JP4415919B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
この現像、転写工程を第2色以降、色別に順次繰り返し、レジストレーションを合わせつつ記録材に重ねる。そして、全色の現像、転写の後、通常は、ただ一回の定着を行ってフルカラー画像が形成される。また、カラー印刷(カラープリント)においては、コンピュータ等から感光体に直接送られた4色のデジタル信号に基づいて色別に静電潜像を形成し、上記と同様に色別に現像、記録材に転写した後、定着して画像形成される。
従来、クリーニング装置として、クリーニングブレード、ファーブラシローラー、研磨能力を有するクリーニングローラ、或いは吸引器などを用いる様々なクリーニングの方式が知られている。そのなかでも、クリーニングブレードを用いる方式は簡潔な構造であり、広く用いられている。
重合法は、重合性単量体と着色剤を含有する液状組成物を水系分散媒体中で造粒して得た液滴を形成し、該液滴を重合させて着色粒子を製造する方法であり、粉砕法と比べて着色粒子の形状が球形に近い、いわゆる球形トナーが得られ、その粒径分布を、小粒径でシャープなものとすることができる。
上記クリーニング不良は、クリーニングブレード先端(感光体との当接部)の磨耗や欠損、印字速度(感光体の回転速度)の高速化や、画像精細化の観点からのトナーの小粒径化によって、さらに発生しやすくなる。
この特許文献には、上記クリーニングブレードは、自由長部分の運動性(縦方向の運動性)を維持したまま、トナー担持体との当接部を低摩擦係数で高硬度化し、良好なクリーニング性と耐久性を実現できることが記載されている。
この特許文献には、上記電子写真装置用ブレードは、基材となる弾性体の基本特性を損なうことなく、表面のみ摩擦係数を低下させた電子写真装置用ブレードであることが記載されている。
すなわち、従来のクリーニングブレードの物性として用いられていた、ショアA硬度や反発弾性率は、クリーニングブレード全体の物性を表すものなのに対し、本発明では、押込み弾性率により、クリーニングブレードの微細な部分の物性をコントロールするものである。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、結着樹脂及び着色剤を含有する着色粒子を含み、該着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であるトナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、前記可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、前記転写像を定着する定着工程及び、転写後の感光体上に残留するトナーを該感光体上に圧接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
前記クリーニングブレードの、
感光体に対する当接部の23℃における10mN時の押込み弾性率(A)が5〜15KPaで、100mN時の押込み弾性率(B)との比(A)/(B)の値が1.3〜1.7で、
20〜50℃の損失正接tanδが0.01〜0.05の範囲であることを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
感光体ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電部材としての帯電ロール2、露光装置としての光照射装置3、現像装置4、転写ロール5及びクリーニングブレード6が配置されている。
また、感光体ドラム1の搬送方向下流側には、定着装置7が設けられる。定着装置7は、熱ロール7aと支持ロール7bとからなる。
記録材14の搬送路は、感光体ドラム1と転写ロール5の間、及び、熱ロール7aと支持ロール7bの間を通過するように設けられる。
現像装置4は、一成分接触現像方式に用いられる現像装置であり、トナー13が収容されるケーシング8内に、現像ロール9と、現像ロール上の過剰トナーをかき取る現像ロール用ブレード10と、供給ロール11と、トナーの攪拌を行う攪拌翼12とを有する。
帯電工程は、帯電部材により、感光体ドラム1の表面を、プラス又はマイナスに一様に帯電する工程である。帯電部材での帯電方式としては、図1で示した帯電ロール2の他に、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等で帯電させる接触帯電方式と、コロナ放電による非接触帯電方式とがあり、このような接触帯電方式又は非接触帯電方式に置き換えることも可能である。
現像ロール9は、感光体ドラム1に一部接触するように配置され、感光体ドラム1と反対方向Bに回転するようになっている。供給ロール11は、現像ロール9と接触して現像ロール9と同じ方向Cに回転し、トナー槽8aから攪拌翼12によりトナー13の供給を受けて、該供給ロール11の外周にトナーを付着させ、現像ロール9の外周にトナーを供給するようになっている。この他の現像方式としては、一成分非接触現像方式、二成分接触現像方式、二成分非接触現像方式がある。
クリーニング工程は、転写工程後の感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーをクリーニングする工程であり、本発明ではクリーニングブレード6を感光体上に圧接して転写残トナーをかき取る。かき取った転写残トナーは通常、図示されていない回収装置によって回収される。
定着方法としては、加熱、圧力、加熱圧力、溶剤蒸気等が知られているが、そのなかでも、上記したような熱ローラーによる加熱圧力方式が最も広く利用されている。
図2においてクリーニングブレード6は感光体の軸方向に平行となる方向に細長く且つ厚みが薄い形状(横長扁平形状)を有し、感光体の感光面に当接する当接部6aが長手方向の一辺に沿って設けられ、当接部6aの反対側に金具が取り付けられ、その金具の両端にそれぞれ、該クリーニングブレードをクリーニング装置に固定するための固定部6bが設けられている。当接部6a側の断面形状は、通常、図3に示すように矩形である。
図3に示すように、クリーニングブレード6は、その当接部側の先端が感光体表面の移動方向に対向するように(すなわちクリーニングブレードと感光体表面の移動方向のなす角が鋭角)傾けられた状態で、感光体表面に当接する。このような当接状態において感光体を回転させると、クリーニングブレード6の当接部側の先端は若干変形し、クリーニングブレード6の感光体表面と向き合う面の当接部側の先端が、感光体表面と当接する。
本発明において、押込み弾性率(A)及び(B)の測定位置としての「当接部」とは、感光体表面と当接しているクリーニングブレードの角6cから縦方向(クリーニングブレードの扁平面に沿った方向であって、且つ、感光体の軸方向に対して垂直の方向のこと)に少なくとも4mmまでの領域のことを意味し、感光体表面に当接している領域がクリーニングブレードの角6cから縦方向に4mm以上ある場合には、実際に感光体表面に当接している領域を意味する。
また、当接部が表面硬化処理されている場合には、当接部の表面硬化処理されている部分の押込み弾性率を測定する。
本発明において、10mN時の押込み弾性率(A)はクリーニングブレードの表面部の極めて浅い部位、具体的にはブレード表面から深さが約15〜25μm程度の部分の材料の弾性を示し、100mN時の押込み弾性率(B)は、クリーニングブレードのより深い部位、具体的にはブレード表面から深さが約50〜100μm程度の部分の材料の弾性を示す。
その原因は、押込み弾性率(A)の値が小さすぎると感光体に対するブレードの当接部の磨耗が生じやすく、一方、この押込み弾性率(A)の値が大きすぎるとブレードの当接部が欠けやすいためと推測される。
上記の比(A)/(B)の値が上記範囲よりも小さい場合には、ブレード表面部の極めて浅い部分の弾性と、該表面部のより深い部分の弾性がそれほど大きく変わらず、感光体表面との動摩擦係数が下がるためにトナーのすり抜けが起こりやすくなりクリーニング性が不充分となる。
上記の比(A)/(B)の値が上記範囲よりも大きい場合には、ブレード表面部の極めて浅い部分の弾性と、該表面部のより深い部分の弾性の差が大きく、
クリーニングブレードと感光体の密着が不充分であるために、特に感光体の回転速度の速い高速印字を行うとクリーニング性が不充分となる。
その理由は、損失正接tanδの値が上記範囲よりも小さい場合には、感光体に対するクリーニングブレードの当接部が欠けやすく、一方、損失正接tanδの値が上記範囲よりも大きい場合には、ブレードの当接部の温度が感光体との回転接触によって上昇し該当接部が変形するためと推測される。
ここで反発弾性率とは、打撃を材料に加えたとき、吸収されずに残留した位置エネルギーの大きさを尺度として表される。
本発明における反発弾性率は、JIS K 6255に規定された反発弾性試験方法の手順に従って、被検体であるクリーニングブレードに対し、上記規格で定められた、リュプケ式反発弾性試験装置またはトリプソ式反発弾性試験装置を用いて得られる反発弾性率である。
クリーニングブレードの反発弾性率が上記範囲内である場合には、感光体に対するクリーニングブレードの当接部に滞留するトナーの量が少なくなる傾向があるため、クリーニング性に優れ、且つ、滞留するトナーによる研磨作用が軽減される結果、クリーニングブレードの耐久性も向上すると推測される。
クリーニングブレードの反発弾性率が上記下限値未満の場合には、クリーニングブレードの当接部に滞留するトナーの量が多くなる傾向がある。一方、該反発弾性率が上記範囲の上限値よりも大きい場合には、感光体との密着性が悪くなる傾向があり、特に高速印字を行う場合にクリーニング性が低下しやすい。
一方、クリーニングブレードのショアA硬度が上記範囲から外れる場合には、ブレードが塑性変形を起こし、感光体との間に間隙を生じ、クリーニング性が低下しやすい。
ここでショアA硬度とは、JIS K 6253のスプリング式のタイプA(「JIS A硬度」ともいう)に規定された硬度試験方法の手順に従って、被検体であるクリーニングブレードに上記規格で定められた形状の圧子をスプリングを介して押し付けたときの圧子の押込み深さから硬度を求める試験機(デュロメータ)を用いて得られる硬度である。
ポリウレタンとしては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を構成原料として反応させてプレポリマーを調製し、該プレポリマーに架橋剤、及び必要に応じて触媒等の添加剤を加えて、架橋して得られるものが好ましい。得られたポリウレタンを必要に応じてさらに炉内での後架橋や常温下での熟成を行うことで、例えば、シート状のポリウレタン弾性体が形成される。このシート状のポリウレタン弾性体を所望の形状に裁断することでクリーニングブレードが得られる。
これらのなかでも、アルキレングリコール系ポリエステルポリオールやポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールが特に好ましい。
クリーニングブレード表面の硬化処理としては、主として表面部の極めて浅い部位の深さの弾性を調節する観点から、例えば、有機溶媒に溶解したイソシアナートをポリウレタンで形成されたクリーニングブレード表面に塗り付け、スプレイ、浸漬等の方法で塗布し、ポリウレタンとイソシアナートを反応させることによる硬化処理が挙げられる。この硬化処理において、イソシアナートの濃度や反応時間、反応速度を調整することにより、上記範囲とすることができる。硬化処理は、クリーニングブレードの当接部のみに行ってもよい。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記円形度及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」又は「FPIA−2000」を用いて測定することができきる。
なお、体積平均粒径、及び体積%は、2成分トナーのように着色粒子以外の粒子を含むトナーである場合、トナー中の着色粒子を分離して着色粒子のみの体積平均粒径、及び体積%を測定する。
着色粒子の表面に、外添剤のような微小粒子が付着している場合でも、微小粒子による着色粒子の大きさの変動は無視できるので、微小粒子が付着した状態で粒子の大きさに関する数値を測定してよい。
ここで、感光体表面上でのトナー帯電量Q/Mは、使用状態の感光体上に付着したトナーの単位重量あたり帯電量である。感光体表面上でのトナー帯電量は、プリンターを用いて1枚目のベタ印字を行い、次いで、2枚目のベタ印字を途中で停止させた後、感光体上に現像されたトナーの帯電量(μC/g)を、例えば、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名「210HS−2A」)を用いて測定することができる。
本発明で用いられるトナーは着色粒子を含み、必要に応じて該着色粒子の表面に付着する外添剤や、着色粒子を担持する粒子であるキャリア等の他の粒子又は成分を含有していてもよい。
トナー中の着色粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有し、その他、必要に応じて帯電制御剤等の他の成分を含有していてもよい。
フルカラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)を得る場合は、各々、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、75、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185及び186等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物等のフタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、および60等が挙げられる。
着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。
負帯電制御樹脂としては、重合体の側鎖に、カルボキシル基又はその塩、フェノール類基又はその塩、チオフェノール基又はその塩、スルホン酸基又はその塩から選択される置換基を有する樹脂等が挙げられる。
このコアシェル型粒子のシェル層は、重合法より製造されたコア層となる粒子にin situ法によりシェル層を形成することが好ましい。
外添剤としては、従来からトナーに用いられている外添剤を何ら制限なく用いることができ、例えば、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化錫等が挙げられ、有機樹脂粒子としては、アクリル(又はメタクリル)酸エステル重合体粒子、及びスチレン−アクリル(又はメタクリル)酸エステル共重合体粒子等が挙げられる。これらのうち、シリカや酸化チタンが好適であり、粒子表面が疎水化処理されたものが好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
外添剤の量は、特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。これらの外添剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士、又は無機粒子と有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。外添剤をトナー粒子に付着させるには、通常、外添剤と着色粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機により、撹拌して行う。
また、本発明の画像形成方法によれば、クリーニングブレードが前記感光体に当接した部分の両者の相対速度が10cm/sec以上となる高速印字を行う場合でも優れたクリーニング性を発揮する。
従って、本発明の画像形成方法は、高画質対応且つ高速印字対応の画像形成方法として好適に実施される。
以下の手順により、実施例1〜3及び比較例1〜3で用いるクリーニングブレードと、全ての実施例と比較例に共通して用いるトナーを製造し、試験した。
2官能のポリエステルポリオール化合物であるポリカプロラクトンエステルジオール(平均分子量:2,000)86.36部を70℃で3時間、減圧下(5mmHg)にて加熱、攪拌し、脱水した。これに対して、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)43.12部を添加し、窒素気流中、80℃にて3時間反応させ、NCO基末端擬似プレポリマーを得た。
80℃に加熱した前記NCO基末端擬似プレポリマーに、ポリカプロラクトンエステルジオール(平均分子量:2,000)を16.70部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)3.12部、及び鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(BD)7.21部の混合物である硬化剤成分を添加、減圧下で撹拌して脱泡し反応性組成物を得た。
表面硬化処理として、成形されたシート状ポリウレタン弾性体を、MDIのシクロヘキサン3wt%溶液に3分間浸漬し、表面をシクロヘキサンで拭いた後、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード1を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット1とした。
実施例1のクリーニングブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体に、表面硬化処理としてブチルアクリレートの2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(長瀬産業社製、商品名:イルガキュアー651)溶液(濃度:3wt%)をブレード表面に塗布し、UV−LED照射器(キーエンス社製、商品名「UV−400」)で1分間ブレード部分をスポット硬化し、さらに、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード2を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット2とした。
ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量2,000)100重量部に対し、MDIを117.6重量部加え、窒素ガス雰囲気下に70℃で1〜4時間攪拌し、イソシアネート基含量量が16.3重量%のプレポリマーを調製した。
これとは別に、ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量2,000)77.5重量部と、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンを60:40の重量比で混合した硬化剤11.9重量部と、感温性触媒(サンアプロ社製、商品名「SA1102」)0.19重量部とを混合した硬化剤組成物を調製した。
表面硬化処理として、シート状ポリウレタン弾性体を金型より脱型し、MDIのシクロヘキサン3wt%溶液に3分間浸漬し、表面をシクロヘキサンで拭いた後、105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの実施例クリーニングブレード3を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、実施例クリーニングブレードユニット3とした。
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって、厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体を得た。
このシート状ポリウレタン弾性体は105℃にて6時間ポストキュアを行い、さらに室温で7日放置した。表面硬化処理は行わなかった。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体を裁断して縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード1を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット1とした。
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体の先端クリーニング部分が3mm露出するようテープでマスキングし(縦方向長さの40%程度)、80℃のイソシアネート(MDI)に30分間浸漬後、シート状ポリウレタン弾性体を引き上げ、余分なMDIを拭き取り、マスキングを取り外した。
その後、130℃のオーブンで60分間、含浸されたイソシアネート化合物とポリウレタン樹脂とを反応させた後、さらに室温で7日放置した。
放置後のシート状ポリウレタン弾性体の浸漬部分が残るように裁断して、縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード2を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット2とした。
実施例1のブレード製造と同様の操作で金型による成形まで行なって得られた厚さ1.6mmのシート状ポリウレタン弾性体の先端クリーニング部分が3mm露出するようテープでマスキングし(縦方向長さの40%程度)、基材弾性体のエッジ部を形成する長辺面及び先端面に、プラズマ化学気相蒸着法にて厚さ2μmのフレキシブルダイヤモンドライクカーボン(FDLC)の蒸着膜を形成して、感光体に対する当接部にFDLC層が形成されたシート状ポリウレタン弾性体を得た。
シート状ポリウレタン弾性体のコート部分が残るように裁断して、縦12mm,横238mmの比較例クリーニングブレード3を作製し、ホットメルト接着剤を使用して所定の金具に貼着し、比較例クリーニングブレードユニット3とした。
1.帯電制御樹脂組成物の調製
帯電制御樹脂(樹脂を構成する単量体の比:スチレン82%、n−ブチルアクリレート11%、メタクリル酸ジメチルアミノベンジルクロライド7%、重量平均分子量12,000、ガラス転移温度67℃)100部に、トルエン24部、及びメタノール6部を分散させ、加温せずに、冷却しながら2本ロールで混練した。帯電制御樹脂がロールに巻き付いてから、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122;クラリアント社製)100部を徐々に添加して、混練、分散させ、帯電制御樹脂組成物を得た。ロール間隙は、初期1mmで、徐々に間隙を広げ、3mmまで広げた。混練は、1時間行ない、その途中、有機溶剤を、帯電制御樹脂の混練状態に合わせ、何回かに分けて添加した。
イオン交換水250部に塩化マグネシウム9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、分散安定剤として水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の無機水酸化物コロイド)分散液を調製した。
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部、前記帯電制御樹脂組成物12部、ジビニルベンゼン0.6部、トリイソブチルメルカプタン1部、テトラエチルチウラムジスルフィド1部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亞合成社製、商品名「AA−6」)0.8部、及びジペンタエリスリトールヘキサミリステレート10部を攪拌、混合して、均一分散し、重合性単量体組成物を得た。
メチルメタクリレート(計算Tg=105℃)2部と水100部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用単量体の水分散液を得た。シェル用単量体の液滴の粒径は、粒径分布測定装置(島津製作所株式会社製、商品名「SALD2000A型」)で測定したところ、D90が1.6μmであった。
前記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、前記重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに、重合開始剤のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)6部を添加後、乳化分散機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて15,000rpmの回転数で30分間高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した10Lの反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ100%に達したときにサンプリングして、着色粒子(コア)の粒径を測定した。この結果、体積平均粒径は、7.4μmであった。
前記により得られた着色粒子100部に、疎水化処理したコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、商品名:RX−300)0.6部及び平均粒径0.3μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名:CUBE−03BHS)0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分現像剤を調製した。
各クリーニングブレードについて、23℃における10mN時の押込み弾性率(A)、23℃における10mN時の押込み弾性率(A)と100mN時の押込み弾性率(B)との比(A)/(B)、20〜50℃の損失正接tanδを測定した。
トナーについては、着色粒子の平均円形度、体積平均粒径(μm)、粒径4μm以下の粒子の割合(個数%)、粒径16μm以上の粒子の割合(体積%)、感光体表面上でのトナー帯電量の絶対値|Q/M|を測定した。
印字性能については、耐久印字試験を行って、NN(常温常湿)環境下での細線再現性、LL(低温低湿)及びNN環境下でのクリーニング性が劣化する枚数を測定した。なお、NN環境は、温度23℃、湿度50%環境を、LL環境は、温度10℃、湿度20%環境を表す。
ISO 14577に規定する押込み試験の手順に従って行った。試験機としては超微小硬度計(フィッシャーインスツルメンツ製、商品名「フィッシャースコープ100C」)を用い、圧子としては、基部が正方形で対面角度が136°の角錐形ダイヤモンド圧子を用いた。
試験時の温度を23℃とし、クリーニングブレードの感光体との当接部付近(図3参照。感光体当接面における当接している角から縦方向へ4mmまでの範囲である。)の部分に圧子を押込んで10mN又は100mNまで荷重を加え、20秒間保持した後、緩和の際の弾性率を測定した。
押込み弾性率Eitの測定は、試験片に対して正方形の角錐形ダイヤモンド圧子を用いて行った。押込み弾性率の計算は、一定速度で試験片に荷重をかけ、そのとき圧子の深さと形状、くぼみ曲線とわかっている圧子の面積関数から圧子と試験片の接触面積を見積もり、そのときの荷重を接触面積で割った押込み硬さを見積もった。
10mNまたは100mNの荷重をかけ、その後約20秒その荷重を保持した。このときの荷重を100%とみなした。その後一定速度で荷重を下げていき、その緩和曲線(図4参照。)から押込み荷重が95%の値と60%の値で線を引き、そのときの傾きを押込み弾性率とした。
粘弾性測定装置(レオメーター)(レオメトリックス社製、商品名「RDA−II型」)を用い、周波数を一定とし温度を昇温しながら、各温度での粘弾性を測定し、損失正接(tanδ)を算出した。
測定条件は以下の通りである。
<測定条件>
測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mm、弾性率が低い場合には直径25mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:クリーニングブレードを25×2×1.5mmに切断して試料として使用。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪:初期値を0.1%とする。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整
測定温度:20℃から50℃まで毎分1℃の割合で昇温。
クリーニングブレードの硬度はJIS K 6253に準拠して、スプリング式デュロメーター硬さ(タイプA)試験によりショアA硬度を測定した。測定は、前記実施例及び比較例で得られた厚さ1.6mmシート状ポリウレタン弾性体を6枚重ねて厚さ9.6mmとしたサンプルについて行った。
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更にトナー0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時のトナー濃度を3,000〜10,000個/μLとなるようにイオン交換水を適量加えて調整し、1μm以上の円相当径の着色粒子1,000〜10,000個についてシスメックス社製フロー式粒子像分析装置(商品名「FPIA−2100」)を用いて測定した。測定値から、平均円形度、体積平均粒径(μm)、粒径4μm以下の粒子の割合(個数%)、及び粒径16μm以上の粒子の割合(体積%)を求めた。
市販の非磁性一成分プリンター(有機感光体現像ドラム、18枚機)に各実施例又は各比較例で製造したクリーニングブレードを取り付けた。このプリンターに、NN環境下に1日放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、NN環境下で印字を行って評価した。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の移動速度は12cm/secとした。
先ず白ベタ印字を行い、次いで、2枚目の白ベタ印字を途中で停止させた後、感光体上に付着したトナーの実機帯電量Q/M(μC/g)を、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名「210HS−2A」)を用いて測定した。
上記の試験5で使用したプリンターを用いて、NN環境下、1日放置した後、2×2ドットライン(幅約85μm)で連続して線画像を形成し、10000枚まで印字を行った。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の移動速度は12cm/secとした。
印字500枚毎に、印字評価システム(YA−MA社製、商品名「RT2000」)によって測定し、線画像の濃度分布データを採取した。この時、その濃度の最大値の半値における全幅を線幅として、一枚目の線画像の線幅を基準として、その線幅の差が10μm以下のものは1枚目の線画像を再現しているとして、線画像の線幅の差が10μm以下を維持できる枚数を調べた。
上記の試験5で使用したプリンターを用いて、NN又はLL環境下、1日放置した後、連続して5%印字濃度のハーフトーン印字を行い、10,000枚まで印字を行った。クリーニングブレードと当接する位置における感光体表面の移動速度は12cm/secとした。
印字500枚毎に、帯電ロールの表面を目視観察した。帯電ロールの表面にクリーニングブレードをすり抜けた転写残トナーが付着したことが確認された時点をクリーニング不良発生枚数とした。
試験結果を表1に示す。
なお、表1中の略記は、以下の通りである。
*1: 結着樹脂用及びシェル用重合性単量体に関する略記
ST(スチレン)、BA(アクリル酸ブチル)、DVB(ジビニルベンゼン)、MMA(メタクリル酸メチル)、AA−6(MMAマクロモノマー)
*2: 表面硬化に関する略記
MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)
小粒径の球形トナーを用いて高速連続印字を行った耐久印字試験の結果、実施例1〜3では長期に渡り良好なクリーニング性能及び細線再現性が発揮されたのに対し、比較例1〜3ではクリーニング性能又は細線再現性の劣化が早期に認められた。
比較例1は、クリーニングブレードの23℃における10mN時の押込み弾性率(A)が10.4であり5〜15KPaの範囲に入っていたが、100mN時の押込み弾性率(B)の値が小さすぎるため、比(A)/(B)が2.0となり1.1〜1.8の上限値を超えていた。この比較例1の耐久印字試験の結果は、LL又はNN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性の全ての評価項目において実施例よりも劣っていた。特に、NN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性はそれほど劣化しなかったが、LL環境下でのクリーニング性能が極めて早期に劣化したのが特徴的であった。
比較例2は、クリーニングブレードの23℃における10mN時の押込み弾性率(A)が20.6であり5〜15KPaの上限値を超えていた。また、比(A)/(B)が1.0となり1.1〜1.8の下限値よりも小さかった。この比較例2で用いたクリーニングブレードは、特許文献1に開示されたクリーニングブレードに類似する。比較例2の耐久印字試験の結果は、LL又はNN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性の全ての評価項目において、実施例よりも劣っていた。特に、全ての評価項目において比較的早期に劣化が認められたのが特徴的であった。
比較例3は、クリーニングブレードの23℃における10mN時の押込み弾性率(A)が5.5であり5〜15KPaの範囲に入っていたが、100mN時の押込み弾性率(B)の値に対して10mN時の押込み弾性率(A)の値が小さすぎたため、比(A)/(B)が1.0となり1.1〜1.8の下限値よりも小さかった。この比較例3で用いたクリーニングブレードは、特許文献2に開示されたクリーニングブレードに類似する。比較例3の耐久印字試験の結果は、LL又はNN環境下でのクリーニング性能及びNN環境下での細線再現性の全ての評価項目において、実施例よりも劣っていた。特に、全ての評価項目において極めて早期に劣化が認められたのが特徴的であった。
2 帯電ロール
3 光照射装置
4 現像装置
5 転写ロール
6 クリーニングブレード
6a 感光体に対する当接部
6b 固定部
6c クリーニングブレードの感光体表面に当接する角
7 定着装置
7a 熱ロール
7b 支持ロール
8 ケーシング
8a トナー槽
9 現像ロール
10 現像ロール用ブレード
11 供給ロール
12 攪拌翼
13 トナー
14 記録材
Claims (8)
- 結着樹脂及び着色剤を含有する着色粒子を含み、該着色粒子の平均円形度が0.95〜0.998であるトナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、前記可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、前記転写像を定着する定着工程及び、転写後の感光体上に残留するトナーを該感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
前記クリーニングブレードの、
感光体に対する当接部の23℃における10mN時の押込み弾性率(A)が、5〜15KPaで、100mN時の押込み弾性率(B)との比(A)/(B)の値が1.3〜1.7で、
20〜50℃の損失正接tanδが0.01〜0.05の範囲であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記クリーニングブレードが、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタンにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 前記着色粒子の、体積平均粒径が4〜8μmであり、粒径4μm以下の粒子の割合が30個数%以下、粒径16μm以上の粒子の割合が1体積%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
- 前記感光体表面上におけるトナー帯電量の絶対値|Q/M|が10〜80μC/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記クリーニング工程において、前記クリーニングブレードの前記感光体に当接した部分における前記感光体の回転速度が10cm/sec以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記着色粒子が、さらに帯電制御樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記着色粒子が、コアシェル型粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記クリーニングブレードの表面が、硬化処理されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
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