JP3814555B2 - 電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは保護層を有する電子写真感光体に関する。また、本発明は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写及びクリーニング等の電気的あるいは機械的外力が直接に加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、トナー、紙及びクリーニング部材等との接触による感光体表面の摩耗やキズの発生、また、帯電時に発生するオゾン及びNOx等の活性物質の付着による感光体表面の劣化に対する耐久性が要求される。
【0003】
電子写真感光体に要求される上記のような特性を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなされている。中でも、樹脂を主成分とする保護層は数多く提案されている。例えば、特開昭57−30846号公報には樹脂と導電性金属酸化物粒子を含有する表面保護層が提案されている。そして、このような保護層に用いることのできる金属酸化物、すなわち導電性粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンがドープされた酸化スズ等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、酸化亜鉛や酸化チタンがドープされた酸化スズ、また酸化スズがドープされた酸化インジウム等の導電性粒子と結着樹脂を含有する保護層の抵抗は、低湿下で高くなり、高湿下で低くなる傾向がある。このような保護層を有する電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジや電子写真装置においては、低湿下で画像濃度薄や耐久濃度変化、高湿下で画像流れやゴーストなどの画像欠陥が生じることになる。特に、高湿下での帯電性悪化に伴った画像流れやポジゴーストが発生し易い。このような保護層の抵抗の環境変動を抑えるためには、該導電性粒子に表面処理を施す方法が知られている。しかしながら、表面処理を施すにはいくつかの製造工程を増やす必要があるばかりでなく、表面処理後の実処理量が安定しにくく、厳しく工程管理をしなければならないといった難点がある。導電性粒子の表面処理を施さずに、保護層の抵抗の環境変動を抑えることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、導電性粒子及び結着樹脂を含有する保護層を持つ電子写真感光体において、導電性粒子に表面処理を施すことなく保護層の抵抗の環境変動を小さくすることである。
【0006】
また、本発明の目的は、該保護層を持つ電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置において、低湿下での初期からの画像濃度薄や耐久濃度変化、高湿下での画像流れやゴースト等の画像欠陥が無いだけでなく、繰り返し使用時の環境に関係なく安定して高品位の画像を得ることのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置において、
該帯電手段が、導電性無機粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備えた帯電粒子担持体から構成され、該帯電粒子を該電子写真感光体に接触させて電子写真感光体表面を帯電する帯電装置であり、
該帯電粒子が5×10 5 −100×10 5 cm 2 /cm 3 の比表面積、0.4−4.0μmの体積標準のメジアン径(D 50 )、1×10 -1 −1×10 9 Ω・cmの抵抗を有し、該帯電粒子の担持量を帯電粒子担持体表面粗さRaμmで除した値が0.005−1mg/cm 2 /μmであり、
該電子写真感光体が、支持体、及び該支持体上の感光層及び該感光層上の保護層を有する電子写真感光体であって、該保護層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置である。
【0008】
また、本発明は、少なくとも電子写真感光体と帯電手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
該帯電手段が、導電性無機粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備えた帯電粒子担持体から構成され、該帯電粒子を電子写真感光体に接触させて電子写真感光体表面を帯電する帯電装置であり、
該帯電粒子が5×10 5 −100×10 5 cm 2 /cm 3 の比表面積、0.4−4.0μmの体積標準のメジアン径(D 50 )、1×10 -1 −1×10 9 Ω・cmの抵抗を有し、該帯電粒子の担持量を帯電粒子担持体表面粗さRaμmで除した値が0.005−1mg/cm 2 /μmであり、
該電子写真感光体が、支持体、及び該支持体上の感光層、及び該感光層上の保護層を有する電子写真感光体であって、該保護層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0010】
【発明の実施の形態】
タングステン元素をドープした酸化スズは、一般的な優れた導電性を持つ導電性粒子である。タングステン元素をドープする量は、酸化スズに対して、0.01〜40モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜30モル%の範囲、最も好ましくは1〜20モル%の範囲である。タングステン元素の含有量が前記範囲より少ないと優れた導電性が得られにくいため好ましくなく、また、前記範囲より多くしても導電性の改善が認められにくいため好ましくない。本発明の保護層に含有される導電性酸化スズは微粒子状であって、比表面積で表して5〜200m2/gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜200m2/gの範囲、最も好ましくは30〜100m2/gの範囲である。導電性酸化スズの比表面積が前記範囲より小さいと塗膜としたときの透明度や平滑度が低下し易いため好ましくなく、前記範囲より大きいと塗料化の際に分散不良を起こし易くなるため好ましくない。
【0011】
本発明のように、タングステン元素をドープした酸化スズが、電子写真感光体の保護層に含有される導電性粒子として利用される場合、ドープ後の酸化スズの抵抗が1×102Ω・cm以下であることが好ましく、1×10-2〜1×102Ω・cmであることが好ましい。抵抗が1×102Ω・cmを超えると保護層に好ましい導電性を付与しにくくなる。また、1×10-2Ω・cmを下回る場合には、画像流れやポジゴーストが悪化したり、電位の環境変動が大きくなるなど、電子写真特性や画像特性に悪影響を与える。なお、抵抗は以下のようにして測定することができる。まず、試料を100kg/cm2の圧力をかけることによって、直径4cm、厚さ0.2cmの円盤状のペレットにする。次いで、このペレットの抵抗(Ω・cm)をハイレスタAP(三菱油化製)を用いて測定する。
【0012】
本発明のタングステン元素をドープした酸化スズが前述の課題を解決する理由としては、詳細なメカニズムはわかっていないが、本発明者らは、本発明のタングステン元素をドープした酸化スズが高い導電性を示すこと、また本発明の保護層の樹脂あるいは保護層の塗工液におけるタングステン元素をドープした酸化スズの高い分散性と関連があると推察している。すなわち、高導電性と高分散性の効果で残留電位が低く抑えられ、電荷の蓄積が減少することになる。その結果、保護層の抵抗の環境変動が小さくなり、耐久を含め電位が安定してくるため、低湿下における初期からの画像濃度薄や耐久での濃度変化が大きいという問題が発生しなくなる。また、保護層の抵抗の環境変動が小さいことから、高湿下の画像流れやポジゴーストが発生するなどの画像欠陥も無くなるので、繰り返し使用時の環境に関係なく安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が得られると考えられる。すなわち、タングステン元素をドープした酸化スズを導電性粒子として使用する限り、導電性粒子に表面処理を施す必要がない。
【0013】
また、本発明のタングステン元素をドープした酸化スズを含有する保護層の抵抗の環境変動を更に小さくする方法には二つの方法がある。すなわち、タングステン元素以外の第三成分元素を含有させる方法と、前にも述べたが表面処理剤により酸化スズ粒子に表面処理を施すことである。
【0014】
まず、第三成分元素を含有させる方法について説明する。第三成分元素は、タングステン元素をドープした酸化スズ粒子の内部あるいはその表面に含有させることができ、該酸化スズ粒子の表面に付着させると導電性の経時安定性がより一層優れたものが得られるため好ましい形態である。第三成分元素としては、銀、金、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、炭素、ケイ素、スズ、バナジウム、ニオブ、リン、ビスマス、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及び白金などの元素の少なくとも一種を用いることができ、それらの金属、及び、それらの酸化物、水酸化物などの化合物を用いることができる。例えば、ケイ素元素は、ケイ酸、ケイ酸塩、酸化ケイ素及び含水酸化ケイ素などの無機ケイ素化合物、ケイ素アルコキシド及びシリコン樹脂などの有機ケイ素化合物の状態で含有させることができる。導電性の経時安定性を改善したり、塗料化の際の分散性を改善したりするためには、タングステン元素をドープした酸化スズ粒子の表面に、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素及びスズ等の元素を含有させるのが好ましく、特にケイ素がより好ましい。導電性をより一層改善るために、ニオブやリンの元素をドーパントとしてタングステン元素をドープした酸化スズ粒子の内部に含有させてもよい。第三成分元素の含有量は、酸化スズに対して、0.01〜30モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜20モル%の範囲、最も好ましくは0.1〜10モル%の範囲である。第三成分元素の含有量が前記範囲より少ないと添加した効果が現れにくいため好ましくなく、また、前記範囲より多くしてもより一層の改善が認められにくく、しかも、導電性を低下させ易いため好ましくない。第三成分元素を含有させた導電性酸化スズも微粒子状であって、前記の導電性酸化スズと同様の理由から、比表面積で表して5〜200m2 /gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜200m2/gの範囲、最も好ましくは30〜100m2/gの範囲である。
【0015】
次に、酸化スズの表面を処理する方法について説明する。この方法では、表面処理により、酸化スズ粒子の分散性及び分散安定性を向上させるだけでなく、特に保護層の抵抗の環境変動を抑制することができる。表面処理に用いられる表面処理剤としては、各種のシランカップリング剤、シリコーンオイル、シロキサン化合物及び界面活性剤等が挙げられる。特に、酸化スズ粒子の分散性及び分散安定性の点から、フッ素原子含有化合物が好ましい。
【0016】
以下にそれぞれの好ましい化合物を例示するが、これらの化合物に限定されない。
【0017】
含フッ素シランカップリング剤の例を表1に挙げる。
【0018】
【表1】
Figure 0003814555
表2にフッ素変性シリコーンオイルの例を挙げる。
【0019】
【表2】
Figure 0003814555
表3にフッ素系界面活性剤の例を挙げる。
【0020】
【表3】
Figure 0003814555
【0021】
シロキサン化合物の例である一般式(1)を挙げる。
【0022】
【化1】
Figure 0003814555
一般式(1)中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0または正の整数である。
【0023】
このシロキサン化合物を添加後分散した塗工液、または、これを表面処理した導電性微粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得られた。
【0024】
一般式(1)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、質量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0025】
本発明の酸化スズ粒子の表面処理方法は、以下の通りである。まず、本発明の酸化スズ粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合し、分散して、表面処理剤を酸化スズ粒子表面に付着させる。分散の手段としてはボールミルやサンドミル等の通常の分散手段が用いられる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、酸化スズ粒子表面に表面処理剤を固着させればよい。また、必要に応じてこの後更に熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加してもよい。更に、必要に応じて表面処理後の酸化スズ粒子に更に粉砕処理を施してもよい。表面処理剤の割合は、酸化スズの粒径にもよるが、酸化スズ全質量に対し、1〜65質量%であることが好ましく、特には5〜50質量%であることが好ましい。
【0026】
本発明においては、保護層の離型性、撥水性及び表面滑性を向上させる目的で保護層中にフッ素原子含有樹脂粒子を含有させることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体が挙げられ、これらの中から一種あるいは二種以上を適宜選択して用いられる。特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は、適宜選択することができ、特に限定されない。
【0027】
保護層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は、保護層全質量に対し70質量%以下であることが好ましく、特には10〜60質量%であることが好ましい。フッ素原子含有樹脂粒子の割合が70質量%を超えると保護層の機械的強度が低下し易くなることがある。
【0028】
本発明の保護層の抵抗は、1×1010〜1×1015Ω・cmであることが好ましく、特には1×1011〜1×1014Ω・cmであることが好ましい。抵抗が1×1010Ω・cmに満たないと、電荷を保持しにくくなり、画像流れやポジゴーストが発生し易くなる。逆に、抵抗が1×1015Ω・cmを超えると、電荷が移動しにくくなり、濃度薄及びネガゴーストが発生し易くなる。抵抗は以下のようにして測定することができる。まず、電極間距離(D)180μm、長さ(L)5.9cmのクシ型白金電極上に、厚さ(T)4μmの本発明の保護層を設ける。次に、クシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)をpA(ピコアンペア)メーターによって測定し、下記式によって抵抗ρvを得る。
【0029】
【式1】
Figure 0003814555
【0030】
本発明においては、分散性、結着性及び耐候性等を向上させる目的で、保護層中にカップリング剤や酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0031】
本発明の保護層の膜厚は0.2〜10μmであることが好ましく、特には0.5〜6μmであることが好ましい。
【0032】
本発明の保護層はタングステン元素がドープされた酸化スズと結着樹脂を含有する。本発明の酸化スズの含有量は保護層全質量に対し、40〜85質量%であることが好ましく、特には50〜75質量%であることが好ましい。含有量が40質量%に満たないと十分な導電性を得にくくなり易く、85質量%を超えると十分な機械的強度を得にくくなり易い。
【0033】
保護層に用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ホスファゼン樹脂、メラミン樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの結着樹脂は単独で用いることも、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
上記結着樹脂の中でも、保護層の硬度、耐摩耗性、更には粒子の分散性、分散液の安定性の点から硬化性樹脂が好ましい。この場合、熱または光によって硬化するモノマーまたはオリゴマーを含有する溶液に本発明の酸化スズ粒子を分散した塗工液を感光層上に塗布し、乾燥した後、熱または光の照射によって該塗布膜を硬化させて保護層を形成する。このような硬化性樹脂としては、特にはフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びシロキサン樹脂であることが好ましい。中でも、表面保護層の抵抗の環境変動が小さい点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。フェノール樹脂の抵抗の環境変動を小さくする効果は、本発明のタングステン元素ドープ酸化スズにより保護層の抵抗環境変動を小さくする効果を打ち消すことなく、逆に相乗効果が得られ好ましい。特には、表面硬度が硬く、耐磨耗性に優れ、微粒子の分散性、分散後の安定性にも優れるという点から熱硬化型レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0035】
硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つのタイプがあり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾールタイプと、ホルムアルデヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラックタイプに分けられる。
【0036】
レゾールタイプは、アルコール類やケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。一方、ノボラックタイプは一般にそのまま加熱しても硬化はしないが、パラホルムアルデヒドやヘキサメチレンテトラミン等のホルムアルデヒド源を加えて加熱することで硬化物を生成する。
【0037】
一般的に工業的には、レゾールは塗料、接着剤、注型品及び積層品用のワニスとして利用され、ノボラックは主として成形材料や結合剤として利用されている。
【0038】
本発明における結着樹脂として利用されるフェノール樹脂は、上記のレゾールタイプ及びノボラックタイプのどちらでも利用可能であるが、硬化剤を加えることなく硬化することや、塗料としての操作性等からレゾールタイプを用いることが好ましい。
【0039】
本発明ではこれらのフェノール樹脂を1種類または2種類以上混合して用いることができ、また、レゾールタイプとノボラックタイプを混合して用いることも可能である。また、本発明に使用されるフェノール樹脂は、公知のフェノール樹脂であればいかなるものを用いてもよい。
【0040】
本発明の表面保護層は、硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解または希釈して得た塗工液を感光層上に塗工して成形することが好ましく、これによって塗工後に重合反応が起きて硬化層が形成される。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、表面保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
【0041】
なお、本発明において「樹脂が硬化している」とは、樹脂、または、保護層が、溶液状態で存在する時の溶媒に湿潤しても表面保護層がほぼ溶解しない状態のことをいう。例えば、樹脂がフェノール樹脂を用いた表面保護層の場合は、溶媒のメタノールやエタノール等のアルコール溶剤に湿潤しても表面保護層がほぼ溶解しない状態のことをいう。
【0042】
次に、本発明の電子写真感光体が有する支持体について説明する。支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル及びインジウム等の金属をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0043】
支持体の形状としてはドラム状、シート状及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適した形状にすることが望ましい。
【0044】
次に、本発明の電子写真感光体の感光層について説明する。感光層の構成は電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する単層型と、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0045】
感光層が積層型の場合、電荷発生物質としては、セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機系電荷発生物質;ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエアリウム塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系顔料等の多環キノン顔料;インジゴ系顔料;キナクリドン系顔料;及びアゾ系顔料等が挙げられる。電荷発生層は、これらの電荷発生物質を真空蒸着装置によって蒸着層として形成したり、あるいは結着樹脂に分散または溶解した塗工液を塗布し、乾燥することによって塗布層として形成することができる。
【0046】
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニルアルコール等の樹脂が挙げられる。
【0047】
電荷発生層中に含有する結着樹脂は、電荷発生層全質量に対して80質量%以下であることが好ましく、特には50質量%以下であることが好ましい。
【0048】
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることが好ましい。
【0049】
電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合物;ヒドラゾン化合物;及びスチリル化合物等の電荷輸送物質を結着樹脂に溶解した塗工液を塗布し、乾燥することにより形成される。
【0050】
結着樹脂としては、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン、あるいはこれらの共重合体、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー及びスチレン−マレイン酸コポリマー等が挙げられる。また、このような絶縁性ポリマーの他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーも使用することができる。
【0051】
結着樹脂と電荷輸送物質との割合は、結着樹脂100質量部当たり電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましい。
【0052】
また、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
【0053】
感光層が単層型の場合、感光層は、上述の電荷発生物質及び電荷輸送物質を上述の結着樹脂中に分散及び溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0054】
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。
【0055】
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶アミド、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。下引層は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.2μm〜3μmであることが好ましい。
【0056】
露光がレーザー光の場合は、干渉縞の防止のために下引層と支持体の間に導電層を設けることが好ましい。導電層はカーボンブラック及び金属粒子等の導電性粉体を結着樹脂中に分散した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には5〜30μmであることが好ましい。
【0057】
上述した各種層は、適当な有機溶剤を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等のコーティング法によって形成することができる。
【0058】
次に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置について説明する。
【0059】
該表面保護層を有する電子写真感光体を搭載したプロセスカ−トリッジや電子写真装置の帯電方式としては、放電帯電方式が主流である。放電帯電方式には、コロナ帯電のような非接触の帯電方式と、放電による接触帯電部材として導電ローラー(帯電ローラー)を用いた接触帯電方式がある。後者は、接触帯電部材と被帯電体との隙間に生じる放電現象による放電生成物で被帯電体表面が帯電する機構である。接触帯電方式であるローラー帯電方式(ローラー帯電装置)が放電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。近年では、環境安全、部材劣化及び低電力の点で優れた帯電方式として、イオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害を生じない直接注入帯電系も考案されている。直接注入帯電とは、接触帯電部材と被帯電体との分子レベルでの接触により、直接に電荷の授受をすることにより被帯電体表面を帯電(充電)する帯電機構である。直接帯電あるいは注入帯電とも称される。現在、直接注入帯電方式の例として、磁気ブラシを用いた粒子帯電が挙げられる。
【0060】
ここで、接触密度の向上を考えると、導電粒子を使った帯電方式(粒子帯電)のほうが有利である。この時用いる導電粒子、すなわち帯電粒子の例としては導電磁性粒子が挙げられ、マグネットにより磁気ブラシ帯電部材を形成した例が提案されている。例えば、磁気ブラシ層を構成させる帯電粒子である導電磁性粒子としては、フェライト、マグネタイトなど磁性金属粒子や、これらの磁性粒子を樹脂で結着したものが用いられる。抵抗値は1×106〜1×109Ω・cmのものが用いられ、粒径については10〜50μmが用いられる。
【0061】
しかし、従来の磁気ブラシ帯電においては、接触密度の向上に限界がある。そこで、磁力による粒子保持から脱却し、物質間の付着力を積極的に利用する観点から粒子帯電の見直しが行われ、帯電粒子の小径化と担持量の最適化が図られた。その結果、帯電性能の向上と粒子脱落の弊害解消を両立させることができる、粒子帯電タイプの帯電装置が開発されている。具体的には、比表面積が5×105〜100×105cm2/cm3、体積標準のメジアン径(D50)が0.4〜4.0μmである導電粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備え、該帯電粒子を担持する帯電粒子担持体により構成された帯電部材を電子写真感光体に当接させることで担持の帯電粒子を電子写真感光体に接触させて電子写真感光体を帯電する帯電装置であり、該帯電粒子担持体上に担持した帯電粒子の抵抗が1×10-1〜1×109Ω・cmであり、該粒子の担持量を該帯電粒子担持体表面粗さRa μmで除した値が0.005〜1mg/cm2/μmであることが好ましい。すなわち、帯電粒子の粒径を小さくすることにより、該帯電粒子を帯電部材の帯電粒子担持体上に高密度に保持でき、帯電性能を向上することが可能となる。また、帯電粒子が被帯電体へ脱落した場合もその影響を抑えることができる。加えて、帯電粒子の担持量を担持体表面粗さに対し一定範囲内に調節することにより、帯電性能の確保と脱落量の低減を両立するわけである。
【0062】
このような小粒径の帯電粒子による粒子帯電方式、すなわち上記の物性を有する小粒径の導電無機粒子を主成分とする帯電粒子を用い、帯電粒子の担持量を担持体表面粗さに対し一定範囲内に調節する粒子帯電方式では、電子写真感光体に対する帯電粒子の接触密度が高くなっているため、この方式自体で十分に優れた帯電性を示す。更に、本発明のタングステン元素をドープした酸化スズを導電性粒子として保護層に用いることで、より帯電性を向上させることができる。これは、タングステン元素をドープした酸化スズでは、導電性粒子の分散状態が著しく向上し、厳しい環境差に左右されない安定した導電性を保護層にもたらすことができ、帯電性がより安定化するためと考えられる。すなわち、該小粒径の帯電粒子による粒子帯電方式と、本発明の酸化スズの相乗効果により、帯電性を更に向上させ、繰り返し使用時の環境に関係なく安定して高品位の画像を得ることのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができるようになる。
【0063】
従って、本発明の電子写真感光体は、上述のいずれの帯電装置を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に使用することができるが、上記小粒径の帯電粒子による帯電方式と組み合わせることにより、本発明の目的を確実に達成することができる。
【0064】
次に、本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の構成及び作用について説明する。
【0065】
図1の実施形態1は、非接触帯電方式である帯電装置を備え、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示したものである。101はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸102を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体101は、回転過程において、一次帯電手段103であるコロナ帯電器によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光104を受ける。こうして感光体101の周面に静電潜像が順次形成されていく。形成された静電潜像は、次いで現像手段105によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体101と転写手段106との間に感光体101の回転と同期取り出されて給紙された転写材107に、転写手段106により順次転写されていく。像転写を受けた転写材107は、感光体面から分離されて像定着手段108へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体101の表面は、クリーニング手段109によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光110により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、一次帯電手段103は、帯電ローラー等を用いた接触帯電部材であってもよく、その場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0066】
本発明においては、上述の電子写真感光体101、一次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109の少なくともひとつを感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール112等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ111とすることができる。
【0067】
図2の実施形態2は、帯電粒子を有する帯電装置を備え、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示したものである。
【0068】
1は像担持体であり、φ30mmの感光体である。この感光体lは矢印の時計方向に一定速度の周速度をもって回転駆動される。帯電ローラー2は、帯電粒子m(帯電粒子としての導電性粒子)と、帯電粒子担持体としての中抵抗層2b及び芯金2aにより構成される。帯電ローラー2は感光体1に所定の侵入量をもって当接し、接触部nを形成する。帯電ローラー2はこの帯電接触部nにおいて感光体1の回転方向と逆方向(カウンター)で回転駆動され、感光体1面に対して速度差を持って接触する。また、プリンタの画像記録時には該帯電ローラー2に帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイアスが印加されるこれにより感光体1の周面が直接注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0069】
帯電粒子は現像剤に添加して蓄積されトナーの現像とともに感光体を介して帯電ローラーに供給される。60は現像装置である。感光体1面の静電潜像はこの現像装置60により現像部位aにてトナー画像として現像される。現像装置60内には現像剤tに導電粒子mを添加した混合剤t+mが備えられている。帯電粒子の供給は、ハウジング容器状の帯電粒子供給器から帯電ローラー2に直接供給する構成であってもよい。60aは現像スリーブ,60bはマグネットローラー、60cは規制ブレード、60dは撹拌部材、S3、S5は印加電源である。
【0070】
図2のプリンタはトナーリサイクルプロセスであり、画像転写後の感光体1面上に残留した転写残トナーは専用のクリーナ(クリーニング装置)で除去されることなく感光体1の回転に伴いカウンター回転する帯電ローラーに一時的に回収されローラー外周を周回するにつれて、反転したトナー電荷が正規化され、順次感光体に吐き出されて現像部位aに至り、現像器60において現像同時クリーニングにて回収・再利用される。
【0071】
4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。このレーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列ディジタル画像信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、該レーザ光で上記回転感光体1の一様帯電面を走査露光Lする。この走査露光Lにより回転感光体lの面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0072】
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光体1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光体1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナ一画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
【0073】
次に、本発明に用いられる帯電器の主たる構成部材について述べる。
【0074】
<帯電ローラー>
帯電ローラー2は、芯金2a上にゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成することにより作製される。中抵抗層2bは、樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤及び発泡剤等により処方され、芯金2aの上にローラー状に形成されている。帯電ローラーの硬度は、硬度が低過ぎると形状安定しないために接触性が悪くなり、高過ぎると帯電ニップを確保できないだけでなく、感光体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25〜50度が好ましい範囲である。帯電ローラーの材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム剤や、またこれらを発泡させたものが挙げられる。帯電部材は、帯電ローラーに限定されるものではなく、パイル1本1本が弾性を持つファーブラシ等の弾性体も使用可能である。
【0075】
<帯電粒子>
帯電粒子の材料としては他の金属酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が使用可能である。また、本発明における帯電粒子は磁気拘束する必要がないため、磁性を有する必要がない。
【0076】
帯電粒子は、比表面積が5×105〜100×105(cm2/cm3)である。この範囲であれば、帯電部材が汚染されても良好な帯電性を維持できる。好ましくは10×105〜80×105(cm2/cm3)とすることで、より好ましくは12×105〜40×105(cm2/cm3)とすることで、帯電性及び画像特性がより一層向上する。帯電粒子の比表面積は以下のようにして求めた。まず、BET法に従い、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」((株)島津製作所製)を用いて資料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いてBET比表面積(cm2/g)を算出する。次に、乾式自動密度計「Accupyc 1330」((株)島津製作所製)を用いて真密度(g/cm3)を求める。この際、10cm3の試料容器を用い、試料前処理としてはヘリウムガスパージを最高圧19.5psig(1.34×105Pa)で10回行う。この後、容器内圧力が平衡に達したか否かの圧力平衡判定値として、試料室内の圧力の振れが0.0050/minを目安とし、この値以下であれば平衡状態とみなして測定を開始し、真密度を自動測定する。測定は5回行い、その平均値を求め、真密度とする。
【0077】
ここで、粉体の比表面積は以下のようにして求まる。
【0078】
比表面積(cm2/cm3)=BET比表面積(cm2/g)×真密度(g/cm3
【0079】
また、帯電粒子は、体積基準の50%平均粒径であるメジアン径(D50)が0.4〜4.0μmで、トナーの重量平均粒径未満の導電性無機微粒子である。D50が0.4μm未満であると、帯電粒子をトナーとともに供給する場合、トナー粒子との相互作用が強くなり、トナーと分離しにくいため、好ましくない。一方、D50が大きくなるとトナーとの相互作用が弱くなり、この場合も帯電粒子の供給に支障をきたす。帯電粒子のD50がトナーの重量平均粒径以上となると、現像電界下でのトナーの動きをむしろ阻害するようになり、カブリが悪化したり、解像力が低下したりする。より好ましいD50は0.5〜3.5μmである。測定は以下のように行う。
【0080】
レーザ回折式粒度分布測定装置「LS−230型」(コールター社製)にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD50を算出する。測定は、メタノール10mlに粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を行う。
【0081】
帯電粒子の体積抵抗は、1×10-1〜1×109Ω・cmである。1×109Ω・cmを超えると、帯電性が良くならない。一方、1×10-1Ω・cm未満の場合は高湿下でのトナーの帯電特性を阻害してしまい、現像性の低下が見られ、現像同時クリーニングシステムにおいては帯電部材を汚染してしまうため、大きい比表面積による帯電性改良効果が得られなくなってしまう。
【0082】
ここで、粒子の抵抗の測定は以下のようにして行う。
【0083】
円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重7kgf/cm2(6.86×10-1MPa)を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から本発明の抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をScm2、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ω・cm)=100V×Scm2/I(A)/M(cm)である。
【0084】
本発明では、電極と試料の接触面積2.26cm2とし、電圧V=100Vで測定した。
【0085】
一般に、粒子帯電における帯電粒子の粒径を小径化することにより帯電性能は向上するが、帯電粒子の感光ドラム1ヘの脱落は顕著になる。帯電ローラー上に帯電粒子を保持し得る力は弱い付着力であるので、多くの粒子を供給しても、粒子を拘束することは困難であり、感光ドラム1に脱落して、その後の現像行程や転写紙上への画像不良の影響を抑える。従って、理想的には帯電ローラー表層に一層均一に塗布することが望ましいが、実際のところは、担持量を調整することにより、帯電性を確保するとともに付着する粒子を弊害のないレベルで減らすことが可能となる。
【0086】
粒子の担持量はローラー表面の平均粗さRaにより適切に保つ必要がある。つまり担持量を平均粗さRaで除した値が1以下、好ましくは0.3以下であ。帯電性能を確保する必要から最小担持量は同じく担持量/Raの値で0.005mg/cm2/μm(0.25mg/cm2、Ra=50μm)である。ましくは、0.02mg/cm2/μm(1mg/cm2、Ra=50μm)である。つまり、担持量/Raは0.005から1、好ましくは、0.02から0.3mg/cm2/μmであ
【0087】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0088】
参考例1>
φ30mm×260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティングし、膜厚が0.5μmの下引層を設けた。
【0089】
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製した。下引層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0090】
図3に上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折パターンを示す。粉末X線回折の測定にはCuKα線を用い、次の条件で行った。
【0091】
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
【0092】
次いで、下記式で示される電荷輸送物質10部
【0093】
【化2】
Figure 0003814555
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この塗工液を電荷発生層上に浸漬コーティングし、105℃で1時間をかけて熱風乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0094】
次に、表面保護層として、タングステン元素を酸化スズに対し7.1モル%ドープした酸化スズ超微粒子50部、エタノール150部を、サンドミルにて80時間かけて分散を行った。その後、熱硬化性レゾール型フェノール樹脂[PL−4804、群栄化学工業(株)製]を樹脂成分として30部を溶解し、塗工液とした。
【0095】
この塗工液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬コーティング法により膜を形成し、145℃の温度で1時間、熱風乾燥して表面保護層を得た。この時、得られた表面保護層の膜厚測定は、薄膜のため光の干渉による瞬間マルチ測光システムMCPD−2000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、その膜厚は3.5μmであった。また、表面保護層塗工液の分散性は良好で、膜表面はムラのない均一な面であった。
【0096】
電子写真感光体の評価には、図1の電子写真装置に該当するヒューレットパッカード(株)製レーザージェット4000に改造を施した実機を用いた。なお、ローラー帯電装置はそのまま改造せずに使用した。一次帯電電圧及びレーザー光量は、22℃/55%RH下で初期の暗電位(Vd)及び明電位(Vl)がそれぞれ−650V、−160Vになるように調整した。その後、低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(35℃/83%RH)の各条件下で7000枚耐久し、電位評価及び画像評価を行った。電位評価としては耐久前後でそれぞれVd、Vlを測定した。
【0097】
また、前述の方法で、クシ型白金電極上に厚さ(T)4μmの上記保護層を設け、電位画像評価環境と同じ低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(35℃/83%RH)でクシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)を測定し、抵抗ρvを求めた。電位及び抵抗の評価結果を表4に示す。
【0098】
更に、画像評価として、濃度薄、ゴ−スト、流れ等の有無を確認した。それらの結果を表5に示す。画像評価は下記のように5段階評価で行い、数字が大きいほど良好であり、本発明においては、3以上であれば、本願発明の顕著な効果を得ることができたものとした。
5:良好。
4:ごくわずかに画像欠陥が見られる。
3:わずかに画像欠陥が見られる。
2:画像欠陥が見られる。
1:画像欠陥が2よりも顕著に見られる。
【0099】
参考例2>
参考例1において、保護層の酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対して25モル%ドープした酸化スズ超微粒子に代えた以外は、参考例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0100】
参考例3>
参考例1において、保護層の酸化スズ超微粒子を、タングステン元素を酸化スズに対して0.9モル%ドープした酸化スズ超微粒子に代えた以外は、参考例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0101】
参考例4>
参考例1において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子に対して、ニオブ元素を4モル%添加し、更に熱硬化性レゾール型フェノール樹脂[PL−4804、群栄化学工業(株)製]を下記式で示されるアクリルモノマーに代え、
【0102】
【化3】
Figure 0003814555
光重合開始剤として2、4−ジエチルチオキサンソンを5部添加した塗工液を用いて膜形成した後、乾燥させ、高圧水銀灯にて500mW/cm2の光強度で20秒間紫外線照射して表面保護層を得た以外は、参考例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0103】
参考例5>
参考例4において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子に対して、添加したニオブ元素をケイ素元素1.5モル%に代えた以外は、参考例4と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0104】
参考例6>
参考例1において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子に対して、ケイ素元素を4モル%添加した以外は、参考例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0105】
参考例7>
参考例1において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子50部のうち、20部を下記式で示される化合物で表面処理し(処理量13%)、
【0106】
【化4】
Figure 0003814555
残りの30部をメチルハイドロジェンシリコーンオイル[KF99、信越化学(株)製]で表面処理(処理量25%)し、更にサンドミルによる75時間分散後にポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて2時間分散を行った以外は、参考例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0107】
<比較例1>
参考例4において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子を、酸化スズに対してリン元素を6.8モル%ドープした酸化スズ超微粒子に代えた以外は、参考例4と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0108】
<比較例2>
参考例4において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子を、酸化スズに対してニオブ元素を7モル%ドープした酸化スズ超微粒子に代えた以外は、参考例4と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0109】
<比較例3>
参考例4において、タングステン元素をドープした酸化スズ超微粒子を、酸化スズに対してチタン元素を6.9モル%ドープした酸化スズ超微粒子に代え、更にこの酸化スズに対してニオブ元素を1.5%添加した以外は、参考例4と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0110】
<比較例4>
比較例2において、ニオブ元素をドープした酸化スズ超微粒子50部を、参考例7と同様に表面処理し、更にサンドミルによる78時間分散後にポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて2時間分散を行った以外は、比較例2と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
【0111】
【表4】
Figure 0003814555
【0112】
【表5】
Figure 0003814555
【0113】
<実施例
参考例1において、評価機及び評価方法を以下のように代えた以外は、参考例1と全く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。評価機は、図2の電子写真装置に該当するようにヒューレットパッカード(株)製レーザージェット4000に改造を施した実機を用いた。なお、帯電装置は粒子帯電方式に改造した。帯電粒子は、比表面積が20×105cm2/cm3、体積標準のメジアン径(D50)が3.3μm、抵抗が6×101Ω・cmの導電性酸化スズ粒子を用いた。また、帯電粒子の担持量は、担持量/Raで、0.1mg/cm2/μm(5mg/cm2、Ra=50μm)とした。印加帯電バイアス及びレーザー光量は、22℃/55%RH下で初期の暗電位(Vd)及び明電位(Vl)がそれぞれ−620V、−175Vになるように調整した。その後、低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(35℃/83%RH)の各条件下で7000枚耐久し、電位評価及び画像評価を行った。電位評価としては耐久前後でそれぞれVd、Vlを測定した。
【0114】
また、前述の方法で、クシ型白金電極上に厚さ(T)4μmの上記保護層を設け、電位画像評価環境と同じ低湿環境(22℃/5%RH)及び高湿環境(35℃/83%RH)でクシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)を測定し、抵抗ρvを求めた。電位及び抵抗の評価結果を表6に示す。なお、画像評価も参考例1と同様に5段階評価で行った。画像評価の結果を表7に示す。
【0115】
<実施例
実施例において、電子写真感光体を、参考例2〜7の電子写真感光体にそれぞれ代えた以外は、実施例と全く同様にして電子写真感光体の評価を行った。結果を表6及び表7に示す。
【0116】
【表6】
Figure 0003814555
【0117】
【表7】
Figure 0003814555
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低湿下での画像濃度薄や耐久濃度変化、高湿下での画像流れやゴースト等の画像欠陥が無いだけでなく、繰り返し使用時の環境に関係なく安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【0119】
また、本発明によれば、上記の保護層を持つ電子写真感光体と、特定の物性を有する小粒径の帯電粒子による前記粒子帯電方式を用いることによって、帯電性を向上させ、繰り返し使用時の環境に関係なく、より安定して高品位の画像を得ることのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電帯電方式の帯電装置を備え、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを具備した電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】帯電粒子を有する帯電装置を備え、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図3】本発明の実施例に用いたヒドロキシガリウムフタロシアニンのCuKαの特性X線回折のチャート図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体(像担持体、被帯電体)
2 帯電ローラー(帯電粒子担持体、接触帯電部材)
2a 芯金
2b 可撓性部材
4 露光装置
6 転写ローラー
7 定着装置
60 現像装置
60a 現像スリーブ
60b マグネットローラー
a 現像領域部
b 転写ニップ部
m 帯電粒子(導電粒子)
n 帯電ニップ部
t 現像剤
S1,S3,S5 印加電源
101 電子写真感光体
102 軸
103 帯電手段
104 露光光
105 現像手段
106 転写手段
107 転写材
108 定着手段
109 クリーニング手段
110 前露光光
111 プロセスカートリッジ
112 案内手段

Claims (22)

  1. 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置において、
    該帯電手段が、導電性無機粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備えた帯電粒子担持体から構成され、該帯電粒子を該電子写真感光体に接触させて電子写真感光体表面を帯電する帯電装置であり、
    該帯電粒子が5×10 5 −100×10 5 cm 2 /cm 3 の比表面積、0.4−4.0μmの体積標準のメジアン径(D 50 )、1×10 -1 −1×10 9 Ω・cmの抵抗を有し、該帯電粒子の担持量を帯電粒子担持体表面粗さRaμmで除した値が0.005−1mg/cm 2 /μmであり、
    該電子写真感光体が、支持体、及び該支持体上の感光層及び該感光層上の保護層を有する電子写真感光体であって、該保護層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置
  2. 前記酸化スズ粒子中のタングステン元素量が酸化スズに対して0.01−40モル%である請求項1に記載の電子写真装置
  3. 前記酸化スズに対するタングステン元素量が1−30モル%である請求項2に記載の電子写真装置
  4. 前記タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が0.01−30モル%の第三成分元素を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置
  5. 前記タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が表面処理剤を有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装置
  6. 前記結着樹脂が硬化型樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真装置
  7. 前記硬化型樹脂がフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びシロキサン樹脂からなる群より選ばれる少なくともひとつの樹脂である請求項6に記載の電子写真装置
  8. 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である請求項7に記載の電子写真装置
  9. 前記保護層がフッ素原子含有化合物及びシロキサン化合物の少なくとも一方を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真装置
  10. 前記フッ素原子含有化合物が含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくともひとつの化合物である請求項9に記載の電子写真装置
  11. 前記保護層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真装置
  12. 少なくとも電子写真感光体と帯電手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
    該帯電手段が、導電性無機粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備えた帯電粒子担持体から構成され、該帯電粒子を電子写真感光体に接触させて電子写真感光体表面を帯電する帯電装置であり、
    該帯電粒子が5×10 5 −100×10 5 cm 2 /cm 3 の比表面積、0.4−4.0μmの体積標準のメジアン径(D 50 )、1×10 -1 −1×10 9 Ω・cmの抵抗を有し、該帯電粒子の担持量を帯電粒子担持体表面粗さRaμmで除した値が0.005−1mg/cm 2 /μmであり、
    該電子写真感光体が、支持体、及び該支持体上の感光層、及び該感光層上の保護層を有する電子写真感光体であって、該保護層がタングステン元素をドープした酸化スズ粒子及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 前記酸化スズ粒子中のタングステン元素量が酸化スズに対して0.01−40モル%である請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
  14. 前記酸化スズに対するタングステン元素量が1−30モル%である 請求項13に記載のプロセスカートリッジ。
  15. 前記タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が0.01−30モル%の第三成分元素を含有する請求項12〜14のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  16. 前記タングステン元素をドープした酸化スズ粒子が表面処理剤を有する請求項12〜15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  17. 前記結着樹脂が硬化型樹脂である請求項12〜16のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  18. 前記硬化型樹脂がフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びシロキサン樹脂からなる群より選ばれる少なくともひとつの樹脂である請求項17に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である請求項18に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記保護層がフッ素原子含有化合物及びシロキサン化合物の少なくとも一方を含有する請求項12〜19のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記フッ素原子含有化合物が含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくともひとつの化合物である請求項20に記載のプロセスカートリッジ。
  22. 前記保護層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有する請求項12〜21のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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