JP2019111774A - 加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属層との密着性が優れていると共に、尿素含有ハンドクリームに対する耐性も非常に優れている加飾樹脂成形品の提供。【解決手段】樹脂成形品12の表面に薄膜状の金属層14が形成され、金属層14上にトップコート層16が形成されてなる加飾樹脂成形品10において、トップコート層16を、(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤との反応物によって、構成し、厚さが、10〜40μmである、加飾樹脂成形品10。金属層14が、Fe,Ni,Cr,Mo、Ti、Cr、Al、Zr、Au、Ag及びCuから選される一種の金属又は2種以上の金属からなる合金で構成されている、加飾樹脂成形品10。【選択図】図1
Description
本発明は、加飾樹脂成形品に係り、特に、自動車の内装部品や外装部品等として好適に用いられ得る加飾樹脂成形品に関するものである。
従来より、加飾樹脂成形品の一種として、樹脂成形品からなる基材の所定の面(例えば意匠面。以下、被加飾面という。)に対して、例えば、メタリック塗装による塗膜や、金属メッキによるメッキ膜等を形成することにより、樹脂成形品上に金属表面を擬似的に表現する、所謂金属調の加飾が施されてなる加飾樹脂成形品が知られている。そのような加飾樹脂成形品は、本物の金属製品と比較して、軽量で、成形性や加工性に優れ、しかも、防錆加工も不要であるところから、例えば、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品、携帯電子機器等の様々な製品の表皮材や部品等として、広く用いられている。
具体的には、特許文献1(特開2016−84597号公報)においては、自動車のドアハンドルとして、ポリカーボネートとABS樹脂のいずれかまたは両方を含む樹脂材料の射出成形体からなる樹脂成形品に、スパッタリングにより金属膜が形成されており、かかる金属膜の上に、溶剤系UV塗料が塗布されてその後紫外線が照射されることによってコーティング層が形成されてなるものが、開示されている。
ところで、近年、特に手荒れに悩んでいる女性は、尿素含有ハンドクリームを常用している人が多い。そのような尿素含有ハンドクリームを常用している人が、例えば自動車の運転をする場合には、尿素含有ハンドクリームが塗られた手が自動車内の様々な内装部品に接触する機会が多い。
このような状況の下、本願発明者が、従来の加飾樹脂成形品について、尿素含有ハンドクリームに対する耐性について確認したところ、特許文献1に開示のものを始めとする従来の加飾樹脂成形品にあっては、尿素含有ハンドクリームによって最外層たるトップコート層(保護層)が侵され、場合によっては剥離する恐れがあるという問題を内在していることが判明したのである。
本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、金属層との密着性が優れていると共に、尿素含有ハンドクリームに対する耐性も非常に優れている加飾樹脂成形品を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、樹脂成形品の表面に薄膜状の金属層が形成され、かかる金属層上にトップコート層が形成されてなる加飾樹脂成形品において、前記トップコート層が、(メタ)アクリレートと、該(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤との反応物によって構成されていることを特徴とする加飾樹脂成形品を、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う加飾樹脂成形品にあっては、好ましくは、前記金属層が、Fe、Ni、Cr、Mo、Ti、Al、Cr、Zr、Au、Ag及びCuの中から選択される1種の金属にて、又はそれらより選択される2種以上の金属よりなる合金にて構成されている。
また、本発明に従う加飾樹脂成形品においては、望ましくは、前記トップコート層の厚さが10〜40μmである。
このように、本発明に従う加飾樹脂成形品にあっては、その最外層たるトップコート層が、(メタ)アクリレートと、かかる(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤との反応物によって構成されているところから、シルセスキオキサン又はシランカップリング剤に起因する分子構造によって、トップコート層が、尿素含有ハンドクリームに対して非常に優れた耐性を発揮するものと、なっているのである。
以下、図面を適宜、参酌しながら、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る加飾樹脂成形品10を、樹脂成形品12上における金属層14及びトップコート層16の積層方向に平行な面で切断し、それによって現われる断面を部分的に拡大した説明図である。そこに示されている加飾樹脂成形品10は、合基材たる樹脂成形品12と、金属層14と、トップコート層16とから構成されている。より詳細には、樹脂成形品12は、全体として矩形板状を呈しており、その一方の面(図1における上面)の全面に亘って金属層14が形成され、金属層14上の全面にトップコート層16が形成されて、構成されている。
ここで、基材たる樹脂成形品12を構成する樹脂材料としては、従来より加飾樹脂成形品を構成する樹脂材料として用いられているものであれば、如何なるものであっても用いることが可能である。そのような樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、更には、PC樹脂とABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂とからなる複合材料(ポリマーアロイ)を始めとする各種のポリマーアロイやポリマーブレンド等を、例示することが出来る。
なお、本発明を構成する樹脂成形品の形状や大きさ、厚さ等については、特に限定されるものではない。また、樹脂成形品の製造方法(成形法)にあっても、従来より公知の各種成形法の中から、使用される樹脂材料や目的とする樹脂成形品の形状等に応じたものを選択して、採用することが可能である。
そのような樹脂成形品12上の金属層14は、加飾樹脂成形品10において金属調を発現させるために形成されるものであり、かかる金属層14を構成する金属材料は、目的とする金属調に応じたものが適宜に選択されることとなる。本発明に従う加飾樹脂成形品において、金属層を構成する金属材料としては、Fe、Ni、Cr、Mo、Ti、Al、Cr、Zr、Au、Ag及びCuの中から選択される1種の金属、及び、それらより選択される2種以上の金属よりなる合金を、例示することが出来る。
なお、金属層の厚さが薄すぎたり、厚すぎたりする場合には、最終的に得られる加飾樹脂成形品が目的とする金属調を有利に発現しない恐れがあることから、本発明の加飾樹脂成形品においては、通常、金属層の厚さは200〜500Å(20〜50nm)程度とされる。
また、金属層の形成手法にしても、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーディング法等の物理蒸着法(PVD法)や、熱CVD法やプラズマCVD法、光CVD法等の化学蒸着法(CVD法)等の公知の手法より、金属材料に応じたものが適宜に選択されて、採用される。
そして、本発明の加飾樹脂成形品10においては、金属層14の表面を覆うトップコート層16が、(メタ)アクリレートと、かかる(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤との反応物によって構成されているところに、大きな技術的特徴が存しているのである。
そのような特定の反応物にてトップコート層を構成することによって、本発明の効果を享受し得ることについてのメカニズム、換言すれば、尿素含有ハンドクリームに対して優れた耐性を発揮することについてのメカニズムに関しては、本願発明者にあっても未だ完全に把握しているものではないが、尿素[CO(NH2)2]の分子構造とは非類似であるSi原子−O原子間の結合構造を、トップコート層を構成する材料中に導入することにより、かかる材料からなるトップコート層が、金属層との間においては優れた密着性を発揮する一方で、尿素含有ハンドクリーム中の尿素と接触しても、ハンドクリーム中の尿素とトップコートを構成する材料とは相溶せず、その結果、優れた耐性を発揮するものと、本願発明者は推測している。なお、トップコート層が尿素含有ハンドクリームに対する優れた耐性を有するとは、換言すれば、長期間に亘って繰り返し、トップコート層に対して尿素含有ハンドクリームが塗られた手が接触しても、尿素によってトップコート層は変質せず、金属層から剥離しないことを意味するものである。
ここで、本発明に従う加飾樹脂成形品のトップコート層を形成する際に使用される(メタ)アクリレートとしては、従来より、加飾樹脂成形品において最外層たる保護層を形成する際に使用されているもの、例えば、アクリル樹脂系塗料等と称されているものであれば、如何なるものであっても使用することが可能である。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリロイル基を有するアクリルモノマーやアクリルオリゴマー等のアクリレート、及び、メタクリロイル基を有するメタクリルモノマーやメタクリルオリゴマー等のメタクリレートを包括的に表現するものである。
また、本発明において使用されるシルセスキオキサンとは、一般式:(SiO1.5R)nで表されるシルセスキオキサン構造を有するネットワーク型ポリマーや多面体クラスターを意味するものである。なお、上記一般式において、Rは水素原子又は置換基であり、置換基としては、プロピルアクリロイル基やプロピルメタクリロイル基等の有機基を例示することが出来、また、nは1以上の整数である。
本発明においては、従来より公知のシルセスキオキサンの中から、(メタ)アクリレートと反応可能なものが選択されて、使用される。本発明において使用可能なシルセスキオキサンとしては、ポリ[1−メトキシ−4−(3−プロピロキシ−ヘプタイソブチル−PSS)−2.5−フェニレンビニレン]、ポリ[1−メトキシ−4−(3−プロピロキシ−ヘプタイソブチル−PSS)−2.5−フェニレンビニレン]−[1−メトキシ−4−(2−エチルヘキシロキシ)−2.5−フェニレンビニレン](30:70)、ポリ[1−メトキシ−4−(3−プロピロキシ−ヘプタイソブチル−PSS)−2.5−フェニレンビニレン]−[1−メトキシ−4−(2−エチルヘキシロキシ)−2.5−フェニレンビニレン](60:40)等を、例示することが出来る。
また、本発明において、上記した特定のシルセスキオキサンと共に、或いはシルセスキオキサンに代えて、(メタ)アクリレートと反応可能なシランカップリング剤を使用することが可能である。(メタ)アクリレートと反応可能なシランカップリング剤としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、O−(メタクリロキシエチル)−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等を、例示することが出来る。なお、上記した化合物におけるアクリロイル基(メタクリロイル基)をメタクリロイル基(アクリロイル基)に置き換えた化合物や、Si原子をAl原子、Ti原子又はZr原子に置き換えた化合物にあっても、本発明において使用することが可能である。
ところで、本発明に係る加飾樹脂成形品は、例えば、以下の作業手順に従って、製造することが可能である。
先ず、樹脂成形品が、使用される樹脂材料に応じた成形法に従って作製される。
次いで、樹脂成形品における加飾を施す面(被加飾面)上に、物理蒸着法又は化学蒸着法に従って、所定の単一金属又は合金からなる金属層が形成される。
一方で、アクリル系樹脂塗料に、そこに含まれる(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤を添加して、液状材料を調製する。なお、かかる液状材料の調製に際しては、必要に応じて、重合開始剤、触媒、UVAやHALS等の添加剤を加えることが出来、また、シンナー等の有機溶媒で希釈することも可能である。そして、かかる液状材料を、樹脂成形品の金属層上に塗布し、塗布膜を加熱乾燥することにより、或いは、塗布膜に対して紫外線を照射すること等によって塗布膜を硬化せしめてトップコート層を形成せしめることにより、目的とする加飾樹脂成形品が得られるのである。
そして、以上の如くして得られた、本発明に従う加飾樹脂成形品にあっては、最外層たるトップコート層が、金属層との間においては優れた密着性を発揮する一方で、尿素含有ハンドクリーム中の尿素と接触しても、ハンドクリーム中の尿素とトップコートを構成する材料とは相溶しないところから、優れた耐性を発揮するものとなっているのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。
なお、以下の各実施例及び比較例として得られた積層体(加飾樹脂成形品)についての、耐尿素ハンドクリーム性試験、耐湿密着性試験、耐熱密着性試験、温冷熱密着性試験及び耐水密着性試験は、各々、以下の手法に従って実施し、評価した。
−耐尿素ハンドクリーム性試験−
積層体のトップコート層上に、尿素含有ハンドクリーム(市販品)を1g/100cm2 の割合の量において塗布し、かかる尿素含有ハンドクリームが塗布された積層体を、80℃の雰囲気中にて72時間、静置した。その後、基材に対する金属層及びトップコート層の剥離性に関して、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。即ち、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
積層体のトップコート層上に、尿素含有ハンドクリーム(市販品)を1g/100cm2 の割合の量において塗布し、かかる尿素含有ハンドクリームが塗布された積層体を、80℃の雰囲気中にて72時間、静置した。その後、基材に対する金属層及びトップコート層の剥離性に関して、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。即ち、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
−耐湿密着性試験−
先ず、各積層体を、JIS K 5600-7-2に従い、温度:50℃、湿度:95%RHの雰囲気中に所定時間、静置した。かかる耐湿試験後の各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
先ず、各積層体を、JIS K 5600-7-2に従い、温度:50℃、湿度:95%RHの雰囲気中に所定時間、静置した。かかる耐湿試験後の各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
−耐熱密着性試験−
先ず、各積層体を、温度:80℃の雰囲気中に所定時間、静置した。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
先ず、各積層体を、温度:80℃の雰囲気中に所定時間、静置した。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
−温冷熱密着性試験−
先ず、各積層体を、湿度:95%R以上で、温度が−30℃〜90℃の範囲において1〜数時間単位で変化する雰囲気中に静置した。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
先ず、各積層体を、湿度:95%R以上で、温度が−30℃〜90℃の範囲において1〜数時間単位で変化する雰囲気中に静置した。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
−耐水密着性試験−
先ず、各積層体を、水温が40℃の水中に所定時間、浸漬せしめた。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
先ず、各積層体を、水温が40℃の水中に所定時間、浸漬せしめた。その後、各積層体について、JIS K 5600-5-6:1999『塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)』に規定される試験方法に従って試験を行ない、以下の基準に従って評価した。具体的に、試験後の積層体において、金属層及びトップコート層の剥離が認められなかった場合には○と、軽微な剥離が認められたものの実用的には問題がない場合には△と、著しい剥離が認められた場合には×と、評価した。各積層体についての評価結果を、下記表1に示す。
−実施例1−
PC−ABS樹脂からなる厚さ:3mmの平板状の基材を、射出成形法に従って作製した。かかるPC−ABS樹脂製基材の一方の面上に、公知のスパッタリング法に従い、ステンレス鋼(SUS316L )からなる厚さが400Åの金属層を形成した。一方、トップコート層形成材料として、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を96重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを4重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を調製した。そして、かかる液状材料に重合開始剤を加えたものを、PC−ABS樹脂製基材の金属層上に塗布し、塗布膜を乾燥せしめることにより、PC−ABS樹脂製基材上に、厚さが400Åの金属層と、厚さが20μmのトップコート層とがこの順に従って形成されてなる積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験、耐湿密着性試験、耐熱密着性試験、温冷熱密着性試験及び耐水密着性試験を実施した。
PC−ABS樹脂からなる厚さ:3mmの平板状の基材を、射出成形法に従って作製した。かかるPC−ABS樹脂製基材の一方の面上に、公知のスパッタリング法に従い、ステンレス鋼(SUS316L )からなる厚さが400Åの金属層を形成した。一方、トップコート層形成材料として、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を96重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを4重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を調製した。そして、かかる液状材料に重合開始剤を加えたものを、PC−ABS樹脂製基材の金属層上に塗布し、塗布膜を乾燥せしめることにより、PC−ABS樹脂製基材上に、厚さが400Åの金属層と、厚さが20μmのトップコート層とがこの順に従って形成されてなる積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験、耐湿密着性試験、耐熱密着性試験、温冷熱密着性試験及び耐水密着性試験を実施した。
−実施例2−
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を92重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを8重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を92重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを8重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
−実施例3−
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を88重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを12重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を88重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを12重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
−実施例4−
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を84重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを16重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を84重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを16重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
−実施例5−
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を80重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを20重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
実施例1の液状材料に代えて、主剤たるウレタンアクリレート(オリゴマー)を80重量%の割合において、また、添加剤としてのシルセスキオキサンを20重量%の割合において、それぞれ含有する液状材料を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
−比較例1−
実施例1の液状材料に代えて、ウレタンアクリレート(オリゴマー)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
実施例1の液状材料に代えて、ウレタンアクリレート(オリゴマー)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の手法に従い、積層体を作製した。このようにして作製された積層体を試料として用いて、耐尿素ハンドクリーム性試験等を実施した。
かかる表1の結果から明らかなように、本発明に従う加飾樹脂成形品と同様の構成を有する積層体(実施例1〜実施例5)にあっては、トップコート層と金属層との密着性に優れていることに加えて、尿素含有ハンドクリームに対しても優れた耐性を発揮するものであることが、確認されるのである。
10 加飾樹脂成形品
12 樹脂成形品
14 金属層
16 トップコート層
12 樹脂成形品
14 金属層
16 トップコート層
Claims (3)
- 樹脂成形品の表面に薄膜状の金属層が形成され、かかる金属層上にトップコート層が形成されてなる加飾樹脂成形品において、
前記トップコート層が、(メタ)アクリレートと、該(メタ)アクリレートと反応可能なシルセスキオキサン又はシランカップリング剤との反応物によって構成されていることを特徴とする加飾樹脂成形品。 - 前記金属層が、Fe、Ni、Cr、Mo、Ti、Al、Cr、Zr、Au、Ag及びCuの中から選択される1種の金属にて、又はそれらより選択される2種以上の金属よりなる合金にて構成されている請求項1に記載の加飾樹脂成形品。
- 前記トップコート層の厚さが10〜40μmである請求項1又は請求項2に記載の加飾樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017248603A JP2019111774A (ja) | 2017-12-26 | 2017-12-26 | 加飾樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
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