JP2014006278A - 複合フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂基材2およびハードコート層3を有する複合フィルム1であって、ハードコート層が、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、フィラーの平均一次粒子径が、500nm以下であり、フィラーの含有量が、ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルム。
【選択図】図1
Description
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(以下、「フィルムミラー」ともいう。)に置き換えることが提案されている。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(17)を提供する。
上記ハードコート層が、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、
上記フィラーの平均一次粒子径が、500nm以下であり、
上記フィラーの含有量が、上記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルム。
上記ハードコート層が、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、
上記フィラーの平均一次粒子径が、500nm以下であり、
上記フィラーの含有量が、上記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルム。
本発明の第1の態様に係る複合フィルムは、樹脂基材およびハードコート層を有する複合フィルムであって、上記ハードコート層が光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、上記フィラーの平均一次粒子径が500nm以下であり、上記フィラーの含有量が上記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルムである。
次に、本発明の第1態様に係る複合フィルムの概要について、図1〜8を用いて説明する。
また、図2に示すように、本発明の複合フィルム1は、樹脂基材2とハードコート層3との密着性が良好となる理由から、樹脂基材2とハードコート層3との間にプライマー層4を設けるのが好ましい。
また、図3、4、7および8に示すように、本発明の複合フィルム1は、複合フィルムのカールを調整することができる理由から、樹脂基材2のハードコート層3が設けられた側とは反対側の表面にバックコート層5を設けるのが好ましい。
また、図5〜8に示すように、本発明の複合フィルム1は、フィルムミラー用途に用いる観点から、樹脂基材2の表面に金属反射層6を有していてもよい。なお、金属反射層6を有する場合、上述したプライマー層4は、図6および8に示すように、金属反射層6とハードコート層3との間に設けられるものである。
本発明の第2の態様に係る複合フィルムは、第1の樹脂基材と、上記第1の樹脂基材の表面に設けられる金属反射層と、第2の樹脂基材と、ハードコート層とをこの順に有する複合フィルムであって、上記ハードコート層が光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、上記フィラーの平均一次粒子径が500nm以下であり、上記フィラーの含有量が上記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルムである。
次に、本発明の第2態様に係る複合フィルムの概要について、図9〜12を用いて説明する。
また、図10および12に示すように、本発明の複合フィルム10は、第2の樹脂基材13とハードコート層14との密着性が良好となる理由から、第2の樹脂基材13とハードコート層14との間にプライマー層15を設けるのが好ましい。
また、図11および12に示すように、本発明の複合フィルム1は、複合フィルムのカールを調整することができる理由から、第1の樹脂基材11のハードコート層14が設けられた側とは反対側の表面にバックコート層16を設けるのが好ましい。
第1の態様で用いる樹脂基材ならびに第2の態様で用いる第1の樹脂基材および第2の樹脂基材(以下、特に区別を要しない場合はこれらをまとめて「樹脂基材」ともいう。)は特に限定されず、その形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、複合フィルムの透明性や耐候性が高い理由から、上記樹脂基材(特に第2の態様においては第2の樹脂基材)はアクリル系樹脂であるのが好ましい。
同様に、上記樹脂基材の厚さは、上記樹脂基材の形状によっても左右されるため特に限定されないが、上記樹脂基材が平面形状である場合は、通常、25〜200μmであるのが好ましい。
第1の態様および第2の態様で用いるハードコート層(以下、特に区別を要しない場合はこれらをまとめて「ハードコート層」ともいう。)は、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂と特定粒径のフィラーとを特定の割合で含有する層である。
本発明の複合フィルムは、このようなハードコート層を有するため、耐傷性に優れ、ヘイズ値の維持率も高くなる。
これは、フィラーが樹脂の三次元網目構造の中に適度に分散することにより、反射率やヘイズ値等の光学物性に影響を与えずに、砂塵等に対する微小領域の表面硬度が向上したためであると考えられる。
上記ハードコート層に含有する樹脂は、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂であれば特に限定されない。
上記光硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、上記ウレタンアクリレート樹脂を生成するモノマーまたはオリゴマー(以下、「ウレタンアクリレート」ともいう。)としては、例えば、TDI、MDI、HDI、IPDI、HMDI等のジイソシアナートと、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSスピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール等のポリオールおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートと、を反応させて得られる生成物が挙げられ、具体的には、特開2002−265650公報や、特開2002−355936号公報、特開2002−067238号公報等に記載の多官能ウレタンアクリレートを挙げることができる。
中でも、本発明においては、調製されるウレタンアクリレート樹脂をハードコート層に有する複合フィルムの硬度が高くなる理由から、アクリロイル基またはメタクリロイル基を3個以上有するウレタンアクリレートであるのが好ましい。
上記ハードコート層に含有するフィラーは、平均一次粒子径が500nm以下のものであれば特に限定されず、従来公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、ケイ素酸化物等が好適に用いることができる。
本発明においては、フィラーの平均一次粒子径は、複合フィルムの硬度および透明性の観点から、10nm以上であるのが好ましく、10〜100nmであるのがより好ましい。
ここで、平均一次粒子径とは、一次粒子(一次凝集物を含む)の粒子径の平均値をいい、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定された50%体積累積径(D50)をいう。
上記金属酸化物としては、具体的には、例えば、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ジルコン、酸化錫、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、硼酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硼酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化チタン、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ、炭化珪素、炭化チタン、硫化亜鉛等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フィラーの含有量が上記範囲であると、上述したように、複合フィルムの耐傷性が良好となり、ヘイズ値の維持率も高くなる。
上記溶剤としては、例えば、炭化水素類、ハロゲン化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類等の溶剤を用いることができ、具体的には、キシレン、ジブチルエーテルを好適に用いることができる。
また、上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、帯電防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、シランカップリング等が挙げられる。
第1の態様および第2の態様で用いるプライマー層(以下、特に区別を要しない場合はこれらをまとめて「プライマー層」ともいう。)は、上述したように、上記樹脂基材(第1の態様において後述する金属反射層を有する場合は金属反射層をいい、第2の態様においては第2の樹脂基板をいう。以下、〔プライマー層〕の項目において同様。)と上記ハードコート層との密着性の観点から設けられる任意の層である。
これらのうち、上記樹脂基材と上記ハードコート層との密着性がより向上し、かつ、上記ハードコート層の硬化収縮を抑制し、耐カール性が良好となる理由から、親水性基を有する樹脂を用いて形成されるのが好ましく、具体的には、ウレタンアクリレート;エポキシアクリレート;ポリエステルアクリレート:水酸基、カルボキシ基、アミノ基といった親水基を有するポリアクリレート;であるのがより好ましい。
第1の態様および第2の態様で用いるバックコート層(以下、特に区別を要しない場合はこれらをまとめて「バックコート層」ともいう。)は、上述したように、複合フィルムのカールを調整する観点から、樹脂基材(第2の態様においては第2の樹脂基板をいう。以下、〔バックコート層〕の項目において同様。)のハードコート層が設けられた側とは反対側の表面に設けられる任意の層である。
このようなバックコート層の形成材料は特に限定されず、例えば、ウレタン樹脂や、上述したハードコート層に含有する樹脂等が挙げられる。
また、隣接する材料(樹脂基材や金属反射層)との密着性や接着性が良好となる理由から、接着剤成分を含有していてもよい。
第1の態様および第2の態様で用いる金属反射層(以下、特に区別を要しない場合はこれらをまとめて「金属反射層」ともいう。)は、上述したように、フィルムミラーに用いる観点から、上記樹脂基材(第2の態様においては第1の樹脂基材をいう。以下、〔金属反射層〕の項目において同様。)の表面に設けられる層である。
なお、上述した銀、アルミニウムを用いる場合、その反射特性に影響がない程度の他の金属(例えば、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウム等)を含有していてもよい。
湿式法としては、例えば、いわゆる金属めっき法として公知の方法が挙げられる。
また、乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
まず、樹脂基材〔ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)フィルム、厚さ:75μm〕上に、ウレタンアクリレート(EBECRYL 8402、ダイセル・サイテック製)30質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)0.3質量部および酢酸エチル69.7質量部の混合溶液をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射して硬化させ、厚さ約10μmのプライマー層を形成させた。
次いで、形成したプライマー層の上に、ウレタンアクリレート(UV−1700B、(メタ)アクリロイル基:10個、日本合成化学工業社製)79質量部、ケイ素酸化物A(SP−1120、平均一次粒子径:20nm、シルセスキオキサン骨格:あり、小西化学工業社製)20質量部、および、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)1.0質量部を含む2−プロパノール溶液(固形分:約30質量%)をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させたのち、紫外線照射して硬化させ、厚さ約8μのハードコート層を形成させ、複合フィルムを作製した。
ウレタンアクリレート(UV−1700B)に代えて、シリコーン樹脂A(UVHC8558、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を79質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により複合フィルムを作製した。
ケイ素酸化物A(SP−1120)に代えて、ケイ素酸化物B(HDK T−40、平均一次粒子径:100〜400nm、シルセスキオキサン骨格:なし、旭化成ワッカーシリコーン社製)を10質量部用いた以外は、実施例2と同様の方法により複合フィルムを作製した。
ウレタンアクリレート(UV−1700B)に代えて、シリコーン樹脂B(AC−SQ SI−20、東亜合成社製)を79質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により複合フィルムを作製した。
プライマー層を形成せず、ハードコート層を樹脂基材上に形成させた以外は、実施例4と同じ方法により複合フィルムを作製した。
ケイ素酸化物A(SP−1120)に代えて、金属酸化物A(酸化チタン、平均一次粒子径:50nm、石原産業社製)を20質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により複合フィルムを作製した。
樹脂基材のプライマー層(およびハードコート層)を形成する面とは反対側の面に、予め、ウレタンアクリレート(UV−1700B、(メタ)アクリロイル基:10個、日本合成化学工業社製)99質量部、および、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)1.0質量部を含む2−プロパノール溶液(固形分:約30質量%)をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させたのち、紫外線照射して硬化させ、厚さ約8μのバックコート層を形成させた以外は、実施例1と同じ方法により複合フィルムを作製した。
プライマー層およびハードコート層を形成せず、樹脂基材のみをフィルムとして用いた。
なお、樹脂基材のみのフィルムであるため、下記第1表中、密着性および耐カール性の評価については「−」と記載している。
プライマー層を形成せず、ケイ素酸化物A(SP−1120)を用いずにハードコート層を形成した以外は、実施例2と同様の方法により、複合フィルムを作製した。
ケイ素酸化物A(SP−1120)を用いずにハードコート層を形成した以外は、実施例2と同様の方法により、複合フィルムを作製した。
ケイ素酸化物A(SP−1120)に代えて、アルミナ(アドマファインAO−809、平均一次粒子径:700nm、アドマテックス社製)を10質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により複合フィルムを作製した。
ケイ素酸化物A(SP−1120)の配合量を60質量部、すなわち、ハードコート層の全質量に対して60質量%配合した以外は、実施例1と同様の方法により複合フィルムを作製した。
作製した各複合フィルムのハードコート層にカッターを用いて2mm×2mm角の碁盤目を100個作成し、日東セロテープ(登録商標)を貼りつけ、その後剥離し、剥離しないでフィルム上に残った個数を調べた。
その結果、90個以上がフィルム上に残ったものを密着性に優れるものとして「A」と評価し、80〜89個であったものを密着性にやや劣るものとして「B」と評価し、80個未満であったものを密着性に劣るものとして「C」と評価した。
作製した各複合フィルムのハードコート層に対して、JIS K5600−5−4に基づき、移動速度0.5mm/秒、加重750gにて、鉛筆硬度を測定した。ハードコート層の鉛筆硬度は、用途によって求められるレベルが異なるものの、「H」以上であればハードコート層としての機能は満足するといえる。
各複合フィルムを100mm角に裁断し、平滑な面に置いたときの接地点からフィルム4隅の浮き上がった部分までの高さを測定した。
その結果、殆ど浮き上がりが確認できなかったものを耐カール性が極めて優れるものとして「AAA」と評価し、高さが1mm未満であったものを耐カール性が優れるものとして「AA」と評価し、高さが1mm以上3mm未満であったものを耐カール性が実用上問題ないものとして「A」と評価し、高さが3mm以上であったものを耐カール性が劣るものとして「B」と評価した。
以下に示す砂塵試験前後の複合フィルムについて、C光源におけるヘイズ率(%)をヘイズメーター(日本電色工業社製)にて測定した。
その結果、砂塵試験前後のヘイズ値の差(ΔH)が2.0%以内であれば、耐傷性に優れていると評価することができる。
(砂塵試験)
JIS H 8503:1989に記載された「砂落とし磨耗試験方法」に準じておこなった。
具体的には、作製した各複合フィルムを3cm角に切り出し、45度の角度からアルミナ粒子が衝突するように固定した後、200gのアルミナ粒子を100cmの高さから自由落下させて衝突させた。
・ウレタンアクリレート樹脂:ウレタンアクリレート(UV−1700B、(メタ)アクリロイル基:10個、日本合成化学工業社製)の硬化物
・シリコーン樹脂A:UVHC8558(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)の硬化物
・シリコーン樹脂B:AC−SQ SI−20(東亜合成社製)の硬化物
・ケイ素酸化物A:ケイ素酸化物A(SP−1120、平均一次粒子径:20nm、シルセスキオキサン骨格:あり、小西化学工業社製)
・ケイ素酸化物B:HDK T−40(平均一次粒子径:100〜400nm、シルセスキオキサン骨格:なし、旭化成ワッカーシリコーン社製)
・金属酸化物A:(酸化チタン、平均一次粒子径:50nm、石原産業社製)
・アルミナ(アドマファインAO−809、平均一次粒子径:700nm、アドマテックス社製)
また、粒径の大きいフィラーを配合したハードコート層を有する比較例4の複合フィルムは、砂塵試験前のヘイズ値(以下、「初期ヘイズ」という。)だけでなく、ヘイズ値の差(ΔH)が大きく、耐傷性に劣ることが分かった。
同様に、フィラーを多量に配合したハードコート層を有する比較例5の複合フィルムは、初期ヘイズだけでなく、ヘイズ値の差(ΔH)が大きく、耐傷性に劣ることが分かった。
また、プライマー層を有する実施例1〜4、6および7で作製した複合フィルムは、密着性も良好となることが分かった。
また、実施例1と実施例2との対比から、ウレタンアクリレート樹脂を含有するハードコート層を用いた方が、鉛筆硬度が高くなることが分かった。
また、実施例2と実施例3との対比から、フィラーとしてケイ素酸化物を配合する場合、シルセスキオキサン骨格を有している方が、試験前のヘイズ値が小さく、フィルムミラーとしてより好適に用いることができることが分かった。
また、実施例1と実施例6との対比から、フィラーとしてケイ素酸化物を配合した方が、初期ヘイズが小さく、透明性に優れることが分かった。
また、実施例1と実施例7との対比から、バックコート層を設けることにより、耐カール性が極めて良好となることが分かった。
PET基材の表面に電気めっきにて銀含有反射層を設けたミラーフィルムを作製した。
次いで、上記ミラーフィルムの反射層の表面に、実施例1で作製した複合フィルムを積層し、120℃および荷重0.5Paの条件で、熱圧着によるラミネート処理を施し、図10で示される構成の複合フィルムを作製した。
作製した複合フィルムの反射率を分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)を用いて測定したところ、可視域から近赤外域の波長において高い反射性能を有することが分かった(図13参照)。
2 樹脂基材
3 ハードコート層
4 プライマー層
5 バックコート層
6 金属反射層
10 複合フィルム
11 第1の樹脂基材
12 金属反射層
13 第2の樹脂基材
14 ハードコート層
15 プライマー層
16 バックコート層
Claims (17)
- 樹脂基材およびハードコート層を有する複合フィルムであって、
前記ハードコート層が、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、
前記フィラーの平均一次粒子径が、500nm以下であり、
前記フィラーの含有量が、前記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルム。 - 前記フィラーが、金属酸化物またはケイ素酸化物である請求項1に記載の複合フィルム。
- 前記ケイ素酸化物が、シルセスキオキサン骨格を有する請求項2に記載の複合フィルム。
- 前記光硬化性樹脂が、ウレタンアクリル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルム。
- 前記樹脂基材と前記ハードコート層との間に、プライマー層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の複合フィルム。
- 前記プライマー層が、親水性基を有する樹脂を用いて形成される請求項5に記載の複合フィルム。
- 前記樹脂基材の前記ハードコート層が設けられた側とは反対側の表面に、前記ハードコート層における硬化収縮率に対して±30%以内の硬化収縮率を有するバックコート層を有する請求項1〜6のいずれかに記載の複合フィルム。
- 前記樹脂基材の表面に金属反射層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の複合フィルム。
- 第1の樹脂基材と、前記第1の樹脂基材の表面に設けられる金属反射層と、第2の樹脂基材と、ハードコート層とをこの順に有する複合フィルムであって、
前記ハードコート層が、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂とフィラーとを含有し、
前記フィラーの平均一次粒子径が、500nm以下であり、
前記フィラーの含有量が、前記ハードコート層の総質量に対して10質量%以上60質量%未満である複合フィルム。 - 前記フィラーが、金属酸化物またはケイ素酸化物である請求項9に記載の複合フィルム。
- 前記ケイ素酸化物が、シルセスキオキサン骨格を有する請求項10に記載の複合フィルム。
- 前記光硬化性樹脂が、ウレタンアクリル樹脂である請求項9〜11のいずれかに記載の複合フィルム。
- 前記第2の樹脂基材と前記ハードコート層との間に、プライマー層を有する請求項9〜12のいずれかに記載の複合フィルム。
- 前記プライマー層が、親水性基を有する樹脂を用いて形成される請求項13に記載の複合フィルム。
- 前記第2の樹脂基材の前記ハードコート層が設けられた側とは反対側の表面に、前記ハードコート層における硬化収縮率に対して±30%以内の硬化収縮率を有するバックコート層を有する請求項9〜14のいずれかに記載の複合フィルム。
- フィルムミラーに用いる請求項8〜15のいずれかに記載の複合フィルム。
- 太陽光集光用フィルムミラーに用いる請求項8〜15のいずれかに記載の複合フィルム。
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