JP3888162B2 - 電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリなどの電子写真画像形成装置に使用される電子写真感光体(単に感光体ということあり)とその製造方法に関するものであり、より詳しくは感光体基体に付着した不要部分の塗布層の除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体ドラムを製造する場合、円筒状導電性基体を感光層液あるいは中間層液、表面の保護層液等の塗布液中に浸漬して、塗布層を形成するのが一般的である。この場合、円筒状導電性基体を塗布液中に浸漬しているため、円筒状導電性基体表面全体に塗布層が形成されてしまうことになる。このような円筒状導電性基体表面全体に塗布層を形成した感光体ドラムを電子写真装置に組み込むと、現像器等を突き当てるコロなどとの接触により塗布層が剥離して、精密に突き当てることができなくなる場合があり、また、感光体ドラムをアースするための接点として利用できないことがある為に、感光体ドラムの両端部に付着した塗布層を除去するのが好ましい。
【0003】
この塗布層の除去方法として、感光体ドラム端部を溶剤に浸漬し、超音波で振動させる方法(特開昭63−311357号公報)、ブラシで擦過する方法(特開平3−60782号公報、同4−141663号公報、同5−142789号公報、同10−207084号公報、同11−184100号公報、同11−194509号公報、)等の他、テープを用いる除去方法もある。例えば、熱融着型不織布からなるテープを順次巻出し、このテープに溶剤を供給した後、このテープを感光体ドラムに接触させて感光層を除去する方法(特公平4−65376号公報)や、溶剤を含浸させた綾織物からなるテープを巻出した後、このテープを感光体ドラムに接触させて除去する方法(特開平6−138670号公報)、片面が凹凸構造の不繊布からなるテープを用いる方法(特開平9−281725号公報)などが知られている。
【0004】
しかし、いずれの方法においても感光体ドラム端部の塗布層除去部に近接した塗布層が剥がれやすかったり、感光体ドラム端部にトナーが溜まりクリーニング不良や、機内のトナー汚染の原因になったり、これらにより結局感光体ドラムやクリーニング部材の耐久性が極端に低下する問題があり、これら故障を起こさない形状のものにしておくことが要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、感光体の塗布層端部の形状を上記問題を起こさないような形状にすることを目的とする。
【0006】
即ち、感光体ドラム両端部の塗布層を除去するに当たって、その端部形状が、塗布層端部より剥離がない、トナー溜まりが無い、塗布層粉末やトナーの飛散により、黒ポチ等の欠陥が無い、電子写真感光体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者等は、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成の何れかを採ることにより達成されることがわかった。
【0008】
〔1〕 円筒状の導電性基体上に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体において、該導電性基体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均をD(μm)とすると、下記の式(1)及び式(2)を共に満足することを特徴とする電子写真感光体。
式(1) 0<Pmax<2P
式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
〔2〕 円筒状の導電性基体上に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体の製造方法において、少なくとも導電性基体上に該塗布層を塗布する工程と、該塗布層の端部を擦過手段により除去する工程を有し、前記導電性基体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均をD(μm)とすると、下記の式(1)及び式(2)を共に満足することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
式(1) 0<Pmax<2P
式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
〔3〕 前記擦過手段がブラシであることを特徴とする〔2〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0009】
〔4〕 前記ブラシによる擦過は、端部塗布層に含有される残留溶媒が60質量%以下、3質量%以上であるとき開始されることを特徴とする〔3〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0010】
〔5〕 前記ブラシによる擦過で、同時に2本以上の電子写真感光体塗布層の除去を行う場合には、各塗布層除去手段の間に隔壁板を設け、各感光体の塗布層除去中の欠陥発生を防止することを特徴とする〔3〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0011】
〔6〕 前記擦過手段がテープであることを特徴とする〔2〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0012】
〔7〕 前記テープを導電性基体上の塗布層と接触走行させて塗布層を除去し、該導電性基体の長手方向(画像形成幅方向)と垂直な面に対する該テープの走行方向を傾斜させ、その傾斜角θが0°より大きく40°より小さいことを特徴とする〔6〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0013】
〔8〕 前記擦過手段のテープには、溶媒が含浸出来ることを特徴とする〔6〕記載の電子写真感光体の製造方法。
【0014】
即ち、上記構成を採ることにより、▲1▼塗布層端部がなだらかなので端部にトナーが溜まらない、▲2▼トナー汚染が無い、▲3▼塗布層端部の接着性が良い、▲4▼従って、画像欠陥が生じない、▲5▼電子写真感光体の耐久性が良い、等の好ましい特性を有する電子写真感光体(単に感光体ということあり)が得られるという効果があることがわかった。
【0015】
尚、塗布層とは、機能分離型感光体の電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層、中間層、表面の保護層等、必要に応じ円筒状導電性基体に塗布される全ての層を指す。
【0016】
【発明の実施の形態】
電子写真感光体ドラムと本発明に用いた規定値の説明を図1を用いて行う。
【0017】
電子写真感光体ドラム3は図1(a)の斜視図の如き形状をしており、ドラム形状を有する導電性基体1の表面に感光層及び必要に応じて中間層や表面の保護層等の塗布層が塗設されている。電子写真感光体ドラム上の塗布層の両端は完全に除去されていることが望ましいが、その端部形状も極めて重要である。
【0018】
そこで、先ず本発明の規定に用いている感光層の中央部の膜厚の平均P(μm)の測定法から説明する。
【0019】
感光層の中央部の膜厚の平均Pは図1(b)を用いて説明すると、中央部C及びCから3cmずつ離れたC-1、C+1の断面方向の互いに直角方向の4位置、即ちCa、Cb、Cc、Cd、C+1a、C+1b、C+1c、C+1d、C-1a、C-1b、C-1c、C-1dの12カ所を測定し、その平均値をPとする。上記の膜厚測定に用いる膜厚測定器は、渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)である。
【0020】
又、連続膜厚測定法による感光層端部の測定については下記のごとくして行った。
【0021】
図1(c)の如く、測定個所をスキャンして行い、一方の端部を連続的に測定する。この時の測定長L(画像形成領域を含む塗布層2部分及び導電性基体1部分を含む)は導電性基体長等によって異なるが、例えば5mm位が目安である。
【0022】
測定は図1(b)と同様に円筒状の導電性基体断面の互いに直角方向の4カ所を測定して平均し、図2の如くの平均プロフィールを得て、これよりPmax、Dを算出、計算する。更に他方のドラム端部についても測定、計算を行う。本発明においては、この両端部の値が個々に本発明の規定を満たす必要がある。
【0023】
上記の連続膜厚測定に用いる測定器は、膜厚測定器Surfcom(小坂研究所製)で、測定モードは断面曲線である。
【0024】
実際には、ドラム形状の導電性基体の表面に塗布層を設け、しかもその両端部は、塗布層を完全に除去して導電性基体の表面を露出させた形状にすることは簡単ではない。現在、ブラシ或いは溶剤を含浸させたテープを用いて摺擦し、除去する方法が開発されている。しかし、これらは何れも優れた方法ではあるがその場合においても、問題があることが判明した。
【0025】
即ち、上記方法において塗布層を擦過、除去しても、その塗布層端部は、図2に拡大模式断面図を示す如き形状となっている。
【0026】
図2において、導電性基体1の表面に感光層等の塗布層2が塗設されているが、Pmaxは画像形成領域(画像域と略すことあり)外での最大膜厚の平均であり、Pはドラム中央部の平均膜厚である。また、DはPmaxの位置から塗布層が完全に除去されて導電性基体表面が露出している領域になるまでの距離の平均を表す(単位表示の場合は何れもμmで表示する)。
【0027】
図2に示す如く、感光体ドラムの表面を微視的にみれば、ドラム中央部の感光層の膜厚は安定した値を示し、通常15〜50μmの範囲内のある定められた膜厚を有している。しかし、両端部の摺擦により感光層を除去した部分に近づくと、膜厚の値は不安定となり、例えばこの図に示す如く、やや盛り上がって厚くなり続いて徐々に薄くなっている。
【0028】
尚、感光層が摺擦により除去された部分の形状は、その微視的断面形状を図3に示す如く、いろいろなものがありそれを参考までに示した。図3(a)は、図2で説明したのと同系統の形状であるが、(b)は、一定膜厚部からPmaxの位置に達する前に一定膜厚部より更に低膜厚な部分を経て、Pより厚いPmaxに成った後次第に膜厚が下がっていく形状のもの、(c)は、膜厚が一定割合で低下するわけではないが、感光層端部には特にPより膜厚が厚い部分が無く、次第に膜厚が低下して、最終的には導電性基体表面が露出する形状を有するものである。
【0029】
これらが如何なる摺擦条件にて出来るか等については不明であるが、端部の膜厚や形状変化があまりに大きいことは問題であることが判明した。なぜなら、図4に概念断面図を示す如く、長期間の使用においてこの部分にトナーの堆積又はその凝固物の付着が起こり、また、この部分から塗布層の剥離が起こり、種々の故障を発生するからである。即ち、塗布層2の端部にトナーTの付着が見られるが、これは明らかにPmaxの値が大きいほど、また、Pmax/Dの値が大きいほど出来やすいことが判明した。
【0030】
その理由は、図5のクリーニング範囲を勘案するれば良く理解できる。
感光体ドラム3は導電性基体1上に塗布層2が塗設されているが、このうち画像形成に用いられるのは、現像器の磁気ブラシが当接又は対峙する範囲(画像形成領域)Bである。また、クリーニングが行われるのは、クリーニング部材(多くの場合、クリーニングブレード)が当接している領域Fである。領域Bは除去による膜厚変動の影響が出ない領域内にあり、領域Fは感光層が完全に除去されている領域までを含んでいる。当然、感光体ドラム上の感光層は、上記領域Bより広く、領域Fより狭い、その間のある位置まで塗設されていることになるから、前記したとおり、その端部は感光層除去の影響を受け、膜厚の値等は局部的変動があり不安定である。この端部の局部的変動が激しい程、トナーの付着は多く、或いはその部分がクリーニングブレード等から受けるストレスで剥離し易く、そのため問題を起こしやすい。なお、Cは電子写真感光体ドラムの中央部である。
【0031】
通常、Pmaxは10〜60μm、Pは15〜35μmであるが、本発明において、(Pmax/D)×100は2〜50%に抑える必要がある。Pmaxが60μmを越えると、剥がれやすくなることがあり、剥離した塗布層の粉が画像部に付着しやすく画像欠陥となりやすい。又、(Pmax/D)×100が2%未満となるようには塗布層を除去しにくく、製造上不利である。しかしながら、(Pmax/D)×100が50%を越えるとトナー汚染が大きくなったり、端部の接着性が悪くなる。
【0032】
上記の範囲内に収めるための、塗布層の除去方法は特に限定されるものではない。しかし、安定して上記範囲内の感光体ドラム塗布層の除去が出来るのは、テープによる方法或いはブラシによる除去方法であり、以下にそれらの方法を記す。
【0033】
本発明の規定範囲内に端部形状を制御する達成手段としては、テープ材質、テープの当て方、テープの端部形状、ブラシ材質、溶媒組成、除去時間、除去膜厚、塗布層の除去前の膨潤状態等を制御する方法がある。この中、除去前の塗布層の膨潤状態、テープの当て方、ブラシ材質、溶媒の種類選択による制御が比較的容易である。
【0034】
尚、本発明で除去時に用いられる溶剤としては、塗布層の種類によって異なるが、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、クロロホルム、メチレンクロライド、MEK(メチルエチルケトン)、アセトンなどのエーテル系、アルコール系、塩素系溶剤、ケトン系及びこれらの混合溶媒がある。
【0035】
以下、除去方法の実施の態様を図面に基づいて説明する。
1.拭き取りテープによる除去方法
図6は、拭き取りテープを0度(0°)より大きい傾斜角度θをもって傾斜させて感光体ドラムにセットしたときの概略図を示す。
【0036】
図6中、31は拭き取りテープ、3は感光体ドラム、38は元巻きロール、39は巻き取りロール、θは傾斜角度を示す。
【0037】
拭き取りテープと感光体ドラムの端部と接触させ、図6の如く感光体ドラム3の長手方向と垂直な面に対して前記拭き取りテープの走行方向を0°より大きい傾斜角度θをもって傾斜させることにより、拭き取りテープと塗布層断面部との接触箇所を少なくさせ、さらに一度溶解した塗布層が端部に固化しないよう拭き取ることが出来るので塗布層の端部にバリを発生することなく滑らかにすることが出来る。さらに好ましいテープの傾斜角度は0°より大きく40°より小さいことである。端部を滑らかにすることにより、端部からの膜剥がれやクリーニングブレードのエッジ部に傷を発生させるおそれが無くなる。
【0038】
《拭き取りテープ》
拭き取りテープの材料としては、使用する溶剤を含浸出来ることが好ましい。また、材質は使用溶剤に侵されず、拭き取り時のテンションに耐えられれば特に限定されず使用することが出来る。具体的には、6ナイロン繊維、66ナイロン繊維等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、炭素繊維等の無機繊維、綿繊維、麻繊維等の植物繊維、羊毛等の動物繊維を用いることが出来る。
【0039】
《含浸用溶剤》
拭き取りテープに含浸させて用いる含浸用溶剤としては、塗布層の種類によって異なるが、塗布層を溶解或いは膨潤させて除去できれば特に限定されず、前記したものを用いることが出来る。
【0040】
拭き取り方法は、拭き取りテープに塗布層を溶解又は膨潤させる溶剤を含浸させた状態で、回転する感光体ドラムの塗布層に接触させ、塗布層を拭き取る方法である。
【0041】
拭き取りテープの移動方向は、特に限定されないが、感光体ドラムの回転方向と逆方向にすることにより短時間で拭き取ることが出来好ましい。
【0042】
図7は、拭き取りテープを感光体ドラムに接触させる方法の一例を示す概略図である。
【0043】
感光体ドラムの塗布層の端部に拭き取りテープを接触させる具体的方法として、図7(a)、(b)、(c)を挙げることが出来る。
【0044】
図7(a)は、拭き取りテープ31が元巻きロール38と巻き取りロール39との間で一定のテンションがかけられ、感光体ドラム3に圧接ローラ32により接触させる方法である。拭き取りテープ31の走行方向を0度より大きい傾斜角度θをもって傾斜させるには図6に示す如く元巻きロール38と巻き取りロール39の設定位置をずらすことにより任意に設定することが出来る。
【0045】
図7(b)は、図7(a)の圧接ローラ32を2本にして拭き取りテープ31を感光体ドラム3に接触させる方法である。
【0046】
図7(c)は、図7(a)の巻き取りロール39をニップ駆動ローラ35に変更し、拭き取り完了した拭き取りテープ31を回収容器37に回収する方法である。拭き取り完了した拭き取りテープ31には溶剤が含浸されているので、拭き取りテープ31を回収容器37に回収するのが溶剤を室内に気化させるおそれが少なく好ましい。
【0047】
2.ブラシによる除去方法
図8はブラシによる塗布層除去装置の断面図である。図中3は表面に塗布層が形成されている感光体ドラムである。この感光体ドラムは搬送手段47により、上下に移動可能に把持され、塗布層除去装置45の塗布層除去台(塗布層除去手段)54に備えられている摺擦部材55に当接される。塗布層除去台54にはスポンジ状の基体保持部材541も備えられ、基体aは基体保持台と摺擦部材で下端部を支持されている。又、塗布層除去台54はモーター駆動等により回転可能に設計されている。感光体ドラム3は基体内部を把持する把持手段(Oリングチャック、エアピッカチャック等)を有する搬送手段47により、塗布層除去台54に設置され、感光体ドラム3の下端部が摺擦部材55に当接される(図8(a))。このとき塗布層除去台54は洗浄手段である溶媒タンク51の液面から出た状態にある。感光体ドラムの端部塗布層の残留溶媒が60質量%以下になった状態で、塗布層除去台54は回転し、該回転と共に下端部の塗布層が摺擦部材55で拭き取られる。更に好ましくは60質量%以下3質量%以上がよい。残留溶媒量は、塗布層が形成された直後の塗布層(複数の層が塗布されているときは、最後の層が塗布された直後)の含有溶媒量を100質量%として、当該層に残留している質量%を求めたものである。
【0048】
この拭き取りが終了した後、感光体ドラムは搬送手段47(分離手段を兼ねる)により持ち上げられ、塗布層除去台54から分離される。その後、塗布層除去台54は塗布層除去台54の上下移動を可能とするシリンダー(塗布層除去手段の移動手段)542の回転により、洗浄手段である溶媒タンク51の溶媒51E中に浸漬し(図8(b))、溶媒タンク中で、超音波洗浄機とシリンダーによる塗布層除去台の上下移動、及び回転運動等を組み合わせて、摺擦部材を含めた塗布層除去台全てが洗浄される。その後、再びシリンダー542の回転により、溶媒タンク51の液面上に持ち上げられ、次の塗布層の除去に備える。又、溶媒タンク内には超音波振動子Uを設置して、塗布層除去手段の洗浄効率を高めることが好ましい。尚、図8のように、同時に2本以上の塗布層の除去を行う場合には、各塗布層除去手段の間に隔壁板59を設け、各感光体ドラム3の塗布層除去中の跳ね返り等による、欠陥発生を防止することが好ましい。
【0049】
前記、摺擦部材の材料としてはブラシ、スポンジ、布、ポリマー繊維布等があり、ブラシが好ましい。
【0050】
ブラシの材質としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が好適である。ブラシを塗布層除去台54に植毛する1つの穴の大きさは0.5〜2mm程度で、穴の間隔は1〜3mm程度である。ブラシの全体の幅は、除去すべき塗布層の幅に対応させて使用することが好ましい。
【0051】
本発明で、溶媒含浸の摺擦部材とは、摺擦部材の材質が溶媒を含浸していなくても、担持していればよい。該摺擦部材の含浸量は乾燥時の摺擦部材の含浸量を100質量部とすると、溶媒含浸の摺擦部材の質量が105〜200質量部が好ましい。
【0052】
図9は感光体ドラム3と摺擦部材55の当接状態の縦断面図である。感光体ドラム3が摺擦部材のブラシ551に当接している。
【0053】
図10の(a)、(b)、(c)は摺擦部材55の一形態を示す。
図11は塗布層除去装置50の全体構成図である。
【0054】
塗布層除去装置50は溶媒タンク51、溶媒オーバーフロー室52、補給タンク53、塗布層除去台54、摺擦部材55、溶媒循環パイプ56、ポンプ57、フィルター58、搬送手段47等から構成されている。
【0055】
塗布層除去台54には摺擦部材55及び基体保持部材541が取り付けられており、基体aを固定すると同時に塗布層除去台54の回転により摺擦部材が回転すると、感光体下端の塗布層を拭き取り、除去する。尚、図11に示されているように塗布層除去台54は摺擦部材55等と共にシリンダー542の回転により溶媒タンク51の内外に移動可能に設計されている。
【0056】
又、溶媒タンク中の溶媒は、補給タンク53から溶媒循環パイプ56を経由して常に循環しており、溶媒が塗布層除去手段を十分洗浄できるように、循環パイプの途中にフィルターを設けて、塗布層成分は除去されている。
【0057】
導電性基体(導電性支持体)
本発明の感光体に用いられる導電性基体として円筒状の導電性支持体が用いられる。該円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できることが必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0058】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0059】
中間層
本発明の感光体に用いられる中間層(UCL)は導電性基体と前記感光層との接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の中の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜2.0μmが好ましい。
【0060】
又、本発明に最も好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.01〜2.0μmが好ましい。
【0061】
又、別の好ましい中間層としては酸化チタンとバインダ樹脂を含有し、酸化チタンをバインダ樹脂溶液中に分散、塗布したものが挙げられる。酸化チタンを用いた中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましい。
【0062】
以下、本発明の有機感光体の好ましい感光層構成について記載する。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記下引層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では下引き層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電用感光体構成である。
【0063】
以下に機能分離負帯電用感光体の感光層構成について説明する。
《電荷発生層》
本発明の電荷発生層は、電荷発生物質とバインダ樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダ樹脂溶液中に分散、塗布して形成する。
【0064】
電荷発生物質は、公知のフタロシアニン化合物を用いることができる。好ましくはチタニルフタロシアニン化合物及びヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である。更にはチタニルフタロシアニンのY型、A型(β型)等、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブラッグ角2θの主要ピークが特徴的なチタニルフタロシアニン化合物が良い。これらオキシチタニルフタロシアニンについては特開平10−069107号公報に記載されている。又、これらの電荷発生物質は単独で使用しても、2種以上例えばY型とA型を混合して使用しても良く、多環キノン例えばペリレン顔料と混合して用いても良い。
【0065】
電荷発生層のバインダ樹脂としては、公知の樹脂を用いることが出来、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の中で、2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0066】
電荷発生層の形成は、バインダ樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布層を乾燥して作製することが好ましい。
【0067】
電荷発生層に使用するバインダ樹脂を溶解し塗布するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0068】
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用出来るがこれらに限定されるものではない。
【0069】
電荷発生層を形成する塗布機としては浸漬塗布機、リングコーター等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0070】
バインダ樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600部(以下、部とは質量部)が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダ樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μmである。
【0071】
《電荷輸送層》
本発明の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダ樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダ樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
【0072】
電荷輸送物質は、特願2000−360998号の明細書の一般式で挙げられる電荷輸送物質の他、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
【0073】
電荷輸送層用のバインダ樹脂は、公知の樹脂を用いることが出来、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはポリカーボネートのBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等がクラック、耐摩耗性、帯電特性の点で好ましい。
【0074】
電荷輸送層の形成は、バインダ樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布層を乾燥して作製することが好ましい。
【0075】
上記バインダ樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0076】
バインダ樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダ樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500部(以下、部とは質量部)が好ましく、さらに好ましくは20〜100部である。
【0077】
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダ樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは10〜100μmで、さらに好ましくは15〜40μmである。
【0078】
更に電荷輸送層中には酸化防止剤(AO剤)、電子受容性物質(EA剤)、安定剤等を添加しても良い。AO剤については特願平11−200135号、EA剤は特開昭50−137543号公報、特開昭58−76483号公報に記載のものが良い。
【0079】
《保護層》
耐久性をアップする為に、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。特開平9−190004号、特開平10−095787号、特開2000−171990号の各公報に記載のシロキサン系樹脂を用いた保護層は耐摩耗性を改良し、好ましい。上記では本発明の最も好ましい有機感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の層構成でも良い。
【0080】
次に、本発明の感光体ドラムの製造方法により作製した感光体ドラムを用いる画像形成装置について説明する。
【0081】
《画像形成装置》
図12は、感光体ドラムを用いて画像形成を行う電子写真画像形成装置の一例を示す断面図である。
【0082】
電子写真画像形成装置は、感光体ドラムを使用し、帯電、露光、現像、転写、分離及びクリーニング工程を繰り返して画像を形成する装置である。
【0083】
以下、図12の電子写真画像形成装置について説明する。
図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザー光源21から光が発せられる。これをポリゴンミラー22により走査され、画像の歪みを補正するfθレンズ23を介して、感光体ドラム面上に照射され、デジタル露光方式により静電潜像を形成する。感光体ドラム3は、あらかじめ帯電器15により一様に帯電され、光照射のタイミングに合わせて時計方向に回転を開始している。
【0084】
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器16により反転現像され、トナー像が形成される。形成されたトナー像は、タイミングを合わせて搬送されて来た転写体18に転写器17の作用により転写される。さらに感光体ドラム3と転写体18は分離器(分離極)19により分離されるが、トナー像は転写体18に転写担持されて、定着器10へと導かれ、定着されてプリント画像を形成する。
【0085】
その後、感光体ドラム3は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて感光体ドラム面上に残留した未転写のトナー等が清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像のため再び帯電器15により、一様帯電される。
【0086】
尚、転写体18は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写することが可能な物なら特に限定されず、OHP用のPETベース等も含まれる。
【0087】
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが良く用いられる。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明の除去テープを用いての実施例を記載するが、本発明の実施態様は下記の実施例に限定されるものではない。
【0089】
1.感光体
感光体1の作製
引き抜き加工により得られたドラム径30mmの円筒状アルミニウム基体上に、下記塗布液を作製、塗布して、乾燥膜厚15μmの半導電層を形成した。
【0090】
〈半導電層(PCL)塗布液〉
フェノール樹脂 160g
導電性酸化チタン 200g
メチルセロソルブ 100ml
次に下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を上記半導電層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0091】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
更に下記組成の液を、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0092】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液 700g
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 2000ml
最後に、下記塗布組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
【0093】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 2000ml
感光体2の作製
ドラム径30mmの円筒状アルミニウム基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布し、150℃30分間乾燥し、厚さ1.0μmの中間層を形成した。
【0094】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ジルコニウムキレート化合物ZC−540(松本製薬社製)200g
シランカップリング剤 KBM−903(信越化学社製) 100g
メタノール 700ml
エタノール 300ml
次に、下記塗布組成物を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0095】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液 700g
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 2000ml
更に、下記塗布組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体2を作製した。
【0096】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 2000ml
感光体3の作製
下記塗布組成物を混合し、溶解して保護層塗布液を調製し、感光体2の電荷輸送層上に塗布した。
【0097】
〈保護層(OCL)塗布液〉
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い感光体3を作製した。
【0098】
感光体4の作製
ドラム径30mmの円筒状アルミニウム基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
【0099】
〈中間層(UCL)塗布液〉
下記組成の分散液を、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;5N/cm2)し、中間層塗布液を作製した。
【0100】
(中間層分散液)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1.0質量部
酸化チタンSMT500SAS 3.0質量部
(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、アルミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理)
メタノール 20質量部
サンドミルを用いて、バッチ式にて10時間分散した。
【0101】
その上に、下記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0102】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Figure 0003888162
更に、下記組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この組成液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
【0103】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質 75g
ポリカーボネート樹脂 100g
「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
ジオイソラン/トルエン(10/1混合モル比) 750g
2.塗布層の除去方法
A.〈除去テープ使用〉
塗布層除去方法A−1
図7(b)の塗布層の除去装置に拭き取りテープと感光体ドラムを装着し、5〜30rpmで回転している感光体ドラムの端部から10mm分の塗布層に、傾斜角度が1.0度で、溶剤を滲みこませた拭き取りテープを接触させながら、感光体ドラムの回転方向とは逆方向に500〜3000mm/minの移動速度で、塗布層が除去されるまで移動させ、塗布層を除去した。
【0104】
尚、拭き取りテープは、2本の圧接ロールによって感光体ドラムの円周の15%にわたって圧接させ、元巻きロールと巻き取りロール間には25N/20mm幅のテンションを加えた。
【0105】
塗布層除去方法A−2
上記塗布層除去方法A−1と同様に行ったが、傾斜角度は付けず(0.0度)に除去を行った。
【0106】
B.〈ブラシ使用〉
塗布層除去方法B−1
上端部に約1cmの未塗布部分があるように図8に示した電子写真感光体の製造装置を用いて、塗布層除去工程に移行し、図8の説明で記載したような一連の動作を行い基体下端部1cmの塗布層を除去し、次の乾燥工程に移行させ感光体を作製した。塗布層除去装置の溶媒タンク中の溶媒は電荷輸送層溶媒と同じ塩化メチレンを用い、塗布層除去台の摺擦部材はポリエステル製0.5mmブラシが回転し、塗布層除去が開始される時の端部塗布層中の残留溶媒量12.0%(質量%:塗布液状態の溶媒量を100質量%とする)とした。
【0107】
塗布層除去方法B−2
摺擦部材は除去方法B−1と同じポリエステル製ブラシを用いたが、塗布層除去の際は塗布層除去台を特開平5−142789号の実施例1のように溶媒タンク中に浸し、下端部塗布層を除去した。
【0108】
上記感光体1〜4の4種及び除去方法A−1〜A−2、B−1〜B−2について、表1の如くの組み合わせ条件にて除去した。
【0109】
結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
Figure 0003888162
【0111】
*周方向の凹凸;ドラムを上から見たときの、周方向の除去のギザギザの最大値と最小値の差。
【0112】
上記実施例1〜8及び比較例1〜3の端部除去された感光体を、半導体レーザー光源(780nm)によるデジタル像露光方式に改造したコニカ社製複写機U−BIX4145改造機に装着し、1万回の像形成テストを行い、画像評価特に端部付近の画像濃淡ムラや剥がれ塗布層粉飛散による塗布層欠陥、黒ポチ等の発生状況の他、トナー汚染等を観察した。
【0113】
3.性能評価方法と基準
端部画像濃淡ムラ:ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=端部1cm部の最大濃度−中心部の濃度)で判定
Figure 0003888162
【0114】
【表2】
Figure 0003888162
【0115】
表2の結果から、本発明内の実施例1〜8はいずれの特性もよいが、本発明外の比較例1〜3は、少なくとも何れかの特性に問題が有ることがわかる。
【0116】
【発明の効果】
本発明により、感光体ドラム両端部の塗布層を除去するに当たって、その端部形状が、塗布層端部より剥がれない、トナー溜まりが無い、塗布層粉末やトナーの飛散により、黒ポチ等の欠陥が無い、電子写真感光体とその製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体ドラムと本発明に用いた規定値を説明する図。
【図2】塗布層端部の拡大模式断面図。
【図3】感光層が摺擦により除去された部分の微視的断面形状図。
【図4】トナーの堆積又はその凝固物の付着した状態の概念断面図。
【図5】感光体ドラムのクリーニング範囲を示す図。
【図6】拭き取りテープを傾斜させて感光体ドラムにセットしたときの概略図。
【図7】拭き取りテープを感光体ドラムに接触させる方法の例を示す概略図。
【図8】ブラシによる塗布層除去装置の断面図。
【図9】感光体ドラムと摺擦部材の当接状態を示す断面図。
【図10】摺擦部材の一形態を示す図。
【図11】塗布層除去装置の全体構成図。
【図12】感光体ドラムを用いた画像形成装置の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 導電性基体
2 塗布層
3 感光体ドラム
31 拭き取りテープ
38 元巻きロール
39 巻き取りロール
45 塗布層除去装置
47 搬送手段
54 塗布層除去台
55 摺擦部材
59 隔壁板
D 塗布層端部までの距離の平均
P 中央部の膜厚の平均
Pmax 画像領域外での膜厚の最大値の平均
θ 傾斜角度

Claims (8)

  1. 円筒状の導電性基体上に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体において、該導電性基体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均をD(μm)とすると、下記の式(1)及び式(2)を共に満足することを特徴とする電子写真感光体。
    式(1) 0<Pmax<2P
    式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
  2. 円筒状の導電性基体上に少なくとも感光層を含む塗布層を有する電子写真感光体の製造方法において、少なくとも導電性基体上に該塗布層を塗布する工程と、該塗布層の端部を擦過手段により除去する工程を有し、前記導電性基体の画像形成幅方向の中央部の塗布層膜厚の平均をP(μm)、画像形成領域外での膜厚の最大値の平均をPmax(μm)、該最大値を形成している点から、塗布層端部までの距離の平均をD(μm)とすると、下記の式(1)及び式(2)を共に満足することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    式(1) 0<Pmax<2P
    式(2) 2≦(Pmax/D)×100≦50
  3. 前記擦過手段がブラシであることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記ブラシによる擦過は、端部塗布層に含有される残留溶媒が60質量%以下、3質量%以上であるとき開始されることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記ブラシによる擦過で、同時に2本以上の電子写真感光体塗布層の除去を行う場合には、各塗布層除去手段の間に隔壁板を設け、各感光体の塗布層除去中の欠陥発生を防止することを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記擦過手段がテープであることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記テープを導電性基体上の塗布層と接触走行させて塗布層を除去し、該導電性基体の長手方向(画像形成幅方向)と垂直な面に対する該テープの走行方向を傾斜させ、その傾斜角θが0°より大きく40°より小さいことを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記擦過手段のテープには、溶媒が含浸出来ることを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体の製造方法。
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