本発明が上述の効果を達成する詳細な理由については不明であるが、以下のようなものであると推察される。
本発明に記載のトナー物性のうち、小粒径粒子の存在比Aおよび小粒径粒子の存在比Bは、それぞれ、評価初期時および長期評価時における現像容器内のトナーに係るシェアを模式的に表している。一般に、乳化凝集法においては、凝集工程において最適な処置を行わないと、トナー粒子化したときの破損、変形等が生じやすい。本発明者らは鋭意検討の結果、AおよびBの値を規定することで、評価初期時および長期評価時における現像容器内のトナーを継続的に良好な状態に保つことができることを見いだし、本発明に至ったものである。
Aの値は5.0以上30.0以下であることが必要であり(関係式(1))、5.0以上15.0以下であることが好ましい(関係式(1’))。Aが30.0を超える場合には、現像容器内で破損、変形した小粒径のトナー粒子をトナー供給剥ぎ取りローラーによって効果的に剥ぎ取ることができない。そのため、小粒径粒子と新たに供給されたトナーとが現像ローラー上で混在することになり、次に弾性ブレード規制部を通過し感光ドラム対向部に送られた際に、これらのトナーで現像性の違いが生じるといった、所謂「ゴースト画像」の発生を招くこととなり、好ましくない。
また、Bの値は5.0以上30.0以下であることが必要であり(関係式(2))、17.0以下であることが好ましい(関係式(2’))。Bが30.0を超える場合には、現像容器内で破損、変形した小粒径のトナー粒子をトナー供給剥ぎ取りローラーによって効果的に剥ぎ取ることができなくなるのに加え、小粒径粒子が充填剤として作用し、発泡セル内にトナー粒子が詰め込まれやすくなる。その結果トナー供給機能が著しく低下してしまい、これが長期評価時においてハーフトーンガサ発生の原因となるため好ましくない。
AおよびBが5.0未満である場合には、現像容器内でトナーの破損、変形は実質的に発生しない。そのため、印字比率が一定である評価方法については良好な結果が得られる。
しかしながら本発明者らは様々な印字比率の画像を用いて検討を行った結果、AおよびBが5.0未満である場合には、トナー供給剥ぎ取りローラーの発泡セル内にトナーをパッキングするような急激な印字比率の変化がある評価方法では、良好な画像が得られないことを見いだした。具体的には、高印字比率(約60%以上)の画像を連続して出力してから低印字比率(約5%未満)の画像を連続して出力し、その直後にハーフトーン画像を出力する評価方法において、ハーフトーンガサが発生することが明らかとなった。本発明者らが更なる検討を加えたところ、AおよびBが5.0未満であるトナーでは、トナー供給剥ぎ取りローラーの発泡セル内でのトナー循環が一時的に滞っていることを見いだした。この詳細な理由については不明であるが、AおよびBが5.0以上である場合には、発泡セル内にトナーがパッキングされても、トナー粒子の一部が崩壊することでトナーの移動がスムースになり、パッキングがすぐに解消されるからであると推察される。
また、AとBの比率B/Aの値は1.0以上1.5以下であることが必要である(関係式(3))。この比率を満足することにより、長期評価時の画像濃度変化を好適な範疇に維持することができる。B/Aが1.5を上回ると、長期評価において画像濃度の低下が起こり好ましくない。なお、B/Aが1.0未満となるのは、トナーにシェアをかけ続けた場合に小粒径粒子の存在比率が減少していくことを意味しているが、このようなトナーは存在しない。
なお、本発明におけるAおよびBを求める方法は以下のとおりである。
小粒径粒子の存在比率の測定には、フロー式粒子像測定装置であるFPIA−1000(東亜医用電子社(現シスメックス株式会社)製)を用いる。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.01〜0.03g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したものを用い、1分間(Aの場合)もしくは10分間(Bの場合)連続して分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならないように適宜冷却する。
FPIA−1000を用い、測定時のトナー粒子濃度が8000〜12000個/μlとなる様に該分散液濃度を調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、0.60μm以上2.00μm未満の粒子の存在比(個数%)を求め、AおよびBの値を得る。
次に、本発明のトナーの好ましい態様について、順に説明する。
初めに、トナーの製造方法について説明する。
本発明のトナー母体の製造方法としては、以下のように重合体微粒子、着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液に、例えばpH調整剤、凝集剤及び安定剤等を添加し前記微粒子を複数個凝集し、凝集粒子を熱融着させる方法を好適に用いることができる。
このトナーの製造方法において、凝集工程では、前記混合液中に均一に分散する樹脂粒子、着色剤粒子または離型剤微粒子等が凝集し、凝集粒子が形成される。また、熱融着工程では、前記凝集粒子中の樹脂が溶融し、融着し、トナー粒子が形成される。
以下に、本発明のトナーの製造方法について詳細に説明する。
前記樹脂粒子分散液は、少なくとも樹脂粒子を分散剤中に分散させてなるものである。前記樹脂としては、例えば熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。本発明においては、前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好ましく、高温多湿や低温低湿の環境においてトナーの帯電量の変化の少ないスチレン−アクリル樹脂が好ましい。本発明においては、これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。さらに、この時、分子量を調節するために、連鎖移動剤、架橋剤等を併用することもできる。
例えば、連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、四臭化炭素等のハロゲン化合物、ジスルフィド類等が使用される。
更に、架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するもの等を用いることが可能で、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
本発明においてラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物〔4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等〕、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から80℃の範囲が用いられる。
重合に用いることのできる界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
前記樹脂粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
前記着色剤粒子分散液は、少なくとも着色剤粒子を分散剤中に分散させてなるものである。前記着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、磁性粉、キナクリドン系顔料などが挙げられる。これらの具体例としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレレートなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤粒子の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましい。前記平均粒径が0.5μmを超えると、可視光の乱反射を防ぐことができず、また、粗大粒子が存在した場合、着色力、色再現性、OHP透過性に悪影響し、後述の凝集粒子形成工程において前記樹脂粒子と該着色剤粒子とが凝集しないか、あるいは凝集しても融合時に脱離してしまうことがあり、得られるトナーの品質が劣化することがある点で好ましくない。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
前記離型剤粒子分散液は、少なくとも離型剤粒子を分散剤中に分散させてなるものである。
前記離型剤としては、その融点が150℃以下のものが用いられ、好ましくは40℃乃至120℃以下であるものが用いられる。例えば、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により融点(軟化点)を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸ステアリル等のエステルワックス類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などの粒子が挙げられる。なかでも離型剤粒子分散液としたときの安定性、トナー化したときの耐環境特性、画像安定性等の観点から、エステルワックスが好ましく用いられる。
尚、本発明においての示差熱分析測定には、パーキンエルマー社製「DSC−7」を用いた。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いた。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行った。
前記離型剤粒子の平均粒径としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。前記平均粒径が2.0μmを超えると、トナー間でワックスの含有量にかたよりが生じやすく、長期にわたった画像の安定性に悪影響を及ぼす。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる。前記着色剤粒子と前記樹脂粒子と前記離型剤粒子の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜自由に選択することができる。
前記樹脂粒子分散液、前記着色剤粒子分散液及び前記離型剤分散液の外、分散剤中に適宜選択した粒子を分散させてなる粒子分散液を更に混合してもよい。
前記粒子分散液に含まれる粒子としては、特に制限はなく目的に応じ適宜選択することができ、例えば、内添剤粒子、帯電制御剤粒子、無機粒子、研磨材粒子などが挙げられる。なお、本発明において、これらの粒子は、前記樹脂粒子分散液中や前記着色剤粒子分散液中に分散させてもよい。
前記帯電制御剤粒子としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロム、亜鉛、ジルコニウム等の錯体からなる化合物等の粒子が挙げられる。なお、本発明における帯電制御剤粒子としては、凝集時や融合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水再利用の観点から、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
上述の各粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
前記樹脂粒子分散液、前記着色剤粒子分散液、前記離型剤分散液、前記粒子分散液等に含まれる分散剤としては、例えば、極性界面活性剤を含有する水系媒体などが挙げられる。前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記極性を有する分散剤における前記極性界面活性剤の含有量としては、一概に規定することはできず、目的に応じて適宜選択することができる。
前記極性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においては、これらの極性界面活性剤と、非極性界面活性剤とを併用することできる。前記非極性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
前記樹脂粒子分散液100質量部における前記樹脂粒子の含有量としては、通常5〜60質量部であり、好ましくは10〜40質量部である。また、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液100質量部中における前記樹脂粒子の含有量としては、50質量部以下であればよく、2〜40質量部程度であるのが好ましい。
前記着色剤粒子等の含有量としては、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液100質量部中において、1〜10質量部程度であり、2〜6質量部程度が好ましい。
前記離型剤粒子等の含有量としては、前記凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中において、1〜20質量部程度であり、1〜10質量部程度が好ましい。前記含有量が5質量部より大きい場合、離型剤の種類によっては粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。この場合は、例えば樹脂粒子を生成させる時に、離型剤に対してシード重合を行うと前記問題を解決できる。
さらに、得られるトナーの帯電性を制御するために、前記帯電制御粒子及び前記樹脂粒子を前記凝集粒子が形成された後に添加する場合もある。
(分散液調製工程)
前記樹脂粒子分散液は、例えば、以下のようにして調製される。即ち、前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記分散の手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
前記着色剤粒子分散液、前記離型剤分散液、前記粒子分散液等は、例えば、前記着色剤粒子等の粒子を分散剤中に添加し、前記分散の手段を用いて分散させることにより調製される。
なお、前記着色剤粒子分散液、前記離型剤分散液、前記粒子分散液等の粒径測定は堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて行った。
(凝集工程)
前記凝集粒子形成は、前記混合液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製するものである。前記凝集粒子は、例えばpH調整剤、凝集剤、安定剤を該混合液中に添加し混合し、温度、機械的動力等を適宜加えることにより該混合液中に形成することができる。
pH調整剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ、硝酸、クエン酸等の酸があげられる。凝集剤としては、ナトリウム、カリウム等の1価の金属塩;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属塩;鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類があげられる。
安定剤としては、主に前記極性界面活性剤そのもの又はそれを含有する水系媒体などが挙げられる。例えば、前記水性分散液に含まれる極性界面活性剤がアニオン性の場合には、安定剤としてカチオン性のものを選択することができる。
前記凝集剤等の添加・混合は、前記混合液中に含まれる樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。前記混合は、例えばそれ自体公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナーの平均粒径と同じ程度になるように制御される。前記制御は、例えば、温度と前記撹拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。以上の凝集粒子形成工程により、トナーの平均粒径とほぼ同じ平均粒径を有する凝集粒子が形成され、該凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。
(熱融着工程)
前記熱融着工程は、前記凝集粒子を加熱して融着する工程である。融着工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、前記pH調整剤、前記極性界面活性剤、前記非極性界面活性剤等を適宜投入することができる。
前記加熱の温度としては、前記凝集粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜該樹脂の分解温度であればよい。したがって、前記加熱の温度は、前記樹脂粒子及び前記樹脂微粒子の樹脂の種類に応じて異なり、一概に規定することはできないが、一般的には前記凝集粒子又は前記付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜140℃である。なお、前記加熱は、それ自体公知の加熱装置・器具を用いて行うことができる。
前記融着の時間としては、前記加熱の温度が高ければ短い時間で足り、前記加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、前記融合の時間は、前記加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
(洗浄・乾燥工程)
本発明においては、融着工程の終了後に得られたトナーを、適宜の条件で洗浄、乾燥等することができる。なお、得られたトナーの表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
(外添工程)
本発明においては、必要に応じて、トナー粒子表面に外添剤として一般に知られている各種微粉末を添加することが出来る。
本発明に使用される外添剤は公知の無機微粉体あるいは樹脂粒子が用いられるが、帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の無機微粉体中から選ばれることが好ましい。
また、本発明に用いられる外添剤は、必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーンワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるいは、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能である。
例えば、シランカップリング剤としては、例えば代表的にはジメチルジクロルシラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等をあげることができる。上記無機微粉体のシランカップリング剤処理は、無機微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理又は、無機微粉体を溶媒中に分散させたシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた装置で処理することができる。
また外添方法としてはヘンシェルミキサー等、従来公知の方法が利用できる。
本発明における関係式(1)〜(3)を同時に達成する方法としては、例えば凝集、熟成工程において昇温速度および降温速度を調整する方法、また、熟成工程後のトナー粒子懸濁液に微弱な超音波振動を加え、一次粒子間の融着状態が弱いトナー粒子を予め崩壊させた後に、デカンテーションによって小粒径粒子を除去する方法等がある。
次に、本発明の画像形成方法及び、該方法を実施する画像形成装置ならびにプロセスカートリッジに関して図面を用いて説明する。
図4を用いてローラー部材を現像ローラーに当接させたプロセスカートリッジの構成について説明する。図4においてプロセスカートリッジには像担持体1、現像ローラー25、トナー供給剥ぎ取りローラー26等が設けられている。
トナー収納容器28内に収容されたトナー30はトナー撹拌部材29a、29bの回転に伴い現像容器31のトナー保持部31aに送られる。トナー供給剥ぎ取りローラー26はX方向に回転しており、トナー保持部31aにあるトナーを、Y方向に回転している現像ローラー25に塗布すると共に、像担持体1へ現像されなかった現像ローラー25上の未現像トナーの剥ぎ取りを行っている。トナー供給剥ぎ取りローラー26によって塗布されたトナーは弾性ブレード27によって規制され、現像ローラー25上に薄層形成される。そしてZ方向に回転している像担持体1上の潜像を現像し可視化する。
ここで、トナー供給剥ぎ取りローラー26の発泡弾性体表層における発泡部分の平均断面径は100〜500μmであることが必要であり、200〜400μmであることが好ましい。また、このときのトナー供給剥ぎ取りローラー26の周速は200〜250mm/secであることが必要である。
上述の発泡部分の平均断面径と、周速とを同時に満たすことによって、凝集トナーにおいても長期に渡って均質な画像を得ることができる。
発泡部分の平均断面径が100μm未満である場合には、評価初期時には問題ないものの、長期に渡る使用に伴い発泡セル内にパッキングされたトナーが排出されなくなるため、ハーフトーンガサが発生して好ましくない。また、平均断面径が500μmを超える場合には、トナーの剥ぎ取り能力に劣るものとなり、評価初期より均質なハーフトーン画像が得られない。
トナー供給剥ぎ取りローラー26の周速が200mm/sec未満である場合には、発泡セル内に入ったトナー粒子の循環が滞り、ハーフトーンガサが発生して好ましくない。また、周速が250mm/secを超える場合には、トナー担持体上の一部のトナーしか剥ぎ取ることが出来ず(取り残しが出来る)、ゴースト画像の原因となって好ましくない。
上述発泡部分の平均断面径については、超深度形状測定顕微鏡VK−8550(株式会社キーエンス製)を用い、倍率100倍の画像を異なる20視野で撮影して、100個の発泡部分について各発泡部のフェレ平均径を相加平均することにより求めた。なお、フェレ平均径とは垂直方向フェレ径(2本の垂直線で発泡部を挟んだときの垂直線間の距離)と水平方向フェレ径(2本の水平線で発泡部を挟んだときの水平線間の距離)を相加平均したものである。
また、本発明におけるトナー供給剥ぎ取りローラーの周速とは、該ローラーが他の部材に当接していない部位における、ローラー最表層の回転円接線方向の速度とする。
次いで、トナー担持体について述べる。
トナー担持体としては弾性ローラを用い、弾性ローラ表面等にトナーをコーティングしこれを感光体表面と接触させる方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
この場合、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラ間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラ表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利用できる。さらには、該導電性ローラ上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。トナー担持体としてのローラの抵抗値としては102〜109Ω・cmの範囲が好ましい。
本発明においては、トナー担持体である現像ローラのMD−1硬度が20〜40であることが必要である。
つまり、弾性ブレード27通過後のトナー層均一化の観点からMD−1硬度を20以上とすることが好ましく、現像ローラ表面層の表面の硬度が高いことによるストレスの発生に伴うフィルミング防止の観点からMD−1硬度を40以下とすることが好ましい。
MD−1硬度が20未満である場合には、現像ローラ上の現像剤層が不均一となり易く、ハーフトーン等の画像特性が劣るものとなるのに加えて、転写残トナー量が増大してフィルミング特性が悪化するため好ましくない。これはトナー規制部材によるトナー粒子への帯電付与が不均一となるためであると推察される。一方、MD−1硬度が40を超える場合には、連続印字評価および通常使用環境下での間歇印字評価では問題ないものの、高温高湿度条件下での長期に渡る間歇印字評価では現像ローラと感光ドラムとの摺擦によるトナーフィルミングが顕著なものとなるため、好ましくない。
なお、表面層を設けたローラのMD−1硬度はマイクロゴム硬度計MD−1型、TypeA(高分子計器社製)を用いて常温常湿(23℃、55%RH)の環境中に5時間以上放置したローラに対して、ローラの中心部分付近を5点に渡って測定し、その相加平均値により求めたものである。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗度Raはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601(2001)」に基づき、表面粗さ測定器(小坂研究所社製「サーフコーダSE−30H」)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを言う。
本発明の画像形成方法においては、トナー担持体は感光体の周速同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムもしくは感光体ベルトが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
次に、弾性ブレードについて述べる。
トナーコート量は弾性ブレード27により制御されるが、この弾性ブレード27はトナー層を介して現像ローラー25に接触している。この時の弾性ブレード27と現像ローラー25との接触圧は、現像ローラー25母線方向の線圧として0.05N/cm以上0.5N/cm以下が好ましい範囲である。
尚、線圧とは弾性ブレード27の長さ当たりに加えられる荷重のことであり、例えば1mの当接長さを有する弾性ブレード27に1.2Nの荷重を加えて現像ローラー25に接触させた場合、線圧は1.2N/mとなる。0.05N/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリの悪化等の原因となる。一方、0.5N/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形や弾性ブレード27或いは現像ローラー25へのトナーの融着等が発生しやすくなり、好ましくない。
弾性ブレード27の自由端部はどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。
トナー規制部材としては、基材としてステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体を用い、スリーブ当接部に当る部位に樹脂を接着あるいはコーティング塗布したものが好適に用いられる。
またさらに、トナー規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置について、順次説明する。
図1はフルカラー画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。
フルカラー画像形成装置は、垂直方向に並設された4個の感光ドラム1a,1b,1c,1dを備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電装置2(2a、2b、2c、2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上の静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置4(4a、4b、4c、4d)、感光体ドラム1上のトナー像を転写材Sに転写させる静電転写装置5、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーニング装置6(6a、6b、6c、6d)等が配設されている。
ここで、感光体ドラム1と帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置6は一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7を形成している。
以下、感光体ドラム1から順に詳述する。
感光体ドラム1は、例えば直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されており、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
帯電装置2としては、接触帯電方式のものを使用することができる。帯電部材は、ローラ状に形成された導電性ローラであり、このローラを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラに帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
スキャナユニット3は、感光ドラム1の略水平方向に配置され、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9に反射した画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を選択的に露光して静電潜像を形成するように構成している。
現像装置4a,4b,4c,4dはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを夫々収納した現像器から構成される。
すべての感光体ドラム1a,1b,1c,1dに対向し、接するように循環移動する静電転写ベルト11が配設される。静電転写ベルト11は1011〜1014Ω・cmの体積固有抵抗を持たせた厚さ約150μmのフィルム状部材で構成される。この静電転写ベルト11は、垂直方向に4軸でローラに支持され、図中左側の外周面に転写材Sを静電吸着して上記感光体ドラム1に転写材Sを接触させるべく循環移動する。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この静電転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1a,1b,1c,1dに対向した位置に転写ローラ12(12a,12b,12c,12d)が並設される。これら転写ローラ12から正極性の電荷が静電転写ベルト11を介して転写材Sに印可され、この電荷による電界により、感光体ドラム1に接触中の用紙に、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。
静電転写ベルト11は周長約700mm、厚み150μmのベルトであり、駆動ローラ13、従動ローラ14a、14b、テンションローラ15の4本のローラにより掛け渡され、図の矢印方向に回転する。これにより、上述した静電転写ベルト11が循環移動して転写材Sが従動ローラ14a側から駆動ローラ13側へ搬送される間にトナー像を転写される。
給紙部16は、画像形成部に転写材Sを給紙搬送するものであり、複数枚の転写材Sが給紙カセット17に収納されている。画像形成時には給紙ローラ18(半月ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて駆動回転し、給紙カセット17内の転写材Sを1枚毎分離給送するとともに、転写材S先端はレジストローラ対19に突き当たり一旦停止し、ループを形成した後静電転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、レジストローラ対19によって静電転写ベルト11へと給紙されていく。
定着部20は、転写材Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものであり、回転する加熱ローラ21aと、これに圧接して転写材Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21bとからなる。
すなわち、感光体ドラム1上のトナー像を転写した転写材Sは定着部20を通過する際に定着ローラ対21で搬送されるとともに、定着ローラ対21によって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が転写材S表面に定着される。
画像形成の動作としては、プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dが、印字タイミングに合わせて順次駆動され、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラ2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与し、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面上に静電潜像を形成する。現像装置4内の現像ローラは、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1周面上のトナー像の先端が、静電転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に転写材Sの印字開始位置が一致するように、レジローラ対19が回転を開始して転写材Sを静電転写ベルト11へ給送する。
転写材Sは静電吸着ローラ22と静電転写ベルト11とによって挟み込むようにして静電転写ベルト11の外周に圧接し、かつ静電転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧を印加することにより、誘電体である転写材Sと静電転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起し、転写材を静電転写ベルト11の外周に静電吸着するように構成している。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。
このように搬送されながら転写材Sは、各感光体ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
4色のトナー像を転写された転写材Sは、ベルト駆動ローラ13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。転写材Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラ対23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
本発明の画像形成方法は、中間転写体を用いる画像形成装置においても好適に用いることが出来る。
図2に、本発明の画像形成方法を中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成装置の一例の概略構成図を示す。
図2において、7a〜7dはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像装置、121は光源装置、122はレーザー光、20は定着装置、124は現像ユニット、125は中間転写体である中間転写ドラム、125aは導電性支持体、125bは弾性層、126はバイアス電源、127は転写材トレイ、128は二次転写装置であり、図1と同じ部材には同じ符号を付した。
静電潜像担持体としての感光体ドラム1の表面に、帯電部材としての帯電バイアス電圧が印加された回転可能な帯電ローラ2を回転させながら接触させて、感光体ドラム1表面を均一に一次帯電し、露光手段としての光源装置121より発せられたレーザー光122により、感光体ドラム1上に第1の静電潜像を形成する。形成された第1の静電潜像は、回転可能な現像ユニット124に設けられている第1の現像装置としてのイエロー現像装置7a中のイエロートナーにより現像され、イエロートナー像を形成する。感光体ドラム1上に形成されたイエロートナー像は、中間転写ドラム125の導電性支持体125aに印加される転写バイアス電圧の作用により、中間転写ドラム125上に静電的に一次転写される。次に、上記と同様にして感光体ドラム1の表面に第2の静電潜像を形成し、現像ユニット124を回転して、第2の現像装置としてのマゼンタ現像装置7b中のマゼンタトナーにより現像してマゼンタトナー像を形成し、イエロートナー像が一次転写されている中間転写ドラム125上にマゼンタトナー像を静電的に一次転写する。同様にして、第3の静電潜像及び第4の静電潜像を現像ユニット124を回転して、第3の現像装置としてのシアン現像装置7c中のシアントナー及び第4の現像装置としてブラック現像装置7d中のブラックトナーにより、順次現像及び一次転写を行って、中間転写ドラム125上に各色のトナー像をそれぞれ一次転写する。中間転写ドラム125上に一次転写された多重トナー像は、転写材Sを介して反対側に位置する二次転写装置128からの転写バイアス電圧の作用により、転写材Sの上に静電的に一括に二次転写される。転写材S上に二次転写された多重トナー像は加熱部材21a及び加圧部材21bを有する定着装置20により転写材Sに加熱定着される。転写後に感光体ドラム1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー6で回収され、感光体ドラム1はクリーニングされる。
感光体ドラム1から中間転写ドラム125への一次転写は、一次転写装置としての中間転写ドラム125の導電性支持体125aに、バイアス電源126よりバイアスを付与することで転写電流が得られ、トナー画像の転写が行われる。
中間転写ドラム125は、剛体である導電性支持体125aと、表面を覆う弾性層125bよりなる。導電性支持体125aとしては、アルミニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、及びカーボンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ、その形状としては円筒状や、円筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したもの等が挙げられる。
弾性層125bとしては、特に制約されるものではないが、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等のエラストマーゴムが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂及びこれらの共重合体や混合物を用いても良い。
また、弾性層125bのさらに表面に、潤滑性、撥水性の高い滑剤粉体を任意のバインダー中に分散した表面層を設けても良い。
滑剤は特に制限はないが、各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素化合物、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系化合物、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
また、表面層のバインダー中に、抵抗を制御するために導電剤を適時添加しても良い。導電剤としては、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂及び導電性粒子分散樹脂等が挙げられる。
中間転写ドラム125上の多重トナー像は、二次転写装置128により転写材S上に一括に二次転写されるが、転写装置128としてはコロナ帯電器による非接触静電転写手段或いは転写ローラ及び転写ベルトを用いた接触静電転写手段が使用可能である。
図2に示した画像形成装置が用いている中間転写体としての中間転写ドラム125に代えて、中間転写ベルトを用いて多重トナー像を記録材に一括転写することも可能である。中間転写ベルトを用いた装置の概略構成図を図3に示す。
図3において、130は中間転写ベルト、131は中間転写ベルト130を掛け渡すベルト支持ローラ、132は一次転写ローラ、133aは二次転写対向ローラ、133bは二次転写ローラ、134〜136はバイアス電源、139はクリーニング用帯電部材であり、図1〜図2と同じ部材には同じ符号を付した。
図3の構成において、感光体ドラム1上に形成担持されたトナー画像は、感光体ドラム1と中間転写ベルト130とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ132から中間転写ベルト130に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト130の外周面に順次一次転写される。
感光体ドラム1から中間転写ベルト130への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性で、バイアス電源134から印加される。
感光体ドラム1から中間転写ベルト130への第1〜第4色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ133b及びクリーニング用帯電部材139は中間転写ベルト130から離間することも可能である。
133bは二次転写ローラで、二次転写対向ローラ133aに対応し平行に軸受させて中間転写ベルト130の下面部に離間可能な状態に配設してある。
中間転写ベルト130上に転写された合成カラートナー画像の転写材Sへの転写は、二次転写ローラ133bが中間転写ベルト130に当接されると共に、中間転写ベルト130と二次転写ローラ133bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Sが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源136から二次転写ローラ133bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト130から転写材Sへ合成カラートナー画像が二次転写される。
転写材Sへの画像転写終了後、中間転写ベルト130にはクリーニング用帯電部材139が当接され、感光体ドラム1とは逆極性のバイアスをバイアス電源135から印加することにより、転写材Sに転写されずに中間転写ベルト130上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光体ドラム1と逆極性の電荷が付与される。次いで、該転写残トナーは、感光体ドラム1とのニップ部及びその近傍において感光体ドラム1に転写されることにより、中間転写ベルト130がクリーニングされる。
中間転写ベルト130は、ベルト形状の基層と基層の上に設けられる表面処理層よりなる。尚、表面処理層は複数の層により構成されていても良い。
基層及び表面処理層には、ゴム、エラストマー、樹脂を使用することができる。例えばゴム、エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びフッ素樹脂系等)等からなる群より選ばれる1種類或いは2種類以上を使用することができる。但し、上記材料に限定されるものではない。また、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂を使用することができる。これら樹脂の共重合体や混合物を用いても良い。
基層としては上述のゴム、エラストマー、樹脂をフィルム状にして使用することができる。また、これらの物質を、織布形状、不織布形状、糸状、フィルム形状をした芯体層の片面或いは両面に上述のゴム、エラストマー、樹脂を被覆、浸漬、噴霧したものを使用しても良い。
芯体層を構成する材料は、例えば綿、絹、麻及び羊毛等の不然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維維及び再生セルロース繊維等の再生織維;アセテート繊維等の半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリフロロエチレン繊維及びフェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、硝子繊維及びボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維及び銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種或いは2種以上を用いることができる。もちろん、上記材料に限定されるものではない。
さらに、中間転写ベルト130の低抗値を調節するために基層及び表面処理層中に導電剤を添加しても良い。導電剤としては特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、及び4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含ホウ素高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等からなる群より選ばれる1種或いは2種以上を用いることができる。但し、上記導電剤に限定されるものではない。
また、中間転写ベルト130表面の滑り性を上げ、転写性を向上するために必要に応じて滑剤を添加しても良い。該滑剤としては特に制限はないが、各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系化合物、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
以下、本発明を製造例および実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例等における「部」は「質量部」である。
(離型剤微粒子分散液1の調製)
脱塩水78.33部、ベヘン酸ベヘニルを主体とするエステル化合物(ユニスターM−2222SL、日本油脂製)20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.7部を混合し、90℃にて高圧剪断をかけ乳化し、離型剤微粒子分散液1を得た。平均粒径は340nmであった。
(離型剤微粒子分散液2の調製)
エステル化合物をステアリン酸ステアリルを主体とするエステル化合物(ユニスターM9676、日本油脂製)20部に変更する以外には、離型剤微粒子分散液1と同様の方法にて分散液2を得た。平均粒径は350nmであった。
(樹脂微粒子分散液1の調製)
反応器(高剪断撹拌装置付き、容積1リットルフラスコ)に、イオン交換水150部、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3.5部を添加した。
次いで、
・スチレン 71部
・nブチルアクリレート 29部
・アクリル酸 3部
・ジビニルベンゼン 0.95部
・オクタンチオール 0.35部
・四臭化炭素 0.7部
以上を混合し、溶解したものを、反応器に添加し、ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3.2部を溶解したイオン交換水10部を10分間かけて滴下した。10分後、内容物を撹拌しながら内容物が65℃になるまでオイルバスで加熱し、1時間後さらに70℃に昇温して4時間窒素雰囲気下にて乳化重合を継続した。所定時間後、毎分2℃の降温速度にて室温になるまで冷却を行った。こうして、平均粒径が0.07μmである樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散液1を調製した。
(樹脂微粒子分散液2の調製)
樹脂微粒子の構成材料を
・スチレン 75部
・nブチルアクリレート 23部
・アクリル酸 2部
・ジビニルベンゼン 1.15部
・四臭化炭素 0.7部
・2−メチルカプトエタノール 3.0部
とすること以外には樹脂微粒子分散液1と同様の製法にて、平均粒径が0.09μmである樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散液2を調製した。
(着色剤微粒子分散液1の調製)
・C.I.ピグメントブルー15:3 25部
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(帯電制御微粒子分散液の調製)
・ジ−アルキル−サリチル酸の金属化合物 20部
(帯電制御剤、ボントロンE−84、オリエント化学工業社製)
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この帯電制御微粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれる帯電制御粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(トナー製造例1)
・樹脂微粒子分散液1 360部
・着色剤微粒子分散液1 40部
・離型剤微粒子分散液1 70部
・帯電制御粒子分散液 7部
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットルフラスコ、バッフル付きアンカー翼)に樹脂微粒子分散液1とアニオン性界面活性剤を仕込み、均一に混合してから着色剤微粒子分散液を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.6部、滴下した(凝集工程)。
滴下終了後、窒素を用いて系内を置換し、50℃にて1時間、さらに55℃にて1時間保持した。
所定時間終了後、帯電制御微粒子分散液、離型剤微粒子分散液1、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.6部)を添加してから60℃にて1時間、90℃にて30分保持した(熱融着工程)。このときの反応は窒素雰囲気下で行った。
所定時間終了後、毎分0.5℃の降温速度にて室温になるまで冷却を行った。
冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、45℃で流動層乾燥を行い、トナー粒子1を得た。このトナー粒子1,000部に対し、BET比表面積の値が50(m2/g)の疎水性シリカ0.7部を撹拌混合してトナー1を得た。トナー1の物性については表1に示す。
(トナー製造例2)
・樹脂微粒子分散液2 360部
・着色剤微粒子分散液1 40部
・離型剤微粒子分散液2 70部
・帯電制御粒子分散液 7部
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットルフラスコ、バッフル付きアンカー翼)に樹脂微粒子分散液2、標準ポリスチレン粒子とアニオン性界面活性剤を仕込み、均一に混合してから着色剤分散液を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.6部、滴下した。
滴下終了後、窒素を用いて系内を置換し、50℃にて1時間、さらに55℃にて1時間保持した。
所定時間終了後、帯電制御微粒子分散液、離型剤微粒子分散液1、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.6部)を添加してから60℃にて1時間、90℃にて30分保持した。このときの反応は窒素雰囲気下で行った。
所定時間終了後、毎分0.5℃の降温速度にて冷却を行い、系内が70℃になった時点でスチレン3部および過硫酸カリウム0.1部を5分かけて滴下した。なお、滴下中も毎分2℃の降温速度は維持した。
系内の温度が60℃になったところで冷却を中断し、60℃にて2時間保持した。所定時間終了後、毎分0.5℃の降温速度にて室温になるまで冷却を行った。
冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、45℃で流動層乾燥を行い、トナー粒子2を得た。このトナー粒子1,000部に対し、BET比表面積の値が50(m2/g)の疎水性シリカ0.7部を撹拌混合してトナー2を得た。トナー2の物性については表1に示す。
(トナー製造例3)
凝集粒子の熱融着工程を経て、反応液を室温まで冷却するところまではトナー製造例1と同様にしてトナー粒子分散液を得た。
得られたトナー粒子分散液を沈殿が生じない程度の速度でゆっくり撹拌しながら、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したものを用いて、20kHz,10w/10cm2の超音波を該トナー粒子分散液に10分間照射した。
その後、デカンテーション(24時間分散液を静置した後、全分散液の70体積%にあたる上澄み液を除去し、同体積のイオン交換水を添加する)を2回繰り返すことにより、超音波照射によって生じた小粒径粒子を除去した。
生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、45℃で流動層乾燥を行い、トナー粒子1を得た。このトナー粒子1,000部に対し、BET比表面積の値が50(m2/g)の疎水性シリカ0.7部を撹拌混合してトナー3を得た。トナー3の物性については表1に示す。
(トナー製造例4)
凝集工程として、硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.3部添加すること、および熱融着工程後の降温速度を毎分1℃にすること以外はトナー製造例1と同様にしてトナー4を得た。トナー4の物性については表1に示す。
(トナー製造例5)
熱融着工程として、硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.3部添加すること、および熱融着工程後の降温速度を毎分1℃にすること以外はトナー製造例1と同様にしてトナー5を得た。トナー5の物性については表1に示す。
(トナー製造例6)
超音波分散時の分散強度を20kHz,50w/10cm2とし、且つ分散時間を30分にすること以外はトナー製造例3と同様にしてトナー6を得た。トナー6の物性については表1に示す。
(トナー製造例7)
熱融着工程後の降温速度を毎分5℃にすること以外はトナー製造例1と同様にしてトナー4を得た。トナー4の物性については表1に示す。
(トナー製造例8)
トナー粒子1を100部用い、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミル(ホソカワミクロン(株)製)で粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微粉砕物を風力分級してトナー粒子8を得た。このトナー粒子1,000部に対し、BET比表面積の値が50(m2/g)の疎水性シリカ0.7部を撹拌混合してトナー8を得た。トナー8の物性については表1に示す。
トナー担持体R1〜R6の製造例について以下に示す。なお、本発明におけるイソシアネートの固形分当たりのイソシアネート基の比率(NCO%)の測定は、イソシアネート合成の際、ブロック剤と反応させる前にサンプリングし測定した。NCO%の値は、試料をトルエンに溶解し、ジブチルアミン0.5mol/lモノクロロベンゼン溶液を加え還流条件下30分間加熱反応させ、室温まで冷却後助溶剤としてメタノールを加え、過剰のアミンを0.5mol/l塩酸で逆滴定して求めた値を固形分換算した。
(トナー担持体R1の製造例)
軸芯体としてSUS製の円柱にニッケルメッキを施し、さらにシランカップリング系プライマーを塗布、焼付けしたものを用いた。
軸芯体を金型に配置し、金型を100℃,5分間加熱し、液状であるシリコーンゴム材料SE6724A/B(商品名、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)100部およびカーボンブラックトーカブラック#7360SB(商品名、東海カーボン社製)35部を混合したシリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、100℃,15分加熱することによりシリコーンゴムを硬化し、冷却した後に脱型した後、さらに180℃、1時間加熱し、厚さ4mmの導電性弾性層を軸芯体の外周に設けた。このときの導電性弾性層の硬度(アスカーC)は35度であった。
ポリテトラメチレングリコールPTG1000SN(商品名、保土谷化学社製)100部に、イソシアネート化合物ミリオネートMT(商品名、日本ポリウレタン工業社製)23部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下80℃にて7時間反応させて、重量平均分子量Mw=11000、水酸基価20のポリウレタンポリオールを得た。
窒素雰囲気下、数平均分子量500のポリプロピレングリコール100部に対し、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(MDI)43部を90℃で2時間加熱反応した後、ブチルセロソルブを固形分70%になるように加えた。このときの固形分当たりのイソシアネート基の比(NCO%)は4%であった。その後反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを14部滴下し、ブロックポリイソシアネートAを得た。
上記ポリオールに対し、ブロックポリイソシアネートAをNCO/OH基比が1.4になるように混合し、カーボンブラックMA11(商品名、三菱化学社製)を樹脂固形分に対し30部混合し、総固形分比30質量%になるようにMEKに溶解、混合し、サンドミルにて均一に分散し、分散液を得た。
この液中に弾性層が設けられた軸芯体を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、170℃にて1.5時間加熱処理することで表面層を弾性層の外周に設け、トナー担持体R1を得た。
トナー担持体R1のMD−1硬度を測定したところ、32であった。
(トナー担持体R2の製造例)
BET比表面積の値が50(m2/g)のシリカ粉体0.7部を新たに加えたシリコーンゴム組成物を用いること以外には、トナー担持体R1の製造例と同様の方法にて厚さ4mmの導電性弾性層を軸芯体の外周に設けた。このときの導電性弾性層の硬度(アスカーC)は39度であった。
次いで窒素雰囲気下において、数平均分子量500のポリプロピレングリコール100部に対し、MDI160部を90℃で2時間加熱反応した後、ブチルセロソルブを固形分70%になるように加えた。このときの固形分当たりのイソシアネート基の比(NCO%)は12%であった。その後反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを78部滴下し、ブロックポリイソシアネートBを得た。
ブロックポリイソシアネートBを用いること以外には、トナー担持体R1の製造例と同様の方法にてトナー担持体R2を得た。
トナー担持体R2のMD−1硬度を測定したところ、38であった。
(トナー担持体R3の製造例)
トナー担持体R1の製造例と同様にして導電性弾性層、ポリウレタンポリオールおよびブロックポリイソシアネートAを得た。
上記ポリオールに対し、ブロックポリイソシアネートAをNCO/OH基比が2.5になるように混合し、カーボンブラックMA11(商品名、三菱化学社製)を樹脂固形分に対し20部混合し、総固形分比10質量%になるようにMEKに溶解、混合し、サンドミルにて均一に分散し、分散液を得た。
この液中に弾性層が設けられた軸芯体を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、110℃にて1.5時間加熱処理することで表面層を弾性層の外周に設け、トナー担持体R3を得た。
トナー担持体R3のMD−1硬度を測定したところ、21であった。
(トナー担持体R4の製造例)
トナー担持体R3の製造例においてカーボンブラックMA11を用いることなく、また、表面層形成時の加熱処理を90℃にて0.5時間とすること以外には、トナー担持体R3の製造例と同様にしてトナー担持体R4を得た。
トナー担持体R4のMD−1硬度を測定したところ、16であった。
(トナー担持体R5の製造例)
カーボンブラックトーカブラック#7360SBの添加量を85部に変更すること以外にはトナー担持体R1の製造例と同様の方法にて導電性弾性層を設けた。このときの導電性弾性層の硬度(アスカーC)は40度であった。
ポリウレタンポリオールの製造方法はトナー担持体R1の場合と同様に行った。
窒素雰囲気下、数平均分子量500のポリプロピレングリコール100部に対し、MDI200部を90℃で2時間加熱反応した後、ブチルセロソルブを固形分80%になるように加えた。このときの固形分当たりのイソシアネート基の比(NCO%)は18%であった。その後反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを133部滴下し、ブロックポリイソシアネートCを得た。
上記ポリオールに対し、ブロックポリイソシアネートCをNCO/OH基比が2.7になるように混合し、カーボンブラックMA11(商品名、三菱化学社製)を樹脂固形分に対し30部混合し、総固形分比30質量%になるようにMEKに溶解、混合し、サンドミルにて均一に分散し、分散液を得た。
この液中に弾性層が設けられた軸芯体を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、170℃にて2.5時間加熱処理することで表面層を弾性層の外周に設け、トナー担持体R5を得た。
トナー担持体R5のMD−1硬度を測定したところ、44であった。
トナー供給剥ぎ取りローラーr1〜r6の製造例について、以下に記す。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例)
軸芯体としてSUS製の円柱にニッケルメッキを施し、さらにシランカップリング系プライマーを塗布、焼付けしたものを用いた。
一方、FA−718(三洋化成工業株式会社製ポリエーテルポリオール、OH価=28)100部、カオライザーNo.1(花王株式会社製三級アミン触媒)0.5部、水:2.5部、SZ−1313(日本ユニカー株式会社製シリコーン系整泡剤)1部、スミジュール44V−20(住友バイエルウレタン株式会社製クルードMDI、NCO%=31)27.8部、及びTDI−80(三井東圧化学株式会社製TDI、NCO%=48)20.5部を配合せしめて、目的とするポリウレタン原料を調製した。
次いで、上記配合組成のポリウレタン原料を用いて、型内密度(型の内部容積に対するポリウレタン原料の投入量)が5.0g/cm3になるように仕込み、軸芯体を回転軸中心となるよう型内に配置した後、従来と同様にして発泡成形することにより、トナー供給剥ぎ取りローラーr1を得た。
発泡部分の平均断面径について、超深度形状測定顕微鏡VK−8550(株式会社キーエンス製)を用いて求めたところ、390μmであった。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr2の製造例)
ポリウレタン原料の型内密度が8.3g/cm3になるように仕込むこと以外には、トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例と同様にして、トナー供給剥ぎ取りローラーr2を得た。
発泡部分の平均断面径について求めたところ、210μmであった。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr3の製造例)
水の添加量を4.0部にすること、およびSZ−1313の添加量を1.5部とすること以外には、トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例と同様にして、トナー供給剥ぎ取りローラーr3を得た。
発泡部分の平均断面径について求めたところ、480μmであった。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr4の製造例)
水の添加量を1.7部にすること、およびポリウレタン原料の型内密度が8.3g/cm3になるように仕込むこと以外には、トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例と同様にして、トナー供給剥ぎ取りローラーr3を得た。
発泡部分の平均断面径について求めたところ、170μmであった。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr5の製造例)
水を2.5部添加することに変えて、水−メタノール混合溶媒(75質量%:25質量%)を3.4部添加すること、およびSZ−1313の添加量を1.7部とすること以外には、トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例と同様にして、トナー供給剥ぎ取りローラーr5を得た。
発泡部分の平均断面径について求めたところ、610μmであった。
(トナー供給剥ぎ取りローラーr6の製造例)
水の添加量を0.5部とし、SZ−1313を無添加とすること以外には、トナー供給剥ぎ取りローラーr1の製造例と同様にして、トナー供給剥ぎ取りローラーr5を得た。
発泡部分の平均断面径について求めたところ、90μmであった。
〔評価例1〜8〕(実施例1〜5および比較例1〜3)
得られたトナー1乃至トナー8を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
画像形成装置としては市販のレーザプリンタLBP−2510(キヤノン製)の改造機を用い、23℃,40%RH環境下でA4のCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)カートリッジのギアを交換することにより、トナー供給剥ぎ取りローラーの周速が240mm/secとなるようにした。
(3)トナー担持体をR1に変更した。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを180g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
評価は途中でCRGにトナーを再充填する時を除き、15030枚の連続印字評価とした。15030枚の画像の印字内容は以下のとおりである。
・1枚目、1000枚目、5000枚目、15000枚目:ハーフトーンガサ評価画像
・10枚目、1010枚目、5010枚目、14980枚目:ゴースト評価画像
・20枚目、1020枚目、5020枚目、14990枚目:画像濃度評価画像
・15000〜15030枚:印字比率の変化を伴う評価(画像評価は15030枚目)
・上述以外:印字比率が1%である文字画像
評価枚数が8000枚となった時点で一旦カートリッジを評価機より取り出し、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを再度180g充填して評価を継続した。
ゴースト画像評価
評価画像としては、印刷方向に先端7cmまでは10ポイントで文字を印字し(背景は白地)、先端7cm以降は印字率15%のハーフトーン画像を印字している画像を用いた。
ゴーストが発生する場合には、ハーフトーン部に文字画像が白く現れる。ゴースト画像を模式的に表した画像を図5に示す。ゴースト画像の評価方法としては、以下の評価基準で行った。
a:肉眼でゴースト文字画像が確認できない
b:肉眼でゴースト文字画像が1〜2個確認できる
c:肉眼でゴースト文字画像が3〜7個確認できる
d:肉眼でゴースト文字画像が8個以上確認できる
画像濃度評価
評価画像としては、印刷方向上半分は100%濃度の全ベタ画像、印刷方向下半分は印字率50%のハーフトーン画像を用いた。
全ベタ画像部、およびハーフトーン画像部それぞれの任意の5点について画像濃度を測定し、その相加平均値を算出した。
画像濃度の測定については「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて行った。
ハーフトーンガサ評価
評価画像としては、印字率5%の均一なハーフトーン画像を用いた。ハーフトーンガサの評価方法としては、以下の評価基準で行った。
a:肉眼で均一な画像と判断できる
b:肉眼で極少量のガサつきが全体に見られるが、実用上問題ないレベルである。
c:肉眼で1〜2箇所に画像ガサつきが認められる。
d:全体がガサついており、実用上問題のあるレベルである。
急激な印字比率の変化を伴う評価
印字比率70%のハーフトーン画像を25枚連続して出力した後、印字比率3%のハーフトーン画像を4枚出力した。その後、印字比率5%のハーフトーン画像を出力し、この印字比率5%画像を用いて以下の基準により評価を行った。
a:肉眼で均一な画像と判断できる
b:肉眼で極少量のガサつきが全体に見られるが、実用上問題ないレベルである。
c:肉眼で1〜2箇所に画像ガサつきが認められる。
d:全体がガサついており、実用上問題のあるレベルである。
実施例1〜5および比較例1〜3の評価結果について、表3に示す。
〔評価例9〕(実施例6)
トナー供給剥ぎ取り部材のローラー周速を205mm/secに変更すること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。実施例6の評価結果について表3に示す。
〔評価例10〕(実施例7)
トナー担持体としてR2、トナー供給剥ぎ取り部材としてr2を用いること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。
R2およびr2の物性について表2に示し、実施例7の評価結果について表3に示す。
〔評価例11〕(実施例8)
トナー担持体としてR3、トナー供給剥ぎ取り部材としてr3を用いること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。
R3およびr3の物性について表2に示し、実施例8の評価結果について表3に示す。
〔評価例12〕(実施例9)
トナー担持体としてR3、トナー供給剥ぎ取り部材としてr4を用い、トナー供給剥ぎ取り部材のローラー周速を205mm/secに変更すること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。
r4の物性について表2に示し、実施例9の評価結果について表3に示す。
〔評価例13〕(比較例4)
トナー担持体としてR4、トナー供給剥ぎ取り部材としてr5を用い、トナー供給剥ぎ取り部材のローラー周速を300mm/secに変更すること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。
R4およびr5の物性について表2に示し、比較例4の評価結果について表3に示す。
〔評価例12〕(比較例5)
トナー担持体としてR5、トナー供給剥ぎ取り部材としてr6を用い、トナー供給剥ぎ取り部材のローラー周速を180mm/secに変更すること以外には、評価例1と同様の方法にて評価を行った。
R5およびr6の物性について表2に示し、比較例5の評価結果について表3に示す。