JP5412752B2 - 静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置に関する。
電子写真法など静電潜像(静電荷像)を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に形成される静電潜像が静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)により現像されて、転写、定着工程を経て可視化される。現像に用いられる現像剤にはトナーと静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と呼ぶ場合がある)とを含む二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがあるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。
キャリアは、一般に磁性粒子(コア粒子)表面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアと、表面に被覆層を有しない非被覆キャリアとに大別されるが、樹脂被覆キャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性、経時安定性の改善が比較的容易である。また、現像方法としては、古くはカスケード法などが用いられていたが、現在は現像剤搬送単体として磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分現像剤用現像装置(以下、現像器と呼ぶ場合がある)としては、上記トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を撹拌混合して帯電させ、磁力を有する円筒形スリーブ(以下、現像スリーブと呼ぶ場合がある)を介して感光体表面の静電潜像にトナーを現像する方式が広く用いられている。また、キャリアの芯材の空隙により高画質を維持するという提案がなされている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−296846号公報 特開2007−57943号公報 特開平5−341578号公報
本発明は、特に高速出力時に発生する、現像スリーブ上から感光体側へのキャリア飛散に起因する感光体の傷による白抜けなどの画像欠陥を抑制することができる静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置である。
本発明は、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は前記コア粒子の表面が樹脂粒子で被覆されて内部に空隙が形成されたものであり、前記樹脂被覆層の断面における前記樹脂被覆層の面積をS1、前記空隙の面積をS2としたときに、下記式(1)で定義される空隙比率Rが、0.10以上0.20以下の範囲である静電荷像現像用キャリアと、
R=S2/S1 (1)
形状係数が100以上125以下の範囲であり、かつ微粉側粒度分布が1.25以下である静電荷像現像用トナーと、を含有する静電荷像現像用現像剤である。
また、前記静電荷像現像用現像剤において、前記キャリアの形状係数が、100以上130以下の範囲であることが好ましい。
また、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、前記現像剤は、前記静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1によれば、上記式(1)で定義される空隙比率Rが本範囲外の場合に比べて、特に高速出力時に発生する、現像スリーブ上から感光体側へのキャリア飛散に起因する感光体の傷による白抜けなどの画像欠陥を抑制することが可能な静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、キャリアの形状係数が本範囲外の場合に比べて、特に高速出力時に発生する、現像スリーブ上から感光体側へのキャリア飛散に起因する感光体の傷による白抜けなどの画像欠陥をより抑制することが可能な静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項によれば、トナーの形状係数および微粉側粒度分布がRが本範囲外の場合に比べて、特に低温低湿下、高速出力時に発生する、画像濃度低下、高濃度のパッチ画像の(画像の進行方向に対して)後端の画像濃度が低くなる後端欠け(trail edge delation:「TED」と記載する場合がある)や、高濃度部を後に持つ中間濃度部の後端の画像濃度が薄くなるスタベーション(「STV」と記載する場合がある)と呼ばれる画像欠陥がほとんど発生しない、静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項によれば、トナーの形状係数および微粉側粒度分布がRが本範囲外の場合に比べて、特に低温低湿下、高速出力時に発生する、画像濃度低下、TEDや、STVなどの画像欠陥がより発生しない、静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項によれば、上記式(1)で定義される空隙比率Rが本範囲外の場合に比べて、特に高速出力時に発生する、現像スリーブ上から感光体側へのキャリア飛散に起因する感光体の傷による白抜けなどの画像欠陥を抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用キャリアおよび静電荷像現像用現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリアは、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有する。本実施形態に係る静電荷像現像用キャリアにおいて、樹脂被覆層の内部に空隙を有し、樹脂被覆層の断面における樹脂被覆層の面積をS1、空隙の面積をS2としたときに、下記式(1)で定義される空隙比率Rが、0.05以上0.30以下の範囲である。
R=S2/S1 (1)
また、本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、トナーおよびキャリアを含み、キャリアが上記静電荷像現像用キャリアである。すなわち、本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、トナーおよびキャリアを含む二成分現像剤である。
キャリアが引き起こす出力画像の欠陥として、白抜けといった点状、または筋状の画像欠陥がある。これはキャリア粒子が現像機内、主として現像スリーブ上から感光体側へ飛散し、画像形成プロセス中に、感光体が他の部材、たとえば紙や中間転写ベルトなどの被転写材料、クリーニングブレードなどのクリーニング部材などとの接触時に、それら部材と感光体表面との間でキャリア粒子が摺擦され、感光体表面に引っかき傷を発生させたり、付き刺さることで感光層を破損させてしまうことが原因と考えられる。その結果、感光層の静電潜像形成に欠陥を生じ、出力画像に白抜けとして発生することがある。
電子写真法を利用した複写機、プリンタはさらなる小型化、高速プリント性能が求められているが、特に高速出力の画像形成装置の場合、印刷出力速度に応じてトナーを静電潜像に供給する必要があるため、現像スリーブの周速度を上げる必要がある。現像スリーブの周速度を上げることは、現像器内および現像スリーブ表面でのキャリア運動量を上げることになり、結果的にキャリア飛散の増加を引き起こし、前述したキャリア起因の画像欠陥の発生が顕著になる場合がある。
本発明者らは、特に高速出力時に発生する、感光体の傷による画像欠陥を抑制するために、飛散したキャリアにより画像欠陥が発生した感光体の傷の状態を詳細に分析調査した。その結果、以下の知見を得た。すなわち、
(1)キャリア粒子の飛散を完全になくすことは現実的には困難である。
(2)感光体に付き刺さったキャリアは割れて鋭利になったキャリア破片である場合が多い。
(3)クリーニングブレード部へ入り込んだキャリアがブレード通過時に感光体へ傷を付ける場合が多い。
本発明者らは、これらの分析知見を踏まえ、キャリア起因の画像欠陥を抑制するためには、割れにくく、感光体表面に移行してもクリーニングブレードでの傷発生が起こりにくいキャリアが効果的であると考え、そのような効果を示すキャリア構造を鋭意検討した結果、上記構成のキャリアであれば、キャリア起因の画像欠陥を抑制することができることを見出した。
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリアによれば、キャリアの樹脂被覆層が、適度な範囲の比率で空隙を有する構造を有することで、現像器内での混合、撹拌によりキャリア粒子が受けるエネルギを空隙の緩衝作用で逃がすことができ、キャリア粒子の割れを抑制することができると考えられる。
さらにキャリア粒子が感光体上に飛散、付着した場合でも、クリーニングブレード位置などで発生する感光体表面とブレードとの接触位置での摺擦エネルギを同様の緩衝作用により逃がすことができるため、感光体表面の傷発生による画像欠陥の発生を抑制することができると考えられる。
空隙比率Rは、0.05以上0.30以下の範囲であるが、0.10以上0.20以下の範囲であることが好ましい。空隙比率Rが0.05未満の場合には、キャリアの緩衝作用が弱く、キャリア割れによる画像欠陥が生じる。また、空隙比率Rが0.30を超える場合には、樹脂被覆層のコア粒子への付着力が弱く、長期使用時に樹脂被覆層が剥れて帯電付与能力が低下する。
キャリアの樹脂被覆層の断面における空隙比率Rは以下のようにして求めることができる。2液式室温硬化型のエポキシ包埋剤70重量部を混合した後、キャリア30重量部を加えてさらに混合し、25℃環境下で48時間静置して硬化させる。硬化後の包埋物を剃刀で形を整えた後、ダイヤモンドナイフSK2035(住友電気工業株式会社製)を取り付けたウルトラミクロトーム装置(LEICA社製、ULTRACUT UCT)により、送り厚500nm、カット速度1.4mm/sec、カット面積1.0mm×2.5mmの切削条件にて、200回カットして面出しを行い、さらに光学顕微鏡で切断面の平滑性を確認しながら、平滑な切断面が形成されるまで切削を行い、キャリア断面の面出しを実施する。
カット、面出しを終えた包埋物を電子顕微鏡用φ15mmアルミステージに乗せ、四酸化ルテニウム存在下のデシケータ内で酸化染色処理を実施した後、電子顕微鏡S−4800(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて加速電圧3kV、エミッション電流10μA、WD30mmの条件で観察し、キャリアの断面SEM画像を得る。樹脂被覆層の断面像は、観察像中のキャリア断面径がキャリア粒径の70%以上120%以下であるキャリア断面を100個選択し、それらの樹脂被覆層の1万倍像を撮影する。撮影した画像はそれぞれ画像解析装置(LUZEXIII、株式会社ニレコ製)を用いて2値化処理を行い、選択した視野範囲での被覆樹脂の面積(S0)、樹脂被覆層中の空隙面積(S2)を求める。樹脂被覆層の面積(S1)は、被覆樹脂の面積(S0)と空隙面積(S2)との和で求める。各面積測定値から以下の式(1)で定義される空隙比率Rを求め、各100画像分の空隙比率Rの平均値を対象キャリアの樹脂被覆層断面の空隙比率Rとする。
R=S2/S1 (1)
コア粒子およびキャリアについて、下記式(2)で表される形状係数SF1は、100以上130以下の範囲であることが好ましく、100以上120以下の範囲であることがより好ましい。形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が130を超えると、形状の歪によってキャリアどうしが衝突し、凸部に欠けが発生する場合がある。
(ML/A)×(π/4)×100 (2)
式(2)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長(μm)を表し、Aはキャリア粒子の投影面積(μm)を表す。
形状係数SF1は、形状係数の平均値であり、次の方法で算出する。スライドグラス上に散布し、250倍に拡大したキャリア粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、50個のキャリアについて、最大長および投影面積から個々の粒子について上記式によりSF1を求め、平均値を得る。また、現像剤中のキャリアの形状係数SF1は、界面活性剤を含有する水中に現像剤を入れ、超音波によりトナーとキャリアとを分離したのち、磁石によりキャリアのみを取り出し、前記画像解析を行うことにより求めることができる。
キャリアの体積平均粒径は、20μm以上60μm以下の範囲であることが好ましい。キャリアの体積平均粒径が60μmより大きい場合には、現像機内での衝突エネルギが大きくなるため、キャリアの割れや欠けを促進するだけではなく、トナーへ帯電付与するための表面積が小さくなり、トナーへの帯電付与機能が低下してしまい、それが結果として画像品位の低下が発生してしまう場合がある。また、キャリアの体積平均粒径が20μm未満の場合には、キャリア単位個数当たりの磁力が低下するため、磁気ブラシ上の連鎖の磁気的拘束力が現像電界より弱くなり、キャリアの感光体への移行が増加する場合がある。なお、キャリアの体積平均粒径は、25μm以上55μm以下の範囲であることがより好ましく、30μm以上50μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積平均粒径は以下のようにして測定することができる。まず、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2mLをキャリア1gに添加し、純水10mL中に加える。試料を懸濁した液を1滴スライドガラスに乗せ、これにカバーガラスを乗せ、光学顕微鏡で写真を200枚撮影する。次に、この写真に撮影されたキャリアの最大幅を測定し、該200のキャリアについて、それぞれ粒径を測定する。測定された粒径を体積に変換し、体積粒径にする。得られた体積粒径の分布を作成し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとし、キャリアの粒径とする。
また、上記測定結果における25μm以下の粒度範囲(体積分布)の累計をキャリアの25μm以下微粉量(%)とし、キャリア粒子の割れ発生を示す指標とすることができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤において、トナーの形状係数が100以上130以下の範囲であることが好ましい。また、トナーの微粉側粒度分布が1.30以下であることが好ましい。
近年、電子写真法を利用した複写機、プリンタはさらなる小型化、高速プリント性能が求められているが、高速出力の画像形成装置の場合、印刷出力速度に応じてトナーを静電潜像に供給する必要があるため、現像スリーブの周速度を上げる必要がある。スリーブ周速度を上げることは現像器内および現像スリーブ表面でのキャリア運動量を上げることになり、トナーへ与えるストレスが増大し、結果的にTEDや、STVのような画像欠陥が生じる場合がある。これらの現象はトナー濃度の高い低温低湿下で顕著となることがある。
本実施形態では、トナーを球形化し、粒度分布を均一化することでキャリアからの衝撃力を低減するとともに、キャリアの樹脂被覆層に所定の割合の空隙を有することにより、トナーへの衝撃をキャリアの樹脂被覆層の空隙の緩衝作用で弱めることができる点で効果的である。その結果、トナーのキャリア付着を防止し、キャリアの抵抗を安定化することで上記画像欠陥がほとんど発生しない。特に低温低湿下、高速出力時に顕著に発生する、トナーのキャリア付着が原因の現像剤の高抵抗化によって発生する濃度低下、TEDやSTVといった画像欠陥がほとんど発生しない。
トナーの形状係数SF1は次式により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
式中、MLはトナー粒子の最大長(μm)、Aはトナー粒子の投影面積(μm)である。トナーの形状係数は例えば以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、NIRECO社製)に取り込み、100個のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算して、その平均値を求めることによって得られる。形状係数SF1は100以上130以下であることが好ましく、100以上125以下であることがより好ましい。形状係数SF1が130を超えると、トナーが不定形化し、流動性が悪くなり、キャリアからの衝撃力を受けやすくなるため、トナーのキャリア付着により濃度低下や画像欠陥が生じる場合がある。
トナーの微粉側粒度分布は次式により求められる。
微粉側粒度分布=個数平均粒子径(D50p)/個数84%粒子径(D84p)
式中、個数平均粒子径(D50p)、個数84%粒子径(D84p)は、コールター−マルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)で測定された個数粒度分布に対して大径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を個数平均粒子径(D50p)、累積84%となる粒径を個数84%粒子径(D84p)と定義する。微粉側粒度分布は1.30以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。微粉側粒度分布が1.30を超えると、トナーの流動性が悪くなり、キャリアからの衝撃力を受けやすくなるため、トナーのキャリア付着により濃度低下や画像欠陥が生じる場合がある。
トナーの微粉側粒度分布を小さくする方法としては、例えば、エルボジェット分級機などの分級装置を用いて微粉を除く分級などの方法が挙げられる。
また、上記キャリアの空隙比率Rが0.05未満の場合には、キャリアの緩衝作用が弱く、トナーのキャリア付着により濃度低下や画像欠陥が生じる。
コア粒子(キャリア芯材)としては、従来公知のいずれのものも使用することができるが、特に好ましくはフェライトやマグネタイトが選ばれる。他のコア粒子として、例えば鉄粉が知られている。鉄粉の場合は比重が大きいためトナーを劣化させやすいので、フェライトやマグネタイトの方が安定性に優れている。フェライトの例としては、一般的に下記式で表される。
(MO)(Fe
(式中、Mは、Cu、Zn、Fe、Mg、Mn、Ca、Li、Ti、Ni、Sn、Sr、Al、Ba、Co、Mo等から選ばれる少なくとも1種を含有する。またX、Yは重量mol比を示し、かつ条件X+Y=100を満たす。)
上記Mは、Li、Mg、Ca、Mn、Sr、Snの1種もしくは数種の組み合わせで、それら以外の成分の含有量が1重量%以下であるフェライト粒子であることが好ましい。Cu、Zn、Ni元素は添加することにより低抵抗になり易く、電荷漏洩が起こり易い。また、樹脂被覆し難い傾向にあり、また環境依存性も悪くなる傾向にある。さらに、重金属であり、キャリアに与えられるストレスが強くなり、保存性に対して悪影響を与えることがある。また、安全性の観点から近年ではMn元素やMg元素を添加するものが一般に普及している。フェライト芯材が好適であり、コア粒子の原料としては、Feを必須成分として、用いられる磁性粒子としては、マグネタイト、マグヘマイトなどの強磁性酸化鉄粒子粉末、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を1種または2種以上含有するスピネルフェライト粒子粉末、バリウムフェライトなどのマグネットプランバイト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や鉄合金の粒子粉末を用いることができる。
コア粒子として、具体的には、例えばマグネタイト、γ−酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどの鉄系酸化物を挙げることができる。中でも安価なマグネタイトを、より好ましく用いることができる。
また、コア粒子は、結着樹脂中に上記磁性粒子(磁性体)が分散された樹脂分散型コア粒子であってもよい。
結着樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が用いられるが、フェノール系樹脂を含むことが好ましい。フェノール系樹脂を用いることにより、被覆樹脂との接着性が向上し、長期安定性がより向上する。
このとき、結着樹脂中の磁性体の体積平均粒径を5μm以上10μm以下の範囲で均一にし、磁性体比率を多くし、適度に露出させることで目的の表面状態を得ることができる。
樹脂被覆層に用いる被覆樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン;塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体;スチレン/アクリル系共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート、アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂;エポキシ樹脂;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で併用してもよいし、複数の樹脂を混合して併用してもよい。
中でも、スチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つの単量体の重合体または共重合体が好ましい。具体的には、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレートなどの重合体、スチレン−メチルメタクリレート(St−MMA)、スチレン−エチルメタクリレート等の共重合体である。
樹脂被覆層に負極性の帯電制御剤を含有してもよい。負極性の帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基および/またはスルホニル基を含有する樹脂等が挙げられる。
負極性の帯電制御剤の含有量は、コア粒子の重量に対して0.001重量%以上1.0重量%以下の範囲であることが好ましく、0.01重量%以上0.8重量%以下の範囲であることがより好ましい。負極性の帯電制御剤の含有量がコア粒子の重量に対して0.001重量%未満であるとトナー帯電立ち上がり性に対して効果がない場合があり、1.0重量%を超えるとキャリアの帯電能を阻害する場合がある。
キャリアの樹脂被覆層には、さらにキャリア抵抗調整のため、導電性の粉体(導電性粒子)を併用してもよい。導電性粒子としては金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電性粒子は、体積平均粒径1μm以下のものが好ましい。体積平均粒径が1μmよりも大きくなると、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になる場合がある。導電性粒子の添加量としては、樹脂被覆層の20体積%より少ない添加量が好ましい。20体積%以上添加をする場合、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になることがある。導電性粒子の分散方法としては、サンドミル、ダイノミル、ホモミキサ等がある。
またキャリアの樹脂被覆層には、ワックスを含有させてもよい。ワックスは疎水性であり、かつ常温においても比較的柔らかく膜強度が低い。これはワックスの分子構造に由来するが、この特性のために樹脂被覆層にワックスが存在すると、トナー表面に添加されている外添剤と称する粒子、あるいはトナーバルク成分といったトナー成分がキャリア表面に付着し難い。また付着したとしてもその付着部分のワックスの分子レベルの剥離によって表面が一新されキャリア表面は付着汚染され難いという効果がある。
ワックスとしては特に制限するものではなく、例えば、パラフィンワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体等である。誘導体とは酸化物、ビニルモノマとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用できる。また、その他公知のものも使用できる。ワックスの融点は60℃以上200℃以下が好ましい。さらに好ましくは、ワックスの融点は80℃以上150℃以下である。60℃未満ではキャリアとしての流動性が悪化する場合がある。
また、コア粒子表面と被覆樹脂との密着性を高めるため、コア粒子にカップリング処理を行ってもよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、チタネートカップリング剤としては、例えば「プレンアクト KR TTS」、「プレンアクト KR 46B」、「プレンアクト KR 55」、「プレンアクト KR 41B」、「プレンアクト KR 38S」、「プレンアクト KR 138S」、「プレンアクト KR 238S」、「プレンアクト 338X」、「プレンアクト KR 44」、「プレンアクト KR 9SA」、「プレンアクト KR ET」(上記いずれも味の素ファインテクノ株式会社製)などが挙げられ、アルミニウム系カップリング剤としては、例えばアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(「プレンアクト AL−M」味の素ファインテクノ株式会社製)などが挙げられる。
樹脂被覆層の厚みは、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上3μm以下の範囲であることがより好ましい。樹脂被覆層の厚みが0.1μmより小さいとコア粒子表面に均一で平坦な樹脂被覆層を形成することが困難となる場合がある。また、厚みが5μmより大きいとキャリア同士が凝集したりして均一なキャリアを得ることが困難となる場合がある。
コア粒子への樹脂被覆層の形成は、コア粒子表面に樹脂被覆層形成用溶液を噴霧するスプレー法、コア粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア粒子と樹脂被覆層形成用溶液を混合し、次いで溶剤を除去するニーダーコーター法、乾式コート法としては、被覆樹脂粒子とコア粒子とを加熱または高速混合して被覆するパウダーコート法等が挙げられ、用途に応じてこれらの方式を組み合わせて使用することができる。本実施形態の樹脂被覆キャリアの製造法としては、樹脂被覆層の空隙制御に優れたパウダーコート法が特に適している。
具体的には、例えば、乾式処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)などを用いて、被覆樹脂粒子とコア粒子とを、加熱を行わずに低速、短時間で乾式処理することにより、上記範囲の空隙比率Rを有するキャリアを得ることできる。
このようなキャリアの製造方法において、例えば、被覆樹脂粒子の粒径、処理温度、撹拌速度、撹拌時間などを調整することにより、キャリアの空隙比率Rを制御することができる。例えば、被覆樹脂粒子の粒径を大きくする、処理温度を低くする、撹拌速度を低くする、撹拌時間を短くすることにより、キャリアの空隙比率Rが大きくなる傾向にある。
本方法において用いる被覆樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、1μm以下が好ましい。被覆樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、樹脂粒子がキャリアコアを被覆せず、キャリアコアが露出して帯電能力が下がるため、かぶりが発生する場合がある。
トナーは特に限定しないが、結着樹脂と着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤等を含有する公知のものを使用することができる。トナーは混練粉砕法のような乾式製法で製造されたものであってもよいし、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等の湿式製法により製造されたものであってもよい。着色剤や離型剤の表面露出が少なく、画像の安定性が良好である等の点から乳化重合凝集法により製造されたトナーが好ましい。
このようなトナーは、粒子の形状が比較的丸く、粒度分布が狭く、トナー表面が比較的均一で帯電性が高く、帯電分布も狭く良好である。このトナーは粒度分布が狭いため、カブリの発生が少ない。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を挙げることができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス類等を挙げることができる。
また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係るトナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系ワックス;石油系ワックス;およびそれらの変性物等を使用することができる。離型剤の添加量は、トナーに対して50重量%以下の範囲で添加することができる。
その他内添剤として、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、それらの合金、またはそれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料や、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や融合一体化時の安定性に影響するイオン強度の制御および廃水汚染の減少のために、水に溶解しにくい帯電制御剤が好適である。
湿式添加する無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外部添加剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して湿式添加等することができる。
湿式製法によるトナー製造工程における乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、石けん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤等が挙げられ、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。
また、本実施形態において使用する外添剤としては、無機粒子や有機粒子等の公知の外部添加剤を用いることができる。その中でも、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の無機粒子、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、フッ素含有樹脂粒子、シリカ含有樹脂粒子および窒素含有樹脂粒子等の有機樹脂粒子が好ましい。また、目的に応じて外部添加剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径としては、4μm以上13μm以下の範囲が好ましく、5μm以上10μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、3μm以上9μm以下の範囲が好ましく、4μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールター−マルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得ることができる。この時、測定は測定対象の粒子、ここではトナーを電解質水溶液(アイソトンII水溶液)に分散させ、超音波により30秒間以上分散させた後に行う。測定粒子が疎水性である場合は、10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を、電解質水溶液に測定粒子がなじむまで数滴滴下した後、追加で30秒間超音波分散を行い、測定を実施する。
トナーとキャリアを混合して現像剤を作製する際のトナーの比率は、現像剤全体の1重量%以上15重量%以下、好ましくは3重量%以上12重量%以下の範囲が適当である。
トナーの比率が1重量%未満であると十分な画像濃度が得られにくくなることや、ベタ画像が均一になりにくくなる場合がある。また、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%を超えるため帯電量が下がり(平均帯電量の絶対値が15μC/g未満になると)非画像部位のトナー汚れが発生して(カブリ)高品位なカラ−画像が得られなくなる場合がある。例えば、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%に近づいて来るために現像剤としての抵抗値が極端に上がり、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下の範囲のなかに収まり難くなり、画像エッジ部位のボケなど良好で高品位なカラー画像が得られにくくなる場合がある。
ただし、低湿環境下ではトナー比率が1重量%未満になると高帯電量(平均帯電量の絶対値が25μC/gを超える)になりやすくなり十分な画像濃度が得られにくくなる可能性がある。したがって、環境に応じて、帯電性の絶対値が15μC/g以上50μC/g以下の範囲にあるようにトナーの比率を選ぶことが好ましい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナー、キャリア等の残存物を除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、像保持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、電子写真感光体14の表面を帯電する帯電手段である帯電部10と、帯電された電子写真感光体14を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部12と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部16と、電子写真感光体14の表面に形成されたトナー画像を被転写体24の表面に転写する転写手段である転写部18と、転写後の電子写真感光体14表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20とがこの順で配置されている。また、被転写体24に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部12により電子写真感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部16により現像され、電子写真感光体14の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の被転写体24がこのトナー画像に重ねられ、被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体24に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体24に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部22において定着部材により熱および圧力が加えられ、被転写体24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の被転写体24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されても良い。
以下、図1の画像形成装置1における帯電手段、像保持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いても良い。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でも良い。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
(像保持体)
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いることができる。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いることができる。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でも弾性を有するクリーニングブレードを用いることが好ましい。
クリーニングブレードの材質としては、特にその制限はなく、様々な弾性体を用いることができる。具体的な弾性体としては、ポリウレタン弾性体、シリコーンゴム、クロロプレンゴム等の弾性体が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、ポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。
ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオールおよび各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられる。これは、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、イソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート等を用いてウレタンプレポリマを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造される。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
(被転写体)
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[母体トナー(1)の製造]
(シアントナー(1)の調製)
C.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ化学社製)20重量部、酢酸エチル75重量部、溶媒除去したディスパロンDA−703−50(ポリエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成(株)社製)4重量部、ソルスパース5000(顔料誘導体、ゼネカ(株)社製)1重量部をサンドミルを用いて溶解、分散し、顔料分散液を作製した。
離型剤としてパラフィンワックス(融点89℃)30重量部と酢酸エチル270重量部とを、DCPミルを用い10℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス分散液を作製した。
非晶性ポリエステル樹脂(重量平均分子量Mw:12,000、Tg:65℃、軟化点:100℃)136重量部、顔料分散液34重量部、酢酸エチル56重量部を撹拌後、ワックス分散液75重量部を加え、均一になるまでよく撹拌した(この液をA液とした)。
炭酸カルシウム40重量部、水60重量部に分散した炭酸カルシウム分散液124重量部とセロゲンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水溶液99重量部と水157重量部とをホモジナイザ(ウルトラタラックス、IKA社製)を用いて5分間撹拌した(この液をB液とした)。
さらにホモジナイザ(ウルトラタラックス、IKA社製)を用いて前記B液345重量部を10,000rpmで撹拌している中に前記A液250重量部を加え、1分間撹拌して混合液を懸濁し、室温常圧でプロペラ型撹拌機を用いて撹拌して溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カルシウムを除去した後、水洗、乾燥した。引き続き得られたトナーを100℃のスプレドライヤ中に投入して瞬間的に加熱して表面張力により球形化する処理を行った後、再びエルボジェット分級機を用いて微粉を除き体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数120のシアントナー(1)を得た。
(マゼンタトナー(1)の調製)
シアントナー(1)の調整において、C.I.ピグメントブルー15:3 20重量部をC.I.ピグメントレッド57:1(大日本インキ化学社製)20重量部に変更した以外は、シアントナー(1)の調整と同様にして体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数120のマゼンタトナー(1)を得た。
(イエロートナー(1)の調製)
シアントナー(1)の調整において、C.I.ピグメントブルー15:3 20重量部をC.I.ピグメントイエロー180(大日本インキ化学社製)20重量部に変更した以外は、シアントナー(1)の調整と同様にして体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数120のイエロートナー(1)を得た。
(黒トナー(1)の調製)
シアントナー(1)の調整において、C.I.ピグメントブルー15:3 20重量部をカーボンブラック#25(三菱化学製)20重量部に変更した以外は、シアントナー(1)の調整と同様にして体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数120の黒トナー(1)を得た。
[母体トナー(2)の製造]
球形化処理を3回繰り返した以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数105のシアントナー(2)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数105のマゼンタトナー(2)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数105のイエロートナー(2)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数105の黒トナー(2)を得た。
[母体トナー(3)の製造]
スプレドライヤ処理温度を90℃とした以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数125のシアントナー(3)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数125のマゼンタトナー(3)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数125のイエロートナー(3)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数125の黒トナー(3)を得た。
[母体トナー(4)の製造]
スプレドライヤ処理温度を80℃とした以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数130のシアントナー(4)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数130のマゼンタトナー(4)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数130のイエロートナー(4)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数130の黒トナー(4)を得た。
[母体トナー(5)の製造]
分級条件を調整した以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.30、形状係数120のシアントナー(5)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.30、形状係数120のマゼンタトナー(5)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.30、形状係数120のイエロートナー(5)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.30、形状係数120の黒トナー(5)を得た。
[母体トナー(6)の製造]
分級条件を調整した以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.25、形状係数120のシアントナー(6)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.25、形状係数120のマゼンタトナー(6)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.25、形状係数120のイエロートナー(6)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.25、形状係数120の黒トナー(6)を得た。
[母体トナー(7)の製造]
スプレドライヤ処理温度を70℃とした以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数135のシアントナー(7)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数135のマゼンタトナー(7)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数135のイエロートナー(7)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.21、形状係数135の黒トナー(7)を得た。
[母体トナー(8)の製造]
分級条件を調整した以外は、母体トナー(1)の製造と同様にして、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.35、形状係数120のシアントナー(8)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.35、形状係数120のマゼンタトナー(8)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.35、形状係数120のイエロートナー(8)、体積平均粒径6.5μm、微粉側粒度分布1.35、形状係数120の黒トナー(8)を得た。
<実施例1>
[外添トナーAの製造]
次に母体トナー(1)100重量部に体積平均粒径40nmのシリコーンオイル処理酸化珪素微粒子(RY50、日本エアロジル社製)1.3重量部、体積平均粒径20nmの酸化チタン(MT150AW、テイカ(株)製)をデシルトリメトキシシラン20%で処理した粒子1.5重量部をサンプルミルで混合して、外添トナーAを作製した。
[キャリアAの製造]
Mn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125) 100重量部
メチルメタクリレート重合体粒子(個数平均粒径0.2μm) 2.5重量部
カーボンブラック(#25、三菱化学製) 0.5重量部
以上の成分を乾式処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)に投入し、1,000rpmにて5分間処理した。取り出した試料を75μm目開きメッシュにて篩分し、樹脂被覆キャリアAを得た。キャリアAの体積平均粒径は37μm、形状係数は125、25μm以下微粉量は3.3%、空隙比率Rは0.15であった。
[現像剤Aの調整]
外添トナーA 8重量部とキャリアA 100重量部とをV−ブレンダで、40rpmで20分間撹拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤Aを得た。現像剤の性状を表1に示す。
(画像欠陥評価条件)
評価環境は気温10℃、湿度15RH%の評価室内で実施した。評価に用いた用紙はA4紙(P紙、富士ゼロックス株式会社製)とした。評価機には、現像器の現像スリーブ周速度500mm/secに変更したApeosPort−II 4000(富士ゼロックス株式会社製)改造機を使用した。トナー供給器には外添トナーAを入れ、現像器には現像剤Aを投入した。印刷画像は印字面積率5%となる文字チャートを使用し、2万枚の印刷出力を実施した。
(白抜け評価方法)
10枚出力後(初期)、2万枚出力後に、画像濃度80%の全面ハーフトーン画像を出力し、ハーフトーン画像上に現れる、キャリア飛散によって生じる感光体傷による1mm以上のサイズの白抜け(画像欠陥)の数を計測し、評価指標とした。表2〜5に評価結果を示す。
キャリア割れ度合いの評価として、印刷テスト後の現像器から使用後の現像剤を10g取り出して500mLビーカに入れ、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2mLを純水100mLで薄めた液を300mL加え、ガラス棒でよく撹拌してトナーを遊離させた。ビーカ下部に外側からネオジム磁石を付けて撹拌し、キャリア分を底部に磁力で集めて静置させ、その後キャリアを除去しないようにして上澄み液を除去した。この上澄み除去操作を5回繰り返し、残留部からキャリアを回収した。前記キャリアの25μm以下微粉量の測定法に従い、微粉量を測定した。表2〜5に評価結果を示す。
A4用紙先端から5cmのところに7.5cm×7.5cmのイエロー、マゼンタ、その下にシアン、黒の4色画像を有するパターンにて、10枚出力後(初期)、2万枚出力後に出力し、下記評価方法により、画像濃度、高濃度画像後端欠け、中間濃度部の後端濃度低下の項目について評価を行った。表2〜5に評価結果を示す。
(画像濃度評価方法)
X−rite938により10枚印画後の画像濃度と2万枚印画後の画像濃度とを測定した。画像濃度はランダムに10点測定し、平均値を求めた。
(高濃度画像後端欠け)
10枚印画時(初期)および2万枚印画時の画像部の、後端欠けを以下の判断基準にて判定した。
◎:画像後端の欠けが観測されない
○:画像後端の欠けを50倍のルーペで確認できる
△:画像後端の欠けを斜めから見て確認できる
×:画像後端の欠けを画像の上30cmから確認できる
(中間濃度画像後端欠け)
図2に示す画像を10枚印画後(初期)および2万枚印画後に出力し、スケール付きの50倍ルーペにより白抜けの長さt(mm)を測定した。
比較
乾式処理装置処理時間5分を10分とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアB、現像剤Bを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
比較
乾式処理装置処理時間5分を3分とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアC、現像剤Cを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
乾式処理装置処理時間5分を4分とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアD、現像剤Dを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
乾式処理装置処理時間5分を7分とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアE、現像剤Eを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
Mn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125)をMn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:105)とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアF、現像剤Fを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
Mn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125)をMn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:130)とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアG、現像剤Gを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーH、現像剤Hを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーI、現像剤Iを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
比較
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーJ、現像剤Jを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
比較
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーK、現像剤Kを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<実施例
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーL、現像剤Lを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
比較
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーO、現像剤Oを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
比較
母体トナー(1)の代わりに母体トナー(8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、外添トナーP、現像剤Pを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
<比較例1>
Mn−Mg系フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125) 100重量部
メチルメタクリレート重合体粒子(個数平均粒径0.2μm) 2.5重量部
カーボンブラック(#25、三菱化学製) 0.5重量部
フェライト粒子を除く上記成分、トルエン(14重量部)およびガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント社製サンドミルを用いて1200ppmで30分間撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液とした。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れトルエンを留去することにより樹脂被覆キャリアQを形成した。キャリアQの体積平均粒径は37μm、形状係数は125、25μm以下微粉量は2.9%、空隙比率Rは0.03であった。実施例1と同様にして、現像剤Qを作製した。
<比較例2>
乾式処理装置処理時間5分を2分とした以外は、実施例1と同様にして、キャリアR、現像剤Rを作製した。現像剤の性状を表1に示す。表2〜5に評価結果を示す。
Figure 0005412752
Figure 0005412752
Figure 0005412752
Figure 0005412752
Figure 0005412752
このように実施例1〜の現像剤を用いることにより、特に高速出力時に発生する、現像スリーブ上から感光体側へのキャリア飛散に起因する感光体の傷による白抜けなどの画像欠陥を抑制することができた。また、形状係数および微粉側粒度分布が所定の範囲内である実施例1〜の現像剤を用いることにより、特に低温低湿下、高速出力時に発生する、画像濃度低下、高濃度のパッチ画像の(画像の進行方向に対して)後端の画像濃度が低くなる後端欠けや、高濃度部を後に持つ中間濃度部の後端の画像濃度が薄くなるスタベーションと呼ばれる画像欠陥がほとんど発生しなかった。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施例の評価における白抜けの画像欠陥を説明する図である。
符号の説明
1 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 被転写体。

Claims (3)

  1. コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は前記コア粒子の表面が樹脂粒子で被覆されて内部に空隙が形成されたものであり、前記樹脂被覆層の断面における前記樹脂被覆層の面積をS1、前記空隙の面積をS2としたときに、下記式(1)で定義される空隙比率Rが、0.10以上0.20以下の範囲である静電荷像現像用キャリアと、
    R=S2/S1 (1)
    形状係数が100以上125以下の範囲であり、かつ微粉側粒度分布が1.25以下である静電荷像現像用トナーと、
    を含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤であって、
    前記キャリアの形状係数が、100以上130以下の範囲であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  3. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、
    前記現像剤は、請求項1または2に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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