JP2003021946A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置およびプロセスカートリッジ

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JP2003021946A
JP2003021946A JP2001206647A JP2001206647A JP2003021946A JP 2003021946 A JP2003021946 A JP 2003021946A JP 2001206647 A JP2001206647 A JP 2001206647A JP 2001206647 A JP2001206647 A JP 2001206647A JP 2003021946 A JP2003021946 A JP 2003021946A
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electrophotographic
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electrophotographic photosensitive
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Daisuke Tanaka
大介 田中
Koichi Nakada
浩一 中田
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Kimihiro Yoshimura
公博 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真感光体端部のはがれに起因する帯電不
良、更にそれによる画像不良の発生を防止した、電子写
真装置及びその装置に用いるプロセスカートリッジを提
供する。 【解決手段】 電子写真感光体が円筒状導電性基体上
に、感光層及び該感光層上に電荷注入層を有し、かつ該
電子写真感光体の回転軸方向における前記基体の長さ
(LCY)が下記式(1)を満たし、同軸方向における感
光層の幅(LCT)及び電荷注入層の幅(LOCL)、が、
回転軸方向長手中心基準で、前記帯電粒子担持体の両端
部よりそれぞれ1mm以上長く、且つ画像形成領域の両
端部よりそれぞれ10mm以内である。 226mm<LCY≦247mm……式(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】より詳しくは、電子写真感光体に接触する
帯電部材から電荷を感光体表面に直接注入する帯電が支
配的である帯電方式を用いている電子写真感光体、該電
子写真感光体を備えた電子写真装置及びプロセスカート
リッジに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置や静電記録
装置等の画像記録装置において、電子写真感光体・静電
記録誘電体などの像担持体(被帯電体)を所要の極性・
電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置
としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用され
ていた。
【0004】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲
むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像
担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシール
ド電極に高圧を印加することにより、生じる放電電流
(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持
体面を所定に帯電させるものである。
【0005】近時は、コロナ帯電器に比べて低オゾン・
低電力等の利点があることから、前記したように被帯電
体に電圧を印加した帯電部材を当接させて被帯電体を帯
電する接触方式の帯電装置(接触帯電装置)が実用化さ
れてきている。
【0006】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁
気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触さ
せ、この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、
接触帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加し
て、被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるもので
ある。
【0007】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入
帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが
支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0008】(1)放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微少間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。
【0009】放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一
定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧を
接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電
器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物
を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど
活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】たとえば、接触帯電部材として導電ローラ
ー(帯電ローラー)を用いたローラー帯電方式は帯電の
安定性と言う点で好ましく、広く用いられているが、こ
のローラー帯電ではその帯電機構は放電帯電機構が支配
的である。
【0011】即ち、帯電ローラーは導電あるいは中抵抗
のゴム材あるいは発泡体を用いて生成される。さらにこ
れらを積層して所望の特性を得たものもある。帯電ロー
ラーは被帯電体との一定の接触を得るために弾性を持た
せているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、
被帯電体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動され
る。従って、ローラー上の形状のムラや被帯電体の付着
物により非接触状態が避けられないため、従来のローラ
ー帯電ではその帯電機構は放電帯電機構が支配的とな
る。
【0012】より具体的に説明すると、被帯電体として
の厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラーを
加圧当接させて帯電処理を行わせる場合には、帯電ロー
ラーに対して約640V以上の電圧を印加すれば感光体
の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して
傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。以降、この
しきい値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0013】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラーにはVd+Vt
hという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。こ
のようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して像
担持体の帯電を行う方式を「DC帯電方式」と称する。
【0014】しかし、DC帯電方式においては環境変動
等によって接触帯電部材の抵抗が変動するため、また像
担持体としての感光体が削れることによって膜厚が変化
するとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値
にすることが難しかった。
【0015】このため更なる帯電の均一化を図るために
特開昭63−149669号公報等に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触
帯電部材に印加して像担持体の帯電を行う「AC帯電方
式」が用いられる。これはACによる電位のならし効果
を目的としたものであり、像担持体の電位はAC電圧の
ピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影
響されることはない。
【0016】しかしながら、このような接触帯電装置に
おいても、その本質的な帯電機構は帯電部材から像担持
体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯
電に必要とされる電圧は像担持体表面電位+放電しきい
値以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0017】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界によ
る接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による被帯電体表面の劣化が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0018】(2)直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体へ電荷が直接注入されること
で、被帯電体表面を帯電する機構である。本機構は、特
開平06−003921号公報等で提案されている。
【0019】中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり放電機構を基本的
に用いないで、被帯電体表面に直接電荷注入を行うもの
である。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値
以下であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電
することができる。この直接注入帯電機構はイオンの発
生を伴わないため放電生成による弊害は生じない。
【0020】より具体的には、帯電ローラー、帯電ブラ
シ、帯電磁気ブラシ等の接触帯電部材に電圧を印加し、
被帯電体(像担持体)表面にあるトラップ準位または電
荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して
直接注入帯電を行う機構である。放電現象が支配的でな
いため、オゾンの発生も無い。
【0021】(帯電部材に粉末塗布)一方接触帯電装置
の帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行うために、帯
電部材の被帯電体面との接触面に粉末を塗布する構成が
特公平07−99442号公報に開示されている。しか
し、この方法では帯電部材が従動回転であり、スコロト
ロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は
格段に少なくなっているものの、帯電原理は先の[帯電
ローラー]で述べたように依然として放電によるコロナ
帯電を主としている。特に、より安定した帯電均一性を
得るためにはDCにACを重畳した電圧を印加するため
に、より放電によるオゾン生成物は多くなってしまう。
直接注入帯電においては、帯電ローラーあるいはファー
ブラシを用いた簡易な構成で直接帯電をすることが難し
く、帯電不良による画像のかぶり(反転現像の場合には
白地部が現像される)や帯電ムラなどが生じる。
【0022】そこで、新たな帯電方式として以下に記載
する方法が考案されている。
【0023】つまり、電圧を印加した帯電部材を被帯電
体に接触させて被帯電体面を帯電する帯電装置であり、
前記帯電部材が弾性体で構成され、かつ、前記帯電部材
表面は被帯電体面に対して速度差を持っており、かつ、
少なくとも前記帯電部材と被帯電体との接触面に導電粒
子を担持する。これにより、直接帯電において十分な接
触性を得られ、均一な帯電が可能となる。
【0024】また、前記導電粒子を供給する手段を備え
る。これにより、本帯電装置を長期に使用した場合にお
いても帯電を安定して行うことが出来る。
【0025】前記導電粒子の抵抗値が、1×1010(Ω
・cm)以下である。これにより、直接帯電において均
一で且つ安定した帯電が可能となる。
【0026】前記導電粒子の粒径が、10nm以上かつ
1画素の大きさ以下である。これにより、露光を阻害し
ない良好な画像を得られる装置を提供できる。
【0027】被帯電体の最表面層の体積抵抗が1×10
14(Ω・cm)以下である。さらに、被帯電体は電子写
真感光体であり該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗
が1×109 (Ω・cm)以上かつ1×1014(Ω・c
m)以下である。これにより、プロセススピードの速い
装置においても、十分な帯電性を与えることが出来る。
【0028】さらに、被帯電体の周りに配置された、該
電子写真感光体に接触し、該電子写真感光体を一様に帯
電する帯電装置と、該被帯電体に露光により静電潜像を
形成する露光器と、該静電潜像を現像剤で可視化し、か
つ転写工程後、該電子写真感光体上に残留したトナーを
回収する現像装置と、該被帯電体上のトナー像を記録材
に転写する転写帯電装置から構成された電子写真方式の
画像記録装置に上述の帯電装置を用いる。これにより、
クリーナレス画像形成装置においても、均一な帯電性を
与えることが出来るようになり、非常に優れた帯電方式
である。
【0029】また、近年のスモールオフィス化、ホーム
オフィス化に伴い、複写機、プリンターといった電子写
真装置もますます小型化する必要があり、如何にコンパ
クトに設計するかが重要なポイントとなっている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
装置では、帯電部材に帯電粒子を担持させ、帯電粒子を
感光体との間に介在させることで、電子写真感光体を帯
電させているために、帯電粒子との摩擦で感光体の塗布
幅端部は接着強度の問題から、はがれや削れが大きいく
なり、導電粒子が該電子写真感光体の未塗布幅に接触し
た時点で電荷がリークをしてしまい、帯電不良により画
像を出力できなくなってしまうことがあった。
【0031】また、転写工程後、極性が反転した残トナ
ーは、帯電装置に一時回収され、帯電粒子と共につれ回
ることによって正規化された後、感光体上に吐き出さ
れ、現像器で回収されるというクリーナーレスシステム
の場合、帯電装置にて帯電されていない部位が、電位が
低いため、現像装置よりトナーが付着したときに、帯電
粒子がうまく帯電装置と連動して動かず、トナーの極性
をネガ化することが出来ないため、帯電装置にも一時回
収されず、現像装置にも回収されず、融着を起こしてし
まうことがあった。また、感光層上のトナーの融着は成
長し、現像装置の突き当て部材と感光体との当接面、更
には画像形成部位まで成長すると、融着している部分が
前述の付き当て部材の下に入り込むことで、感光体と現
像装置との距離が変わり、その部分がうまく印字されな
い白スジと呼ばれる画像欠陥を引き起こしてしまうこと
もあった。
【0032】更に、先にも述べたように、本体装置を小
さくすることが市場から求められており、必然的に電子
写真感光体も小さくする必要がある。このため、設計
上、感光層及び電荷注入層の未塗布幅領域を多く取るよ
うな、余裕のある設計は実質出来ない。
【0033】これらの問題は、上記帯電方式に特有の問
題である。
【0034】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は鋭
意検討の結果、上記のような電子写真装置に用いる電子
写真感光体の感光層及び電荷注入層の塗布幅が、帯電装
置より1mm以上、回転軸方向で長く、10mm以内で
あると、本課題を解決できることを見出した。
【0035】即ち、本発明は、円筒状導電性基体上に感
光層を有し、該導電性支持体の回転軸方向における長さ
(LCY)が下記式(1)を満たす電子写真感光体と、その
周りに配置された、帯電装置、像露光装置、現像ローラ
ーを有する現像装置、転写装置及び定着装置を有し、転
写工程後の該電子写真感光体表面に残留した現像剤を少
なくとも帯電装置に一時担持し、該電子写真感光体を通
して再度現像装置に回収するトナーリサイクル構成の電
子写真装置であって、該帯電装置は、粒径が10μm〜
10nmである導電粒子を主成分とする帯電粒子と、導
電性と弾性を有した表面を備え、該帯電粒子を担持する
帯電粒子担持体により構成され、該帯電粒子は電子写真
感光体に接触し、電子写真感光体表面に直接電荷を注入
して帯電し、現像装置は付き当て部材を介して、電子写
真感光体に当接する電子写真装置に用いる電子写真感光
体において、該電子写真感光体が感光層上に電荷注入層
を有し、回転軸方向における感光層の幅(LCT)及び電
荷注入層の幅(LOCL)が、回転軸方向長手中心基準
で、前記帯電粒子担持体の両端部よりそれぞれ1mm以
上長く、10mm以内であることを特徴とする電子写真
感光体である。 226mm<LCY≦247mm……式(1) また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセス
カートリッジ及び電子写真装置である。
【0036】本発明における装置では、帯電部材に帯電
粒子を担持させ、帯電粒子を感光体との間に介在させる
ことで、電子写真感光体を帯電させている。このため
に、電子写真感光体の塗布幅が、1mm未満であると、
帯電粒子である導電粒子が該電子写真感光体の未塗布部
分に接触することで電荷がリークをしてしまい、帯電不
良により画像を出力できなくなってしまう。
【0037】一方、転写工程後、極性が反転した残トナ
ーは、帯電装置に一時回収され、帯電粒子と共につれ回
ることによって正規化された後、感光体上に吐き出さ
れ、現像装置で回収されるというクリーナーレスシステ
ムを構築している。
【0038】そのため、この塗布幅が帯電装置の端部よ
り10mmより外側になると、帯電装置にて帯電されて
いない部位に、電位が低いため現像装置よりトナーが付
着した場合、このトナーは帯電装置より10mmより遠
い位置にあるので、帯電粒子がうまく帯電装置と連動し
て動かず、トナーの極性をネガ化することが出来ない。
よって、帯電装置にも一時回収されず、現像装置にも回
収されない為、結果として融着を起こしてしまう。更に
感光層上のトナーの融着は成長し、現像装置の突き当て
部材と感光体との当接面、更には画像形成部位まで成長
すると、融着している部分が前述の付き当て部材の下に
入り込むことで、感光体と現像装置との距離が変わり、
その部分がうまく印字されない白スジと呼ばれる画像欠
陥を引き起こしてしまう。
【0039】未塗布幅領域である円筒状導電性基体上で
あれば、例え帯電装置にて帯電されていない部位にトナ
ーが付着しても、感光層上の残トナーと違い、導電性基
体上の残トナーは、融着が更に成長することがなく画像
欠陥を起こさない。そのため、帯電器より10mm以上
遠い場所、つまり帯電粒子に影響を及ぼせない場所は、
感光層ではなく導電性基体であることが大切なのであ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0041】<実施形態1>図1は本発明の電子写真装
置に特定の帯電装置を用いた概略構成図である。本実施
例の電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用、直
接注入帯電方式、トナーリサイクルプロセス(クリーナ
レスシステム)のレーザプリンタ(記録装置)である。
【0042】(1)プリンタの全体的概略構成 1は電子写真感光体であり、本実施例ではφ30mmの
回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下
感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の
時計方向に周速度110mm/sec(=プロセススピ
ード PS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動さ
れる。
【0043】帯電ローラー2は、帯電導電粒子M(帯電
粒子としての導電性粒子)と、粒子担持体としての中抵
抗層2b及び芯金2aにより構成される。帯電ローラー
2は感光ドラム1に所定の侵入量をもって当接し、接触
部nを形成する。
【0044】帯電ローラー2はこの帯電接触部nにおい
て感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回
転駆動され、感光ドラム1面に対して速度差を持って接
触する。また、プリンタの画像記録時には該帯電ローラ
ー2に帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイア
スが印加されるこれにより感光ドラム1の周面が直接注
入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理さ
れる。本実施例ではS1の印加電源による印加バイアス
をDC電圧−620Vが印加された。
【0045】導電粒子は、現像剤に添加して蓄積されト
ナーの現像と共に感光ドラムを介して帯電ローラーに供
給される。
【0046】60は現像装置である。回転感光ドラム1
面の静電潜像はこの現像装置60により現像部位aにて
トナー画像として現像される。現像装置60内には現像
剤tに導電粒子mを添加した混合剤tmが備えられてい
る。
【0047】本実施例のプリンタはトナーリサイクルプ
ロセスであり、画像転写後の感光ドラム1面上に残留し
た転写残トナーは専用のクリーナ(クリーニング装置)
で除去されることなく感光ドラム1の回転に伴いカウン
ター回転する帯電ローラーに一時的に回収されローラー
外周を周回するにつれて、反転したトナー電荷が正極化
され順次感光ドラムに吐き出されて現像部位aに至り、
現像器60において現像同時クリーニングにて回収・再
利用される。
【0048】4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等
を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。この
レーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列ディ
ジタル画像信号に対応して強度変調されたレーザー光を
出力し、該レーザー光で上記回転感光ドラム1の一様帯
電面を走査露光Lする。この走査露光光Lにより回転感
光ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が
形成される。
【0049】7は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の
転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離
されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を
受けて画像形成物(プリント・コピー)として装置外へ
排出される。
【0050】次に、主要な部材について個々に詳しく説
明する。
【0051】(2)帯電ローラー 本実施例における帯電ローラー2は、芯金2a上にゴム
あるいは発泡体の中抵抗層2bを形成している。
【0052】中抵抗層2bは樹脂(例えばウレタン)、
硫化剤及び発泡剤等により処方され、芯金2aの上にロ
ーラー状に形成した。その後、表面を研磨した。
【0053】本発明における帯電ローラーは、一般的に
用いられる放電用の帯電ローラーに対し以下の点で特に
異なる。
【0054】I.表層に高密度の帯電導電粒子を担持す
るための表面構造や粗さ特性 II.直接帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗、表面抵
抗) (2)−1 表面構造及び粗さ特性 従来、放電によるローラー表面は平坦で表面の平均粗さ
Raでサブμm以下であり、ローラー硬度も高い。放電
を用いた帯電において、放電現象はローラーとドラムの
接触部から少し離れた数十μmの隙間で放電現象が起き
る。ローラー及びドラム表面に凹凸が存在する場合、部
分的に電界強度が異なるため放電現象が不安定になり、
帯電ムラを生じる。従って、従来の帯電ローラーは平坦
で高硬度な表面を必要とする。
【0055】ではなぜ放電用帯電ローラーでは注入帯電
できないのか。前述のような表面構造では外観上ドラム
と密着しているように見えるが、電荷注入に必要な分子
レベルでのミクロな接触性という意味ではほとんど接触
していないのである。
【0056】一方、本発明の導電性弾性ローラーは、帯
電導電粒子を高密度に担持する必要からある程度の粗さ
が要求される。平均粗さRaにして、1μm〜500μ
mが好ましい。1μm未満では粒子を担持するための表
面積が不足すると共に、絶縁物(例えばトナー)等がロ
ーラー表層に付着した場合その周辺がドラムに接触でき
なくなり、帯電性能が低下する。また、500μmを超
えるとローラー表面の凹凸が被帯電体の面内帯電均一性
を低下させることになる。後述の実施例におけるRaは
40μmであった。
【0057】平均粗さRaの測定には、キーエンス社製
表面形状測定顕微鏡VF−7500、VF7510を用
い対物レンズ1250倍〜2500倍を用い、非接触に
てローラー表面の形状及びRaの測定を行った。
【0058】(2)−2 抵抗特性 従来の放電を用いる帯電ローラーは芯金に低抵抗の基層
を形成した後、表面を高抵抗層で被覆している。放電に
よるローラー帯電は印加電圧が高く、ピンホール(膜の
損傷による基盤の露出)があるとその周辺にまで電圧降
下が及び帯電不良を生じる。従って、1011Ω・cm以
上にする必要がある。
【0059】一方、本発明の直接注入帯電方式において
は、低電圧による帯電を可能とするため表層を高抵抗に
する必要がなく、ローラーを単層で構成することができ
る。むしろ、直接注入帯電において帯電ローラーの表面
抵抗で104〜1010Ωであることが必要である。10
10Ωを超えると帯電面内の均一性が低下し、ローラーの
摺擦によるムラが中間調画像にスジ状となって現れ、画
像品位の低下が見られる。一方、104Ω未満の場合は
注入帯電であってもドラムピンホールによる周辺の電圧
降下を生じる。
【0060】更に、体積抵抗については104〜107Ω
の範囲であることが好ましい。10 4Ω未満の場合は、
ピンホールリークによる電源の電圧降下を生じ易くな
る。一方、107Ωを超える場合は帯電に必要な電流が
確保できなくなり、帯電電圧が低下する。
【0061】後述の実施例に用いた帯電ローラーの表面
抵抗及び体積抵抗は、107Ω及び106Ωであった。
【0062】ローラーの抵抗測定は以下の手順で行っ
た。測定時の構成について概略図を図2に示す。ローラ
ー抵抗は、帯電ローラー2の芯金2aに総圧200kP
a(1kgf/cm)の加重がかかるよう外径30m
mの絶縁体ドラム43に電極を施し測定した。電極は、
主電極42の周りにガード電極41を配し図2に示す配
線図にて測定を行った。主電極とガード電極間の距離は
およそ弾性層2bの厚さ程度に調整し、主電極がガード
電極に対し十分な幅を確保した。測定は、主電極に電源
S4から+100Vを印加し電流計Av及びAsに流れ
る電流を測定し、それぞれ体積抵抗、表面抵抗を測定し
た。
【0063】以上述べてきたように本発明の帯電ローラ
ーについては、 I.表層に高密度の帯電導電粒子を担持するために表面
構造粗さ特性 II.直接帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗、表面抵
抗) が必要である。
【0064】(2)−3 その他のローラー特性 直接注入帯電方式において、帯電部材は柔軟な電極とし
て機能することが重要である。磁気ブラシにおいては、
磁性粒子層自体が持つ柔軟性により実現している。本帯
電装置においては、中抵抗層2bの弾性特性を調整して
達成している。アスカーC硬度で15度〜50度が好ま
しい範囲である。更に好ましくは25〜40度である。
高すぎると必要な侵入量が得られず被帯電体との間に帯
電接触部nを確保できないため帯電性能が低下する。ま
た、物質の分子レベルの接触性が得られないため異物の
混入等によりその周辺への接触が妨げられる。一方、硬
度が低すぎると形伏が安定しないために被帯電体との接
触圧にムラを生じ帯電ムラを生じる。あるいは、長期放
置によるローラーの永久変形ひずみによる帯電不良を生
じる。
【0065】後述の実施例ではアスカーC硬度で22度
のローラーを使用した。
【0066】(2)−4 帯電ローラー材質、構造、寸
法 帯電ローラー2の材質としては、EPDM、ウレタン、
NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のための
カーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散し
たゴム材が挙げられる。導電性物質を分散せずにイオン
導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能であ
る。その後、必要に応じて表面の粗さ調整や研磨等によ
る成型を行う。また、機能分離した複数層による構成も
可能である。
【0067】しかし、ローラーの形態としては多孔体構
造がより好ましい。前述の表面粗さをローラーの成型と
同時に得られるという点で製造的にも有利である。発泡
体のセル径としては、1μm〜500μmが適切であ
る。発泡成形した後に、その表面を研磨することにより
多孔体表面を露出させ、前述の粗さを持った表面構造を
作製可能である。
【0068】後述の実施例では径6mmの芯金に多孔体
表面を有する弾性体層(層厚3mm)を形成し、外径1
2mmの帯電ローラー2を作製した。帯電ローラー2
は、被帯電体としての感光ドラム1に対して0.3mm
の侵入量に配設し、実施例では約2mmの帯電接触部n
を形成させてある。
【0069】(3)現像装置 本実施例の現像装置60は、現像剤tとして一成分磁性
トナー(ネガトナー)を用いた反転現像器である。現像
装置内には現像剤(トナー)tと導電粒子mの混合剤t
mを備えている。
【0070】60aはマグネットロール60bを内包さ
せた、現像剤担持搬送部材としての非磁性回転現像スリ
ーブであり、現像容器60e内に備える現像前混合剤t
m内のトナーtは回転現像スリーブ60a上を搬送され
る過程において、規制ブレード60cで層厚規制及び電
荷付与を受ける。60dは容器内のトナーの循環を行い
順次スリーブ周辺にトナーを搬送する攪拌部材である。
【0071】回転現像スリーブ60aにコートされたト
ナーtはスリーブ60aの回転により、感光ドラム1と
スリーブ60aの対向部である現像部位(現像領域部)
aに搬送される。また、スリーブ60aには現像バイア
ス印加電源S5より現像バイアス電圧が印加される。
【0072】本実施例において、現像バイアス電圧はD
C電圧とAC電圧の重畳電圧とした。これにより、感光
ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像され
る。
【0073】(3)−1 トナー 現像剤である一成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体
粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を
経て作製し、更に導電粒子mや流動化剤等を外添剤とし
て添加して作製されたものである。トナーの平均粒径
(D4)は7μmであった。
【0074】(3)−2 帯電導電粒子 本実施例では、帯電導電粒子mとして、比抵抗が106
Ω・cm、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛を用いた。
そして、帯電導電粒子mは現像剤と共に現像器内に収容
される。
【0075】導電粒子mの材料としては、他の金属酸化
物等の導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、
これらに表面処理を施したもの等の各種導電粒子が使用
可能である。また、本発明における帯電粒子は磁気拘束
する必要がないため、磁性を有する必要がない。
【0076】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012Ω・cm以下が必須であり、
好ましくは1010Ω・cm以下である。
【0077】抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化し
て求めた。すなわち、底面積2.26cm2の円筒内に
およそ0.5gの導電粒子を入れ上下電極に15kgの
加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し、抵抗値を
計測、その後に正規化して比抵抗を算出した。
【0078】粒径は、磁気ブラシ帯電器を超える高い帯
電効率と帯電均一性を得るために10μm以下が好まし
い。本発明において、粒子が凝集体を構成している場合
の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義し
た。粒径の測定には、電子顕微鏡による観察から100
個以上抽出し、水平方向最大弦長を持って体積粒径分布
を算出しその50%平均粒径を持って決定した。
【0079】導電粒子は、一次粒子の状態で存在するば
かりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することもな
んら問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体と
して導電粒子としての機能が実現できればその形態は重
要ではない。
【0080】導電粒子は、特に感光体の帯電に用いる場
合に潜像露光の妨げにならないよう白色又は透明に近い
ことが好ましい。更に、導電粒子が感光体上から記録材
Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記録で
は無色あるいは白色のものが好ましい、また画像露光時
に粒子による光散乱を防止するためにもその粒径は構成
画素サイズ以下、更にはトナー粒径以下であることが好
ましい。粒径の下限値としては、粒子として安定に得ら
れるものとして10nmが限界と考えられる。更に、導
電粒子は、ポジ性に帯電することがより好ましい。
【0081】本発明におけるトナー粒子の帯電量の測定
法を以下に図3に沿って説明する。温度23℃/相対湿
度60%の環境下、鉄粉キャリアーDSP−138、1
9.6gと導電粒子0.4gの混合物を50〜100m
l容量のポリエチレン製の瓶に入れ50回手で震盪す
る。次いで、底に500メッシュのスクリーン93のあ
る金属製の測定容器92に前記混合物1.0〜1.2g
を入れ、金属性のフタ94をする。この時の測定容器9
2全体の質量を秤り、W1(g)とする。次に、吸引機
91(測定容器92と接する部分は少なくとも絶縁体)
において、吸引口97から吸引し風量調節弁96を調節
して真空計95の圧力を4900hPaとする。この状
態で1分間の吸引によりトナーを吸引除去する。この時
の電位計99の電位をV(ボルト)とする。ここで98
は、コンデンサーであり容量をC(μF)とする。ま
た、吸引後の測定容器全体の質量を秤り、W2(g)と
する。このトナーの摩擦帯電量(μC/g)は、下式の
如く計算される。
【0082】 摩擦帯電量(μC/g)=CV/(W1−W2) 式(15) 本発明で用いた帯電用導電粒子の鉄粉キャリアーに対し
ての摩擦帯電量は+5μC/gであった。
【0083】(4) 導電粒子担持量、被覆率 本実施形態においてはトナーリサイクル構成であるた
め、導電粒子供給手段を別に保持する帯電方式に比べ多
くのトナーが帯電ローラー表面を汚染する。トナーは、
摩擦帯電による電荷を表面に維持するため抵抗値として
は1013Ω・cm以上の抵抗を有する。従って、ローラ
ーがトナーにより汚染されると、ローラー上に担持して
いる粒子抵抗が増加し帯電性能が低下する。たとえ、帯
電導電粒子の抵抗が低くとも、トナーの混入により担持
している粉体の抵抗は上昇し帯電性に障害を生じる。従
って、担持量が0.1〜50mg/cm2であることが
必須であり、好ましくは0.1〜10mg/cm2であ
っても、その成分に多くのトナーが含まれていることが
あり当然帯電性能は低下する。この場合、担持粒子の抵
抗が上昇しその状況を捉えることができる。つまり、実
使用状態において、帯電ローラーに担持している粒子
(トナーや紙粉等の混入物も含む)を前記した方法で抵
抗測定を行いその値が、10-1〜1012Ω・cmである
ことが必須であり、好ましくは10-1〜1010Ω・cm
である。
【0084】更に、帯電導電粒子の帯電における実効的
な存在量を把握するために、導電粒子の被覆率を調整す
ることが更に重要となる。帯電導電粒子は白色であるた
め磁性トナー黒色と区別可能である。顕微鏡における観
察において白色を呈している領域を面積率として求め
る。被覆率が0.1以下の場合は帯電ローラーの周速度
を高めても帯電性能としては不十分であることから帯電
導電粒子の被覆率を0.2〜1の範囲に保つことが重要
となる。また、蛍光X線法により、導電粒子中の亜鉛の
量と磁性トナー中の鉄の量を定量分析することにより、
導電粒子の存在量を測定することもできる。
【0085】前述したように、導電粒子は、ポジ性に帯
電している方がより好ましく、感光体上の暗電位部によ
り多く存在することになる。導電粒子が弾性帯電部材へ
供給される量は、いったん感光体の暗電位部に転移した
導電粒子が転写工程において被転写体へ転写されずに感
光体上に残り、そのまま弾性帯電部材へ供給されること
が理想的である。そのために、電子写真感光体の静電容
量を特許請求の範囲にすることにより、感光体の暗電位
部の電荷量が増え、導電粒子との間に働くクーロン力が
増加し、その分導電粒子が感光体から被転写体への転写
する量が少なくなり、その結果、導電粒子が弾性帯電部
材へ供給される量が増加し、帯電がより安定することに
なる。
【0086】(5) 電子写真感光体 本発明の電子写真感光体は、電荷発生材料及び電荷輸送
材料を含有する単層感光体、又は電荷発生層及び電荷輸
送層を有する積層感光体のどちらを用いてもよいが、積
層感光体の方が電子写真特性より好ましい。電子写真感
光体の層構成を図4に示すように、導電性支持体64の
上に電荷発生層63、電荷輸送層62が順に設けてお
り、更に最表面に電荷注入層61を設けている。また、
図4(C)の様に導電性支持体と電荷発生層の間に、下
引き層66等を設けてもよい。
【0087】支持体64としては、支持体自身が導電性
を持つもの、例えばアルミニウム、アルミニウム合金又
はステンレス等を用いることができ、その他にアルミニ
ウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ
合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有する前
記導電性支持体やプラスチック、導電性微粒子(例え
ば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒
子等)を適当なバインダーと共にプラスチックや紙に含
浸した支持体、導電性バインダーを有するプラスチック
等を用いることができる。
【0088】導電性支持体と感光層の間の下引き層66
は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、
支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感
光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層にはカゼイン、ポリビニルアルコール、エチル
セルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリア
ミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン又は酸
化アルミニウム等によって形成できる。下引き層の膜厚
は5μm以下が好ましく、特には0.2〜3μmが好ま
しい。
【0089】本発明に用いられる電荷発生材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インジコ顔料、多
環キノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、アズ
レニウム塩顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染
料、スクアリリウム染料、シアニン染料、キサンテン色
素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチ
リル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0090】電荷発生層用塗料に用いる溶媒は、使用す
る樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択さ
れるが、有機溶媒としては、アルコール類、スルホキシ
ド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類又は芳香族化合物等を用いることがで
きる。
【0091】電荷発生層63は、前記の電荷発生材料を
0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶媒と共に、ホモジナイ
ザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター
又はロールミル等の方法で均一に分散し、塗布、乾燥さ
れて形成される。その膜厚は、5μm以下が好ましく、
特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。電荷輸送材
料としては、アミン系化合物、オキサゾール系化合物及
びチアゾール系化合物等の公知の材料を用いることがで
きる。
【0092】電荷輸送層62は、一般的には前記の電荷
輸送材料と結着樹脂を溶媒に溶解し、塗布して形成す
る。電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合は2:1〜
1:2程度である。溶媒としては、アセトン及びメチル
エチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル
等のエステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化
水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素
等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布
する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーテ
ィング法を用いることができ、乾燥は10℃〜200℃
が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の
温度で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10
分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うこと
ができる。
【0093】電荷輸送層62を形成するのに用いられる
結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポ
リエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、
ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等
の公知の材料材料から選ばれる。特に好ましい樹脂とし
ては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹
脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。電荷輸送
層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には10〜30
μmが好ましい。
【0094】また、電荷発生層あるいは電荷輸送層に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び潤滑剤等の種々の添
加剤を含有させることができる。
【0095】本発明における電荷注入層61は、絶縁性
樹脂成分中に導電性粒子を分散させ、抵抗を調整した膜
が用いられる。この絶縁性樹脂としては、電気絶縁性の
透明樹脂であって、湿度あるいは温度等の変化により電
気抵抗が変化し難い樹脂を使用する。しかも、本発明に
おける電荷注入層は、電子写真感光体の表面層でもある
ため、近年の複写機等の電子写真装置における、高速か
つ高耐久性、しかも高画質が求められているという背景
から、感光体表面層の膜強度の一層の向上が望まれてい
る。
【0096】更に、本発明にも明示されている放電を伴
わない帯電方式の電子写真装置においては、帯電プロセ
スにおいて、電荷注入層中に含まれる導電性粒子から、
直接電荷が注入される。
【0097】本発明の電荷注入層に用いられる、抵抗調
整剤である導電性粒子としては、ZnO、TiOx、S
nO2、In23、Sb32含有SnO2、In23含有
SnO2、V25、MoO3、NiO及びCuO等の金属
酸化物粉末、あるいは金属微粉体が例示できる。これら
の導電性粒子は、2種以上混合してもかまわない。中で
もSnO2とアンチモン(Sb)あるいは、Sb32
の固溶体、又はSnO2は電気抵抗を低くすることがで
き、かつ電荷注入層を実質的に透明とすることができる
ので好ましく用いられる。電荷注入層は、電気抵抗が1
9〜1014Ω・cmとなる様に上記導電性粒子を含有
させることが好ましい。電気抵抗が1014Ω・cmを超
えると、直接注入帯電による電荷の注入効率が低下して
帯電不良を招いたり、更に残留電位が上昇しカブリの多
い画像となったりしてしまい易く、逆に109Ω・cm
未満になると画像のボケ、解像力の低下が生じ易くな
る。
【0098】また、電荷注入層は露光に用いられる光の
通過を実質上妨げない様、構成されていなければならな
い。用いる導電性粒子の粒径が大き過ぎると電荷注入層
が不透明になり、感度減少、像濃度の低下が生じてしま
う。粒径としては、露光に用いる光の波長(0.42〜
0.8μm)以下が好ましく、より好ましくはその1/
2以下の粒径、すなわち0.3μm以下、更に好ましく
は0.1μm以下の粒子を用いることである。
【0099】また、本発明で用いる導電性粒子を電荷注
入層に含有させるにあたっては、分散性の向上や抵抗変
動の抑制等を目的として、界面活性剤を添加したり、更
にはシランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、イソシアネート化合物、シロキサン系化合物又はフ
ッ素原子含有化合物等で導電性粒子を表面処理を施した
りすることも可能であり、中でもシロキサン系化合物又
はフッ素原子含有化合物が好ましい。
【0100】本発明において用いられる潤滑性粒子とし
てはフッ素原子含有樹脂粒子、シリコーン粒子、又はシ
リコン粒子、アルミナ粒子が好ましく、より好ましくは
フッ素原子含有樹脂粒子である。さらに、これらを2種
以上混合してもよい。フッ素原子含有樹脂粒子として
は、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六
フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フ
ッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およ
びこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を
適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン
樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分
子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限
されるものではない。また、シリコン粒子やアルミナ粒
子等の無機粒子は、粒子単独としては潤滑性粒子として
働かないかもしれないが、これらを分散、添加すること
により、電荷注入層の表面粗さが大きくなり、結果的に
電荷注入層の潤滑性が増すことが、本発明者等の検討で
明らかになっている。ここでいう潤滑性粒子とは、潤滑
性を付与する粒子を含めて表している。
【0101】このフッ素原子含有樹脂を金属又は金属酸
化物粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させない
ように、フッ素原子含有化合物を金属又は金属酸化物粒
子の分散時に添加したり、また、金属又は金属酸化物粒
子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理したりする
とよい。フッ素原子含有化合物を添加または金属又は金
属酸化物粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子
含有化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での金属又
は金属酸化物粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性及
び分散安定性が格段に向上した。また、フッ素原子含有
化合物を添加し金属又は金属酸化物粒子を分散した液、
または表面処理を施した金属又は金属酸化物粒子を分散
した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散することによ
って分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも非常
に安定した分散性のよい塗工液が得られる。
【0102】本発明におけるフッ素原子含有化合物とし
ては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリ
コーンオイル、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。表
1〜3に好ましい化合物例をあげるが、本発明はこれら
の化合物に限定されるものではない。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】 <実施形態2>実施形態1との変更点のみ記載する。
【0106】一次帯電に必要な導電粒子の供給手段を、
図7に示すように一次帯電用弾性帯電ローラーに直接塗
布するような装置を設けた。粒子の塗布は、ハウジング
容器内に蓄えられた帯電導電粒子Mを攪拌羽37Aによ
り攪拌し導電性弾性ローラー2bに供給して行われる。
導電粒子は、ハウジング38A内に15g蓄えられてい
る。
【0107】そして、目標の塗布量に応じて過剰となる
帯電導電粒子をファーブラシ39aにより掻き取り、帯
電導電粒子の塗布を行う。塗布量の制御は、ファーブラ
シ39aの回転数により随時調整可能である。
【0108】また、実施形態1に示すように導電粒子を
現像剤と共に現像器内には混入しなかった以外は、実施
形態1と全く同様に行った。
【0109】
【実施例】(実施例1)共重合ナイロン樹脂(アミラン
CM8000、東レ(株)製)10質量部をメタノール
60質量部とブタノール40質量部の混合液に溶解した
溶液を、前記樹脂層の上に浸漬塗布し、90℃で10分
間加熱乾燥して厚み0.5μmの下引き層を形成した。
【0110】次に、下記構造式で示される、CuKα線
回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2゜の
9.0゜及び27.1゜に強いピークを有するオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料4質量部、
【0111】
【化1】 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−
1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノ
ン70質量部からなる混合溶液をサンドミルで10時間
分散した後、酢酸エチル100質量部を加えて電荷発生
層用塗工液を調製した。この塗工液を上記で作製したバ
リア層上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥し
て、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
【0112】次に、下記構造式で示されるトリアリール
アミン系化合物40質量部と、
【0113】
【化2】 ポリカーボネート(ユーピロンZ−200、三菱ガス化
学(株)製)50質量部をクロロベンゼン350質量部
に溶解して調製した溶液を、上記電荷発生層上に浸漬塗
布し、110℃、1時間加熱乾燥して、膜厚20μmの
電荷輸送層を形成した。
【0114】次に、電荷注入層として、平均粒径0.0
2μmのアンチモンドープ酸化スズ粒子(商品名:T−
1、三菱マテリアル(株)製)100質量部を下記構造
式のフッ素原子含有化合物(商品名LS−1090、信
越シリコーン(株)製)7質量部で表面処理した(以
下、処理量:7%と表す)、処理済み酸化スズ粒子50
部と、
【0115】
【化3】 エタノール150質量部をサンドミルで60時間分散を
行い、その後更に、ポリテトラフルオロエチレン粒子
(平均粒径:0.18μm)20質量部を加えて8時間
分散を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂(商
品名:PL−4804:群栄化学工業(株)製)を樹脂
成分として30質量部を溶解し良く撹拌して電荷注入層
用塗料とした。
【0116】この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸
漬塗布法により、電荷注入層膜を形成した後145℃、
1時間熱風乾燥して膜厚3μmの電荷注入層を作製し
た。
【0117】電荷注入層塗料の分散状態は良好で、作製
された電荷注入層はムラのない均一な膜であった。
【0118】また、本実施例においては、電荷輸送及び
電荷注入層の回転軸方向における塗布幅を、帯電装置の
回転軸方向の長さよりも、両端からそれぞれ5mm長く
なるように塗布した。
【0119】作製した電子写真感光体を、ヒューレット
パッカード社製プリンター(レーザージェット400
0)を以下のように改造した電子写真装置に装着して評
価した。電子写真感光体の帯電部材について、帯電ロー
ラは芯金上にゴムの中抵抗層を形成することにより作製
した。ここで、中抵抗層はウレタン樹脂、導電性粒子
(カーボンブラック)、硫化剤及び発泡剤等により処方
され、芯金の上にローラー状に成形した後、表面を研磨
して直径12mm、の弾性導電ローラーを作製した。こ
のローラーの抵抗を測定したところ100kΩであっ
た。ローラーの芯金に総圧200kPa(1kgf/c
2)の加重がかかるように電子写真感光体に圧着した
状態で、芯金と導電性支持体に100Vを印加すること
で計測した。
【0120】本実施例では、電子写真感光体と帯電ロー
ラーが導電性粒子を介して注入帯電されるための導電性
粒子(帯電促進粒子)として、比抵抗が106 Ω・c
m、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。こ
こで抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求め
た。底面積2.26cm2 の円筒内に0.5gの粉体試
料を入れ上下電極に1.57MPa(15kgf/cm
2)の加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し、抵
抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0121】また、帯電促進粒子をローラーと感光体の
接触ニップに均一に供給するために、帯電促進粒子塗布
手段を設けた。供給手段としては規制ブレードを電子写
真感光体に当接させ、感光体と規制ブレードの間に帯電
促進粒子を保持する構成をとる。そして、電子写真感光
体の回転にともない一定量の帯電促進粒子が帯電ローラ
ーに塗布される。
【0122】本実施例では、帯電ローラーを電子写真感
光体に対して速度差を持って回転させている。本電子写
真感光体は直径30mmの円筒状であり、周速が約11
0mm/secの一定速度で回転する。先ず、この感光
体表面に帯電促進粒子が規制ブレードによって塗布され
る。その後帯電ローラー表面に到達する。帯電ローラー
はそのローラー表面が感光体と互いに逆方向に等速度で
移動するよう約150rpmで駆動し、そのローラー芯
金に印加電圧としてDC電圧−620Vを印加した。こ
れにより、感光体表面は印加電圧と等しい電位に帯電さ
れる。本実施例において帯電は、帯電ローラーと被帯電
体の接触ニップに存在する帯電促進粒子が電子写真感光
体表面を隙間無く摺擦することで注入帯電が行われるも
のである。更に、現像装置は、付き当て部材を通して電
子写真感光体に当接し、その付き当て部材は、電子写真
感光体上の電荷注入層もしくは電荷輸送層の少なくとも
一方上に当接するように改造した。
【0123】この電子写真装置により、先に述べた電子
写真感光体を用い、繰り返し画像出力を1万枚行ったと
ころ、良好な画像を出力することができた。また、出力
評価後に、電子写真感光体を取り出し目視したところ、
なんら問題はなかった。
【0124】また、繰り返し画像出力1万枚後における
暗電位の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較
して変化がなかった。
【0125】(実施例2)実施例1にて作製した電荷注
入層用塗料のフェノール樹脂を、エポキシ樹脂(東都化
成株式会社製、YD―014)を以下のように作製した
他は、実施例1と全く同様にして写真感光体を作製し
た。
【0126】その他のプリンター構成、評価条件などは
実施例1と同様である。本実施例のプリンターの場合
も、繰り返し画像出力を1万枚行ったところ、良好な画
像を出力することができた。また、同様に、出力評価後
に電子写真感光体を取り出し目視したところ、なんら問
題はなかった。
【0127】また、繰り返し画像出力1万枚後に暗電位
の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較して変
化がなかった。
【0128】(実施例3)実施例2で作製した電子写真
感光体の感光層及び電荷注入層の回転軸方向における塗
布幅を、当接する帯電装置の回転軸方向における長さよ
り両端からそれぞれ1.0mm長くなるように塗布し
た。
【0129】その他のプリンター構成、評価条件などは
実施例1と同様である。本実施例のプリンターの場合
も、繰り返し画像出力を1万枚行ったところ、良好な画
像を出力することができた。また、同様に出力評価後
に、電子写真感光体を取り出し目視したところ、なんら
問題はなかった。
【0130】また、初期の繰り返し画像出力1万枚後に
暗電位の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較
して、若干下がっていた(−618V)が、先にも述べた
とおり画像上になんら問題はなく、実質問題ないものと
判断した。
【0131】(実施例4)実施例2で作製した電子写真
感光体の感光層及び電荷注入層の回転軸方向における塗
布幅を、当接する帯電装置の回転軸方向における長さよ
り両端からそれぞれ1.2mm長くなるように塗布し
た。
【0132】その他のプリンター構成、評価条件などは
実施例1と同様である。本実施例のプリンターの場合
も、繰り返し画像出力を1万枚行ったところ、良好な画
像を出力することができた。また、実施例1と同様に、
出力評価後に電子写真感光体を取り出し目視したとこ
ろ、なんら問題はなかった。
【0133】また、繰り返し画像出力1万枚後に暗電位
の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較して変
化がなかった。
【0134】(実施例5)実施例2で作製した電子写真
感光体の感光層及び電荷注入層の回転軸方向における塗
布幅を、当接する帯電装置の回転軸方向における長さよ
り両端からそれぞれ9.9mm長くなるように塗布し
た。
【0135】その他のプリンター構成、評価条件などは
実施例1と同様である。本実施例の感光体においても、
繰り返し画像出力を1万枚行ったところ、良好な画像を
出力することができた。また、同様に出力評価後に、電
子写真感光体を取り出し目視したところ、なんら問題は
なかった。
【0136】更に、繰り返し画像出力1万枚後に暗電位
の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較して変
化がなかった。
【0137】(実施例6)実施例2で作製した電子写真
感光体の感光層及び電荷注入層の回転軸方向における塗
布幅を、当接する帯電装置の回転軸方向における長さよ
り両端からそれぞれ10.0mm長くなるように塗布し
た。
【0138】その他のプリンター構成、評価条件などは
実施例1と同様である。本実施例の感光体においても、
繰り返し画像出力を1万枚行ったところ、良好な画像を
出力することができた。また、同様に出力評価後に、電
子写真感光体を取り出し目視したところ、感光層の端部
に若干汚れが見られた。しかし、実画像上何ら問題がな
いため、許容範囲とした。
【0139】更に、繰り返し画像出力1万枚後に暗電位
の測定を行ったところ、初期(−620V)と比較して変
化がなかった。
【0140】(比較例1)実施例2の電荷注入層、感光
層の感光体回転軸方向における塗布幅を当接する帯電装
置の回転軸方向における帯電幅の両端と同じになるよう
に塗布した。
【0141】その他のプリンター構成、条件などは実施
例1と同様である。本実施例の感光体においても、繰り
返し画像出力を1万枚行ったところ、初期から画像を出
力することができなかった。これは、帯電装置に担持し
てある導電粒子である帯電粒子が、帯電の際に感光体の
未塗布領域に付着することで、電荷がリークしてしま
い、帯電不良によって画像が出力できなかったものと推
察した。
【0142】(比較例2)実施例2の電荷注入層、感光
層の感光体回転軸方向における塗布幅を当接する帯電装
置の回転軸方向における帯電幅の両端より0.8mmに
なるように塗布した。
【0143】その他のプリンター構成、条件などは実施
例1と同様である。本実施例の感光体においても、繰り
返し画像出力を1万枚行ったところ、約5,000枚を
出力した時点で、画像を出力することができなかった。
これは、耐久する事で、帯電装置と感光層との間に帯電
粒子を担持して、繰り返し帯電を行ったために、接着強
度の弱い感光層の端部が削れ、導電粒子である帯電粒子
が、帯電の際に感光体の導電性基体上に付着すること
で、電荷がリークしてしまい、帯電不良によって画像が
出力できなかったものと推察した。
【0144】(比較例3)本実施例においては、実施例
2の電荷注入層、感光層の感光体回転軸方向における塗
布幅を当接する帯電装置の両端から、回転軸方向に1
0.2mm長くなるように塗布した。
【0145】その他のプリンター構成、条件などは実施
例1と同様である。本実施例の感光体においても、繰り
返し画像出力を1万枚行ったところ、約4,000枚出
力した時点で、電子写真感光体を観察したところ軽微で
はあるが端部に融着が見られた。
【0146】更に、繰り返し画像出力を残り6,000
枚行ったところ、画像端部が白くなってしまう、所謂白
すじ抜けの画像不良が発生した。原因を解明するため
に、出力評価後の電子写真感光体を観察したところ、こ
の融着の領域は広がっており、付き当て部材が当接して
いる部分に存在した。
【0147】このことから、端部の融着が現像器の付き
当て部材の下にまで広がり、現像器と感光体との距離が
変わることで、現像できず画像不良として発生したもの
と考えた。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繰り返し画像出力においても、帯電不良の発生や、融着
による画像不良の発生を防ぎ、高品位な画像を出力する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の実施形態1における概
略構成を示す図である。
【図2】弾性帯電部材の抵抗測定方法を示す図である。
(a)体積抵抗測定、(b)表面抵抗測定
【図3】トナー粒子の摩擦帯電量を測定する装置の概略
構成を示す図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成を示す図であ
る。
【図5】本発明の電子写真装置の実施形態2における導
電粒子供給手段の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電ローラー 2a 芯金 2b 導電弾性ローラー M 帯電導電粒子(帯電粒子) 3A 帯電導電粒子供給器 37A 攪拌羽 38A ハウジング容器 39a ファーブラシ 4 露光装置 L 露光光 6 転写部材 60 1成分磁性現像器 60a 回転現像スリーブ 60b マグネットロール 60c 規制ブレード 60e 現像容器 60d 攪拌部材 7 定着装置 9 プロセスカートリジ 10 案内手段 11 規制ブレード n 帯電接触部(ニップ) a 現像部位 b 転写部位 41 ガード電極 42 主電極 43 絶縁体ドラム 61 保護層 62 電荷輸送層 63 電荷発生層 64 導電性支持体 65 結着層 66 下引き層 S1,S2,S3,S4,S5 印加電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 陽介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉村 公博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA05 AA59 CA22 CA29 CA37 CA40 2H077 AA37 AB03 AC16 AD06 AD13 AD36 EA13 GA17 2H134 GA01 HF13 JA05 JA12 KG01 KG07 KG08 KH01 KH17 2H200 FA14 FA16 GA16 GA23 GA34 GA46 GA57 GA59 GB14 GB37 HA03 HA21 HA28 HB07 HB12 HB17 HB22 HB40 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA28 LA38 MA03 MA08 MA14 MA20 MB05 MB06 MC02 MC06 MC11 MC15 NA02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状導電性基体上に感光層を有し、該
    導電性基体の回転軸方向における長さ(LCY)が下記式
    (1)を満たす電子写真感光体と、該電子写真感光体の
    周りに配置された、帯電装置、像露光装置、現像ローラ
    ーを有する現像装置、転写装置及び定着装置を有し、転
    写工程後の該電子写真感光体表面に残留した現像剤を少
    なくとも帯電装置に一時担持し、該電子写真感光体を通
    して現像装置に回収するトナーリサイクル構成の電子写
    真装置であって、該帯電装置は、粒径が10μm〜10
    nmである導電粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性
    と弾性を有した表面を備え、該帯電粒子を担持する帯電
    粒子担持体により構成され、該帯電粒子は電子写真感光
    体に接触し、電子写真感光体表面に直接電荷を注入して
    帯電し、該現像装置は付き当て部材を介して、電子写真
    感光体に当接する電子写真装置に用いる電子写真感光体
    において、該電子写真感光体が感光層上に電荷注入層を
    有し、回転軸方向における感光層の幅(LCT)及び電荷
    注入層の幅(LOCL)、が、回転軸方向長手中心基準
    で、前記帯電粒子担持体の両端部よりそれぞれ1mm以
    上長く、10mm以内であることを特徴とする電子写真
    感光体。 226mm<LCY≦247mm……式(1)
  2. 【請求項2】帯電粒子担持体上に担持した粒子の抵抗が
    1012Ω・cm〜10-1Ω・cmであり、該粒子の担持量
    が0.1mg/cm2〜50mg/cm2である電子写真
    装置に用いる請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 帯電粒子担持体上を被覆している該導電
    粒子の割合を被覆率Rcとした場合、0.2≦Rc≦1
    である電子写真装置に用いる請求項1または2に記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 帯電粒子担持体の表面粗さRaが1μm
    〜500μm、表面抵抗が104Ω・cm〜1010Ω・c
    mである電子写真装置に用いる請求項1〜3のいずれか
    に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 帯電粒子担持体は多孔体表面を有する弾
    性体である電子写真装置に用いる請求項1〜4のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 抵抗が1012Ω・cm〜10-1Ω・cmで
    ある該帯電粒子を備え、該帯電粒子担持体表面に該粒子
    を供給する帯電粒子供給手段を有する電子写真装置に用
    いる請求項2〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記帯電部材が前記電子写真感光体に対
    してカウンター方向で回転する請求項1〜6のいずれか
    に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記帯電部材が弾性発泡体で構成される
    請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記電子写真感光体の電荷注入層は導電
    性粒子を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の電子
    写真感光体。
  10. 【請求項10】 円筒状導電性基体上に感光層を有し、
    該導電性基体の回転軸方向における長さ(LCY)が下記式
    (1)を満たす電子写真感光体と、該電子写真感光体の
    周りに配置された、帯電装置、像露光装置、現像ローラ
    ーを有する現像装置、転写装置及び定着装置を有し、転
    写工程後の該電子写真感光体表面に残留した現像剤を少
    なくとも帯電装置に一時担持し、該電子写真感光体を通
    して現像装置に回収するトナーリサイクル構成であり、
    該帯電装置は、粒径が10μm〜10nmである導電粒
    子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表
    面を備え、該帯電粒子を担持する帯電粒子担持体により
    構成され、該帯電粒子は電子写真感光体に接触し、電子
    写真感光体表面に直接電荷を注入して帯電し、該現像装
    置は付き当て部材を介して、電子写真感光体に当接する
    電子写真装置において、該電子写真感光体が感光層上に
    電荷注入層を有し、回転軸方向における感光層の幅(L
    CT)及び電荷注入層の幅(LOCL)、が、回転軸方向長
    手中心基準で、前記帯電粒子担持体の両端部よりそれぞ
    れ1mm以上長く、10mm以内であることを特徴とす
    る電子写真装置。 226mm<LCY≦247mm……式(1)
  11. 【請求項11】 帯電粒子担持体上に担持した粒子の抵
    抗が1012Ω・cm〜10-1Ω・cmであり、該粒子の担
    持量が0.1mg/cm2〜50mg/cm 2である請求
    項10に記載の電子写真装置。
  12. 【請求項12】 帯電粒子担持体上を被覆している該導
    電粒子の割合を被覆率Rcとした場合、0.2≦Rc≦
    1である請求項10または11に記載の電子写真装置。
  13. 【請求項13】 帯電粒子担持体の表面粗さRaが1μ
    m〜500μm、表面抵抗が104Ω・cm〜1010Ω・
    cmである請求項10〜12のいずれかに記載の電子写
    真装置。
  14. 【請求項14】 帯電粒子担持体は多孔体表面を有する
    弾性体である請求項10〜13のいずれかに記載の電子
    写真装置。
  15. 【請求項15】 抵抗が1012Ω・cm〜10-1Ω・cm
    である該帯電粒子を備え、該帯電粒子担持体表面に該粒
    子を供給する帯電粒子供給手段を有する請求項10〜1
    4のいずれかに記載の電子写真装置。
  16. 【請求項16】 前記帯電部材が前記電子写真感光体に
    対してカウンター方向で回転する請求項10〜15のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  17. 【請求項17】 前記帯電部材が弾性発泡体で構成さ
    れる請求項10〜16のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真感光体と電圧を印加した帯電部材を該電子写真感光
    体に接触させて、該電子写真感光体を帯電する帯電装置
    とを一体に保持し、電子写真装置本体に着脱自在のプロ
    セスカートリッジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234898A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Canon Chemicals Inc 導電性部材の製造方法及び電子写真用導電性部材
KR100769460B1 (ko) * 2005-12-14 2007-10-23 이길재 실시간 스테레오 영상 정합 시스템

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