JP5473554B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置に用いられる電子写真感光体として、無機化合物を含有する中間層と、該中間層上に設けられた電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)が用いられている。
電子写真感光体の電位特性(帯電性や感度)は、上記中間層および感光層に用いられる材料の種類に依存する。特に、中間層に用いられる金属酸化物、有機化合物、結着樹脂は、電子写真感光体の電位特性を大きく左右する材料である。よって、上記材料の構造や組み合わせによって、電子写真感光体の電位特性を向上させることができることがわかっている。
昨今の電子写真装置の高速化(プロセススピードの高速化)に伴い、帯電性の向上、高感度化など電位特性をより良くすることは勿論のことであるが、繰り返し使用時の電位変動(帯電性の変化、感度の変化)をより抑えることも課題となっている。具体的には、下記(1)および(2)の観点における電位変動(帯電性の変化、感度の変化)をより抑えることが課題となっている。
(1)電子写真感光体の使用開始時から電子写真感光体の寿命を迎えるまでの間の長期間の繰り返し使用、および、
(2)比較的短期間(例えば画像出力開始1枚目から連続1000枚程度出力するまでの間)の短期間の繰り返し使用
上記(1)の観点では、電子写真感光体の構成によって電位変動が大きくなる(電位特性が大きく劣化する)場合がある。このような場合、長期間繰り返し使用した後に電子写真感光体を放置したとしても、使用開始時の電位特性には戻らず、回復性が小さいといえる。
一方、上記(2)の観点において電位変動が大きい場合、例えば、出力した用紙1枚目の画像の色味と1000枚目の色味が変化してしまうことがある。しかしながら、このような短期間の電位変動は、電子写真感光体を放置することで、使用開始時の電位特性まで比較的短時間で回復しやすい。
そして、上記(2)において放置したとしても短時間で回復しきれなくなった電位変動分の積み重ねが、上記(1)における電位変動につながると考えられている。
電子写真感光体にとって、上記(1)および(2)の観点における電位変動を抑え、常に安定した画像を出力可能にすることが重要である。そして、とりわけ問題となるのが、上記(2)の観点における電位変動であり、色味の変化がいかなる状況においても小さいことが強く求められる。
すなわち、電子写真感光体の使用のごく初期における上記(2)における電位変動が抑制されていること、あるいは、その電子写真感光体を長期間繰り返し使用した後においても上記(2)における電位変動が抑制されていることが求められる。
このような要求に対して、特許文献1には、電子写真感光体の中間層を構成する材料として、金属酸化物にアクセプター性化合物(有機化合物)を付与して電位変動を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、金属酸化物の表面に光吸収が450〜950nmの間にある染料(有機化合物)を配置させて電位変動を抑制する技術が開示されている。しかしながら、どちらも、上記(2)の観点における電位変動には注目していない。
また、特許文献3には、有機ジルコニウム化合物などの有機金属化合物、電子受容性化合物(有機化合物)および結着樹脂の混合系という構成の中間層が開示されているが、上記(2)のの観点における電位変動に関しては不明である。
特開2006−030700号公報 特開2004−219904号公報 特開平09−197701号公報
特許文献1〜3に開示されている電子写真感光体は、たしかに、電子写真感光体の使用のごく初期の段階では短期間使用したときの電位変動(上記(2))は小さかった。しかしながら、これらの電子写真感光体を長期間繰り返し使用(上記(1))した後、再び短期間使用したときの電位変動(上記(2))を見てみると、初期に測定した電位変動量よりも大きくなっているという現象があることが明らかとなった。
また、長期間繰り返し使用における電位変動量が大きくても小さくても、その後短期間使用した際の電位変動量を見てみると、初期に測定した短期間使用したときの電位変動量よりも大きくなっているということもわかった。
本発明の目的は、長期間繰り返し使用した後でも短期間使用したときの電位変動が抑制された電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に設けられた中間層および該中間層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該中間層が、金属酸化物粒子と、有機樹脂と、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体とを含有することを特徴とする電子写真感光体である。
本発明によれば、長期間繰り返し使用した後でも短期間使用したときの電位変動が抑制された電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明は、電子写真感光体の中間層が、金属酸化物粒子と、有機樹脂と、ヒドロキシ基(−OH)を有するフラーレン誘導体とを含有することを特徴としている。
ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を中間層に含有させることで長期間繰り返し使用した後、短期間使用したときの電位変動が良好になる理由の詳細は十分には解明されていないが、本発明者らは、以下のように推測している。
すなわち、本発明者らは、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体が金属酸化物粒子と相互作用することにより、電子を受け取りやすい状態になると推測している。例えば、金属酸化物粒子から電子を引き寄せて、金属酸化物粒子間での電子の授受をスムーズにさせているのではないかと推測している。またさらに、感光層(電荷発生層)からの電子の受け取りもサポートしているのではないかと推測している。
本発明に用いられるヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体としては、例えば、本荘ケミカル(株)製のフラレノール(C60)(商品名)、フロンティアカーボン(株)製のnano spectra D100(商品名)、ATR(株)製のC60(OH)水溶性フラーレン、C60(OH)22〜26水溶性フラーレン、C60(OH)24水溶性フラーレンなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、フラレノール(C60)、nano spectra D100が好ましく、さらにはフラレノール(C60)がより好ましい。
また、本発明において、中間層は、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を金属酸化物粒子に対して0.05質量%以上4.00質量%以下含有することが好ましい。0.05質量%以上であれば、金属酸化物粒子との相互作用による帯電の変動を抑制するという効果が大きくなる。4.00質量%以下であれば、フラーレン誘導体間での相互作用が抑えられ、その結果、上記効果が大きくなると考えている。
また、本発明において、中間層は、有機樹脂を金属酸化物粒子に対して10質量%以上50質量%以下含有することが好ましい。10質量%以下であれば、中間層の表面においてクラックが生じにくくなり、電位安定性が高まる。50質量%以下であれば、中間層においてフラーレン誘導体と相互作用している金属酸化物粒子同士の距離が近くなり、電子の流れる度合いが上昇するため、電位変動の抑制効果が大きくなる。
本発明において、中間層に含有される金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。上記金属酸化物粒子の中でも、酸化亜鉛粒子が帯電の変動を抑制する効果が大きいため、好ましい。
また、本発明において、中間層に含有される有機樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂が、帯電の変動を抑制する効果が大きいため好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた中間層および該中間層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体である。好ましくは、該感光層として、該中間層上に設けられた電荷発生層および該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する積層型の感光層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の防止を目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)または本発明の中間層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、上記中間層が設けられる。
本発明において、中間層を形成するための中間層用塗布液は、金属酸化物粒子およびヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を有機樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる中間層用塗布液としてもよい。あるいは、金属酸化物粒子とヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を溶剤とともに分散処理して得られる分散液に、有機樹脂を溶解させた液を加え、さらに分散処理して得られる中間層用塗布液としてもよい。本発明の電子写真感光体の中間層は、これらの方法で得られた塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
中間層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する有機樹脂や分散安定性の観点から選択することが好ましい。有機溶剤としては、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
また、本発明の電子写真感光体の中間層には、必要に応じて、有機樹脂微粒子、レべリング剤を含有させてもよい。
中間層の膜厚は、帯電の変動を抑制する観点から、0.5〜20μmであることが好ましく、特には0.6〜5μmであることがより好ましい。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾといったアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンといったフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴといったインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドといったのペリレン顔料や、アントラキノン、ピレンキノン、ジベンズピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、キノシアニンなどのシアニン染料や、アントアントロン顔料や、ピラントロン顔料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
また、フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、電位特性の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
なお、本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
感光層が積層型である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。これらの中でも、特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択することが好ましい。有機溶剤としては、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷の高移動化という観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。また、クラックを防止する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、特には80℃以上120℃以下がより好ましい。また乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、プロパノールやブタノールなどのアルコール(特に炭素原子数3以上のアルコール)、アニソール、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが用いられる。
また、電荷輸送層を積層構成とする場合は、電子写真感光体の表面側の電荷輸送層については、電子写真感光体の機械的強度を高めるために、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合および/または架橋させることによって硬化させてなる層とすることが好ましい。連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合および/または架橋させるためには、熱、光、放射線(電子線など)を用いることができる。
電子写真感光体の電荷輸送層が1層である場合、その電荷輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層を積層構成とした場合の電子写真感光体の支持体側の電荷輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、電子写真感光体の表面側の電荷輸送層については、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、樹脂モノマーあるいはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、特には1μm以上7μm以下であることが好ましい。また、保護層には、導電性粒子などを必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電子写真感光体の最表面の層(表面層)には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位の均一に帯電される。次いで、原稿からの反射光であるスリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5内の現像剤に含まれる荷電粒子(トナー)で正規現像または反転現像により顕画化されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段6(転写ローラーなど)からの転写バイアスによって、転写材Pに順次転写されていく。ここで、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
トナー像の転写を受けた転写材P(最終転写材(紙やフィルムなど)の場合)は、電子写真感光体の表面から分離されて定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。転写材Pが中間転写体などの場合は、複数次の転写工程の後に定着処理を受けてプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7(クリーニングブレードなど)によって転写残りの現像剤(転写残トナー)などの付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残トナーを直接、現像器などで回収することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段10を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光である。あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応しうる。さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用しうるものである。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散処理した。その後、球状シリコーン樹脂粉体(商品名:トスパール120 東芝シリコーン(株)製)3.8部を混合し、5時間攪拌し、導電層用塗布液を調製した。支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm、長さ357.5mmの引き抜き管)上に、この導電層用塗布液を浸漬塗布し、30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、以下の方法で中間層用塗布液を調製した。
下記材料を混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズ60部を用いて、ペイントシェーカーにて15時間分散処理し、中間層用塗布液とした。
金属酸化物粒子:酸化チタン(商品名:TKP−101、テイカ(株)製) 4部
有機樹脂溶液:N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製、メトキシメチル化率:28〜33質量%)10部をメタノール90部に溶解させ、調整したもの。) 30.8部 (内、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂は3.08部、金属酸化物粒子に対して77質量%)
ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体:フラレノール(C60)(本荘ケミカル(株)製)0.0016部(金属酸化物粒子に対して0.04質量%)
溶剤:1−ブタノール 14部
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が1.2μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4部と下記式(A)で示される化合物0.04部
とを、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理し、分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.21μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(B)で示されるアミン化合物50部、
下記式(C)で示されるアミン化合物50部、
および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)100部を、クロロベンゼン650部およびメチラール150部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。液が均一になってから1日間放置した後の上記電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの第1電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(D)で示される構造を有する化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)45部、
およびn−プロパノール55部を超高圧分散機で分散混合することによって、表面層(第2電荷輸送層)用塗布液を調製した。
この表面層(第2電荷輸送層)用塗布液を第1電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを5分間50℃で乾燥させ、乾燥後、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で電子線を照射し硬化させることによって、表面層(第2電荷輸送層)を形成した。引き続き、表面層(第2電荷輸送層)が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、表面層(第2電荷輸送層)が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が5μmである表面層(第2電荷輸送層)を形成した。
このようにして、導電層、中間層、電荷発生層、第1電荷輸送層および表面層(第2電荷輸送層用)を有する電子写真感光体を作製した。
(実施例2〜21)
実施例1において、中間層用塗布液の調製に用いた金属酸化物粒子、有機樹脂およびヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体の種類および使用量等を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
なお、「TKP−101」は、テイカ(株)製の酸化チタン粒子(商品名:TKP−101、結晶子径:6nm)である。また、「MZ−500」は、テイカ(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−500、粒子径:20〜30nm)である。また、「FINEX−50」は、堺化学工業(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:FINEX−50、平均粒子径:20nm)である。また、「フラレノールC60」は、本荘ケミカル(株)製のヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体(商品名:フラレノール(C60))である。また、「nano spectra D100」は、フロンティアカーボン(株)製のヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体(商品名:nano spectra D100)である。
(実施例22〜23)
実施例1において、中間層用塗布液の調製に用いた金属酸化物粒子、有機樹脂およびヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体の種類および使用量等を表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。なお、金属酸化物粒子としては、テイカ(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−500)または堺化学工業(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:FINEX−50)の表面に、以下のようなシランカップリング剤処理を施したものを用いた。
すなわち、テイカ(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−500)または堺化学工業(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:FINEX−50)50部と、シランカップリング剤としての信越化学工業(株)製のトリメトキシビニルシラン(商品名:KBM−1003)1.5部とをトルエン200部中に混合攪拌し、室温で5時間反応させた。その後、溶媒留去し、5時間145℃で真空乾燥を行って表面処理済みの酸化亜鉛粒子を得た。
なお、「MZ−500/KBM−1003」は、テイカ(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−500)の表面に信越化学工業(株)製のトリメトキシビニルシラン(商品名:KBM−1003)でシランカップリング剤処理を施したものである。また、「FINEX−50/KBM−1003」は、堺化学工業(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:FINEX−50)の表面に信越化学工業(株)製のトリメトキシビニルシラン(商品名:KBM−1003)でシランカップリング剤処理を施したものである。
表2に記載の実施例22および23の金属酸化物粒子の使用量4.12部は、トリメトキシビニルシランと金属酸化物粒子である酸化亜鉛粒子との合計であり、内訳は、トリメトキシビニルシラン0.12部、酸化亜鉛粒子4部である。
(比較例1)
実施例13において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を下記構造式(E−1)で示される化合物に変更した以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
実施例13において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を下記構造式(E−2)で示される化合物に変更した以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
実施例17において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を上記構造式(E−1)で示される化合物に変更した以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例4)
実施例17において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を上記構造式(E−2)で示される化合物に変更した以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例5)
実施例17において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を下記構造式(E−3)で示される化合物に変更した以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例6)
実施例22において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を上記構造式(E−3)で示される化合物に変更した以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例7)
以下のように、実施例22で用いたシランカップリング剤で表面処理済みの酸化亜鉛粒子に上記構造式(E−3)で示される化合物を作用させて、有機化合物処理を施した。
すなわち、シランカップリング剤で表面処理済みの酸化亜鉛粒子51.5部と上記構造式(E−3)で示される化合物1部とをトルエン200部中に混合し、室温で3時間攪拌した。その後、溶媒留去し、3時間50℃で真空乾燥を行って有機化合物処理済み酸化亜鉛粒子を得た。
実施例22において、金属酸化物粒子を上記有機化合物処理済み酸化亜鉛粒子4.2部(内訳:トリメトキシビニルシラン0.12部、上記構造式(E−3)で示される化合物0.08部、酸化亜鉛粒子4部)に変更し、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を用いなかった以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例8)
以下のように、実施例17で用いた酸化亜鉛粒子に下記構造式(E−4)で示される化合物を作用させて、有機化合物処理を施した。
すなわち、テイカ(株)製の酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−500)50部と下記構造式(E−4)で示される化合物1部とをトルエン200部中に混合し、攪拌し、室温で5時間反応させた。その後、溶媒留去し、5時間80℃で真空乾燥を行って有機化合物処理済み酸化亜鉛粒子を得た。
実施例17において、金属酸化物粒子を上記有機化合物処理済み酸化亜鉛粒子4.08部(内訳:下記構造式(E−4)で示される化合物0.08部、酸化亜鉛粒子4部)に変更し、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を用いなかった以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例9)
実施例13において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を用いなかった以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
(比較例10)
実施例17において、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を用いなかった以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。
表3に記載の比較例6の金属酸化物粒子の使用量4.12部は、トリメトキシビニルシランと金属酸化物粒子である酸化亜鉛粒子との合計であり、内訳は、トリメトキシビニルシラン0.12部、酸化亜鉛粒子4部である。表3に記載の比較例7の金属酸化物粒子の使用量4.2部は、トリメトキシビニルシランと上記構造式(E−3)で示される化合物と金属酸化物粒子である酸化亜鉛粒子との合計であり、内訳は、トリメトキシビニルシラン0.12部、上記構造式(E−3)で示される化合物0.08部、酸化亜鉛粒子4部である。表3に記載の比較例8の金属酸化物粒子の使用量4.08部は、上記構造式(E−4)で示される化合物と金属酸化物粒子である酸化亜鉛粒子との合計であり、内訳は、上記構造式(E−4)で示される化合物0.08部、酸化亜鉛粒子4部である。
(評価)
実施例1〜23および比較例1〜10の電子写真感光体の評価方法については、以下のとおりである。
<電位変動>
評価装置としては、キヤノン(株)製の複写機(商品名:GP405、プロセススピードは210mm/sec、(一次)帯電手段は直流電流に交流電流を重畳したゴムローラー型の接触帯電(帯電ローラー)、露光手段はレーザー像露光、現像手段は1成分磁性ネガトナー非接触現像系、転写手段はローラー型接触転写系、クリーニング手段はゴムブレードをカウンター方向に設定したクリーナー、前露光手段はヒューズランプを用いた前露光)を用いた。この評価装置に実施例1〜23および比較例1〜10の電子写真感光体をそれぞれに設置した。
温度23℃/湿度5%RHの環境下に上記評価装置を設置した。帯電ローラーの交流成分を1500Vpp、1500Hzとし、直流成分を−850Vとしたときの長期耐久試験前の初期暗部電位(Vda)、および、780nmレーザー露光照射における長期耐久試験前の初期明部電位(Vla)が、各電子写真感光体において−200Vになるように調整した。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し、測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム状の電子写真感光体の軸方向のほぼ中央、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。
次に、評価手順について下記(1)および(2)にしたがって実施した。なお各電子写真感光体において初期に設定した交流成分/直流成分および露光条件はそのままで下記(1)および(2)の評価を行った。また、電子写真感光体は、温度23℃/湿度5%RHの環境下になじませるため、48時間放置した後、評価を行った。
(1)上記評価装置に電子写真感光体および電位測定装置を装着し、長期耐久試験に先立って999枚の短期耐久試験を非通紙にて行い、長期耐久試験前999枚目の暗部電位(Vdb)および長期耐久試験前999枚目の明部電位(Vlb)を測定した。そして、上記長期耐久試験前の初期暗部電位(Vda)および長期耐久試験前の初期明部電位(Vla)との変動量を確認した。これらを、それぞれ、長期耐久試験前ΔVd(ab)、長期耐久試験前ΔVl(ab)とした。
長期耐久試験前の初期暗部電位(Vda)−長期耐久試験前の999枚目暗部電位(Vdb)=長期耐久試験前ΔVd(ab)
長期耐久試験前の初期明部電位(Vla)―長期耐久試験前の999枚目明部電位(Vlb)=長期耐久試験前ΔVl(ab)
(2)その後、電位測定装置を取り外し、現像用カートリッジを取り付け、50000枚の通紙による長期耐久試験を行った。長期耐久試験終了後、同環境下(温度23℃/湿度5%RH)に24時間放置した。放置後、電位測定装置に付け替えて、(1)と同様にして長期耐久試験後における999枚の短期耐久試験を非通紙にて行った。そして、この短期耐久試験における長期耐久試験後の初期暗部電位(Vdc)と長期耐久試験後の初期明部電位(Vlc)と長期耐久試験後999枚目の暗部電位(Vdd)および長期耐久試験後999枚目の明部電位(Vld)との変動量を確認した。これらを、それぞれ、長期耐久試験後ΔVd(cd)、長期耐久試験後ΔVl(cd)とした。
長期耐久試験後の初期暗部電位(Vdc)−長期耐久試験後の999枚目の暗部電位(Vdd)=長期耐久試験後ΔVd(cd)
長期耐久試験後の初期明部電位(Vlc)−長期耐久試験後の999枚目の明部電位(Vld)=長期耐久試験後ΔVl(cd)
なお、50000枚耐久試験(長期耐久試験)時のシーケンスは、A4サイズの紙、6%印字比率において、1枚ごとに1回停止する間欠モード(8秒/枚)とした。
評価結果を表4に示す。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (6)

  1. 支持体、該支持体上に設けられた中間層および該中間層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該中間層が、金属酸化物粒子と、有機樹脂と、ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記中間層が、前記ヒドロキシ基を有するフラーレン誘導体を前記金属酸化物粒子に対して0.05質量%以上4質量%以下含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記中間層が、前記有機樹脂を金属酸化物粒子に対して10質量%以上50質量%以下含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記金属酸化物粒子が酸化亜鉛粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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