記録媒体Pの搬送方向に直交する方向させずに、該方向の中央部に固定した状態で、画像形成を行った以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例3において、記録媒体(葉書サイズの記録媒体)の記録媒体Pの位置を記録媒体Pの搬送方向に直交する方向させずに、該方向の中央部に固定した状態で、画像形成を行った以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例4において、記録媒体(葉書サイズの記録媒体)の記録媒体Pの位置を記録媒体Pの搬送方向に直交する方向させずに、該方向の中央部に固定した状態で、画像形成を行った以外は、実施例1と同じ条件で画像形成を行い、実施例1と同じ条件で、濃度ムラ評価及び像保持体の厚み評価を行った。
評価結果を表1に示した。
1(1Y、1M、1C、1K) 像保持体、2(2Y、2M、2C、2K) 帯電器、3(3Y、3M、3C、3K) 潜像形成装置、4(4Y、4M、4C、4K) 現像器、5(5Y、5M、5C、5K) 一次転写ロール、6 中間転写体、7(7Y、7M、7C、7K) 除去部材、8 ベルトクリーナ、9 定着器、10 画像形成装置、12 主制御部、12A 原稿長導出部
12B 記録媒体移動量設定部、12C 画像移動量設定部、12D 記録媒体移動制御部、12E 画像移動制御部、13A 記憶部、20(20Y、20M、20C、20K) 画像形成部、22 像形成制御部、28 二次転写装置

Claims (3)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    前記像保持体の表面の最大作像領域内に光を照射することによって、該像保持体の表面に前記記録媒体に形成する画像に応じた静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像とする現像手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
    前記像保持体の表面の付着物を除去する除去手段と、
    前記記録媒体を前記転写手段によって前記トナー像の転写される位置へと搬送する搬送手段と、
    前記転写手段より前記記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記転写手段によって前記トナー像が転写される位置へと搬送される前の前記記録媒体を、前記像保持体の幅方向に対応する方向へ移動させることによって、前記転写手段の幅方向に対する該記録媒体の位置を変更する移動手段と、
    前記搬送手段によって搬送されるときの前記記録媒体の、前記像保持体の幅方向に対応する方向の長さが、前記像保持体の前記最大作像領域の前記幅方向における長さより小さい記録媒体に、複数枚連続して画像を形成するときに、該記録媒体に予め定められた枚数画像を形成する度に、該記録媒体を前記幅方向に対応する方向へ第1の移動量だけ移動させるように前記移動手段を制御すると共に、前記静電潜像が前記幅方向へ前記第1の移動量だけ移動した位置に形成されるように前記潜像形成手段を制御する、制御手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記像保持体が、下記式(1)を満たす請求項1に記載の画像形成装置。
    |Va−Vb|≦10 ・・・式(1)
    (式(1)中、Vaは、第1の帯電条件で前記像保持体を帯電させる第1の帯電部材によって前記像保持体の表面電位を−700Vにした後に、表面電位を−700Vとされた該像保持体の表面電位を−250Vにするために照射する光の光量Eの3倍の光量の光を照射し、さらに該3倍の光量の光を照射された該像保持体を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。式(1)中、Vbは、前記第1の帯電部材によって前記像保持体の表面電位を−700Vにした後に、第2の帯電条件で該像保持体1を帯電させる第2の帯電部材によって該像保持体の表面電位を0Vとし、更に、表面電位を0Vとされた該像保持体に前記光量Eの3倍の光量の光を照射した後に、該3倍の光量の光を照射された該像保持体を前記第1の帯電部材によって帯電させたときの該像保持体の表面電位を示す。)
  3. 前記式(1)中のVaとVbが、下記式(2)の関係を満たす請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
    |Va−Vb|≦5 ・・・式(2)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019152821A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成制御方法
US10996609B2 (en) * 2018-12-13 2021-05-04 Kyocera Document Solutions Inc. Image forming apparatus provided with a fixing belt and sheet width position adjustment mechanism

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