JP6447409B2 - ウィンドウフィルム - Google Patents
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Description
ウィンドウフィルムとは、太陽光等の外光の入射角度に応じて選択的に光の吸収、偏光、反射、透過等を行うことにより、室内への熱線および可視光線の入射量を調整する機能性シートである。
そこで、外光の入射方向に対して窓ガラス等の内側に貼合させるウィンドウフィルムにおいては、接着層に耐候剤を含有させて、外光に含まれる紫外線等の光制御層の劣化の要因となる波長光を接着層において吸収することで、光制御層の劣化を防ぎ、ウィンドウフィルムの耐候性の向上を図っている。
なお、本願明細書内において、「ブリードアウト(する)」とは、接着層に含まれる耐候剤が隣接する他の層に移動すること、およびその現象のことをいう。
上記問題の原因について本発明者等が鋭意検討したところ、上述のウィンドウフィルムにおいて、接着層に含まれる耐候剤が経時によりブリードアウトすることが原因であると知得した。すなわち、上記耐候剤のブリードアウトにより接着層中の耐候剤の含有量が低下してしまうため、上記接着層自体の光劣化が生じ、結果としてウィンドウフィルム全体としての耐候性および耐久性を低下させていることを見出した。
これに対し、本発明によれば、第1接着層と光制御層との間にバリア層を介することにより、第1接着層に含まれる耐候剤のブリードアウトが抑制されるため、経時による第1接着層内の耐候剤の含有量の低下を防ぐことが可能である。このため、第1接着層の光劣化を防止することができる。また、第1接着層に含まれる耐候剤により紫外線等の光制御層の劣化を生じさせる波長光が十分に吸収されるため、上記光制御層についても、上記光制御層に耐候剤を添加しなくてもその劣化を抑制することができる。すなわち、ウィンドウフィルム全体としての耐候性および耐久性の向上を図ることが可能となる。
本発明における第1接着層は、耐候剤を含むものである。
第1接着層に含有される耐候剤としては、光制御層の劣化の原因となる波長光を吸収することが可能なものや、光照射により第1接着層の樹脂の分子鎖が切断される際に生じるラジカルを補捉することが可能なもの等であればよく、紫外線吸収剤、光酸化防止剤等が挙げられる。光酸化防止剤としては、光安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明においては、耐候剤が紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
また、光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有する反応性光安定剤を用いてもよい。具体的には1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート(製品名:サノールLS−3410 日本乳化剤株式会社製)等が挙げられる。
第1接着層における紫外線吸収剤(固形分)の含有量としては、後述する接着剤100質量部に対して0.1質量部〜40質量部の範囲内であることが好ましく、中でも1質量部〜30質量部の範囲内であることが好ましい。接着剤100質量部に対する紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも多いと、例えば耐候剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いる場合において、第1接着層が着色を帯びてしまい、ウィンドウフィルム全体としての外観上の問題が生じる可能性がある。一方、紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも少ないと、紫外線等の光制御層の劣化原因となる波長光を第1接着層において十分に吸収しきれず、光制御層の劣化が生じる場合がある。
耐候剤が、紫外線吸収剤に加えて光酸化防止剤を含む場合の、第1接着層における上記光酸化防止剤(固形分)の含有量としては、接着剤100質量部に対して0.1質量部〜40質量部の範囲内であることが好ましく、中でも1質量部〜30質量部の範囲内であることが好ましい。接着剤100質量部に対する光酸化防止剤の含有量が上記範囲よりも大きいと、第1接着層を形成する接着剤の溶解性の観点から、第1接着層の硬化不良を起こす場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、光酸化防止剤を添加することによる効果が発揮されない場合がある。
なお、上記耐候剤が紫外線吸収剤に加えて光酸化防止剤を含むとは、紫外線吸収剤に加えて、光酸化防止剤として光安定剤および酸化防止剤の少なくとも一方を含むことをいい、光安定剤および酸化防止剤の両方を含んでいてもよい。光酸化防止剤として光安定剤および酸化防止剤の両方含む場合は、光安定剤および酸化防止剤の各含有量の総量が上記範囲内となる。
第1接着層に用いられる接着剤としては、第1接着層が所望の接着力を示し、高い光透過性を有することが可能な材料であれば特に限定されるものではない。このような接着剤としては、例えばアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エステル系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタンエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤等が挙げられる。中でも透明性、耐久性、耐熱性に優れ、低コストであることから、アクリル系接着剤が好ましい。アクリル系接着剤としては、例えばアクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
第1接着層は、上述の材料の他に添加剤を含むものであってもよい。添加剤としては、例えば架橋剤、シランカップリング剤、接着付与剤、充填剤、レベリング剤等が挙げられる。架橋剤としては、例えばイソシアネート系、金属キレート系、エポキシ系、およびメラミン系が挙げられる。
第1接着層の膜厚としては、上述した所望の量の耐候剤を含むことが可能な大きさであればよく、例えば10μm〜80μmの範囲内、中でも15μm〜60μmの範囲内、特に20μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。第1接着層の膜厚が上記範囲よりも大きいと、ウィンドウフィルムの光透過性の低下、ヘイズの上昇による外観不良等を生じる場合があり、また、施工上好ましくない場合がある。一方、上記膜厚が上記範囲よりも小さいと、所望の量の耐候剤を含むことができない場合や、所望の接着力が得られず、ウィンドウフィルムとしての性能を担保できない場合がある。
なお、上記接着力は、JIS Z0237準拠した方法で、25mm幅のサンプル(被着体:青板ガラス、3mm厚)について、180°引き剥がし法(300mm/min)により測定される値である。
なお、第2接着層の接着力についての詳細は、後で説明する。
上記第1接着層形成用塗布液を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、アプリケーターコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等によるコーティング法が挙げられる。
本発明におけるバリア層は、耐候剤を含む第1接着層と第2接着層との間に有するものである。
上記バリア層により、第1接着層からの耐候剤のブリードアウトを防ぐことができる。
バリア層としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル・ウレタン共重合体、アクリルポリオール・イソシアネート共重合体、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、イソシアネート等からなるシートまたはフィルムが挙げられる。
中でもバリア層が、PETにより形成されたものであることであることが好ましい。PETにより形成されるバリア層は、高い架橋密度を有するため、効率良く耐候剤のブリードアウトを阻止することが可能であり、また、安価で汎用性があるからである。
上記透明無機化合物層の材料としては、高い光透過性を有するものであればよく、例えばSi、Al、Ti等の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物、無機酸化炭化物、無機窒化炭化物、無機酸化窒化物、無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
本発明における第2接着層は、バリア層と、光制御層との間に有するものである。
また、第2接着層に用いられる接着剤は、第1接着層に用いられる接着剤と同じであってもよく、異なっても良い。
第2接着層の膜厚が上記範囲よりも大きいと、本発明のウィンドウフィルムの光透過性が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、バリア層と光制御層とを十分に貼合させることができず、本発明のウィンドウフィルムの機械的強度が低下する場合がある。
なお、第2接着層の膜厚は、第1接着層の膜厚と同等であってもよく、第1接着層の膜厚よりも小さくてもよい。
なお、上記接着力の測定方法については「1.第1接着層」の項で説明した方法と同様である。
本発明における光制御層は、第2接着層と積層されるものである。
なお、本発明において光制御層は、上述した理由から、耐候剤を通常含まないものであるが、光制御層の形成を阻害しない程度に耐候剤を含んでいてもよい。
以下、ルーバー型光制御層と、その他の光制御層とに分けて説明する。
本発明におけるルーバー型光制御層とは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記溝部内に形成された光制御部を有するものである。
一方、図3(b)示すように、太陽高度が低い冬季では、窓ガラス100に対する太陽光Lの入射角度θが小さくなり、窓ガラス100の面に対して垂直に近い角度から入射される。このため、図3(a)で示した夏季の場合に比べて、熱線吸収部12aよりも光透過部11へ入射する太陽光Lの割合が増加する。光透過部11は熱線も透過するため、可視光線と熱線との両方を室内に取り込むことができる。すなわち冬季においては、可視光線を利用して室内の照度の確保と、熱線による室内温度の上昇との両方を図ることが可能となる。
光透過部の材料としては、電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられるが、中でも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂が好ましい。
上記紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂としては、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。例えば、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、中でも多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエーテル系のウレタン(メタ)アクリレート、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー、エチレンオキシド(EO)変性、プロピレンオキシド(PO)変性、プロポキシ化エトキシ化等の変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。
なお、光透過部の厚さは、すなわちルーバー型光制御層の厚さであり、図2(b)においてT1で示される部分である。
なお、光透過部の屈折率は、JIS K 7142に規定された屈折率の測定方法に従い、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて、温度23℃の条件下で、測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定された値である。以下の説明における屈折率の測定方法については、この方法により測定されるものとする。
なお、上記可視光線透過率は、分光光度計((株)島津製作所製 UV−2450、JIS K 0115準拠品)を用い、PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、膜厚100μm、東洋紡績製)上に形成された膜厚10μmの光透過部に対し、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定された値である。
光制御部は、光透過部の溝部内に形成されるものである。すなわち光制御部と溝部とは、通常、同形状となる。また、光制御部は、構成材料に応じてその機能を選択することができる。
以下、想定される光制御部の例について説明する。
低屈折率部は、光透過部よりも低屈折率を示す樹脂材料から成るものである。光制御部を低屈折率部とすることにより、光透過部と光制御部との界面において屈折率の違いによる光の全反射を生じさせることができ、反射光を利用した採光量の増加を図ることができる。
熱線吸収部は、熱線吸収剤として熱線吸収粒子を含む材料から成るものである。光制御部を熱線吸収部とすることにより、熱線の透過および遮蔽を選択的に行うことができる。
上記熱線吸収粒子は、可視光線を透過し熱線を吸収するもの、すなわち、赤外光領域に吸収特性を有し、且つ、可視光領域に透過特性を有する粒子であればよく、可視光線透過率が50%以上、中でも60%以上、特に70%以上を示すものが好ましい。また、赤外線吸収率が50%以上であることが好ましく、中でも60%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。
なお、上記可視光線透過率は、後述する実施例で用いられるバインダ樹脂95質量%に熱線吸収粒子を5質量%含有させて全体量を100質量%とした熱線吸収部形成用組成物を、東洋紡績製PETフィルム(商品名:コスモシャインA4300、膜厚100μm)の上に膜厚1μmで塗布し、分光光度計((株)島津製作所製 UV−2450、JIS K 0115準拠品)を用いて、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定した時の、各波長における可視光線透過率の平均値である。
また、上記赤外線吸収率は、上述した可視光線透過率の測定と同様のサンプルおよび測定方法を用い、測定波長780nm〜2500nmの範囲内で測定したときの、各波長における赤外線吸収率の平均値である。
上記熱線吸収粒子は透明であってもよく、透明でないものであってもよいが、透明であることが好ましい。
なお、上記平均粒径は、熱線吸収粒子の粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求めた値である。
熱線吸収部は、上述した熱線吸収粒子の他に、少なくともバインダ樹脂を有することが好ましい。バインダ樹脂は、電離放射線の照射により硬化し得る材料であれば特に限定されるものではない。なお、電離放射線とは、電磁波が有する量子エネルギーで区分することもあるが、本発明では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、活性エネルギー線等を意味する。中でも汎用性が高いことから紫外線が好ましい。
熱線吸収部は、上述した熱線吸収粒子およびバインダ樹脂の他に、光開始剤等を含むものであってもよいが、紫外線吸収剤、光安定剤については形状安定性の観点から含まないことが好ましい。
熱線吸収部の上記屈折率としては、具体的には1.40〜1.80の範囲内、中でも1.45〜1.70の範囲内、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。また、上記光透過部と上記熱線吸収部との屈折率差が0.025以下、中でも0.015以下であることが好ましい。
光拡散部は、隠蔽性を示す材料から成るものである。光制御部を光拡散部とすることにより、光制御部と光透過部との界面において光を拡散反射させて室内への採光量の増加を図ることができる。
また、上記光拡散部は、必要に応じて他の任意の材料を含んでも良いが、紫外線吸収剤、光安定剤については含まないことが好ましい。
光制御部の縦断面形状としては、三角形、正方形、長方形、台形状、少なくとも一方の側面の斜辺が2本以上の直線または曲線にて構成されるテーパー形状、四辺が曲線である形状等が挙げられる。また、溝部の形状に応じて上記光制御部の角部が曲率を有していてもよく、さらに上記縦断面形状を成す側面の辺は直線であってもよく曲線であってもよい。なお、図4は光制御部の縦断面形状の一例を示す概略断面図であり、図4(a)は台形状、図4(b)は両側面の斜辺が2本の直線にて構成されるテーパー形状、図4(c)は角に曲率を有する三角形の形状から成る光制御部の例をそれぞれ示すものである。
また、光制御部が光拡散部であるとき、その幅としては、5μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。光拡散部の幅が上記範囲よりも大きいと、光の散乱効果を得ることが難くなる場合がある。なお、光制御部の幅とは、光制御部の縦断面形状において最も広幅の部分をいい、例えば図2(b)においてWで示される部分である。
例えば、光制御部が低屈折率部、熱線吸収部であるとき、そのピッチ幅は15μm〜200μmの範囲内、中でも20μm〜150μmの範囲内、特に25μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。ピッチ幅が上記範囲よりも大きいと、入射角度の大きい外光が光制御部に入射しにくくなり、光制御部による機能が十分に果たされない場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、光透過部において可視光線が透過しにくくなる場合があるからである。
また、光制御部が光拡散部であるとき、そのピッチ幅は10μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。ピッチ幅が上記範囲よりも小さいと、光拡散による採光量の増加が図れない場合がある。
なお、光制御部のピッチ幅とは、隣り合う光制御部の中心間距離をいい、例えば図2(b)においてPで示される部分である。
ルーバー型光制御層の光制御部を含む表面は、平坦であってもよく凹凸を有してもよく、光制御層の機能に応じて適宜選択することができる。例えば、高い視認性が求められるウィンドウフィルムの場合は、当該表面が平坦であることが好ましく、平均表面粗さ(Ra)として0.1nm〜100nmの範囲内、中でも0.1nm〜20nmの範囲内、特に0.1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。
当該表面が凹凸を有する場合、外光の入射面または出射面が平坦である領域と凹部状または凸部状である領域とで、それぞれの入射面または出射面における光の拡散に偏りが生じる。このため、出射光の量に偏りが生じて光の回折現象および干渉現象が誘発されることにより、ウィンドウフィルム上に多重像が発現し、視認性が低下する場合がある。
なお、上記平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601 2001の規定に従い23℃の測定環境下で測定し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式(1)によって算出される値とした。
光透過部の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、光透過部の材料を含む光透過部形成用組成物を基材上に塗布した後、凸部を有する賦形版を押圧した状態で架橋硬化させて形成することができる。このとき用いられる賦形版は、表面上に複数本の凸部を有するものであり、上記凸部の反転形状およびその寸法等は、通常、溝部の形状および寸法等に相当する。
光透過部形成用組成物の硬化方法としては、電離放射線の照射による硬化が好ましく、中でも実用的である点から紫外線、電子線を用いることが好ましい。硬化条件等については、光透過部の材料に応じて適宜設定することができる。
上記光制御部形成用組成物の硬化方法としては、紫外線、電子線等の電離放射線の照射による硬化が好ましく、硬化条件等については、材料および電離放射線の種類に応じて適宜設定することができる。
その他の光制御層としては、例えば、プリズム型光制御層等を用いることができる。プリズム型光制御層とは、外光を偏光、反射して室内側への光の入射方向を制御する機能を有するものである。例えば図5で示すように、プリズム型光制御層4Bは台形断面を有する単位プリズム31を複数備えた構造を有するものであり、単位プリズム31の偏光面31aにおいて外光を全反射して所望の偏光を生じさせることにより、外光が室内へ入射する際の入射方向を制御することができる。
なお、隣り合う単位プリズム間(図5中の32で示される部分)は、空気が充填されていてもよく、単位プリズムと屈曲率の異なる材料が充填されていてもよい。
また、単位プリズムの構造等の詳細については、例えば、特開2013−155569号公報に記載される単位プリズムの詳細と同様とすることができる。
本発明のウィンドウフィルムは、基材を有していてもよい。上記基材は、通常、光制御層の表面のうち、第2接着層が設けられた面と反対側の面に有するものである。
本発明のウィンドウフィルムは、第1接着層上に剥離層を有することが好ましい。剥離層を有することにより、窓ガラス等の被着体にウィンドウフィルムを貼合するまでの第1接着層への埃等の付着を防止し、汚れによる上記ウィンドウフィルムの視認性の低下を防ぐことができる。また、ロール状に巻き取ったウィンドウフィルムを巻き出す際に、第1接着層の表面が荒れて、巻き出し不良が発生するのを防止できるからである。
本発明のウィンドウフィルムは、第2接着層と光制御層との密着性の向上および外観向上の観点から、第2接着層と光制御層との間にオーバーコート層を有していてもよい。
なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
塗布方法としては、例えばアプリケーターコート、ビヤバーコート、ワイヤバーコート、グラビアコーター、ダイコーター等を用いることができる。
本発明のウィンドウフィルムは、光制御層の表面のうち、第2接着層との貼合面と対向する他の表面上に耐傷層、自浄性層等を有していても良い。光制御層の上記他の表面と基材とが貼合されている場合は、耐傷層、自浄性層は上記基材を介して光制御層の上記他の表面上に配置される。中でも耐傷層を有することが好ましい。
耐傷層、自浄性層の詳細については、上述したオーバーコート層と同様とすることができる。
本発明のウィンドウフィルムの可視光線透過率としては、外光の入射角度が0°のときの可視光線透過率が65%以上であることが好ましく、中でも70%以上、より好ましくは85%以上が好ましい。外光の入射角度が0°のとき可視光線透過率を上記範囲内とすることにより、外観等を明瞭に観察することができる。また、室内等に取り込まれる可視光線の量も増えるため、外光を利用して室内の照度を確保することもできる。ここでいう外光の入射角度とは、図3中で示す角度θをいう。
なお、上記可視光線透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm〜780nmの波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出したものである。
本発明のウィンドウフィルムの製造方法としては、所望の層構成を形成可能な方法であれば特に限定されない。例えば、光制御層上に、第2接着層の材料を含む第2接着層形成用塗布液を塗布し、乾燥して第2接着層を形成し、上記第2接着層上にバリア層をラミネートした後に、第1接着層形成用塗布液を塗布し、乾燥して第1接着層を形成する方法等がある。各層の形成方法については、上述した各層の説明をした項で述べた方法を用いることができる。
本発明のウィンドウフィルムは、例えば、ビル、家屋、電車、車、バス等の車両、飛行機、船舶等の窓ガラス、開口部等に貼り付けて使用することができる。
以下の方法により、光制御部として熱線吸収部を有するウィンドウフィルムを得た。
(光制御層の形成)
以下の方法により光制御層を形成した。
連続帯状の透明2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の一方の表面に、下記の組成から成る液状の光透過部形成用組成物Aを硬化後の膜厚が200μmとなるように塗布した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(製品名:FA−324A、日立化成株式会社製) … 100質量部
・ベンゾフェノン系光開始剤(光重合開始剤、製品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) … 1質量部
上記ロール金型とPETフィルムとの間に光透過部形成用組成物Aが挟まれた状態で、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、光透過部形成用組成物Aを架橋硬化させた後、ロール金型を剥離して溝部を表面に有する光透過部をPETフィルムの片面上に形成した。
溝部の形状は、上述のロール金型の凸状群の反転形状、すなわち、縦断面形状が長方形の凹状群を有した。
次に、溝部内に光制御部としての熱線吸収部を形成した。まず、下記組成からなる液状の熱線吸収部形成用組成物を調製し、これを上記光透過部の溝部を含む表面に塗布後、鉄製ドクターブレードでスキージして溝部内にのみ充填させた後、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、熱線吸収部形成用組成物を架橋硬化させて熱線吸収部を形成し、ルーバー型光制御層を得た。
・ウレタンアクリレート(ダイセルサイテック社製)およびジペンタエリスリトールアクリレートオリゴマー(新中村化学社製)の混合液からなる透明アクリル系紫外線硬化性プレポリマー(バインダ樹脂) … 100質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径100nm) … 4.5質量部
・LaB … 0.6質量部
・1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、製品名:イルガキュア184、BASF社製) … 1質量部
ルーバー型光制御層の熱線吸収部を含む表面に生じた2μm程度の凹部を埋めるようにして、上述の光透過部形成用樹脂組成物Aを塗布し、紫外線照射により硬化せしめて平滑なオーバーコート層(Ra=0.12nm)を形成した。
アクリル共重合体B(製品名:SKダイン1429DT、固形分30%、綜研化学社製)100質量部に対して、アルミキレート架橋剤(製品名:AD−5A、綜研化学社製)10質量部(固形分量で3質量部)を添加し、スクライバーにて50rpmで10分間撹拌して第2接着層形成用塗布液Aを得た。その後、アプリケーターを用いて光制御層のオーバーコート層を有する表面に乾燥前膜厚が83μmとなるように第2接着層形成用塗布液Aを塗布し、80℃、2分間にて乾燥し、乾燥後の膜厚が25μmの第2接着層を形成した。
第2接着層の接着力は25N/25mmであった。なお、接着力は上述した「1.第1接着層」の項で説明した測定方法で測定した。以下の実施例、比較例についても同様とする。
第2接着層上に、バリア層としてPETフィルム(製品名:コスモシャインA4300、膜厚16μm、東洋紡績製)をラミネートした。
アクリル共重合体A(製品名:OC3447、固形分30%、サイデン化学社製)100質量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤A(製品名:バイオソーブ520、共同薬品社製)4質量部(固形分量で1.18質量部)をスクライバーにて50rpmで30分間撹拌して溶解した。さらに、イソシアネートXDI系(アダクト体)硬化剤(製品名:K−341、固形分75%、サイデン化学社製)0.15質量部(固形分量で0.15質量部)を添加して10分間撹拌し、第1接着層形成用塗布液Aを得た。
次に、アプリケーターを用いてバリア層の表面に乾燥前膜厚が83μmとなるように第1接着層形成用塗布液Aを塗布し、80℃、2分間にて乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmの第1接着層を形成した。第1接着層の接着力は10N/25mmであった。なお、接着力は上述した「1.第1接着層」の項で説明した測定方法で測定した。
その後、第1接着層上にシリコン転写性の小さい軽剥離セパレーターフィルム(製品名:P381031、膜厚38μm、リンテック社製)をラミネートし、40℃で5日間エージングを行い、ウィンドウフィルムを得た。
紫外線吸収剤を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤B(製品名:Tinuvin384−2、BASF社製)に替えた第1接着層形成用塗布液Bを用いて第1接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は10N/25mmであった。
紫外線吸収剤を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C(製品名:Tinuvin928、BASF社製)に替えた第1接着層形成用塗布液Cを用いて第1接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は10N/25mmであった。
バリア層として膜厚23μmのPETフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。
下記組成の第2接着層形成用塗布液Bを用いて第2接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。なお、第2接着層形成用塗布液Bの調製方法は、第2接着層形成用塗布液Aと同様の方法で行った。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
<第2接着層形成用塗布液B>
・アクリル共重合体C(製品名:SKダイン2094DT、固形分25%、綜研化学社製) … 100質量部
・エポキシ硬化剤(製品名:E−5XM、固形分5%、綜研化学社製) … 0.27質量部(固形分量で0.054質量部)
下記組成の第1接着層形成用塗布液Dを用いて第1接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。なお、第1接着層形成用塗布液Dの調製方法は、第1接着層形成用塗布液Aと同様の方法で行った。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
<第1接着層形成用塗布液D>
・アクリル共重合体D(製品名:OC3949、固形分20.5%、サイデン化学社製) … 100質量部
・イソシアネートXDI系(アダクト体)硬化剤(製品名:K−130、固形分75%、サイデン化学社製) … 0.15質量部(固形分量で3質量部)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤A … 4質量部
下記組成の第1接着層形成用塗布液Eを用いて第1接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。なお、第1接着層形成用塗布液Eの調製方法は、第1接着層形成用塗布液Aと同様の方法で行った。第1接着層の接着力は16N/25mmであった。
<第1接着層形成用塗布液E>
・アクリル共重合体E(製品名:SKダイン1435DT、固形分30%、綜研化学社製) … 100質量部
・イソシアネート系(XDI系)硬化剤(製品名:TD−75、固形分75%、綜研化学社製) … 1.3質量部(固形分量で10質量部)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤A … 4質量部
下記組成の第2接着層形成用塗布液Cを用いて第2接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。なお、第2接着層形成用塗布液Cの調製方法は、第2接着層形成用塗布液Aと同様の方法で行った。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
<第2接着層形成用塗布液C>
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネート系(TDI系)硬化剤(製品名:M−5ADT、固形分5%、綜研化学社製) … 3質量部(固形分量で10質量部)
上記組成の第1接着層形成用塗布液Aを用いて第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第2接着層の接着力は10N/25mmであった。
下記組成の第2接着層形成用塗布液Dを用いて第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを得た。なお、第2接着層形成用塗布液Dの調製方法は、第2接着層形成用塗布液Aと同様の方法で行った。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
<第2接着層形成用塗布液D>
・アクリル共重合体C(製品名:SKダイン2094、固形分30%、綜研化学社製) … 100質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤A … 4質量部(固形分量で1.18質量部)
(耐紫外線劣化性試験)
実施例1〜8および比較例1〜2の各ウィンドウフィルムを、縦100mm、横100mm、厚さ2.8mmのガラス(東京特殊硝子製)と貼合して試験片を作製した。各試験片について以下の手順で耐紫外線劣化試験を行い、劣化後の外観評価および保持力評価を行った。
耐紫外線劣化性試験は、超促進耐紫外線劣化性試験機(岩崎電気株式会社製、商品名:アイスーパーUVテスター、型番:SUV−W23)を用いて、下記の(A)、(B)、(C)を1サイクルとして42サイクル繰り返した。
(A)温度63℃、湿度50%RHの雰囲気下で、照度60mW/cm2、ピーク波長365nmの紫外線を20時間照射する。
(B)シャワーによる散水処理を30秒間行う。
(C)温度63℃、湿度98%RHの雰囲気下で、紫外線照射は行わずに4時間保持する。
耐紫外線劣化性試験後の各試験片について色差測定を行った。測定は分光光度計((株)島津製作所製、型番:UV−3100PC)を用い、JIS K 7105に準拠して透過法によりΔE*ab値を測定した。なお、ΔE*ab値は、CIE1976規格の(L*,a*,b*)空間表色系による色差公式(ΔE*ab={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2)から求められる値である。ΔE*ab値が3未満のものを○、3以上のものを×とした。ΔE*ab値が3未満のものは黄変が確認されず良好な耐候性を示しており、ΔE*ab値が3以上のものは実用上問題となるレベルの黄変が視認された。
耐紫外線劣化性試験後の各試験片について、テンシロン(製品名:RTG−1205、(株)エー・アンド・ディ製)を用い、JIS A 5759に準拠して最大加重容量0.5kNのヘッドを用いて保持力の測定を行った。保持力が4N以上のものを○、4N未満のものを×とした。保持力が4N未満の試験片では、耐紫外線劣化性試験により軽剥離となった。
上記結果から、第1接着層と光制御層との間にバリア層を介することにより、耐候性および耐久性に優れたウィンドウフィルムが得られることが示された。
(光制御層の形成)
表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ150μm、版表面側の幅が28μm、版から遠い側(頂部の面幅)が24μmの長方形となる凸部を、78μm周期で複数が互いに平行に配列した凸状群(吸収部群と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光制御層を形成した。
以下の組成材料を10分間撹拌して第2接着層形成用塗布液Eを調整した。その後、光制御層の熱線吸収部を含む表面に濡れ膜厚83μmとなるように、アプリケーターを用いて第2接着層形成用塗布液Eを塗布し、80℃2分間にて乾燥し、乾燥後膜厚25μmの第2接着層を作製した。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
(第2接着層形成用塗布液Eの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部(固形分比)
第2接着層上に、バリア層としてPETフィルム(製品名:ルミラーT60、膜厚16μm、東レ製)をラミネートした。
下記組成の第1接着層形成用塗布液Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第1接着層を形成し、ウィンドウフィルムを得た。なお、第1接着層形成用塗布液Fは、以下の組成材料を10分間撹拌して調整した。バリア層上に、第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Fの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部(固形分比)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部(固形分量で1.18質量部)
・ヒンダードアミン系光安定剤A(製品名:チヌビン152 N−ORタイプ、BASF社製) … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Gを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Gの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤B … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤A … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Hを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Hの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートXDI系硬化剤(製品名:TD−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤A … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Iを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Iの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートTDI系硬化剤(製品名:L−45E、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤A … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Jを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Jの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤B(製品名:チヌビン292 N−CH3タイプ、BASF社製) … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Kを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Kの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤C(製品名:チヌビン123 N−ORタイプ、BASF社製) … 2.5質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Lを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Lの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤D(製品名:チヌビン144 N−CH3タイプ、BASF社製) … 2.5質量部
バリア層として、PETフィルム(製品名:ルミラーT60、膜厚25μm、東レ製)を用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。
バリア層として、PETフィルム(製品名:ルミラーT60、膜厚50μm、東レ製)を用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。
バリア層として、PETフィルム(製品名:コスモシャイン A4300、膜厚50μm、東洋紡社製)を用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Mを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は10N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Mの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤D … 2.5質量部
・酸化防止剤A(製品名:IRGANOX 1035、チバスペシャリティケミカルズ社製) … 3質量部
以下の組成からなる第1接着層形成用塗布液Nを用いたこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
(第1接着層形成用塗布液Nの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤C … 4質量部
第1接着層形成用塗布液Nを用いて、光制御層上に第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第2接着層の接着力は15N/25mmであった。
以下の組成からなる第2接着層形成用塗布液Fを用いて、光制御層上に第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例9と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
(第2接着層形成用塗布液Fの組成)
・アクリル共重合体B … 100質量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(製品名:Y−75、綜研化学社製) … 0.5質量部
以下の方法により、光制御部として低屈折率部を有するウィンドウフィルムを得た。
(光制御層の形成)
連続帯状の透明2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の一方の表面に、下記の組成から成る液状の光透過部形成用組成物Bを硬化後の膜厚が200μmとなるように塗布した。
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート(製品名:FA−324A、日立化成株式会社製) … 80質量部
・フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(製品名:AMP−20GY、新中村化学社製) … 6質量部
・カルドポリマーエポキシアクリレート(製品名:OGSOL EA−0300、大阪ガスケミカル社製) … 10質量部
・ベンゾフェノン系光重合開始剤(製品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) … 4質量部
次に、溝部内に光制御部としての低屈折率部を形成した。まず、下記組成からなる液状の低屈折率部形成用組成物を調製し、これを上記光透過部の溝部を含む表面に塗布後、鉄製ドクターブレードでスキージして溝部内にのみ充填させた後、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、低屈折率部形成用組成物を架橋硬化させて低屈折率部を形成し、ルーバー型の光制御層を得た。
<低屈折率部形成用組成物>
・透明アクリル系紫外線硬化性プレポリマー … 100質量部
・1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニルケトン(光重合開始剤、商品名:イルガキュア184、BASF社製) … 1質量部
実施例9と同様にして第2接着層およびバリア層を形成した。
第1接着層形成用塗布液Nを用いて第1接着層を形成した。
第1接着層形成用塗布液Fを用いたこと以外は、実施例21と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は15N/25mmであった。
第1接着層形成用塗布液Mを用いたこと以外は、実施例21と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第1接着層の接着力は10N/25mmであった。
第1接着層形成用塗布液Nを用いて、光制御層上に第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例21と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第2接着層の接着力は15N/25mmであった。
第2接着層形成用塗布液Fを用いて、光制御層上に第2接着層を形成し、バリア層および第1接着層を設けなかったこと以外は、実施例21と同様にしてウィンドウフィルムを得た。第2接着層の接着力は25N/25mmであった。
(耐候性試験)
実施例9〜23および比較例3〜6の各ウィンドウフィルムについて耐紫外線劣化性試験を行い、劣化後の外観評価および保持力評価を行った。
耐紫外線劣化性試験は、評価1と同様の方法で行い、(A)、(B)、(C)を1サイクルとして、500時間、1000時間(42サイクル)、1500時間に相当する回数のサイクルを実施し、各時間後での試験片の外観評価を行った。また、1000時間後の試験片について保持力を測定した。外観評価および保持力の評価方法は、評価1と同様の方法で行った。
実施例9〜20および比較例3〜4についての評価結果を表2に、実施例21〜23および比較例5〜6についての評価結果を表3に示す。
また、実施例9〜19および実施例22〜23と、実施例20〜21とを比較すると、第1接着層に含有される耐候剤として、紫外線吸収剤と光酸化防止剤とを併用した実施例9〜19および実施例22〜23のウィンドウフィルムは、耐紫外線劣化性試験1500時間後であっても、外観が良好であることが確認された。このことから、耐候剤として紫外線吸収剤と光酸化防止剤とを併用することにより、ウィンドウフィルムの耐候性を更に向上させることが可能であることが示唆された。
2 … バリア層
3 … 第2接着層
4 … 光制御層
10 … ウィンドウフィルム
Claims (5)
- 耐候剤を含む第1接着層と、樹脂層と、第2接着層と、光制御層とが少なくともこの順で積層され、
前記光制御層が、プリズム型光制御層であることを特徴とするウィンドウフィルム。 - 耐候剤を含む第1接着層と、透明無機化合物層と、第2接着層と、光制御層とが少なくともこの順で積層され、
前記光制御層が、プリズム型光制御層であることを特徴とするウィンドウフィルム。 - 前記耐候剤が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウィンドウフィルム。
- 前記耐候剤が、前記紫外線吸収剤に加えて光酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項3に記載のウィンドウフィルム。
- 前記第1接着層の接着力が、前記第2接着層の接着力と同等または前記第2接着層の接着力よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のウィンドウフィルム。
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