JP2014160234A - 熱線制御シートの製造方法、熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓 - Google Patents

熱線制御シートの製造方法、熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓 Download PDF

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峻平 柳澤
Yuji Nakatsugawa
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Toshiyuki Suzuki
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【課題】本発明は、光の入射角度に応じて熱線の遮断および可視光線の透過を効率良く行うことができ、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートの製造方法等を提供することを主目的とする。
【解決手段】一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、一方の表面に複数本の上記溝部を有する上記光透過部を形成する光透過部形成工程と、上記溝部の表面に対し、プラズマを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う溝部表面処理工程と、上記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、上記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、を有することを特徴とする熱線制御シートの製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の入射角度に応じて熱線の遮断および可視光線の透過を効率よく行うことができ、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートの製造方法、熱線制御シート、および熱線制御シート付き窓に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題の深刻化に伴い、世界的にその対策が進められている。中でも、省エネルギーやCOの削減を目的として、熱線制御シートを利用した住宅や自動車等の空間温度の制御方法が注目されており、上記熱線制御シートの開発が進められている。
ここで、熱線制御シートとは、赤外領域の光(以下、「赤外線」または「熱線」とする場合がある。)を入射角度に応じて選択的に吸収または透過させるものであり、熱線制御シートを介して入射される熱線量の調整が可能な機能性シートをいう。
従来の熱線制御シートとしては、例えば、図8で例示されるように、光透過部101の表面上に複数本の溝部103が形成され、上記溝部103には熱線を吸収する熱線吸収部102が形成された構造を有するものが提案されている(特許文献1〜3)。上記構造を有する熱線制御シート100を窓ガラス等の被着体104に貼り合せることにより、熱線制御シート100に対する光の入射角度の変化を利用して、熱線の透過および遮断を選択的に行うことができる。
これにより、例えば、光源である太陽光に対し窓ガラスに当該熱線制御シートを用いる場合、夏季には熱線の取り込みを低減することで室内や車内等の温度上昇を抑制し、冬季には熱線を十分に取り込むことで室内や車内等の温度低下を抑制することが可能である。
なお、図8においてXY平面が熱線制御シートのシート面となり、Z方向が熱線制御シートの厚さ(溝部の深さ)方向となる。また、図8では、熱線制御シートのシート面のうち、熱線吸収部を有する面の反対面を被着体側とする場合を例示したものであるが、熱線吸収部を有する面を被着体側とした場合も同様である。
また、熱線制御シートが上述の構造を有することにより、光の入射角度に応じて熱線を選択的に透過するだけでなく、可視光領域の光(以下、「可視光線」とする場合がある。)の透過についても効率よく行うことが可能である。
このような熱線制御シートの機能について、図を例示して更に説明する。図9は、光の入射角度による熱線制御シート内の光の透過経路を説明するための説明図である。なお、図9は、図8の熱線制御シート100をX方向から見た図に相当するものであり、被着体104に貼り付けた態様である。また、図9における光源は太陽とする。
例えば、夏季のように太陽高度が高い場合、図9(a)で例示されるように、熱線制御シート100のシート面に対する太陽光の入射角度(θ)は小さくなり、上記熱線吸収部102の側面からの太陽光の入射が多くなる。このとき、上記光透過部101においては、可視光線を取り込むことで採光を確保しつつ、上記熱線吸収部102においては室内等の温度上昇に寄与する熱線の取り込みを遮断することができる。このため、夏季の室内等においては、太陽光を利用した照度の確保を図ると共に、室内温度の上昇の抑制を行うことが可能となる。
一方、冬季のように太陽高度が低い場合、図9(b)で例示されるように熱線制御シート100のシート面に対する太陽光の入射角度(θ)が大きくなる。つまり、上記入射角度は熱線制御シート100のシート面に対して垂直に近い角度となるため、上記光透過部101へ入射する太陽光が増加する。このとき、上記光透過部101において可視光線および熱線の両方を取り込むことができる。このため、冬季の室内等においては、太陽光を利用した照度の確保と室内温度の上昇とを図ることが可能となる。
なお、図9は、熱線制御シートのシート面のうち、熱線吸収部を有する面を光源側とした場合であるが、当該面と反対側のシート面を光源側とした場合も同様である。
特開2008−247623号公報 特開2010−259406号公報 特開2011−69126号公報
ところで、上述のような熱線制御シートでは、熱線の遮断および可視光線の透過を調整することができる一方で、上記熱線制御シートを窓ガラス等の被着体に貼って使用する際に、上記被着体から見える外観等の視認性が低下する場合がある。
視認性の低下を招く現象について、具体的には、上記熱線制御シートを貼った窓ガラス等の被着体を介して外観等を見る際に、上記被着体に映る外観等の像に上下方向に平行な複数のスジが入り、上記スジの入った方向に対して像の色が分解して虹状の不鮮明な像として見える場合がある。このため、観察者は外観等の像を明瞭に視認することが困難となる。
そこで、像の色分解が生じにくく、鮮明な像として外観等の視認が可能な熱線制御シートが求められている。なお、本発明においては、スジの入る方向に色が分解して見える像を「多重像」と称する。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、光の入射角度に応じて熱線の遮断および可視光線の透過を効率よく行うことができ、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートの製造方法、熱線制御シート、および熱線制御シート付き窓を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、一方の表面に複数本の上記溝部を有する上記光透過部を形成する光透過部形成工程と、上記溝部の表面に対し、プラズマを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う溝部表面処理工程と、上記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、上記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、を有することを特徴とする熱線制御シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、溝部表面処理工程において、プラズマを用いた等方性エッチングによる方法を用いて表面処理を行うことにより、異方性エッチング等とは異なり、溝部の全面に対してランダムにエッチングを行うことができる。これにより、上記溝部表面に対して微細凹凸形状を全体的に形成することが可能となり、熱線吸収部形成工程において溝部内に形成される熱線吸収部および光透過部との界面における急激な屈折率の変化を抑制し、また、上記界面を透過する光を散乱させることができ、上記熱線制御シート内での可視光線の多重反射の発生、および熱線制御シートを透過して出射した光(以下、出射光と称する場合がある。)の干渉現象の発生を抑制することができる。したがって、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートを製造することができる。
また本発明は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、複数の凸部を有する賦形版の、少なくとも上記凸部表面に微細凹凸を形成する賦形版表面処理工程と、上記凸部表面に微細凹凸を有する上記賦形版を原版として、光透過部形成用組成物に上記賦形版の上記凸部を有する表面の形状を転写することにより、表面に上記微細凹凸形状を有する複数本の上記溝部を一方の表面に有する上記光透過部を形成する光透過部形成工程と、上記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、上記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、を有することを特徴とする熱線制御シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、賦形版表面処理工程において、賦形版の少なくとも凸部表面に対し微細凹凸表面処理を行うことにより、上記賦形版を用いて溝部を有する光透過部を転写形成する際に、上記凸部により形成される溝部の表面上に微細凹凸形状を形成することが可能となる。これにより、熱線吸収部形成工程において溝部内に形成される熱線吸収部および光透過部との界面における急激な屈折率の変化を抑制し、また、上記界面を透過する光を散乱させることが可能となるため、上記熱線制御シート内での可視光線の多重反射および出射光の干渉現象の発生を抑制することができる。したがって、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートを製造することができる。
また、本発明は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の上記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする熱線制御シートを提供する。
本発明によれば、溝部の光透過部との界面、すなわち溝部内の熱線吸収部と光透過部との界面が所定の算術平均粗さ(Ra)を有することにより、上記界面を可視光線が透過する際に屈折率が連続的に変化するため、上記界面での可視光線の反射が軽減されるため、上記熱線制御シート内での多重反射の発生を抑制することが可能となる。また、上記界面において光が散乱されることで、出射光の干渉現象の発生を抑制することが可能となる。これにより、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートとすることができる。
また本発明は、窓材と、上記窓材の少なくとも一方の表面に配置された熱線制御シートと、を有する熱線制御シート付き窓であって、上記熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、さらに、上記溝部の上記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする熱線制御シート付き窓を提供する。
本発明によれば、窓材に配置された熱線制御シートは、溝部の光透過部との界面、すなわち溝部内の熱線吸収部と光透過部との界面において、所定の算術平均粗さ(Ra)を有することから、上記熱線制御シート内での可視光線の多重反射、および出射光の干渉現象の発生が抑制されるため、多重像の発現が少ないものとなる。これにより、熱線制御が可能で、外観等の視認性が良好な窓となる。
本発明の熱線制御シートの製造方法の第1の実施態様においては、プラズマを用いた等方性エッチングによる方法を用いて溝部に直接表面処理を行うことにより、また、第2の実施態様においては、予め表面に微細凹凸表面処理を施した賦形版を用いて溝部を形成することにより、熱線制御シートにおける多重像の発現を抑制することができる。すなわち、光の入射角度に応じて熱線の遮断および可視光線の透過を効率よく行うことができ、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートを製造できるという効果を奏する。
また、本発明の熱線制御シートにおいては、溝部の上記光透過部との界面が所定の算術平均粗さ(Ra)を有することにより、上記溝部内の熱線吸収部と光透過部との界面での可視光線の反射、および出射光による干渉現象が発生しにくくなることから、多重像の発現を抑制することができる。すなわち、光の入射角度に応じて熱線の遮断および可視光線の透過を効率よく行うことができるため、熱線制御を可能とし、外観等の視認性を良好にするという効果を奏する。
本発明の熱線制御シートの製造方法の第1実施態様の一例を示す工程図である。 エッチングの種類により形成される微細凹凸形状の違いを説明するための説明図である。 本発明の熱線制御シートの製造方法の第2実施態様の一例を示す工程図である。 本発明の熱線制御シートの一例を示す概略斜視図である。 図4のX方向から見た概略断面図である。 本発明の熱線制御シート付き窓の一例を示す概略斜視図および断面図である。 本発明の熱線制御シート付き窓の他の例を示す概略斜視図および断面図である。 従来の熱線制御シートの一例を示す模式図である。 光の入射角度による熱線制御シート内の光の透過経路を説明するための説明図である。
以下、本発明の熱線制御シートの製造方法、熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓について詳細に説明する。
A.熱線制御シートの製造方法
まず、本発明の熱線制御シートの製造方法について説明する。本発明の熱線制御シートの製造方法は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、後述する2つの実施態様に分けることができる。
ここで、熱線制御シートにおいて多重像が発現する要因について説明する。上記現象が生じる要因については、以下の理由が推量される。
1つの要因は、熱線制御シート内における可視光線の多重反射によるものである。光の反射は、可視光線が透過する媒体の屈折率が不連続に変化する境界(以下、「不連続界面」と称する。)において発生する。上記熱線制御シートにおいては、熱線吸収部および光透過部はそれぞれ異なる屈折率を有するものである。当該各部位の屈折率の差が大きい場合、透過する光に対する屈折率の急激な変化が起こり、熱線吸収部および光透過部の界面は不連続界面となる。このため、当該界面を可視光線が透過する際に反射が生じることとなる。
このときに生じる反射光は、上記熱線制御シート内において繰り返し多重反射を起こすものと考えられる。その結果、上記界面における反射光同士の干渉現象、および上記界面における反射光と光源からの入射光との干渉現象が起こり、上記熱線制御シートを介して視認される像が多重像となるものと推量される。
もう1つの要因としては、光透過部からの出射光と熱線吸収部からの出射光との干渉現象によるものである。熱線制御シートにおいて、光の入射方向と直交する方向に光透過部と熱線吸収部とが交互に配列している場合、光透過部と熱線吸収部との屈折率差により、光透過部を透過して出射した光と、熱線吸収部を透過して出射した光との間で位相差が規則的に発生することとなる。このため出射光同士による干渉現象が起こり、上記熱線制御シートを介して視認される像が多重像となるものと推量される。
これに対し、本発明によれば、溝部内に熱線吸収部を形成する前に、所望の方法により上記溝部の表面に微細凹凸形状を形成することにより、熱線吸収部および光透過部との界面における急激な屈折率の変化の発生を抑制することができる。このため、熱線吸収部および光透過部の界面を光が透過する際に、光の透過方向に向かって屈折率が連続的に変化することで、上記界面における可視光線の反射を抑制することが可能となる。また、微細凹凸形状を有することにより、上記界面を透過する光を散乱させることが可能となるため、出射光間の位相差を不規則に生じさせることができる。
これにより、上記熱線制御シート内での可視光線の多重反射、および干渉現象の発生が抑制され、その結果、多重像の発現を抑制することが可能となる。
なお、本発明において、溝部内に熱線吸収部を有していないときの溝部の面を「表面」、溝部内に熱線吸収部を有するときの溝部の面を「界面」とし、両者は同じ部分を意味する。
また、以下の説明において、溝部の表面(界面)の表面粗さとは、算術平均粗さ(Ra)のことをいうものとする。
また、本発明において、「光」とは、少なくとも可視光領域または赤外光領域に波長を有する光であれば特に限定されるものではなく、例えば、太陽光等の自然光、赤外線LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の光源からの光が挙げられる。また、本発明においては、上記光源の位置が固定されていてもよく、変化するものであってもよい。
さらに、本発明において、可視光領域および赤外光領域とは、それぞれ一般的に定義される波長領域をいい、380nm〜780nmの範囲内を可視光領域、それよりも長波長領域を赤外光領域とするものである。
以下、本発明の熱線制御シートの製造方法の各実施態様について説明する。
I.第1実施態様
本実施態様の熱線制御シートの製造方法は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部を形成する光透過部形成工程と、上記溝部の表面に対し、プラズマを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う溝部表面処理工程と、上記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様の熱線制御シートの製造方法について、図を例示して説明する。図1は本実施態様の熱線制御シートの製造方法の一例を示す工程図である。
図1で例示されるように、まず、光透過部形成工程として、フィルム状の基材5の一方の表面上に光透過部の材料を含む液状の光透過部形成用組成物を塗布し、光透過部形成層1aを形成する(図1(a))。次に、凸部を有する賦形版Mを上記光透過部形成層1aに押し当て、上記凸部の形状を転写し(図1(b))、紫外線等の光を照射して上記光透過部形成層1aを架橋硬化させることにより、複数本の溝部3aを表面に有する光透過部1を上記基材5上に形成する(図1(c))。
次に、溝部表面処理工程として、複数の上記溝部3aの表面に対してプラズマRを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う。その結果、溝部3は表面に微細凹凸形状を有する(図1(d)および(e))。
続いて、熱線吸収部形成工程として、光透過部1の溝部3を有する表面側に、熱線吸収粒子を少なくとも含む液状の熱線吸収部形成用組成物2aをコーティングし、上記光透過部1の表面上の過剰分はスキージAにより摺り切りを行うことにより、複数の上記溝部3内に上記熱線吸収部形成用組成物2aを充填する(図1(f))。
上記熱線吸収部形成層2aに紫外線等の光Lを照射し(図1(g))、上記熱線吸収部形成層2aを架橋硬化させることにより、所望の形状を有する熱線吸収部2を形成する。これにより、目的とする熱線制御シート10を製造することができる(図1(h))。
本実施態様は、溝部表面処理工程において溝部の表面処理を行う際にプラズマを用いた等方性エッチングを行うことを特徴とするものである。以下、等方性エッチングが好ましい理由について説明する。
プラズマを用いたエッチング処理としては、等方性エッチングおよび異方性エッチングがある。図2は、エッチングの種類により形成される微細凹凸形状を説明するための説明図である。
等方性エッチングの場合、図2(a)で例示されるように、溝部に対して入射する方向および横方向(プラズマが入射する方向に対して垂直方向)に向かって同時にエッチングされる。その際に、プラズマに含まれるラジカル等は、方向性を有さずにランダムに溝部の表面をエッチングするため、表面全体に微細凹凸形状を形成することができる。これにより、溝部の表面全体が不連続界面となることを抑制し、光反射防止機能、および光散乱機能を奏することができる。
一方、反応性イオンエッチングのような異方性エッチングの場合、図2(b)で例示されるように、イオン化されたエッチングガスは、溝部に対して入射方向に向かって均一にエッチングされるが、横方向にはエッチングされにくい。このため、溝部の表面全体に所望の微細凹凸形状を付することが困難となる。すなわち、屈折率を連続的に変化させることができず不連続界面を有することとなり、熱線吸収部および光透過部の界面を光が透過する際に可視光線の反射を防止することができない。また、粗度の小さい上記界面においては光が散乱しにくくなる。
上述の理由から、本実施態様では、プラズマを用いた等方性エッチングにより、溝部表面に微細凹凸形状を形成することが可能となり、熱線吸収部と光透過部との界面における可視光線の反射を防止すると共に、上記界面において光を散乱させることにより、多重像の発現を抑制するに至るのである。
本実施態様は、光透過部形成工程、溝部表面処理工程および熱線吸収部形成工程を少なくとも有するものである。
以下、本実施態様の熱線制御シートの製造方法について、工程ごとに説明する。
1.光透過部形成工程
本実施態様における光透過部形成工程は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部を形成する工程である。
(1)光透過部
まず、本工程において形成される光透過部について説明する。本工程により形成される光透過部は、一方の表面に複数本の溝部を有するものである。
(a)溝部
本工程において形成される溝部のシート面から見た形状としては、直線状であってもよく曲線状であってもよい。
また、上記溝部の深さ方向への断面形状としては、後に、溝部内に熱線吸収部を形成した際に、熱線制御シートとして所望の効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、三角形、矩形、楔形等が挙げられる。また、溝部の深さ方向への断面形状としては、各角部が曲率を有していてもよい。さらに、溝部の深さ方向への断面形状における各辺が曲線であってもよい。
上記溝部のピッチ幅としては、本実施態様により形成される熱線制御シートの用途等に応じて適宜調整されるものである。例えば、各ピッチ幅が同じになるように各溝部が規則的に配列していてもよく、各ピッチ幅がランダムになるように各溝部が不規則的に配列していてもよい。具体的な溝部のピッチ幅としては、光の入射角度に応じて溝部内に形成される熱線吸収部によって十分に熱線を吸収することができる大きさであればよい。上記ピッチ幅の大きさとしては、例えば30μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも40μm〜150μmの範囲内、特に50μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
溝部のピッチ幅が上記範囲内にあることにより、例えば、熱線制御シートのシート面に対して光の入射角度が小さい場合、上記熱線吸収部に光が入射しにくくなり、熱線を十分に吸収することができない場合がある。一方、溝部のピッチ幅が上記範囲よりも小さいと、光透過部において可視光線が透過しにくくなり、採光が不十分となる場合がある。
なお、溝部のピッチ幅とは、隣り合う溝部の中心間の長さをいい、図1(c)においてPで示される部分である。
上記溝部の深さとしては、熱線制御シートに対して光の入射角度に応じて熱線を制御することが可能な程度であれば特に限定されるものではないが、例えば10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、中でも25μm〜250μmの範囲内、特に50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。また、当該溝部の深さは、光透過部の厚さの30%〜100%未満の範囲内であることが好ましく、中でも40%〜97.5%の範囲内、特に50%〜95%の範囲内であることが好ましい。
溝部の深さが、光透過部の厚さに対して上記範囲よりも小さいと、本実施態様により形成される熱線制御シートの厚さが相対的に増し、屈曲性が低下する場合があるからである。
なお、溝部の深さとは、溝部の最下点から光透過部の上記溝部を有する表面までの長さをいい、図1(c)においてhで示される部分である。
上記溝部の幅としては、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性を低下させない程度であれば特に限定されるものではないが、例えば最も幅広の箇所において5μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、中でも7μm〜45μmの範囲内、特に10μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。
溝部の幅が上記範囲よりも大きい場合には、溝部内に形成される熱線吸収部の面積が増えるため、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性を低下させるおそれがある。また、熱線を透過させたい場合に、溝部内に形成される熱線吸収部によって殆どの熱線が吸収されてしまう可能性がある。一方、溝部の幅が上記範囲よりも小さい場合には、溝部内に形成される熱線吸収部において吸収される熱線量が制限されてしまい、熱線制御シートとして所望の効果が得られない場合がある。
なお、溝部の幅とは、図1においてwで示される部分である。
隣り合う各溝部は、平行して形成されていてもよく、ランダムに形成されていてもよく、交差して形成されていてもよい。中でも本実施態様においては、光透過部の一方の表面に、直線状の溝部がそれぞれ平行して形成されていることが好ましい。
(b)光透過部
本工程において形成される光透過部の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。なお、ここでの電離放射線とは、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、および活性エネルギー線等を指す。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
上記紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂としては、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。例えば、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、多官能性のウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合には、目的に応じてメチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を併用することができる。上記単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーを用いて、塗布性を確保することもできる。
さらに、上記光透過部は、紫外線吸収剤等の耐候性改善剤を含有してもよい。上記紫外線吸収剤としては、無機系であっても有機系であってもよい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。上記無機系の紫外線吸収剤の平均粒径(D50)は5nm〜120nm程度の範囲内であることが好ましい。また、有機系の紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等を用いることができ、中でも、トリアジン系が好ましい。紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいからである。なお、上記平均粒径は、粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求められる。
上記光透過部は、上述した材料の他に、ハードコート性、光安定剤、耐傷フィラー、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、等の添加剤を含有してもよい。
本工程により形成される光透過部の厚さは、目的とする熱線制御シートの厚さおよび溝部の形状等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、中でも25μm〜250μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
光透過部の厚さが上記範囲よりも大きい場合には、上記光透過部に入射した光が吸収されてしまうことによる光の損失が発生し、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性を低下させるおそれがある。また、光透過部の厚さが上記範囲よりも小さい場合には、上述した形状を有する溝部を形成することが困難になるおそれがある。
なお、本実施態様における光透過部の厚さとは、図1においてTで示される部分である。
また、上記光透過部の屈折率としては、後述する熱線吸収部の屈折率に応じて適宜調整されるものであるが、例えば1.40〜1.80の範囲内であることが好ましく、中でも1.45〜1.70の範囲内であることが好ましく、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。
なお、光透過部の屈折率の測定方法としては、JIS K 7142に規定された屈折率の測定方法により得ることができる。具体的には、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)により、温度23℃の条件下で測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定することができる。
また、上記光透過部は、光透過性を有することが好ましい。具体的には、可視光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。
光透過部が上述した所定の光透過性を有することにより、光透過部に入射した光が吸収されることによる光の損失の発生を抑制することができ、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性を良好なものとすることができる。
なお、可視光線透過率の測定方法については、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JIS K 0115準拠品)を用い、東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)上に形成された膜厚10μmの光透過部を、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定することにより確認される。
上記光透過部は、図1で例示されるように、基材上に光透過部が形成された態様であってもよい。上記態様は、例えば上述した材料を含有する光透過部形成用組成物を基材上に塗布して光透過部を形成する場合に形成されるものである。また上記態様においては、当該基材は光透過部および熱線吸収部を支持する機能を有する。
なお、上記基材については、後述する「B.熱線制御シート」の項で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
(2)光透過部の形成方法
次に、本工程における光透過部の形成方法について説明する。
本工程における光透過部の形成方法としては、形成される光透過部の厚さを所望のものとし、複数の溝部を形成することができる方法であれば、特に限定されない。
具体的には、凸部を有する賦形版に光透過部形成用組成物を塗布し、成膜された光透過部形成用塗工膜を架橋硬化させた後、賦形版を剥離することにより光透過部を形成することができる。
また、基材を使用する場合は、基材上に光透過部形成用塗工膜を成膜した後に賦形版を押圧し、上記光透過部形成用塗工膜を架橋硬化させてもよく、基材と賦形版とを対向するように配置し、その間に光透過部形成用組成物を注入して架橋硬化させてもよい。
さらに、他の方法として、別途成膜した光透過部形成用塗工膜を賦形版に積載してもよく、貼り合わせてもよい。
なお、上記賦形版の有する凸部は、溝部の反転形状と同一のものである。
上記光透過部形成用組成物の粘度としては、後述する塗布方法に用いることが可能な粘度を有していればよく、例えば500Cps〜5000Cps程度の範囲内であることが好ましい。なお、上記光透過部形成用組成物は通常、溶剤を含まないものであるが、塗工性を得るために、上述した光透過部の材料を溶剤等に溶解させたものであってもよい。
上記光透過部形成用組成物の塗布方法としては、均一の膜厚の光透過部形成用塗工膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。この様な塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
上記光透過部形成用組成物の硬化方法としては、電離放射線の照射による硬化が好ましい。上記電離放射線については、電磁波が有する量子エネルギーで区分することもあるが、本実施態様では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、活性エネルギー線等を意味する。使用する上記電離放射線は、上記光透過部形成用組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の種類により適宜選択されるものである。中でも、実用的である点から紫外線、または電子線を用いることが好ましい。
硬化条件等については、光透過部形成用組成物の種類に応じて適宜設定することができる。
本工程において使用される賦形版は、表面上に複数本の凸部を有するものであり、上記凸部の形状およびその大きさは、上述した溝部の形状と同一のものであることが好ましい。
また、本工程において使用される賦形版の形状としては特に限定されないが、例えば板状、ロール状等が挙げられる。
2.溝部表面処理工程
本実施態様における溝部表面処理工程は、溝部の表面に対し、プラズマを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う工程である。その結果、上記溝部の表面に微細凹凸形状を形成することが可能となる。
なお、本工程における溝部の表面とは、少なくとも溝部の側面を含むものであり、中でも溝部の表面全面であることが好ましい。
(1)微細凹凸形状を有する溝部
まず、本工程において形成される微細凹凸形状を有する溝部について説明する。本工程において溝部表面に形成される微細凹凸形状は、凹部および凸部が連続してなるものであり、可視光線が透過する際に屈折率を連続的に変化させる機能を有するものである。なお、「凹部および凸部が連続してなる」とは、凹部および凸部の配列が所望の周期を有することをいう。
上記微細凹凸形状における凹部もしくは凸部の断面形状としては、屈折率を連続的に変化できる形状であれば、特に限定されるものではない。また、凹部もしくは凸部の大きさとしては、ナノサイズであることが好ましい。
本工程により上記溝部の表面には上述した微細凹凸形状が形成される。このとき上記溝部溝部の表面の算術平均粗さ(Ra)は所定範囲内であればよいが、中でも本発明により得られる熱線制御シートが光反射防止効果、および光散乱効果を奏し、且つ多重像を発現しない範囲内であることが好ましい。具体的には、上記溝部の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であるが、中でも200m〜800nmの範囲内、特に400nm〜800nmの範囲内であることが好ましい。
溝部の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内であることにより、上記溝部表面には光反射防止機能および光散乱機能に適した所望の微細凹凸形状が形成されていることとなる。すなわち、光透過部は上記溝部の表面において屈折率が連続的に変化し、また、溝部内に形成される熱線吸収部についても同様に、光透過部との界面において屈折率の連続的変化が生じるため、上記界面において光の反射率を低下させることができる。また微細凹凸形状により、上記界面を透過する光を散乱させることができる。これにより熱線制御シートにおいて、反射光同士の干渉、反射光と他の入射光との干渉、出射光同士の干渉による多重像の発現を防止することできるからである。
なお、上記溝部の算術平均粗さ(Ra)の値は、非接触式白色干渉計を用いた測定方法、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた溝部の断面観察による測定方法により求められる。
非接触式白色干渉計による測定方法とは、非接触式白色干渉計(Canon社製、Zygo NewView 6200)を用いて、測定範囲50μm×50μmで測定した3点平均値を算術平均粗さ(Ra)とするものである。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた溝部の断面観察による測定方法とは、JIS B0601 2001の規定に従い、23℃下でSEMにより溝部の断面を観察し、得られた画像より光透過部と熱線吸収部間の界面輪郭線(粗さ曲線)を抽出し、下記方法で算出した値を算術平均粗さ(Ra)とするものである。
(算術平均粗さ(Ra)の算出方法)
粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式(1)によって求められる値をマイクロメートル(nm)で表して算出値とする。
上記溝部の形状等については、上述した「1.光透過部形成工程 (1)光透過部 (a)溝部」の項で説明した内容と同様である。
(2)溝部表面の処理方法
次に、本工程における溝部表面の処理方法について説明する。本工程においては、溝部表面に上述の構造を有する微細凹凸形状を形成する方法として、プラズマを用いた等方性エッチングによる処理を行うものである。
上記処理方法としてプラズマを用いた等方性エッチングが好ましい理由については、上述した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程における等方性エッチングとしては、上述したようにプラズマを用いるものである。使用するプラズマの種類としては特に限定されるものではなく、例えば、コロナ放電等による大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、高周波プラズマ等が挙げられる。また、本工程においては直接プラズマが照射されてエッチングを行うものであるが、エッチングガス等を使用するものであってもよい。
プラズマによる等方性エッチングの際にエッチングガスを使用する場合、その種類としては一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸素(O)、水素(H)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ハロゲン、ヘリウム(He)等の単一ガス、または上記ガスを混合したもの等が挙げられる。
上記プラズマを用いた等方性エッチングによる処理条件としては、溝部の表面を所望の微細凹凸形状とすることが可能なものであればよく、適宜設定することができる。上記処理条件として、通常プラズマを用いたエッチング処理の際に用いられる条件を適用することができ、例えば、プラズマ出力としては50W〜2000W程度、処理電力としては20kHz〜2GH程度、速度としては0.5m/分〜2m/分程度とすることが好ましい。また、上記エッチングは、単一段階で実施してもよく、多段階で実施してもよい。
上記エッチング処理時間としては、所望の微細凹凸形状とすることが可能な時間であればよく、例えば1秒〜60秒程度が好ましい。
3.熱線吸収部形成工程
本実施態様における熱線吸収部形成工程は、溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、熱線吸収部を形成する工程である。
(1)熱線吸収部形成用組成物
まず、本工程において用いられる熱線吸収部形成用組成物について説明する。上記熱線吸収部形成用組成物は、熱線吸収剤として熱線吸収粒子を少なくとも含有するものである。
以下、熱線吸収粒子について説明する。
(a)熱線吸収粒子
熱線吸収粒子は、赤外線等の熱線を吸収し、かつ可視光線を透過することができるものであればよい。
上記熱線吸収粒子としては、所定の効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、透明性を有する無機ナノ粒子を用いることができ。具体的には、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、六ホウ化ランタン(LaB)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化タングステン、六ホウ化セリウム、無水アンチモン酸亜鉛および硫化銅またはそれらの混合物のナノ粒子等を用いることができる。中でも、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
上記熱線吸収粒子はナノ微粒子であることが好ましく、その平均粒径(D50)としては、例えば10nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも20nm〜150nmの範囲内であることが好ましく、特に30nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。熱線吸収粒子の平均粒径が上記範囲よりも大きいと、得られる熱線制御シートにおいて、熱線吸収部に入射した光が熱線吸収粒子により散乱されることでヘイズ値が上昇し、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性の低下を招く場合がある。また、熱線吸収粒子の平均粒径が上記範囲よりも小さいと、熱線を十分に吸収できず、熱線制御シートとしての機能が発揮できない場合がある。なお、上記平均粒径は、熱線吸収粒子の粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求められる。
本実施態様における熱線吸収粒子は、ブロードな粒度分布を示すことが好ましい。また、熱線吸収粒子の粒度分布のうち、累積粒度分布の微粒子側から累積90%の粒径D90が可視領域内にないことが好ましい。本実施態様により得られる熱線制御シートにおいて、熱線吸収部に入射した光が熱線吸収粒子により散乱されることによるヘイズ値の上昇を抑え、熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性の低下を防止することができるからである。
上記熱線吸収粒子の粒度分布としては、後述する測定法を用いて測定し、累積粒度分布の微粒子側から累積10%の粒径をD10、累積90%の粒径をD90としたとき、D90の値が25nm以上400nm以下であることが好ましく、中でも50nm以上200nm以下であることが好ましい。また、累積10%の粒径D10と累積90%の粒径D90との比(D90/D10)が、2〜400の範囲内であることが好ましく、中でも3〜200の範囲内であることが好ましく、特に4〜100の範囲内であることが好ましい。
熱線吸収粒子の粒度分布のD90/D10の値が上記範囲内にあることにより、ブロードな粒度分布となり、より広い波長の熱線を吸収することができる。なお、上記粒度分布は、粒度分布計により測定される。
上記熱線吸収部形成用組成物に含まれる熱線吸収粒子の含有率としては、熱線吸収部形成用組成物の全質量(100質量%)に対して、0.1質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、中でも0.2質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、特に0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。熱線吸収粒子の含有率が上記範囲であることにより、本実施態様により得られる熱線制御シートにおいて、熱線吸収部に入射した熱線を十分に吸収することができ、かつ熱線吸収粒子により光が散乱することによるヘイズ値の上昇を抑制することができるからである。
(b)その他の材料
上記熱線吸収部形成用組成物は、上述した熱線吸収粒子の他に、必要に応じてバインダ樹脂、光開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤を有することができ、少なくともバインダ樹脂を有することが好ましい。
上記熱線吸収部形成用組成物に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
具体的には、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の反応性オリゴマー、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等の反応性のモノマー等が挙げられる。
また、バインダ樹脂には光開始剤が含まれることが好ましい。波長300nm〜400nmの紫外線等の電離放射線を照射してバインダ樹脂を硬化させることができるからである。上記光開始剤としては、照射する電離放射線の種類に応じて適宜選択でき、例えば、ケトン系やアセトフェノン系の光開始剤、具体的には、サンドレー1000、Darocure1163、Darocure1173、Irgacure183、Irgacure651等を用いることができる。なお、上記光開始剤の含有率としてはバインダ樹脂の量に応じて適宜調整することができ、例えば、バインダ樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部程度の範囲内であることが好ましい。
上記バインダ樹脂の屈折率としては小さいことが好ましい。上述した熱線吸収粒子の屈折率が比較的大きいため、バインダ樹脂の屈折率が小さいことにより、本実施態様により得られる熱線制御シートにおいて、熱線吸収部全体の屈折率を所定の範囲に調整することができるからである。
上記熱線吸収部形成用組成物におけるバインダ樹脂の含有率としては、熱線吸収部形成用組成物の全質量(100質量%)に対して、40質量%〜98質量%の範囲内であることが好ましく、中でも50質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。
(c)熱線吸収部形成用組成物
上記熱線吸収部形成用組成物は、後述する塗布方法により塗布するために液状であることが好ましい。このとき、上記熱線吸収部形成用組成物を適当な溶媒に分散させてもよく、上記その他の材料として液状の材料を熱線吸収粒子と混合させることにより、熱線吸収部形成用組成物自体を液状としたものであってもよい。
上記熱線吸収部形成用組成物の粘度は、後述する塗布方法に用いることが可能な粘度であればよく、100cps〜20000cps程度の範囲内であることが好ましく、中でも、250cps〜10000cps程度の範囲内であることが好ましく、特に、500cps〜5000cps程度の範囲内であることが好ましい。熱線吸収部形成用組成物の粘度が上記範囲よりも高いと、後述する塗布方法を用いることができない場合がある。また、上記範囲よりも低いと、熱線吸収部形成用組成物を塗布してから硬化させるまでの間、形状を保持できない場合がある。
(2)熱線吸収部
次に、本工程において形成される熱線吸収部について説明する。上記熱線吸収部は、熱線を吸収し、かつ可視光線を透過するものである。
具体的には、上記熱線吸収部の可視光線透過率が、50%以上であることが好ましく、中でも60%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。また、上記熱線吸収部の熱線吸収率が50%以上であることが好ましく、中でも60%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。
なお、上記可視光線透過率については、まず、後述する実施例で用いられるバインダ樹脂95質量%に熱線吸収粒子を5質量%含有させて全体量を100質量%とした熱線吸収部形成用組成物を、東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで塗布し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JIS K0115準拠品)を用いて、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定することにより得られる。また、上記熱線吸収率については、可視光線透過率と同様の測定サンプルおよび測定装置を用い、測定波長780nm〜2500nmの範囲内で測定することにより得られる。
また、本工程において形成される熱線吸収部の屈折率は、上述した光透過部と所望の屈折率差を有することが好ましい。上記熱線吸収部の屈折率としては、例えば1.40〜1.80の範囲内であることが好ましく、中でも1.45〜1.70の範囲内であることが好ましく、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。
熱線吸収部の屈折率が上記範囲よりも大きいと、光透過部の屈折率との差が大きくなり、熱線吸収部と光透過部との界面が不連続界面になると推量される。そのため、上記界面において光の反射が生じてしまう可能性がある。
なお、熱線吸収部の屈折率の測定方法については、上記「1.光透過部形成工程」の項に記載した内容と同様である。
本工程において形成される熱線吸収部の形状等については、上述した溝部の形状等と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状は、後述する熱線吸収部形成用組成物の塗布方法にもよるが、平坦なものであってもよく、凸形状または凹形状であってもよい。中でも平坦であることが好ましい。上記熱線吸収部の表面が平坦であることにより、熱線制御シートのシート面全体を平坦なものとすることができ、上記シート面において光の回折現象の発生や光の干渉現象が生じることを防ぐことができるからである。
(3)熱線吸収部の形成方法
次に、熱線吸収部の形成方法の形成方法について説明する。
本工程における熱線吸収部形成用組成物の塗布方法としては、少なくとも溝部内に熱線吸収部形成用組成物を十分に充填させることができる方法であれば、特に限定されるものではなく、ワイピング法、コーティング法、ドライラミネート法、押出しラミネート法等を用いることができ、中でもコーティング法を用いることが、生産性や塗工膜の精密性などから好ましい。具体的なコーティング法としては、アプリケーターコート、ミヤバーコート、ワイヤバーコート、グラビアコート、ダイコート等を用いることができる。
また、本工程においては、溝部から光透過部の表面に流れ出た過剰量の熱線吸収部形成用組成物を、スキージ等を用いて摺り切りを行うことで除去してもよい。
本工程における上記熱線吸収部形成用組成物の硬化方法としては、例えば、電離放射線の照射による硬化が好ましい。上記電離放射線については、上述した「1.光透過部形成工程」の項で説明したものと同様のものを使用することができ、上記光透過部形成用組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の種類により適宜選択されるものである。
本工程における熱線吸収部形成用組成物の硬化条件等については、熱線吸収部形成用組成物の種類や使用する電離放射線の種類に応じて適宜設定することができる。
4.その他の工程
本実施態様の熱線制御シートの製造方法は、上述した工程を有するものであるが、必要に応じて、例えば粘着層形成工程、保護層形成工程等のその他の工程を有していてもよい。
II.第2実施態様
本実施態様の熱線制御シートの製造方法は、複数の凸部を有する賦形版の、少なくとも上記凸部表面に微細凹凸を形成する賦形版表面処理工程と、上記凸部表面に微細凹凸を有する上記賦形版を原版として、光透過部形成用組成物に上記賦形版の上記凸部を有する表面の形状を転写することにより、表面に微細凹凸形状を有する複数本の溝部を一方の表面に有する光透過部を形成する光透過部形成工程と、上記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、上記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様の熱線制御シートの製造方法について、図を例示して説明する。図3は本実施態様の熱線制御シートの製造方法の一例を示す工程図である。なお、本実施態様における熱線吸収部形成工程は(図3(e)〜(g))は、上述の「I.第1実施態様」における熱線吸収部形成工程(図1(f)〜(h))と同様である。
図3で例示されるように、まず、賦形版表面処理工程として、複数の凸部を有する賦形版Mを準備し、上記賦形版Mの表面にアルミナ粒子を吹き付けるサンドブラスト処理Sを行うことで(図3(a))、賦形版Mの表面に微細凹凸を形成する(図3(b))。
次に、フィルム状の基材5の一方の表面上に光透過部の材料を含む液状の光透過部形成用組成物を塗布して光透過部形成層1aを形成し、上述の表面処理をした賦形版Mを原版として上記光透過部形成層1aに押し当てて、賦形版Mの上記凸部を含む表面の形状を転写する(図3(c))。続いて、紫外線等を照射して上記光透過部形成層1aを架橋硬化させ、上記賦形版Mから離型することにより、溝部3を複数有する光透過部1が上記基材5上に形成される(図3(d))。このとき溝部3の表面には、上記凸部の表面の微細凹凸が転写されて、微細凹凸形状が形成される。
続いて、上述の「I.第1実施態様」の項で説明した手順で熱線吸収部形成工程を行い、複数の溝部3内に熱線吸収部2を形成し、目的の熱線制御シート10が得られる(図3(e)〜(g))。
本実施態様では、賦形版表面処理工程として、賦形版の少なくとも凸部表面に対して、予め微細凹凸を形成し、続く光透過部形成工程において上記賦形版を原版として用いることで、表面に微細凹凸形状を有する溝部を形成することが可能となり、上述した効果を奏する熱線制御シートを製造することができる。
なお、本実施態様では、賦形版表面処理工程を行うことから、「I.第1実施態様」における溝部表面処理工程行う必要が無く、また、表面処理が施された賦形版を用いるため、歩留まりを低下させずに、表面粗さが比較的均一な複数の溝部を連続形成することが可能であるという利点を有する。
以下、本実施態様における各工程について説明する。
1.賦形版表面処理工程
本実施態様における賦形版表面処理工程は、複数の凸部を有する賦形版の、少なくとも上記凸部表面に微細凹凸を形成する工程である。
(1)賦形版
まず、本工程において使用される賦形版について説明する。上記賦形版は、表面上に複数本の凸部を有するものである。上記賦形版は「I.第1実施態様」の項で説明した賦形版と同様とする。
上記賦形版の材質としては、金属、樹脂等、後述する方法により表面処理が可能な材質であればよく、中でも賦型版の耐久性等の点から金属が好ましい。上記金属としては、例えばアルミニウム、銅、スチール等が好適である。
上記賦形型の凸部の形状および寸法については、「I.第1実施態様」の項で説明した溝部の形状および寸法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記賦形版の形状としては特に限定されないが、例えば板状、ロール状等が挙げられる。中でも、所定のピッチ幅で同一形状の溝部を連続して形成可能である点から、賦形版はロール状であることが好ましい。
(2)賦形版の表面処理方法
次に、本工程における賦形版の表面処理方法について説明する。本工程における表面処理方法としては、賦形版の少なくとも凸部表面に微細凹凸を形成可能な方法であれば特に限定されない。表面処理方法としては、例えばウェットブラスト、ドライブラスト等のサンドブラスト処理、サンドペーパー、ベルトサンダー、ワイヤブラシ等による表面処理、型押し処理、レーザー処理、研磨処理、エッチング処理等が挙げられる。
サンドブラスト処理に用いる投射材料としては、例えば鉄、炭化珪素、アルミナ、ダイアモンド、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ステンレス、チタニア、酸化クロム、酸化鉄等の無機粒子、樹脂製粒子といった、一般的なサンドブラスト処理で使用される研削材が挙げられる。中でも研削材として無機粒子が好ましく、特にアルミナ粒子、酸化チタン粒子の少なくとも1種が好ましい。
研削材の粒子形状は不定形であるが、球形あるいは多角形などの角を有する形状が好ましく、中でも角を有する形状が好ましい。研削材の平均粒径や粒子の材質、吹き付けの際の圧力条件等は目的の平均表面粗さに応じて適宜設定することが出来る。
サンドブラスト処理による表面処理方法は、例えば上述した研削材を投射材料として、圧搾空気の力によってノズルの先端から賦形版の表面に吹き付けることによって行われる。
このときサンドブラスト処理は、通常、賦形版の凸部を有する表面全体に対して行われるが、必要に応じて賦形版の凸部以外の表面をマスクで覆い、上記マスクを介して凸部表面のみに対してサンドブラスト処理を行ってもよい。
吹き付けの際の圧力、時間、角度等の加工条件については特に限定されず、研削材の材質、形状、平均粒径、目的とする表面粗さに応じて適宜設定することができる。
また、サンドブラスト処理は、賦形版の凸部表面が所定の表面粗さとなるように、1回または複数回に分けて行うことができる。
なお、本工程をサンドブラスト処理以外の方法で行う場合、各処理方法については、賦形版の凸部表面が所定の算術平均粗さ(Ra)を有することが可能な条件で行えばよく、処理方法に応じて適宜選択される。
本工程により、賦形版の少なくとも凸部表面に微細凹凸が形成される。このとき上記凸部表面の算術平均粗さ(Ra)としては、本発明により得られる熱線制御シートが光反射防止機能および光散乱機能を奏し、且つ多重像を発現しない範囲内であることが好ましい。
具体的な算術平均粗さ(Ra)については、「I.第1実施態様 2.溝部表面処理工程」の項で説明した溝部表面の算術平均粗さ(Ra)と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本工程が、賦形版の凸部を有する表面全体に対して表面処理がされる場合、上記凸部以外の処理面の算術平均粗さ(Ra)は凸部の算術平均粗さと同等である。
2.光透過部形成工程
本実施態様における光透過部形成工程は、凸部表面に微細凹凸を有する賦形版を原版として、光透過部形成用組成物に上記賦形版の上記凸部を有する表面の形状を転写することにより、表面に微細凹凸形状を有する複数本の溝部を一方の表面に有する光透過部を形成する工程である。
本工程において形成される溝部、光透過部、およびこれらの形成方法、ならびに光透過部形成用組成物については、「I.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本工程において使用される賦形版が、凸部表面を含む表面全体に微細凹凸を有するものである場合、本工程において形成される光透過部の表面は、溝部表面と同様の算術平均粗さ(Ra)を有する。
3.熱線吸収部形成工程、およびその他の工程
本実施態様における熱線吸収部形成工程、および本実施態様において想定されるその他の工程については、上記第1実施態様と同様であるのでここでの説明は省略する。
III.熱線制御シート
上述した本発明の製造方法の各実施態様により得られる熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の上記光透過部との界面、すなわち上記熱線吸収部と光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が所定範囲内を示すものである。当該熱線制御シートについては、後述する「B.熱線制御シート」の項で詳細に説明する。
B.熱線制御シート
次に、本発明の熱線制御シートについて説明する。本発明の熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、上記溝部の上記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の熱線制御シートについて、図を例示して説明する。図4は本発明の熱線制御シートの一例を示す概略斜視図であり、図5は図4のX方向から見た概略断面図である。なお、図4においてXY平面が熱線制御シートのシート平面となり、Z方向が熱線制御シートの厚さ(溝部の深さ)方向となる。
図4および図5で例示されるように、本発明の熱線制御シート10は、一方の表面に複数本の溝部3を有する光透過部1と、上記溝部3内に形成された熱線吸収部2とを有するものであり、上記溝部3の上記光透過部1との界面、すなわち上記光透過部1と熱線吸収部2との界面は、所定範囲内の算術平均粗さ(Ra)を有するように、微細凹凸形状が形成されている。
本発明によれば、溝部の光透過部との界面、すなわち上記熱線吸収部と光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が所定範囲内にあることから、上記界面における急激な屈折率変化が解消され、上記界面を光が透過する際に屈折率が連続的に変化することで、上記界面において可視光線の反射が軽減される。これにより上記熱線制御シート内での多重反射の発生を抑制することが可能となる。また、上記界面を透過する光が散乱されることで、光透過部からの出射光と熱線吸収部からの出射光との間で生じる位相差が小さくなるため、干渉現象の発生を抑制することが可能となる。
したがって、多重像の発現が少なく、外観等の視認性を良好にすることが可能な熱線制御シートとすることができる。
本発明の熱線制御シートは、光透過部および熱線吸収部を少なくとも有するものである。以下、本発明の熱線制御シートの各構成について順に説明する。
1.光透過部
本発明における光透過部は、一方の表面に複数本の溝部を有するものであり、溝部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする。
本発明における光透過部については、上述した「A.熱線制御シートの製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記光透過部における溝部の形状等についても、上述した「A.熱線制御シートの製造方法」の項で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
ここで、溝部の光透過部との界面に有する微細凹凸形状は、反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、上記微細凹凸形状による光反射防止機能は、主に上記微細凹凸形状における凹部および凸部の周期、高さ、間隔等に依存するものである。
例えば、上記微細凹凸形状の周期によっては、可視光領域の短波長側の光に対する反射率が増加し、熱線吸収部および光透過部の界面において光の反射を十分に防止することができない場合がある。また、上記微細凹凸形状が回折格子として機能して回折波を生じるため、上記回折波による不連続界面が生じる場合がある。
また、上記微細凹凸形状の高さが大きいほど光の反射率を低くすることができ、一方、上記微細凹凸形状の高さが小さいほど長波長側の光の反射率が増加する傾向にある。
さらに、上記微細凹凸形状における凹部もしくは凸部の間隔は、大きくなるほど可視光線の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、小さくなるほど可視光線の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。
そこで上記実情から、本発明においては、上記界面の算術平均粗さ(Ra)を所定範囲内とすることで、上記微細凹凸形状を光反射防止機能に適した形状とし、熱線吸収部と光透過部との界面における屈折率を連続的に変化させることで、可視光線の広範囲の波長領域に対して光反射防止機能を十分に発揮することを可能とするものである。また、上記界面における屈折率の連続的変化により、上記界面を透過する光を散乱させる光散乱機能も十分に発揮されることとなる。
本発明において、溝部の光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)は、熱線制御シートが光反射防止機能および光散乱機能を奏し、且つ多重像を発現しない範囲内とすることを要する。すなわち、溝部の光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が、100nm〜1000nmの範囲内であればよく、中でも200m〜800nmの範囲内、特に400nm〜800nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記溝部の算術平均粗さ(Ra)の値は、非接触式白色干渉計を用いた測定方法、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた溝部の断面観察による測定方法により求められる。各測定方法については、「A.熱線制御シートの製造方法」の項で説明した各測定方法と同様である。
2.熱線吸収部
本発明における熱線吸収部は、上記溝部内に形成されたものである。本発明における熱線吸収部については、上述した「A.熱線制御シートの製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.その他の構成
本発明の熱線制御シートは、上述した光透過部および熱線吸収部を少なくとも有するものであるが、その他の部位を有していてもよい。その他の部位としては、例えば基材、保護層、粘着層等を有することが好ましい。
以下、それぞれの部位について説明する。
(1)基材
本発明の熱線制御シートは、熱線制御シート全体の形状を保持することができる基材を有していてもよい。
上記基材としては、光透過性を有し、視認性に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。中でも、フィルム状の基材(以下、フィルム基材と称する場合がある。)が好ましく用いられる。
上記フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、フッ素樹脂、ゴム等の樹脂フィルム等が挙げられる。中でも、光透過性および強度の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートの樹脂フィルム等が好ましい。また、上記フィルム基材は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
なお、上記フィルム基材は、必要に応じて片面または両面に表面処理等を行っていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等の酸化法による表面処理や、サンドブラスト法、溶剤処理法等の凹凸化法による表面処理、化学的表面処理等が挙げられる。
上記フィルム基材の厚さとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも10μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
(2)保護層
本発明の熱線制御シートは、耐候性や耐傷性などの観点から保護層を有していることが好ましい。上記保護層の種類としては、耐候層、ハードコート層、耐候ハードコート層、自浄性層等を挙げることができる。
上記保護層の材料としては、電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。上記電離放射線硬化性樹脂としては、重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができ、中でも、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーを用いることが好ましい。上記重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマーなどが挙げられ、特に、多官能性のウレタン(メタ)アクリレート系が、耐候性とハードコート性を両立させる点で好ましく、重量平均分子量としては、1000〜5000程度のものが好ましい。
なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを指す。
上記電離放射線硬化性樹脂には、上記の多官能性の重合性オリゴマーの他に、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシアクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレートなどのような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを併用することができる。併用することにより、保護層の耐候性を向上することができるからである。中でも、カプロラクトン系の材料を併用することが好ましい。
また、上記保護層の材料として多官能性のウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合、その粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を併用することができる。上記単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーを用いて、塗布性を確保することもできる。
なお、上記保護層の材料に、紫外線吸収剤や光安定剤、耐傷フィラー等を含有させることができる。
上記保護層の厚さとしては、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。
上記保護層が配置される位置は、本発明の熱線制御シートの貼り付け態様に応じて適宜選択されるものであり、本発明の熱線制御シートを窓ガラス等の被着体に貼付する際に、上記被着体に対して上記熱線制御シートの最外層となるように配置されるものである。
(3)粘着層
本発明の熱線制御シートは、窓ガラス等の被着体に貼付するために、光耐候性を有する粘着層を有していることが好ましい。
上記粘着層に用いられる粘着剤の材料としては、光耐候性を有するものであればよく、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ゴム系等の粘着剤を用いることができる。中でも、光耐候性を有する材料として、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を用いることが好ましく、特に、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート等を用いることが好ましい。
また、上記粘着層は紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。紫外線吸収剤を含有させることにより、粘着層の光耐候性を向上させることができるからである。上記紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、分子内に反応性基を有する紫外線吸収剤を用いることもできる。無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等が好ましく挙げることができる。中でも、紫外線の吸収能が高く、紫外線等の高エネルギーに対して劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
上記粘着層における紫外線吸収剤の含有量としては、粘着剤100質量部に対して、0.1質量部〜25質量部の範囲内であることが好ましく、中でも1質量部〜25質量部の範囲内であることが好ましく、特に、3質量部〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
また、上記粘着層は光安定剤等を含有していてもよい。粘着層の耐候性を向上させることができるからである。上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤等が好ましく、また、分子内に反応性基を有するものであってもよい。光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
上記粘着層における光安定剤の含有量としては、粘着剤100質量部に対して、0.05質量〜7質量部の範囲内であることが好ましく、中でも0.5質量部〜5質量部の範囲内であることがより好ましく、特に1質量部〜5質量部の範囲内であることが好ましい。
上記粘着層の形成される位置は、本発明の熱線制御シートの使用態様に応じて適宜選択することができる。例えば上記熱線制御シートを内貼り用として用いる場合は、熱線吸収部の表面を含む光透過部の表面上に形成されることが好ましい。一方、上記熱線制御シートを外貼り用として用いる場合は、基材上に形成されることが好ましい。上記粘着層の厚さとしては、5μm〜100μmの範囲内が好ましく、中でも10μm〜75μmの範囲内が好ましい。
上記粘着層は、例えば上述した粘着層の材料を、酢酸エチル、トルエン等の溶剤で希釈し固形分20質量%〜60質量%の塗布液を調製し、上記塗布液を剥離シート等に塗布したものを、光透過部または熱線吸収部の少なくとも一方を有する表面に貼付することにより形成することができる。
上述の形成方法において、上記粘着層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等を用いることができる。また上記塗布方法を用いる場合、上記粘着層の材料の塗布量は、乾燥重量で10g/m〜30g/mの範囲が好ましい。上記範囲内とすることにより、被着体に対して十分な接着力が得られ、また、加工時に粘着層のはみ出し等を生じないからである。
(4)その他
上述した部位の他、例えば熱線吸収部および光透過部の表面上に平坦化層、散乱層等を有していてもよい。当該熱線制御シートの表面における光の回折現象や光の干渉現象の発生を抑制し、多重像の発現による視認性の低下を防止することが可能となるからである。
4.熱線制御シート
本発明の熱線制御シートは、熱線吸収部を含む光透過部の表面が平坦性を有するものであってもよく、凹凸を有するものであってもよいが、中でも平坦性を有することが好ましい。熱線制御シートの表面が凹凸を有する場合、光の入射面または出射面が平坦である領域と、光の入射面または出射面の縦断面形状が凹部状または凸部状である領域とにおいて、それぞれの入射面または出射面における光の拡散に偏りが生じ、出射される光量に偏りが生じることになる。このような光量の偏りは、光の回折現象の発生やそれに伴って発生する光の干渉現象を誘発し、多重像を発現するからである。
本発明の熱線制御シートの表面の平均表面粗さ(Ra)としては0.1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、中でも0.1nm〜20nmの範囲内、特に0.1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。なお、上記平均表面粗さ(Ra)の値は、上述した溝部の光透過部との算術平均粗さ(Ra)と同様の各測定方法により測定されるものとする。
上記熱線制御シートは、熱線吸収部および光透過部の界面における屈折率差が小さいことが好ましい。熱線吸収部および光透過部の屈折率差を小さいものとすることにより、熱線吸収部および光透過部の界面は、屈折率の急激な変化を生じない連続界面となり、上記界面を光が透過する際に可視光線の反射を防止することができるからである。また、屈折率差が大きいと光透過部から出射された光と熱線吸収部から出射された光との間で位相差が規則的に発生しやすく、干渉現象が生じるからである。
本発明における熱線吸収部と光透過部との屈折率差は、0.025以下であることが好ましく、中でも0.015以下であることが好ましい。
なお、上記熱線制御シートの屈折率は、JIS K 7142に従い、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて、測定波長589nmのナトリウム光源を使用して23℃の条件下で測定することにより確認される。
また、本発明の熱線制御シートはヘイズ値が低いことが好ましく、例えば20%以下であることが好ましく、中でも10%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。本発明の熱線制御シートのヘイズ値が上記範囲よりも高いと、上記熱線制御シートの透明度が低いものとなり、窓ガラス等の被着体に貼合された上記熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性が低下する場合がある。なお、上記ヘイズ値はJIS K 7136に準じて測定することにより確認される。
本発明の熱線制御シートの使用態様としては、窓ガラス等の被着体の内側、すなわち室内側に貼付ける「内貼り用」として使用することもでき、また、上記被着体の外側、すなわち屋外側に貼付ける「外貼り用」として使用することもできる。
「内貼り用」または「外貼り用」のどちらの使用態様においても、熱線吸収部の表面を含むシート面を光入射面となるように被着体に貼り付けてもよく、熱線吸収部の表面を含むシート面と対抗する面を光入射面となるように被着体に貼付してもよい。
また、本発明の効果を奏することが可能な使用態様であれば、被着体に貼付せずに使用しても良い。
5.製造方法
本発明の熱線制御シートの製造方法としては、上述した構成を有することができる方法であれば特に限定されないが、中でも、「A.熱線制御シートの製造方法」の項で説明した製造方法の各実施態様を用いることが好ましい。
6.用途
本発明の熱線制御シートは、光源からの光の入射角度に応じて、採光を確保しながら室内温度の上昇および低下を制御することができ、また、可視光線の多重反射および出射光の干渉現象による多重像の発現を抑制し、外観等の視認性を良好にするため、例えば、ビル、家屋、電車や車、バス等の車両、飛行機、船舶等の窓ガラス、開口部等に貼付して使用することができる。
C.熱線制御シート付き窓
次に、本発明の熱線制御シート付き窓について説明する。本発明の熱線制御シート付き窓は、窓材と、上記窓材の少なくとも一方の表面に配置された熱線制御シートと、を有する熱線制御シート付き窓であって、上記熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、さらに、上記溝部の上記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の熱線制御シート付き窓について、図を例示して説明する。図6(a)は本発明の熱線制御シート付き窓の一例を示す概略斜視図であり、図6(b)は図6(a)をX方向から見た概略断面図である。
図6で示すように、本発明の熱線制御シート付き窓20は、窓材11の少なくとも一方の表面に熱線制御シート10が配置されたものであり、熱線制御シート10は一方の表面に複数本の溝部3を有する光透過部1と、上記溝部3内に形成された熱線吸収部2とを有するものである。また、溝部3の光透過部1との界面、すなわち光透過部1と熱線吸収部2との界面は、その算術平均粗さ(Ra)が所定範囲内を示すものである。なお、図6において熱線制御シート10は、粘着層12を介して窓材11に貼合されている。
本発明によれば、窓材に配置された熱線制御シートは、溝部の光透過部との界面、すなわち、溝部内の熱線吸収部と光透過部との界面における算術平均粗さ(Ra)が所定範囲内であることから、上記界面における急激な屈折率の変化を抑制し、また、上記界面を透過する光を散乱させることができる。これにより、上記熱線制御シートによる可視光線の多重反射および出射光の干渉現象の発生が抑制されるため、熱線制御が可能で、外観等の視認性が良好な窓となる。
以下、熱線制御シート付き窓の各構成について説明する。
1.熱線制御シート
本発明における熱線制御シートは、「B.熱線制御シート」の項で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。ここで上記熱線制御シートは、溝部の光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内を有するものであれば良く、中でも200m〜800nmの範囲内、特に400nm〜800nmの範囲内であることが好ましい。
溝部の光透過部との界面の算術平均粗さの測定方法については、「B.熱線制御シート」の項で説明した各種測定方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.窓材
本発明における窓材としては、一般的に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、無色であってもよく、着色されたものであってもよい。中でも併用される熱線制御シートは多重像を発現しにくく、上記熱線制御シートを介して観察される外観等の視認性を良好にすることから、窓材としては、光透過性を有し、無色であることが好ましい。このような窓材としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等が挙げられる。
3.熱線制御シート付き窓
本発明の熱線制御シート付き窓の態様については特に限定されず、窓材の少なくとも一方の表面に熱線制御シートが配置されていればよい。例えば上述したように窓材の片面に粘着層を介して熱線制御シートが貼合された態様、図7で示すように、熱線制御シート10が中間層13を介して2枚の窓材11により狭持された態様等が挙げられる。中間層としては、粘着層等の任意の層とすることができる。なお、図7(a)は本発明の熱線制御シート付き窓の他の例を示す概略斜視図であり、図7(b)は図7(a)をX方向から見た概略断面図である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1−1]
以下の第1実施態様の手順で、熱線制御シートを得た。
(光透過部形成工程)
まず、基材として、厚さが50μmの連続帯状の透明2軸延伸PETフィルム(東洋紡績社製)を準備した。上記基材の一方の表面に下記の組成から成る液状の光透過部形成用組成物Aを塗布した。
<光透過部形成用組成物A>
・PO変性ビスフェノールAジアクリレート単量体 … 98質量%
・ベンゾフェノン系光開始剤 … 2質量%
次いで、凸形状の賦形版が円周方向に直線状に連なったロールを、基材上に成膜された光透過部形成用塗工膜に押し当て、水銀灯による紫外線照射により光透過部形成用塗工膜を硬化し、溝部を有する光透過部を形成した。なお、得られた溝部は、ピッチ幅が78μm、深さが63μm、下底幅が24μm、上幅が28μmであり、楔形の断面形状であった。また、硬化後の光透過部の厚さは100μmであり、引張弾性率は800MPaであった。
(溝部表面処理工程)
上記溝部に対し、以下の条件でダイレクトプラズマによる等方性エッチング処理(以下、ダイレクトプラズマエッチング処理と略する。)を行った。
<ダイレクトプラズマエッチング処理条件1>
・速度:0.7m/分
・出力:1080W
・電圧:180V
・電流:6A
・周波数:30kHz
(熱線吸収部形成工程)
下記の組成を有する熱線吸収部形成用組成物を、溝部を有する光透過部の表面に塗布した。その後、溝部以外の領域に塗布された熱線吸収部形成用組成物を、鉄製ドクターブレードを用いて擦切ることにより、溝部内のみに熱線吸収部形成用組成物を充填させた。
次いで、水銀灯による紫外線照射を行い、熱線吸収部形成用組成物を架橋硬化して熱線吸収部を得た。
<熱線吸収部形成用組成物の組成>
・透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー … 88質量%
・ATOナノ粒子(平均粒子径100nm) … 10質量%
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光重合開始剤、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) … 2質量%
(保護層の形成)
続いて、光透過部の上記熱線吸収部を有する表面に、下記の組成を有する保護層形成用塗布液を塗布し、架橋硬化して厚さ3μmの保護層を成膜し、目的とする熱線制御シートを得た。
<保護層形成用塗布液の組成>
・ウレタンアクリレートプレポリマーとジペンタエリスリトールアクリレートの混合物
… 98質量%
・ベンゾフェノン系光開始剤 … 2質量%
[実施例1−2]
溝部表面処理工程において、溝部に対して以下の条件でダイレクトプラズマエッチング処理を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして熱線制御シートを得た。
<ダイレクトプラズマエッチング処理条件2>
・速度:2m/分
・出力:1060W
・電圧:180V
・電流:6A
・周波数:30kHz
[実施例1−3]
下記の組成を有する光透過部形成用組成物Bを用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして熱線制御シートを得た。
<光透過部形成用組成物Bの組成>
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート単量体 … 98質量%
・ベンゾフェノン系光開始剤 … 2質量%
[実施例1−4]
溝部表面処理工程において、溝部に対して以下の条件でコロナ処理を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして熱線制御シートを得た。
<コロナ処理条件>
・速度:1m/分
・出力:500W
[比較例1−1]
溝部表面処理工程において、溝部に対してダイレクトプラズマエッチング処理を施さなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして熱線制御シートを得た。
[比較例1−2]
溝部表面処理工程において、溝部に対して以下の条件でリアクティブイオンエッチング処理(以下、RIE処理と略する。)を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして熱線制御シートを得た。
<RIE処理条件>
・出力:150W
・ガス量:50ppm(Arガス)
[比較例1−3]
溝部表面処理工程において、溝部に対して以下の条件でRIE処理を行ったこと以外は、実施例1−3と同様にして熱線制御シートを得た。
<RIE処理条件>
・出力:300W
・ガス量:10ppm(Arガス)
[評価1]
(視認性評価)
He−Neレーザー(波長632.8nm、強度10mW)光を、実施例1−1〜4および比較例1−1〜3の熱線制御シートに対して垂直に照射し、熱線制御シートから10cm離れた位置においてレーザーポイントを視認した。その結果を表1にまとめる。
なお、溝部に表面処理を行わなかった比較例1−1の視認性を基準(△)として、比較例1−1よりも多重像の発現が減少し、視認性の改善が見られたものを○、比較例1−1よりも多重像の発現が増加し、視認性の低下がみられたものを×とする。
ダイレクトプラズマエッチング処理およびコロナ処理により溝部の表面処理を行った実施例1−1〜4については、比較例1−1よりも多重像の発現が減少した。一方、RIE処理を行った比較例1−2〜3は、比較例1−1よりも多重像の発現が増加した。
また、走査型電子顕微鏡による溝部表面の断面観察を行った結果、実施例1−1〜4については溝部表面の全体的に微細凹凸形状が形成されていたが、比較例1−1〜3については形成されていなかった。
以上の結果から、第1実施態様の製造方法により得られる熱線制御シートは、観察対象の視認性を良好にすることが可能となった。
[実施例2−1]
以下の第2実施態様の手順で、熱線制御シートを得た。
(賦形版表面処理工程)
金属製賦形版表面の縦方向に直線状に連なり、その主切断面が高さ62μm、幅25μmからなる凸部を78μm周期で複数条互いに平行に配列した凸部群が形成された賦形版に対し、平均粒径13μmのアルミナを突出圧0.35MPaの条件で凸部群が形成された賦形版表面全体に吹き付け、サンドブラスト処理を行った。
(光透過部形成工程)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製透明フィルム基材(東洋紡製、A4300)上に、実施例1−1で用いた光透過部形成用組成物Aを塗布し、上記賦形版との間に光透過部形成用組成物Aを挟んだ状態で水銀灯からの紫外線を照射することにより架橋硬化せしめた。賦形版を離型することにより、上記透明フィルム基材上に表面が微細凹凸形状の溝部を有する光透過部を形成した。上記溝部は、深さが62μm、幅が25μm、ピッチ幅が78μmであった。
(熱線吸収部形成工程)
実施例1−1と同様の方法により、溝部内に熱線吸収部を形成した。
(保護層の形成)
実施例1−1と同様の方法により、厚さ3μmの保護層を成膜し、目的とする熱線制御シートを得た。
[実施例2−2]
賦形版表面処理工程において、賦形版に対し平均粒径13μmのアルミナを突出圧0.20MPaの条件でサンドブラスト処理を行った以外は、実施例2−1と同様にして熱線制御シートを得た。
[実施例2−3]
賦形版表面処理工程において、賦形版に対し平均粒径9.3μmのアルミナを突出圧0.35MPaの条件でサンドブラスト処理を行った以外は、実施例2−1と同様にして熱線制御シートを得た。
[比較例2−1]
賦形版に対しサンドブラスト処理を行わなかった以外は、実施例2−1と同様にして熱線制御シートを得た。
[評価2]
(溝部表面の算術平均粗さ(Ra)の評価方法)
実施例2−1〜3および比較例2−1における賦形版、光透過部の溝部表面の算術平均粗さ(Ra)について、非接触式白色干渉計(CANON社製、ZYGO NewView 6200)を用いて、測定範囲50μm×50μmの範囲で3点測定してその平均値を得た。なお、光透過部の溝部表面の算術平均粗さ(Ra)は、溝部内に熱線吸収部が充填される前に測定した。
結果を表2に示す。
(視認性の評価方法)
実施例2−1〜3および比較例2−1の熱線制御シートに蛍光灯からの光を照射して、各熱線制御シートを介して観察した際に多重像及び虹ムラが発生するかを目視により評価した。多重像、虹ムラが改善されて視認性が良好だったものを○、多重像、虹ムラの発現により視認性が悪化したものを×とした。結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2−1〜3の熱線制御シートでは、光透過部と熱線吸収部との界面の算術平均粗さ(Ra)を100nm〜1000nmの範囲内とすることにより、視認性の向上が確認された。一方、比較例2−1の熱線制御シートでは、上記算術平均粗さ(Ra)が所定の範囲を逸脱していたため、上記界面における光の多重反射、および干渉現象による視認性の悪化が確認された。
以上の結果から、第2実施態様の製造方法により得られる熱線制御シートは、観察対象の視認性を良好にすることが可能となった。
1 … 光透過部
2 … 熱線吸収部
3 … 溝部
10 … 熱線制御シート
20 … 熱線制御シート付き窓

Claims (4)

  1. 一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、
    前記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、
    前記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、
    一方の表面に複数本の前記溝部を有する前記光透過部を形成する光透過部形成工程と、
    前記溝部の表面に対し、プラズマを用いた等方性エッチングによる表面処理を行う溝部表面処理工程と、
    前記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、前記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、
    を有することを特徴とする熱線制御シートの製造方法。
  2. 一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、
    前記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、
    前記溝部の界面が微細凹凸形状を有する熱線制御シートの製造方法であって、
    複数の凸部を有する賦形版の、少なくとも前記凸部表面に微細凹凸を形成する賦形版表面処理工程と、
    前記凸部表面に微細凹凸を有する前記賦形版を原版として、光透過部形成用組成物に前記賦形版の前記凸部を有する表面の形状を転写することにより、表面に前記微細凹凸形状を有する複数本の前記溝部を一方の表面に有する前記光透過部を形成する光透過部形成工程と、
    前記溝部内に熱線吸収粒子を含む熱線吸収部形成用組成物を充填し、前記熱線吸収部を形成する熱線吸収部形成工程と、
    を有することを特徴とする熱線制御シートの製造方法。
  3. 一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、
    前記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、
    前記溝部の前記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする熱線制御シート。
  4. 窓材と、
    前記窓材の少なくとも一方の表面に配置された熱線制御シートと、
    を有する熱線制御シート付き窓であって、
    前記熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、
    前記溝部内に形成された熱線吸収部と、を有し、
    さらに、前記溝部の前記光透過部との界面の算術平均粗さ(Ra)が100nm〜1000nmの範囲内であることを特徴とする熱線制御シート付き窓。
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