JP6481947B2 - 金属積層フイルム、及びその製造方法 - Google Patents

金属積層フイルム、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも金属薄膜層が積層されている金属積層フイルムとその製造方法に関する。
プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも金属薄膜層が積層されている金属積層フイルムは、金属積層フイルムが有しているガスバリア性、意匠性等の各種機能を利用して、包装材、日用品、電子材料、建装材等、日常生活において様々な物品に使用されている。
金属積層フイルムは、金属積層フイルムが単体で使用される場合や、無延伸ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリアミドフイルム等、従来公知の各種プラスチックフイルム(以下他のプラスチックフイルムという)と貼り合わせされたラミネート品として使用される場合や、金属積層フイルムを成形品等に接着剤や粘着剤等を介して貼着して使用される場合等、金属積層フイルムが使用される用途や目的に応じ様々な方法で使用されている。
しかしながら、金属積層フイルムは、金属積層フイルムのプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が低いと、プラスチックフイルムと金属薄膜層との界面で容易に剥離してしまい、金属積層フイルムが有している各種機能が損なわれてその機能を十分に発揮することができなくなってしまう為、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着性に優れた金属積層フイルムが要望されている。
そして、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムを得る為に、プラスチックフイルム上にコロナ処理、プラズマ処理等の前処理を行った後、金属薄膜層を積層したり、プラスチックフイルム上に樹脂からなるアンカーコート層を積層した後、金属薄膜層を積層したりする方法が採用されていた。
特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートフイルム等の各種フイルム(プラスチックフイルム)上に、アルミニウム等を蒸着して金属蒸着層(金属薄膜層)が積層された金属蒸着フイルム(金属積層フイルム)は、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が低いことが記載されており、上記欠点を解消したものとして、プラスチックフイルム表面に、飽和ポリエステル樹脂、イソシアネート化合物、及び触媒からなる組成物(樹脂)をコーティングして下地層(アンカーコート層)として積層し、該下地層(アンカーコート層)上に金属蒸着層(金属薄膜層)を積層した金属蒸着フイルム(金属積層フイルム)も記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているプラスチックフイルムと金属薄膜層との間にアンカーコートが積層されている金属積層フイルムは、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度は高く、密着性に優れたものであるが、プラスチックフイルム上に、樹脂をコーティングしてアンカーコート層を積層する工程が必要であり、金属積層フイルムを製造する工程数が増えるだけでなく、金属積層フイルムを製造するコストが高くなる欠点があった。
その為、金属積層フイルムを使用する用途によっては、プラスチックフイルムと金属薄膜層との間にアンカーコートが積層されている金属積層フイルムは、製造コストが高く使用できないものであった。
したがって、プラスチックフイルム上にコロナ処理等の前処理を行なうことや、プラスチックフイルムと金属薄膜層との間にアンカーコート層を積層することなく、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムが要望されていた。
特開昭61−217361号公報
前記のとおり、プラスチックフイルム上に、金属薄膜層のみが積層された従来の金属積層フイルムは、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が低いものであった。
具体的には、金属積層フイルムのプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度は、金属積層フイルムの金属薄膜層上に接着剤層等を介して他のプラスチックフイルムを貼り合わせしたラミネート品を使用して、180度剥離試験を行なった場合に、密着強度が300g/15mm未満であり、容易にプラスチックフイルムと金属薄膜層との界面で剥離してしまう欠点があった。
本明細書でいう、密着強度が高く、密着性に優れているとは、金属積層フイルムのプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度がJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験において、300g/15mm以上であることをいう。
また、コロナ処理等の前処理されたプラスチックフイルム上(前処理面)に、金属薄膜層のみが積層された金属積層フイルムは、コロナ処理等の前処理を行わなかった金属積層フイルムと比較すると、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度は若干高くなるものの180度剥離試験の密着強度は300g/15mm未満であり、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度は依然として低いものであった。
また、特許文献1記載の金属積層フイルムに代表される、プラスチックフイルム上に、アンカーコート層、及び金属薄膜層が順次積層された金属積層フイルムは、前記のとおり、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度は180度剥離試験において、300g/15mm以上であり密着性に優れているものの、樹脂をコーティングしてアンカーコート層を積層する工程が必要であり、金属積層フイルムを製造するコストが高くなる為、用途によっては使用できない欠点があった。
したがって、本発明の金属積層フイルムの課題は、プラスチックフイルムと金属薄膜層との間に、アンカーコート層を積層することなく、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルム、及びその製造方法を提供することである。
[1]本発明は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムであって、金属薄膜層が、プラスチックフイルムと接している側の金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層であり、かつプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度がJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験において、300g/15mm以上であることを特徴とする金属積層フイルムである。
[2]本発明は、プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、少なくとも樹脂からなる機能層が積層されている上記[1]記載の金属積層フイルムである。
[3]本発明は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層され、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度がJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験において、300g/15mm以上である金属積層フイルムの製造方法であって、少なくともシランカップリング剤を加熱して気化させたシランカップリングガスの温度を30〜70℃の範囲とし、かつ導入量を0.3〜20L/min.の範囲として導入し、該シランカップリングガスと蒸発させた金属とを反応させて、プラスチックフイルムと接している側の金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層を、プラスチックフイルムの片面または両面に積層することを特徴とする、金属積層フイルムの製造方法である。
[4]本発明は、シランカップリング剤が、メチル基を有するシランカップリング剤である上記[3]記載の金属積層フイルムの製造方法である。
[5]本発明は、シランカップリング剤が、メチルトリメトキシシランである上記[4]記載の金属積層フイルムの製造方法である。
[6]本発明は、上記[3]〜[5]記載の製造方法で製造された金属積層フイルムの、プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、少なくとも樹脂からなる機能層を積層することを特徴とする金属積層フイルムの製造方法である。
本発明の金属積層フイルムは、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムであって、金属薄膜層が、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層であることを特徴とする金属積層フイルムであり、本発明の金属積層フイルムは、プラスチックフイルムと金属薄膜層との間にアンカーコート層が積層されたものとすることなく、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れたものとなる。
また、本発明の金属積層フイルムの製造方法は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層されている金属積層フイルムの製造方法であって、少なくともシランカップリング剤を加熱して気化させたシランカップリングガスと蒸発させた金属とを反応させて、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層を、プラスチックフイルムの片面または両面に積層することを特徴としており、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムを製造することができる。
さらに、使用するシランカップリング剤に、メチル基を有するシランカップリング剤を使用すれば、金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる為、より好ましく、メチルトリメトキシシランを使用すれば万全である。
その結果、本発明の金属積層フイルムの製造方法は、プラスチックフイルムと金属薄膜層との間にアンカーコート層を積層することなく、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムを効率的に製造することができ、かつ製造するコストも抑えることができる。
はじめに、本発明の金属積層フイルムについて述べる。
本発明の金属積層フイルムは、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムであって、金属薄膜層が、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層であることを特徴としており、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れたものである。
(プラスチックフイルム)
本発明の金属積層フイルムに使用するプラスチックフイルムは、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、ポリビニルアルコールフイルム等の各種プラスチックフイルムが使用できる。
プラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸の何れでもよく、また、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
プラスチックフイルムの厚さは、特に限定されないが、2〜250μmの範囲であるのが好ましく、金属積層フイルムを使用する用途等、目的に応じて適宜選択すればよい。
プラスチックフイルムの厚さが、2μmよりも薄いと、本発明の金属積層フイルムを製造する際に、カールやシワ等が発生しやすくなるおそれがあり好ましくなく、プラスチックフイルムの厚さが、250μmよりも厚いと、本発明の金属積層フイルムを製造する際に製造コストが上がる為、好ましくない。
さらに、プラスチックフイルムは、本発明の金属積層フイルムを意匠性に富んだものとする目的で、プラスチックフイルムの表面に、ヘアライン加工、マット加工、エンボス加工等の凹凸加工が施されていても構わない。
(金属薄膜層)
本発明の金属積層フイルムに積層されている金属薄膜層は、金属積層フイルムに、意匠性、ガスバリア性、導電性等の各種機能を付与する目的で積層される層であり、珪素化合物と金属を少なくとも含む層である。
金属薄膜層に使用する金属は、アルミニウム、クロム、錫、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、インジウム等の各種従来公知の金属を使用することができ、所望の目的により適宜選択すればよい。また、金属薄膜層は、上記従来公知の金属の酸化物、硫化物、窒化物の薄膜層であっても構わない。
金属薄膜層に含まれる珪素化合物は、金属薄膜層を積層する際に使用する、後述するシランカップリング剤が分解や反応してできた珪素化合物であり、分析してもすべてを特定することができないが、主に酸化珪素であると推測され、酸化珪素以外に水酸化珪素、窒化珪素、塩化珪素等の様々な珪素化合物が含まれていると考えられる。
また、本発明の金属積層フイルムの金属薄膜層は、金属薄膜層に含まれる珪素化合物の種類、珪素化合物と金属との比率、珪素化合物の分布の状態等は不明であるが、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲であれば、本発明の金属積層フイルムのプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れたものとなる。
金属薄膜層の厚さは、10〜300nmの範囲が好ましく、金属薄膜層を積層する目的により適宜選択すればよい。
金属薄膜層を積層する方法は、金属薄膜層表面のSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲となる積層方法であれば制限なく使用することができ、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、CVD法等、従来公知の金属薄膜層を積層する方法を使用することができる。特に、金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる点から、真空蒸着法を使用することが好ましい。
(機能層)
本発明の金属積層フイルムは、必要に応じて、金属積層フイルムに、意匠性、ハードコート性、接着性、反射防止性、防曇性、耐候性、耐食性等の各種機能を付与する目的で、プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、印刷層、ハードコート層、接着剤層、反射防止層、防曇層、耐候層、耐食層等の少なくとも樹脂からなる各種機能層が積層されていてもよい。
機能層は、1層、または2層以上であっても構わず、機能層の種類、機能層を積層する位置、及び積層する順序は、目的に応じて適宜選択すればよい。
機能層に使用する樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等、各種公知の樹脂1種、または2種以上の混合樹脂としてもよく、目的に応じて適宜選択すればよい。
また、機能層には、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤が添加されていても構わない。
機能層を積層する方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、マイクログラビアコート(リバースグラビアコート)法、バーコート法等、従来公知のコーティング方法を使用することができ、目的に応じて適宜選択すればよく、機能層の厚さは、機能層を積層する目的に応じて適宜選択すればよい。
次に、本発明の金属積層フイルムの製造方法について述べる。
本発明の金属積層フイルムの製造方法は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムの製造方法であって、少なくともシランカップリング剤を加熱して気化させたシランカップリングガスと蒸発させた金属とを反応させて、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層を、プラスチックフイルムの片面または両面に積層することを特徴とする金属積層フイルムの製造方法であり、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムを製造することができる。
本発明の金属積層フイルムの製造方法において、使用するプラスチックフイルムは、前述した本発明の金属積層フイルムと同様のものが使用できる。
本発明の金属積層フイルムの製造方法において、金属薄膜層を積層する際に使用する金属も、前述した本発明の金属積層フイルムと同様のものが使用できる。
金属薄膜層を積層する方法は、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、CVD法等、従来公知の金属薄膜層を積層する方法を使用することができる。特に、金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる点で、真空蒸着法を使用することが好ましい。
そして、真空蒸着法を使用して金属薄膜層を積層する方法を例にして述べると、真空蒸着機の外でシランカップリング剤をヒーター等で予め加熱して気化させたシランカップリングガスを真空蒸着機内に導入し、該シランカップリングガスと、真空蒸着機内で加熱蒸発させた金属とを反応させることによって、プラスチックフイルムの片面または両面に、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層を積層することができる。
また、金属を加熱蒸発させる方法としては、抵抗加熱法、高周波加熱法、電子ビーム加熱法等の加熱蒸発させる方法を使用することができ、使用する金属により適宜選択すればよい。
そして、後述するとおり、シランカップリングガスの導入量、シランカップリングガスの温度、及び使用するキャリアガスの種類をそれぞれ調整・選択することで、金属薄膜層表面のSiO強度を3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる。
シランカップリングガスを導入する際のシランカップリングガスの温度は、シランカップリングガスの温度を30〜70℃の範囲とすることが好ましい。
また、シランカップリングガスを導入する際のシランカップリングガスの導入量は、0.3〜20L/min.の範囲が好ましく、ガス流量制御装置によって制御すればよい。
シランカップリングガスの温度、及びシランカップリングガスの導入量を上記範囲とすれば、金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる。
金属薄膜層を積層する際に導入するシランカップリングガスは、シランカップリング剤をヒーター等で加熱して気化させたシランカップリング剤のみからなるガスであってもよく、キャリアガスとしてアルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス等の従来公知のガスを使用し、キャリアガスと混合した混合ガスであっても構わない。
特に、シランカップリングガスを、キャリアガスとして酸素ガスを使用した混合ガスとすれば、金属薄膜層を積層する際に、蒸発させた金属が酸化されてシランカップリングガスとの反応をより促進させることができ、金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる為、好ましい。
シランカップリングガスに使用するシランカップリング剤は、3−
1467271318833_0.htm
、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等、エポキシ基、アルキル基、メチル基等の各種官能基を有する従来公知のシランカップリング剤を使用することができる。
特にメチル基を有するシランカップリング剤を使用すれば金属薄膜層表面のSiO強度を容易に3.0〜6.0kcpsの範囲とすることができる為、好ましく、メチルトリメトキシシランを使用すれば万全である。
金属薄膜層を積層する場合に、金属薄膜層表面のSiO強度は、使用するシランカップリング剤の種類に応じて、導入するシランカップリングガスの導入量とシランカップリングガスの温度を調整すること、及びキャリアガスに使用するガスの種類を選択することによって決定される。
そして、シランカップリングガスの導入量を0.3〜20L/min.の範囲とし、かつシランカップリングガスの温度を30〜70℃の範囲とし、かつキャリアガスとして酸素ガスを使用すれば、プラスチックフイルムの片面または両面に、金属薄膜層表面のSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層を確実に積層することができ万全である。
また、金属薄膜層を積層する際に、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度を高くする目的で、直流、交流、高周波、マイクロ波等により、シランカップリングガスを放電させてプラズマを発生させても構わない。
本発明の金属積層フイルムの製造方法は、前述の金属薄膜層を積層した後、プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、少なくとも従来公知の樹脂からなる各種機能層を積層しても構わない。
上記機能層は、前述の本発明の金属積層フイルムで使用した機能層と同様のものを使用することができる。
また、機能層の種類と使用する樹脂の種類、機能層の厚さ、機能層を積層する位置、機能層を積層する順序も、それぞれ機能層を積層する目的に応じて適宜選択すればよい。
そして、機能層を積層する方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、マイクログラビアコート(リバースグラビアコート)法、バーコート法等、従来公知のコーティング方法を使用することができ、目的に応じて適宜選択すればよい。
以上のとおり、本発明の金属積層フイルムは、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムであって、金属薄膜層が、金属薄膜層表面のSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲であることを特徴とする金属積層フイルムであり、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れたものとなる。
また、プラスチックフイルムや金属薄膜層上に、機能層がさらに積層された本発明の金属積層フイルムも当然上記効果を有したものとなる。
また、本発明の金属積層フイルムの製造方法は、少なくともシランカップリング剤を加熱して気化させたシランカップリングガスと蒸発させた金属とを反応させて、金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層を、プラスチックフイルムの片面または両面に、積層することを特徴としており、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度が高く、密着性に優れた金属積層フイルムを製造することができる。
そして、使用するシランカップリング剤にメチル基を有するシランカップリング剤を使用すればより好ましく、メチルトリメトキシシランとすれば万全である。
[実施例1]
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)の片面に、シランカップリング剤にメチル基を有するメチルトリメトキシシラン(エボニックジャパン株式会社製 商品名:ダイナシランMTMS)をヒーターで加熱して気化させたメチルトリメトキシシランのみからなるガスとキャリアガスである酸素ガスとを混合した混合ガスをシランカップリングガスとし、該シランカップリングガス(混合ガス)を45℃にして真空蒸着機内に1.8L/min.の導入量で導入しながら、上記シランカップリングガス(混合ガス)と真空蒸着機内で加熱蒸発させたアルミニウムとを反応させて、真空蒸着法で厚さ50nmの珪素化合物とアルミニウムを含むアルミニウム薄膜層を積層し、実施例1の金属積層フイルムを得た。
[実施例2〜6]
実施例1で使用したシランカップリングガス(混合ガス)の導入量、及びシランカップリングガス(混合ガス)の温度を表1記載の導入量、及び温度としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6の本発明の金属積層フイルムを得た。
[比較例1]
実施例1で使用したシランカップリングガス(混合ガス)を導入しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)上に、珪素化合物が含まれていないアルミニウム薄膜層が積層された比較例1の金属積層フイルムを得た。
[比較例2]
実施例1で使用したシランカップリングガス(混合ガス)にかえて、酸素ガスのみを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)に、珪素化合物が含まれていないアルミニウム薄膜層が積層された比較例2の金属積層フイルムを得た。
[ラミネート品の作成]
実施例1〜6で得た本発明の金属積層フイルム、比較例1、及び比較例2で得た金属積層フイルムのそれぞれのアルミニウム薄膜層上に、ウレタン系樹脂(三井化学株式会社製 商品名:タケラックA310)、及び硬化剤(三井化学株式会社製 商品名:タケネートA3)からなる樹脂をグラビアコート法でコーティングして、厚さ3μmの接着剤層を積層し、該接着剤層を介して、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムB)を貼り合わせたラミネート品をそれぞれ作成した。
[SiO強度測定]
実施例1〜6で得た本発明の金属積層フイルム、比較例1、及び比較例2で得た金属積層フイルムを使用した前記ラミネート品を試験試料とし、ラミネート品をそれぞれポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)とアルミニウム薄膜層との界面で剥離させた後、アルミニウム薄膜層の表面を蛍光X線分析装置(株式会社リガク社製RIX2100)を使用し、蛍光X線分析(XRF)法で、アルミニウム薄膜層表面のSiO強度をそれぞれ測定した。
(測定結果)
測定結果は表1に示す。
[180度剥離試験]
(測定方法)
実施例1〜6で得た本発明の金属積層フイルム、比較例1、及び比較例2で得た金属積層フイルムを使用した前記ラミネート品を試験試料とし、JIS K 6854−2法(接着剤−剥離接着強度試験方法−第2部:180度剥離)に準拠して、金属積層フイルムのポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)とアルミニウム薄膜層との密着強度をそれぞれ測定した。(剥離速度:300mm/min.)
(測定結果)
測定結果は表1に示す。
表1のとおり、実施例1〜6で得た本発明の金属積層フイルムは、実施例1〜6で得た本発明の金属積層フイルムを使用して得たラミネート品を使用して測定したアルミニウム薄膜層表面のSiO強度が、いずれも3.0kcps以上であり、また、ポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)とアルミニウム薄膜層との密着強度が、いずれも300g/15cm以上であり、密着強度が高く、密着性に優れたものであった。
それに対して、比較例1、及び比較例2で得た金属積層フイルムは、比較例1、及び比較例2で得た金属積層フイルムを使用したラミネート品を使用して測定したアルミニウム薄膜層表面のSiO強度が、それぞれ2.45kcps、2.55kcpsであり、いずれも3.0kcps未満であった。また、ポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルムA)とアルミニウム薄膜層との密着強度は、いずれも300g/15mm未満であり、密着強度が低く、特に比較例1で得た金属積層フイルムは、80g/15mmであり著しく弱いものであった。
[実施例7]
実施例1で得た本発明の金属積層フイルムのアルミニウム薄膜層上に、アクリル系樹脂をリバースコート法でコーティングして、厚さ3μmの機能層であるホットメルト接着剤層を積層して、ポリエチレンテレフタレートフイルム上に、アルミニウム薄膜層、及びホットメルト接着剤層が順次積層された、実施例7の本発明の金属積層フイルムを得た。
[実施例8]
実施例1で得た本発明の金属積層フイルムのポリエチレンテレフタレートフイルムの他の片面に、ウレタン系樹脂と黄色の染料とからなる混合樹脂をグラビアコート法でコーティングして、厚さ1.5μmの機能層である着色層を積層して、ポリエチレンテレフタレートフイルムの片面にアルミニウム薄膜層が積層され、ポリエチレンテレフタレートの他の片面に着色層が積層されている、実施例8の本発明の金属積層フイルムを得た。
実施例7、及び実施例8で得た本発明の金属積層フイルムは、いずれも実施例1で得た本発明の金属積層フイルムのポリエチレンテレフタレートフイルムとアルミニウム薄膜層との密着強度を維持しており、密着性に優れたものであった。

Claims (6)

  1. プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層された金属積層フイルムであって、金属薄膜層が、プラスチックフイルムと接している側の金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層であり、かつプラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度がJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験において、300g/15mm以上であることを特徴とする金属積層フイルム。
  2. プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、少なくとも樹脂からなる機能層が積層されている請求項1記載の金属積層フイルム。
  3. プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくとも、珪素化合物と金属とを少なくとも含む金属薄膜層が積層され、プラスチックフイルムと金属薄膜層との密着強度がJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験において、300g/15mm以上である金属積層フイルムの製造方法であって、少なくともシランカップリング剤を加熱して気化させたシランカップリングガスの温度を30〜70℃の範囲とし、かつ導入量を0.3〜20L/min.の範囲として導入し、該シランカップリングガスと蒸発させた金属とを反応させて、プラスチックフイルムと接している側の金属薄膜層表面を蛍光X線分析(XRF)法で測定したSiO強度が3.0〜6.0kcpsの範囲の金属薄膜層を、プラスチックフイルムの片面または両面に積層することを特徴とする、金属積層フイルムの製造方法。
  4. シランカップリング剤が、メチル基を有するシランカップリング剤である請求項3記載の金属積層フイルムの製造方法。
  5. シランカップリング剤が、メチルトリメトキシシランである請求項4記載の金属積層フイルムの製造方法。
  6. 請求項3〜5記載の製造方法で製造された金属積層フイルムの、プラスチックフイルム上、及び/または金属薄膜層上に、少なくとも樹脂からなる機能層を積層することを特徴とする金属積層フイルムの製造方法。
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