JP4336487B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等の電子写真方式を採用した画像形成装置における帯電部材、現像剤担持部材、転写部材、クリーニング部材及び除電部材等の被接触物を電気的にコントロールする導電性部材を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真プロセスにおける帯電プロセスは、金属ワイヤーに高電圧(直流電圧6〜8kV)を印加して発生するコロナシャワーにより被帯電体である電子写真感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるコロナ帯電器が広く利用されていた。しかし、高圧電源を必要とする、比較的多量のオゾンが発生する等の問題があった。
【0003】
これに対して導電性部材を感光体に接触させながら電圧を印加して、感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されている。これは、感光体に、ローラー型、ブレード型、ブラシ型及び磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての導電性部材(帯電部材)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。
【0004】
この帯電方式は、電源の低電圧化とオゾンの発生量が少ないという利点を有している。この中でも特に接触帯電部材として導電性ローラー(帯電ローラー)を用いたローラー帯電方式が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。しかしながら、帯電の均一性に関してはコロナ帯電器と比較してやや不利である。
【0005】
帯電均一性を改善するために、特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(脈流電圧;時間と共に電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これは、AC電圧による電位の均し効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、環境等の外乱には影響されることはなく、接触帯電方式として優れた方法である。
【0006】
しかしながら、直流電圧印加時における放電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く。更には、交流電流を多量に消費することにより、帯電ローラー及び感光体の耐久性が低下し易いという問題点があった。
【0007】
これらの問題点は、帯電ローラーに直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消されるものの、帯電ローラーに直流電圧のみを印加する接触帯電方式では、以下の問題点が発生し易かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の接触帯電方式を用いる画像形成装置においては、どうしても導電性部材(帯電部材)の表面に現像剤等が付着してしまう。この帯電部材の汚れ(現像剤の表面付着)による帯電不良により画像濃度ムラ等が生じ、耐久性に問題が生じる傾向にあり、帯電部材の汚れによる帯電不良の影響を防止することが複数枚のプリントを可能にするため急務であった。特に、帯電部材に直流電圧のみを印加するDC帯電方式の場合、帯電部材の汚れの影響がAC帯電方式に比べ、画像不良として現れ易い傾向にある。
【0009】
本発明の目的は、導電性部材の汚れに起因した帯電不良が発生せず、長期にわたって良好な帯電特性を維持することを可能である導電性部材を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、少なくとも被帯電体である電子写真感光体と、
該電子写真感光体に接触して従動回転する、電子写真感光体面を帯電するローラ形状の帯電部材と、
該帯電部材によって帯電された電子写真感光体表面を露光する露光手段と、該露光手段によって形成された潜像を現像剤によって可視像化する現像手段と、可視像化された潜像を転写材に転写する転写手段と、転写されずに電子写真感光体上に残存した転写残トナーを掻き取るブレード状のクリーニング部材とを具備する画像形成装置において、
該帯電部材が、導電性支持体と、その上に形成される導電性の弾性層と、その上に形成される最外層である、導電剤とポリウレタン樹脂とからなる表面層とから構成されており、該帯電部材のアスカーC硬度が78°以上84°以下、かつマイクロ硬度が55°以上82°以下であり、
該現像剤が、重合法により生成された、結着樹脂としてのスチレン−アクリル共重合体とエステルワックスとを含有している一成分系トナー粒子と、外添剤としての疎水性シリカ粒子とを含み、該現像剤の、微小圧縮試験機を用いて、温度23℃、湿度55%の環境において負荷速度9.1mgf/secで測定した最大弾性圧縮荷重が50mgf〜59mgfの範囲であり、該クリーニング部材がウレタンエラストマーからなり、且つマイクロ硬度が73°であり、且つ、該帯電部材に直流電圧のみを印加するものであることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明においては、現像剤としてトナーの機械的強度を特定の値にすること、ブレード状のクリーニング部材の硬度を特定の値とすることと、帯電部材の硬度を特定の値にすることが相乗的に作用し、帯電部材表面にトナーやトナーの外添剤が付着し難くなり帯電部材の汚れに起因した帯電不良が発生せず、長期にわたり非常に優れた画像品質を得ることができる。
【0014】
本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、現像剤の機械的強度を特定の値にすることで帯電部材上で現像剤が潰れにくくなるため、現像剤の固着や融着に起因した付着量が少なくなることが分かった。
【0015】
また、クリーニング部材の硬度を特定の値とすることで、転写後の現像剤を効率的に回収できることが分かった。更に万が一、クリーニング手段を現像剤がすり抜けたとしても本発明の現像剤及びクリーニング部材の組合せであれば、クリーニング部材が現像剤へ与えるストレスを最小限にすることができる。その結果、帯電部材への現像剤の付着も減少することがわかった。
【0016】
また、帯電部材としての導電性部材の硬度を特定の値とすることで現像剤へ与えるストレスを減らすことができる。そのため帯電部材の表面に現像剤が融着し難くなる。また、一度付着したとしても、いつまでも現像剤が帯電部材表面に付着していることがなく、感光体へと離脱し、再び感光体上からクリーニング部材によって回収される。従って、本発明の帯電部材は上記現像剤、クリーニング部材と相乗的に作用し、現像剤の付着が少なくなることが分かった。
【0017】
上記のような様々な検討により、現像剤としてトナーの機械的強度を特定の値にすること、ブレード状のクリーニング部材の硬度を特定の値とすることと、帯電部材の硬度を特定の値とすることで、帯電の安定性/耐久性に優れた、本発明の画像形成装置に至ったものである。
【0018】
本発明に用いられる現像剤は、機械的強度、本発明では最大弾性圧縮荷重(Fとする)が50mgf〜59mgfの範囲である。機械的強度がこの範囲である現像剤を用いると、帯電部材への現像剤付着の抑制の効果を顕著に得ることができる。更に、形状係数SF−1を119128とし、かつ形状係数SF−2を131140の範囲とすることで、帯電部材への現像剤付着抑制の効果をより顕著に得ることができる。
【0019】
また、本発明に用いられる帯電部材としての導電性部材は、アスカーC硬度で78°以上84°以下かつマイクロ硬度で55°以上82°以下の範囲である。前記硬度がこの範囲である導電性部材を用いると、本発明の現像剤と相乗的に作用して導電性部材表面への現像剤の付着を効果的に抑制できる。
【0020】
また、本発明に用いられるクリーニング部材は、マイクロ硬度で73°である。硬度がこのクリーニング部材を用いると、本発明の現像剤、帯電部材と相乗的に作用して、転写残の現像剤をより効果的に回収することができ、その結果、導電性部材表面への現像剤の付着を抑制することができる。
【0021】
次に、本発明の画像形成装置の概略構成について説明する。
【0022】
(1)画像形成装置
図1は、本発明のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式の装置である。
【0023】
像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体1は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0024】
電子写真感光体の帯電手段としての帯電ローラー(本発明では導電性部材)2は、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させてあり、本例では帯電ローラーは電子写真感光体1と連れ回りし従動回転する。この帯電ローラー2に対して帯電バイアス印加電源S1から所定の直流電圧(この場合−1200Vとした)が印加されることで、電子写真感光体1の表面が所定の極性電位(暗部電位−600Vとした)に一様に接触帯電方式・DC帯電方式で帯電処理される。
【0025】
露光手段3は、例えばレーザービームスキャナーである。電子写真感光体1の帯電処理面に露光手段3により目的の画像情報に対応した露光光Lがなされることにより、電子写真感光体の表面電位が露光明部の電位(明部電位−120Vとした)に選択的に低下(減衰)して静電潜像が形成される。
【0026】
反転現像手段4は、電子写真感光体の静電潜像の露光明部に、電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電(現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー画像として可視化する。図中、4aは現像ローラー、4bはトナー供給ローラー、4cはトナー層厚規制部材を示す。
【0027】
転写手段としての転写ローラー5は、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させて転写部を形成させてあり、電子写真感光体の回転と順方向に電子写真感光体の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定の制御タイミングで給紙され、その給紙された転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー5によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写部において電子写真感光体1上のトナー画像が転写材Pに静電転写される。
【0028】
転写部でトナー画像の転写を受けた転写材は、電子写真感光体から分離されて、不図示のトナー画像定着手段へ導入されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写部へ再導入される。
【0029】
クリーニング手段6は、転写残余トナー等の電子写真感光体上の残留物を掻き取るものである。
【0030】
除電装置7は、転写後クリーニング前に電子写真感光体の除電のための露光を行っている。本発明では、除電装置としての光照射部材である棒状ライトガイド7を電子写真感光体の回転方向に見て転写ローラー5とクリーニング装置6との間に配置している。不図示の発光部材であるLEDランプは、棒状ライトガイドの端部に設けられた入光部に対向するよう、画像形成装置本体に設けられている。
【0031】
本例では、電子写真感光体1、帯電ローラー2、現像手段4及びクリーニング手段6を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在のプロセスカートリッジ8としている。この際、現像手段4は別体としてもよい。
【0032】
(2)導電性部材
例えば、帯電部材は図2に示すようにローラー形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に被覆層として形成された表面層2cから構成されている。
【0033】
本発明の帯電部材の他の構成を図3に示す。図3に示すように帯電部材は、弾性層2b及び抵抗層2dと表面層2cからなる3層であってもよいし、弾性層2bのみを導電性支持体2aの上に被覆層として形成した単層構成としてもよい。
【0034】
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
【0035】
帯電ローラー2において、弾性層2bは被帯電体としての電子写真感光体に対する給電や、電子写真感光体1に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性と弾性を持たせてある。また、帯電ローラー2と電子写真感光体1の均一性密着性を確保するために弾性層2bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラー2が、支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えて電子写真感光体1と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラー1の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状は、これを防止するために形成する。
【0036】
弾性層2bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤、アルカリ金属塩及び4級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ω・cm未満に調整されるのがよい。
【0037】
弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等も挙げられる。
【0038】
また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー及びエチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーを挙げることができる。これらの材料は、単独又は2種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
【0039】
直流電圧のみを印加して、被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CR及びウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマーを弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作製し、得られた帯電部材は低温低湿環境(L/L)において、抵抗値が高くなり1010Ω・cm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
【0040】
そこで、極性ゴム又は熱可塑性エラストマーを有する帯電部材の抵抗値がL/L環境で1010Ω・cm未満になるように、前述した電子伝導機構を有する導電剤やイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加して抵抗調整するのが好ましい。イオン伝導機構を有する導電剤の方が抵抗調整し易いため製造上好ましい。しかしながら、イオン伝導機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン伝導機構を有する導電剤の添加と併せて電子伝導機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。
【0041】
また、帯電部材の再資源化、リサイクル化を考慮した場合は、弾性層に熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましい。熱可塑性エラストマーであれば、その特性を活かし加熱溶融して、ペレット化することができ再資源化が可能である。
【0042】
また、弾性層2bはこれらの弾性材料を発泡成型した発泡体であってもよい。
【0043】
抵抗層2d(e)は、弾性層に接した位置に形成されるため弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で設けたり、帯電部材全体の電気抵抗を調整する目的で設ける。
【0044】
本発明に用いる抵抗層を構成する材料としては、前記弾性層と同じような材料を用いることができる。
【0045】
また、被覆層として最外層を形成する表面層2cは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。
【0046】
本発明の特性を発揮させるための表面層2cの結着樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。本発明における表面層の材料としては、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等の滑り性や離型性に優れたものが好ましい。
【0047】
表面層の導電剤としては、感光体への汚染性を考慮してイオン伝導機構を有する導電剤よりも、カーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有するものを用いるのが好ましい。
【0048】
また、表面層の抵抗値は、104〜1015Ω・cmであることが好ましい。また、膜厚は1〜500μmであることが好ましく、特には1〜50μmであることが好ましい。
【0049】
(3)電子写真感光体
本発明に用いられる電子写真感光体は、特に限定されるものではない。
【0050】
(4)現像剤
本発明では、現像剤であるトナーの形状係数を特定の値とすることで、現像剤の電子写真感光体から転写媒体への転写効率を大きくすることができる。その結果、電子写真感光体上に転写残の現像剤が少なくなり、帯電部材への現像剤付着が減少する。また、仮に帯電部材に付着したとしても本発明のような形状係数を有する現像剤であれば帯電部材上から離脱し易いことがわかった。
【0051】
本発明の画像形成装置に使用することのできるトナーは、形状係数SF−1が100〜170であり、かつ形状係数SF−2が100〜180である球形トナーであることが好ましい。
【0052】
形状係数を示すSF−1とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いて倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(Luzex III)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF−1と定義する;
SF−1=(MXLNG)2/AREA×(π/4)×100
式中、MXLNGはトナー粒子の絶対最大長を示し、AREAはトナー粒子の投影面積を示す。
【0053】
更に、形状係数SF−2は、下記式より算出して得られた値をいう;
SF−2=(PERI)2/AREA×(1/4π)×100
式中、PERIは、トナー粒子の周長を示し、AREAはトナー粒子の投影面積を示す。
【0054】
形状係数SF−1はトナーの丸さの度合を示し、SF−2はトナー粒子の凹凸の度合を示す。
【0055】
トナー粒径としては、質量平均径が3〜10μmの小粒径のトナー粒子が好ましい。トナーの質量平均径の測定は、測定装置として、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。この測定装置により得られる質量平均粒径をトナー粒径とする。
【0056】
また、本発明のトナーは、以下のような圧縮強度を有することを特徴とする。トナー粒子の圧縮強度は、例えば、(株)島津製作所製の微小圧縮試験機を使用して測定することができる。この装置は、試料(1〜500μm)を下部加圧板上に乗せ、上部加圧圧子(標準は50μm径の平面圧子)を一定の負荷速度で押圧していき、試料に加わる負荷と試料の変形量を連続的に計測する装置である。この装置は、試料(粒子)を一粒、一粒圧縮することが可能である。
【0057】
一般的に、横軸に圧子変位、縦軸に荷重をとってプロットすると、S字型の曲線となる。ごく簡単にこの曲線を説明すると、
(1)弾性圧縮領域;粒子に負荷がかかり始めた初期の曲線が立ち上がっていく領域(可逆的)
(2)変形領域;曲線の傾きが小さくなり変曲点へ向かっていく領域(不可逆的)
(3)完全に潰れた領域;変曲点以降の曲線が立ち上がっていく領域
となる。
【0058】
本発明におけるトナー圧縮強度は、上記弾性圧縮領域の最大荷重(これ以上負荷をかけると不可逆的に変形してしまう荷重)として得られる。本発明における測定では、温度23℃/湿度55%の環境下において、軟質材料用試験モード、負荷速度9.1mgf/secにおいて、任意のトナー粒子を10個測定し、その平均値を求めた。
【0059】
我々が鋭意検討を重ねた結果、トナー粒子の最大弾性圧縮荷重Fが50mgf〜59mgfの範囲であることが必須であり、この範囲のトナーは帯電部材の表面に付着し難い。
【0060】
トナー粒子の最大弾性圧縮荷重Fが前記の範囲より小さい場合には、クリーニングブレード及び帯電部材、現像部材によるストレスにより、トナーが磨耗、変形し、帯電部材表面等に付着してしまう。また、最大弾性圧縮荷重Fが前記の範囲より大きい場合には、トナーの定着性が悪化するため好ましくない。
【0061】
本発明における現像剤は、上記条件を満たすトナーであれば、特に限定するものではないが、我々の検討では一成分系現像剤が好ましい傾向にあった。
【0062】
一成分系トナー粒子としては、重合法により生成されたトナー粒子を用いる。特に、トナー粒子の表層部を重合法により形成したトナー粒子は、分散媒体中でモノマー組成物を重合することにより生成するため、トナー粒子の表面は、かなり平滑化された球形のものを得ることができる。
【0063】
また、これらトナー粒子の最大弾性圧縮荷重Fについては、トナー製造過程において分子量や不溶分をコントロールすることが技術的ポイントである。
【0064】
例えば、本発明に用いる一成分系トナー粒子としては、重合性単量体、着色剤及び離型剤を少なくとも含有する単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得ることができる。
【0065】
本発明に使用できる重合性単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン及びp−エチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル及びアクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びアクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独又は混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、又は他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0066】
本発明では、単量体系には、添加剤として極性基を有する重合体・共重合体を添加して重合することがより好ましい。該極性重合体・共重合体は、トナーとなる粒子表層部に集まるため、一種の殻のような形態となり、トナー粒子に耐ブロッキング性等の優れた性質を付与する一方で、トナー内部では比較的低分子量で定着特性向上に寄与するように重合を行うことにより、定着性と耐ブロッキング性という相反する要求を満足するトナーを得ることができる。本発明に使用できる極性重合体・共重合体を以下に例示する。
【0067】
メタクリル酸ジメチルアミノエチルやメタクリル酸ジエチルアミノエチル等の含窒素単量体の重合体もしくはスチレン、不飽和カルボン酸エステル等との共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等との共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等が挙げられる。特にポリエステル樹脂を添加するのが、コア/シェル化を保持する面で好ましい。これらの極性重合体・共重合体の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
【0068】
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものが使用でき、例えば、カーボンブラック、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4及びC.I.ベーシックグリーン6等の染料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ及びファイナルイエローグリーンG等の顔料が挙げられる。
【0069】
重合法を用いてトナーを得る場合は、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうがよい。特に、染料系やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料系を表面処理する好ましい方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。
【0070】
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を行ってもよい。
【0071】
カラートナーとする場合には、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料及びフタロシアニン系シアン顔料から選択して用いることが好ましい。
【0072】
離型剤としては、パラフィン、ポリオレフィン系ワックス及び、これらの変性物、例えば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪酸、及びその金属塩、アミドワックス、また、エステル系ワックス、例えば、3級又は/及び4級炭素を有し、2官能以上のアルコール化合物又は、カルボン酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物、1級又は/及び2級炭素を有し、2官能以上のアルコール化合物又はカルボン酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物及び3級又は/及び4級炭素を有し、モノ官能のエステル化合物等が挙げられる。
【0073】
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくことが好ましい。これら荷電制御剤としては、公知のもののうち、重合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用いられ、例えば正荷電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミン系及びポリアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物、含金属モノアゾ系染料化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体及びスチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。これら荷電制御剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
【0074】
重合開始剤としては、いずれか適当な重合開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ゾクロロベンゾイルペルオキシド及びラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これら重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量が好ましく、単独で、又は併用してもよい。
【0075】
また、本発明では、分子量をコントロールするために、公知の架橋剤や連鎖移動剤を添加してもよく、好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001〜15質量部である。
【0076】
本発明で用いられる各種トナー特性付与を目的とした添加剤としては、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の粒径であることが好ましい。特には、平均粒径が4〜500nmであることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
【0077】
(1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化チタン等)、カーボンブラック、フッ化カーボン等。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0078】
(2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸カルシム等)等。
【0079】
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム等)等。
【0080】
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及び酸化アルミニウム等)、カーボンブラック等。
【0081】
これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.1〜10質量部用いられるのが好ましく、特には0.1〜5質量部が好ましい。これら添加剤は、単独で用いても、複数併用してもよい。
【0082】
本発明において用いられる分散媒には、いずれか適当な安定化剤を使用することができる。例えば、無機化合物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ及びアルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等を水相に分散させて使用できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
【0083】
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させてもよい。例えば、リン酸カルシウムの場合、高攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
【0084】
また、これら安定化剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは、上記分散安定化剤の初期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム及びオレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0085】
た、一成分系現像剤のトナーは、以下のような凝集法にて得ることもできる。
【0086】
少なくとも、重合体微粒子、着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液に、例えばpH調整剤、凝集剤及び安定剤等を添加し微粒子を多数個凝集し、凝集粒子を熱融着させることにより得ることができる。
【0087】
凝集工程では、混合液中に均一に分散する樹脂粒子、着色剤粒子又は離型剤微粒子等が凝集し、凝集粒子が形成される。熱融着工程では、凝集粒子中の樹脂が溶融し、融着し、トナー粒子が形成される。
【0088】
以下に、凝集法を用いたトナーの製造方法について詳細に説明する。
【0089】
樹脂粒子分散液は、少なくとも樹脂粒子を分散剤中に分散させてなるものである。樹脂としては、例えば熱可塑性結着樹脂等が挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン及びα−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル及びメタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテルやビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン及びイソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0090】
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤等を用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン及びビニルアミン等のビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。本発明においては、樹脂粒子が、ビニル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好ましい。これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸及びフマル酸等のカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。更に、この時、分子量を調節するために、連鎖移動剤や架橋剤等を併用することもできる。
【0091】
例えば、連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン及びtert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、四臭化炭素等のハロゲン化合物、ジスルフィド類等が使用される。
【0092】
更に、架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート及びフタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するもの等を用いことが可能で、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
【0093】
樹脂粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
【0094】
着色剤粒子分散液は、少なくとも着色剤粒子を分散剤中に分散させてなるものである。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料及び磁性粉キナクリドン系顔料等が挙げられる。これらの具体例としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン及びマラカイトグリーンオキサレレート等の種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系及びキサンテン系等の各種染料;等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0095】
着色剤粒子の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。平均粒径が0.5μmを超えると、可視光の乱反射を防ぐことができず、また、粗大粒子が存在した場合、着色力、色再現性、OHP透過性に悪影響し、後述の凝集粒子形成工程において樹脂粒子と該着色剤粒子とが凝集しないか、あるいは凝集しても融合時に脱離してしまうことがあり、得られるトナーの品質が劣化することがある点で好ましくない。一方、平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
【0096】
離型剤粒子分散液は、少なくとも離型剤粒子を分散剤中に分散させてなるものである。
【0097】
離型剤としては、その融点が150℃以下のものが好ましく、特には40℃〜130℃のものが好ましく、更には40℃〜110℃であるものが好ましく用いられる。例えば、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により融点(軟化点)を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド及びステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸ステアリル等のエステルワックス類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ及びホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス及びエステルワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物等の粒子が挙げられる。
【0098】
離型剤の融点は、以下のごとく測定される。
【0099】
例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。測定を行い吸熱メインピークのピーク値を融点とする。
【0100】
離型剤粒子の平均粒径としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。平均粒径が2.0μmを超えると、トナー間でワックスの含有量に偏りが生じ易く、長期にわたった画像の安定性に悪影響を及ぼす。一方、平均粒径が前記範囲内にあると、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる。
【0101】
着色剤粒子と樹脂粒子と離型剤粒子の組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜自由に選択することができる。
【0102】
樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及び離型剤分散液の外、分散剤中に適宜選択した粒子を分散させてなる粒子分散液を更に混合してもよい。
【0103】
粒子分散液に含まれる粒子としては、特に制限はなく目的に応じ適宜選択することができ、例えば、内添剤粒子、帯電制御剤粒子、無機粒子及び研磨材粒子等が挙げられる。なお、本発明において、これらの粒子は、樹脂粒子分散液中や着色剤粒子分散液中に分散させてもよい。
【0104】
内添剤粒子としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル及びマンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物等の磁性体等の粒子が挙げられる。
【0105】
帯電制御剤粒子としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロム、亜鉛、ジルコニウム等の錯体からなる化合物等の粒子が挙げられる。なお、本発明における帯電制御剤粒子としては、凝集時や融合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水再利用の観点から、水に溶解し難い素材のものが好ましい。
【0106】
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム及び酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
【0107】
研磨材粒子としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ及び酸化セリウム等の粒子が挙げられる。
【0108】
上述の各粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
【0109】
樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤分散液及び粒子分散液等に含まれる、分散剤としては、例えば、極性界面活性剤を含有する水系媒体等が挙げられる。水系媒体としては、例えば、蒸留水やイオン交換水等の水及びアルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。極性を有する分散剤における極性界面活性剤の含有量としては、一概に規定することはできず、目的に応じて適宜選択することができる。
【0110】
極性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系及びせっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型及び4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド及びジステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0111】
お、これらの極性界面活性剤と、非極性界面活性剤とを併用することができる。非極性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系及び多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0112】
樹脂粒子分散液における樹脂粒子の含有量としては、通常5〜60質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。また、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中における樹脂粒子の含有量としては、50質量%以下であればよく、2〜40質量%程度であるのが好ましい。
【0113】
着色剤粒子等の含有量としては、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、1〜10質量%程度であり、2〜6質量%程度が好ましい。
【0114】
離型剤粒子等の含有量としては、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、0.5〜20質量%程度であり、1〜10質量%程度が好ましい。含有量が5質量%より大きい場合、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。この場合は、例えば樹脂粒子を生成させる時に、離型剤に対してシード重合を行うと前記問題を解決できる。
【0115】
添剤粒子等の各粒子の含有量としては、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、0.01〜5質量%程度であり、0.5〜2質量%程度が好ましい。含有量が前記範囲外であると、離型剤粒子等を分散させたことの効果が十分でなかったり、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
【0116】
更に、得られるトナーの帯電性を制御するために、帯電制御粒子及び樹脂粒子を凝集粒子が形成された後に添加する場合もある。
【0117】
樹脂粒子分散液は、例えば、以下のようにして調製される。即ち、樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
【0118】
分散の手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメディアを有するボールミル、サンドミル及びダイノミル等のそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
【0119】
着色剤粒子分散液、離型剤分散液及び粒子分散液等は、例えば、着色剤粒子等の粒子を分散剤中に添加し、分散の手段を用いて分散させることにより調製される。
【0120】
(凝集工程)
凝集粒子形成は、混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製するものである。凝集粒子は、例えばpH調整剤、凝集剤及び安定剤を該混合液中に添加し混合し、温度、機械的動力等を適宜加えることにより該混合液中に形成することができる。
【0121】
pH調整剤としては、アンモニアや水酸化ナトリウム等のアルカリ、硝酸やクエン酸等の酸が挙げられる。凝集剤としては、ナトリウムやカリウム等の1価の金属塩;カルシウムやマグネシウム等の2価の金属塩;鉄やアルミニウム等の3価の金属塩等;メタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール類が挙げられる。
【0122】
安定剤としては、主に極性界面活性剤そのもの又はそれを含有する水系媒体等が挙げられる。例えば、水性分散液に含まれる極性界面活性剤がアニオン性の場合には、安定剤としてカチオン性のものを選択することができる。
【0123】
凝集剤等の添加・混合は、混合液中に含まれる樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。混合は、例えばそれ自体公知の混合装置、ホモジナイザー又はミキサー等を用いて行うことができる。
【0124】
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナーの平均粒径と同じ程度になるように制御される。制御は、例えば、温度と攪拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。以上の凝集粒子形成工程により、トナーの平均粒径とほぼ同じ平均粒径を有する凝集粒子が形成され、該凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。
【0125】
(熱融着工程)
熱融着工程は、凝集粒子を加熱して融着する工程である。融着工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、pH調整剤、極性界面活性剤及び非極性界面活性剤等を適宜投入することができる。
【0126】
加熱の温度としては、凝集粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜該樹脂の分解温度であればよい。従って、加熱の温度は、樹脂粒子及び樹脂微粒子の樹脂の種類に応じて異なり、一概に規定することはできないが、一般的には凝集粒子又は付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜140℃である。なお、加熱は、それ自体公知の加熱装置・器具を用いて行うことができる。
【0127】
融着の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
【0128】
着工程の終了後に得られたトナーを、適宜の条件で洗浄、乾燥等することができる。なお、得られたトナーの表面に、シリカ、アルミナ、チタニア及び炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びシリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
【0129】
(5)クリーニング部材
本発明によるクリーニングブレードに用いるウレタンエラストマーは、種々の方法によって合成されるが、その代表的な合成方法は、ジカルボン酸及びジオールから得られるポリエステルジオールにジイソシアネートを反応させて得られるプレポリマー及び少なくともトリメチロールプロパンを含有する硬化剤組成物とを反応させる方法である。
【0130】
ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸及びフマル酸等の飽和又は不飽和二塩基酸、無水マレイン酸及び無水フタル酸等の酸無水物、及びテレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル等が挙げられる。
【0131】
ジオールとしては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキシレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
【0132】
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、カーボンジイミド変性MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(PAPI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)及びキシリレンジイソシアネート(XDI)等が挙げられる。
【0133】
また、トリメチロールプロパンと共に、必要に応じて用いられる硬化剤としては、1,4−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びキシリレングリコール等が挙げられる。
【0134】
これらの出発材料の中で、特に、アジピン酸と、エチレングリコール及びブチレングリコールから選ばれる少なくとも1つのグリコールとを反応させて得られるポリエステルジオールに、更に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得られるプレポリマーに、更に、1,4−ブタンジオール及びトリメチロールプロパンを反応させて得られるウレタンエラストマーが好適である。
【0135】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【0136】
(実施例1)
下記の要領で帯電部材としての帯電ローラーを作製した。
【0137】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
(エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル)
4級アンモニウム塩 2質量部
炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 5質量部
着色用カーボンブラック 7質量部
【0138】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、セバシン酸系エステル可塑剤5質量部加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM1質量部及びノクセラーTS0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製支持体の周囲にローラー状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0139】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。表面層の材料として、
アクリルポリオール溶液(有効成分70質量%) 100質量部
イソシアネートA(IPDI)(有効成分60質量%) 40質量部
イソシアネートB(HDI)(有効成分80質量%) 30質量部
疎水化処理した導電性酸化錫 87.5質量部
(処理剤;フルオロアルキルアルコキシシラン)
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤 340質量部
をミキサーを用いて攪拌し、混合溶液を作製した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作製した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が23μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、160℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラー形状の帯電部材を得た。
【0140】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。また、導電性酸化錫は平均一次粒子径0.02μmのものを使用した。疎水化処理には有機溶媒法を用いた。また、帯電ローラー表面の十点平均表面粗さ(Rz)は、2.3μmであった。
【0141】
また、下記の要領で本実施例に使用する現像剤としてのトナーを作製した。
【0142】
イオン交換水700質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックスCLS−30S(エム・テクニック社製)を用いて、4500rpmにて攪拌した。これに、0.1M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。
【0143】
一方、
【0144】
上記記載の材料を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0145】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃のN2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
【0146】
その後、パドル攪拌機で攪拌しつつ、70℃に昇温し、12時間反応させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥して、着色樹脂粒子(トナー粒子)を得た。
【0147】
得られたトナー粒子100質量部に対して、外添剤として、平均一次粒径10nmである疎水性シリカ粒子を1.5質量部外添し、シアントナーを得た。また、トナーの重量平均分子量(Mw)は500000であった。
【0148】
クリーニング部材としては、下記のように作製したものを用いた。
【0149】
次に示す材料をゴム原料とし溶剤中で混合反応させ、反応終了後溶剤を蒸留で除き、NCO%=7.0%のプレポリマーを得た。
【0150】
「ゴム材料原料」
エチレンブチレンアジペート系ポリオール 20質量部
ジフェニルメタンジイソシアネート 36質量部
変性シリコーンオイル 44質量部
このプレポリマーに、下記硬化剤
1,4−ブタンジオール 4.4質量部
トリメチロールプロパン 2.4質量部
を80℃で混ぜ、予め130℃に加熱した型に、注型し次の条件即ち、
成形温度 130℃ 成形時間 30分、
二次加硫温度 130℃ 二次加硫時間 4時間で
加熱硬化させ、厚さ3ミリのシート状のウレタンゴムが得られた。その後、得られたウレタンゴムをブレード形状に加工した。
【0151】
また、帯電ローラーのC硬度及びマイクロ硬度、現像剤トナーの形状係数SF−1及びSF−2や最大弾性圧縮荷重、クリーニング部材のマイクロ硬度等の測定を行い、表1にその結果を示した。
【0152】
「帯電ローラーに直流電圧のみを印加した時の連続複数枚画像出し耐久試験」図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラーを取り付けて、環境1(温度23℃/湿度55%)、環境2(温度32.5℃/湿度80%)及び環境3(温度15℃/湿度10%)の各環境下において、印字率4%のA4画像連続15000枚の画像出しを行い、1000枚ごとにハーフトーン画像をプリントし、帯電ローラー表面へのトナー付着に起因した画像不良(縦スジ状の画像不良、帯電ローラー周期で発生する濃度ムラ)の発生について、目視にて画像評価を行った。結果を表2に示す。但し、電子写真感光体の暗部電位VDが画像出し耐久試験初期に、−600V付近となるように印加電圧(直流電圧のみ)を各環境で設定して画像出し耐久試験を行った。
【0153】
表中の評価A、B、C、D、Eは、帯電ローラー表面へのトナー付着に起因した画像縦スジ及びローラー周期の画像濃度ムラの発生について画像品質を5段階にランク分けしたものである。なお、Aを画像縦スジ及び画像濃度ムラが全くないレベルとし、Eを画像縦スジ及び画像濃度ムラが目立つレベルにあるものとした。
【0154】
その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、15000枚の画像出し後でも初期とほとんど変わらない画像が得られた。
【0155】
参考例1
下記の要領で参考例1の帯電部材としての帯電ローラーを作製した。
【0156】
NBR 100質量部
4級アンモニウム塩 3質量部
エステル系可塑剤 25質量部
炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0157】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料ゴムのNBR100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーTS3質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製支持体の周囲にローラー状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0158】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。表面層の材料としてポリビニルブチラール樹脂を用い、そのエタノール溶液100質量部(固形分50質量%)に対して、疎水化処理された導電性酸化錫55質量部を加えた塗料(P/B=1.1/1.0)を用いて、ディッピング法にて塗布し、膜厚が15μmの表面層を被覆形成し、ローラー形状の帯電部材を得た。
【0159】
参考例では導電性酸化錫の疎水化処理剤として、i−ブチルトリメトキシシランを用いた。また、疎水化処理方法としては、前述の水溶液法を選択した。また、帯電ローラー表面の十点平均表面粗さ(Rz)は、1.7μmであった。
【0160】
現像剤としてのトナーは、以下に示すような方法で作製したものを使用した。
【0161】
「樹脂粒子分散液1の調製」
スチレン 90質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
アクリル酸 3質量部
ドデカンチオール 6質量部
四臭化炭素 1質量部
【0162】
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5質量部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.5質量部をイオン交換水140質量部に溶解したものを、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム1質量部を溶解したイオン交換水10質量部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が0.17μm、ガラス転移点が57℃、重量平均分子量(Mw)が11000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液1を調製した。
【0163】
「樹脂粒子分散液2の調製」
スチレン 75質量部
n−ブチルアクリレート 25質量部
アクリル酸 2質量部
【0164】
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5質量部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部をイオン交換水140質量部に溶解したものを、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム0.8質量部を溶解したイオン交換水10質量部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.1μm、ガラス転移点が61℃、重量平均分子量(Mw)が550,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液2を調製した。
【0165】
「離型剤粒子分散液1の調製」
エステル系ワックス(融点65℃) 50質量部
アニオン性界面活性剤 5質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水 200質量部
【0166】
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が0.5μmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液1を調製した。
【0167】
「着色剤粒子分散液1の調製」
C.I.ピグメントレッド122 20質量部
アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水 78質量部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。
【0168】
この着色剤粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
【0169】
「帯電制御粒子分散液1の調製」
ジ−アルキル−サリチル酸の金属化合物 20質量部
(帯電制御剤、ボントロンE−84、オリエント化学工業社製)
アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水 78質量部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。
【0170】
(トナー製造例1)
<混合液調製>
樹脂粒子分散液1 240質量部
樹脂粒子分散液2 120質量部
着色剤粒子分散液1 40質量部
離型剤粒子分散液1 70質量部
【0171】
以上を、攪拌装置、冷却管、温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し攪拌した。この混合液に1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
【0172】
<凝集粒子形成>
この混合液に凝集剤として、10%塩化ナトリウム水溶液150質量部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら57℃まで加熱した。この温度の時、樹脂粒子分散液2の3質量部と帯電制御剤粒子分散液1の10質量部を加えた。50℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約6.9μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
【0173】
<融着工程>
その後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部を追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、マゼンタトナーを得た。
【0174】
参考例のクリーニング部材は、下記のようにして作製した。
【0175】
変性シリコーンオイル(信越化学製X−22−160AS、水酸基価112)の両末端の水酸基を定法によりアジピン酸と反応させ、更に同様にして、エチレングリコールと反応させ、両末端に水酸基を有するポリエステル(水酸基価87.6)を合成する。窒素雰囲気下80℃でイソシアネート(MDI)100質量部に上記ポリエステル194.1質量部を滴下し、NCO%=6.2%のプレポリマーを得た。このプレポリマー100質量部に、硬化剤として1,4ブタンジオール3.9質量部、トリメチロールプロパン2.1質量部を混合し金型に注入しブレード状のクリーニング部材を得た。成形条件は次のようにした;
成形温度 130℃ 成形時間 30分
二次加硫温度 130℃ 二次加硫時間 4時間
【0176】
これらの帯電ローラー及びトナー、クリーニング部材について実施例1と同様にして評価を行い、その結果を表1及び表2に示す。
【0177】
(比較例1)
下記の方法で帯電ローラーを作製した。
【0178】
EPDM 100質量部
カーボンブラックA(導電性) 30質量部
炭酸カルシウム 20質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0179】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、EPDM100質量部に対してパラフィンオイル10質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料ゴムのEPDM100質量部に対し加硫剤としての硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてのMBT(メルカプトベンゾチアゾール)1質量部、TMTD(テトラメチルチウラム・ジスルフィド)1質量部及びZnMDC(ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛)1.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製支持体の周囲に外形φ12mmのローラー状になるようにプレス成形機にて加熱加硫成型することにより弾性層を得た。
【0180】
上記弾性層の上に以下に示すような抵抗層を被覆形成した。抵抗層2dの材料として、ポリウレタン樹脂100質量部及びカーボンブラックB15質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒にて分散溶解して抵抗層用塗料を作製する。この塗料を弾性層2b上にディッピング法にて塗布して膜厚が100μmの抵抗層2dを被覆形成した。
【0181】
更に、抵抗層2dの上に以下に示す表面層2cを被覆形成した。表面層2cの材料として、ポリアミド樹脂100質量部及びカーボンブラックB10質量部をメタノール/トルエン混合溶媒にて分散溶解して表面層用塗料(P/B=0.1/1.0)を作製する。この塗料を用いて、ディッピング法にて塗布して膜厚が5μmの表面層を被覆形成し、ローラー形状の帯電部材を得た。
【0182】
現像剤としては、参考例1で作製したトナーを用いた。クリーニング部材としては、実施例1で作製したクリーニングブレードを用いた。
【0183】
この帯電ローラー及びトナーについて実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0184】
(比較例2)
実施例1において、クリーニング部材を下記のようにして作製した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0185】
ゴム材料としてエチレンアジペート系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン工業製、Mn=1500、NCO%=6.2%)100質量部を用い、加熱溶解したウレタンプレポリマーに硬化剤(1,4−ブタンジオール3.8質量部、トリメチロールプロパン2.1質量部)を混合し、加熱した型に注型し加熱硬化させ、厚さ3ミリのシート状のウレタンゴムが得られた。これをブレード形状に加工した。成形条件は次のようにした;
成形温度 130℃、 成形時間 30分、
二次加硫温度 130℃、 二次加硫時間 4時間
【0186】
(実施例
実施例1において、外径Φ9mmになるように研磨処理して弾性層を得た以外他は実施例1と同様にして帯電ローラーを作製し、評価を行った。
【0187】
(実施例
本実施例の帯電ローラーを下記のようにして作製した。
【0188】
[帯電部材の弾性層の作製]
エチレン・ブチレンランダム共重合体を含有する熱可塑性エラストマー、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合樹脂(SEBC、JIS−A硬度75度)100質量部、導電性カーボンブラック12質量部、導電性酸化チタン5質量部をV型ブレンダーで5分間乾式混合した。次いで加圧式ニーダーを用いて190℃で10分間溶融混練した。更に冷却後、粉砕機にて粉砕した後、単軸押出機(スクリュ径30mm、L/D=30、樹脂温度190℃)を用いてペレット化した。
【0189】
更に、クロスヘッド押出機(樹脂温度190℃)を用いて、φ6mmステンレス支持体と同時押出しをして、外径が12.5mmの弾性層ローラーを得た。その後、研磨処理して外径φ12mmとした。
【0190】
上記弾性層の上に実施例1と同様にして本実施例の表面層を形成し、帯電ローラーを得た。但し、表面層の膜厚は12μmであった。得られた帯電ローラーを用いて実施例1と同様の評価を行った。
【0191】
(実施例
本実施例のトナーを下記のようにして作製した。
【0192】
高速攪拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水600gと0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液500gを投入し、回転数を14000rpmに調整し、65℃に加温せしめた。ここに1.0mol/リットル−CaCl2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0193】
一方、分散質として、
スチレン 78質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
ジビニルベンゼン 0.2質量部
カーボンブラック(BET比表面積=50m2/g) 5質量部
不飽和ポリエステル 4質量部
(エポキシ化ビスフェノールAとフマル酸の縮合重合体、
ピーク分子量=7000)
有機ジルコニウム化合物 2質量部
エステルワックス(mp=62℃) 10質量部
【0194】
上記混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を添加し重合性単量体組成物を調製した。
【0195】
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温65℃のN2雰囲気下で、高速攪拌器の回転数を12000rpmに維持しつつ、15分間攪拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、攪拌器をプロペラ攪拌に代え50rpmで攪拌しながら同温度で10時間保持して重合を完了した。
【0196】
重合終了後、懸濁液を冷却し、次いで希塩酸を添加し分散安定剤を除去せしめた。更に水洗浄を数回繰り返した後、流動層乾燥機(大川原製作所社製)を用い、熱風中で攪拌しながら10時間トナー粒子の球形化処理と乾燥処理を行い、重合体粒子(A)を得た。該重合体粒子(A)は、平均粒径が5.1μmで、重量平均分子量(Mw)が250000であった。また、該重合体粒子(A)の結着樹脂のTHF不溶分は25質量%であった。
【0197】
上記重合体粒子(A)100質量部と外添剤として疎水性オイル処理シリカ微粉体(BET;200m2/g)2質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本発明のトナー(A)を調製した。その以外は実施例1と同様として、評価を行った。
【0198】
(比較例3)
実施例のトナー製造例において、有機ジルコニウム化合物に代え、ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム化合物を用いると共に、ジビニルベンゼンと不飽和ポリエステルの添加量を変更することにより結着樹脂のTHF不溶分をコントロールし、更に流動層乾燥機の熱風の温度と攪拌条件と処理時間を変更する以外は、前記の実施例のトナー製造例と同様にして重合体粒子(a)を得た後、比較用トナー(a)を調製した。
【0199】
該重合体粒子(a)は、平均粒径が6.1μmで、重量平均分子量(Mw)が80000であった。また、該重合体粒子(a)の結着樹脂のTHF不溶分は2質量%であった。その以外は実施例1と同様にして、評価を行った。
【0200】
【表1】
【0201】
【表2】
【0202】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、帯電ローラー表面へのトナー付着が少ないので、トナー付着が原因となる画像不良が生じなくなる。その結果、画像形成装置の総印字枚数が大幅に増え、耐久安定性が向上する。従って、本発明において特定の導電性部材、現像剤、クリーニング部材を画像形成装置に用いることで長期にわたり高画質化を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】導電性部材の概略断面図である。
【図3】別の導電性部材の概略断面図である。
【図4】導電性部材の抵抗測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 帯電ローラー
2a 導電性支持体
2b 弾性層
2c 表面層
2d 抵抗層
2e 第2の抵抗層
3 露光手段
4 現像手段
4a 現像ローラー
4b トナー供給ローラー
4c トナー層厚規制部材
5 転写ローラー
6 クリーニング手段
7 除電装置
8 プロセスカートリッジ
P 転写材

Claims (10)

  1. 少なくとも被帯電体である電子写真感光体と、
    該電子写真感光体に接触して従動回転する、電子写真感光体面を帯電するローラ形状の帯電部材と、
    該帯電部材によって帯電された電子写真感光体表面を露光する露光手段と、該露光手段によって形成された潜像を現像剤によって可視像化する現像手段と、可視像化された潜像を転写材に転写する転写手段と、転写されずに電子写真感光体上に残存した転写残トナーを掻き取るブレード状のクリーニング部材とを具備する画像形成装置において、
    該帯電部材が、導電性支持体と、その上に形成される導電性の弾性層と、その上に形成される最外層である、導電剤とポリウレタン樹脂とからなる表面層とから構成されており、
    該帯電部材のアスカーC硬度が78°以上84°以下、かつマイクロ硬度が55°以上82°以下であり、
    該現像剤が、重合法により生成された、結着樹脂としてのスチレン−アクリル共重合体とエステルワックスとを含有している一成分系トナー粒子と、外添剤としての疎水性シリカ粒子とを含み、該現像剤の、微小圧縮試験機を用いて、温度23℃、湿度55%の環境において負荷速度9.1mgf/secで測定した最大弾性圧縮荷重が50mgf〜59mgfの範囲であり、
    該クリーニング部材がウレタンエラストマーからなり、且つマイクロ硬度が73°であり、且つ、
    該帯電部材に直流電圧のみを印加するものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記弾性層が、熱可塑性エラストマーを主体に構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記熱可塑性エラストマーが導電剤により抵抗調整されている請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記弾性層が、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム及びクロロプレンゴムの極性ゴムを主体に構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記極性ゴムが導電剤により抵抗調整されている請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記導電剤がカーボンブラックである請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記導電剤が4級アンモニウム塩又はアルカリ金属塩である請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤の形状係数SF−1が119128であり、かつ形状係数SF−2が131140である請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記現像手段が接触現像方式である請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記弾性層の厚さが1.5mm以上3mm以下であり、前記表面層の厚さが1μm以上50μm以下である請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
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