JP3880440B2 - プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機及びプリンター等の電子写真装置に用いられる電子写真感光体、電子写真装置、及び電子写真装置に着脱自在なプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、安全性が高い、生産性に優れる、及び安価である等の利点から、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体の研究開発が活発に行われ、これ迄に数多くの提案がされ、実用化されてきている。
【0003】
しかしながら、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーと、2,4,7−トリニトロフルオレン等から形成される電荷移動錯体とを主成分とする電子写真感光体は、感度、耐久性及び残留電位等の点で必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別々の物質に分担させた機能分離型電子写真感光体が、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善をもたらした。また、機能分離型感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作成できるという利点を有している。
【0005】
電荷発生物質としては、種々のアゾ顔料、多環キノン顔料、フタロシアニン顔料、シアニン色素、スクエアリック酸染料及びピリリウム塩系色素等が知られている。
【0006】
電荷輸送物質としては、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物及びトリフェニルアミン化合物等が知られている。
【0007】
ところで、近年の高画質化及び高速・高耐久化に伴って、有機電子写真感光体にも更なる機械的耐久性の向上が求められている。
【0008】
また、近年、電子写真感光体を使用したプリンター、複写機及びファクシミリ等は多種多様な分野で使用されるようになり、より様々な環境においても常に安定した画像を提供することが更に厳しく要求されていて、感光層の表面特性に対する化学的、電気的及び機械的衝撃に曝される可能性が高くなり、表面層に対する要求が厳しくなっている。
【0009】
電子写真感光体は上述のような電気的及び機械的外力が直接加えられるために、それらに対する耐久性が求められている。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐久性が要求される。
【0010】
更に、電子写真感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適用される。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。更に、このトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけではなく、一部が感光体上に残留する。
【0011】
この残留トナーの量が多いと、転写材の画像は、更に転写不良が生じる所謂ボソ抜け状となり、画像の均一性に欠けるだけでなく、感光体へのトナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる。これらの問題に対して、感光体の表面層の離型性を向上することが求められている。
【0012】
電子写真感光体に要求される上記のような要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなされている。なかでも、樹脂を主成分とする保護層は数多く提案されている。例えば、特開昭57−30846号公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加することにより体積抵抗を制御することのできる保護層が提案されている。
【0013】
また、特開平5−181299号公報には熱硬化性フェノール樹脂を保護層用樹脂に使用することが提案されている。
【0014】
電子写真感光体の保護層に金属酸化物を分散するのは、保護層自体の体積抵抗を制御し、電子写真プロセスの繰り返しに伴う感光体内での残留電位の増加を防止するのがその主な目的であり、一般的な抵抗体としての保護層の適切な体積抵抗率は1010〜1015(Ω・cm)であることが知られている。しかしながら、前記の範囲の体積抵抗値においては、保護層の体積抵抗はイオン電導によって影響を受け易く、そのために環境の変化によって体積抵抗が大きく変化する傾向にある。特に金属酸化物を膜中に分散している場合には、金属酸化物表面の吸水性が高いために、全環境において、しかも、電子写真プロセスの繰り返しを行う際に、保護層の体積抵抗を前記範囲に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0015】
特に高湿下においては、放置により体積抵抗が徐々に低下したり、また、帯電により発生するオゾンやNOx等の活性物質が表面に繰り返し付着することにより、感光体表面の体積抵抗の低下や表面層からのトナーの離型性の低下を引き起こし、所謂画像流れや画像ボケといったような欠陥が発生する、画像均一性が不十分になる等の問題があった。
【0016】
また、一般的に保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、即ち、0.3μm以下であることが好ましい。しかし、通常金属酸化物粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があり、均一に分散しにくく、一旦分散しても二次凝集や沈殿が起こり易いので粒径0.3μm以下といった微粒子の良好な分散膜を安定して製造することは非常に困難であった。更に、透明度や導電均一性を向上させる観点から特に粒径の小さい超微粒子(一次粒径0.1μm以下)を分散することが好ましいが、このような超微粒子の分散性や分散安定性は更に悪くなる傾向にあった。
【0017】
上記の欠点を補うために、例えば特開平1―306857号公報にはフッ素含有シランカップリング剤、チタネートカップリング剤あるいはC715NCO等の化合物を添加した保護層が、特開昭62―295066号公報には結着樹脂中に、撥水処理することにより分散性及び耐湿性の向上した金属微粉末または金属酸化物微粉末を分散した保護層が、特開平2−50167号公報には結着樹脂中にチタネートカップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤及びアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートで表面処理された金属酸化物微粉末を分散した保護層が提案されている。
【0018】
しかしながら、これらの保護層を用いた電子写真感光体においても、未だ近年の高耐久、高画質化の要求に応えるべく、感光体の画像欠陥の発生を十分に抑制されておらず、繰り返し使用において電位変動の少ない安定な電子写真特性を示すものが得られていないのが現状である。
【0019】
また、従来、電子写真装置の帯電手段として、コロナ帯電器が広く利用されていた。コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触に配置し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより、生じる放電電流に像担持体をさらすことで像担持体面を所定の電位に帯電するものである。
【0020】
それに対し、近年、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから、被帯電体に電圧を印加した帯電部材を当接させて被帯電体を帯電する接触方式の帯電装置(接触帯電装置)が実用化されている。
【0021】
接触帯電装置は、像担持体である被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型及びブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して、被帯電体を所定の電位に帯電させるものである。
【0022】
また、接触帯電の帯電機構には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在する。
【0023】
例えば、接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式は帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられているが、このローラ帯電ではその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0024】
放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないが、放電生成物を生じることが避けられないため、オゾン等活性イオンによる弊害は避けられない。
【0025】
そこで、接触帯電部材から被帯電体へ電荷が直接注入されることで、被帯電体表面を帯電する直接注入帯電方式が、特開平6−3921号公報等で提案されている。
【0026】
これによると、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電機構を基本的に用いないで、被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値以下であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この直接注入帯電機構はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。
【0027】
この注入帯電方式のうちで、帯電ローラやファーブラシ等の簡易でローコストな帯電部材により、帯電均一性に優れかつ長期にわたり安定した帯電を実現する手段として、前記帯電部材と被帯電体との接触面に導電性粒子を担持することにより帯電する方法が挙げられる。これにより、直接帯電において十分な接触性が得られ、均一な帯電が可能となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、いかなる環境においても帯電性が確保され、また繰り返し使用においても電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
プロセスカートリッジ及び電子写真装置等の特性を決める要因は様々であるが、特に複雑なプロセスを組み合わせて使用することで得られる画像の性質は決してある一部分の特性のみに左右されるものではなく、それそれのデバイスやプロセスの組み合わせ方で得られる効果は大きく変わるものである。
【0030】
即ち、本発明は、電子写真感光体と、
電子写真感光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を有し、該帯電部材に電圧印加ることによって電子写真感光体面を帯電する接触帯電手段と、
少なくとも結着樹脂及び着色剤から形成された重量平均粒径が3μm以上12μm以下のトナー粒子並びに導電性粒子としての非磁性金属化合物微粒子を含む現像剤を用いる現像手段と
を有するプロセスカートリッジであって、
現像部で電子写真感光体に付着し、かつ記録材に対するトナー画像転写後に該電子写真感光体上に残留した該非磁性金属化合物微粒子が、帯電部材と電子写真感光体とのニップ部に持ち運ばれることによって、ニップ部に該非磁性金属化合物微粒子供給されるプロセスカートリッジにおいて、
該非磁性金属化合物微粒子の比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下であり
該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下であり、
電子写真感光体表面粗さをフーリエ変換して得られた最小波長λminと、該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径50 とが、2×D50<λmin<20の関係を満たす
ことを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、電子写真感光体と、
該電子写真感光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を有し、該帯電部材に電圧を印加することによって該電子写真感光体面を帯電する接触帯電手段と、
少なくとも結着樹脂及び着色剤から形成された重量平均粒径が3μm以上12μm以下のトナー粒子並びに導電性粒子としての非磁性金属化合物微粒子を含む現像剤を用いる現像手段と
を有する電子写真装置であって、
現像部で該電子写真感光体に付着し、かつ記録材に対するトナー画像転写後に該電子写真感光体上に残留した該非磁性金属化合物微粒子が、該帯電部材と該電子写真感光体とのニップ部に持ち運ばれることによって、該ニップ部に該非磁性金属化合物微粒子が供給される電子写真装置において、
該非磁性金属化合物微粒子の比表面積が、5×10 5 cm 2 /cm 3 以上1×10 7 cm 2 /cm 3 以下であり、
該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径(D 50 )が、0.4μm以上4.0μm以下であり、
該電子写真感光体の表面粗さをフーリエ変換して得られた最小波長λminと、該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径(D 50 )とが、2×D 50 <λmin<20の関係を満たす
ことを特徴とする電子写真装置である。
【0032】
本発明においては、上記構成とすることで、帯電性を始めとした電子写真特性が大幅に良化することを見出した。
【0033】
感光体表面の粗さを横方向、即ち感光体周方向もしくは母線方向に見ると、最小波長λminとは粗さくぼみ幅の最小値を意味する。帯電部材と感光体との接触面に導電性粒子としての非磁性金属化合物微粒子が介在する注入帯電を搭載することで帯電性が良化するが、更に感光体表面の最小波長λminの半分の値が前記非磁性金属化合物微粒子径より大きくかつλminが20より小さい、つまり2×D50<λmin<20であると、そのくぼみに前記非磁性金属化合物微粒子が容易に入り込み、感光体との接触面積が上がって帯電性が大幅に良化する。その結果、帯電性に起因する画像欠陥であるゴーストに大幅に効果がある。逆に、λminの半分の値が前記非磁性金属化合物微粒子径より小さい、又はλminが20以上である場合、感光体と前記微粒子との接触面積が上述の場合よりは確保されず、上記の場合ほどは帯電性やゴーストは良化しない
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明において、表面粗さの測定及びフーリエ変換にはマイクロマップ((株)菱化システム、520N型)という非接触3次元形状システムを用いる。WAVEモードにて感光体表面を3次元測定を行い、その数値をFFTというデータ解析ソフトにて処理する。
【0035】
3次元測定での測定範囲は対物レンズ(×2.5〜50)及び、測定領域の指定(最大640×480〜最小128×128)で3.2×2.4mm〜10×10μmが可能であるが、対物レンズの倍率が低いと分解能が低い、また、該システムは被測定物が円筒体であっても、レーザーの干渉光を用いて形状を測定するため、平面にデータが変換されるが、電子写真感光体の径が細いと、支持体の曲率が補正できなくなるため、対物レンズは×10以上が望ましい。その場合、最大測定領域は0.8×0.6mmとなる。
【0036】
また、フーリエ変換処理は測定領域が正方形の方がより好ましい。
【0037】
本発明における保護層に用いられる結着樹脂として挙げられる熱硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つの型があり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾール型と、ホルムアルデヒドに対してフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得られるノボラック型に分けられる。
【0038】
本発明においてはレゾールタイプのフェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0039】
レゾールタイプはアルコール類及びケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。
【0040】
一般的に工業的には、レゾールは塗料、接着剤や、注型品及び積層品用のワニスとして利用されている。
【0041】
本発明に用いられるフェノール樹脂は公知のフェノール樹脂であればいかなるものを用いてもよく、樹脂を1種類または2種類以上混合して用いることができる。
【0042】
本発明に用いるレゾール型のフェノール樹脂は、その製造工程においてアミン系化合物を添加して製造された樹脂がより好ましく用いられる。
【0043】
保護層はこれら熱硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解または希釈して得られた塗料を感光層上に塗工して成形するが、塗工後に重合反応が起きて硬化層を形成する。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
【0044】
また、保護層は前記のフェノール樹脂と共に導電性粒子を含有して構成される。
【0045】
表面層に用いられる導電性粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム、またカーボンブラック等が挙げられる。
【0046】
本発明においては、上述した各種導電性粒子の中でも透明性の点から金属酸化物を用いることが好ましい。更に、これら金属酸化物の中でも透明性、分散性及び抵抗制御性等の点から酸化スズを用いることが特に好ましい。
【0047】
本発明において用いられる導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に0.1μm以下が好ましい。
【0048】
本発明において用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量分布や粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0049】
本発明で用いられる導電性粒子やフッ素原子含有樹脂粒子は溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の公知の分散方法により良く分散し、保護層用塗料とする。
【0050】
このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、フッ素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加または導電性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性粒子を分散した液、または表面処理を施した導電性粒子を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散することによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも非常に安定した分散液が得られる。
【0051】
本発明におけるフッ素原子含有化合物としては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。表1〜3に好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0052】
【表1】
Figure 0003880440
【0053】
【表2】
Figure 0003880440
【0054】
【表3】
Figure 0003880440
【0055】
導電性粒子の表面処理方法としては、導電性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法としてはボールミルやサンドミル等の通常の分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必要に応じて、この後更に熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加することもできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子に粉砕処理を施すことができる。
【0056】
導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物の割合は、粒子の粒径、形状及び表面積等に影響を受けるが、表面処理済みの導電性粒子全質量に対し、好ましくは1〜65質量%、より好ましくは1〜50質量%である。
【0057】
更に、本発明においては、より環境安定性のある保護層とするために、下記一般式(1)で示されるシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、または、下記一般式(1)で示されるシロキサン化合物で表面処理を施した導電性粒子を混合することにより、更に環境安定性により優れた保護層を得ることができる。
【0058】
【化1】
Figure 0003880440
(式中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0以上の整数である。)
このシロキサン化合物を添加後分散した塗工液、または、これを表面処理した導電性粒子好ましくは導電性金属酸化物微粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得られる。
【0059】
一般式(1)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0060】
表面処理の方法としては湿式、乾式の二通りがある。湿式では導電性金属酸化物粒子を一般式(1)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン化合物を粒子表面に付着させる。分散の手段としてはボールミルやサンドミル等の一般の分散手段を使用することができる。次に、この分散液中のシロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させる。この熱処理においてはシロキサン中のSi−H結合が熱処理過程において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキサンが三次元構造にまで発達し、導電性粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処理は、該シロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させることによって完了するが、必要に応じて処理後の粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理においては、溶剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性粒子とを混合し混練を行うことによってシロキサン化合物を粒子表面に付着させる。その後は湿式処理と同様に熱処理、粉砕処理を施して表面処理を完了する。
【0061】
保護層用塗料を分散する溶剤としては、フェノール樹脂を良く溶解し、導電性粒子の分散性が良く、更に本発明に用いるフッ素原子含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒子及びシロキサン化合物との相溶性や処理性が良好で、更に、保護層の塗料と接触する電荷輸送層に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
【0062】
従って、溶剤としてはメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類、アセトン及びMEK等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、THF及びジオキサン等のエーテル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、及びクロロベンゼン及びジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素類等が使用可能である。これらの中でも、フェノール樹脂の形態に最も好適な溶剤はメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類である。
【0063】
保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等の一般的な塗工方法を用いることができる。
【0064】
保護層の膜厚は、薄過ぎると感光体の耐久性を損ない、厚過ぎると保護層を設けたことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにする必要がある。具体的には0.1μm〜10μmの範囲にするべきであり、好ましくは0.5μm〜7μmの範囲にすべきである。
【0065】
本発明においては、前記保護層中に、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等を防止する目的で、酸化防止剤の添加材として加えてもよい。
【0066】
次に、感光層について以下に説明する。
【0067】
感光層の層構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を同一の層に含有する単層型、基体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を順次積層した順層型、及び基体側から電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層を順次積層した逆層型が主に用いられる。
【0068】
これらの中でも本発明においては、順層型の積層感光層を用いることが最も好ましい。
【0069】
結着層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良や、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。結着層にはカゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等によって形成できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
【0070】
電荷発生物質としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾ等のアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、(5)アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛等が挙げられる。
【0071】
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、混合あるいは共重合体ポリマーとして1種または2種以上用いることができる。
【0072】
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類及び芳香族化合物等を用いることができる。
【0073】
電荷発生層は、前記の電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散し、塗布し、乾燥して形成される。その厚みは、5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることが好ましい。
【0074】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生物質を必要に応じて添加することもできる。
【0075】
電荷発生層が感光層の最上層の場合、本発明では更に、この電荷発生層の上に前記保護層を塗布し、硬化させて成膜することで完成される。
【0076】
電荷輸送物質としては各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物等が挙げられる。
【0077】
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
【0078】
電荷輸送層は一般的には前記の電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合は2:1〜1:2程度である。溶剤としてはアセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、またクロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を用いることができ、乾燥は10〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0079】
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有している。この電荷輸送層は電荷キャリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmであることが好ましく、特には7〜30μmであることが好ましい。
【0080】
感光体表面粗さは、保護層を設けた感光体の場合、保護層塗布工程での周囲の相対湿度が変えることによって制御することができる。また、保護層塗布液での保護層構成材料の粒径や、構成材料比、更に膜硬化温度・時間等を変えることによっても制御することが可能である。
【0081】
トナーは重量平均粒径が3μm以上12μm以下であることが前提である。3μm未満であると転写性の低下やカブリの悪化を伴う。下記に示す金属化合物微粒子を添加すればある程度は改善されるものの、例えば直接注入帯電機構を採用する現像同時クリーニングにおいては、帯電性の低下は避けられない。一方、重量平均粒径が12μmを超えてしまうと画像上の解像性が低下し、システムからの改良は難しい。
【0082】
本実施例においてトナーの重量平均粒径は、以下のようにして求めた。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積と個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に関わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)を求めた。
【0083】
また、本発明に用いる現像剤は、実質上非磁性の金属化合物微粒子を有しており、該金属化合物微粒子は、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下である。好ましくは1.0×106(cm2/cm3)以上8.0×106以下、より好ましくは1.2×106(cm2/cm3)以上4.0×106以下である。
【0084】
磁性をもつ金属化合物微粒子であると、例えば磁性トナーに添加した際、トナーから遊離した微粒子がトナー担持体に付着して汚染する場合が多々あり、トナーの摩擦帯電特性、そしてそのまま画像特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0085】
この粒子表面の凹凸の数の指標として、粒子粉末の比表面積が通常用いられる。ただし、一般に用いられる比表面積はその単位、cm2/g、からも分かるように、単位質量当たりの表面積であり、この数値を用いる議論では比重の異なる材料での比較あるいは最適化が容易ではない。
【0086】
そこで、本発明者らは比表面積として、微粒子1個当たりの表面積に対応する物性である、cm2/cm3単位を採用した。
【0087】
ここで、金属化合物微粒子の比表面積は以下のようにして求めた。まず、BET法に従い、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて資料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いてBET比表面積(cm2/g)を算出する。
【0088】
次に、乾式自動密度計「Accupyc 1330」(島津製作所社製)を用いて真密度(g/cm3)を求める。この際、10cm3の試料容器を用い、試料前処理としてはヘリウムガスパージを最高圧19.5psig(1.34×105Pa)で10回行う。この後、容器内圧力が平衡に達したか否かの圧力平衡判定値として、試料室内の圧力の振れが0.0050/minを目安とし、この値以下であれば平衡状態とみなして測定を開始し、真密度を自動測定する。測定は5回行い、その平均値を求め、真密度とする。
【0089】
ここで、粉体の比表面積は以下のようにして求まる。
【0090】
比表面積(cm2/cm3)=BET比表面積(cm2/g)×真密度(g/cm3
更に上記金属化合物微粒子は、体積基準の50%平均粒径であるメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下でトナーの重量平均粒径未満の導電性微粒子である。
【0091】
一般に、粒子同士の相互作用による付着力は、粒子同士の粒径差が大きいほど強い。本発明に係る金属化合物微粒子に期待される作用の1つとしては、トナーとの接触による摩擦帯電特性の改良であるから、金属化合物微粒子とトナー粒子とが強く付着してはその作用が困難となる。トナーは重量平均粒径が3.0μm〜12.0μmであり、対する金属化合物微粒子の適正なD50は0.4μm以上4.0μm以下である。D50が0.4μm未満の金属化合物微粒子はトナー粒子と分離しにくく、摩擦帯電特性の改良が見込めないため、例えば十分な画像濃度が得られない。
【0092】
一方、D50が4.0μmを越えるとトナーとの相互作用が弱くなり、摩擦帯電特性等の改良効果が低下する。金属化合物微粒子のD50がトナーの重量平均粒径以上となると、相互作用の効果がほとんど見られなくなることに加え、現像電界下でのトナーの動きをむしろ阻害するようになり、カブリが悪化したり、解像力が低下したりする。より好ましいD50は0.5μm以上3.5μm以下である。
【0093】
こういった意味では、金属化合物微粒子の粒度分布において、粒径の細かい粒子は少ない方が好ましい。粒度分布における微粉側の分布の指標としては体積基準の10%平均粒径であるD10を用いることができ、このD10としては0.3μm以上がより好ましく、0.4μm以上が更に好ましい。同様に粒径の大きい粒子も少ない方が好ましく、粗粉側の分布の指標として体積基準の90%平均粒径であるD90を用いれば、D90は4μm以下がより好ましいと言える。
【0094】
ここで、金属化合物微粒子のD10、D50、D90は以下のようにして測定する。レーザ回折式粒度分布測定装置「LS−230型」(コールター社製)にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD10、D50、D90を算出する。測定は、メタノール10mlに粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を行う。
【0095】
本発明に係る金属化合物微粒子の好ましい体積抵抗は、1×10-1〜1×109Ωcmである。1×109Ωcmを超えると、接触帯電工程を含む画像形成方法において用いた場合帯電性の改良効果が低下する傾向がある。一方、1×10-1Ωcm未満の場合は高湿下でのトナーの摩擦帯電特性を阻害してしまい、現像性の低下に加えてカブリや転写性の悪化が見られ、現像同時クリーニングシステムにおいては帯電部材の汚染が悪化してしまうため、大きい比表面積による帯電性改良効果が低下する傾向がある。
【0096】
ここで、粒子の抵抗の測定は以下のようにして行う。円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重7kgf/cm2を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をScm2、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ωcm)=100V×Scm2/I(A)/M(cm)
である。本発明では、電極と試料の接触面積2.26cm2とし、電圧V=100Vで測定した。
【0097】
本発明における金属化合物微粒子としては、例えば、銅、金、銀、アルミニウム及びニッケル等の金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄及び酸化タングステン等の金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム及びチタン酸カリウム等の金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物等の導電性微粉末が使用できる。
【0098】
これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有していることが、金属化合物微粒子の抵抗を低く設定できること、白色あるいは淡色であり、転写材上に転写される金属化合物微粒子がカブリとして目立たないこと、という点で好ましい。
【0099】
また、金属化合物微粒子の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモン及びアルミニウム等の元素を含有させた金属酸化物の微粒子や、また導電性材料を表面に有する微粒子等も金属化合物微粒子として使用できる。例えば、アルミニウム元素を含有する酸化亜鉛微粒子や、アンチモン元素を含有する酸化スズ微粒子等である。ただし、一般にアンチモン元素の導入による抵抗制御は粉末の青黒色性が増すため好ましくない。
【0100】
次に、本発明における画像記録装置の概略構成を述べる。
【0101】
[実施形態1]
図lは本発明に従う帯電装置を用いた電子写真装置の概略構成図である。この電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用、直接注入帯電方式のレーザプリンターである。
【0102】
(1)電子写真装置の全体的な概略構成
1は像担持体であり、本例ではφ30mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度94mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
【0103】
上記の感光ドラム1については更に別項で詳述する。
【0104】
2は帯電装置であり、本発明に従う粒子帯電タイプの接触帯電装置である。この帯電装置2は、接触帯電部材としての帯電ローラ2Aと、該帯電ローラに対する帯電バイアス印加電源S1と、該帯電ローラに対する帯電粒子供給器3を有する。
【0105】
帯電ローラ2Aは、芯金2aと、この芯金2aの外周りに同心一体にローラ状に形成した帯電粒子担持体としてのゴムあるいは発泡体の弾性・中抵抗層2bからなり、更に、弾性・中抵抗層2bの外周面に帯電粒子(導電性粒子)mを担持させて構成される。この帯電ローラ2Aは感光ドラム1に所定の侵入量をもって押圧当接させて、所定幅の帯電接触部nを形成させている。帯電ローラ2Aに担持させた帯電粒子mが帯電接触部nにおいて感光ドラム1面に接触する。
【0106】
帯電ローラ2Aは感光ドラム1と同じ矢印の時計方向に回転駆動され、帯電接触部nにおいて感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回転することで、帯電粒子mを介して感光ドラム1面に対して速度差を持って接触する。
【0107】
感光ドラム1に対する帯電ローラ2Aの相対速度差は、帯電ローラ2Aと逆方向(感光ドラム1の回転に順回転方向)に周速度を異ならせて回転駆動させることでも持たせることができる。ただし、直接注入帯電の帯電性は感光ドラム1の周速と帯電ローラ2Aの周速の比に依存するため、帯電ローラ2Aを感光ドラム1と同じ方向に回転駆動させる方が回転数の点で有利であると共に、粒子の保持性の点でも、この構成にすることが好ましい。
【0108】
電子写真装置の画像記録時には該帯電ローラ2Aの芯金2aに帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイアスが印加される。
【0109】
これにより、感光ドラム1の周面が直接注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。本例では帯電ローラ2Aの芯金2aに帯電バイアス印加電源Slから−700Vの帯電バイアスを印加して、感光ドラム1面にその印加帯電バイアスとほぼ同じ帯電電位を得た。
【0110】
帯電ローラ2Aの外周面に塗布されている帯電粒子mは、帯電ローラ2Aによる感光ドラム1の帯電と共に感光ドラム1面に付着して持ち去られる。従って、それを補うために帯電ローラ2Aに対する帯電粒子供給器3を必要とする。帯電粒子供給器3による帯電ローラ2Aに対する帯電粒子mの塗布は、帯電粒子供給器3のハウジング容器3a内に蓄えられた帯電粒子mを攪拌羽根3bにより攪拌し帯電ローラ2Aの外周面に供給して行われる。そして、目標の塗布量に応じて過剰となる帯電粒子mをファーブラシ3cに掻き取らせて適正量の帯電粒子塗布を行う。帯電粒子塗布量の制御はファーブラシ3cの回転数制御により随時調整可能である。
【0111】
上記の帯電装置2及び直接注入帯電については更に別項で詳述する。
【0112】
4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。このレーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯電面を走査露光Lする。
【0113】
この走査露光Lにより回転感光ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0114】
5は現像装置(現像器)である。本例の現像装置5は、磁性キャリアCdと非磁性トナーtから構成される二成分現像剤Tを保持し、一定量を現像スリーブ51上にコーティングする。トナーtはキャリアCdとの摺擦により一定の摩擦帯電を帯び、現像バイアス印加電源S2により現像スリーブ51と感光ドラム1との間に印加された現像バイアスにより現像領域aにおいて感光ドラム1上の静電潜像を顕像化する。上記の現像装置5については更に別項で詳述する。
【0115】
6は接触転写手投としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0116】
本例で使用の転写ローラ6は、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×108Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行った。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bに挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0117】
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
【0118】
8は感光ドラムクリーニング装置であり、感光ドラム1上に残留した転写残トナーをクリーニングブレード8aで掻き落として廃トナー容器8bに回収する。
【0119】
そして、感光ドラム1は再度帯電装置2により帯電され、繰り返して画像形成に用いられる。
【0120】
(2)感光ドラム1
図2は感光ドラム(電子写真感光体)1の層構成の模式図である。(a)は電荷注入層付きの感光ドラム1a、(b)は電荷注入層のない感光ドラム1bの層構成の模式図である。
【0121】
(b)の電荷注入層のない感光ドラム1bは、アルミドラム基体(Alドラム基体)11上に、下引き層12、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムである。
【0122】
(a)の電荷注入層付きの感光ドラム1aは、上記の感光体1bに、更に電荷注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したものである。
【0123】
また、加えて4フッ化エチレン樹脂等の滑剤16aも内包させることにより、感光ドラム表面の表面エネルギーを抑えて、帯電粒子mの付着を全般的に抑える効果がある。その表面エネルギーは水の接触角で表すと好ましくは85度以上、更に好ましくは90度以上である。
【0124】
また、帯電性能の観点から表面の表層の抵抗は重要なファクターとなる。直接注入帯電方式においては、被帯電体側の抵抗を下げることで、一つの注入ポイント(接触ポイント)あたり、帯電できる被帯電体表面の面積が広くなると考えられる。従って、帯電ローラが同じ接触状態であっても、被帯電体表面の抵抗が低い場合、効率よく電荷の授受が可能となる。一方、感光体として用いる場合には、静電潜像を一定時間保持する必要があるため、電荷注入層16の体積抵抗値としては1×109〜1×1014(Ωcm)の範囲が適当である。また、(b)の電荷注入層16を用いていない感光ドラム1bの場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範囲にある場合は同等の効果が得られる。更に、表層の体積抵抗が約1013Ωcmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な効果が得られる。
【0125】
本例に用いた感光ドラム1a及び感光ドラム1bの表層の抵抗は各々1012Ω・cmと、1014Ω・cm以上であった。
【0126】
(3)−1 帯電ローラ2A
本例における接触帯電部材としての帯電ローラ2Aは、前記したように、芯金2aと、この芯金2aの外周りに同心一体となるようローラ状に形成した帯電粒子担持体としてのゴムあるいは発泡体の弾性・中抵抗層2bからなる。そして、この帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの外周面に帯電粒子(導電性粒子)mを担持させている。
【0127】
弾性・中抵抗層2bは樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤及び発泡剤等により処方され、芯金2aの上にローラ状に形成した。その後、表面を研磨した。
【0128】
本発明における接触帯電部材としての帯電ローラ2Aは一般的に用いられる放電用の帯電ローラに対し以下の点で特に異なる。
【0129】
1.表層に高密度の帯電粒子mを担持するための表面構造や粗さ特性
2.直接注入帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗、表面抵抗)
(3)−2 表面構造及び粗さ特性
従来、放電によるローラ表面は平坦で表面の平均粗さRaでサブμm以下であり、ローラ硬度も高い。放電を用いた帯電において、放電現象はローラと被帯電体の接触部から少し離れた数十μmの隙間で放電現象が起きる。ローラ及び被帯電体表面に凹凸が存在する場合、部分的に電界強度が異なるため放電現象が不安定になり、帯電ムラを生じる。従って、従来の帯電ローラは平坦で高硬度な表面を必要とする。
【0130】
ではなぜ放電用帯電ローラでは注入帯電できないのかを考察するに、それは、前述のような表面構造では外観上ドラムと密着しているように見えるが、電荷注入に必要な分子レベルでのミクロな接触性という意味ではほとんど接触していないのである。
【0131】
一方、本発明における接触帯電部材として帯電ローラ2Aは帯電粒子mを高密度に担持する必要からある程度の粗さが要求される。平均粗さRaにして、1μmから500μmが好ましい。
【0132】
1μmよりも小さいと帯電粒子mを担持するための表面積が不足すると共に、絶縁物(例えばトナー)等がローラ表層に付着した場合その周辺がドラムに接触できなくなり、帯電性能が低下する。
【0133】
また、粒子の保持能力について考慮した場合、用いる帯電粒子の粒子径より大きな粗さを持つことが好ましい。
【0134】
逆に500μmよりも大きいと、ローラ表面の凹凸が被帯電体の面内帯電均一性を低下させることになる。本例におけるRaは50μmであった。
【0135】
平均粗さRaの測定には、キーエンス社製表面形状測定顕微鏡VF−7500、VF7510を用い対物レンズ250倍から1250倍を用い非接触にてローラ表面の形状及びRaの測定を行った。
【0136】
(3)−3 抵抗特性
従来の放電を用いる帯電ローラは芯金に低抵抗の基層を形成した後、表面を高抵抗層で被覆している。放電によるローラ帯電は印加電圧が高く、ピンホール(膜の損傷による基盤の露出)があるとその周辺にまで電圧降下が及び帯電不良を生じる。従って、1011Ω以上にする必要がある。
【0137】
一方、直接注入帯電方式においては、低電圧による帯電を可能とするため接触帯電部材の表層を高抵抗にする必要がなく、ローラを単層で構成することができる。むしろ、直接注入帯電において帯電ローラ2Aの表面抵抗で104〜1010Ωであることが必要である。
【0138】
1010Ωよりも大きくなると、ローラ表面に大きな電位差を生じるため帯電粒子に吐き出しバイアスが作用し吐き出され易くなる。また、帯電面内の均一性が低下し、ローラの摺擦によるムラが中間調画像にスジ状となって現れ、画像品位の低下が見られる。
【0139】
一方、104Ωよりも小さい場合は、注入帯電であってもドラムピンホールによる周辺の電圧降下を生じる。
【0140】
更に、体積抵抗については、104〜107Ωcmの範囲であることが好ましい。104Ωcmよりも小さい場合は、ピンホールリークによる電源の電圧降下を生じ易くなる。一方、107Ωcmよりも大きい場合は、帯電に必要な電流が確保できなくなり、帯電電圧が低下する。
【0141】
本実施例に用いた帯電ローラ2Aの表面抵抗及び体積抵抗は、107Ω及び106Ωcmであった。
【0142】
帯電ローラ2Aの抵抗測定は以下の手順で行った。測定時の構成について概略図を図3に示す。ローラ抵抗は、帯電ローラ2Aの芯金2aに総圧9.8N(1kgf)の加重がかかるよう外径30mmの絶縁体ドラム93に電極を施し測定した。電極は主電極92の周りにガード電極91を配し、図3の(a)・(b)に示す配線図にて測定を行った。主電極92とガード電極91間の距離はおよそ弾性・中抵抗層2bの厚さ程度に調整し、主電極92はガード電極91に対し十分な幅を確保した。測定は主電極92に電源S4から+100Vを印加し電流計Av及びAsに流れる電流を測定し、それぞれ体積抵抗、表面抵抗を測定した。
【0143】
以上述べてきたように本発明における接触帯電部材としての帯電ローラについては、
1.表層に高密度の帯電粒子を担持するために表面構造粗さ特性
2.直接帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗、表面抵抗)
が必要である。
【0144】
(3)−4 その他のローラ特性
直接注入帯電方式において、接触帯電部材は柔軟な電極として機能することが重要である。
【0145】
磁気ブラシにおいては、磁性粒子層自体がもつ柔軟性により実現している。
【0146】
本帯電装置2においては、帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの弾性特性を調整して達成している。アスカーC硬度で15度から50度が好ましい範囲である。更に好ましくは、20〜40度が好ましい。
【0147】
高過ぎると、必要な侵入量が得られず、被帯電体との間に帯電接触部nを確保できないため帯電性能が低下する。また、物質の分子レベルの接触性が得られないため異物の混入等によりその周辺への接触が妨げられる。
【0148】
一方、硬度が低過ぎると、形伏が安定しないために被帯電体との接触圧にムラを生じ帯電ムラを生じる。あるいは、長期放置によるローラの永久変形ひずみによる帯電不良を生じる。
【0149】
本例ではアスカーC硬度で22度の帯電ローラ2Aを使用した。更に、帯電ローラ2Aは感光ドラム1に対して0.3mmの侵入量に配設し、本例では約2mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0150】
(3)−5 帯電ローラの材質、構造、寸法
帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの材質としては、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためのカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材が挙げられる。導電性物質を分散せずにイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。その後必要に応じて表面の粗さ調整、研磨等による成形を行う。また、機能分離した複数層による構成も可能である。
【0151】
しかし、帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの形態としては多孔体構造がより好ましい。前述の表面粗さをローラの成形と同時に得られるという点で製造的にも有利である。発泡体のセル径としては、1から500μmが適切である。発泡成形した後に、その表面を研磨することにより多孔体表面を露出させ、前述の粗さを持った表面構造を形成可能である。
【0152】
そして最終的に径6mm・長手長さ240mmの芯金2aに、多孔体表面を有する、層厚3mmの弾性・中抵抗層2bを形成し、外径12mm、中抵抗層長手長さ220mm、の帯電ローラ2Aを作成した。
【0153】
帯電ローラ2Aは被帯電体としての感光ドラム1に対して0.3mmの侵入量にて配設し、本実施例では接触幅約2mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0154】
(4) 帯電粒子m
帯電粒子mは帯電粒子供給器3のハウジング容器3a内に収容される。
【0155】
帯電粒子mは一次粒子の状態で存在するばかりでなく、二次粒子の擬集した状態で存在することもなんら問題はない。どのような擬集状態であれ、凝集体として帯電粒子mとしての機能が実現できればその形態は重要ではない。
【0156】
帯電粒子mは特に感光体の帯電に用いる場合に潜像露光の妨げにならないよう白色または透明に近いことが望ましい。更に、帯電粒子mが感光体上から記録材に一部転写されてしまうことを考えると、カラー記録では無色あるいは白色のものが望ましい。また、画像露光時に粒子による光散乱を防止するためにもその粒径は構成画素サイズ以下、更にはトナー粒径以下であることが望ましい。粒径の下限値としては粒子として安定にえられるものとして10nmが限界と考えられる。
【0157】
(5) 帯電粒子担持量
本発明では、粒子帯電における帯電粒子mの粒径を小径化することにより、更に帯電性能を向上させることができるが、帯電粒子mの感光ドラム1ヘの脱落は顕著になる。帯電ローラ2A上に帯電粒子mを保持し得る力は弱い付着力であるので、多くの粒子を供給しても、粒子を拘束することは困難であり、感光ドラム1に脱落して、その後の現像工程や転写紙上への画像不良の影響を与える。従って、理想的には帯電ローラ表層に一層均一に塗布することが望ましいが、実際のところは、担持量を調整することにより、帯電性を確保すると共に付着する粒子を弊害のないレベルで減らすことが可能となる。粒子の担持量はローラ表面の平均粗さRaにより適切に保つ必要がある。つまり担持量を平均粗さRaで除した値が好ましくは1以下、より好ましくは0.3以下である。
【0158】
従来の磁気ブラシ帯電装置で用いる磁性の導電性粒子の担持量/Raが凡そ167mg/cm2/μm(200mg/cm2、Ra=1.2μm)であるのに対して、本発明におけるの非磁性帯電粒子は好ましくは1mg/cm2/μm(50mg/cm2、Ra=50μm)以下である。より好ましくは0.3mg/cm2/μm(15mg/cm2、Ra=50μm)以下とすることで良好な結果が得られている。一方、帯電性能を確保する必要から最小担持量は同じく担持量/Raの値で好ましくは0.005mg/cm2/μm(0.25mg/cm2、Ra=50μm)である。より好ましくは0.02mg/cm2/μm(1mg/cm2、Ra=50μm)である。つまり、担持量/Raは好ましくは0.005から1、より好ましくは、0.02から0.3mg/cm2/μmである。
【0159】
担持量の調整は、帯電粒子供給器3のファーブラシ3cの回転数を調整することにより行った。ブラシ速度が速いほど粒子担持量は低く設定可能である。また、必要に応じて攪拌羽根3bの回転速度、ファーブラシ3cの密度等により調整を行った。
【0160】
(6)現像装置5
現像装置5は2成分現像器である。その構成につい詳述する。現像装置5は、感光ドラム1に対向して配置されており、その内部は垂直方向に延在する隔壁57によって第1室(現像室)58aと第2室(攪拌室)58bとに区画されている。
【0161】
第1室58aの開口部には矢印方向に回転する非磁性の現像スリーブ51が感光ドラム1に対向して配置されており、この現像スリーブ51内に磁石52が固定配置されている。現像スリーブ51はブレード59によって層厚規制された二成分現像剤(磁性キャリアCdと非磁性トナーtを含む)Tの層を担持搬送し、感光ドラム1と対向する現像領域aで現像剤を感光ドラム1に供給して静電潜像をトナー画像として現像する。現像スリーブ51には電源S2から直流電圧を交流電圧に重畳した矩形波を有する現像バイアス電圧が印加されている。
【0162】
第1室58a及び第2室58bにはそれぞれ現像剤攪拌スクリュー53a及び53bが配置されている。スクリュー53aは第1室58a中の現像剤Tを攪拌搬送する。また、スクリュー53bは、図示しないトナー補給槽のトナー排出口55から搬送スクリュー56の回転によって第2室58bに供給されたトナーtと既に第2室58b内にある現像剤Tとを攪拌搬送し、トナー濃度を均一化する。隔壁57には図1における手前側と奥側の端部において第1室58aと第2室58bとを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記スクリュー53a・53bの搬送力により、現像によってトナーtが消費されてトナー濃度の低下した第1室58a内の現像剤Tが一方の通路から第2室58b内へ移動し、第2室58b内でトナー濃度の回復した現像剤Tが他方の通路から第1室58a内へ移動するように構成されている。
【0163】
一方、現像剤濃度制御装置は磁力センサにより現像剤の透磁率をモニターすることにより現像装置内の現像剤T中のトナーの割合を一定に保つように調節する。即ち、トナーtと現像キャリアCdの透磁率の違いからその混合比により透磁率が異なる。従って、事前に計測した磁気センサの出力と現出力との比較によりトナーの補給を制御して、現像装置内の現像剤T中のトナーの割合を一定に保つものである。
【0164】
現像剤Tはネガに摩擦帯電する非磁性トナーTとポジに帯電する磁性キャリア粒子Cdからなる二成分現像剤である。また、この現像剤Tのトナー混合比は質量比で非磁性トナーが5%となるようにした。
【0165】
a)トナーt:非磁性トナーtは、結着樹脂、顔料及び電荷制御剤を混合し混練、粉砕及び分級の各工程を経て作成し、更に流動化剤等を外添剤として添加して作成されたものである。トナーの平均粒径(D4)は8μmであった。
【0166】
b)キャリアCd:磁性キャリアはフェライト粒子からなりその平均粒径は50μmであり、その抵抗値は108Ωcm以上の値を示す。
【0167】
[実施形態2]
図4は帯電装置を用いた第二の実施形態の電子写真装置を示す概略構成図である。本実施例の電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用、直接注入帯電方式、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンターである。
【0168】
(1)電子写真装置の全体的な概略構成
前述の実施形態1の電子写真装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
【0169】
帯電装置2について、帯電ローラ2Aに対する専用の帯電粒子供給器3は備えていない。その代わりに、帯電粒子m(本発明における非磁性の金属化合物微粒子)は現像装置60の現像剤tに添加してあり、感光ドラム1に静電潜像の現像時にトナーと共に感光ドラム1面に付着し、感光ドラム1の回転で帯電接触部nに持ち運ばれることで、感光ドラム1を介して帯電ローラ2Aに供給される。
【0170】
現像装置60は一成分磁性トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置である。現像装置内にはその現像剤tと帯電粒子mとの混合剤t+mを収容させてある。回転感光ドラム1面の静電潜像はこの現像装置60により現像部位aにてトナー画像として現像される。
【0171】
即ち、本例の電子写真装置はトナーリサイクルプロセスであり、画像転写後の感光ドラム1面上に残留した転写残トナーは専用のクリーナ(クリーニング装置)で除去されることなく感光ドラム1の回転に伴い帯電接触部nに持ち運ばれて、帯電接触部nにおいて感光ドラム1の回転に対してカウンタ回転する帯電ローラ2Aに一時的に回収され、この帯電ローラ外周を周回するにつれて、反転したトナー電荷が正規化され、順次に感光ドラム1に吐き出されて現像部位aに至り、現像装置60において現像同時クリーニングにて回収・再利用される。
【0172】
(2)帯電装置2
帯電粒子供給器3を配していないことを除けば、実施形態1の構成に準ずる。
【0173】
(3)現像装置60
60aはマグネットロール60bを内包させた、現像剤担持搬送部材としての非磁性回転現像スリーブであり、現像容器60e内に備える現像前混合剤t+m内のトナーtは回転現像スリーブ60a上を搬送される過程において、規制ブレード60cで層厚規制及び電荷付与を受ける。60dは現像容器60e内のトナーの循環を行い順次スリーブ周辺にトナーを搬送する攪拌部材である。
【0174】
回転現像スリーブ60aにコートされたトナーtはスリーブ60aの回転により、感光ドラム1とスリーブ60aの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。またスリーブ60aには現像バイアス印加電源S5より現像バイアス電圧が印加される。
【0175】
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧とAC電圧の重畳電圧とした。これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。
【0176】
a)トナーt:現像剤である1成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体粒子及び電荷制御剤を混合し混練、粉砕及び分級の各工程を経て作成し、更に帯電粒子mや流動化剤等を外添剤として添加して作成されたものである。トナーの平均粒径(D4)は7μmであった。
【0177】
b)帯電粒子m:実施形態1に準ずる。
【0178】
(4)帯電粒子担持量、被覆率
本実施形態においてはトナーリサイクル構成であるため、実施形態1に比べ多くのトナーが帯電ローラ表面を汚染する。トナーは摩擦帯電による電荷を表面に維持するため抵抗値としては1013Ωcm以上の抵抗を有する。従って、帯電ローラ2Aがトナーにより汚染されると、帯電ローラ2A上に担持している粒子抵抗が増加し帯電性能が低下する。例え、帯電粒子の抵抗が低くとも、トナーの混入により担持している粉体の抵抗は上昇し帯電性に障害を生じる。従って、帯電粒子担持量が実施形態1に準ずる担持量/Raで好ましくは0.005から1、より好ましくは0.02から0.3mg/cm2/μmであっても、その成分に多くのトナーが含まれていることがあり、当然帯電性能は低下する。この場合、担持粒子の抵抗が上昇しその状況を捉えることができる。つまり、実使用状態において、帯電ローラ2Aに担持している粒子(トナーや紙粉等の混入物も含む)を前記した方法で抵抗測定を行いその値が、10-1〜1012Ωcmである。好ましくは10-1〜109Ωcmである。
【0179】
更に、帯電粒子mの帯電における実効的な存在量を把握するために、帯電粒子mの被覆率を調整することが更に重要となる。帯電粒子mは白色であるため磁性トナーの黒色と区別可能である。顕微鏡における観察において白色を呈している領域を面積率として求める。被覆率が0.1未満の場合は帯電ローラ2Aの周速度を高めても帯電性能としては不十分であることから、帯電粒子mの被覆率を0.2〜1の範囲に保つことが重要となる。
【0180】
また、担持量の調節は、基本的には帯電粒子mの現像剤tへの添加量の調整により行った。また、必要に応じて、帯電ローラ2Aの外周の一部に弾性ブレードを当接することにより調整を行った。部材を当接することにより、トナーの摩擦帯電極性を正規化する効果があり、帯電ローラ2Aに担持されている粒子量を調整することが可能となる。該帯電粒子の比表面積は5×105(cm2/cm3)以上1×107以下であり、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下である必要があり、前記電子写真装置に用いるトナーの重量平均粒径未満であることが好ましい。
【0181】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0182】
〔実施例1〕
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50質量部、レゾール型フェノール樹脂25質量部、メチルセロソルブ20質量部、メタノール5質量部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002質量部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して導電層用塗料を調製した。アルミニウムシリンダー(φ30mm)上に、導電層用塗料を浸漬コーティングし、140℃で30分間乾燥させ、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0183】
導電層上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5質量部をメタノール70質量部とブタノール25質量部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティングし、乾燥して、膜厚が1μmの下引き層(電荷注入阻止層)を形成した。
【0184】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5質量部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBH−S、積水化学工業(株)製)1質量部をシクロヘキサノン120質量部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これにメチルエチルケトン120質量部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0185】
次に、下記構造式で示されるトリアリ−ルアミン系化合物40質量部と
【0186】
【化2】
Figure 0003880440
ポリカ−ボネ−ト(ユ−ピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)50質量部をクロロベンゼン350質量部に溶解して調製した溶液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティングし、110℃で1時間加熱乾燥して、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
【0187】
次に、保護層として、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)100質量部を下記構造式のフッ素原子含有化合物(商品名LS−1090、信越シリコーン(株)製)7質量部で表面処理した(以下、処理量:7%と表す)、処理済み酸化スズ微粒子50質量部と
【0188】
【化3】
Figure 0003880440
エタノ−ル150質量部をサンドミルで60時間分散を行い、その後更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径:0.18μm)20質量部を加えて8時間分散を行った。
【0189】
その後、レゾール型フェノール樹脂(商品名:XPL−8264B;群栄化学工業(株)製)を樹脂成分として30質量部を溶解し、良く攪拌して、保護層用塗料とした。
【0190】
この塗料を用いて、塗工環境として相対湿度65%RHのもとで、先の電荷輸送層上に浸漬コーティング法により、保護層膜を形成した後155℃で1時間熱風乾燥して、膜厚が2μmの保護層を作製した。
【0191】
保護層塗料の分散状態は良好で、作製された保護層はムラのない均一な膜であった。
【0192】
上記のように作成した電子写真感光体の表面を、マイクロマップ((株)菱化システム、520N型)という非接触3次元形状システムを用い、×20の対物レンズで約400×300μmの範囲をWAVEモードで測定した。その後、解析ソフトにてフーリエ変換を行いλminを算出した。その結果を表4に示す。
【0193】
先に得られた電子写真感光体を、上記の実施形態2で示したように注入帯電用に改造しキヤノン製複写機GP−55に搭載して評価を行った。一次帯電のDC印加電圧は−700Vとした。
【0194】
前記非磁性金属化合物微粒子は、本例では体積抵抗4×101Ωcm、体積基準のメジアン径(D50)が3.0μm、比表面積が2.2×106cm2/cm3の導電性酸化スズ粒子(含有率94質量%)を用いた。D10は1.3μm、D90は3.7μmであった。トナーは、重量平均粒径が8μmのトナーを用いた。
【0195】
これらの評価サンプルを低温低湿(15℃、10%RH)、常温常湿(23℃、60%)、
及び高温高湿(32.5℃、85%RH)の環境下で電子写真特性の評価を行った。その結果、この電子写真感光体は表5に示すように低温低湿及び高温高湿においても、良好な電位特性を示した。
【0196】
更に、連続して5000枚の通紙耐久による結果でも、低温低湿及び高温高湿のいずれの環境下においても暗部電位と明部電位のどちらもほとんど変化しなかった。結果を表5に示す。
【0197】
また、表7の結果に示すように、これらの環境中において、上記の装置で以下のように画像出しを行った。プリント画像書き出しから感光体1回転の部分に25mm角の正方形ベタ黒部を並べ、感光体2回転目以降に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートを出力した。即ち、ベタ黒部のゴーストがハーフトーン部で評価できる。その結果、ゴースト等の画像欠陥のない良好な画像が得られた。
【0198】
〔実施例2〕
塗工環境として相対湿度70%RHのもとで保護層を作製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0199】
結果を表4、5、7に示す。
【0200】
〔実施例3〕
前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径:0.18μm)を30質量部にした以外、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
【0201】
結果を表4、5、7に示す。
【0202】
〔実施例4〕
前記保護層塗料分散条件を、60時間から50時間に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
【0203】
結果を表4、5、7に示す。
【0204】
〔実施例5〕
前記保護層膜の乾燥条件を、135℃で45分にした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。
【0205】
結果を表4、5、7に示す。
【0206】
〔実施例6〕
実施例1において用いたレゾール型フェノール樹脂を下記構造式のアクリル樹脂に代え、光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン2質量部を添加して溶解させて保護層用塗料を調製した。
【0207】
【化4】
Figure 0003880440
【0208】
この塗料を前記電荷輸送層上に浸漬コーティングして膜を形成し、つづいて高圧水銀灯にて800mW/cm2の光強度で60秒間光硬化を行い、その後120℃で2時間熱風乾燥して膜厚が2μmの保護層を形成した。それ以外は実施例1と全く同様に電子写真電子写真感光体を作製し、評価した。
【0209】
結果を表4、5、7に示す。
【0210】
〔実施例7〕
帯電粒子(非磁性金属化合物微粒子)として、体積抵抗4×101Ωcm、体積基準のメジアン径(D50)が2.7μm、比表面積が3×106cm2/cm3、D10が1.1μm、D90が3.4μmの導電性酸化スズ粒子を用い、実施例1で使用した感光体を用いて評価を行った。
【0211】
結果を表4、5、7に示す。
【0212】
〔比較例1〕
保護層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、前記非磁性金属化合物微粒子として、メジアン径が4.1μmの導電性酸化スズ粒子を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0213】
結果を表4、6、7に示す。
【0214】
〔比較例2〕
保護層塗工環境として相対湿度20%RHのもとで保護層を作製し、前記非磁性金属化合物微粒子として、メジアン径が4.1μmの導電性酸化スズ粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0215】
結果を表4、6、7に示す。
【0216】
〔比較例3〕
メジアン径が4.5μmの導電性酸化スズ粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0217】
結果を表4、6、7に示す。
【0218】
〔比較例4〕
前記保護層塗料分散条件を、60時間から150時間に変更し、前記非磁性金属化合物微粒子として、メジアン径が4.5μmの導電性酸化スズ粒子を用いた以外は、実施例6と同様に感光体を作製し、評価した。
【0219】
結果を表4、6、7に示す。
【0220】
〔比較例5〕
前記保護層膜の乾燥条件を、155℃で120分にし、前記非磁性金属化合物微粒子として、メジアン径が4.5μmの導電性酸化スズ粒子を用いた以外は、実施例6と同様に感光体を作製し、評価を行った。
【0221】
結果を表4、6、7に示す。
【0222】
【表4】
Figure 0003880440
【0223】
【表5】
Figure 0003880440
【0224】
【表6】
Figure 0003880440
【0225】
【表7】
Figure 0003880440
【0226】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、いかなる環境においても、また繰り返し使用においても電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電子写真装置の構成図である。
【図2】電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。
【図3】帯電ローラの抵抗を測定する構成の一例を示す図である。
【図4】実施形態2の電子写真装置の構成図である。

Claims (10)

  1. 電子写真感光体と、
    電子写真感光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を有し、該帯電部材に電圧印加ることによって電子写真感光体面を帯電する接触帯電手段と、
    少なくとも結着樹脂及び着色剤から形成された重量平均粒径が3μm以上12μm以下のトナー粒子並びに導電性粒子としての非磁性金属化合物微粒子を含む現像剤を用いる現像手段と
    を有するプロセスカートリッジであって、
    現像部で電子写真感光体に付着し、かつ記録材に対するトナー画像転写後に該電子写真感光体上に残留した該非磁性金属化合物微粒子が、帯電部材と電子写真感光体とのニップ部に持ち運ばれることによって、ニップ部に該非磁性金属化合物微粒子供給されるプロセスカートリッジにおいて、
    該非磁性金属化合物微粒子の比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下であり
    該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下であり、
    電子写真感光体表面粗さをフーリエ変換して得られた最小波長λminと、該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径50 とが、2×D50<λmin<20の関係を満たす
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記電子写真感光体が、電荷注入層を有する請求項1記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積抵抗が1×10-1 Ωcm以上1×109Ωcm以下である請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積基準の90%平均粒径(90 4μm以下である請求項1乃至のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積基準の10%平均粒径(10 0.3μm以上である請求項1乃至のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  6. 電子写真感光体と、
    電子写真感光体とニップ部を形成する可撓性の帯電部材を有し、該帯電部材に電圧印加ることによって電子写真感光体面を帯電する接触帯電手段と、
    少なくとも結着樹脂及び着色剤から形成された重量平均粒径が3μm以上12μm以下のトナー粒子並びに導電性粒子としての非磁性金属化合物微粒子を含む現像剤を用いる現像手段と
    を有する電子写真装置であって、
    現像部で電子写真感光体に付着し、かつ記録材に対するトナー画像転写後に該電子写真感光体上に残留した該非磁性金属化合物微粒子が、帯電部材と電子写真感光体とのニップ部に持ち運ばれることによって、ニップ部に該非磁性金属化合物微粒子供給される電子写真装置において、
    該非磁性金属化合物微粒子の比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下であり
    該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下であり、
    電子写真感光体表面粗さをフーリエ変換して得られた最小波長λminと、該非磁性金属化合物微粒子の体積基準のメジアン径50 とが、2×D50<λmin<20の関係を満たす
    ことを特徴とする電子写真装置。
  7. 前記電子写真感光体が、電荷注入層を有する請求項6に記載の電子写真装置。
  8. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積抵抗が1×10-1 Ωcm以上1×109Ωcm以下である請求項6又は7に記載の電子写真装置。
  9. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積基準の90%平均粒径(90 4μm以下である請求項乃至のいずれかに記載の電子写真装置。
  10. 前記非磁性金属化合物微粒子の体積基準の10%平均粒径(10 0.3μm以上である請求項乃至のいずれかに記載の電子写真装置。
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