JP5187317B2 - 電子写真画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像等の静電的な特性をもつ潜像を感光体上に形成し、トナーにより現像し、得られた可視像を記録材へ転写する電子写真画像形成方法に関する。特に、転写後の感光体上に残留するトナーをクリーニングブレードにより除去する工程を有する電子写真画像形成方法に関する。
電子写真法を用いた画像形成方法は、一般に、トナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、当該可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、当該転写像を記録材に定着する定着工程、転写後の感光体上に残留するトナー(転写残トナー)を感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する。
従来から、クリーニング工程のクリーニング手段として、クリーニングブレード方式が広く用いられてきた。クリーニングブレード方式とは、ゴム弾性体であるクリーニングブレードの先端部(当接部)を、感光体の回転方向に対してカウンター方向になるように当接させて、当該クリーニングブレードの先端部(当接部)によって、感光体上に残留するトナー(転写残トナー)を掻き取り、クリーニングを行なう方式のことをいう。
上記クリーニングブレード方式において、クリーニング工程が繰り返されると、クリーニングブレードの当接部では、摩耗及び/又は欠けが発生し易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下すると共に、感光体表面では、摩耗が発生し易くなり、感光体表面に微細な凹凸ができるようになり、転写残トナーが、当該クリーニングブレードと当該感光体との間を擦り抜け、クリーニング不良が引き起こされ、画質劣化の原因になることが指摘されている。
このため、近年、クリーニングブレード方式のクリーニング工程において、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させ、転写残トナーを掻き取る性能(クリーニング性能)を維持し、画質劣化が起こり難く、高画質の画像形成を経時的に行なうことができる画像形成方法が求められ、様々な検討が行われている。
特許文献1では、ウレタンプレポリマーに、特定の架橋剤、及び特定量のシランカップリング剤を加えて形成されたポリウレタンエラストマーが開示され、当該ポリウレタンエラストマーを電子写真装置用現像ブレードに適用し、当該現像ブレードの耐久性(耐摩耗性)を保持しつつ、帯電特性を向上させる試みがなされている。
しかしながら、特許文献1に開示されている現像ブレードは、当該ブレードの耐久性をある程度向上させることができると考えられるものの、クリーニングブレードにそのまま適用できるほどの汎用性は有しておらず、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる近年の要求レベルには到達していない。
特許文献2では、六チタン酸カリウム(モース硬度:3〜4)を含有する粒子を含むポリウレタンから形成されるクリーニングブレードを用いて、転写後の感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法が開示され、クリーニングブレードの耐久性を向上させると共に、感光体の耐磨耗性を向上させる試みがなされている。
しかしながら、本発明者の検討によると、特許文献2に開示されているクリーニングブレードでは、感光体に対する耐摩耗性、及びクリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が共に損なわれ易く、優れたクリーニング性能を維持する効果は必ずしも十分ではなく、フィルミング等による画質劣化が引き起こされ易い画像形成方法であることが判明している。
特開平6−43738号公報 特開2007−248915号公報
本発明の目的は、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させ、優れたクリーニング性能を維持し、画質劣化が起こり難く、高画質の画像形成を経時的に行なうことができる電子写真画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、特定のモース硬度、且つ特定の個数平均一次粒径を有する無機微粒子を、クリーニングブレード用ポリウレタンに特定量含有させることにより、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させ、優れたクリーニング性能を維持でき、画質劣化が起こり難く、高画質の電子写真画像形成を経時的に行なうことができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の電子写真画像形成方法は、トナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、当該可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、当該転写像を記録材に定着する定着工程、転写後の感光体上に残留するトナーを感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
上記クリーニングブレードが、ポリウレタンから形成され、当該ポリウレタンが、モース硬度が0.5〜2.0であり、且つ、個数平均一次粒径が0.05〜3.2μmである無機微粒子を0.5〜20重量%含有する電子写真画像形成方法である。
本発明においては、前記無機微粒子が、カップリング剤により表面処理されていることが好ましい。
本発明においては、前記トナーが、結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有し、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径が4〜10μmであり、平均円形度が0.95〜0.999であることが好ましい。
本発明においては、前記現像工程後、前記転写工程前における前記感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|が、30〜80μC/gであることが好ましい。
上記の如き本発明の電子写真画像形成方法によれば、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させることができ、優れたクリーニング性能を維持し、画質劣化が起こり難く、高画質の画像形成を経時的に行なうことができる電子写真画像形成方法が提供される。
図1は、本発明の電子写真画像形成方法を適用することができる電子写真画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 定着装置
3 帯電ロール
4 レーザー光照射装置
5 転写ロール
6 記録材
7 現像ロール
8 現像ロール用ブレード
9 供給ロール
10 トナー
11 現像装置
12 ケーシング
13 クリーニングブレード
本発明の電子写真画像形成方法は、トナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、当該可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、当該転写像を記録材に定着する定着工程、転写後の感光体上に残留するトナーを感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
上記クリーニングブレードが、ポリウレタンから形成され、当該ポリウレタンが、モース硬度が0.5〜2.0であり、且つ、個数平均一次粒径が10μm以下である無機微粒子を0.5〜20重量%含有するものである。
<電子写真画像形成方法>
以下、本発明の電子写真画像形成方法を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の電子写真画像形成方法を適用することができる電子写真画像形成装置の一例を示す図である。
図1に示すように、電子写真画像形成装置は、感光体ドラム1を有し、矢印A方向に回転自在に装着してある。感光体ドラム1は、導電性支持ドラム体の上に光導電層を設けたものであり、光導電層は、例えば、有機感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、及びアモルファスシリコン感光体等で構成される。
光導電性層を導電性支持ドラムに結着させる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
感光体ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電部材としての帯電ロール3、露光装置としてのレーザー光照射装置4、現像装置11、転写ロール5、及びクリーニングブレード13が配置してある。
帯電工程は、帯電部材により、感光体ドラム1の表面を、プラス又はマイナスに一様に帯電する工程である。帯電部材による帯電方式としては、図1で示した帯電ロール3の他に、ファーブラシ、磁気ブラシ、及びブレード等で帯電させる接触帯電方式と、コロナ放電による非接触帯電方式があり、これらに置き換えることも可能である。
露光工程は、図1に示すような露光装置としてのレーザー光照射装置4により、画像信号に対応した光を感光体ドラム1の表面に照射し、一様に帯電されたドラムの表面に静電潜像を形成する工程である。このようなレーザー光照射装置4は、例えば、レーザー照射装置と光学系レンズとで構成される。この他にも、露光装置としては、LED照射装置があり、使用可能である。
現像工程は、露光工程により感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像に、現像装置11により、トナーを付着させて可視像とする工程であり、反転現像においては光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像においては、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現像ロール7と感光体ドラム1との間にバイアス電圧が印加される。
図1に示す現像装置11は、一成分接触現像方式に用いられる現像装置であり、トナー10が収容されるケーシング12内に、現像ロール7と供給ロール9とを有する。現像ロール7は、感光体ドラム1に一部接触するように配置され、感光ドラム1と反対方向Bに回転するようになっている。供給ロール9は、現像ロール7に接触して現像ロール7と同じ方向Cに回転し、現像ロール7の外周にトナー10を供給するようになっている。この他の現像方式としては、一成分非接触現像方式、二成分接触現像方式、二成分非接触現像方式があり、これらの方式を採用してもよい。
現像ロール7の周囲において、供給ロール9との接触点から感光体ドラム1との接触点との間の位置には、トナー層厚規制部材としての現像ロール用ブレード8が配置してある。このブレード8は、例えば、ゴム弾性体、又は金属で構成される。
転写工程は、現像装置11により形成された感光体ドラム1表面のトナー像を、紙などの記録材6に転写する工程であり、通常、図1に示すような転写ロール5によって転写が行なわれているが、その他にもベルト転写方式、及びコロナ転写方式も公知であり、使用可能である。
定着工程では、転写ロール5でトナー像を記録材6上に転写し、150〜200℃の温度に加熱した上部の加熱ロールと下部のロールの間で、加圧し、トナー像を記録材6上に定着する。
クリーニング工程は、ゴム弾性体であるクリーニングブレード13の先端部(当接部)を、感光体の回転方向(A)に対してカウンター方向になるように当接させて、当該クリーニングブレードの先端部(当接部)によって、転写後の感光体上に残留するトナー(転写残トナー)を掻き取り、クリーニングを行なう工程である。
本発明のクリーニングブレードは、ポリウレタンにて形成されたものであり、当該ポリウレタンに、特定のモース硬度、且つ特定の個数平均一次粒径を有する無機微粒子を、特定量含有させることによって、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させることができ、優れたクリーニング性能を維持することができるクリーニングブレードを作製することができる。
本発明のクリーニングブレード用ポリウレタンは、従来公知の構成原料及び合成法で製造することができ、さらに、本発明のクリーニングブレードは、当該製造されたポリウレタンを従来公知の加工を行なうことによって作製することができる。
以下に、本発明のクリーニングブレード用ポリウレタンの製造方法、さらに、本発明のクリーニングブレードの作製方法の一例を挙げる。
クリーニングブレード用ポリウレタンの構成原料として、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び硬化剤成分(架橋剤、及び鎖延長剤)、並びに、さらに必要に応じて触媒を用いることができる。
先ず、ポリオール成分の配合量の一部、及びポリイソシアネート成分を反応させて擬似プレポリマーを調製した後、当該擬似プレポリマーに、残りのポリオール成分、及び硬化剤成分(架橋剤、及び鎖延長剤)を加えて反応させ、ポリウレタンの反応性組成物を得る。
得られたポリウレタンの反応性組成物を、金型に注入し、硬化させてシート状のポリウレタンに成形し、当該シート状ポリウレタンを所定の形状に裁断して、クリーニングブレードを作製する。
なお、図1に示す電子写真画像形成装置に、作製されたクリーニングブレードを適用する際には、当該クリーニングブレードを、所定の金具に貼着して固定し、クリーニングブレードと金具が一体化したクリーニングブレードユニットとして装着して用いる。
ポリオール成分としては、一般にポリウレタンのポリオール成分として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリマーポリオール(POP)、アジペート系ポリオール(ポリエステルポリオール)、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)、ポリカーポネートジオール(PCD)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、ポリブタジエンポリオール(PBP)、1,5−ペンタジオール(1,5−PD)、トリメチロールプロパン(TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、及びメチルペンタンジオール(MPD)等が挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、一般にポリウレタンのポリイソシアネート成分として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、及びノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられる。
架橋剤としては、一般にポリウレタンの架橋剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
鎖延長剤としては、一般にポリウレタンの鎖延長剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、及びネオペンチルグリコール等が挙げられる。
クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子のモース硬度は、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる観点から、0.5〜2.0であり、好ましくは0.7〜1.5であり、より好ましくは、0.8〜1.3である。
ここで、「モース硬度」とは、標準物質として滑石の硬度を1、ダイヤモンドの硬度を10とし、さらに滑石1(軟性)〜ダイヤモンド10(硬性)の間に代表的な鉱物となる標準物質を選定し、標準物質と対象物質の硬度とを比較して、対象物質の硬度を相対的に評価する指標のことをいう。
選定されている標準物質は、硬度の低い順から、1:滑石、2:石膏、3:方解石、4:蛍石、5:燐灰石、6:正長石、7:水晶、8:黄玉、9:鋼玉、10:ダイヤモンドである。「モース硬度」の評価は、選定されている10種の標準物質を順次用いて、対象物質を引っ掻いていき、傷の有無を確認し、対象物質に傷が生じれば、用いた標準物質よりも対象物質の方が、硬度が低い(軟性)と評価することができる。
上記無機微粒子のモース硬度が、上記範囲未満である場合には、クリーニングブレードが有する転写残トナーを掻き取る性能(クリーニング性能)を十分に維持することができず、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。一方、上記無機微粒子のモース硬度が、上記範囲を超える場合には、感光体が磨耗され易くなると共に、クリーニングブレードの当接部が欠け易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
本発明で特定したモース硬度を有する無機微粒子としては、例えば、黒鉛(モース硬度:0.5〜1)、タルク(モース硬度:1)、インジウム(モース硬度:1.2)、塩化銀(モース硬度:1.3)、アスファルト(モース硬度:1〜2)、カルシウム(モース硬度:1.5)、ガリウム(モース硬度:1.5)、鉛(モース硬度:1.5)、錫(モース硬度:1.5〜1.8)、石膏(1.6〜2)、ストロンチウム(モース硬度:1.8)、カドミウム(モース硬度:2)、岩塩(モース硬度:2)、セレン(モース硬度:2)、マグネシウム(モース硬度:2)、銀(モース硬度:2)、及び亜鉛(モース硬度:2)等が代表的に挙げられる。
これらの中でも、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる効果が特に高いことから、黒鉛(モース硬度:0.5〜1)、及びタルク(モース硬度:1)が好ましく用いられ、タルク(モース硬度:1)がより好ましく用いられる。
クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の個数平均一次粒径は、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる観点から、10μm以下であり、好ましくは0.05〜3μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。
上記無機微粒子の個数平均一次粒径が、上記範囲を超える場合には、感光体が磨耗され易くなると共に、クリーニングブレードの当接部が欠け易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子は、カップリング剤で表面処理された無機微粒子であることが好ましい。
表面処理された無機微粒子は、有機材料であるポリウレタンとの親和性が上がり、ポリウレタンから脱落し難くなると共に、ポリウレタン内に均一分布し易くなるため、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる効果を高めることができる。
カップリング剤としては、無機微粒子とポリウレタンとの親和性を上げる効果を有するものであれば、特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、及びアルミニウム系カップリング剤等が用いられる。
これらのカップリング剤の中でも、無機微粒子とポリウレタンとの親和性を上げる効果が特に高いことから、アミノ基を含有するカップリング剤が特に好ましく用いられる。
具体的には、アミノ基含有シランカップリング剤、及びアミノ基含有チタネートカップリング剤等が挙げられ、アミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。
アミノ基含有シランカップリング剤(アミノシランカップリング剤)としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基含有チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。
クリーニングブレード用ポリウレタンは、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性を向上させる観点から、特定のモース硬度、且つ特定の個数平均一次粒径を有する無機微粒子を、0.5〜20重量%含有させ、より好ましくは1〜15重量%含有させ、さらに好ましくは2〜10重量%含有させて用いる。
上記無機微粒子の含有量が、上記範囲未満である場合には、クリーニングブレードが有する転写残トナーを掻き取る性能(クリーニング性能)を十分に維持することができず、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。一方、上記無機微粒子の含有量が、上記範囲を超える場合には、感光体が磨耗され易くなると共に、クリーニングブレードの当接部が欠け易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
クリーニングブレードの線圧は、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニング性能を向上させる観点から、0.1〜0.8(N/cm)に設定することが好ましく、0.1〜0.7(N/cm)に設定することがより好ましく、0.1〜0.6(N/cm)に設定することがさらに好ましい。
ここで、「クリーニングブレードの線圧」とは、感光体上に当接したクリーニングブレードの当接部にかかる圧力(当接圧)のことをいう。
上記クリーニングブレードの線圧が、上記範囲未満である場合には、クリーニングブレードが有する転写残トナーを掻き取る性能(クリーニング性能)を十分に発揮することができず、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。一方、上記クリーニングブレードの線圧が、上記範囲を超える場合には、感光体が磨耗され易くなると共に、クリーニングブレードの当接部が欠け易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
クリーニングブレードのショアA硬度は、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニング性能を向上させる観点から、60〜90であることが好ましく、65〜80であることがより好ましく、68〜75であることがさらに好ましい。
ここで、「ショアA硬度」とは、ゴム弾性体の硬さを表す指標として用いられるもので、JIS K 6253に規定されている方法によって測定される値である。
上記ショアA硬度が、上記範囲未満である場合には、クリーニングブレードが有する転写残トナーを掻き取る性能(クリーニング性能)を十分に発揮させることができず、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。一方、上記ショアA硬度が、上記範囲を超える場合には、感光体が磨耗され易くなると共に、クリーニングブレードの当接部が欠け易くなり、クリーニングブレードの耐久性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
<トナー>
以下、本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーについて説明する。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、一般に、電子写真画像形成用トナーとして用いられているものであれば、特に限定されないが、結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有し、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径が4〜10μmであり、平均円形度が0.95〜0.999であるトナーが好ましく用いられる。
トナーを構成する着色樹脂粒子の製造方法は、一般に、乾式法、及び湿式法に大別されるが、印字性能や生産性に優れることから、湿式法が好ましい。
湿式法の中でも、ミクロンオーダーの粒径のトナーが得られ易いことから、乳化重合凝集法、分散重合法、及び懸濁重合法などの重合法が好ましく、さらに、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
本発明において、着色樹脂粒子を製造する方法は、特に限定されるものではないが、懸濁重合法を代表例として挙げ、着色樹脂粒子の製造プロセスを以下に説明する。
懸濁重合法による着色樹脂粒子は、一般に、(1)重合性単量体組成物の調製工程、(2)懸濁液を得る懸濁工程、(3)重合工程、並びに(4)洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程を経て製造される。
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、及び帯電制御剤、さらに必要に応じて離型剤等のその他の添加物を、混合、溶解して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えばメディア式分散機を用いて行なう。
重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を用いることが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが好適に用いられる。
重合性単量体の一部として、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を改善するために、上記モノビニル単量体と共に、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を有するモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、トナーの保存性と低温定着性とのバランスを向上させるために、上記モノビニル単量体と共に、任意のマクロモノマーを用いることが好ましい。マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマーまたはポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
着色剤としては、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、マゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン顔料、その誘導体、及びアントラキノン顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
本発明では、それぞれの着色剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの定着ロールからの剥離性を向上させるために、離型剤を用いることが好ましい。
離型剤としては、一般にトナー用の離型剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル、並びに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化合物;等が挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性または負帯電性を有する各種の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、本発明においては、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、帯電制御樹脂を用いることが好ましい。
帯電制御樹脂は、例えば、種々の市販品を用いることができ、正帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製として、FCA−161P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−207P(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−201−PS(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられ、負帯電性の帯電制御樹脂としては、藤倉化成社製として、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N、N'−ジメチル−N、N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、N、N'−ジオクタデシル−N、N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
上記(1)重合性単量体組成物の調製工程を経て得られる重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
本発明では液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
水系分散媒体は、水単独でもよいが、低級アルコール、及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤と併用して用いることもできる。
分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物などの金属化合物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子化合物;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の有機高分子化合物;等が挙げられる。
上記分散安定化剤の中でも、酸溶液に溶解する金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定化剤が好ましく用いられ、水酸化マグネシウムがより好ましく用いられる。上記分散安定化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩;4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させた後、液滴形成前の段階で添加されてもよいが、重合性単量体組成物に直接添加されてもよい。
重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
(3)重合工程
上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
本発明において、重合工程により得られる着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。
コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上記コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の観点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様のものを用いることができる。その中でも、スチレン、メチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いるシェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2'−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の重合開始剤を挙げることができる。
シェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
シェル層の重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。また、シェル層の重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
(4)洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程
上記(3)重合工程により得られる着色樹脂粒子の水分散液は、常法に従い、洗浄、濾過、及び脱水の一連の操作を、必要に応じて数回繰り返し行ない、得られた固形分を乾燥することにより、着色樹脂粒子を得る。
先ず、着色樹脂粒子の水系分散媒体中に残存する分散安定化剤を除去するために、着色樹脂粒子の水分散液に、酸またはアルカリを添加して洗浄を行なう。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へアルカリを添加する。
分散安定化剤として、酸に可溶な無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液に、酸を添加し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行なうことが好ましい。酸洗浄で添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸;蟻酸、及び酢酸等の有機酸;等を用いることができる。これらの中でも、分散安定化剤の除去効率が良好であり、トナーの製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
重合工程により得られた着色樹脂粒子の水分散液に、酸またはアルカリを添加して洗浄を行なった後は、濾過分離を行ない、得られた固形分にイオン交換水を加えて再スラリー化させて、水などの洗浄液による洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行ない、得られた固形分を、乾燥させることにより着色樹脂粒子が得られる。
洗浄処理、及び乾燥処理の方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができ、洗浄処理に用いる装置としては、例えば、ピーラーセントリフュージ、及びサイホンピーラーセントリフュージ等が挙げられ、乾燥処理に用いる方法としては、例えば、真空乾燥、気流乾燥、及びスーパードライヤー等が挙げられる。
(5)着色樹脂粒子
トナーを構成する着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、高画質の画像形成を行ない、且つ、優れたクリーニング性能を維持する観点から、4〜10μmであることが好ましく、5〜9μmであることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが、上記範囲未満である場合には、高画質の画像形成を行なうことは比較的容易になるものの、転写残トナーが、クリーニングブレードと感光体の間を擦り抜け易く、クリーニング不良が引き起こされ易くなる場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが、上記範囲を超える場合には、クリーニング不良が比較的引き起こされ難くなるものの、高画質の画像形成を行なうことが困難になる場合がある。
また、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比である粒径分布(Dv/Dn)は、画像再現性の観点から、1〜1.3であることが好ましく、1〜1.2であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dn)が、上記範囲を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値である。
また、上記着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.95〜0.999であることが好ましく、0.97〜0.999であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記範囲未満である場合には、高画質の画像形成を行なうことは比較的容易になるものの、転写残トナーが、クリーニングブレードと感光体の間を擦り抜け易く、クリーニング不良が引き起こされ易くなる場合がある。
本発明において、「円形度」とは、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 0005187317
上記計算式2において、fiは、円形度(Ci)の粒子の頻度である。
上記円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、及び「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
(6)トナー
着色樹脂粒子は、そのままで、あるいは着色樹脂粒子とキャリア粒子(フェライト、及び鉄粉等)により、トナーとしてもよいが、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、高速撹拌機(例えば、商品名:FMミキサー(三井鉱山社製)等)を用いて、着色樹脂粒子と外添剤を混合して、1成分トナーとしてもよく、着色樹脂粒子と外添剤を混合した後、さらにキャリア粒子を混合して2成分現像剤としてもよい。
外添剤としては、一般にトナー用の外添剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの外添剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
現像工程後、転写工程前における感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|は、30〜80μC/gであることが好ましく、35〜70μC/gであることがより好ましく、35〜60μC/gであることがさらに好ましい。
ここで、「感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|」とは、画像形成方法において、現像工程後、転写工程前における感光体上に付着したトナーの単位重量あたり帯電量の絶対値のことをいい、例えば、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて測定される値である。
上記感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|が、上記範囲未満である場合には、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|が、上記範囲を超える場合には、転写工程において、可視像を記録材に転写する転写性が低下し、画質劣化が引き起こされ易くなる場合がある。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
<試験方法>
(1)着色樹脂粒子
(1−1)体積平均粒径Dv、及び粒径分布Dv/Dn
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンII(:商品名、電解液)を10〜30ml加え、20W(Watt)の超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
(1−2)平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料(着色樹脂粒子)0.02gを加え、超音波分散機で60W(Watt)、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度が3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均をとったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(2)感光体表面上におけるトナーの帯電量|Q/M|
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷スピード:A4サイズ24枚/1分)を用い、トナーが充填されたカートリッジを装着して、印字用紙をセットした。
温度23℃、湿度50%の常温常湿(N/N)環境下で、24時間放置した後、同環境下にて、先ず1枚目の黒ベタ印字(印字濃度100%)を行い、次いで2枚目の黒ベタ印字(印字濃度100%)を途中で停止させた。
感光体上に可視像として形成されたトナーの帯電量(現像工程後、転写工程前における感光体表面上のトナーの帯電量)を、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて測定し、当該測定値Q(μC)をトナーの重量M(g)で除して単位重量当たりのトナーの帯電量|Q/M|(μC/g)を求めた。
(3)画像形成評価
(3−1)感光体表面の平均摩耗量
上述した市販の非磁性一成分現像方式のプリンターを用い、評価用クリーニングブレードを取り付け、トナーが充填されたカートリッジを装着して、印字用紙をセットした。
なお、評価用クリーニングブレードの線圧は、0.25〜0.35(N/cm)となるように設定した。
温度23℃、湿度50%の常温常湿(N/N)環境下で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で10,000枚の連続印刷を行ない、評価用クリーニングブレードの感光体表面に対する耐摩耗性を以下のように評価した。
初期の感光体表面厚と、連続印刷後の感光体表面厚を、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、商品名:VK−9700)を用いて、それぞれ各6ポイント測定し、下記計算式3より、感光体表面の平均摩耗量(6ポイントの平均値)を求めた。
計算式3:
感光体表面の摩耗量(μm)
={初期の感光体表面厚(μm)}−{連続印刷後の感光体表面厚(μm)}
(3−2)クリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)
上述した市販の非磁性一成分現像方式のプリンターを用い、評価用クリーニングブレードを取り付け、トナーが充填されたカートリッジを装着して、印字用紙をセットした。
なお、評価用クリーニングブレードの線圧は、0.25〜0.35(N/cm)となるように設定した。
温度23℃、湿度50%の常温常湿(N/N)環境下で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で連続印刷を行ない、500枚毎に帯電ロール表面を目視にて観察し、縦筋状の汚れの発生の有無を確認した。
ここでいう「縦筋状の汚れ」とは、クリーニングブレードの当接部の欠け幅がトナー粒径の1.5倍以上になった際に発生する汚れのことであり、転写残トナーの擦り抜け等のクリーニング不良に起因する汚れのことである。
帯電ロール表面に縦筋状の汚れの発生が初めて確認されたときの枚数(クリーニングブレードの欠け発生枚数)をカウントし、最大で10,000枚まで連続印刷を行なった。
なお、表1中、「10,000<」と記載されているものは、10,000枚の連続印刷後においても、クリーニングブレードの欠けが発生しなかったことを示す。
(3−3)感光体へのフィルミング
上述した市販の非磁性一成分現像方式のプリンターを用い、評価用クリーニングブレードを取り付け、トナーが充填されたカートリッジを装着して、印字用紙をセットした。
なお、評価用クリーニングブレードの線圧は、0.25〜0.35(N/cm)となるように設定した。
温度23℃、湿度50%の常温常湿(N/N)環境下で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で連続印字を行ない、500枚毎にハーフトーン印字(印字濃度50%)をして、白くぼけた画像の発生の有無を確認した。
ここでいう「白くぼけた画像」とは、転写残トナーの感光体への固着等に起因する画質劣化が引き起こされた画像のことである。
ハーフトーン画像に白くぼけた画像の発生が初めて確認されたときの枚数(感光体へのフィルミング発生枚数)をカウントし、最大で10,000枚まで連続印刷を行なった。
なお、感光体へのフィルミング試験は、上記(3−2)クリーニングブレードの耐久性試験と同時に行ない、クリーニングブレードの欠けが発生した場合には、感光体へのフィルミングの評価は行わなかった。表1中、フィルミングの発生枚数に「<」と表記されているものは、クリーニングブレードの欠けが発生した枚数の時点で、感光体へのフィルミングの発生がなかったことを示す。
<製造方法>
〔負帯電制御樹脂の製造例1〕
スチレン82部、n−ブチルアクリレート11部、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸7%からなる重合性単量体100部をトルエン900部中に投入し、2,2'−アゾビス(2,2'−ジメチルバレロニトリル)4部の存在下、80℃にて8時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧留去して、製造例1の負帯電制御樹脂(スルホン酸基含有共重合体)を作製した。
なお、作製したスルホン酸基含有共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10,000であり、官能基を持つ構造単位の重量%は、7%であった。
〔トナーの製造例1〕
モノビニル単量体としてスチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部(得られる共重合体のTg=55℃)、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、得られる重合体のTg=94℃)0.5部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部、及びマゼンタ着色剤としてC.I.Pigment Red 122(クラリアント社製)6部を、メディア型湿式粉砕器(浅田鉄工社製、商品名:ピコミル)を用いて湿式粉砕を行なった。
上記湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御剤として製造例1で作製した負帯電制御樹脂3部、及び離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート(日油社製)10部を添加し、混合、溶解して、コア用重合性単量体組成物を得た。
他方、室温下(25℃)で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム11.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.6部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
一方、メチルメタクリレート(得られる重合体のTg=105℃)1部、及び水65部を、超音波乳化機を用いて、微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイドの分散液に、室温下(25℃)で、上記コア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソブチレート(日油社製、商品名:パーブチルIB)6部を添加した後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダーMDN303V)を用いて、15,000rpmの回転数で、30分間高剪断攪拌して分散を行ない、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
上記により得られた重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、95℃に昇温し、一定温度で重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達したときに、上記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.3部を溶解し、それを反応器に添加し、4時間重合反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル型構造を有する着色樹脂粒子水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子水分散液に、室温下で、10%希硫酸水溶液(硫酸を10重量%含有する水溶液)を攪拌しながら滴下し、pHが4.5以下となるまで酸洗浄し、濾過脱水を行ない、湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得た。
上記により得られたウエットケーキに、40℃に加温されたイオン交換水250部を加え、再スラリー化させて、着色樹脂粒子の水洗浄し、濾過脱水を行ない、洗浄されたウエットケーキを得た。さらに、当該ウエットケーキに、再度、40℃に加温されたイオン交換水250部を加え、再スラリー化させて、着色樹脂粒子の水洗浄し、濾過脱水を行ない、洗浄されたウエットケーキを得た。
上記により得られた洗浄されたウエットケーキを乾燥機の容器内に入れ、40℃で24時間乾燥を行ない、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
なお、乾燥により得られた着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は6.7μm、粒径分布(Dv/Dn)は1.15、平均円形度は0.973であった。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に対して、市販のシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:R−104、個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:45%)1部、及び市販のシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名:HDK−H05TX、個数平均一次粒径:50nm)0.5部を添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名:ヘンシェルミキサー)を用いて、1,400rpmの回転数で、5分間混合攪拌し、外添を行ない、製造例1のトナーを作製し、本発明の電子写真画像形成方法に適用した。
〔タルクの製造例1〕
市販のタルクA(日本タルク社製、商品名:SG−2000、モース硬度:1、個数平均一次粒径:1μm)100部に、トルエン100部、及びアミノシランカップリング剤であるN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1部を加え、攪拌機で攪拌しながら80℃で1時間攪拌を行なった後、トルエンをエバポレーターで留去し、乾燥機で乾燥を行ない、製造例1の表面処理済タルクAを作製した。
〔タルクの製造例2〕
上記タルクの製造例1において、原料となる市販のタルクAを、市販のタルクB(日本タルク社製、商品名:SG−200、モース硬度:1、個数平均一次粒径:3.2μm)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして製造例2の表面処理済タルクBを作製した。
〔クリーニングブレードの製造例〕
(実施例1)
ポリオール成分として2官能のポリエステルポリオール化合物であるプラクセル230CP(:商品名、ダイセル化学工業社製、ネオペンチルグリコール(NPG)を開環重合開始剤として得られるポリε-カプロラクトンポリオール、数平均分子量:3000)59.8部、及びポリイソシアネート成分としてメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)40.2部を添加し、窒素ガスを吹き込みながら、80℃にて3時間反応させて、NCO基末端擬似プレポリマーを調製した。
80℃に加熱されたNCO基末端擬似プレポリマーに、さらに、ポリオール成分として2官能のポリエステルポリオール化合物であるプラクセル220(:商品名、ダイセル化学工業社製、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)を開始剤として触媒を用いてε-カプロラクトンを開環付加させて得られる化合物、数平均分子量:2,000)16.7部加え、製造例1で作製した表面処理済タルクA10部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)5.7部、及び鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(1,4−BD)5.2部を添加し、遊星式混合装置(THINKY社製、商品名:AR−500)を用いて混合を行ない、ポリウレタンの反応性組成物を得た。
得られたポリウレタンの反応性組成物を、気泡が入らないように真空脱泡し、金型(縦:200mm、横:300mm、厚さ:1.6mm)に注入し、150℃にて1時間反応させて硬化させ、シート状のポリウレタン(ゴム弾性体)に成形した。
得られたシート状ポリウレタンを、所定の形状(縦:12mm、横:238mm)に裁断してクリーニングブレードを作製した。
なお、当該クリーニングブレードに含まれる製造例1で作製した表面処理済タルクAの含有量は、7.3重量%であった。
作製したクリーニングブレードを、所定の金具にホットメルト接着剤を用いて貼着して固定し、実施例1のクリーニングブレードユニットを作製し、試験に供した。
(実施例2)
実施例1のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の種類を、製造例1で作製した表面処理済タルクAから製造例2で作製した表面処理済タルクBに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
(実施例3)
実施例1のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の種類を、製造例1で作製した表面処理済タルクAから表面未処理の市販のタルク(日本タルク社製、商品名:SG−2000、モース硬度:1、個数平均一次粒径:1μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
(比較例1)
実施例1のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の種類を、製造例1で作製した表面処理済タルクAから表面未処理の市販の六チタン酸カリウム(クボタ社製、商品名:T−XAX、モース硬度:3、個数平均一次粒径:0.8μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
(比較例2)
実施例1のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の種類を、製造例1で作製した表面処理済タルクAから表面未処理の市販のタルク(竹原化学工業社製、商品名:MS−KY、モース硬度:1、個数平均一次粒径:23μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
(比較例3)
実施例3のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の量を、10部から0.3部に変更し、クリーニングブレードに含まれる無機微粒子の含有量を、7.3重量%から0.1重量%としたこと以外は、実施例3と同様にして比較例3のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
(比較例4)
実施例3のクリーニングブレードの製造方法において、クリーニングブレード用ポリウレタンに含有させる無機微粒子の量を、10部から50部に変更し、クリーニングブレードに含まれる無機微粒子の含有量を、7.3重量%から28重量%としたこと以外は、実施例3と同様にして比較例4のクリーニングブレードを作製し、試験に供した。
Figure 0005187317
(結果)
各実施例及び比較例で作製したトナーの試験結果を、表1に示す。
(結果のまとめ)
表1に記載されている試験結果より、以下のことが分かる。
比較例1の画像形成方法は、本発明で特定したモース硬度よりも高い無機微粒子を用いたことに起因し、感光体に対する耐摩耗性、及びクリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が共に損なわれ、フィルミングによる画質劣化が引き起こされ、クリーニング性能の悪い画像形成方法であった。
比較例2の画像形成方法は、本発明で特定した個数平均一次粒径よりも大きい無機微粒子を用いたことに起因し、感光体に対する耐摩耗性、及びクリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が共に損なわれ、フィルミングによる画質劣化が引き起こされ、クリーニング性能の悪い画像形成方法であった。
比較例3の画像形成方法は、本発明で特定した含有量よりも少ない無機微粒子を用いたことに起因し、クリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が損なわれ、クリーニング性能の悪い画像形成方法であった。
比較例4の画像形成方法は、本発明で特定した含有量よりも多い無機微粒子を用いたことに起因し、感光体に対する耐摩耗性、及びクリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が共に損なわれ、クリーニング性能の悪い画像形成方法であった。
これに対して、実施例1〜3の画像形成方法は、本発明で特定した特性を有する無機微粒子を特定量用いたことに起因し、感光体に対する耐摩耗性を損なうことなく、クリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)を向上させることができ、優れたクリーニング性能を維持でき、フィルミングによる画質劣化が起り難く、高画質の画像形成を経時的に行なうことができる画像形成方法であった。
なお、実施例3の画像形成方法は、表面未処理の無機微粒子を用いたことに起因し、実施例1及び2に比べて、クリーニングブレードの耐久性(耐欠け性)が若干劣っていた。

Claims (4)

  1. トナーにより感光体上に可視像を形成する現像工程、当該可視像を記録材に転写し転写像を形成する転写工程、当該転写像を記録材に定着する定着工程、転写後の感光体上に残留するトナーを感光体上に当接したクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
    上記クリーニングブレードが、ポリウレタンから形成され、当該ポリウレタンが、モース硬度が0.5〜2.0であり、且つ、個数平均一次粒径が0.05〜3.2μmである無機微粒子を0.5〜20重量%含有する電子写真画像形成方法。
  2. 前記無機微粒子が、カップリング剤により表面処理されている請求の範囲第1項に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 前記トナーが、結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有し、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径が4〜10μmであり、平均円形度が0.95〜0.999である請求の範囲第1項又は第2項に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記現像工程後、前記転写工程前における前記感光体表面上のトナーの帯電量の絶対値|Q/M|が、30〜80μC/gである請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の電子写真画像形成方法。
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