JP2007094192A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】球形トナーのすり抜けを十分に阻止し、且つ、磨耗や欠損を生じにくい耐久性を有するクリーニングブレードを用いて、球形トナーを用いる高速印字の場合にも長期に渡り優れたクリーニング性を維持することができる画像形成方法を提供する。
【解決手段】着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であるトナーを用いて現像、転写、定着及び、転写後の感光体上に残留するトナーを前記感光体上に当接したクリーニングブレード6により除去するクリーニングを行う画像形成方法において、前記クリーニングブレード6の感光体に対する当接部の23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が0.6〜1.5N/mmで、100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)の値が1.1〜1.8で、20〜50℃の損失正接tanδが0.01〜0.1の範囲であることを特徴とする画像形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電潜像等の静電的な特性をもつ潜像を感光体上に形成し、静電潜像現像用トナーにより現像し、得られた可視像を記録材へ転写する画像形成方法に関し、特に、転写工程後の感光体上に残留した静電潜像現像用トナーをクリーニングブレードにより除去する工程を有する画像形成方法に関する。
電子写真法においては、感光体に形成された静電潜像を、着色粒子に必要に応じて外添剤やキャリア等の他の粒子を配合してなる静電潜像現像用トナー(単に「トナー」ともいう。)で現像し、得られた可視像を紙やOHPシート等の記録材へ転写した後、転写された可視像を定着して印刷物を得る。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用いて色の再現を行うものである。先ず、カラー複写(カラーコピー)の場合の一例では、カラー原稿を多数の画素に分解して読み取り、また、カラー印刷(カラープリント)では、コンピュータ等から感光体に直接送られた色別のデジタル画像信号として、帯電させた感光体上に光を当てて静電潜像を形成する。次に、色別の静電潜像に画像信号に対応するカラートナーにより、感光体上の静電潜像を現像し、これを紙やOHPシート等からなる記録材に転写する。
この現像、転写工程を第2色以降、色別に順次繰り返し、レジストレーションを合わせつつ記録材に各色のトナー像を重ねる。そして、全色の現像、転写の後、定着を行ってフルカラー画像が形成される。
上記転写工程において、転写されずに感光体上に残留したトナー(以下、「転写残トナー」ともいう。)はクリーニング装置により除去される。このクリーニング装置により転写残トナーが除去された感光体の部分は再び潜像形成工程に用いられる。
従来、クリーニング装置として、クリーニングブレード、ファーブラシローラー、研磨能力を有するクリーニングローラ、或いは吸引器などを用いる、様々なクリーニングの方式が知られている。そのなかでも、クリーニングブレードを用いる方式は構造がシンプルであり、広く用いられている。
一方、現像に用いるトナーとしては、従来、粉砕法により製造されるトナー(いわゆる粉砕法トナー)が広く用いられてきた。しかし、粉砕法トナーは、トナー粒子の形状が不定形である点や、粒径分布を制御することが難しい点が、画質向上を妨げる一因となっていた。これに対し近年、画像の再現性や精細性等の画質を向上させる観点から、重合法により製造されるトナー(いわゆる重合法トナー)のように、着色粒子の形状や粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。
重合法は、重合性単量体と着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で造粒して液滴を形成し、該液滴を重合させて着色粒子を製造する方法であり、粉砕法と比べて着色粒子の形状が球形に近い、いわゆる球形トナーが得られ、その粒径分布を、小粒径でシャープなものとすることができる。
しかし、球形トナーを用いると、転写残トナーがクリーニング工程において感光体とクリーニングブレードの間をすり抜けやすい。すなわち、クリーニング工程後の感光体上に転写残トナーが残留するクリーニング不良が生じやすく、画像形成の繰り返しによって転写残トナーが感光体上にフィルミングしたり、感光体表面の帯電不良や、潜像の形成不良、トナーの帯電量低下、カブリ等の原因となる。
上記クリーニング不良は、クリーニングブレード先端(感光体との当接部)の磨耗や欠損、印字速度(感光体の回転速度)の高速化や、画像精細化の観点からのトナーの小粒径化によって、さらに発生しやすくなる。
また、クリーニングブレードによるクリーニング工程では、実質的に除去が不可能である外添剤が着色粒子から脱離し、これが感光体上に蓄積してフィルミングを生じたり、感光体の表面に傷が生じたりする。これらは、クリーニングブレードの物性が起因していると推察される。上記現象は、特に高速印字の場合に顕著に現れる。
特許文献1には、主にポリウレタン樹脂よりなるクリーニングブレードに、イソシアネート化合物及び該ポリウレタン樹脂が反応してなる0.12mm以上1.2mm以下の厚みの硬化層が、トナー担持体との当接部のみに形成されてなるクリーニングブレードが開示されている(特許文献1の請求項1)。
この特許文献には、上記クリーニングブレードは、自由長部分の運動性(縦方向の運動性)を維持したまま、トナー担持体(感光体)との当接部を低摩擦係数で高硬度化し、良好なクリーニング性と耐久性を実現できることが記載されている。
特許文献2には、23℃におけるショアA硬度が60〜80であるポリウレタンからなる弾性体を基材とし、少なくとも相手部材(感光体)との当接部は0.5〜5μmの厚さのフレキシブルダイヤモンドライクカーボン(FDLC)からなる層を有し、特定の静摩擦係数を有する電子写真装置用ブレードが開示されている(特許文献2の請求項1、2及び4)。
この特許文献には、上記電子写真装置用ブレードは、基材となる弾性体の基本特性を損なうことなく、表面のみ摩擦係数を低下させた電子写真装置用ブレードであることが記載されている。
また、特許文献3には、最大変位と塑性変位の差を示す弾性変位の最大変位に対する割合で表される弾性変異率が50%以上の弾性体からなるクリーニングブレードが記載されている。
しかしながら、これらのクリーニングブレードは、球形トナーに対するクリーニング性が十分とはいえない。
特開2001−343874号公報 特開2003−103686号公報 特開2005−181782号公報
本発明は、球形トナーのすり抜けを十分に阻止し、且つ、磨耗や欠損を生じにくい、耐久性を有するクリーニングブレードを用いて、球形トナーを使用する高速印字の場合においても、長期に渡り優れたクリーニング性を維持することができ、脱離した外添剤のフィルミングや感光体表面への傷付きが少ない画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべくクリーニングブレードの感光体との当接部付近の深さ方向の硬度に新たに着目して、鋭意検討した結果、クリーニングブレードの感光体との当接部における表面から15〜30μm、50〜120μmそれぞれの深さ部分の硬度に相当する10mN(ミリニュートン)時と100mN時のマルテンス硬度の間に一定の関係があり、且つ20〜50℃の損失正接が一定範囲の場合に上記目的を達成し得るという知見を得た。
すなわち、従来のクリーニングブレードの物性として用いられていた、ショアA硬度や反発弾性率は、クリーニングブレード全体の物性を表すものなのに対し、本発明では、マルテンス硬度により、クリーニングブレードの微細な部分の物性をコントロールするものである。
また、従来行なわれているクリーニングブレードの表面の硬化処理は、硬化される厚さが適当ではないため、上記の深さ範囲のマルテンス硬度を、本願規定の範囲に制御することはできない(本明細書の比較例を参照)。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、結着樹脂及び着色剤を含有する着色粒子を含むトナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、前記可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、前記転写像を前記記録材に定着する定着工程及び、転写後の感光体上に残留するトナーを前記感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
前記着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であり、
前記クリーニングブレードの、
感光体に対する当接部の23℃における、10mN時のマルテンス硬度(A)が0.6〜1.5N/mmで、100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)の値が1.1〜1.8で、
20〜50℃の損失正接tanδが0.01〜0.1の範囲であることを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
本発明においては、前記クリーニングブレードが、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタンにより形成されていることが、ブレードの耐久性の観点から好ましい。
本発明によれば、クリーニング工程において小粒径の球形トナーのすり抜けを阻止することが可能であり、前記着色粒子の、体積平均粒径が4〜8μmであり、粒径4μm以下の粒子の割合が30個数%以下、粒径16μm以上の粒子の割合が1体積%以下である場合でも優れたクリーニング性が得られる。
優れたクリーニング性を得る観点から、前記現像工程後、前記転写工程前における前記感光体表面上のトナー帯電量の絶対値|Q/M|が10〜70μC/gであることが好ましい。
本発明によれば、前記クリーニング工程において、前記クリーニングブレードの前記感光体に当接した部分における前記感光体の回転速度が12cm/sec以上となる高速印字を行う場合でも優れたクリーニング性が得られる。
また、本発明によれば、優れたクリーニング性を得る観点から、クリーニングブレードの表面に硬化処理を行うことが好ましい。
上述したような本発明の画像形成方法によれば、球形トナーを用いる高速印字の場合にも長期に渡り優れたクリーニング性を維持することができ、外添剤フィルミングや感光体上の傷の発生も少ない画像形成をすることができる。
図1は、本発明の画像形成方法を実施する画像形成装置の一構成例である。図1に示す電子写真装置は、感光体としての感光体ドラム1を有し、感光体ドラム1は矢印A方向に回転自在に装着されている。感光体ドラム1は、導電性支持ドラム体の上に光導電層を設けたものであり、この光導電層は、例えば有機感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光体等で構成される。これらの中でも有機感光体で構成されるものが好ましい。光導電層は導電性支持ドラムに結着されている。光導電層を導電性支持ドラムに結着するために用いられる樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。上記の中でもポリカーボネート樹脂が好ましい。
感光体ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電部材としての帯電ロール2、露光装置としての光照射装置3、現像装置4、転写ロール5及びクリーニングブレード6が配置されている。
また、感光体ドラム1の搬送方向下流側には、定着装置7が設けられる。定着装置7は、熱ロール7aと支持ロール7bとからなる。
記録材14の搬送路は、感光体ドラム1と転写ロール5の間、及び、熱ロール7aと支持ロール7bの間を通過するように設けられる。
現像装置4は、非磁性一成分接触現像方式に用いられる現像装置であり、トナー13が収容されるケーシング8内に、現像ロール9と、現像ロール上の過剰トナーをかき取る現像ロール用ブレード10と、供給ロール11と、トナーの攪拌を行う攪拌翼12とを有する。
図1に示す画像形成装置を用いて画像を形成する工程は、以下に示すような帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、及び定着工程からなる。
帯電工程は、帯電部材により、感光体ドラム1の表面を、プラス又はマイナスに一様に帯電する工程である。帯電部材での帯電方式としては、図1で示した帯電ロール2の他に、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等で帯電させる接触帯電方式と、コロナ放電による非接触帯電方式とがあり、このような接触帯電方式又は非接触帯電方式に置き換えることも可能である。
露光工程は、図1に示すような露光装置としての光照射装置3により、画像信号に対応した光を感光体ドラム1の表面に照射し、一様に帯電された感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する工程である。このような光照射装置3としては、例えばレーザー照射装置やLED照射装置がある。
現像工程は、露光工程により感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像に、現像装置4により、トナーを付着させて可視像を形成する工程であり、反転現像においては光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像においては、光非照射部にのみトナーを付着させる。
一成分接触現像方式の現像装置4内において、攪拌翼12は、ケーシング8のトナー供給方向上流側に形成されたトナー槽8aに配置され、トナー13を攪拌する。
現像ロール9は、感光体ドラム1に一部接触するように配置され、感光体ドラム1と反対方向Bに回転するようになっている。供給ロール11は、現像ロール9と接触して現像ロール9と同じ方向Cに回転し、トナー槽8aから攪拌翼12によりトナー13の供給を受けて、該供給ロール11の外周にトナーを付着させ、現像ロール9の外周にトナーを供給するようになっている。この他の現像方式としては、一成分非接触現像方式、二成分接触現像方式、二成分非接触現像方式がある。
現像ロール9の周囲において、供給ロール11との接触点から感光体ドラム1との接触点との間の位置には、トナー層厚規制部材及びトナー帯電部材としての現像ロール用ブレード10が配置されている。この現像ロール用ブレード10は、たとえば導電性ゴム弾性体または金属で構成されている。
転写工程は、現像装置4により形成された感光体ドラム1の表面の可視像を、紙などの記録材14に転写する工程であり、通常、図1に示すような転写ロール5により転写が行なわれているが、その他にもベルト転写、コロナ転写がある。
クリーニング工程は、転写工程後の感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーをクリーニングする工程であり、本発明ではクリーニングブレード6を感光体上に当接して転写残トナーをかき取る。かき取った転写残トナーは通常、図示されていない回収装置によって回収される。
図1に示す画像形成装置では、感光体ドラム1は、帯電ロール2によりその表面が負極性又は正極性に全面均一に帯電されたのち、光照射装置3により静電潜像が形成され、さらに、現像装置4により可視像が現像される。次いで、感光体ドラム1上の可視像は転写ロール5により、紙などの記録材14に転写され、感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーは、クリ−ニングブレード6によりクリーニングされ、この後、次の画像形成サイクルに入る。
定着工程は、記録材14に転写された可視像を定着させる工程であり、図1に示す画像形成装置においては、図示しない加熱手段により加熱された熱ロール7aと支持ロール7bの少なくとも一方を回転させて、これらの間に記録材14を通過させながら加熱加圧する。
定着方法としては、加熱、圧力、加熱圧力、溶剤蒸気等による方式が知られているが、そのなかでも、上記したような熱ローラーによる加熱圧力方式が最も広く利用されている。
図1に示す画像形成装置は、モノクロ用のものであるが、カラー画像を形成する複写機やプリンター等のカラー画像形成装置にも本発明の画像形成方法を適用することが可能である。
本発明の画像形成方法で用いられるクリーニングブレードは、感光体の感光面の回転軸方向全体に渡り均一に当接できる形状であれば如何なる形状又は構造であっても良い。図2はクリーニングブレードの一構成例である。また図3はクリーニングブレードを回転する感光体に当接させた状態を、回転軸の一端側から他端側に向かう方向で観察した状態を模式的に示す図である。
図2においてクリーニングブレード6は感光体の軸方向に平行となる方向に細長く且つ厚みが薄い形状(横長扁平形状)を有し、感光体の感光面に当接する当接部6aが長手方向の一辺に沿って設けられ、当接部6aの反対側に金具が取り付けられ、その金具の両端にそれぞれ、該クリーニングブレードをクリーニング装置に固定するための固定部6bが設けられている。当接部6a側の断面形状は、通常、図3に示すように矩形である。
図3に示すように、クリーニングブレード6は、その当接部側の先端が感光体表面の回転方向に対向するように(すなわちクリーニングブレードと感光体表面の回転方向のなす角が鋭角)傾けられた状態で、感光体表面に当接する。このような当接状態において感光体を回転させると、クリーニングブレード6の当接部側の先端は若干変形し、クリーニングブレード6の感光体表面と向き合う面の当接部側の先端が、感光体表面と当接する。
本発明において、マルテンス硬度(A)及び(B)の測定位置としての「当接部」とは、感光体表面と当接しているクリーニングブレードの角6cから縦方向(クリーニングブレードの扁平面に沿った方向であって、且つ、感光体の軸方向に対して垂直の方向のこと)に4mmまでの領域のことを意味し、感光体表面に当接している領域がクリーニングブレードの角6cから縦方向に4mm以上ある場合には、実際に感光体表面に当接している領域を意味する。
また、当接部が表面硬化処理されている場合には、当接部の表面硬化処理されている部分のマルテンス硬度を測定する。
クリーニングブレードの微細な部分の物性をコントロールするものとしては、ISO14577で規定された、押込み硬さやマルテンス硬度がある。
押込み硬さ、及びマルテンス硬度は、ISO14577に規定された押込み試験の手順に従って、被検体であるクリーニングブレードに特定の荷重(本発明では、10mN又は100mN)を負荷した圧子を押込んだときに測定される硬さ(硬度)である。圧子としては、好ましくは、基部が正方形の角錐形ダイヤモンド圧子で、頂点を挟む対面角度α=136°(ビッカース角錐)、又は基部が三角形の角錐形ダイヤモンド圧子(例えばバーコビッチ角錐)が用いられる。
押込み硬さは、最大負荷荷重を、図4に示すように圧子と試料(クリーニングブレード)が接している投影断面積で除した値として定義される。すなわち、接触ゼロ点を超えて侵入した圧子の部分が試料(クリーニングブレード)と接していない表面積は上記投影断面積として換算されないため、特にゴム等の弾性体では、試料特有の曲がり角度等を考慮した補正が必要となる。
一方、マルテンス硬度は、試験荷重を、図4に示すように接触ゼロ点を超えて侵入した圧子の部分の全てが試料(クリーニングブレード)に接触していると仮定した時の侵入した圧子の部分の表面積で除した値で定義される。
本発明においては、マルテンス硬度でクリーニングブレードの硬度を規定する。
本発明において、10mN時のマルテンス硬度(A)はクリーニングブレードの表面部の極めて浅い部位、具体的にはブレード表面から深さが約15〜30μm程度の部分の材料の硬度を示し、100mN時のマルテンス硬度(B)は、クリーニングブレードのより深い部位、具体的にはブレード表面から深さが約50〜120μm程度の部分の材料の硬度を示す。
本発明の画像形成方法においては、23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が0.6〜1.5N/mm、好ましくは0.7〜1.0N/mmで、100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)の値が1.1〜1.8、好ましくは1.2〜1.6で、20〜50℃の損失正接(正弦損失)tanδが0.01〜0.1、好ましくは0.01〜0.05の範囲であるクリーニングブレードを用いる。
また、損失正接tanδとは、被検体の粘弾性に関する損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)との比(G”/G’)である。損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)等の粘弾性は、例えば、粘弾性測定装置(レオメーター)(レオメトリックス社製、商品名「RDA−II型」)等の装置により測定することができる。損失正接tanδが小さくなると粘性特性に対して弾性特性が支配的となり、損失正接tanδが大きくなると弾性特性に対して粘性特性が支配的となる。
上記物性を有するクリーニングブレードは、球形トナーのすり抜けを充分に阻止するかき取り性能と、磨耗や欠損を生じにくい耐久性を有するので、球形トナーを用いる画像形成方法に適用する場合にも長期に渡り優れたクリーニング性を維持することができる。特に、感光体の回転速度が12cm/sec以上の高速印字において、この物性が顕著に発揮される。
クリーニングブレードの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)の値が上記範囲から外れる場合には、長期間又は多数枚の連続印字を行うと、クリーニング性の低下が著しい。
その原因は、マルテンス硬度(A)の値が小さすぎると感光体に対するブレードの当接部の磨耗が生じやすく、一方、このマルテンス硬度(A)の値が大きすぎるとブレードの当接部が欠けやすいためと推測される。
クリーニングブレードの当接部6aの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)と、100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)の値が上記範囲から外れる場合にも、長期間又は多数枚の連続印字試験を行うとクリーニング性の低下が著しい。
上記の比(A)/(B)の値が上記範囲よりも小さい場合には、ブレード表面部の極めて浅い部分の硬度と、該表面部のより深い部分の硬度がそれほど大きく変わらず、感光体表面との動摩擦係数が下がるために、感光体への追従性がなくなり、クリーニング性が不充分となる。
上記の比(A)/(B)の値が上記範囲よりも大きい場合には、ブレード表面部の極めて浅い部分の硬度と、該表面部のより深い部分の弾性の差が大きく、
クリーニングブレードと感光体の密着が不充分であるために、スティックスリップの間隔が長くなり、特に感光体の回転速度の速い高速印字を行うとトナーから脱離した外添剤が感光体上にフィルミングしたり、感光体表面に傷が付いたりする。
ここで、スティックスリップ現象とは、感光体と圧接したクリーニングブレードが、感光体と擦れあうことで、感光体の回転方向にストレスを受けて歪みを生じ、クリーニングブレードの反発力により歪みを元に戻す現象である。要するに、クリーニングブレードの先端が感光体の回転に巻き込まれては復元する動作が繰り返される現象である。
クリーニングブレードの20〜50℃の損失正接tanδの値が上記範囲から外れる場合には、多数枚の連続印字を行うと、クリーニング性の低下が著しい。
その理由は、損失正接tanδの値が上記範囲よりも小さい場合には、感光体に対するクリーニングブレードの当接部が欠けやすく、一方、損失正接tanδの値が上記範囲よりも大きい場合には、ブレードの当接部の温度が感光体との回転接触によって上昇し該当接部が変形するためと推測される。
また、クリーニングブレードの反発弾性率は、15〜50%であることが好ましい。
ここで反発弾性率とは、打撃を材料に加えたとき、吸収されずに残留した位置エネルギーの大きさを尺度として表される。
本発明における反発弾性率は、被検体であるクリーニングブレードに対し、JIS K 6255に規定された反発弾性試験法の手順に従って、上記規格で定められた、リュプケ式反発弾性試験装置またはトリプソ式反発弾性試験装置を用いて得られる反発弾性率である。
クリーニングブレードの反発弾性率が上記範囲内である場合には、感光体に対するクリーニングブレードの当接部に滞留するトナーの量が少なくなる傾向があるため、クリーニング性に優れ、且つ、滞留するトナーによるクリーニングブレードに対する研磨作用が軽減される結果、クリーニングブレードの耐久性も向上すると推測される。
クリーニングブレードの反発弾性率が上記下限値未満の場合には、クリーニングブレードの当接部に滞留するトナーの量が多くなる傾向がある。一方、該反発弾性率が上記範囲の上限値よりも大きい場合には、感光体との密着性が悪くなる傾向があり、特に高速印字を行う場合にクリーニング性が低下しやすい。
クリーニングブレードのショアA硬度は通常60〜90、好ましくは65〜80、より好ましくは68〜75である。クリーニングブレードのショアA硬度が上記範囲内にあることで、感光体表面の磨耗とクリーニングブレードの捲れ現象が抑制される。
一方、クリーニングブレードのショアA硬度が上記範囲から外れる場合には、ブレードが塑性変形を起こし、感光体との間に間隙を生じ、クリーニング性が低下しやすい。
ここでショアA硬度とは、JIS K 6253のスプリング式のタイプA(「JIS A硬度」ともいう)に規定された硬度試験方法に従って、被検体であるクリーニングブレードに上記規格で定められた形状の圧子をスプリングを介して押し付けたときの圧子の押込み深さから硬度を求める試験機(デュロメータ)を用いて得られる硬度である。
上記物性を有するクリーニングブレードは、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の高弾性が得られやすいゴム弾性体で形成することができる。特に、上記物性を有し、感光体に対するブレードの当接部の磨耗や欠損の発生を少なくする観点から、ポリウレタンが好ましい。
ポリウレタンとしては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させてプレポリマーを調製し、該プレポリマーに架橋剤、鎖延長剤、及び必要に応じて触媒等の添加剤を加えて、架橋して得られるものが好ましい。得られたポリウレタンを必要に応じてさらに炉内での後架橋や常温下での熟成を行うことで、例えば、シート状のポリウレタン弾性体が形成される。このシート状のポリウレタン弾性体を所望の形状に裁断することでクリーニングブレードが得られる。
ポリオール成分としては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるアルキレングリコール系ポリエステルポリオール(例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、及びエチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等);カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、及びポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテルポリオール等が用いられる。
これらのなかでも、アルキレングリコール系ポリエステルポリオールやポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールが特に好ましい。
ポリイソシアネート成分とは、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を含有する化合物をいう。
ポリイソシアネート成分としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加m−キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物;を例示することができる。これらのポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのポリイソシアネート化合物の中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
上記ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の他に、鎖延長剤や架橋剤を用いることが好ましい。
鎖延長剤としては、グリコール類を使用することができる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が例示される。上記鎖延長剤は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用することができ、鎖延長剤として、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオールのうち少なくとも1種を使用することが好ましい。
架橋剤としては、3官能以上の多価アルコール類を使用することができる。具体的には、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。架橋剤はそれぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でもトリメチロールプロパンが好ましい。
ポリウレタンの重合触媒としては、ジブチル錫ジラウレートやオクチル酸錫等の有機錫系触媒;トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等の第3級アミン系触媒;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩触媒;イミダゾール系触媒等が例示される。これらの中でも、第三級アミン触媒が好ましい。
クリーニングブレードは公知の方法で作製することができる。例えば、クリーニングブレードは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてイソシアネートプレポリマー又はイソシアネート擬似プレポリマーを製造するプレポリマー製造工程;イソシアネートプレポリマー又はイソシアネート擬似プレポリマーと架橋剤並びに鎖延長剤を含む成分とを混合して反応性組成物とする混合工程;金型等を使用して反応性組成物を所定形状の成形体に成形する成形工程;成形体がシート状である場合には、該シートを所定のブレードの大きさに裁断する裁断工程;を含む製造方法により製造することができる。
クリーニングブレードの物性、特に、10mN時のマルテンス硬度(A)、及び100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)、すなわち表面部の極めて浅い部位(約15〜30μm)の硬度及び、より深い位置(約50〜120μm)の硬度を調節するために、クリーニングブレードの表面に硬化処理を行うことが好ましい。
クリーニングブレード表面の硬化処理としては、主として表面部の極めて浅い部位の深さの弾性を調節する観点から、例えば、有機溶媒に溶解したイソシアネートをポリウレタンで形成されたクリーニングブレード表面に塗り付け、スプレイ、浸漬等の方法で塗布し、ポリウレタンとイソシアネートを反応させることによる硬化処理が挙げられる。この硬化処理において、イソシアネートの濃度や反応時間、反応速度を調整することにより、上記範囲とすることができる。硬化処理は、クリーニングブレードの当接部のみに行ってもよい。
本発明の画像形成方法は、着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であるトナーを用いる。平均円形度がこの範囲であると細線再現性に優れた画像が得られる。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度(Ca)は、まず1μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下式よりそれぞれ求め、次いで、下記式により求める。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 2007094192
上記式において、fiは円形度Ciの粒子の頻度である。
上記平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」又は「FPIA−2000」を用いて測定することができきる。
特に本発明によれば、クリーニング工程において小粒径の球形トナーのすり抜けを阻止することが可能であり、前記着色粒子の体積平均粒径が4〜8μmであり、粒径4μm以下の粒子の割合が30個数%以下、粒径16μm以上の粒子の割合が1体積%以下である場合でも優れたクリーニング性が得られる。上記粒径範囲の着色粒子を得るには重合法を用いることが好ましい。
なお、上記体積平均粒径、個数%及び体積%は、2成分トナーのようにキャリアの粒子を含むトナーである場合、トナー中のキャリアの粒子を分離、除去して着色粒子の体積平均粒径、個数%及び体積%を測定する。
着色粒子の表面に、外添剤のような微小粒子が付着している場合でも、微小粒子による着色粒子の大きさの変動は無視できるので、微小粒子が付着した状態で粒子の大きさに関する数値を測定してよい。
優れたクリーニング性を得る観点から、前記感光体表面上のトナー帯電量の絶対値|Q/M|が10〜70μC/gであり、10〜50μC/gであることが好ましい。
ここで、感光体表面上でのトナー帯電量Q/Mは、使用状態で、現像工程後、転写工程前における感光体上に付着したトナーの単位重量あたり帯電量である。感光体表面上でのトナー帯電量は、プリンターを用いて1枚目のベタ印字を行い、次いで、2枚目のベタ印字を途中で停止させた後、感光体上に現像されたトナーの帯電量(μC/g)を、例えば、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名「210HS−2A」)を用いて測定することができる。
以下において、本発明で用いられるトナーについて説明する。
本発明で用いられるトナーは着色粒子を含み、必要に応じて該着色粒子の表面に付着する外添剤や、着色粒子を担持する粒子であるキャリア等の他の粒子又は成分を含有していてもよい。
トナー中の着色粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有し、その他、必要に応じて帯電制御剤等の他の成分を含有していてもよい。
着色粒子に含有される結着樹脂としては、従来よりトナーの結着樹脂として用いられている樹脂を用いることができる。例えば、ポリスチレン、及びポリビニルトルエン等のスチレン、並びにその置換体の重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレンメタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、及びスチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、ポリオレフィン、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びスチレン系樹脂の各水添物;などが挙げられる。
着色剤としては、あらゆる顔料及び染料を用いることができる。
モノクロトナーを得る場合、ブラック着色剤として、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が用いられる。
フルカラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)を得る場合は、各々、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を使用する。
着色粒子には、帯電制御剤が含有されていることが好ましい。帯電制御剤としては、従来からトナーに用いられている帯電制御剤を何ら制限なく用いることができる。帯電制御剤の中でも、帯電制御樹脂を用いることが好ましい。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり、高速での連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができる。
着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型の粒子とすることが好ましい。コアシェル型粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、最低定着温度の低温化とトナーの保存性とのバランスを取ることができるからである。
このコアシェル型粒子の製法は、重合法より製造されたコア層となる粒子にin situ法によりシェル層を形成する方法が好ましい。
本発明のトナーは外添剤を含むことが好ましい。着色粒子の表面に外添剤を付着、又は埋設等させることによって、トナーの帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
外添剤としては、従来からトナーに用いられている外添剤を何ら制限なく用いることができ、例えば、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化錫等が挙げられ、有機樹脂粒子としては、アクリル(又はメタクリル)酸エステル重合体粒子、及びスチレン−アクリル(又はメタクリル)酸エステル共重合体粒子等が挙げられる。これらのうち、シリカや酸化チタンが好適であり、粒子表面が疎水化処理されたものが好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
外添剤の量は、特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。これらの外添剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士、又は無機粒子と有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。外添剤を着色粒子に付着させるには、通常、外添剤と着色粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機により、撹拌して行う。
本発明においては、上記方法により得られた着色粒子を一成分静電潜像現像用トナーとして用いてもよく、さらに、キャリアをヘンシェルミキサー等の高速撹拌機を用いて混合することにより二成分静電潜像現像用トナーとすることもできる。
本発明の画像形成方法によれば、重合法トナーのように、着色粒子の球形度が高く、小粒径で、且つ粒径分布がシャープなトナーを用いる場合に対応できる優れたクリーニング性を長期に渡り発揮する。
また、本発明の画像形成方法によれば、クリーニングブレードが前記感光体に当接した部分の両者の相対速度、すなわち感光体の回転速度が12cm/sec以上となる高速印字を行う場合でも優れたクリーニング性を発揮する。
従って、本発明の画像形成方法は、高画質対応且つ高速印字対応の画像形成方法として好適に実施される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。なお、以下の実施例において、部及び%は、特に断りのない限り重量部又は重量%を表す。
以下の手順により、実施例1〜3及び比較例1〜4で用いるクリーニングブレードと、全ての実施例と比較例に共通して用いるトナーを製造し、試験した。
〔実施例1のクリーニングブレードの製造〕
ポリオール成分として2官能のポリエステルポリオール化合物であるポリカプロラクトンエステルジオール(平均分子量:2,000)86.36部を70℃で3時間、減圧下(5mmHg)にて加熱、攪拌し、脱水した。これに対して、ポリイソシアネート成分として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)43.12部を添加し、窒素気流中、80℃にて3時間反応させ、NCO基末端擬似プレポリマーを得た。
80℃に加熱した前記NCO基末端擬似プレポリマーに、ポリカプロラクトンエステルジオール(平均分子量:2,000)を16.70部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)3.12部、及び鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(BD)7.21部の混合物である硬化剤成分を添加、減圧下で撹拌して脱泡して、反応性組成物を得た。
得られた反応性組成物を内面が直径340mm、幅600mmの成形面である円筒状金型にキャスティングして150℃にて1時間加熱して硬化させて、厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体を成形した。
表面硬化処理として、成形されたシート状ポリウレタン弾性体を、MDIのシクロヘキサン3wt%溶液に3分間浸漬し、表面をシクロヘキサンで拭いた後、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード1を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット1とした。
〔実施例2のクリーニングブレードの製造〕
ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量2,000)100重量部に、MDIを117.6重量部加え、窒素ガス雰囲気下に70℃で1〜4時間攪拌し、イソシアネート基含量量が16.3重量%のプレポリマーを調製した。
一方、ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量2,000)77.5重量部と1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとを60:40の重量比で混合した硬化剤11.9重量部、及び感温性触媒(サンアプロ社製、商品名「SA1102」)0.19重量部を混合した硬化剤組成物を調製した。
上記により得られたプレポリマーと硬化剤組成物を混合撹拌し反応性組成物とした後、真空脱泡を行い、内面が直径340mm、幅600mmの成形面である円筒状金型に反応性組成物をキャスティングして150℃にて1時間加熱して硬化させて、厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体を成形した。
表面硬化処理として、シート状ポリウレタン弾性体を金型より脱型し、MDIのシクロヘキサン3wt%溶液に3分間浸漬し、表面をシクロヘキサンで拭いた後、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード2を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット2とした。
〔実施例3のクリーニングブレードの製造〕
実施例1のクリーニングブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体に、表面硬化処理として、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー(共栄社化学製、商品名「AH−600」)のシクロヘキサン1.5wt%溶液に3分間浸漬し、表面をシクロヘキサンで拭いた後、UV−LED照射器(キーエンス社製、商品名「UV−400」)で1分間ブレード部分をスポット硬化し、さらに90℃にて3時間ポストキュアを行った。
得られたシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm、横238mmの実施例クリーニングブレード3を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット3とした。
〔比較例1のクリーニングブレードの製造〕
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって、厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体を得た。
このシート状ポリウレタン弾性体は105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。表面硬化処理は行わなかった。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード1を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット1とした。
〔比較例2のクリーニングブレードの製造〕
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体の先端クリーニング部分が3mm露出するようテープでマスキングし(縦方向長さの40%程度)、80℃のMDIに30分間浸漬後、シート状ポリウレタン弾性体を引き上げ、余分なMDIを拭き取り、マスキングを取り外した。
その後、130℃のオーブンで60分間、含浸されたイソシアネート化合物とポリウレタン樹脂とを反応させた後、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体の浸漬部分が残るように裁断して、縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード2を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット2とした。
〔比較例3のクリーニングブレードの製造〕
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体の先端クリーニング部分が3mm露出するようテープでマスキングし(縦方向長さの40%程度)、基材弾性体のエッジ部を形成する長辺面及び先端面に、プラズマ化学気相蒸着法にて厚さ2μmのフレキシブルダイヤモンドライクカーボン(FDLC)の蒸着膜を形成して、感光体に対する当接部にFDLC層が形成されたシート状ポリウレタン弾性体を得た。
シート状ポリウレタン弾性体のコート部分が残るように裁断して、縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード3を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット3とした。
〔比較例4のクリーニングブレードの製造〕
実施例1のクリーニングブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体に、表面硬化処理としてブチルアクリレートの2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(長瀬産業社製、商品名:イルガキュアー651)溶液(濃度:3wt%)をブレード表面に塗布し、UV−LED照射器(キーエンス社製、商品名「UV−400」)で1分間ブレード部分をスポット硬化し、さらに、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード4を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット4とした。
〔トナーの製造〕
(実施例1〜3、比較例1〜3のトナー)
1.コロイド溶液の調製
イオン交換水250部に塩化マグネシウム14.7部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム8.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、分散安定剤として水酸化マグネシウムコロイド(水酸化マグネシウム6部)分散液を調製した。
2.重合性単量体組成物
スチレン83部、及びアクリル酸ブチル17部、マゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド31とC.I.ピグメントレッド150の固溶体)5部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシルメルカプタン2部、帯電制御樹脂(スルホン酸基含有のスチレン/n−ブチルアクリレート樹脂、全単量体に対するスルホン酸基含有の単量体2重量%)2部、及びジペンタエリスリトールヘキサミリステレート10部を攪拌、ビーズミルを用いて混合して、均一分散し、重合性単量体組成物を得た。
3.シェル用重合性単量体の水分散液
メチルメタクリレート(計算Tg=105℃)2部と水100部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用単量体の水分散液を得た。シェル用単量体の液滴の粒径は、粒径分布測定装置(島津製作所株式会社製、商品名「SALD2000A型」)で測定したところ、D90が1.6μmであった。
4.着色重合体粒子の製造
前記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、前記重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに、重合開始剤のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部を添加後、乳化分散機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて15,000rpmの回転数で30分間高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を反応器に入れ、90℃で重合反応を行ない、重合転化率がほぼ100%に達したときにサンプリングして、着色粒子(コア)の粒径を測定した。この結果、体積平均粒径は、6.3μmであった。
前記シェル用重合性単量体の水分散液、及び水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名VA−086;2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド〕)0.3部を蒸留水65部に溶解し、それを反応器に入れた。さらに、8時間重合を継続した後、反応を停止し、pH9.5の着色粒子の水分散液を得た。
前記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを5以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行なって、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、乾燥した着色粒子を得た。その着色粒子の体積平均粒径は6.4μmであった。
5.トナーの調製
前記により得られた着色粒子100部に、個数平均粒径12nmの疎水化処理したシリカ0.5部、及び個数平均粒径40nmのシリカ2.2部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分トナーを調製した。
(比較例4のトナー)
上記4において、乳化分散機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を高速攪拌機(特殊機化製、商品名「TKホモミキサー」)にし、回転数3,000回転で造粒した以外は、上記実施例1〜3、比較例1〜3のトナーと同様に比較例4のトナーを製造した。
〔試験方法〕
各クリーニングブレードについて、23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)、23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)と100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)、20〜50℃の損失正接tanδを測定した。
トナーについては、着色粒子の平均円形度、体積平均粒径(μm)、粒径4μm以下の粒子の割合(個数%)、粒径16μm以上の粒子の割合(体積%)、感光体表面上でのトナー帯電量の絶対値|Q/M|を測定した。
印字性能については、耐久印字試験を行って、NN(常温常湿)環境下での細線再現性、LL(低温低湿)及びNN環境下でのクリーニング性が劣化する枚数を測定した。また、NN及びHH(高温高湿)環境下での外添剤フィルミング、NN環境下での感光体表面上の傷が発生した枚数を測定した。なお、HH環境は、温度28℃、湿度80%、NN環境は、温度23℃、湿度50%環境を、LL環境は、温度10℃、湿度20%環境を表す。
1.マルテンス硬度(A)及び(B)の測定
ISO 14577に規定する押込み試験の手順に従って行った。試験機としては超微小硬度計(フィッシャーインスツルメンツ製、商品名「フィッシャースコープ100C」)を用い、圧子としては、基部が正方形で対面角度が136°の角錐型ダイヤモンド圧子を用いた。
試験時の温度を23℃とし、クリーニングブレードの感光体との当接部付近(図3参照。感光体当接面における当接している角から縦方向へ4mmまでの範囲である。)の部分に圧子を一定速度で押込んで10mN又は100mNの荷重を加えた。
マルテンス硬度の測定は、試験片に対して正方形の角錐形ダイヤモンド圧子を用いて行った。マルテンス硬度の計算は、クリーニングブレードに荷重(10mN又は100mN)をかけ、接触ゼロ点を超えて侵入した圧子の表面積で除した値で求めた。
2.20〜50℃の損失正接tanδの測定
粘弾性測定装置(レオメーター)(レオメトリックス社製、商品名「RDA−II型」)を用い、周波数を一定とし温度を昇温しながら、各温度での粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)を算出した。
測定条件は以下の通りである。
<測定条件>
測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mm、弾性率が低い場合には直径25mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:クリーニングブレードを25×2×1.5mmに切断して試料として使用。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪:初期値を0.1%とする。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整
測定温度:20℃から50℃まで毎分1℃の割合で昇温。
3.クリーニングブレードの硬度の測定
クリーニングブレードの硬度はJIS K 6253に準拠して、スプリング式デュロメーター硬さ(タイプA)試験によりショアA硬度を測定した。測定は、前記実施例及び比較例で得られた厚さ1.6mmシート状ポリウレタン弾性体を6枚重ねて厚さ9.6mmとしたサンプルについて行った。
4.平均円形の測定
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更にトナー0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時のトナー濃度が3,000〜10,000個/μLとなるようにイオン交換水を適量加えて調整し、1μm以上の円相当径の着色粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、商品名「FPIA−2100」)を用いて測定した。測定値から、平均円形度を求めた。
5.粒径に関する測定
トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dp、粒径分布Dv/Dp、及び粒径4μm以下の割合(個数%)、粒径16μm以上の割合は、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名「マルチサイザー」)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径100μm、媒体:アイソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100,000個の条件で行なった。
具体的には、トナーサンプル5〜20mgをビーカーに取り、界面活性剤、好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸0.1〜1mL加える。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを0.5〜2mL加え、トナーを湿潤させた後、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、超音波分散器で1〜3分間分散させてから、上記粒径測定機による測定を行なった。
6.感光体表面上でのトナー帯電量|Q/M|の測定
市販の非磁性一成分プリンター(22枚機)に各実施例又は各比較例で製造したクリーニングブレードを取り付けた。このプリンターに、NN環境下に1日放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、NN環境下で印字を行って評価した。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の回転速度は14cm/secとした。
先ずベタ印字を行い、次いで、2枚目のベタ印字を途中で停止させた後、感光体上に付着したトナーの帯電量|Q/M|(μC/g)を、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名「210HS−2A」)を用いて測定した。
7.細線再現性の評価
トナーをNN環境下、1日放置した後、上記の試験6で使用したプリンターを用いて、2×2ドットライン(幅約85μm)で連続して線画像を形成し、10,000枚まで印字を行った。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の回転速度は14cm/secとした。
印字500枚毎に、印字評価システム(YA−MA社製、商品名「RT2000」)によって測定し、線画像の濃度分布データを採取した。この時、その濃度の最大値の半値における全幅を線幅として、一枚目の線画像の線幅を基準として、その線幅の差が10μm以下のものは1枚目の線画像を再現しているとして、線画像の線幅の差が10μm以下を維持できる枚数を調べた。
8.クリーニング性の評価
トナーをNN又はLL環境下、1日放置した後、上記の試験6で使用したプリンターを用いて、連続して5%印字濃度のハーフトーン印字を10,000枚まで行った。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の移動回転は14cm/secとした。
印字500枚毎に、帯電ロールの表面を目視観察した。帯電ロールの表面にクリーニングブレードをすり抜けた転写残トナーが付着したことが確認された時点をクリーニング不良発生枚数とした。
9.外添剤フィルミングの評価
トナーをHH又はLL環境下、1日放置した後、上記の試験6で使用したプリンターを用いて、上記試験8と同様にしてハーフトーン印字を10,000枚まで行った。
印字500枚毎に、感光体の表面に光を照らし目視観察した。感光体の表面に外添剤として用いた外添剤が付着したことが確認された時点を外添剤フィルミング発生枚数とした。
10.感光体表面上の傷の評価
トナーをNN環境下で1日放置した後、上記試験6で使用したプリンターを用いて、上記試験8と同様にしてハーフトーン印字を10,000まで行った。
印字500枚毎に、感光体の表面を目視観察した。感光体の表面にクリーニングブレードに起因した傷が確認された時点を感光体の傷の発生枚数とした。
〔結果〕
試験結果を表1に示す。
なお、表1中の略記は、以下の通りである。
*1: 結着樹脂用及びシェル用重合性単量体に関する略記
ST(スチレン)、BA(アクリル酸ブチル)、DVB(ジビニルベンゼン)、MMA(メタクリル酸メチル)
Figure 2007094192
〔結果のまとめ〕
小粒径の球形トナーを用いて高速連続印字を行った耐久印字試験の結果、実施例1〜3では長期に渡り良好なクリーニング性能及び細線再現性が発揮され、外添剤フィルミング及び感光体の表面の傷が生じなかったのに対し、比較例1〜4ではクリーニング性能又は細線再現性の劣化が早期に認められ、外添剤フィルミングの発生又は、感光体の表面の傷が確認された。
具体的には、比較例1は、クリーニングブレードの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が0.73であり0.6〜1.5N/mmの範囲に入っていたが、100mN時のマルテンス硬度(B)の値が小さすぎるため、比(A)/(B)が1.97となり1.1〜1.8の上限値を超えていた。この比較例1の耐久印字試験の結果は、NN又はLL環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性、外添剤フィルミングの発生の評価項目において実施例よりも劣っていた。特に、感光体の表面の傷以外の全ての評価項目において、極めて早期に劣化が認められたのが特徴的であった。
比較例2は、クリーニングブレードの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が0.83であり0.6〜1.5N/mmの範囲に入っていたが、100mN時のマルテンス硬度(B)の値に対して、10mN時のマルテンス硬度(A)の値が小さすぎたため、比(A)/(B)が1.08となり1.1〜1.8の下限値よりも小さかった。この比較例2で用いたクリーニングブレードは、特許文献1に開示されたクリーニングブレードに類似する。比較例2の耐久印字試験の結果は、LL又はNN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性の評価項目において、実施例よりも劣っており、HH又はLL環境下での外添剤フィルミングの発生や、NN条件下で感光体の表面に傷も確認された。
比較例3は、クリーニングブレードの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が1.62であり0.6〜1.5N/mmの上限値より大きく、また、比(A)/(B)が2.66となり1.1〜1.8の上限値を大幅に超えていた。この比較例3で用いたクリーニングブレードは、特許文献2に開示されたクリーニングブレードに類似する。比較例3の耐久印字試験の結果は、HH又はLL環境下で外添剤フィルミングの発生は観測されなかったものの、LL又はNN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性の評価項目において、実施例よりも劣っていた。更に極めて早期の段階で感光体の表面に傷を観測した。
比較例4は、クリーニングブレードの23℃における10mN時のマルテンス硬度(A)が0.54であり0.6〜1.5N/mmの下限値よりも小さく、また、比(A)/(B)が1.32となり1.1〜1.8の上限値を超えていた。比較例4の耐久印字試験の結果は、NN環境下での細線再現性及び、NN環境下でのクリーニング性能の劣化は確認されず、HH環境下で外添剤フィルミングも起こらなかったが、LL環境下でのクリーニング性能は早期の段階での劣化し、LL環境下で外添剤フィルミングの発生とNN環境下で感光体の表面に傷を確認した。
本発明に係る画像形成方法を実施する電子写真装置の一構成例を示す図である。 本発明に係る画像形成方法で用いられるクリーニングブレードの一例を示す図である。 クリーニングブレードを感光体に当接させた状態を模式的に示す図である。 クリーニングブレードに圧子を押し込んだ状態を模式的に示す図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電ロール
3 光照射装置
4 現像装置
5 転写ロール
6 クリーニングブレード
6a 感光体に対する当接部
6b 固定部
6c クリーニングブレードの感光体表面に当接する角
7 定着装置
7a 熱ロール
7b 支持ロール
8 ケーシング
8a トナー槽
9 現像ロール
10 現像ロール用ブレード
11 供給ロール
12 攪拌翼
13 トナー
14 記録材

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有する着色粒子を含むトナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、前記可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、前記転写像を前記記録材に定着する定着工程及び、転写後の感光体上に残留するトナーを前記感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    前記着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であり、
    前記クリーニングブレードの、
    感光体に対する当接部の23℃における、10mN時のマルテンス硬度(A)が、0.6〜1.5N/mmで、100mN時のマルテンス硬度(B)との比(A)/(B)の値が1.1〜1.8で、
    20〜50℃の損失正接tanδが0.01〜0.1の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記クリーニングブレードが、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記着色粒子の、体積平均粒径が4〜8μmであり、粒径4μm以下の粒子の割合が30個数%以下、粒径16μm以上の粒子の割合が1体積%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記現像工程後、前記転写工程前における前記感光体表面上のトナー帯電量の絶対値|Q/M|が10〜70μC/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記クリーニング工程において、前記クリーニングブレードの前記感光体に当接した部分における前記感光体の回転速度が12cm/sec以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記クリーニングブレードの表面に硬化処理を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
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