JP3124785B2 - 樹脂成形用型の表面処理方法 - Google Patents
樹脂成形用型の表面処理方法Info
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Description
方法の改良に関するものである。さらに詳しくいえば、
本発明は、耐食性、耐摩耗性、耐熱性、離型性及び樹脂
付着防止性などに優れた樹脂成形用型を得るための樹脂
成形用型の表面処理方法に関するものである。
に有する、比較的耐熱性が良好で、かつ燃えにくい、耐
水性、耐薬品性、耐候性に優れる、電気的に絶縁性に富
む、軽量で錆が発生しない、成形加工性に優れ、かつ着
色も自由で透明のものが得られ、外観が美麗である、な
どの特徴を有することから、工業材料として種々の分野
において幅広く用いられている。
密化や高機能化が要求され、成形用型も複雑化してきて
おり、そのため製作費が高くつき、型の寿命が樹脂製品
のコストに大きく影響を及ぼすようになってきている。
付着性や腐食性が強く、かつ強度や機能を向上させる目
的で、硬質の炭化ケイ素やガラスファイバーなどが混入
されるなど、型の損耗を激しくする要因が多く、そのま
までは型の寿命が短いために、通常型になんらかの表面
処理が施されている。例えば付着力の強い高粘度のエボ
キシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、ウレタン樹脂などのコ
ンパウンドを成形する場合には、一般に型にシリコーン
系やフッ素系などの離型剤を塗布するなどの手段がとら
れている。そして、これらの離型剤はその特性として低
エネルギー表面を形成するが、型材に対する密着性に劣
り、そのため、型材表面に該離型剤を強固に密着させる
目的で、通常型材表面にシランカップリング剤による処
理などを施したのち、該離型剤が塗布されている。
おいては、離型性や樹脂の付着防止性は必ずしも満足し
うるものではなく、しかも耐摩耗性、耐食性、耐熱性な
ども十分ではないという欠点がある。
来の樹脂成形用型の表面処理方法が有する欠点を克服
し、離型性や樹脂の付着防止性に優れる上、耐食性、耐
摩耗性、耐熱性などが良好な高寿命の樹脂成形用型を提
供することを目的としてなされたものである。
の付着防止性に優れる高寿命の樹脂成形用型について鋭
意研究を重ねた結果、樹脂成形用型の表面に、まず型材
より硬質の皮膜を形成させたのち、この皮膜に特定の処
理を施し、次いで表面低エネルギー樹脂の被覆層を設け
ることにより、前記目的を達成しうることを見い出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
に型材より硬質の皮膜を形成させ、この皮膜に場合によ
り化成処理を施したのち、シランカップリング剤による
処理を施し、次いでフッ素系樹脂の被覆層を設けること
を特徴とする樹脂成形用型の表面処理方法を提供するも
のである。
面に、まず、型材より硬質の皮膜を形成させることが必
要である。この硬質皮膜の材料としては、例えばニッケ
ル、クロム、モリブデン、タングステンなどの金属又は
これらの合金、ニッケル−リン、鉄−リン、コバルト−
リンなどの複合材、さらには窒化チタンなどの金属セラ
ミックスなどが挙げられる。
については特に制限はなく、公知の方法、例えば電解め
っき法、無電解めっき法、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーディング法、CVD法などの中から、
使用する材料に応じて適宜選び用いることができる。こ
の皮膜の厚さは、通常数μm〜数100μmの範囲で選
ばれる。
成された硬質皮膜に、まず場合により化成処理が施され
る。この化成処理方法としては、従来公知の方法、例え
ばリン酸塩、クロメート又はこれらの複合剤による処理
方法、あるいは黒色クロムめっき処理方法などを用いる
ことができる。次に、シランカップリング剤による処理
が施されるが、このシランカップリング剤としては、例
えばメチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、さらにはパーフルオロアルキル官能シランなどが挙
げられる。これらのシランカップリング剤は1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ップリング剤により処理を施したのち、フッ素系樹脂か
ら成る被覆層を形成する。このフッ素系樹脂としては、
耐摩耗性、耐食性、耐熱性などに優れる点から、例えば
四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プ
ロピレン共重合樹脂、フッ化黒鉛樹脂[(CF)n,
(C2F2)nなど]などが好ましく用いられ、これらは
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
せる方法については特に制限はなく、従来公知の方法の
中から使用する樹脂の種類に応じて適宜選ばれるが、通
常は粉末ライニング法、例えば粉末溶射法、粉末流動浸
せき法、浸せき焼着法などが用いられる。また、この被
覆層は単層構造であってもよいし、多層構造であっても
よく、使用目的に応じて適宜選ばれる。多層構造の被覆
層を形成させる場合は、例えば前記のようにしてシラン
カップリング剤による処理を施したのち、該樹脂から成
る第1の被覆層を前記の方法により形成させ、次いでこ
れにシランカップリング剤による処理を施したのち、同
様にして第2の被覆層を形成させ、これを所望回数繰り
返すことにより、多層構造とすることができる。
ー樹脂から成る被覆層の厚さは、通常数μm〜数100
0μmの範囲で選ばれる。
止性に優れる上、耐食性、耐摩耗性、耐熱性などの良好
な高寿命の樹脂成形用型が得られる。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
グにより、窒化チタンから成る厚さ1〜2μmの硬質皮
膜を形成させた。エポキシ系樹脂を溶融状態でその表面
に滴下させ、その付着強度を求めたところ、5kg/c
m2以上であり、また、樹脂のむくれ現象が認められ
た。なお、窒化チタンの硬質皮膜を形成させる前のSK
D11材との付着強度は同様に5kg/cm2以上であ
った。
キシシランで処理したのち、同様に付着強度を求めたと
ころ、600g/cm2を示し、ややその値が低下し
た。
を用いて、四フッ化エチレン樹脂を焼付け厚さ50μm
の被覆層を形成させ、同様に付着強度を求めたところ、
20g/cm2の値を示し、付着強度はさらに低下し
た。
調べたところ、200回繰り返しても付着強度はほぼ同
様の値を示し、離型樹脂の表面も良好で優れた付着防止
性を示した。
皮膜の代りにNi−P,Ni−Co,Fe−P,Co−
P及びCrのそれぞれの皮膜を電解めっき法、無電解め
っき法で設けたもの、上述のそれぞれの皮膜を蒸着法で
設けたもの、Mo及びWそれぞれの皮膜をCVD法で設
けたものについても前記と同様な効果を示した。
について、化成処理の有無による樹脂との付着強度を求
めた。
−Co皮膜(Hv約500)を厚さ500μmに形成さ
せたものに更に1μmのCrめっきを施し、かつ実施例
1と同様にエポキシ系樹脂を用いて付着強度を求めた。
膜は付着強度は5kg/cm2以上であり、また、この
皮膜に、実用亜鉛用やアルミニウム用のクロメート、リ
ン酸−クロム酸塩、リン酸亜鉛をそれぞれ用いて化成処
理を施したものは、いずれも1kg/cm2の付着強度
を示し、若干の低下が認められたが、数回の繰り返しで
皮膜の剥離が認められた。また、樹脂剥離面はいずれも
むしり取られた状態が観察された。
ップリング剤のオクタデシルシラン処理を施したもの
は、いずれも600g/cm2程度の付着強度を示し、
また繰り返しが50回程度までは離型樹脂表面も良好で
あったが、それ以上の回数では、化成皮膜の一部が樹脂
面に付着するのが認められた。
たものに、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重
合樹脂を焼付け、厚さ500μmの被覆層を設けたもの
は、20g/cm2の付着強度を示し、著しい低下が認
められた。
止性を求めたところ、実施例1と同様に200回以上で
もその性能の低下はなく、約500回程度で400g/
cm2の付着強度を示し、コーティング皮膜の特性が失
われた。
ング皮膜が薄くなっていることが確認されたので、この
皮膜に前記と同様のシランカップリング剤による処理を
施したのち、エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂
の皮膜を設けて、2層から成る厚さ1000μmの皮膜
を形成させ、その付着防止性を求めたところ、1000
回繰り返しても付着防止性の低下は認められず、離型樹
脂表面も良好であった。
のち、その表面に黒色クロムめっき処理を電解法で施
し、さらにシランカップリング剤のオクタデシルシラン
による処理を施し、次いで厚さ500μmのフッ化黒鉛
樹脂皮膜を焼付法で設けた。
強度を求めたところ、約800回まで20g/cm2の
低付着強度を示し、離型樹脂表面も良好であった。ま
た、黒色めっき皮膜そのものはシランカップリング剤的
効果があり、フッ化黒鉛樹脂や四フッ化エチレン樹脂、
四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂と懸
架作用を有し、密着性があるが、表面処理効果を十分に
発揮させるには、シランカップリング剤による処理を行
うことが必要である。
皮膜の付着強度は実施例2の場合と同じく、約5kg/
cm2の高い値を示し、しかも離型樹脂表面はむしり取
られた痕跡が認められた。
皮膜の表面上に金属クロム層、次いでmCrO3・nC
rO3・xH2Oの酸化物層、さらに最上部は通常のク
ロメートに類似した層から構成され、耐食性に優れたも
のである。
じめ設け、さらに表面低エネルギーの樹脂から成る被覆
層を設けたものは、母材の耐食性改善には著しく有効で
あった。
Claims (3)
- 【請求項1】 樹脂成形用型の表面に型材より硬質の皮
膜を形成させ、この皮膜にシランカップリング剤による
処理を施し、次いでフッ素系樹脂の被覆層を設けること
を特徴とする樹脂成形用型の表面処理方法。 - 【請求項2】 樹脂成形用型の表面に型材より硬質の皮
膜を形成させ、この皮膜に化成処理を施したのち、シラ
ンカップリング剤による処理を施し、次いでフッ素系樹
脂の被覆層を設けることを特徴とする樹脂成形用型の表
面処理方法。 - 【請求項3】 フッ素系樹脂が四フッ化エチレン樹脂、
四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂及び
フッ化黒鉛樹脂の中から選ばれた少なくとも1種である
請求項1又は2記載の樹脂成形用型の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03128221A JP3124785B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 樹脂成形用型の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03128221A JP3124785B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 樹脂成形用型の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0592434A JPH0592434A (ja) | 1993-04-16 |
JP3124785B2 true JP3124785B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=14979495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03128221A Expired - Lifetime JP3124785B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 樹脂成形用型の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3124785B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU3939695A (en) * | 1994-11-07 | 1996-05-31 | Mark Alexander Jenkins | Method of manufacturing resilient tubing |
JP5187317B2 (ja) * | 2007-11-30 | 2013-04-24 | 日本ゼオン株式会社 | 電子写真画像形成方法 |
-
1991
- 1991-05-02 JP JP03128221A patent/JP3124785B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0592434A (ja) | 1993-04-16 |
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